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夫婦間コミュニケーションが夫婦の
理想と予定の子ども数に与える影響
一橋大学経済学部 学士論文 2015 年 1 月 学籍番号:2111228c 氏名:趙倩 ゼミナール指導教員:川口大司2
概要
本稿では、2012 年に内閣府経済社会総合研究所により実施された「インター ネットによる少子化と夫婦の生活環境に関する意識調査」の個票データを用い て、夫婦間のコミュニケーションが既婚夫婦の理想子ども数と予定子ども数、 予定と理想子ども数の差への影響について分析した。分析の結果、悩みや心配 事に関する相談、よく一緒に買い物に行くことは既婚夫婦の現実的な出生意欲 にプラスの影響を与えている一方、夫婦に共通の趣味で一緒に楽しむことやよ く一緒に夕食をとること、互いに対する愛情表現が多いことは既婚夫婦の出生 意欲にマイナスの影響を与えていることが示された。先行研究では、夫婦間の コミュニケーションが出生意欲に正の影響を与えると指摘されてきたが、本稿 ではコミュニケーションの中でも、違うタイプの行動が出生意欲に違う影響を もたらすことが示された。3
目次
Ⅰはじめに ... 4 Ⅱ先行研究 ... 7 Ⅲ分析方法とデータ ... 9 1.データセットの説明 ... 9 2.モデル ... 10 3.説明変数と被説明変数の定義 ... 11 Ⅳ仮説 ... 15 Ⅴ分析結果と考察 ... 17 Ⅵおわりに ... 26 Ⅶ謝辞 ... 27 Ⅷ参考文献 ... 28 Ⅸ付表 ... 304
Ⅰはじめに
日本には出生率が長期的に低い水準で推移し、少子化問題が進行している。 厚生労働省の「人口動態統計」によれば、日本における合計特殊出生率1は、1974 年に人口維持のための人口置換水準である2.08を割り込み、1989年には 1.57まで、さらに2005年には過去最低である1.26まで落ち込んだ。最近になっ てやや上昇傾向を見せ始め、2013年に1.43という値となったが、それでも 人口を維持するための水準に大きく下回り、日本の少子化はまだ進展して いる。 少子化の進行に対して、夫婦間の出生力の低下が益々大きな影響を与えるよ うになってきた。江藤(2006、p.118)によれば、「出生率の低下をもたらす要 因は大別して二つあり,それらは,「晩婚化・非婚化」と,結婚した「夫婦の出 生力低下」」である。また、「平成17 年版「国民生活白書」は,80 ~ 90 年間 と,90 ~ 00 年間の出生率の低下幅(前者は- 0.19,後者は- 0.30)を,上 記の二大要因に分離した試算値を示している。これによると,90 年までの10 年 間においては,晩婚化・非婚化要因が- 0.17 と圧倒的にウェイトが大きかっ たが,00 年までのそれにおいては,夫婦出生力の低下要因が- 0.12 と,晩婚 1合計特殊出生率: 15~49 歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、一人の女性が その年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当する。5 化・非婚化要因の- 0.08 よりも大きくなっている。即ち,出生率の低下は, 00 年までの10 年間に,晩婚化・非婚化要因によるものもあるが,夫婦の出生 行動自体の変化が大きくなってきたことによるとみられる」(江藤 2006、 p.119)。つまり、「晩婚化・非婚化」要因よりも「既婚夫婦の出生力の低下」要 因のほうが少子化の進行に大きく影響を与えている。 しかも、既婚夫婦の出生力の低下が進行している。『第 14 回出生動向基本調 査 結婚と出産に関する全国調査 夫婦調査の結果概要』(2010)によれば、夫 婦の完結出生児数2は、1940 年から 1972 年まで持続的に低下し、1972 年から 2002 年まで の 30 年間にわたって約 2.20 人で一定の水準で安定していた。しかし、 2005 年には 2.09 人へと減少し、2010 年にはさらに 1.96 人へと低下し、初め て 2 人を割った。また、夫婦の理想的な子どもの数(平均理想子ども数)も実 際に持つつもりの子どもの数(平均予定子ども数)も、1987 年から(「平均理想子 ども数」は 2002 年を除き)低下し、2010 年にそれぞれ調査開始以降最も低い 2.42 人と 2.07 人になった。しかも、平均予定子ども数が平均理想子ども数に 下回り、両者の間にズレが存在していることもわかる。 以上の事実により、少子化問題の改善を検討する際、既婚夫婦の出生力の低 2 完結出生児数:夫婦が結婚後、十分に時間が経過して、もはや子どもを生まなくなった時 点の子ども数を完結出生児数とよぶ。日本の場合、結婚から15 年を経過すると追加出生が ほとんどみられなくなるので、この調査報告では結婚持続期間15~19 年の夫婦の平均出生 児数を完結出生児数としている。
6 下要因を研究する必要がある。西岡・星(2009)、小葉・安岡・浦川(2009)、 藤野(2006)などの研究では、夫の家事参加や育児参加が妻の出生意欲に正の 影響を与えることが示された。また、牧野・中西(1985)、松田(2001)では、夫 の育児参加が妻の育児不安を軽減する効果を持つことが示された。つまり、夫 の協力は妻の出産・育児の心理的コストを減少し、出生意欲の上昇につながる ことがわかる。それでは、家事や育児分担以外の夫婦間の理解と支え合いでも、 育児に対する不安を軽減させ、出産決定に大きく影響を与える可能性もあると 考えられる。しかし、今まで家事や育児分担のあり方に注目する分析は多いが、 夫婦の共同行動やコミュニケーションに関する分析はまだ少ない。そのため、 本稿では、夫婦間のコミュニケーションが夫婦の理想と予定子ども数に与える 影響を検証し、既婚夫婦の理想と予定子ども数の上昇や、予定と理想子ども数 のギャップの縮小に対して分析を行う。 また、今まで主な研究は女性の出生意欲を研究対象にして行ったものである が、厚生労働省大臣官房統計情報部(2013)によれば、「夫の希望子ども数が妻 よりも少ない場合には、希望子ども数が実現されにくくなっている」、出産決定 をする際、男性の意向も非常に重要であることがわかる。以上により、本稿で は男性のデータに基づく検証も行い、男性の出生意欲についても検証し、男女 間の違いを分析する。
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Ⅱ先行研究
前で述べたような少子化問題を背景として、今までは出産意欲や出産行動を 分析する多数の研究が行われてきた。しかし、本稿のように、夫婦間のコミュ ニケーションに焦点を当てて分析を行った研究は少なかった。主に参照した研 究は飯島・内野・施・永田・松田・山田(2013)と山口(2004)、石・桂田(2006) である。 飯島・内野・施・永田・松田・山田(2013)では、本稿と同じデータセット の中、39 歳以下のデータに絞って利用し、夫婦の伴侶性が追加出産意向(現実 的に持つつもりの子供の数が現在持つ子ども数より多い場合が1、それ以外が 0)に与える影響ついて男女別にプロビット分析を行った。結果として、夫婦 の伴侶性が高い者のほうが、追加出産意向が高いということが示された。ただ し、先行研究では現在に持つ子ども数と予定子ども数の差を利用し、若年夫婦 の追加出産意向について分析したが、本稿では、予定子ども数と理想子ども数 に注目し、夫婦間のコミュニケーションが出生意欲の上昇や、理想と予定子ど も数のギャップの縮小に与える影響を分析する。また、プロビットモデルによ る分析は、係数値の解釈が極めて難しいので、本稿では係数値の解釈を容易に するため、最小二乗法による分析を行う。8 また、山口(2004)では、パネルデータを利用し、家庭や職場などの社会環 境が既婚女性の出生意向と出生行動への影響について分析を行った。その結果 として、24-35 歳の既婚女性について、「会話を通じた心理的な夫婦の共有体験」 は出生意向に正の影響があることがわかった。 石・桂田(2006)では、乳幼児をもつ母親を対象として、夫婦というサブシ ステムに焦点を当て、母親の「育児不安」について分析を行った。その結果と して、夫婦の間のコミュニケーションがスムーズであれば、妻が夫からより多 くサポートを受けていると認知し、「育児不安」が低減されるということがわか った。 本稿では、前に挙げた先行研究の分析方法と分析結果を参考しつつ、変数を 設定し、分析を行う。
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Ⅲ分析方法とデータ
1. データセットの説明
使用データ:「インターネットによる少子化と夫婦の生活環境に関する意識調 査」(2012 ) 寄託者:内閣府経済社会総合研究所 調査対象:20 代~40 代の既婚者 データ数:有効回答数 10,000 人(男女各 5,000 人) 調査方法 :実査を担当した(株)スパイアの登録モニターに対するインターネ ット調査 調査時点:2012 年 10 月 19 日~11 月 11 日 調査地域:全国 標本抽出:年齢(20~24 歳,25~29 歳,30~34 歳,35~39 歳,40~44 歳, 45~49 歳の 6 区分)、性別の 12 区分について国勢調査(2010 年) の人口構成比に乖離がないように収集 データセットの記述統計量は、付表の「表1データセットの記述統計量」に参 照する。10
2. モデル
本稿では、夫婦間のコミュニケーションが既婚夫婦の理想と予定子ども数に どのような影響与えるかについて実証分析によって検証する。具体的には、最 小二乗法により回帰分析を行う。モデルは以下の式のとおりである。 y ここでyは被説明変数、 は説明変数とする。また、u は誤差項である。11
3. 説明変数と被説明変数の定義
被説明変数には、出産意欲を示す「理想的な子供の数」と「現実的に持つつ もりの子供の数」、そして理想と予定のギャップを示す「現実的に持つつもりの 子供の数-理想的な子供の数」という三つの被説明変数を用いる。この三つの 被説明変数に対して、それぞれ同じ説明変を用いて回帰分析を行う。「理想的な 子供の数」と「現実的に持つつもりの子供の数」に関しては、それぞれ「あな たにとって、理想的な子どもの数は何人ですか」と「あなた方ご夫婦は現実的 に何人のお子さんを持つつもりですか」という質問の回答に対して、選択肢で 書かれた数値をそのまま用いる。ただし、「5 人以上」という選択肢は「5 人」 とする。「現実的に持つつもりの子供の数-理想的な子供の数」(以下では「予 定と理想子ども数の差」と省略する)は「現実的に持つつもりの子供の数」に 「理想的な子供の数」を引いた数字にする。また、「理想的な子供の数」(以下 では「理想子ども数」と省略する)は理想的な考えなので、回答者自身の特徴 に大きく依存すると思われ、外部条件により安易に変わるものではないと考え る。「現実的に持つつもりの子供の数」(以下では「予定子ども数」と省略する) は現実的に持つ予定の数なので、他の条件が変わることによって調整され、実 際の出産決定の変化につながるだろう。12 説明変数は以下のように設定するである。 まず、コントロール変数として、「教育年数」、「年齢」、「結婚年齢」、「年収(対 数)」、「配偶者の年収(対数)」、「就業ダミー」、「配偶者の就業ダミー」、「就業 ×労働時間」、「配偶者の就業×労働時間」を入れる。「教育年数」は「最後に卒 業された学校」という項目の回答に対して、「中学校」を 9 年、「高等学校」を 12 年、「専修学校」と「短大・高専」を 14 年、「大学」を 16 年、「大学院」を 18 年にする。また、「その他」の場合は欠損値としてそのデータを落とす。「年 収の対数」と「配偶者の収入の対数」は、それぞれ「あなたの昨年の収入」と 「配偶者の昨年の収入」という項目の回答に対して、選択肢の各区間の中点の 値をとった後、対数をとるものである。「0~99 万円台」の場合を log49.5、「100 万円台」の場合を log149.5 にするように、「0~99 万円台」から「900 万円台」 までの回答を操作し、「1000 万円台以上」の場合を log1499.5 にする。「就業ダ ミー」と「配偶者の就業ダミー」は、それぞれ「あなたの現在の雇用形態」と 「配偶者の現在の雇用形態」という項目の回答に対して、「正規の職員」と「パ ート・アルバイト」、「派遣・嘱託・契約社員」、「自営業主・家族従業者」の場 合を 1、「無職・家事」と「学生」の場合を0とする。「就業×労働時間」と「配 偶者の就業×労働時間」は、それぞれ「あなたの働いている日の労働時間は1 日あたり何時間くらいですか」という項目の回答と「就業ダミー」の積、「配偶
13 者の働いている日の労働時間は1日あたり何時間くらいですか」という項目の 回答と「配偶者の就業ダミー」の積をとる。 次に、着目する夫婦間のコミュニケーションに関する説明変数としては、「配 偶者が悩みを聞いてくれるダミー」と「夫婦で共通趣味あるダミー」、「よく一 緒に夕食をとるダミー」、「よく買い物に一緒に出掛けるダミー」、「よく旅行や 趣味で一緒に出掛けるダミー」、「よく言葉や仕草で愛情を表現するダミー」を 入れる。 「配偶者が悩みを聞いてくれるダミー」は、「あなたの配偶者はあなたの心配 事や悩み事を聞いてくれると思いますか」という質問の回答に対して、「そう思 う」と「まあそう思う」を選んだ場合を1、「あまりそう思わない」と「そう思 わない」を選んだ場合を 0 とする。 「夫婦で共通趣味あるダミー」は、「あなた方ご夫婦で共通の趣味はあります か」という質問の回答に対して、「いつも一緒に楽しんでいる」と「時々一緒に 楽しんでいる」を選んだ場合を1、「共通の趣味はない」を選んだ場合を 0 とす る。 「よく一緒に夕食をとるダミー」、「よく買い物に一緒に出掛けるダミー」、「よ く旅行や趣味で一緒に出掛けるダミー」、「よく言葉や仕草で愛情を表現するダ
14 ミー」は、「この2、3年間を振り返ってみて、次の項目について、あなた方ご 夫婦にどの程度ありましたか」という質問に対して、それぞれ違う頻度に基づ き、ダミー変数を設定した。「よく一緒に夕食をとるダミー」は、「一緒に夕食 をとる頻度」という項目の回答に対して、「毎日のようにある」と答えた場合を 1、「2、3日に1回ある」、「一ヶ月に数回ある」、「一ヶ月に1回程度ある」、「年 に数回ある」、「まったくない」と答えた場合を 0 とする。「よく買い物に一緒に 出掛けるダミー」は、「買い物に一緒に出掛ける」という項目の回答に対して、 「毎日のようにある」と「2、3日に1回ある」と答えた場合を1、それ以外 と答えた場合を 0 とする。「よく旅行や趣味で一緒に出掛けるダミー」は、「旅 行や趣味などで一緒に出掛ける」という項目の回答に対して、「毎日のようにあ る」と「2、3日に1回ある」、「一ヶ月に数回ある」と答えた場合を1、それ 以外と答えた場合を 0 とする。「よく言葉や仕草で愛情を表現するダミー」は、 「言葉や仕草などで愛情を表現する」という項目の回答に対して、「毎日のよう にある」と答えた場合を1、それ以外と答えた場合を 0 とする。
Ⅳ仮説
15 分析の結果に対しては、以下のような仮説を立てる。 まず、結婚が遅れることによって、年齢上の制限でほしい子ども数が減る可 能性が高いので、結婚年齢は出生意向に負の影響があると予測する。 また、山口(2005b、p.5-6)によれば、「個人の教育や所得が増大すれば、結婚 や出産・育児の機会コストが増大する。特にフルタイムで就業している女性が 育児と職の両立が困難なことにより、職を離れたり勤務時間を減少させたりし なければならない状況があれば、所得が減りそれが機会コストである」という 「機会コストの効果に関する理論」に基づき、収入が高いと、女性が育児のた めに犠牲せざるを得ない機会コストも高くなる。そのため、女性の場合、収入 がほしい子ども数に負の影響があると予想する。 妻の労働時間が長いと、仕事と育児の両立が難しくなり、育児に手を抜けざ るを得ない状況が予想され、女性の労働時間が男性のほしい子ども数に負の影 響を与える可能性がある。 また、目黒・西岡(2004)によれば、女性にある出産・育児に対する負担感 が少子化の一要因になっている。山口(2005a)には、機会コストや育児の質の コストを軽減するのみならず、出産・育児の負担感を減少させ、子どもを持ち たくない女性を減らすことも出生意欲の上昇に有用だと主張する。これらの主 張と石・桂田(2006)などの先行研究の分析結果に参考し、夫婦間の理解とサ
16 ポートは出産や育児に対する不安を軽減させ、出産の心理的コストを下げるこ とにつながるので、「配偶者が悩みを聞いてくれるダミー」や「夫婦で共通趣味 あるダミー」、「よく一緒に夕食をとるダミー」、「よく買い物に一緒に出掛ける ダミー」、「よく旅行や趣味で一緒に出掛けるダミー」、「よく言葉や仕草で愛情 を表現するダミー」などは出生意欲に正の影響があると予想する。
Ⅴ分析結果と考察
17 女性の「理想的な子供の数」と「現実的に持つつもりの子供の数」、「現実的 に持つつもりの子供の数-理想的な子供の数」に関する推定結果は「表2回帰 分析の結果(女性)」で示されたとおりである。 男性の推定結果は「表3回帰分析の結果(男性)」で示されたとおりである。 まず、男性においても、女性においても、「年齢」は予定子ども数、予定と理 想子ども数の差に対して有意で負の影響を与える。年齢上の制限で出産する機 会が減少し、現実的にほしい子ども数の減少と予定と理想子ども数の差の拡大 につながるだろう。 次に、男性においても、女性においても、「結婚年齢」は理想子ども数、予定 子ども数、予定と理想子ども数の差に対して、すべて有意で負の影響を与える ことが示され、仮説と同じような結果が得られた。つまり、結婚が遅れること によって、年齢上の制限で出産する機会が少なくなり、現実的に持つつもりの 予定子ども数が減り、予定子ども数と理想子ども数により大きな差が生じると 言えよう。ただし、理想的な子供の数にも負の相関が出ていることは、逆の因 果関係も存在することを示唆している。すなわち、理想的な子どもの数が少な いから、急いで結婚する必要がなくなり、結婚年齢が遅くなるという可能性も あることだ。同じ考え方で、予定子ども数がそもそも低いから、結婚年齢が遅 くなる可能性もある。ただし、予定と理想子ども数の差の係数をみてみると、
18 結婚年齢が遅くなればなるほど、両者の間の差が広がっていくことがわかる。 つまり、晩婚化は夫婦の理想子ども数の実現に妨げ、予定と理想の子ども数に 負の影響をもたらすと言える。また、男性と女性それぞれの係数をみると、三 つの被説明変数において、女性の場合における「結婚年齢」の係数はすべて男 性の場合のそれより数値が大きいである。つまり、女性は男性より強く結婚年 齢の影響を受けていることが言えよう。年齢が高すぎると出産が難しくなると いう点を考えると、女性は確かに男性よりも年齢のせいで生理上に制限されて いる。本稿ではこのような事実も正しく反映された。 また、男性の「教育年数」が理想子ども数と予定子ども数に有意な負の影響 があることに対して、女性の「教育年数」に有意な結果が出なかった。男性の 場合、自分の教育年数が長いので、子どもにも高い教育を受けさせようとする 考えがあるだろう。そのため、一人の子供に対する教育費用が高くなる。収入 がコントロールされたとき、同じ収入で教育費が高ければ、ほしい子ども数が 少なくなるだろう。一方、「教育年数」が予定と理想子ども数の差に有意ではな いが正の影響があると示されている。しかし、それは理想子ども数が予定子ど も数以上に減少することによって生じた結果である。従って、出生意欲を上昇 させる目的から見れば、その差の縮小は望ましい結果ではないと言える。 男性の「年収」が男性の予定子ども数、予定と理想子ども数の差だけに有意
19 で正の影響、女性の「配偶者の年収」が女性の理想子ども数に有意な負の影響、 予定と理想子ども数の差に正の影響を与える。まず、女性の「理想子ども数」 において負の係数が出た理由として、以下の考え方がある。そもそも数より子 供の質を重視する人が子供一人に対して高い投資をするつもりで、収入の高い 異性との結婚を選ぶという考え方である。それによって、高い収入の男性の配 偶者に理想子ども数が少ない女性が多く存在し、下方バイアスが生じた。次に、 男女の予定子ども数や予定と理想子ども数の差に正の影響が出た理由として、 世帯収入が主に男性に頼る現実から考えると、男性の収入が高いことは将来の 生活の安定性に対する不安を軽減するので、現実的に持つつもりの子供数の増 加につながる可能性が高いである。また、女性の「年収」は予定子ども数と予 定と理想子ども数の差に有意ではないが負の影響を与える。つまり、仮説のよ うに、女性の収入が高いと、出産や育児によってあきらめる機会費用が高いた め、現実的にほしい子ども数の減少につながる。 男性の「配偶者の年収」に関して、男性の理想と予定子ども数両方に有意な 負の影響が見られた。まず、女性が正社員や派遣・契約社員のほうがアルバイ トなどに比べて年収が高いである。すなわち、よりフレキシブルな働き方の年 収はより低いと考えられる。従って、男性にとって、配偶者が正社員や派遣・ 契約社員であると、仕事と子育ての両立が難しくなる恐れがあるので、ほしい
20 子ども数が低下する。ただし、理想子ども数における係数の絶対値は予定子ど も数における係数の絶対値より大きいので、実は女性の収入の増加が男性の予 定と理想子ども数の差の減少につながるだろう。 女性の「就業ダミー」が女性の予定子ども数に、男性の「配偶者の就業ダミ ー」が男性の予定子ども数、予定と理想子ども数の差に有意な正の影響を与え ることがわかる。また、これらの係数の値が非常に高いである。夫婦両方から 収入があることは、男性にとっても女性にとっても将来に対する安心感の上昇 につながるだろう。従って、子供を持つことに対する不安が減少し、現実的に ほしい子ども数が増加する。つまり、女性の就業は現実的にほしい子ども数の 増加と予定と理想子ども数の差の縮小につながり、少子化問題の改善に役立て ると言えるだろう。 「就業×労働時間」は男性の予定子ども数に有意な正の影響を与えるが、係 数がかなり小さいので、影響が弱いである。長く働いていることは男性にとっ て仕事に頑張っていることの表しであり、将来の安心感につながる可能性があ るので、現実的にほしい子ども数の増加につながるだろう。 「配偶者の就業×労働時間」は男性の予定子ども数、予定と理想子ども数の 差に有意な負の影響を与える。仮説通り、妻の労働時間が長いと、仕事と育児 の両立が難しくなり、育児に手を抜けざるを得ない状況が予想されるため、男
21 性の現実的にほしい子ども数の減少につながる。 また、注目する夫婦間コミュニケーションに関する説明変数について、正の 影響と負の影響という二種類の違う結果が見られた。 まず、「配偶者が悩みを聞いてくれるダミー」と「よく買い物に一緒に出掛け るダミー」は男女ともに正の影響を与えることが示された。具体的に、「配偶者 が悩みを聞いてくれるダミー」が男性にも女性にも理想子ども数と予定子ども 数に正の影響を与え、「よく買い物に一緒に出掛けるダミー」が男性の予定子ど も数と予定と理想子ども数の差、女性の予定子ども数に有意に正の影響を与え ることがわかる。これに関しては仮説通り、夫婦間の悩みや心配事に関する相 談や買い物等の協力行動などは出産や育児に対する不安を軽減させ、出生意欲 を高めることにつながる。「配偶者が悩みを聞いてくれるダミー」は男女ともに 理想子ども数における係数が正であることの解釈として、理想的な子供の数が 多い人なら、将来育児で助け合いそうな相手を探し、一つの参考として情緒的 なサポートをしてくれる相手を選択するという可能性がある。ただし、男女と も予定子ども数における係数が理想子ども数における係数より高いため、「配偶 者が悩みを聞いてくれるダミー」は現実と理想子ども数の差を縮める影響があ ると言える。また、女性の係数も男性より高いので、育児の責任を主に担う女
22 性にとって、配偶者からの理解と情緒的サポートはより重要だと言えよう。一 方、「よく買い物に一緒に出掛けるダミー」が男女とも予定子ども数に正の影響 を与える解釈として、夫婦一緒に生活用品などを買いに行く行動は互いに助け 合う実感をもたらすので、相手からのサポートをよく感じて、育児に対する不 安が軽減されることにつながり、現実的な出生意欲が高くなるだろう。そして、 予定と理想子ども数の差の縮小にもつながるので、夫婦一緒の買い物が望まし い行動だと言える。 次に、「よく一緒に夕食をとるダミー」、「よく旅行や趣味で一緒に出掛けるダ ミー」、「よく言葉や仕草で愛情を表現するダミー」、「夫婦で共通趣味あるダミ ー」は男女ともに負の影響が見られた。 具体的に、「よく一緒に夕食をとるダミー」は女性の予定子ども数と予定と理 想子ども数の差に有意な負の影響を与え、男性の被説明変数に有意ではないが 負の影響を与えることが示された。理想子ども数における係数が負であること から、よく一緒に夕食をとる夫婦にはそもそもほしい子ども数が少ない可能性 があると考えられる。ただし、男女とも予定子ども数における係数は理想子ど も数における係数より絶対値が大きいので、よく一緒に夕食をとることが予定 と理想の子供の差を拡大させることがわかる。解釈として考えられることは、 配偶者がよく付き添ってくれるので、子どもから求めたい安心感の分が少なく
23 なり、持つつもりの子供の数の減少につながるという考え方である。また、男 性よりも女性の係数の絶対値がはるかに大きいので、女性にとって、夫からも らえる安心感と子どもからもらえる安心感の代替関係がより強いであろう。し かし、男女における係数の違いに対するもう一つの理解として、毎日夫に夕食 を準備することは女性に負担を感じさせるので、その分育児にある程度手を抜 けざるを得ないようになり、現実的に持つつもりの子どもの数が減少するとい う考え方もある。 「よく旅行や趣味で一緒に出掛けるダミー」は男女とも理想と予定子ども数 両方に有意な負の影響を与える。ただし、理想子ども数における係数が負であ るので、よく一緒に旅行や趣味で出掛ける夫婦には元々二人の時間をよく楽し めるので、ほしい子ども数が少ない可能性が高いと考えられる。しかし、男女 とも予定子ども数における係数の絶対値は理想子ども数における係数の絶対値 より大きいので、予定と理想子ども数の差を広げることが言えるだろう。 「よく言葉や仕草で愛情を表現するダミー」は女性の三つの被説明変数にす べて有意な負の影響を与え、男性の予定と理想子ども数の差だけに有意な負の 影響を与えることがわかる。係数をみると、女性の理想子ども数における係数 は負であるが、男性のそれは正である。つまり、よく愛情表現をする夫婦には 元々ほしい子ども数が少ない女性と元々ほしい子ども数が多い男性が多くいる
24 可能性がある。ただし、どちらにせよ、予定子ども数における係数は両方とも 負であり、予定と理想の差における係数も負である。すなわち、よく愛情表現 をすることは予定と理想の子供の差を拡大させることがわかる。解釈として考 えられることは、配偶者から十分の愛情を感じられるので、子どもから求めた い愛情や喜びの分が少なくなり、持つつもりの子供の数の減少につながる。ま た、予定子ども数において男性よりも女性の係数の絶対値がはるかに大きいの で、女性にとって、夫から感じられる愛情と子どもから感じられる愛情の代替 関係がより強いであろう。 「夫婦で共通趣味あるダミー」は男女ともすべての被説明変数に負の影響を 与える。つまり、共通趣味を持つ夫婦にはそもそもほしい子ども数が少ない可 能性が高いである。また、男女とも予定子ども数における係数が理想子ども数 における係数より絶対値が大きいので、夫婦の共通趣味は予定と理想子ども数 の差を拡大させることが言える。解釈として、配偶者と同じ趣味などで楽しむ ことができるので、子どもから求めたい喜びの分が減少し、持つつもりの子供 の数の減少につながる。また、男性よりも女性の係数の絶対値がはるかに大き いため、女性にとって、夫と一緒に楽しめる喜びと子どもから得られる喜びの 代替関係がより強いであろう。 以上により、同じ夫婦間のコミュニケーションに属するが、「配偶者が悩みを
25 聞いてくれる、よく買い物に一緒に出掛けること」と「よく一緒夕食をとる、 よく旅行や趣味で一緒に出掛ける、よく言葉や仕草で愛情を表現する、夫婦で 共通趣味あること」の二組が出生意欲に反対の影響をもたらすことが示された。 理由として、以下のようなことが考えられる。「配偶者が悩みを聞いてくれる、 よく買い物に一緒に出掛けること」が代表する夫婦間のコミュニケーションは、 悩みや不安の解消や心の支え合い、現実的な助け合う行動なので、出産や子育 てに対する不安の解消につながる。つまり、このようなコミュニケーションは 子供を持つ心理的コストを減少させる効果があると考えられ、出産意欲の上昇 につながる。一方、「よく一緒夕食をとる、よく旅行や趣味で一緒に出掛ける、 よく言葉や仕草で愛情を表現する、夫婦で共通趣味あること」が代表する夫婦 間のコミュニケーションを通じて、配偶者から安心感や愛情、喜びなどが得ら れるので、代替効果が働き、子どもに求めたい愛情や喜びが少なくなる可能性 が高いである。しかも、このような行動によって軽減される心理的コストは子 どもに求める愛情などの減少分よりも少ないため、子どもへの需要が減少し、 出生意欲が低下するような結果になる。
Ⅵおわりに
本稿では、既婚夫婦の出生意欲に焦点をあて、夫婦間のコミュニケーション26 が夫婦の理想と予定子ども数にどのような影響を与えるのかについて検証した。 まとめとして、違うタイプのコミュニケーションは夫婦の出生意欲に違う影 響をもたらすことが示された。悩みや不安の解消や心の支え合い、現実的な助 け合う行動は、出産や子育てに対する不安を解消させる可能性が高いので、出 産意欲の上昇につながる。一方、配偶者から安心感や愛情、喜びなどを感じら れる行動は、代替効果の影響で、子どもに求めたい愛情や喜びが少なくなる可 能性が高いので、子どもへの需要が減少し、出生意欲の低下につながる。 また、本稿の課題として、クロスセクショナルデータを用いることから、内 生性問題が生じ、因果関係についての検証には限界がある。
Ⅶ謝辞
本論文の作成にあたり、終始丁寧にご指導くださった卒業論文指導教員の川 口大司先生に心より感謝いたします。27 また、日常の議論や卒業論文の発表を通じて多くの知識や意見をいただいた 川口ゼミの皆様にも感謝いたします。 また、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センタ ーSSJ データアーカイブから「インターネットによる少子化と夫婦の生活環境に 関する意識調査」(2012 )の個票データの提供をいただきました。心より御礼 を申し上げます。
Ⅷ参考文献
・飯島亜希、内野淳子、施利平、永田夏来、松田茂樹、山田昌弘(2013)『夫婦 の出生力の低下要因に関する分析 ~「少子化と夫婦の生活環境に関する意識調28
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Ⅸ付表
表1データセットの記述統計量
30 理想的な子供の数 2.167 (0.914) 2.279 (0.824) 現実的に持つつもりの 子供の数 1.681 (0.988) 1.854 (0.901) 現実的に持つつもりの 子供の数-理想的な子 供の数 -0.486 (0.825) -0.425 (0.766) 教育年数 13.849 (1.795) 14.616 (2.113) 年齢 38.277 (6.626) 38.957 (6.441) 結婚年齢 27.301 (4.510) 28.843 (4.674) 年収 160.996 (206.266) 548.847 (290.158) 配偶者の年収 537.791 (287.548) 160.105 (181.956) 就業ダミー 0.504 (0.500) 0.978 (0.147) 配偶者の就業ダミー 0.972 (0.166) 0.580 (0.494) 就業×労働時間 3.161 (3.578) 8.753 (3.197) 配偶者の就業×労働時 間 9.532 (3.293) 3.884 (3.897) 配偶者が悩みを聞いて くれるダミー 0.309 (0.462) 0.281 (0.450) よく一緒に夕食をとる ダミー 0.481 (0.500) 0.549 (0.498) よく買い物に一緒に出 0.239 0.334
31 掛けるダミー (0.426) (0.472) よく旅行や趣味で一緒 に出掛けるダミー 0.271 (0.444) 0.308 (0.462) よく言葉や仕草で愛情 を表現するダミー 0.236 (0.425) 0.207 (0.406) 夫婦で共通趣味あるダ ミー 0.607 (0.488) 0.589 (0.492) 観測値数 4680 4748 上段は平均値、下段()内は標準偏差。 表2回帰分析の結果(女性) 理 想 的 な 子 供 の 数 現 実 的 に 持 つ つ もりの子供の数 現 実 的 に 持 つ つ も り の 子 供 の 数 - 理 想 的 な 子 供 の数
32 教育年数 -0.006 (0.008) -0.005 (0.008) 0.001 (0.007) 年齢 -0.003 (0.002) -0.018*** (0.002) -0.015*** (0.002) 結婚年齢 -0.034*** (0.003) -0.063*** (0.003) -0.028*** (0.003) 年収(対数) 0.015 (0.017) -0.001 (0.017) -0.016 (0.015) 配偶者の年収(対 数) -0.050* (0.026) 0.004 (0.027) 0.054** (0.023) 就業ダミー 0.069 (0.055) 0.115** (0.056) 0.046 (0.049) 配 偶 者 の 就 業 ダ ミー -0.008 (0.094) 0.033 (0.096) 0.042 (0.084) 就業×労働時間 -0.013 (0.008) -0.013 (0.008) 0.000 (0.007) 配 偶 者 の 就 業 × 労働時間 -0.002 (0.005) -0.005 (0.005) -0.004 (0.004) 配 偶 者 が 悩 み を 聞 い て く れ る ダ ミー 0.065** (0.031) 0.089*** (0.032) 0.024 (0.028) よ く 一 緒 に 夕 食 をとるダミー -0.018 (0.028) -0.105*** (0.029) -0.087*** (0.025) よ く 買 い 物 に 一 緒に出掛けるダ ミー 0.020 (0.034) 0.065* (0.035) 0.045 (0.030) よ く 旅 行 や 趣 味 で 一 緒 に 出 掛 け -0.063* (0.033) -0.072** (0.034) -0.009 (0.030)
33 るダミー よ く 言 葉 や 仕 草 で 愛 情 を 表 現 す るダミー -0.090*** (0.035) -0.174*** (0.036) -0.084*** (0.031) 夫 婦 で 共 通 趣 味 あるダミー -0.107*** (0.030) -0.218*** (0.030) -0.111*** (0.027) 切片 3.671*** (0.197) 4.353*** (0.201) 0.682*** (0.176) 決定係数 0.044 0.151 0.062 観測値数 4680 4680 4680 *p≤0.1,** p≤0.05, *** p≤0.01 上段は係数値、下段()内は標準誤差。 表3回帰分析の結果(男性) 理 想 的 な 子 供 の 数 現 実 的 に 持 つ つ もりの子供の数 現 実 的 に 持 つ つ も り の 子 供 の 数 - 理 想 的 な 子 供
34 の数 教育年数 -0.022*** (0.006) -0.014** (0.006) 0.008 (0.005) 年齢 -0.002 (0.002) -0.015*** (0.002) -0.013*** (0.002) 結婚年齢 -0.018*** (0.003) -0.034*** (0.003) -0.016*** (0.003) 年収(対数) 0.031 (0.024) 0.120*** (0.025) 0.090*** (0.022) 配偶者の年収(対 数) -0.051*** (0.018) -0.042** (0.019) 0.009 (0.016) 就業ダミー 0.123 (0.093) 0.127 (0.099) 0.004 (0.086) 配 偶 者 の 就 業 ダ ミー 0.049 (0.046) 0.154*** (0.049) 0.106** (0.043) 就業×労働時間 0.006 (0.004) 0.008* (0.004) 0.002 (0.004) 配 偶 者 の 就 業 × 労働時間 -0.003 (0.006) -0.023*** (0.007) -0.019*** (0.006) 配 偶 者 が 悩 み を 聞 い て く れ る ダ ミー 0.050* (0.028) 0.062** (0.030) 0.012 (0.026) よ く 一 緒 に 夕 食 をとるダミー -0.024 (0.026) -0.030 (0.027) -0.006 (0.024) よ く 買 い 物 に 一 緒 に 出 掛 け る ダ ミー 0.009 (0.028) 0.071** (0.030) 0.062** (0.026) よ く 旅 行 や 趣 味 -0.084*** -0.101*** -0.018
35 で 一 緒 に 出 掛 け るダミー (0.029) (0.031) (0.027) よ く 言 葉 や 仕 草 で 愛 情 を 表 現 す るダミー 0.033 (0.032) -0.052 (0.035) -0.085*** (0.030) 夫 婦 で 共 通 趣 味 あるダミー -0.065** (0.026) -0.141*** (0.027) -0.076*** (0.024) 切片 3.120*** (0.176) 2.964*** (0.187) -0.156 (0.163) 決定係数 0.029 0.083 0.038 観測値数 4748 4748 4748 *p≤0.1,** p≤0.05, *** p≤0.01 上段は係数値、下段は()内標準誤差。