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一 日本及び台湾 における自動車のインベ ン トリー分析の試算 ‑ 頼

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(1)

‑ 61‑

国際規 格 化機構

(ISO)

におけ るライ フサ イ クル アセ ス メ ン ト

(LCA)

に関す る一 考 察

一 日本及び台湾 における自動車のインベ ン トリー分析の試算 ‑ 頼

勲 ・ 桂

キー ワー ド :ライフサ イクルアセスメン ト,イ ンベ ン トリー分析

, ISO14040

第 1章 LCA にお けるイ ンベ ン トリー分析

製 品や技術 の

LCA

研 究で最 も基本 となるのが対象 プロセスへのイ ンベ ン トリーである。 イ ンベ ン トリー分析 とは,ライフサ イクル評価の中で,所与の製品系 の全寿命期 間を通 して,イ ンプ ッ ト とアウ トプ ッ トをまとめかつ定量化す る側面である

LCA

にお ける一つの フェーズであるイ ンベ ン トリー分析

(LC I

)について,

ISO

では手続 きの原則 は出 しているが,手順 ( ステ ップ) と 計算 の方法 は統一 されていない。ここで,

ISO

での手続 きの原則 を紹介 し,オラ ンダが 国家廃 棄 物再利用研 究計画

(NOH)

のため に開発 した

LCA

に関す る方法論 と日本で よ く研 究 されてい る 産業連関法 を参照 し,

LC I

の手順 ( ステ ップ)を考察す る。

1

ISO14040

に準 ず るイ ンベ ン トリー分析 の要約

ISO14040

の中でのイ ンベ ン トリー分析 に関す る一般的な説明や実施 に伴 う要件 及 び注 意 を, 表

1

にまとめた

(1

) 。 この中で,データ収集の手法 は

,LCA

の範囲,単位 プ ロセス, 意 図 した応 用 に応 じて変 わ り得 るため,データ収集 における実際の制約条件 を,範囲設定の中で十分 に検討 し, 報告書 に明確 に記述 してお くことが特 に必要である。

1

イ ンベ ン トリー分析 の解説

(2)

‑ 62‑

研究年報 第

ⅩⅩⅣ

(Should)

3 )集計手法上の検討項 目

◆ アロケーシ ョン (

Allocation)

:範 囲で設定 したアロケーシ ョン規則 に則 る。

原材料 ,エ ネルギー,環境負荷排 出物が配分 され なければな らない。

(Shall)

アロケーシ ョン法 は,文書化 され,確認 された配分方法 を用いなければな らない。

(Shall)

◆ エ ネルギー流 の算 出 :

燃料 ,電力源,変換効率,伝送効率,お よびエ ネルギ一流使用時の ( 環境負荷 入 出 力負荷 を考慮す ることを要す。

(Should)

第 2 節 イ ンベ ン トリー分析 方法 の概 要

ここで は,イ ンベ ン トリーにつ いての分析概要 を図

1

に参照 し,説 明す る こ とにす る( 2 ) 。 イ ンベ ン トリー分析 は, まず最初 に対象 となる製 品あるいは技術 をイ ンベ ン トリーデー タが入手可 能 な要 素 にまで分解す る必要がある。

分析 は,分解 された各 プロセス についてイ ンベ ン トリーを調べ ,最終 的にはそれ らを足 し合 わせ て評価す る ことになる。イ ンベ ン トリーには,対象 プロセス に投入 している原料,素材,エネルギー ( 労働 と金額 を含 め ることもある) と,アウ トプ ッ トである製 品,環境負担 因子が含 まれる。

ライフサ イクルのイ ンベ ン トリーは,鉱石やエ ネルギーの採掘 か ら精錬 ,製造,加工,組み立て, さらに利用 と廃 棄,いわば "ゆ りか ご' 'か ら " 墓場" まで トー タルシステムについて分析す る。

1

イ ンベ ン トリー分析方法の概要

〔 入力 〕

天然資源

エ ネルギー

系 の境界

→ ー

→ 資源 採掘 → → → → J

製造

J 使用/再

用/ 維 持

I

リサ イクル/廃棄物処理

〔出力 〕

> 大気汚染物質

> 水 質汚染物質

> 固体廃棄物

( 含 む放射性廃棄 )

〔 入力 〕

エ ネルギー消費量 :熟,電気 ,石油,石炭,天然 ガス, ウラ ンな ど 資源消費量 :金属 ( 鉄系 ,非鉄系 )

無機 (ガラス,セ メ ン ト,耐火物 ,薬 品な ど)

(3)

国際規格化機構

(ISO)

にお け る ラ イフサ イクルアセ ス メ ン ト

(LCA)

に関す る一考察

‑ 63‑

有機 ( 繊維 ,ゴム,樹脂 ,木材 ,革 な ど) 水 ,空気

〔 出力 〕

環境汚染物質 :大気汚染

(SO

玉,

NOx

,

HCI

,炭化水素,

C02

な ど) 水質汚濁 ( 溶存有機炭素 ,

COD

,塩化物 ,硝酸塩 な ど) 土壌汚染 (固体廃棄物 ,有害物質 な ど)

出典 :産業環境管理協会

LCA

日本 フ ォー ラム,

LCA

日本 フ ォー ラム報告書』,

1997

,

p.39.

( 執筆者 内山 洋司 )

3

節 イ ンベ ン トリー分析 の ス テ ップ

LCI

分析 で最初 にす るべ きこ とは,調査対象 の製 品システムにおいて ライフサ イ クル を実現 して いるプロセ スにつ いての概観 を措 くことであ る。 これ を樹形 図 とい う。次 に, プロセスデ ー タを収 集 し,入力す る。 このデー タを樹形 図全体 につ いて集約す る ことによって,究極 的 には製 品 シス テ ムに関す る全 ての環境負荷 の リス トが得 られ る̲ 。 これが イ ンベ ン トリー表である

これ らは手順 で 表す と,① 樹形 図の作成,② プロセスデー タの入力 ,③ 割付 規則 の適用,④ イ ンベ ン トリー表 の作 成 とい う4つのステ ップに分 け られ る( 3 ) 。以下それぞれのステ ップの内容 を詳 しく説 明す る。

(1)

樹形 図の作成

LCI

を行 うには, まず 「システム 」 を定め なければな らない。 これは樹形 図の作成 の基本 である。

オラ ンダの報告書( 4 ) に よる と,「システム境界」の定義 は以下の

3

つがある。

1)関係 プロセス と非関係 プロセスの境界

I

最初 に,分析 の対象 となる製 品の ライフサ イ クルの プロセス を定 め る。

LCA

の 目的 に よって, 最 も関係 のあ るプロセス と排 除 したプロセスの 中で最 も重要 なプロセスは記述す る必要 がある。 こ こで, プロセス とは,資源の採収 ,材料 あ るいは部 品の生産,製 品の製造,使 用,廃棄 物 の処理 で あ り, リサ イ クルあるいは再利用の プロセス を含 んでいる。 これ らの選択 された プロセス を全 て 囲 む領域 が 「システム 」 であ る。

2

)製 品システム と環境 システムの境界

以上述べ た「システム 」 の領域 の外 は 「システムの環境」である

そ して

2

つ の領域 を分 け る境 界 が 「システムの境界」である

樹形 図の 中のそれぞれの プロセスについて,環境 と経済 に対 す る イ ンプ ッ トとア ウ トプ ッ トを明確 に定義 しなければな らない。

す なわ ち,イ ンプ ッ トは環境 ( 地球 )か ら境界 を横切 って この「システム」に入 る原料 ( 資 源 )で あ り,アウ トプ ッ トはそれぞれの プロセスか ら発生 し,境界 を横切 って環境 (地球 )へ 返 され る排 出物 ( 廃棄物 ・排水 な ど)である

したが って,個 々の プロセスの生産物 そ の もの は

LCI

の直接 の 対象 とはな らない( 5 ) 。

3 )製 品 システム と他 の製 品 システムの境界

多 くの プ ロセス において,市場 において価値 があ る製 品が複数生 産 される

この ような多 重 プ ロ

(4)

‑ 64‑

研 究年報 第

ⅩⅩⅣ

セス には共生産,複合廃棄物 ,オープ ンループ リサ イクルの 3 つのカテ ゴリーがある

これ らは常 にイ ンプ ッ トとアウ トプ ッ トの配分の問題 になるが,以下の割付規則 の適用で説明す る方法 で配 分 す る。

(2)

プロセスデー タの入力

このステ ップで全 ての プロセスのデー タを収集す る 。 プロセスデー タを表現す る際 に重要 な点 が 2つある。それは① インプ ッ トとアウ トプ ッ トの定量化 と② デー タの対象範 囲 と質である

1)イ ンプ ッ トとアウ トプ ッ トの定量化

設定 した システム とそれ を取 り巻 く環境 との間のすべての インプ ッ トとアウ トプ ッ トを定量 的 に 書 き出す ことである

ここでは単位 アウ トプ ッ トごとの環境 負荷 を算定 もしくは調査 して リス トア ップす る

環境 負荷 項 目としては,枯渇性資源消費量 ( 金属鉱石 ,化石燃料 な ど) ,再生資源消費量 ( 森林 な ど),大 気 汚染物質発生量

(SOx

な ど) ,水質汚濁物質発生量 ( 重金属 イオ ンな ど) ,温 暖化効 果 ガス等発生 量

(C02

な ど) ,固形廃棄物発生量 な どがあ り,狭 い地理的領域 を対象 とす る場 合 な どには悪臭や騒音 な ども負荷項 目として取上 げる場合 もあ る( 6 ) 0

定量化 に対 して,プロセスデー タは

SI

単位系 で表すべ きであ る

そ して,空 間利用,騒音 は特 別 な換算 を必要 とす るプロセスパ ラメー タである。

2

)デー タの対象範囲 と質

イ ンプ ッ トとアウ トプ ッ トの定量 に加 え,以下の ことを明記 しなければな らない( 7 ) 。 対象範 囲

・プロセスのスケール :スケール とは,選択 されたプロセスが地球平均 ,大 陸平均 , もし くは国家 平均 を代表 しているのか, また,問題 となっている企業 において典型的なのか を意味 している

・プロセスのだいたいの時期 :時期 によって,例 えば,

1991

」,

80

年 代

な どの形 で , プ ロセ ス が代表的である機 関を示 さなければな らない。

・プロセスの継続 時間あるいは容量 :大 きさの違 うプラン トの性質は著 しく違 う可能性があるから, プロセスの容量, もしくは一定量 を製造す るの に必要 な時間は,重要であ る。一定量の材 料 も し

くは一家量 を製造す るの に必要 な時間 もイ ンベ ン トリー分析 のある側面で は関係 がある ( 空 間, 騒音 ) 0

・プロセスの状況 :状況 は,プロセスが実際 に存在 して設定 されたのか,設計上 の定義 なの か, す でに商業上のアウ トプ ッ トに割付ずみの プロセスなのか, また,推算 されたデー タなのか を示 し ている。

・プロセス定義の明瞭性 :プロセスは,オペ レーシ ョンの どの部分 を含 んで どの部分 を含 まない か が明 らかであれば,明確 に定義で きる

・デー タの正確性 :プロセスデー タの正確 さは,一般 に,異 なる情報源 を比較す ることに よって示 される。物質収支,エ ネルギー収支 も正確 さを確 かめる 目的で使用で きる 。

・デー タの完全性 :完全性 は,デー タが欠 けているか どうか,単純 に含 めていないか どうか とい っ

(5)

国際規格化機構

(ISO)

にお けるライフサ イクルアセス メ ン ト

(LCA)

に関す る一考察

‑ 65

た疑問 と関係がある。無視で きる程度の量の排 出データも除外 しない ことを勧 める。

・情報源の性質 :情報源の性質 は,収集 したデー タの影響力 を決める

常 に企業のデー タと第三者 機 関が収集 したデー タを区別すべ きである。

(3)

割付規則 の適用

(8)

プロセスデー タを収集 した後 は計算手順 に入 るが,計算手順 で問題 になる ものには副産物へ の環 境負荷の配分の問題 とリサ イクルの負荷 と再生産物の取 り扱 いの問題がある

割付 は,正的経済的価値 を もつ アウ トプ ッ ト ( あるいは外部の市場 のない場合 には,有用 な利 用 法がある もの)に対 して行 う

他の フロー ( 環境‑の フロー,環境か らの フロー,ゼロ も し くは負 の経済的価値の経済上のイ ンプ ッ トとアウ トプ ッ ト)は,割 り付 け られるフローである。本 質 的 に は,劃付 は,実際の多重 プロセスをい くつかの架空の単一 プロセス に分割す るために行 われ る

単 一のプロセスの合計 は多重 プロセス となる。

原則 として,可能な場合は常 に,因果関係 に基づいて割 り付 けることが 目標である

因果 関係 に 基づ く割付 は社会的因果関係 と物理的因果関係の割付がある

社会的な因果関係 は,価値や収 入 と

いった経済的な概念 を反映す る。それぞれのプロセスの状況が違 うので, どちらの因果関係 を とっ て割付す るのかは決 まっていない。例 えば,それぞれの物理単位 についてアウ トプ ッ トの経 済 的価 値が著 しく異 なる場合 には,経済的価値 に基づ いて割 り付 ける。

割付 の問題 はあるプロセスが二つ以上の生産物 を提供す る場合 に負荷 をいかに割 り振 るか とい う ことである

具体 的な例 を挙げる と

3

つの タイプの多重 プロセスがある

・共生産 ( 正の価値 を持つ廃棄物 を含 むい くつかの材料,製品,サー ビスな どの同時生産)

・複合廃棄物処理 ( 複数の負の価値 を持つ廃棄物の同時処理 )

・オープ ンループ リサイクル ( ある製品システムの廃棄物 を処理 して,他の製品システムで再 利 用で きる材料 とす ること)

これ らの多重 プロセスに対 して,一般的 には

(a)

生産物間の価値が大 きく異 なる場合 には,価格で比例配分。

(b)

類似 した価値の場合 は,生産量で比例配分。

(C)

一方が発生物 な どの二次利用の場合は,主産物 に全 て配分。

な どの方法が とられている。

( 4) インベ ン トリー表の作成

インベ ン トリーの最終段階はイ ンベ ン トリー表の作成である

イ ンベ ン トリー表 とは各環境負荷 項 目 jに対 しシステム全体 を通 じての負荷量 Ⅹ jをリス トア ップ した ものである

これ まで の段 階 で,各プロセス i ごとに単位 出力 に対す る負荷量 Ⅹ

j

, i が得 られてい るか ら, 目的 とす る製 品量 に必要 なそれぞれのプロセス フロー量

P

i を計算 し,それを単位 当た りの負荷 に掛 けて,

j ‑∑

Ⅹ j, i・ P i と積算すればよい。

この ような概念 に基づ き,イ ンベ ン トリー分析の計算手法 には積 み上げ法 と産業連関法の二つ が

ある

(6)

‑ 66‑

研究年報 第

ⅩⅩⅣ

1 )積み上 げ法

積み上 げ法 は,原理 的には簡潔 な方法である。す なわち,評価すべ きシステム内の各 プ ロセ ス に おける各種 の投入,産出お よび排 出物 をその種類 ごとに逐次評価 し,文字通 り積み上げて総計 し, 全体の評価 を行 う。積 み上 げ法 は 自動車 の例 を取 る と,製品を鉄,アル ミ,ガラス,プラスチ ック な どの材料 に分解 してその重量 を求め,各々の材料の単位重量の生産当た りに要す る負荷量 (エ ネ ルギー,

C02

な ど)を乗 じて足 し合わせ, さらに,組み立てに要す る分 を加 える方法である

積み上 げ法で実際 に計算す る とき,具体的な手順 は次の ようである。

① 各一次エネルギーの単位当た りの環境負荷 ( 燃料原単位や

CO2

原単位 など)を計算す る。

② 各素材 を生産す るための資源投入か ら計算 された燃料原単位 や

CO2

原単 位 な どの環境 負荷 原単位 を求める。

③ 各 プロセスにおける各素材 の投入量

(kg

な ど)がそれぞれの負荷 原単位 を乗 じて各 プロセス の環境負荷 を算 出す る。

④ 各 プロセスの環境負荷量 を加算 し,対象 となる製 品の環境負荷総量 を算 出 して リス トア ップ す る。

積み上げ法では個 々の プロセスの入出力 データが必要 となる。積 み上 げ法 に よるデー タは,

LCA

研究の 目的に応 じて,各研究機 関で整理 されるようになって きた。

NEDO

( 9 ) ,化学経 済研 究所

(10)

,

プラスチ ック処理促進協会

(ll),

未踏科学技術協会( 1 2 ) ,産業環境管理協会

(13)

のデー タがある。

NEDO

及 び化学経済研究所 ,プラスチ ック処理促進協会の研究は,化学 産業 の

CO2

排 出量 に着 目しているので,プラスチ ック類 をは じめ とす る石油化学製品のデー タが豊富である

未踏科学技 術協会では,エ コマテ リアルの観点か ら金属素材 の製造データを整理 している。産業環境管 理協会 では,「 冷蔵庫」の ライフサ イクルでの

CO2

排 出量 を計算す るために,必要 なプロセ ス デー タが上 記の研究か ら引用 され,不足す る一部のデー タが聞 き取 り調査 によって作成 されている。産業環境 管理協会 の報告 は,主 として文献 デー タを使用 し,素材 の相違 によ りシステムバ ウンダ リや積 み上 げ手法 に相違が生 じない よう注意 して,「 冷蔵庫」 とい う組み立て産業 の製 品 に応 用 した点 が 目新

しい。

以上の ように,製 品が どの ように作 られ廃棄 されるかを製品ごとに具体 的 に調べ てい く方法 は積 み上げ法 と呼ばれる。つ ま り,製品や技術 の ライフサ イクルにわたるプロセスをボ トムア ップで調 査 してい く方法である。積み上 げ法 はデータの収集能力 さえあればあ らゆるプロセス について詳細 に分析で きる利点がある。 しか し,実際 には調査で きる範囲に限界があるため,全 てを網 羅 で きな い とい う欠点がある。 また,デー タはある特定のプロセスを対象 に して分析 した もので,異 なるプ ロセスが混在する産業の客観的あるいは代表的な値 とみ なせ ない。 この欠点 を補 う方法が産業連 関 分析法である。

2

)産業連関法

産業連関表 は,一国が一年 間に生産 し消費す る全ての財 ・サー ビスの取引量 を市場価格 の金 額統

計 として表 した ものである

一国の産業 は数十か ら数百の部門に分け られ,各部門について物 ・サー

ビスの相互取引量が示 されている

産業 内での直接 間接 の波及 を整合的 に分析す ることが出来 る

(7)

国際規格化機構

(ISO)

にお けるラ イフサ イクルアセス メ ン ト

(LCA)

に関す る一考察

‑ 67‑

産業 連 関表 の各部 門の金 額 を物理 単位 に変換 し・産業 のエ ネルギー消 費や環境負荷 を整 合的 に分析 す る方法 を産業連 関法 と呼 んでい る

o

それは,各部 門の物 ・サ ー ビスの取引量 を,平均単 価 を知 る こ とで物理 単位 に表示 しなお し・物 の生 産だけで な く,サ ー ビスの生 産 に伴 って発生す る環 境 負 荷 も明 らか にす る ものであ る。

産業連 関表 を行列 と見 て,各 ( i , j)要素 を j財 を

1

単 位 生 産 す るの に必 要 な i 財 の投 入 量

aij

に書 き換 えた ものが式

1

の投 入係 数行列

A

であ る

ここで , 財 , サ ー ビス の種 類 を示 す i と

j

1

か ら

n

までの値 を とる こ とになる

また,

j

財 を 1単位生 産す る ことに よって発生す る単位 あた り環境負荷 量 を

ej

と しよ う。 環 境 負荷 量 の計算 には,

e

jを並べ た列ベ ク トル ( 環境負荷列ベ ク トル )

e

( 式

2)

で示 す と便 利 で あるoそ して,あ る財 を生産す るため に必要 な各財 の需要が

f

だけあ った としよう ( 式

3)

0

〔1〕 〔2〕

el

e=

\\、\

\ ヽ

0 en

̲̲̲nnは

円川u

例 えば,乗 用車 ( k財 ) 1単位 の生産 f (ここでは第 k要素 のみが 1で他 はゼ ロ)による環境 負 荷 は

ek

で あ り, これ は環境負荷 の直接効果 とい える。間接 第一次効 果 は,乗 用車 生 産 の た め に中 間財 と して

Af

だけの追加 的生 産 を必要 とす る

したが って,間接 第一次効果 にお ける環境負荷 は,

e ・A fとなる

。 この中間財へ の波及 は さらに間接 第二次効果‑ とつ なが る。A f だけの生 産 に必 要 な中間財 はAA f‑A 2

f

であ るか ら,間接 第二次効果 にお ける環境負荷 は,

e ・A

2

fとなる。

この ような環境負荷 をま とめあげ る と次 の ようになる。

e ・Ⅹ ‑ e. f

+

e ・A f+ e ・A

2

f十

・・・

‑ e ・(Ⅰ‑A)

1・f となる。

ここで

は究極 的 に誘発 され る生 産量ベ ク トル,

(Ⅰ‑A)

‑ 1 はいわ ゆる レオ ンチ ェフ逆行列 であ

2

積 み上 げ法 と産業連 関法 の概念 図

出典 :森 口佑一 ・近藤美則 ,『 金属 』 ,

Vo

l

.63

,No.

6

,1

993

,p.

51

(8)

‑ 68‑

研 究年報 第

ⅩⅩⅣ

る。無 限級 数列 の和 であ る レオ ンチ ェフ逆行列 は,中間財 波及 の積 み上 げ計算 を最後 まで行 った場 合 と同等 であ る ことが わか る

(14)

0

以上 ,積 み上 げ法 と産業連 関法 の概念 を述べ た。図

232

には 自動車 の例 を取 って,積 み上 げ法 と 産業 連 関法 の概念 図 を示 す( 1 5 ) 。

3 )混合法

産業連 関法 は積 み上 げ法 にお ける調査 の限界 と混在す るプロセスのデー タの客観性 との欠 陥 を補 完 で 出来 るが,次 の欠点 もあ る。産業連 関表 は多 くて も 5 0 0 部 門 に しか分 か れ て い な い た め, 世 の 中にあ る多種多様 な製 品や技術 を分析す るには不充分 であ る 評価 はあ くまで も部 門の平均 財 につ いてであ って,個 々の製 品の分析 に産業連 関表 を利用す る ことは難 しい。

以上 の

2

つの手法 につ いて,それぞれが利点 と欠点があ る 産業連 関法 は,積 み上 げ法 で は追 い 切 れ ない とき,概略 の分析 を行 うの に有効 な手段 であ る 。 各業界 か ら金額 を含 めて全 ての イ ンベ ン トリーデー タがそろえば,積 み上 げ法 と産業連 関法 を結 びつ ける ことが可能 になる 。 それ に よ り, エ ネルギー消費,環境負荷 , コス トの相互 関係が明 らか になる それ に よ り,個 々の製 品 レベ ル だ けで な く産業全体 を捉 えた ライ フサ イクル分析 が可 能 になる ライフサ イ クル分析 も「木 を見 て森 を見ず」 に陥 らな くて済 む ことになる

以上 はイ ンベ ン トリー分析 の方法論 について考察 した。本論文 の第

3

章におけるケーススタデ ィー で は,積 み上 げ法 と産業 連関法 を用い, 日本 と台湾 にお ける 自動車 の

LCI

の試算 を行 うこ とにす る。

1. ISO/TC207/SC5,"EnvironmentManagement‑LifeCycleAssessment‑ Principlesand Frame work

, "

DraftforISO/DIS14040

,

1996ll13

,

pp.910.

2.

産業 環境 管理協 会

LCA

日本 フ ォー ラム,

LCA

日本 フ ォー ラム報 告書 』

,1997

,

pp.39.

( 執 筆 者 内 山洋 司 ) なお ,原典 は

LifeC)cleassessment/ITWentryguidelineandprinciples

,

EPA 1600/R‑92/036

,

Nov.,1992.

3.Heijungs

,

R.

,

Guinee

,

J.B.

,

Huppes

,

G.

,

LankrelJer

,

R.M.

,

UdodeHaes

,

H.A.

,

Sleeswijk

,

A.

,

Ansems

,

A.M.

,

Eggels

,

P.G.

,

vanDuin

,

R.

,

anddeGoede

,

H.P.

,

Elm‑ronmentlifecycle assessmentofpTOductsBackground

,

TheNetherland

,

1992.

(戦 略

LCA

研 究 フ ォー ラ ム訳 ,

LCA

製 品 の環境 ライ フサ イ クル アセス メ ン ト 』 , サ イエ ンス フ ォー ラム,

1994

,

pp.4445.)

4.

戦 略

LCA

研 究 フ ォー ラム訳 ,上掲書 ,

pp.4547.

5.

坂 田直起 ,「ライ フサ イ クル イ ンベ ン トリー分析

(LCI)

手 法 の問題 点 と今 後 の課題」, 『 エ ネルギ ー経 済

,

Vo

l

.23

,

No.9

, 日本 エ ネ ル ギ ー経 済研 究所 ,

p.26.

6.

原 田幸 明,「ライ フサ イ クル アセス メ ン ト」, 『 安全 工学 』,

Vo

l

.34

,

No.2

,

1995

,

p.79.

7.

戦 略

LCA

研 究 フ ォー ラム訳 ,前掲書 ,

pp.5ト52.

8.

戟 略

LCA

研 究 フ ォー ラム訳 ,前掲書 ,

pp.5356

,

145151.

9. NEDO

RITE・

化学 工学 会 , 『 化学 工業 製 品 にお け る トー タル ・エ コバ ラ ンス の 分 析 手 法 に 関 す る調 査

(Ⅱ)

』,

NEDO‑GET‑94101

,平成

7

年 .

(9)

国際規格化機構(ISO)におけるライフサイクルアセスメン ト(LCA)に関する一考察 1 69‑

10・ 化学経済研究所,r基礎素材のエネルギー解析調査報告割 ,平成5年.

11・ プラスチ ック処理促進協会Fプラスチ ック製品の使用量増加が地球環境に及ぼす影響評刷 ,平成5年.

12・ 未踏科学技術協会環境負担性評価 システム構築のための基礎調査研究隅 査報告書 (別冊 )一金属素 材 インベ ン トリーデータIJ,平成7年.

13・ 産業環境管理協会,rエネルギー使用合理化手法国際調

,平成7年.

14・ 吉岡完治他環境分析用産業連関表のLCAへの適用」r日本の科学 と技術J,351273,1994,pp.3843.

15・ 森口佑一 ・近藤美則「自動車の地球環境負荷 を考える,r,Vol63,No.6,1993,pp.5051.

第 2 章

LCAに お け る イ ン パ ク ト評 価

イ ンパ ク ト評価 の 目的 は, イ ンベ ン トリー分析 で認 識 され た環境 負荷 の環境 影響 を分析 , 評 価 す る こ とで あ る。 イ ンパ ク ト評 価 に関 して は世界 的 に見 て もその方法論 が確 立 して い るわけではな く, そ の実 施すべ き方 法論 がISOにお いて も議論 が な され て い る ところで あ る。本 節 で は,ISO14040 シ リーズ の 中で規 定 され て い る基 本 的 な手続 きと,先進事 例 と して欧米 の研 究成果 を概 観 す る こ と で具 体 的 な方 法論 を把 握 す る。

ISO14040の 中で の イ ンパ ク ト評価 に関す る一 般 的 な説 明や実施 に伴 う要素 及 び注 意 を表2に ま と め た(I)0

2

イ ンパ ク ト評価 の解 説

環境 影響評 価 (Lifecycleimpactassessment) 1)一般 的説 明

◆ イ ンベ ン トリー分析 結 果 を用 いて潜在 的 な環 境 影響 を評価 o

◆環境 影響 へ の イ ンベ ン トリー分析 結 果 の 関連付 け と影響 の理 解

◆ 詳細 の レベ ル,影響 の選択 ,使 用手 法 は 目的 と範 囲 に依 存 o

◆環境 影響 評価 は,繰 り返 しの プ ロセ スで あ るo

2

)環境 影響 評価 の要 素

◆環境 影響 項 目へ の イ ンベ ン トリーデ ー タの割 り当 て (Classification)o

◆ 環境 影響 項 目ご とで の イ ンベ ン トリーデ ー タのモ デ ル化 (Characterization).

◆ 結 果 の集計 評 価 :特 別 な場 合 で ,かつ意 味 のあ る場 合 に実施 o 注 :Valuation前 まで のデ ー タは常 に利 用可 能 で あ る こ とを要 す o (Should) 3)環 境 影響 評価 上 の注意

◆ イ ンベ ン トリー デ ー タ と潜在 的 な環境 影響 項 目とを整 合性 を保 ち正確 に関連 付 け る一般 的 な手 法 は無 いo

◆ 環境 影響 項 目の選択 ,モ デル化 ,評価 (Evaluation)は,主観 (Subjectivity).

◆ 評価 の透 明性 が重 要

前 提 条件 を明確 に記 述 し,報 告 す るo

方 法論 の要 素 につ いて, SETAC(環境毒 物化学 学会 )に よって発表 された ̀CodeofPractice' (実施 規約 )に よる と,影響 評価 は次 の3つ の部分 に分割 され る(2)0

(10)

ー 70一

研究年報 第

ⅩⅩⅣ

(1)

クラシ フィケーシ ョン

(Classification)

:環境影響対象事象 の特定。

(2)

キ ャラクタリゼーシ ョン (

Characterization)

:対象 とす る資源 ・排 出物 の影響度の定量 的記 述。

(3)

バ リュエ ーシ ョン

(Valuation)

:総合的評価 。

クラシフィケーシ ョンで は,資源消費や排 出物 を予想 され る環境影響の種類 に基づいたカテゴリー に振 り分 ける。キ ャラクタリゼーシ ョンでは,排 出物が指定 されたカテゴリーに対 して果 たす役 割 を相対 的に評価 し, カテゴ リー内での役割 を数値化 して総計す る。す なわち,カテ ゴ リー内 で の影 響 の定量化 を行 う。

統合評価 で は,それぞれの環境 カテゴ リーにお けるキ ャラクタリゼーシ ョン結果 に基づ き, シス テムによる種 々の環境影響 の重要性 を相対 的に評価す る。 この段 階では, 自然科学 に加 え, 政 治 的 及 び倫理的価値 に よる評価が なされ る。

キャラクタリゼ ーシ ョンとバ リュエ ーシ ョンの中間の部分 として,「ノーマ リゼーシ ョン

(Norm‑

alization)

」 も提案 されている

例 えば,対象地域 における全排 出量 に よ り対 象 製 品の排 出量 を除 す ことが行 われ る。カテゴ リーごとに地域全体への影響 との相対値 を知 ることが出来 る。

以下,イ ンパ ク ト評価 の

3

要素 を

(1ト (4)

において,欧米 における方法論 を考察す る。

1

節 ク ラシ フ ィケ ー シ ョン

クラシフィケーシ ョンは,予想 される環境影響 に基づ いたカテゴ リーに,イ ンベ ン トリー デ ー タ を当てはめる ことであ る。表

3

にライデ ン大学 の例

(3)

を示す。非生物お よび生 物 資 源 の枯 渇 , 地球 温 暖化及 びオゾ ン層の破壊 とい う地球環境 問題 ,人間‑ の毒性 ,酸性雨や湖沼 の富栄養化 とい う地 域環境問題 ,臭気 や騒音 とい うローカルな環境 問題 と多岐 にわたっている。

LCA

で扱 う影響 カテ

ゴ リーはまだ定 まっていない。各研 究機 関がそれぞれ提案 している段階 にある。

表 3 ライデ ン大学 に よるクラシフィケーシ ョン

天然資源 の減少 環境汚染 環境 の ダメージ

① 非生物資源 の減少 ①温室効果 ( D生態系 と景観

出典 :戦略

LCA

研 究 フォーラム訳 ,

LCA

製 品の環境 ライフサ イクルアセス メ ン ト』,サ イエ ン

ス フ ォー ラム,

1994

,

p.64.

(11)

国際規格化機構(ISO)

におけるライフサイクルアセスメント

(LCA)

に関する一考察

‑ 711

製品やサー ビスの総合的評価 を行 う

LCA

では従来の環境 アセスメン トのように , 被害影響度」

が既知である特定の環境汚染物質に関する蓄積 ・拡散 とい うアプローチ とは異 な り,影響物質 ,影 響事象各々を広 く捕 らえる必要がある。総合的に 「 揺 り篭か ら墓場 まで」 とい う製品製造 の時間的 側面 を縦方向 とするならば,横方向への展 開 としてそれぞれの段階での排 出が及ぼす影響事 象 を特 定す る作業が これにあたる。これは分析対象 となる排 出物質 を踏 まえての検討が必要であるが, 中 長期的な影響の出現 をも考慮せねばならない。 この フェーズの結果 として,例 えば

,

「水 質 の富栄 養化 」 「地球温暖化 」 「 人間の健康への影響」のように分類整理 された影響事象群 を影響 カテ ゴ リー と称する。

クラシフィケーシ ョンを行 う際には,まず対象 とす る範囲を規定 し,潜在的に影響 を与 える と考 え られるイ ンベ ン トリーと対比 させつつ検討す る必要がある。また,各カテゴリーが独立 してい る ことが基本である。たとえば,オゾ ン層破壊 によ D ̲ 皮膚 ガンをは じめ とした人間への健康影響が懸 念 されているが,この ような 2 次効果 をも含 む現象 を評価す る際 には, それが他 の カテ ゴ リー に影 響 を与 えないのか,つ ま り定量化 に際 して二重計上 とならないのか,などを慎重 に検討する必要が ある。一例 として,フロン

(CFC)

はオゾン層 を破壊す ることで有名だが,単位量当た り二酸化炭 素の数千倍の温室効果 をもた らす ものである ( 地球温暖化ポテ ンシャルに よる)。 しか し, この場 合 には 「オゾン層破壊」 と「 地球温暖化」の二つは独立の事象であ り,単一物質が複数の カテゴT )一 に影響 を与 えることによる問題 は生 じない。

第 2 節 キ ャ ラ ク タ リゼ ー シ ョン

キャラクタリゼーシ ョンは,表

3

のようなカテゴリーに当てはまる排出物のカテゴリー内での重 み付 け係数 を決め,総和 を算出す ることである。この定量化は,一般にインプッ トあるい は アウ ト プッ トの単位量当た りの寄与度 を表す荷重係数 を線形 に用いることで行われる。

今,あるイ ンパ ク トカテゴリ iに関 して

1 イ ンパ ク ト種類,

j

: 排 出物 ( あるいは摂取物 ) 種類 の記法 を用いることで,

c i

j :

影響度

Ej :

排出物( あるいは摂取物)の量

w ij :

荷重係数

の関係は

Cij Ej・W ij

で記す ることが出来る。 したがって,全ての排 出物 ( R取物)を通 じての特定 イ ンパ ク トカテ ゴ リ種類 に関す る総合的な影響度

Ci

ci

∑Cij

∑EjW ij

と示す ことが出来る( 4 ) 0

以下 にそれぞれのカテゴリーでの重み付 け係数を主 として表

5

を例 にとって紹介す る.

(1)

資源の枯渇 とエ ネルギーの消費

表 5 は非生物系資源 と生物系資源 を分け,非生物系資源は 1 0 0 年以内 に枯渇が懸念 され る資源 だ

けが可採埋蔵量の逆数を重み付 け係数 として評価 されるo石油,天然 ガス,ウランが含 まれ るが ,

(12)

‑ 72‑

研究年報 第

ⅩⅩⅣ

石炭 は含 まれない。エネルギー消費 と してで はな く,資源の枯渇 を評価す る手法である といえる

この例 の ように対象 とす る資源 を限定す る場合 としない場合があるが,「資 源 の枯 渇 」 は, そ れぞ れの資源 (j)の既存量 (R j)の逆数 を重み付 け係数 ( W j ) として評価 され ることが多 い。

W j‑ (1/ R j) ・・・‑ ‑ ‑ ・・‑ 〔 1〕

この手法では製 品

1

台当た りに使用 され る金属量が賦存量 に対 して どの程度 かが評価 される しか し,「 資源の枯渇」 とい う概念 か らは,賦存量その ものではな く, 賦 存 量 に対 す る現状 で の 消費速度 (G j)の比 を重 み付 け係数 に使用す るほ うが適当 とも考 え られる。

W j‑ (G j/ R j) ‑ ・・・‑ ・‑ ‑ 〔 2〕

この評価 では,現状 の消費速度が早 い金属資源の消費 をさらに加速す る速度が評価 される。 ライデ ン大学 で も,最近 は これ を基礎 として基準物質 との相対値 を使用す る評価法 を提 案 して い る( 5 ) 。 さ らに,〔2 〕 の賦存量 に対す る比 を重み付 け係数 として使用す る場合がある

・。

W j‑ (G j/ R j) / R j ・・・・・・・‑ 〔 3〕

この評価 では,製 品に使 用 される金属が消費 を加速す る程度 を既存量 と比較 して評価す るこ とにな る。

表 4に具体 的な金属資源 の荷重係数の値 を示す( 6 ) 。鉱物資源消費 には,世 界 の埋 蔵 量 の逆 数が重 み付 け係数 と して使用 されている

4 SimaPro

で用い られている金属資源 に関す る荷重係 数

a b (106kg) C

過 重 係 数

1998

年世界埋蔵量

1/ b

2.9 350,000 2.857×106

13.3 75,000 1.333×105

( 注 )

a:SimaPro

マニュアル よ り

b:WorldInstitute

,

WorldResources199091

,

oxfordUniversityPress

,

New York

よ り 一般 には,賦存量 として金属量 に換算 した可採埋蔵量 を使用す ることが多 い。可採埋蔵量 はそ の 経済 ・技術 の状況下で採掘可能 な量 と して定義 される したが って,絶対 的 な量 で はな く,現在 の 社会 システムを反映 した量 とみることがで きる 。

3

にはエ ネルギー消費量 の評価 は含 まれ ない。エ ネルギー消費量 は環境‑ の影響 を直接 表 す指 標 で はないので,エ ネルギーを消費す る結果 と して排 出 され る物質 に よる影響 を評価す る とい う立 場 であ る。エ ネルギー消費量 を評価の対象 とす る場合 には,その結果排 出 され る物質の インパ ク ト 評価 とダブルカウン トとなる可能性 がある

エ ネルギー消費 を評価す る場合 には,消費 される電力量の取 り扱 い手法 に注意す る必要があ る 電力消費量 を電源構 成 に分 け,それぞれ を一次エ ネルギー としての熱量 に換算す る方法 と,そ こか

ら水力 な ど再生可能エ ネルギーを除外 し,消費 された化石燃料 の発熱量 だけ を計算す る場合 とが あ

(13)

国際規格化機構

(ISO)

におけるライフサ イクルアセスメ ン ト

(LCA)

に関す る一考察

‑ 73‑

る( 7 ' 。再生可能エ ネルギーは環境へのイ ンパ ク トは無い とい う立場である。いず れ にせ よ, エ ネル ギー消費量 には電源構成や発電効率 など,社会全体 のエ ネルギーシステムが反映 されやすい特徴 を 持つ。製 品間の比較 として使用時の電力消費量 だけを比較す る場合は問題が無いが,使用素材 の製 造段階 まで含 めて評価す る ときには,生産国 によるエ ネルギーシステムの相違,生産効率の相違 な どに注意す る必要がある

一方,表

3

の例では,象 ,鯨 な どの生産物資源が生 物系 資 源枯 渇係 数

(BDF:Bioticdepletion factor)

を重み付 け係数 として評価 されている

BDF

は ( 生産量/ 資 源量 ) と (

1

/ 資 源量 )の 積 と定義 されている( 8 ) 0

生物系及 び非生物系資源の消費 とエネルギーの消費 を経済価値 として同一の指標 で評価す る シス テムが

EPS

システムである( 9 ) 0

EPS

システムは,統合評価 システ ムで あ るが , そ の一 部 は キ ャラク タリゼーシ ョン法 として も使用 される。

影響 は

ELU (EnvironmentalLoadUnit

環境負荷単位)の単位で評価 され

,1ELU

1

エキュー に相当す る

対価 を払 うことは,現行の市場価格 に匹敵す る もの とみなされ,穀物 ,木材 , 肉 と魚 な どは

OECD

諸国の時価 によ り評価 される

言 いかえれば,重み付 け係数は時価 に匹敵す る

「 資源 」 の中には化石燃料や金属 も含 まれる。その評価 は,以下の通 り。

①穀物 と木材 は,前述 されているように現行 の市場 の価格 に応 じて評価す る。

②石油 は穀物で代用 される

1kg

石油 は

2kg

の穀物 に相当す る。

③石炭 は木材 で代用 される。

1kg

の石炭 は

4kg

の木材 に相当す る

④金属産出は,アル ミニ ウム と鉄が

20%

であ り,他の金属 は地殻 の平均濃度の

10

倍 であ る と仮 定 された金属濃度 を保持 しているケイ酸塩岩か らの採取 とみなす。岩石から金属 を取 り出すエネルギー だけが

10MJ/kg

岩石 と評価 される。エ ネルギー源 は木材 と仮定 されている。

最近,金属の種別 を明確 に し, それぞれの資源の枯渇の指標 とす るため に,金属 の持 つエ クセ ル ギーで資源 を評価す る手法が提案 されている。エ コシステムか らのエ クセルギーの消費 として,餐 源の消費 を評価す るシステムであると考 え られ る( 1 0 ) 。 しか し,実際 に使用 されるには至 っていない。

(2)

地球温暖化,オゾ ン層の破壊 ,富栄養化,酸性化,お よび光化学 オキシダン ト生成

5

では これ らのカテゴリーはそれぞれ,温室ガス効果指数

(GWP:globalwarmingpotential)

, オゾ ン層破壊指数 (

ODP:ozonedepletionpotential)

,富栄養化ポテ ンシャル

(NP:nutrification potential)

,酸性化ポテ ンシャル

(AP:Acidificationpotential)

,光化学 オゾ ン生成 ポテ ンシ ャル

(POCP:photochemicalozonecreationpotential)

を重み付 け係数 として使用 している。

温室効果 ガス としては二酸化炭素が最 も代表的であるが,その他 に も

CH4

,

N20

,

CFC

等 々温

室効果 を引 き起 こす原因 となる物質は数多 く, また,単位量 当た りの影響 は

C02

よ りも大 きい も

の も多 い。

I

PCC ( 気候変動 に関す る政府 間パ ネル)で は様 々な物 質 の持 つ温 暖化 効 果 を

C02

を基準 と して対比 させたパ ラメータとして地球温 暖化ポテ ンシャル

(GWP:GlobalWarmingPo tential)

を導 出 している

(ll)0 I

PCC では長期 的 な分解過程 をも考慮 して,

20

年,

lo

o牛 ,

500

年 ス

パ ンでの値 をそれぞれ設定 しているが,

Simapro

においては最 も一般的 に用 い られ る

100

年 スパ ン

の値

(GW P 100)

を採用 している。影響 ス コアの算定 はこのポテ ンシャルに排 出量 を乗 じる こ と

(14)

ー 74‑

研究年報 第

ⅩⅩⅣ

巻 で定義 され る。

温室効果 ‑ ∑ ( 大気‑ の排 出 ×

GWP 100)

この ように,最 も特徴 的な物質 との相対比較 による影響度 を別途規定 し,それ をポテ ンシ ャル と して排 出量 を乗 じる方法 は,他 の影響項 目に も多用 され る。以下, この ような方法 は表 5に示 す よ うなカテ ゴ リー に対 して適用 されてい る

(12)

0

5

特定物質 との相対値 によ り影響度 を求めているカテ ゴリー

影響 カテ ゴリー 相対値の名称 相対化の基準 となる物質

温室効果 ( 地球温暖化 )

GWP CO2

酸性化

AP SO2

オゾ ン層破壊

ODP CFC‑ll

光化学 スモ ッグ

POCP

エチ レン

出典 :新エ ネルギー ・産業技術総合 開発機構 ,『 エ ネルギー使用合理化手法 国際調査』,

1996

,

p

.

102.

これ らはいずれ も基準物質 を持つ指数である。富栄養化,酸性化及 び光化学 オキシダ ン ト生 成 の 指数の決定 に議論の余地 はあるが, これ らの指数 を重 み付 け係数 に使用す ることの合意 は得 られ て いる もの と考 え られる。

(3)

人間の健康へ の影響

表 5の例 では,化学製品 jか らの人間の毒性 に複合寄与す る ものは,次式で算 出 される

Cj‑HCAjxEja+HCW jxEjw+HCSjxEjs・・・・・〔4〕

HCA

,

HCW

,

HCS

,は

(kg/kg)

を単位 とす るそれぞれ大気 ,水 ,土壌 に関す るパ ラメー タである。

E

は排 出物

(kg)

,イ ンデ ックス

a

,

W

お よび

S

はそれぞれ大気 ,水 ,土 壌 を示 す 。 そ れぞれのパ ラメー タは,おお よそ摂取 許容量 を基準 に決定 されている( 1 3 ) 0

また,

Tellus

研究所

(14)

では,発 ガ ン性物質の評価係 数

(carcinogenicpotencyranking)

EPA

のデー タに基づ き 「イソホロン同価」 と して使用 している

さらに,非発 ガ ン性効果 に関 して ,経 口摂取基準係数

(Oralrefarencedoseranking)

を 「キシ レン同価」 と して使用 している。人 間‑

の健康影響 は,広 い環境へ排 出 された物質の評価 と労働環境での評価 を分 ける考 え方 もあ り, クラ シフィケーシ ョンその ものが定 まっていない と考 え られ る。

(4)

生態系‑ の影響

3

の評価 では水 圏排 出物 と土壌へ の排 出物が分 け られ,それぞれ

ECA (ecotoxicologicalcals sificationfactorforaquaticecosystem)

,

ECで (ecotoxicologicalcalssification factorfor terrestrialecosystem)

とい う重み付 け係 数が定義 されている( 1 5 ) 。 これ らは ともに動物への毒性デー

タを基 に作成 されている。生態系へ の影響 を評価す る研究 は まだ少 な く,今後の研究課題 といえる。

(5)

その他の評価 カテ ゴリー

3

で は臭気が臭気 閥値 (

OTV:odorthresholdvalues)(kg/

‰ ) の逆 数 を重 み付 け係 数 と し

(15)

国 際規格化機構

(ISO)

におけ るラ イフサ イクルアセス メン ト

(LCA)

に関す る一考察

‑ 75‑

て・ また,騒音が

(P a2S)

として測定 されたイ ンベ ン トリーデー タを人 間へ の非毒 性 影響 カテ ゴ リー として取 り扱 われ るべ きとされている。

さらに表

3

では景観お よび 事故 による被害 も上 げ られているが,実際の評価 に使用 し得 るほ ど詳 細 に検討 されてはいない。

また,表

3

には含 まれていか 、 が,土地利用 を評価す る研究 もある。

3

節 ノーマ リゼ ー シ ョン

Guinee

( 1 6 ) は前述の ライデ ン大学 によるキ ャラクタリゼーシ ョンで評価 されたそれぞれのカテゴリー ごとの評価 ス コアを,地球規模 の排 出量が同様 のキ ャラクタリゼーシ ョンで与 えるス コアで割算 し, それぞれのカテ ゴリーを評価す る手法 を提案 している。

地球全体 での排 出量が不 明の場合 には,オランダでの排 出量 を

GNP

比で全世界 に換算 し代用 し ている。ノーマ リゼーシ ョンを行 うことで,カテ ゴ リーごとに対象 とす る全体 の影響 との相対 値 を 知 ることが出来 る。

第 4 節 バ リュエ ーシ ョン

キ ャラクタリゼーシ ョンはそれぞれの カテ ゴリー ごとに行 われ るので,これ らを総合的に判 断す ることが必要 となる。総合的 に判断す る手法 は大 き く

3

つ に分類で きる

( 1) 専 門家が構成す るパ ネルで決定す る方法

(2)

ターゲ ッ トとす る値 と現実の排 出量 を比較す る方法

(3)

経漬価値 ( 金額 )に換算す る方法

また,総合評価の前段 階 としてカテゴ リー別 に地域全体 での排 出量 によるポイ ン トを用い て ノー マ リゼーシ ョンす ることが行 われる場合 もある

( 1) 専 門家が構成す るパ ネルで決定す る方法

この方法では,それぞれの カテ ゴリーでの評価 を基 に専 門家が重み付 けを行 い判 断を下す。 自然 科学ではな く,政治的及 び倫理 的価値 に基づ き評価 されることが多 い。 LCA 実施の 目的 に よって 判 断基準が異 なることになる。永 田 ら( 1 7 )は,ア ンケー ト調査 によってカテゴリー間の重要性 を決定 す る方法 を提案 している

原理 の特徴 は定性 的情報 も取 り扱 えるが,設定の方法 と項 目とい う課 題 が残 っている

(2)

ターゲ ッ トとす る値 と現実の排 出量 を比較す る方法

代表的 な方法は,「 環境希少性評価」 と 「臨界ボ リューム法 」 であ る

いず れ もターゲ ッ トとな る値 を設定す ることに特徴がある。

1

)環境希少性評価

Ahbe

(18)

は,次式

5

に よって算 出 される物質 jへ の統合評価重み付 け係数 「 エ コフ ァク タ」

を用 いてエ コポイン トを算 出す ることを提案 している

エ コファクタ

j‑ (1/Fkj)(Fj/Fkj)C

5

図 2 積 み上 げ法 と産業連 関法 の概念 図
表 9 日本 における各燃料 の原単位
表 5 に各素材 の重量構 成 を示す。各素材 のエ ネルギー消費や CO2 ,SO2 ,NOx 排 出量等 の計算 の しかたはそれぞれ以下 の通 りであ る 。
表 1 6 台湾 における運輸工具製造部門の環境負荷 ( 直接効果)

参照

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