アメリカ連邦政府における情報資源管理政策 : 一 九八〇年文書業務削減法を中心として(下)
その他のタイトル Information Resources Management Policy in the U.S. Government : In Relation to the Paperwork Reduction Act of 1980 (2)
著者 岡本 哲和
雑誌名 關西大學法學論集
巻 42
号 6
ページ 1526‑1594
発行年 1993‑02‑25
URL http://hdl.handle.net/10112/1592
目 次 は じ め に 第 一 章 情 報 政 策 の 概 念 第 一 節 情 報 の 概 念 第 二 節 情 報 政 策 の 概 念
第一︱章情報資源管理
第一節情報資源管理の概念
第二節情報資源管理が行政に与える影棚第三章アメリカ連邦政府の情報政策~その歴史的展開
第一節第二次世界大戦以前の情報政策
第二節第二次大戦以降の情報政策︵以上四二巻第五号︶
第 四 章 文 書 業 務 削 減 法 ( th e Pa pe rw or k R ed uc ti on Act )
第一節連邦文書業務委員会
第二節文書業務削減法の制定
第一二節文書業務削減法の内容
第 五 章 文 書 業 務 削 減 法 の イ ン プ リ メ ン テ ー シ ョ ン レ ー ガ
ン政権
第 一 節 背 景 的 要 因 Iレーガン政権の情報政策
第二節文書業務削減法のインプリメンテーション
第三節インプリメンテーションの規定要因
お わ り に
︵ 以 上 本 号
︶
岡
│ ︱ 八 九
0年文書業務削減法を中心としてー︵下︶
関 法 第 四 二 巻 第 六 号
本
アメリカ連邦政府における情報資源管理政策
一九 八
哲
︵一五 二六
︶
和
アメ
リカ
連邦
政府
にお
ける
情報
資源
管理
政策
まっていた︒特に︑ 設置の背景委
員会
︶
連邦文書業務委員会は前述のブラウンロー委員会やフーバー委員会などの大統領諮問機関︵いわゆるアド・ホック
(l )
とは違って︑議会の立法により設置された機関である︒連邦文書業務委員会設置法の制定へと至る議会の動
きの背後には︑政府による情報収集と文書の要求に伴う負担に対して有権者から議員へ寄せられていた長年の不満の
蓄積があった︒特に︑確定申告︑国勢調査︑各種申請︑社会保険︑環境・衛生やビジネスに関わる書類提出の量と煩
雑さへの不満が高まっていた︒このことは︑政府﹁内部﹂の情報処理に関わる必要性のみでなく︑﹁外部環境﹂すな
わち社会の様々な領域からの要求が連邦政府による情報資源管理政策の起点の︱つであったことを意味している︒そ
れに加えて︑議会の内部からも連邦報告書法の施行に対する不満を中心として︑情報政策の見直しを訴える声が高 に
する
︒
一九七四年︱二月︑連邦文書業務委員会設置法が制定され︑それに基づき翌年に連邦文書業務委員会
(C om mi
s,
s io n on e F
de
ra
l P ap er wo rk )
が設置された︒同委員会の活動と報告は文書業務削減法の制定を導き︑その後の連邦
政府による情報資源管理政策の流れを方向付けたという点できわめて重要なものである︒本節においては︑同委員会
の設置及び目的・活動︑そしてその活動に関わる環境要因と同委員会による報告書の内容について議論を進めること 第一節
一九七三年の連邦報告書法の修正により独立規制機関の情報収集への監査責任を負うこととなっ 連邦文書業務委員会
第四章
文書業務削減法
(t
he
Pa pe rw or k R ed uc ti on Ac t)
一九
九
︵一 五二 七︶
る改革が必要であり︑また望ましいかを明らかにする︒ このような認識に基づき︑連邦文書業務委員会は情報の収集︑処理︑提供及び情報活動の管理とコントロールに関
(6 )
わる連邦政府の法令︑政策︑実施活動についての調査を行う︒それにより︑以下に挙げる目的の達成のためにいかな 2 地方政府に対し空前の文書負担を課している︒ ー
(3 )
た会計検査院
( G e n
e r a l
A c
c o
u n
t i
n g
f f O
i c e )
に対しては︑その任への不適格性を指摘する声も少なくはなかった︒連
邦文書業務委員会の設置は︑これらの要求や問題に対し議会がとった対応の一っとしてとらえることができる︒
目的及び活動内容
連邦文書業務委員会は以下のメンバーから成る一四人によって構成される︒1
上院議員︵ただし︑二人が同一政党に属していることは認められない︶︑2
議員︵同様に二人が同一政党に属していることは認められない︶︑3
される連邦行政府の官吏︑5
︵一
五二
八︶
行政管理予算局局長︑4
企業︑労働組合及び他の利益集団を含めた民間部門からの代表五人︵大統領により任命︶︒これらの中から議長と副
(4 )
議長が選ばれる︒
連邦文書業務委員会設置法第一条によれば︑同委員会の設置の背景は次の点にあるとされる︒
連邦政府からの情報提出要求は︑市民︑連邦政府による援助の受給者︑企業︑政府との契約請負者︑及び州︑
政策を形成しそれについての適法的なプログラムを実施するための情報の必要性に沿って︑情報提出に伴う負
(5 )
担を最小限に留めることは連邦政府の政策によって実施され得る︒
会計
検査
院長
官︑
6大統領により任命される州及び地方政府の官吏二人︑7中小 関法第四二巻第六号
大統領により任命 下院議長により任命される二人の下院 上院議長により任命される二人の 二
0 0
これらから読み取れるのは︑設置時においての連邦文書業務委員会の主たる目標の一っが︑政府が要求する文書の
削減ーすなわち物理的なコントロールー'│によって民間部門の負担の軽減を図ることにあったことである︒それは
また︑連邦文書業務委員会のメンバー一四人のうち︑情報を﹁提供する﹂側にいる民間部門の関係者が五人を占めて
いる事実からも窺い得よう︒ただし︑右の1
及び
4から明らかなように︑連邦文書業務委員会の設置を推進した議会
の側で情報の利用可能性の促進が意識されていたことにも注目せねばならない︒第二章で指摘したように︑ヒト︑モ
ノ︑カネなどと同様に情報を資源として取り扱うのが情報資源管理の基本にある考え方である︒そこから︑資源の浪
費を避けるために情報のコスト面ー自由財ではなく希少財としての情報ー│ーに重点を置く基準と︑資源の活用I
情報の有用性ーに重点を置く基準の二つが導出されてくる︒サイモンらにならって︑前者を﹁効率
( ef f i ci e n cy )
﹂ ︑
(8 )
後者を﹁妥当性
(a de qu ac y)
﹂と言い換えることも可能であろう︒それに従えば︑右の2︑5︑6は効率を︑そして 6 5 4 3 2 ー
アメ
リカ
連邦
政府
にお
ける
情報
資源
管理
政策
に処理され︑提供されることを規定する︒ 地方政府に課している負担を最小限に留める︒
二0 連邦公務員及びその代理として活動する人々に︑必要な情報が利用可能となるように保証する︒連邦政府からの情報提出要求が︑民間人︑連邦政府による援助の受給者︑企業︑政府との契約請負者︑及び州︑民間人もしくは連邦政府が保有する情報の機密性とその解除についての適切な基準を保証する︒連邦政府により保有される情報が︑すべての連邦機関及び公衆への有効性
( us e f ul n e ss )
を最大限にするよう
連邦政府及び州︑地方政府︑そしてその他の情報収集者により収集される情報の重複を削減する︒
( 7)
連邦文書業務にかかるコストを削減する︒
︵一
五二
九︶
ー 行動をおこさねばならない︒ 1 ︑
4は妥当性をそれぞれ志向したものといえる︒もちろん︑情報資源管理の概念からすれば︑これら二つの基準は
必ずしも互いに排他的でなく︑相補的であるべきである︒だが︑後に見るように︑
いてはこれら二つの基準をめぐって対立軸が存在したり︑ 二0ニ
︵一 五三
0)
アメリカの情報資源管理政策にお
一方の基準が他方にあたかも埋没してしまっているような
状況ー具体的に言えば︑妥当性に対する効率の優位がそれ以後現れることとなった︒ここで︑連邦文書業務委
員会の目的として︑二つの基準が併存する形で挙げられていることに注意を促しておきたい︒
次に︑連邦文書業務委員会の活動内容について見ておきたい︒同委員会は目的を達成するために︑連邦政府機関の
協力を要請することができる︒すなわち︑同委員会委員長の請求に基づき︑各省及び政府機関は︵法律で禁止されて
いるものを除き︶同委員会に対し必要なデータ︑報告書︑その他の情報を供与する権限を与えられており︑またその
(9 )
供与を指示されることもある︒
それとともに︑連邦文書業務委員会はアメリカ各地において公聴会を開催し︑各方面からの証言を受け取ることが
( 10 )
できる︒同委員会の実際の活動において公聴会は各地で開かれ︑しかもそれが同委員会の活動及び報告書の内容に与
えた影響はかなり大きなものであったとされる︒
これらの活動を通して︑情報政策にかかわる法令︑政策︑規則︑手続き等の改善について︑連邦文書業務委員会は
報告書の提出及び勧告を適時行う︒ただし︑最終報告書は第一回会合の時点から二年以内に作成され︑議会及び大統
領に提出されねばならないとされている︒この最終報告書に基づき︑行政管理予算局︵以後
OMB
と略
記︶
連邦文書業務委員会の勧告に対する行政機関の見解を表明する︒
関 法 第 四 二 巻 第 六 号
は以下の
アメ
リカ
連邦
政府
にお
ける
情報
資源
管理
政策
とは確実であるように思われる︒ を行わねばならない︵最終報告は二年以内︶とされている︒
( 1 2 )
勧告の他の内容を実施するに必要な︑もしくは実施するための権限を与えるに必要な立法を提案する︒
さらに
OMB
はこれらの規定に基づいて実施される行動について︑少なくとも半年に一度は議会及び大統領に報告
これらの行動の責任が︑
OMB
に対して委ねられたことには注目せねばならない︒これについては︑既述の連邦報
告書法においてすでに
OMB
に与えられていた情報政策に関わる権限を利用できるとの意味合いも含まれていたであ
ろう
が︑
いずれにせよ情報政策を改善し実施する上で議会の側から
OMB
に対し一定の﹁期待﹂が寄せられていたこ
連邦文書業務委員会報告書の内容
連邦文書業務委員会は約二年間の活動期間において︑三六の個々の分野に関する報告書を作成し︑七七0に及ぶ提
( 13 )
言を行った︵それらの内︑約半数が同委員会の活動期間中に議会及び政府機関により実施に移されたとされている︒︶︒
それらの報告書が取り上げた分野は︑プライヴァシー︑消費者信用︑
税務︑福祉︑年金︑情報の価値︑記録管理︑文書管理などと広きにわたる︒その中に︑情報資源管理についての一冊
の報告書が含まれていることは注目に値しよう︒情報政策をめぐる公的な場での議論において︑明示的な形で情報資
源管理の概念が示されたのは︑その報告書が最初であるといってよい︒
同報告書の目的は︑﹁情報資源﹂を有効的かつ効果的にコントロールするためのアプローチ︑道具︑技術を示唆す
( 14 )
ることにあるとされる︒調査結果としてそこで挙げられているのは︑次のような事柄である︒ 3 2権限とリソースの範囲内で出来得る限り勧告を実行する︒
エネルギー︑医療︑中小企業向け貸付金︑統計︑
二0
1 ︱ ︱
︵一 五三 一︶
5 4 3 2 ー
ている︒文書のデータとしての内容に一層の関心が向けられるべきである︒
︵一 五三 二︶
情報資源の有効的かつ効率的な管理についての教義の体系が欠如しているがゆえに︑情報管理のコントロール
もはや︑情報を﹁自由財﹂と見なすことはできない︒政府はそれを物的︑人的資源と同様に︑価値ある資産と
見なさねばならない︒さらに︑政府は実際に使い途のないような多くの情報を集めすぎている︒
文書業務に関わる政府の機関は︑書類︑報告書︑記録といった文書の﹁物的﹂コントロールに重点を置きすぎ
情報に関連する政府によるプログラム及び活動は︑あまりにも分散化され︑区画化されすぎている︒そしてそ
れらは︑確実な情報に対する官公吏のニーズに応えつつ︑公衆への文書業務負担を軽減するという共通の目的の
ために同調されて実行されているとはいえない︒プログラム及び活動の統合と調和が必要である︒
文書及び情報をコントロールするための政府機構において︑重大な構造上の︑そして手続き上の欠陥が存在す
る︒たとえば︑連邦報告書法改正における
OMB
と会計検査院への情報収集審査の分割はその一例である︒短期
的にはこれらの欠陥は修正を通じて是正されねばならない︒長期的には︑包括的な立法的︑構造的︑政策的改善
( 15 )
が必要とされる︒
この
中で
︑
2に見られるように情報をヒト︑モノなどと同様の﹁資源﹂と見なす情報資源管理の基本的な考え方が
あらわれていることは重要である︒それとともに注目せねばならないのは︑そこで打ち出されている明らかな集権化
の志向である︒特に1︑4︑5に見られるように︑文書削減を含めた情報政策の改革のためには包括的な理念の徹底
化と統合的な施策が必要と考えられている︒さらにそこからは︑それらを実施するための統一的な権限の要請が窺え とそのための組織構造に重複が見られる︒
関 法 第 四 二 巻 第 六 号
二0四
3における現政権とは︑最終報告書の提出時点で考えるならばカーター政権を指す︒カーター政権の情報政策につ
いては次節で触れることになるが︑連邦文書業務委員会が設置から活動期間の約半分をその下で過ごしたフォード政
権においても﹁文書業務削減のための努力﹂がなされていたことには注意せねばならない︒
はこれまでほとんど研究の対象とされてこなかったが︑たとえば︑フォードは公衆に対して請求する報告書数を一九
( 17 )
七六年までに一0バーセント削減する目標を定めたりもしているのである︒
( 18 )
次に︑報告書は連邦政府による情報収集が様々な領域に多大なる負担を与えているとの認識から出発し︑その原因 3 2 ー
アメ
リカ
連邦
政府
にお
ける
情報
資源
管理
政策
る︒アメリカ連邦政府における情報政策をめぐる議論において︑情報資源管理の概念が当初から集権化と結びついた
さて︑連邦文書業務委員会による最終報告書が議会及び大統領に提出されたのは一九七七年一0月三日のことであ
る︒当然のごとく︑最終報告書には同委員会の考えが集約されていると考えられる︒しかもそれは一九八0年文書業
務削減法の成立と内容自体に大きな影響を与えていると言ってよい︒そこで︑本節の最後として最終報告書の内容に
まず︑報告書は最初の部分において︑連邦文書業務委員会が追求する目的として次の三つを挙げている︒
連邦政府の文書業務過程に影響を与える政府管理機構の実質的な再編成︒
人々との真の意味での協議と参加の分脈において︑法︑規則が作り出されるような﹁サービス・マネジメント
︶﹂についての新しい哲学の確立︒
( Se r v ic e Ma na ge me nt
ついて紹介しておきたい︒ 形で登場してきたことは特筆されるぺきであろう︒
二0五
( 16 )
すでに現政権において開始されている文書業務削減のための努力を継続し︑さらに推し進めること︒
フォード政権の情報政策
︵一 五三 三︶
報政策について いる︒たとえば︑ 政府内部もしくは政府とその外部とのコミュニケーションの欠如︑
政府の書類の書式やそれについての指示がわかりにくいこと︑4
︵一 三五 四︶
2 政府役人の﹁鈍
情報を扱う組織の重複︑
( 19 )
一貫せず非効率的な機密保持政策︑に求めている︒ 5
これらの是正のためとして︑報告書は数多くのこと細かな提言を行っている︒その中には︑包括的な情報プランの
確立︑連邦報告書法に定められた情報収集審査免除規定の排除︑単一の機関による審査機能の確立などの提言が含ま
れているが︑ここでそれらを全体的に眺めてみれば︑様々な提言の求めるものは以下の点に集約される︒
第一は︑各政府機関を横断する包括的な情報政策とそのための理念の確立である︒従来の情報政策は︑主として各
機関が独自の哲学に則って単独でそれぞれの政策を実行するような傾向にあった︒このような傾向を改めて︑政府全
体としての﹁単一の﹂情報政策を求める動きは︑連邦文書業務委員会の活動を側面支援するような形でも現れてきて
一九七六年七月に︑﹁プライバシー権に関する内政会議委員会﹂はフォード大統領に対し︑﹃政府情 ( Na t i on a I l
nf
or
ma
ti
on
Po l i c y )
﹄と題する報告書を提出した︒その中では︑﹁アメリカ合衆国は単一
( 20 )
の統合化された政府情報政策の開発を目標として設定すべきである﹂との主張が前面に打ち出されている︒連邦文書
業務委員会は︑そのための中核になるものとして情報を﹁資源として﹂取り扱うという概念︑すなわち情報資源管理
の概念を据えて︑それを基にする統合的な情報政策の枠組みの構築を図ろうとする意図を持っていたと言える︒
第二は︑情報政策における決定・施行の集権化である︒右に述べたこととも関連して︑情報政策の分権化が様々な
重複︑無駄を生み出しているとの認識を連邦文書業務委員会は持っていた︒このため︑行政府︵特に
OM B)
への
( 2 権
1 )
限集中により︑強いリーダーシップを発揮して情報政策の改革にあたるべきとの提言が打ち出されることとなった︒ プログラム・デザイン︑6貧弱な情報活動︑
感さ
﹂︑
3 を次の七つ︑すなわち︑1
関 法 第 四 二 巻 第 六 号
7 二0六
貧弱な
アメリカ連邦政府における情報資源管理政策
無視することのできない影響を与えることとなった︒ そして第三は︑情報をヒト︑
二0七 カネなどと同様に資源の一っとして扱う情報資源管理概念の︑政府の情報政策への適
用である︒連邦文書業務委員会によって︑情報資源管理は初めて政府の情報政策をめぐる議論の場に引き出されるに
至ったといってよい︒ただし︑連邦文書業務委員会の設立の経緯からも窺えるように︑そこでは情報の有効な活用を
図るという妥当性の基準以上に︑文書業務負担の軽減により直接的につながる効率の基準が一層重視されたのである︒
連邦文書業務委員会の最終報告書に含まれたこれらの考えは︑次節で述ぺる文書業務削減法の内容とその施行に︑
(l ) 大統領委員会に関しては︑
Cf
., ^
P re s i de n t ia l C om mi ss io n"
, i n Nelson
, M ic h a el . , Congr es si on al Qu a r te r l y' s u G id e to th e Pr es id en cy
̀ C
on gr es si on al Qu ar te rl y I n c . , 1 9 , 8 9 p p. 10 59
‑1 07 1.
(2
)
Fu nk , op . c i t
" '
p . 3 .
(3
)
Fu nk , 0 p .c i
" t .
p p
2 . 0‑ 21 . (4 ) P . L . 93
‑5 56 , S ec ti on 4 .
(5 ) P . L . 93 , 5 5 6 , S ec ti on 1 . (6 ) He rn on , P et e r .,
^ ^
Th e M an ag em en t o f U ni te d S ta t e s Go ve rn me nt I nf or ma ti on R es ou rc es : Th e A ss es sm en t o f 0MB Ci rc ul ar A'130",
o G ve rn me nt Information
Qu ar te rl y, o l V . 3 , No . 3 , 1 98 6 , p . 2 81 . (7 ) P . L . 93 , 5 5 6, Se ct io
n 3
( b ) ・
(8
) 効率とは︑被ったコストに対する結果のレベルを指す︒また︑妥当性とは達成された結果のレベルをいう︒
C f. Si mo n, He rb er t
A . ,
Vi tc or A .
Th om ps on ,a nd o D na ld W . S
mi th bu rg , P ub li c A dm in is tr at io n, Tr an sa ct io n, 1 95 0
﹂New
E di t i on , 1 9 9 1, p . 49 4. もっとも︑この効率やあるいは能率といった語は行政学や経営学の領域においてかなり多義的に使用されているが ゆえに︑混乱を避けるために前者を﹁節約
(e co no my )﹂
︑後 者を
﹁有 用性 ( us e f ul n e ss )
﹂と 呼ん でも よい だろ う︒
(9
)
P . L . 93
‑5 56 , S ec ti on
7
( a ) .
︵一 五三 五︶
( 1 0 ) P . L .
93 ,
55 6,
S
ec ti on 6 ( a ) . ( 1 1 )
一九七七年三月に官報に掲載された公聴会開倣についての告知を︱つの例として紹介しておこう︒それによれば︑開催場
所はカリフォルニア州会議事堂の一室︑日時は三月一七︑一八日の二日間にわたって開かれる︒第一日目は州︑地方政府︑
大企業及び中小企業に対して連邦文書業務が与える影響についてのコメントを受け取る︒二日目は公共事業や医療などへの
影響についてのコメントが中心となる︒公聴会での証言は︑連邦文書業務委員会が議会と大統領に対して行う︑連邦文書業
務の負担軽減のための勧告の内容に反映されるとされている︒
Fe de ra lR e g is t e r, V ol .
4
2,
N
o.
4
1, W ed ne sd ay , M ar ch
̀
219 77 , p p
12079.
, 1208 0 .
( 1 2 ) P . L .
93 ,
55 6,
S
e ct i on
3
( d ) . ( 1 3 )
連邦文書業務委員会議長であったF・ホートンは︑後の議会における証言の中で︑同委員会が行った提言の数は八八0で
あったと発言している︒同時に彼は︑同委員会の提言によって軽減された文書負担のコストから考えれば︱つの提言あた
り一億一四
0
0万ドルが節約されたことになったと述べている︒また彼は︑同委員会が提出した報告書の数を一六としてい
るが︑これは明らかな思い違いであろう︒
C f. St at em en t o f t he Ho no ra bl e F ra nk Ho rt on be fo re th e Se na te Su bc om mi tt ee on o G ve rn me nt Contracting
n a d P ap er wo rk Re du ct io n, n iImplementation
f o h e t Pap er wo rk e R du ct io n A ct of 1 98 0,
U . S . S en a t e, Su bc om mi tt ee o
n G ov er nm en t Contracting
an d Pa pe rw or k R ed uc ti on , Co mm it te e o
n S ma ll Business,Thursday
̀
Se pt em be r
7, 1 98 9, p p
3.
‑4 .
( 1 4 ) C f. Co mm is si on on e F de ra l Pa pe rw or k,
A
Re po rt of h e t C om mi ss io n on e F de ra l Pa pe rw or k: i F na l S um ma ry Re p o rt , Oc to be r 3
, 19 77 ,
p .
56 .
(1 5) Ib id ( 1 6 )
この中のサービス・マネジメントとは︑政府の外部の人々に関わりを持つ連邦プログラムにとって︑そのプログラムが公
正及び公平なやり方で効率的かつ迅速に行われるために必要な原理︑手続き︑技術のセットとされる︒そこから︑政府外の
人々を含むすべての関係者が被るコストを最小限にし︑有効性を最大限にするようになされる連邦プログラム運営上の改革
が必要であるとの考え方が導き出されてくる︒サービス・マネジメントというその語自体は︑文書業務削減法を含めたその
後の情報政策をめぐる議論においてほとんど登場してはこなかった︒だが︑その考え方の一部は︑文書業務削減法の内容を
関 法 第 四 二 巻 第 六 号
二0八
︵一 五三 六︶
アメリカ連邦政府における情報資源管理政策 していくことを重視する姿勢を見せていた︒
二0九 含めて、連邦政府の情報資源管理政策に取り入れられているといってよい。Ibid•
p . 2.
( 1 7 ) Fu nk , o p . c i t . , p .
23 .
( 1 8 )
同委員会は各セクターごとの文書業務負担を次のように見積もっている︒︵以下の数字は一年ごとの見積を指す︒︶連邦政
府・
・四 三
0億ドル︒私企業⁝二五0
億か ら︱
‑=
‑0
億ド ル︒ 地方 政府
・・
・五
0億から九0
億ド ル︒ 個人
⁝八 七億 ドル
︒農 民⁝
︱︱
︱ 億五 0
0万ドル︒労働組合⁝七五
0
0万
ドル
︒ Co mm is si on on e F de ra l Pape rw or k,
0
p . c i t . , p .
5.
( 1 9 )
Ib id
, p
p. 6 , 8.
( 2 0 ) He rn on , P et e r ., an d Ch ar le s
R .
Mc Cl ur e, "
Th e St ud y o f F ed er al G ov er nm en t In fo rm at io n an d In fo rm at io n P ol i c y: Ne ed s a nd Concerns",
n i Mc Cl ur e, Her no n, Re ly ea ( e d s. ) , o p c i t . . , p p.
321 ,
32 2.
( 2 1 )
連邦文書業務委員会の報告書に盛り込まれた内容は︑政府における管理効率について書かれた一般的なテキストの指摘に
合致する︒そこで求められているのは︑権力の集中︑強力な行政のリーダーシップ︑専門知識とプロフェッショナリズム︑
階統制と機能の分化︑集権的な財務管理の強調︑強い執政官の役割である︒
C f. Ca ud le , S ha ro n
L . ,
an d K ar en B. L ev i t an ,
^ ^
Im pr ov in g t he Ro le of In fo rm at io n R es ou rc es Ma na ge me nt n i Fe de ra l I nf or ma ti on Po l i ci e s "
i n , McClure,
He mo n, Re ly ea ( ed s . ), o p. c i t . , p .
30 4.
一九七七年の連邦文書業務委員会による最終報告書提出の後︑議会は一気に提言の立法化へと進んだ訳ではない︒
先述のように︑連邦文書業務委員会による提言の約半数はすでに実行に移されていたという事情もあり︑議会の側も
とりあえずは性急な立法化を行わずに︑
OMB が同委員会による提言をどれだけ実施していくかを見守り︑また監督
1
制定経過 第 二 節 文 書 業 務 削 減 法 の 制 定
︵一 五三 七︶
政改革における︱つの課題として浮上してきたのである︒
︵一 五三 八︶ 結果的に︑議会が連邦文書業務委員会の報告書についての聴聞会をはじめて開催したのは︑最終報告書の提出から 10 カ月あまり後の一九七八年三月︑上院政府活動委員会の﹁政府支出及び開かれた政府に関する小委員会﹂におい てのことである︒ここで議会が連邦文書業務委員会の報告を取り上げるに至った背景として︑同委員会提言の施行状 況に対する議会側の不満があったことは強調されねばならない︒先述のように︑連邦文書業務委員会設置法において は︑連邦文書業務委員会の提言の実施に関わるフォローアップの責任は
OMB
に委任されていた︒それに基づき︑0
M
Bは上院政府活動委員会に対し︑提言の施行状況は決して完全ではないものの﹁目ざましい進展﹂が見られるとの
(l )
報告を行っている︒だが︑議会の側はそれに満足していたわけではなかった︒この施行状況に関する問題点は︑当時 会計検査院によって出された﹁連邦文書業務委員会提言に対するフォローアップ・プログラムにおける問題﹂と題さ れた報告書の中で指摘されている︒そこでは︑提言の実施を妨げている要因として︑
再デザイン化の必要︑ フォローアップ・プログラムの
OMB のリーダーシップの欠如︑政府機関のトップ管理者が関わっていないこと︑提言の実施 状況を適切に判断するだけの充分な情報が与えられていないことなどが挙げられている︒
さらにもう一っ指摘しておかねばならないのは︑提言の立法化の動きが議会における行政改革の推進の流れからで てきたことである︒当初から行革をスローガンとして掲げていたカーターがワシントンヘ登場してきて以来︑人事︑
財政︑規制などの面での改革が実行に移されつつあった︒議会においてもそれを支持する動きが見られ︑更新されな
(3 )
い限り一定期間後に失効するいわゆる﹁サンセット法﹂が﹁流行﹂し始めた︒また︑一九七八年には﹁規制柔軟性法
(4 ) (R eg ul at or y F l ex i b il i t y A ct
)﹂が上院を通過している︒この流れの中で︑文書業務の削減と国民への負担の軽減が行
関 法 第 四 二 巻 第 六 号