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第 10 回 TN 記念奨学金授与者について

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Academic year: 2021

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第 10 回 TN 記念奨学金授与者について

立教大学文学部文学科英米文学専修では、「TN記念奨学金規程」にしたがい、

第 10 回TN記念奨学金の授与者を以下のように選考した。

まず、「TN国際貢献奨励奨学金」授与者の選定にあたり、英米文学専修主 任および英米文学専攻主任を含めた 3 名からなる選考委員会が組織された。

「TN国際貢献奨励奨学金」は、「国際貢献を奨励するために、当該年度にハワ イ大学ヒロ校に留学する学部学生の中で、最も優秀な者」に授与することになっ ている(同奨学金規程第 3 条 1 項)。奨学金授与者の選定にあたっては、この 点を踏まえ、選考委員による面接結果、TOEFLの点数、学業成績等を考慮し、

選考委員会は最終的に奨学金授与者を石井孝明と決定した。

また、「TN賞」の選定にあたっては、英米文学専修と英米文学専攻に所属 する教員が、今年度提出された卒業論文および修士論文を査読し、口頭による 試問を行い、その結果を踏まえて慎重に検討した結果、以下の 2 名を授与者と 決定した。

藤原あゆみ 卒業論文 The Eloquence of Silenced Victims: Listening to the Male Voice in The Bluest Eye

鴇崎孝太郎 修士論文 Practical Teaching Method of Spelling/Pronunciation Skills with Particular Reference to the History of the English Language

第 10 回TN国際貢献奨励奨学金授与者、石井孝明による留学体験の報告を 以下に記載する。なお第 10 回TN賞受賞論文のうち、藤原あゆみの卒業論文 は次年度本誌に掲載の予定である。

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第 10 回TN国際貢献奨励奨学金授与者 石井孝明

私は大学 3 年次の夏、ハワイ大学ヒロ校へ留学し、4 ヶ月間インターナショ ナルスチューデントとして勉強をしました。時の流れが緩やかと聞いてやって きたわけですが、1 週間、1 ヶ月、そして 1 セメスターは怒涛のように過ぎて 行きました。半期で申し込んだことをとても悔やんでいるほどです。

この留学を経て私の中で大きく変わったことが 3 つあります。

1 つ目は心の持ち方と人への永久不変の愛です。アロハと言ってもいいで しょうか。道を歩いている初対面の人から笑顔で “aloha” や “hi”、“whatʼs up?” と挨拶をされます。ハワイの海洋生物を守るためのNPOに協力するためのファ ンデライザーを得るためにキーホルダーを作り、売るという授業があった際、

多くの人が惜しまず協力してくれて、また商品を買わずにお金だけを置いてい く人さえもいました。日本の大学の 1 セメスターの授業において、学んだなと 実感することはあっても、他の感情は一切なく、こなしたという印象でした。

しかしハワイでは、今回のセメスターにおいて、先生、クラス、授業に対して 心から感謝をし、最後は泣きながら全員でハグをして、ハワイアンチャントを 歌い、人の繋がりというものを再認識しました。当初は全てにおいて固かった 私も、ハワイの人や土地が創り出す雰囲気により、次第に寛容になり、また人 との交流の根底に存在するのは人への愛であるということを改めて実感しまし た。

2 つ目は日本についてです。インターナショナルスチューデントとして来た 以上、私たちは「日本人」として見られます。先に挙げたハワイでの日本人以 外の人達との交流から、親切で、礼儀正しいと言われている日本人とは虚像な のかと考えるきっかけになり、自らの行いを省みて、先人の残した多くの書物 を読みました。私は留学中に台湾人の女性と交際し、また韓国人の友人も多く いた事から、多くの人達から太平洋戦争やそれに関連する諸問題について聞か れる機会が多くありました。それがきっかけで自国の歴史について調べ直し、

それを元にプレゼンテーションを行い、自らの意見を持ち、話し合う事ができ ました。「日本とは、日本人とは何か」と振り返るきっかけとなりました。

最後は勉強への価値観です。日本では 4 年生の大学をストレートで卒業し、

会社に就職して安泰な人生を送ることが美徳とされていて、私も母親からそれ を望まれています。しかし大学に入って以降、そこからの道は決して一つでは なく、多種多様に存在するという事を知りました。私は理数系の多くの教養を

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持つミクロネシアの友人達と接した際に、当初持っていたバイアスを打ち砕か れ、己の怠惰さを実感し知識欲を覚えました。また一度大学を卒業したのにも 関わらず夢を志すために、メジャーを変えてもう一度大学へ入学し、30 歳過 ぎに卒業をした地理学の教授から話を聞き、現状への不安と未来への可能性と 勉強というものは一生をかけて行っていくものであると感じました。半期の留 学を経た今、私はトランスファーをするか、大学院へ行くか、または就職をし た後に貯金をして、再び海外の 4 年制の大学へ行くかという選択が浮上しまし た。当初ここへ来た時には考えもしませんでしたが、今はとても “ 学びたい ” という熱い思いに動かされています。

今回は 3 つに絞らせていただきましたが、これ以外にもハワイ大学ヒロ校の 留学は私に多くの事を教えてくれました。ビッグアイランドに位置するヒロと いう土地は田舎で、基本的に娯楽はショッピングモールとダウンタウンという 2 つの選択肢しかない上に雨が多く、人によっては退屈と感じますが、その反 面火山やビーチ、満天の星空など多くの自然に溢れていて、それこそ大学内で の勉強だけでなく「共に生きる」ということを学ぶのにこれ以上の適した場所 はありません。費用はかなりかかりますが、学部からの留学に対する奨学金支 援もありますし、また費用以上の収穫があるはずです。既存の私の考えを覆し たハワイ大学ヒロ校での経験を活かして、これからも学ぶことを突き詰めてい こうと私は考えております。

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