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第 31 章地域編 7: カリマンタン これらの特徴から 内資 外資両方によって東カリマンタン州バリクパパンなどを中心に天然資源開発を目的とした進出が活発である また 東洋のベニス と呼ばれる南カリマンタン州都のバンジャルマシン オランウータンが生息するタンジュン プティン国立公園等 観光資源も豊富

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(1)

インドネシアの投資環境

地域編⑦:カリマンタン

第31章

地域概要

1.

概要 (1) ①インドネシア国内における経済的地位 カリマンタンは、インドネシアの中部に位置するボルネオ島の一部で、島全体の面積は 72.6 万 km2であり、うちインドネシア領は 54.4 万 km2(日本の約 1.4 倍)を占める。同島中部でマレーシ アと国境を接し、また北部にはブルネイ・ダルサラーム国が立地する(図表 31-1)。 カリマンタンは行政上、5 州(西カリマンタン州、中部カリマンタン州、南カリマンタン州、 東カリマンタン州、北カリマンタン州)から構成される。2015 年の名目 GDP は 949 兆ルピアで、 インドネシア全体の 8.1%を占める。州別にみると、東カリマンタン州の名目 GDP が最大(カリ マンタン地域の 52.9%)と過半を占め、以下、西カリマンタン州(同 15.5%)、南カリマンタン州 (同 14.5%)が続く。 カリマンタンには天然資源が豊富で、石炭、石油、天然ガス、鉄鉱石、ボーキサイト、金等が 産出される。鉱業は地域名目 GDP の 30.9%を占め、全国平均(8.1%)を大きく上回る。他方、 第 3 次産業はいずれも GDP に占める割合が低く、第 3 次産業全体の地域名目 GDP 構成比は 29.1% (全国平均:44.0%)と全地域の中で最も低い。 図表 31-1 カリマンタン(地図) (出所)白地図専門店(三角形)より作成 バンジャルマシン バリクパパン カリマンタン

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第 31 章 地域編⑦:カリマンタン これらの特徴から、内資・外資両方によって東カリマンタン州バリクパパンなどを中心に天然 資源開発を目的とした進出が活発である。また、「東洋のベニス」と呼ばれる南カリマンタン州都 のバンジャルマシン、オランウータンが生息するタンジュン・プティン国立公園等、観光資源も 豊富である。他方、全国平均の 5 分の 1 程度という人口密度の低さと、後述する交通インフラの 未整備から販路の構築・維持が難しいため、地域内の消費市場を狙った事業進出はいまだ萌芽期 と言える。 ②工業団地・日系企業進出動向 インドネシア投資調整庁(BKPM)によると、2016 年のカリマンタン地域の外国直接投資(FDI) の受入れ総額(実行ベース)は 24.3 億ドルで、全国の 8.6%を占めた。同地域の中で最も多くの 投資を受け入れている州は東カリマンタン州(11.4 億ドル)であり、地域全体の直接投資額の約 半分を占める。次いで西カリマンタン州(6.3 億ドル)、中部カリマンタン州(4.1 億ドル)が続く。 カリマンタンには高質とされる石油資源が賦存するため、国営石油企業プルタミナ、トタール、 シェブロン等のオイルメジャーをはじめ、各国の石油開発関連企業の進出が盛んである。日系企 業の進出としては、1966 年に国際石油開発帝石がインドネシア政府と同地域マハカム沖鉱区の生 産分与契約を締結した例が挙げられる。石油以外の天然資源開発の例としては、出光興産が 2014 年に地場石炭生産企業の株式取得による北カリマンタン州マリナウ鉱山の権益を取得した例があ る。

東カリマンタン州の主要都市バリクパパン近くの Kariangau Industrial Estate では 2019 年までの 免税インセンティブを用意し、水道・電力などの産業インフラも比較的整備されている。 進出日系企業から見た事業・生活環境やコスト (2) 図表 31-2 は、カリマンタンに進出した場合のメリットと留意点を整理したものである。 図表 31-2 カリマンタン進出のメリットと留意点 メリット 留意点 石油・石炭など天然資源が豊富に賦存している 鉱業依存の産業構成のため、製造業や第3次産業の 振興が遅れている バリクパパンなど、石油産業が盛んな都市は事業環 境が整っている 交通など基本的なインフラの整備が途上である

(3)

インドネシアの投資環境 ①インフラ・物流 【空港】 主要都市間は航空網で結ばれている。主な空港は東カリマンタン州バリクパパンのスルタン・ アジ・ムハンマド・スレイマン空港、南カリマンタン州バンジャルマシンのシャムスディン・ノ ール空港等である。前者についてはシンガポールなどに就航している国際空港だが、キャパシテ ィが上限に達していると言われる。後者は国内線のみが就航している。 【道路】 建設業者不足、湿地帯での建設コスト増などにより、東カリマンタンの主要県でも全般的に道 路整備は不十分である。現在、同州都のサマリンダと同州バリクパパンを結ぶ高速道路の開発が 進められている。また、インドネシア政府はカリマンタン地域の道路と鉄道開発について、アジ アインフラ開発銀行(AIIB)に融資を申請する意向であると報道されている。 【電力】 2013 年の州別の電化率をみると、西カリマンタン州が 95.6%、南カリマンタン州が 81.6%、東 カリマンタン州が 80.5%と、中部カリマンタン州(66.2%)以外の電化率は全国平均(80.5%)と 同程度または上回る水準にある。 ②労働事情 【人材】 2015 年のカリマンタン地域の人口は 1,557 万人(同国全体の 6.5%)であり、そのうち労働力は 744 万人である。失業率は、経済規模の大きい東カリマンタン州でも 7.5%と全国平均の 6.2%を 上回る水準にある。よって、同州においては労働市場の供給面での懸念は小さいと考えられる。 一方、東カリマンタン州以外の 4 州の失業率は比較的低い。 【賃金】 2017 年の各州の月額最低賃金をみると、北カリマンタン州(235 万ルピア)と東カリマンタン 州(234 万ルピア)が約 19,200 円と全国平均に比較して、相対的に高い水準にある一方、南カリ マンタン州(226 万ルピア)と中部カリマンタン州(222 万ルピア)の最低賃金は約 18,300 円と 全国平均(208 万ルピア、約 17,000 円)を若干上回る水準にある。一方、西カリマンタン州(188 万ルピア)の最低賃金は約 15,400 円と全国平均を下回る水準となっている。

(4)

第 31 章 地域編⑦:カリマンタン ③生活環境 【一般】 バリクパパンなどは石油産業関連に従事する外国人が多く、生活環境が比較的整っている。東 カリマンタン州には大規模なショッピングモールもある。 【食事】 日本食を食べられるレストランは少ない。 【教育】

日本人学校はなく、バリクパパンに Australian International School や Raffles Independent School 等のインターナショナル・スクールが開校している。 【住居】 バリクパパンにはサービスアパートが何軒か立地している。 【治安】 都市部、郊外とも比較的治安は良いとされるが、2016 年 11 月に東カリマンタン州サマリンダ で教会への火炎瓶投擲事件が起こるなど、近年はテロ事件が発生している。また、スハルト政権 時に国内移民同化政策に基づきジャワ島等から大量の移住民が送り込まれた経緯から、移住民と 先住民との軋轢があるとされる点には注意が必要である。 【その他】 東カリマンタン州にはカラオケボックスやゴルフ場があり、娯楽面では比較的充実していると 言われる。

(5)

インドネシアの投資環境

主要工業団地

2.

カリマンタン島に立地する主要工業団地を以下の表にまとめた。

No. 工業団地名 Address(県/市) 総開発面積

1 Tanahapuas Makmur Pontianak 117ha

2 Bumi Kecubung Makmur

Jl Pasir Panjang, Wilayah Kec Arut Selatan Lainnya, Arut Selatan, Pangkalanbun 74151 Kalimantan Tengah

95ha

3 Karya Bumi Kahayan Makmur Palangkaraya 400ha

4 Banjar Gawi Makmur

Jl Banjar Gawi III 138, Landasan Ulin Barat, Landasan Ulin, Banjarmasin 70722 Kalimantan Selatan

100ha

5 Rasmalan Land Jaya Banjar 90ha

6 Kaltim Industrial Estate (Bontang Industrial Estate)

Wisma KIE Lt.2, Jl. Paku Aji Kav.79 Bontang

Kalimantan Timur 75313 246ha

7 Kariangau Industrial Estate (Kawasan Industri Kariangau)

Jl. Bakusi Rahmat No.45, Samarinda Kalimantan Timur - 75111 300ha

8 Kawasan Industri Delma Mandiri ( Delma

参照

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