【論 文】 UDC :624
.
014.
2 ;519.
2 :62−
192 日本 建 築 学 会 構造系論文 報 告 集 第409 号・
1990 年 3 月不確定
力学
特
性
を
有
す
る
梁
の
応
答
と
信頼性
に
関
す る
考 察
正 会 員高
田
毅
士*
L
序最 近, 構 造物の確 率 応 答 (stochastic response )
,
信 頼 性の問題 が 多方面か ら 盛 んに論じられ, 数多く貴 重な 成 果が報 告 されつ つ あ る。 まず始めに不 確 定な外 力を 扱っ た研 究につ いて見る と,
地 震, 風の よ う な荷重は,
時 間,
空 間 的に著しい不 規 則 性 を有し, 古く か ら研 究の 対 象であっ た。
この よ うな外 乱は時間 領域にお け る定 常 ある い は非 定 常な確 率 過 程 (stochastic process>とし て モデル化さ れ るの が通 例であり, 構 造 物の確 率応答は 不 規 則 振 動 理 論 を用い て評 価さ れ るIL2 )。
ま た,
不 規 則 外 乱が空 間 的に変動す る ような問題は不 規 則位相差入力 の 問題 となり , これ も地 震入力 を受 ける橋 梁のよ う な大 型 構 造 物に対し研究が進んで い る3L4 )。
一
方,構 造物の材料 特 性が不 確 定な場 合を次に考え る。 空 間 的に変 動す る材料 特性も不 規 則 外 力 同様,
確率過 程 あ るい は確 率 場 (stochasticfield
)5 )と し て 取 り 扱 わ れ る。 中桐ら 6 }は 材料 定数が 空間 的にば らつ く問題に対し,
材 料 特 性 を 離 散 化確 率場 (
discretized
stochasticfield
) と して取り扱っ て
,
有限要素法と摂 動 法を利用 して数 多 くの応 用例を示し た。 最 近,
著 者 η がこ の よ う な離散 化 を行わ ずに局所 積分 (local
integral>の概念を用い て 新しい確 率 有 限 要素法を定式 化し て い る。Bucher
ら8 ♪ は曲げ柔 性が空 間 的に変動す る簡 単な梁 構 造 物の確率 応 答を,
有 限要 素 法の よ う な離散化 手 法 を用い ずに,
構 造 物の静 定,
不 静 定の 区 別 をし な がら解 析 的に取り扱っ て い る。
し か し な が ら,
これ ら の 既往研 究で は,
構 造 物の任 意 点に お け る確 率 応 答 (主に,
その平 均 値と分 散 )の評 価 が中心 と なっ て い るもの の, 新しい確 率 場 とし ての応答 の取 扱いが不 十 分である。
つ ま り,
空間 的に変 勤す る材 料特性が確率 場と して扱わ れて い るよ うに,
構 造 物の応 答 も 空間 的に変 動し, 新たな確率場と して考え な け れば な ら ない 。 こ れ らの こと よ り,
確 定 系の不 規 則 振 動 解 析と不 確 定 系の解 析と は, 時間 的,
空間 的な確 率 過 程, 確率 場と し て理 想化さ れ る基 本変動 量 よ り,
系の応 答の形 成す る確 本報 告の一
部は,
19S9年H本建築学会 大会で発 表した.
宰 清 水 建 設 株 式 会 社 大 崎 研 究 室・
ユニ修 (1989年7月 10日原 稿 受理,
1989 年 12 月 19日採用決定 ) 率過 程,
確 率 場の特 性 を 評価す ること に外ならない。 す な わ ち,
不 規 則 振 動 解 析 も不 確 定系の解析も,
対 象とす る 問 題 は まっ た く異な るもの の, 本質的には同 じ もので ある と考えら れ る。 そこ で,
本 研 究の 目的は,
不 確 定 構 造 物の解 析が不規則 振 動 解 析とアナロ ジー
が ある こ とを 小 すことで あ る。
と ころで,一
旦,
時 間, 空 間 的に変動す る確 率 応 答が 得ら れ れば,
そ れ ら が規 定し た限 界 状 態 (limit
state ) に至ら ない 確率とし て構 造 物の信頼性が論 じら れる。
不 規則外乱が作用 する確 定 構 造 物の動 的信頼 性の問 題は以 前よ り数 多くの研 究が あり,
究 極 的には定常ある い は非 定 常 確 率過 程の 交 差(level crossing )の問 題に帰 着 する。
不 確 定構造物の信 頼 性 を扱っ た研 究に限っ て み ると, 確 率 有 限要素法を用い て構 造 物の信 頼 性を論 じ た もの や9 )
・
1°〕 tBucher らの解 析 的 研 究 を 発 展 さ せ たもの 等が 挙 げられ る11]。
し か し な が ら,
これ らの既 往 研 究では,
部材の危 険 点 に お け る種々 の限 界 状 態に対する信 頼性を取り扱っ てい る が.それ は部 材と して の信 頼 性 とは異な るもの である。
な ぜ な ら,
前述 し た ように確 率 応 答は空 間 的に相 関 を有 しな が ら変動 し,
こ れも新た な確率場と なり,
危 険 点 以 外で も限 界状態を超え ること も あり得る か らである。
部 材と して の信頼性は,
あ る確 率 場 (応 答〉が決め ら れ た 区 間 内 (部 材 内)で規定し た限 界 状 態に至 ら ない確 率に 等し い。
こ れ は,
不 規 則 振 動 理 論で発展 し た き た初 通 過 問 題 (first
excursion problem )を解 くこ とに外な ら ない
。
以上の ことより, 本 研 究の前 半で は, 簡 単な不 確 定 構 造 物 を対 象に
,
その材料特性が空 間 的に変 動し た場 合に,
応 答が形 成す る確 率 場の特 性を考 察し,Bucher
ら の解 析 的 手 法を不 規 則 振動 理論との アナロ ジー
の観 点か ら整 理で きる ことを示す。
次に,
後 半の部 分で, 部材とし て の信 頼性 を評 価す る た めに不 規 則 振 動理論で発 展して き た 初 通 過 理論が 適用 可 能で ある こ と を示 す。 な お, 対 象 と す る構造物は,
確 定 静 的 荷 重 を受け る 空間 的に変 動す る曲 げ柔 性 を有す る梁 部 材とし,
その た わ みに関す る部 材とし て の信 頼 性を 論 じる。
2.
空 間 的に変 動す る力学特 性 を有 する静 定 梁の応 答以 ドの定 式 化は
,
文 献8),
11)と基 本 的に同 じであ るが
,
不 確 定 構 造 物の 問 題が不 規 則 振 動 理 論との アナロ ジー
がある こと を示すに は最適な もの で あり,
かつ,
4 節で述べる部 材 全 体と し ての信 頼 性 を論じ る上で必 要 不 可 欠である。 2.
1 梁の変 動曲げ柔性の確 率 表 現 曲げ柔性1
/El
が梁長にわ た り変 動 する問 題を考え る。 変動す る曲 げ柔性が次 式で示さ れる よ うに 1次 元 確 率 場で理 想化できる とする。
古
一意
ロ+ノω }………・
…・
……一 ・
…tt
(1
) こ こ に 1/El
。は曲げ柔 性の ア ンサ ンブル平均く1/EI
> で 位 置x に よ ら ない と し,f
(x}は変 動 量 を表し,
その 平 均 値が零〈ノ(x)〉=0,
自 己 相 関 関 数Rff
(ξ)一
くf
(x +ξ)f
(X>〉を持つ 1 次元 正規均 質 確 率 場と仮 定す る。2.
2
静定梁の確 率 応 答 始めに確 定 分 布 荷 重 ρ〔x}が作 用す る確 定 長さL
を も つ静定梁 を考え る。
こ の場 合,
応 力 分 布が曲げ柔 性に依 存し ない ことを利用 し て任 意 点 x に お け る た わ み応 答 ベ ク トル u(x)・=IW
(x)T(x)lt
は初 等 力 学よ り以 下の式で 記 述で きる。
u(x)
一
腮 }
一
.
4L
h(x,
t){i+f
(t)1
・……
(・) こ こに, W (x),
.
T(x)tdW (x)/dx
。よ各々 た わ み,
た わ み角と し,h
(コc,t)は以 下の式で与え ら れ る確定関数 と す る。
h
(x.t
)「
瑞
1
:
鯰
:
ljl
・・
一 ・
一 ……
(・) こ こでM
(x)は分 布 荷 重 p(x)が作 用 しだ時の曲げ モー
メ ン ト分布 (確走
量 ), h試x,
t),
hKx ,
t)は各々,
た わ み, た わみ角に関して,
x 点に単 位 力を作 用させ た時のt’
点の 曲 げモー
メ ン トを表すGreen
関 数で あ る。
f
(t
) が正規確率場である か ら, 式 (2)のた わ み,
た わ み角 は正 規 性 を有する。
また,
式 (2 )の 被積分項ゐ内,f
(t
)の みが確 率 量であ る か ら,
応答は動的問 題と同 様,
畳 込み積分 (convolution integration)で表 さ れ たこと に なる。
つ ま り,
梁の応 答u(x}は 入 力 をf
(x)と する系 の出 力と解 釈で き る。
次に た わ み, た わ み 角の 相互 共 分散関 数行 列
R 。
u (x,
y)=
〈lu
(コ匚)一
くu(x)〉目u(y)’
一
〈u(y)〉ド〉は式 (2}より容 易に以下 の式で表 現で き る。
R
論
,
y)−
XL
.
(
Lh (x,
t,)ht
(y,
t,
)Rf
.(t21ti)dtidt2
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
.
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(4) こ こ に一
ヒ添 字 tは転 置ベ ク トル を表す。 上式に見る よ lt うに,
応 答の相互 共分散 関数行列は異 なる 二 つ の点 x,
yの 関 数 とな り,
そ れ らの 差 (x」 y)の関 数とな らない。
つ まOP
’
,
た わ み, たわみ角 応 答は 空間 軸に関して不均 質 (非 定 常 )な正規 確 率場 と な る。
こ の不 均 質 性は,
境 界一
68
一
条件,
荷重条件に由来し, 不 規 則 振 動 理 論にお け る系の 初 期 条 件, 入力 条 件に相 当す る もの と考え ら れ る。
2.
3 スペク トル表 現 法一
方,f
(x)の 自 己 相 関 関 数Rrr
(ξ)とパ ワー
スペ ク ト ル 密 度 関 数 Srf(x}の 間に は,
次のWiener・
Khintchine
の関 係 式が あ る。
・・ 〔ξ)
一
∫
:
・・ (・)eS ・ed ・…一 …一 ・
・
一・
・
一
(・)・〃 ω
一
岩∫
:
・〃 (ξ)・−
t・ed ξ…・
・
…・……
(・) た だ し,i
は虚 数 単 位と す る。 上 式 を用い ると式 (4 ) は以下の よ うに ス ペ ク トル表 現で きQ
。
、
R
・ ・(副イ ∬
ゐ(岬 幽
ε・)・
f
:
・・ω・ 一一
t・
・ 麟dt
・、
積 分の互 換 性に よ り,Ruu
(x,
y)一
∫
1
[
∬
^(・・,
ti)e・…dtl
]
・
[
∬
ht(y.
…)e−
i・
…司
・r・(・)d
・−
f
:
H
(釦
・)H
・ t(y,・ix
)s
” (x)dz
・
・
・
…
r・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(7
) こ こに,H
{x,ix
)は次 式に示すh
(x,
t)の tに関す る フー
リエ 変換を, * は共 役 複 素 数 を 示 す。・孀
一
ぜ
、∫
:
臨
鱸
:
lll
幽…
(・) ただし,hw
(x,
t),
h
,(x,
t
)は 0≦x≦L で値をもち,
ぞ れ以 外では 零 と する。
式 (7)の表 現は,
動的問題で は 式 (4 )が時刻 歴 解 析による不 規 則 振 勤 理 論とする な ら,
周 波 数 応答 解析に基づ く不 規 則 振 動 理 論に相当し,
H
(x,ix
>は周波 数 応 答 関数12Jと呼 ばれ る。
2.
4 片持ち梁の例静 定 梁の例 題 として
,
今,
最 も簡 単な片 持ち梁を考え る。
図一
1に示、
す よ うに,
自由端に集中荷重P
が作用 す る場 合を想 定する。
ま ず,
初 等 梁 理 論に よ り, 片持ち 梁の たわ み,
たわ み角に対して二っ のGreen
関 数が容 易に導 か れる。
h
・… t・七
黒
芝
瓢
、・
一
(・・h
・(・・
t)一島
(,碧
亂畿
2
。)…・
……・
(1・)z
P
↓
厂
xw (x) トー
L− 一一
丁一一
r−
→ (曲 げモー
メン ト は撓み が上 側凸 を 正 とする) 図一
1 不 確 定 力学 特 性を有す る片持ち梁今
,
f
(x)の 自己相関関数を以 下の もの と す る。・〃 ・ξ・
一
σ 2諾
舌
1
}
i
…・
一 ・
……・
…一
…11
) こ こ に,b
は相 関の度合い を制御する正 値の パ ラ メー
タ,
σ はf
(x)の標 準 偏 差と する。
.
とこ ろで,
こ の自己相 関関 数に等 価 なパ ワー
スペ ク ト ル密度 関数は以 下の式で表さ れ る。
・“ ω一 ・・
亨
…一
……・
・
…・
……・
…・
・
…・
・
…
(12
) 図一
2は 上式 と文 献 13)の 手 法を用い て 発 生 さ せ たf
(x)のサン プル関 数の例で あり,
図一
3,
4は その サン プルを用い て式 (2)の積分 を行っ て得ら れ る応答の一
例である。
これ は, ひ とつ のf
(x)のサ ンプル関 数 を入 力と し た直接 積分法に よる時 刻歴応答解 析に相 当するも の である。一
方,
式 (4)の 二重積分 を実 行 すれ ば, 応 答の相 互 共 分散 関数行列が求 めら れ る。
図一
5〜
7に は , 応 答の標 準 偏 差 を4OOO
回の シ ミュ レー
ショ ン結 果と式 3.
0 ミ 2』§
、.
。 匪 0・
0 ミ トー
Lo・
、−
2.
D−
3.
00、
0 0,
2 0.
4 b,
6 0.
B 無 次元 化 座 標xtL 図一
2f
〔x)のサンプル関数 の例 02 01 00 01 02 0 0 D O Oア
、 司
、
匙 亀、
「
こ ≧ 4 麟 匪 ミ ト A ⇒ e 崎 韓 1.
0 O.
O O・
2 m.
4 0.
6 0,
3 1.
0 無 次 元 化 座 標xiL 図一
3 た わ み変動AW {x)の サンプル閧数の例 rs O.
Oヨ孕
芭ミ
… 2 旨警
… 1容
。.
。。e 韓
一
〇.
Dl O.
0 0、
と O.
4 囗.
G 口.
e 1.
0 無次元化座標xtL 図一
4 た わ み角 変 動AT (x>のサン プル関 数の例 (4
)の数値積分を行っ た結果 を 比較 して い る。
こ れ ら よ り,
両 解 析が非 常に良い一
致を示して い る ことが わ か る。b
値の影 響につ い て見る と,
大き いb
/L
値ほ ど 応 答の分散は大き く な る。
これ は変 動する曲 げ柔性が長さ 方 向一
様に 変 動す る 問 題 に 近づ くこ とを 意 味す る。
Bucher らs〕は現 実 的にb
値 を測 定す る ことは困難であ ること か ら,
静 定 構 造 物に対し,b
値が無 限 大になる場 合が応答の 分 散の上 限 値と な ること を示して い る。
また,
図一6
よ り,
た わみ角 応 答の非均 質性は,
b/L 値が大き く な る ほ ど顕 著であるこ と も観 察さ れる。
次 式は式 (8) を用いて
,
片持 ち梁の 捌τ,
iz
)を解 析的に求 めた もの である。
H
幽,
ix
)H
(x,ix
)=・
…・
…・
…・
…・
………
(.
13)HKx .
i
κ) こ こ に,
H
・(x・
・ix
)「
姦
{
詈
(1
+e… } 0.
a6 詮 £ 寒1
…1
黶 o、
oo G.
C O.
2 囗.
4 G.
6 巳.
B L.
n 無 次 元 化 座 標x 起 図一5
た わ み変 動の標準偏差 (片 持ち梁1
ロIロロ
ご
一1
−1
一靈
・・ 。 O・
O O・
2 0、
4 0,
6 0,
8 1.
0 無次元化座UtxtL 図一
6 た わ み 角変動の標準偏 差 〔片 持ち梁 ) 1.
口o 蜘 ε粛
擘 靨 ξ竃
讐
靈
0.
80 0.
0 自.
E O.
4 0.
5 0、
B 1.
D 無次 元化座 標xlt 図一
7 た わ み と た わ み角の相 関係 数 (片 持ち梁)+
(
L
27 + ixs)
(1−
e ・xx)一
去
・・}
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
t・
・
・
・
・
・
・
・
…
一
・
・
・
…
(14)H
.(x,
・ix
)一孟
{
(
裟
一
吉
)
(e・rc−
・)− tti
eSxxl
.
甲
.
.
・
・
・
…
一・
・
鹽
・
・
・
・
・
…
呷
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(15) これ らの絶 対 量 を 梁の 中央 (x=
O.
5L ),
自 由 端 (x=
L ) で x に関して プロ ッ ト した もの が図一
8,9
で あ り, さ ら に図に は式 (12)で表さ れる パ ワー
ス ペク トル密 度 関 数 もプロ ッ ト した。
両 図よ り, 協〔x,ix
)1
は,
xが大き く な る と す ぐに減 衰し て し まい,
曲 げ柔 性の変動に含まれ る高い波 数成 分は応 答に影 響 を与えに くい こ とがわ か る。3.
不 静 定 梁の確率応答3.
1
静 定 基 本 系の選定と不 静 定 力の導入確 定荷重 p(x)が作 用する不静 定 梁の場 合で は
,
梁 内 に生 じ る応 力 分 布は変動す る材 料 定 数に依存し, 結 果 と して確率量と な る。
以 下には文 献8 ),
11 )と同様,
静 定 基本系を選 び, 境 界 条 件に適合するよ う な不静 定力を導 人 す ることに よ り応 答を評価す る。今
,
n 次の不静 定 次 数を 有 する梁の た わ みお よびた わ み角 分布は,重ね合わ せの 原理 よ り以 下の よ う に表 せ る。
矼(x)
=
矍 o(x)十Σ]B
鳶ロ配(x)・
・
一・
・
・
・
・
・
…
r・
一・
・
・
…
一
(16> 鳶=
1 こ こ に Ue(x )は確定 荷 重 ρ(x)に対す る静 定 基 本 系の た わ み応 答ベ ク トルで式 (2)より算出さ れ る。 蝋 gじ)は, ん番 目の確 定 単位 力が静 定 基 本 系に作用 した と きの た わ み応 答ベ ク トル である。
し た がっ て,
tts(x)(i
=
O〜
n) o.
E 40 2(
」 期丶
S丶
一
薫、
.
こ ミ 圭コ
blt≡
T.
o5rκ
κ
,’‘02b /4丿 2 匚 L=
=
XX biL=
σ.
1 O.
O O TO 20 ヨO dO 50.
L 図一
8 た わ みの周 波数 応 答 関数IH
.
(x,
ix)1
o.
6 42 0
ロ
バ
、
。
周丶
差 三 ミ 菟 玉 0.
0 [.
\・
btL=
t.
0 SffCxJ t‘02 bJ4, 2 止 正謬
冨
κ X \ \、
btL=
O.
7丶
ンベ ・ 寧 ニー
一.
.
一
一
図一
9 ID 20 10 40 50κ
t たわ み角の周 波 数応答関数1
Hr(X,
酬70
一
は その定 義よ り正 規 確 率 場と なる。
また, B配は h番 目 の不 静定 力を表す確 率変数で, 以 下に示す境 界で の変 位 適 合 条件を満 足し な け ればな らない。
訓
1
:
:
i
:
之
]
ll
−
1
・・…・
一
一
……
・17
・ こ こ に δtit (h
≠0)はh
番目の 確定 単 位 力 が 静 定 基 本 系 の x=
Xk に作 用した時の ‘番 目の境界での変 位 成 分 を 表し下 式で評 価 され る。磁 一
∬
ん絋諮
編 ε)d
君・
…・
…・
……・
…
(18
) また,
δ‘。は荷重 p (x)が静 定 基 本 系に作 用し た 時のi
番 目の変 位 成 分を表す。
s、。
一
∬
即 )窘
孥
)dt ……・
一………・
…・
(19
) こ こ に,M
。(t),
hs
(Xt, t)は, 各々, 静 定 基 本 系に荷重 p(x}が作 用し た時のt
点の曲 げモー
メ ン ト分 布およびi
番目の確定単位 力が作用し た時のi
番 目の境 界での変 位成 分 を表 す。 し た がっ て, 式 (17 )の 煽 と δtk は正 規 確 率 変 数と な る。 し か し な が ら, 式 (17) を解い て得 ら れる不 静 定 力B,は確 率変数 とな るが, 逆 行 列の操 作 を含ん でいる た め,
もは や,
正規性を有しな い。
言い換 え れば,
不 静 定 力は 正規確率 変数 δtκとは線 形 関係に な い こと を意 味し,
結 果と して,
式 (16)で与え られ る た わ み応 答 u(x>は正 規 性を有さ ない非 均 質 確 率 場とな る。
この非 正 規 型 確 率応 答を解析的に (統 計 的に対 する〉評 価す る場 合に は静 定 梁と違っ て厳 密 解は得ら れず,
何 ら かの近 似 が 必 要と な る。 3.
2 1次 近 似 法に よ る応 答 評 価今
,
式 (16}を基 本正規確 率変 数に関して, それら の 平均値回りで Taylor展 開し1次項ま で取る と以 下の よ うにな る。
・ω 勃 ω
」
+盞
箸
)1
濤
&(・)一瓦
ω }一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(20) こ こ にXi
(x)は,
式 (16)に含まれ る確 率 変 数で Uo{x)−
Un(x>および crtiCに対 応し て お り, m は こ れ ら の確 率 変 数の総 数である。一
旦,
応 答 が 線 形 近 似 され れ ば,
応 ρ / 図一
10 不確 定 力 学特 性を有す る両端 固定 梁 Bl歪
納
.一一
一ラ
x 図一
11 静定基本系と不 静定力答の相 互 共 分散関 数行列は容易に計算される
。
R
・・
(・.
・・〉一
舗
響
1
階
)1
}
t<Xt(x)・・(Y)・・
・
…
,
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(21
) 3.
3 両端固定の不 確 定梁の例 例題 と して, 図一
10の確定分布 荷重 p を支え る両 端 固定梁を考え る。
今, 静 定 基 本 系と し て右 端 自由の片持 ち梁を 選ぷ と すると, 図一
11に示 す二 つ の 不静定力B
、,B
,が存 在する。
こ の時, 曲 げ柔性の 自己相関 関 数 は式 (11
)の もの を用い る。
図一12〜14
は各々,
た わ み,
たわみ角の標 準 偏 差お よびそ れ らの相関 係 数の空 間 的分 布 を式 (21)で得られ る も の と, シ ミュ レー
ショ ン法 (サン プル数=
4000) で得ら れ た もの と を 比較し た もので ある。 両 者は良く一
致 し,
式 (20
)の線形 近 似を行っ て も十 分な精 度 を与え ること が わ か る。
4.
動 的 信 頼 性 理論の適用 o,
ooo5 詮 禽 so.
Dou41
一壟
゜』 °°2譲
。。。。1 § 口.
ODOD D.
0 0、
2 m.
4 0.
6 D.
B 1.
D 無 次 元 化 座 標xiL 図一
12 た わ み変 動の標 準 偏 差 (両 端 固 定梁 ) ヨヨ
む
ど
ヨ
ロ ユ
し
ほ
ロ
ロ
ロ oo oD oo oo oo 囗0 0
D
O
O
O
O 、 輪
、
馬 S、
匿
〜 拠 驛 鮒 聴 S 皿 漕 驛 口.
B O.
2 D.
4 0.
6 0,
3 1.
D 無次 元化座標xlL 図一
13 た わ み角 変動 の標 準 偏 差 (両端 固定梁) L.
0§
麟 ロ’
5 奮5
コ・
° M−
o・
5−
1.
c O.
O D.
2 0.
4 囗.
E O、
S :.
0 無 次 元 化 座 標xlL 図一
14 た わ みとた わ み角の相 関 係数 〔両 端 固 定 梁 ) 4.
1 非 定 常 確 率 過 程に対 する初 通 過 理 論 こ こ で は,
梁の た わ み に関する信 頼 性につ い て考 察 す る。
従来の信 頼 性解析で は, い くつかの危 険 点 を考え て, そ れ らの点で の閾 値 超 過 確 率 を考 えてい た。
しか し なが ら, 序に示し た よ うに,
たわ みその もの も式 (2),
(16) に見る よ うに確 率 場と な り, 梁の た わみが危 険 点 以 外の ところで規 定した閾 値 を超え る こと が十 分 考え ら れる。
そ こ で,
部 材 全 体と して の た わ み に関する信 頼 性 を評 価 する必 要 が ある。
これには, たわみW
(x)が 閾 値 を超 過 する確 率 を評 価する こと も考え られ るが, たわ み の平 均 値 〈W (x)〉が零と ならず,
空間軸 x の関数と な る こ と か ら, 本 論で は, た わ みの平 均 値か らの 変 動 量AW
〔x)=
曜(x)一
くW
{x}〉が 閾値 a を 梁の全 長の どこかで一
度で も 超え る確 率を評 価して み る。
こ れ は,
た わ み の平均 値 くW
(x)〉を 設 計 値と考え た場 合, 全 長の どこか で た わ み が 設 計 値 よりα 以 上 大 き くな る確 率 を 評 価し てい るこ とに な る。
Pf
(L.
a)=prob
IA
va(x)〉α :0≦x≦L
ト・
…
(22) 上式で定 義さ れ る確 率 ρXL
,
α)は,
正に不 規 則 振 動 理 論にお け る初 通 過 確 率で あり,
こ の確 率 を求める の に初 通 過 理 論が適 用できる。
前 述し たよ うに,
梁の AW (x}は一
般に非 均 質 (非 定 常 )で非正規 性を有する確 率 場と な る。
し か し な が ら,
非 定 常,
非 正 規 型の確 率 過 程に対す る初 通 過 確 率の厳 密 解を得ること は困 難であること から,
現 在 まで に多 数の 近 似 式が提 案さ れ て い る。Shinozuka
ら14}は,
非 定 常 確 率 過 程に対 する初 通 過 問 題に関して既 往の研 究 を ま とめ て いるの で参 照 していた だき たい。 本 報で は,
不 規 則 振 動 理 論で発 展し て き た動 的 信 頼 性 の手 法 を不 確 定 構 造 物の信 頼 性 解 析に応 用で き ることを 示 すこと が第一
の 目 的で あるため,
こ こ で は, 梁の た わ み,
た わ み角の 二 乗 平 均 値 σ鼠コヶ),
σtKx )お よ び そ れ らの 相 関 関 数ρ〔x)を用い て比較的 簡単に評価で き るShino−
zuka の 上, 下 限 値 ’5 ) を 用い て式 (22 )の確 率 を求めて み る。
Shinozuka
は, 非 定 常な確 率 過 程AW
〔x)が片側閾値 α を (0 ,L
>の 間で 超え る確 率 を 以下に 示す上限値 Pu(L,
α)と下 限値 Pt(L,
α)で規 定し た。
P・(・
.
・イ
・(・識………・
………・
…・
・
(23) こ こ に, σ(α,
X}は,
・(・
,
x>・∬
・ ・φ(a,
AT 」
・x)d
(・T)・
…・
一 ・
(24) で,il
(Ava ,
AT
;x)は x 点に おけ る AW {x)と AT (x}(
d
(dx
AW
))
・鵑 確率跛 関 数・ あ る.
=
h
’
,
下 限値pl(L
,α)は次 式で与 え ら れ る。
Pi(L
,α}・
=
max [problAW (x)>a}]…・
……・
(25)o≦ ¢ ≦L
る と, これ らの 同時確 率密 度関数φは以 下の式で与え られ る
。
1 φ(AW,
AT ;x)=
2 nσ
。
。。
》Vi
「7
・
exp卜
、(、≒
・ ){
(
÷
」)
t一
盆ρ鬻
丁・(
AT σr)
t}
]
・
・
・
・
・
・
・
…
t・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
t・
・
・
…
(Z6 > こ こ に p(x)は非 定常正 規 確率場 AW (x)とAT
〔x)の相 関 係 数 とする。
上 式 を式 (24 )に代入 し, い くつ かの大 小 関 係 を考える ことに より,
以 下の式が誘 導さ れ る。
詳 細は文 献16 )を参 照され たい。
醐 ・
晴
∬
器
[
直
ヲ
・
exp{
一
、(1
≒
)(
訓
・・(・
1
師
昜
exp{
−
S
(
;
)
’1
]
dx
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
−r9・
…
r『
・
・
…
(27) こ こ に H(ρ}はHeavisideの 単 位ス テ ップ 関数と する。
ま た,
式 (25 )は次の よ うに書くこと ができる。
Pi(
L ,
a)−
1−
・(
藷
)
・
…一 ・
………・
…・
・
一 ・
(28
) こ こ に,
茜は aw の0
か らL
の範囲で の最 大 値であ り,
Φ〔x)は標 準正規確率分布関数で以 下の式で定義さ れ る。・(x)
一
毒
一
∫二
exp(
一
豹
・・…一 一 ・
(29
) 式 (27),
(28)は対 象 とする確 率 場AW
(x),
△T
(x)が 正 規 性 を有する こと が条 件と され る。
しか し な が ら, 3 節 で示 し た よ うに, 不 確 定梁のAW
(x),AT
(x)は正規確 率 場と な らず,
式 (20 )で線 形 近 似さ れ た応 答の確率 特 性,
σ鼠コc),
σ知 )お よびそ れ らの相関関数 ρ〔x)を用い る こと に す る。
こ こで, 式 (28
}で与え ら れ る超 過確率の 10e が が(
ロ、
己 愈 掛 鯉 唄 頻 擘 1口.
コ
O.
ロロ O.
OS D.
]O O.
IS ロ.
2n 閾 植qκρL3!Ete) 図一
15 た わ み に関する初通 過確 率 p.(L,
a)(片 持ち梁 }72
一
lom が が ?.
モ q 儺 酬 蟲 噸 擘 ID’
s O 2XIQ.
4 4X 見0‘
4 6×10.
4 8XlO’
4 1 ×103 閾 値ai (pL4tE’ll
図一
16 たわ み に関する初通 過 確 率ρメL,
α)(両 端 固 定 梁 ) 下 限 値は,
aw が最 大と な る点 を 危 険 点 と 考え た時の確 率に外な ら ない。一
方, 式 (27 >の 上 限値は,APV
(X) を正 規 確 率 場 と仮 定し た時の部 材 全 体 (0
〈x ≦L
)での 超 過 確 率 を表して お り, 両 者の差 が 有 為であ る程,
危 険 点に関する信頼性よ り も, 部材 全体と し て の信 頼 性を論 じる必 要 が ある。
4.
2 計 算 例 図一
15は図一
1の片 持 ち梁の た わ み応答に関し て,
式 (22 )で規 定 し た初 通 過 確率と閾値の関係を式 (27
),
(28) とシ ミュ レー
ショ ン結 果 (サン プル数= 4000 ) を 比 較し た もの で両者はよ く一
致する。
片 持ち梁の ケー
ス で は, 初通 過 確率の上下限 値は ほ ぼ同じ値 とな り, 片持 ち梁の部材と し ての信頼性は,
た わ みの分散が最大と な る点 (図一5
を参照 す れば, 自由端 )を危険点と して評 価し て も さ しつ か え ない。
一
方,
図一
16は図一
10に示す両端固定梁の例であ る。 こ こで も,
同 様の比 較を行っ た。 シ ミュ レー
ショ ン結 果 は,
上 下 限値の ほ ぼ中間に あ る もの の,
図 を良く み る と,
閾値αの大きい ところで,
下限 値に寄っ てお り,
さ ら に α の 大きい とこ ろで, 下 限値を下 回っ てい る。 この 原閃 と し て は, 式 (27 ),(28 )が正 規 確 率 場 を対 象に成 立 して い るの に対し, た わみ応 答 が 非 正 規 性 を有するこ と に起因 する もの と思わ れ る。
な お, 図一
16は閾値の 小 さい範 囲で, 単一
の危 険 点で たわみ に関 する信 頼 性 を 評 価 するの は不 適 切で,
部 材と して の信 頼 性を評 価す る 必要が あ ること を示して いる。 片持ち梁,
両端固定梁共,
式 (27 >,
(28 )の初通 過確 率の上下 限値は, シ ミュ レー
ショ ン結果 と よい対 応 を示 し て お り,
初 通 過 理 論が十分に適 用 可 能で ある こ と を示 してい る。
5.
結 論 本 報 告では,
簡単な梁 部 材を対 象に,
その 力学 特 性の空間 的 変 動に より不 確 定な応答が生 じ る機 構につ いて考 察し, さ らに部 材としての た わ み に関 する信 頼性の考え 方 を 示し た。 結 果 と して
,
1 )曲 げ柔 性が空 間的に変 動 する梁の応答は
,
曲 げ柔性の変動にかか わ る基本確 率 場 を入 力と す る系の 出
力と解釈で き
,
し たがっ て,
こ の問 題は不 規則 振 動 理論と等 価とな る。
2 )
曲げ柔 性 を均 質 確率場と仮 定して も, 応答は
一
般に非 均質
,
非正規 確 率 場と なる。3) 梁の た わみ で規 定した部材と して の信 頼 性の問 題
は初通過 確 率 を 評 価 すること に等しい こと
,
が示さ れ た。
今 後は
,
本研究の知 見を踏まえ,
よ り複 雑な不確定 構 造 物を対象と して,
その確 率 応 答,
信 頼 性につ い て研 究 を進め るつ も りで ある。
謝 辞本 研 究を進 め る に 当た り
,
Wen−Fang
Wu
博士(
National
Taiwan
University
,
Dept,
ofMechanical
Engineering
)の有益な助言 を得た。
こ こに感 謝の意 を 示す次第です。参 考 文 献
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170,
1964SYNOPSIS
UDC:624.014.2:Sl9.2:62-192
RESPONSE
VARIABILITY
AND
RELIABILITY
OF
BEAMS
WITH
UNCERTAIN
MECHANICAL
PROPERTY
by TSUYOSHI TAKADA. OhsakiReseaTch Institute,
zu Corporation,Member of A.I.
J.
The
response variability and reliability oflinear
beams
due
tospatial variation of mechanical propertyisinves-tigated.
Assuming
thatbeambending
flexibilityconstitutes one-dimensional, norrnal, stochasticfield,
thecovar-ianceftinctionsassociated with
deflection
anddefleetion
angle canbe
evaluated by means of the procedureanalo-gottstotherandom vibration theory.
The
present
paperclearly shows thatthe response canbe
expressedin
terms of the convolutionintegration
inyolyingthe origina! stochastic fieid and the resulting response,in
general,ex-hibits
non-homogeneity and non-normality under the condition mentioned above, For those resulting stochasticfields,
theprobabilitythatthebeam
deflection
stays ina specified thresholdis
estimatedby
using theclassicalfirst
excursion theory whichis
capable of dealing with the non-homogeneity(non-stationarity)
of thedeflection
field.
Two
kinds ofbeam
structures are analyzed as numerical examples ;a cantilever and aboth-end
fixed
beam.
The
response statistics and the reliability associated with thebeamdeflection
are evaluated along with the cor-respondingMonte
Carlo
simulation.As
theresults, theproposed analytical proceduregivesus very close resultstothose