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距離による建築仕上げ材料の「見えの変化」 : 近距離における内装壁材を中心として

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(1)

【論  刻 UDC :691

72

011 :159 日本建 築 学 会 構 造 系 論 文 報 告 集 第 384号

昭和 63 年 2月

よ る

材料

近距 離

に お ける

内装壁 材

心 と して

正 会 員 正 会 員 正 会 員 正 会 員 岡

* *

** *

* * * *  

L

序  1

1  研 究の目 的   材 料の覚的評 価は

主と して材 料 表 面の物理的 特 性 との関 係のみで議 論 され

材 料の存 在する環 境や, それ を見る 人間 側の諸 条 件す な わ ち

見る角 度

材 料との距 離など を考 慮して考 察さ れ る例は多く ない

  我々が建築 物に近づ く と き, 材料 表面の テ クスチ ャな どの見え方の予期せ ぬ変 化に驚か され ること が しばしば あ る ように

材 料の見え方に対 する人 間との距 離の要 因 は

視 覚 的 評 価の上で重 要で意 義のある こと と考え られ る。  本 研 究は

実 際に使わ れて いる仕 上 げ材 料 を対 象に 距 離を変える にっ れ て生じる 「見え の化」がどこで生 じ るか

ある い はそ れが 何 を意 味す る かを考 察し, 実 際 の設 計 や 材 料 開 発に役 立て よ うとす るもの であ る

 こ こ で いう 「見え の変 化」と は 人と仕 上げ材 料間の 距 離が変 化 する ことによっ て生じる

テク スチャ の見え 方の変化であ る

 

1.

2 既 往の 研究  すべ て の視 覚 対 象は 視 点か ら どのの距離にあ る か に よっ て その見え方が変化す る

そ れ は

対 象 物の も つ さまざまな テ ク スチャを識 別できる距 離に起因 す る

 視 覚生 理学で は 視 力LO の人 間が 2点ま た は 2本の 線 を分 離して見 分 け られる最 小の閾 値 (最 小 分 離 閾 )は お よそ視 角 1

を 張る対 象で ある と され て い る亅}

し た がっ て た と え ば3mm 間 隔の テ ク ス チャを 識別できる 距 離は およそ 10m , 6mm では 20 m とい う様に識 別 距 離は対 象の大き さ に比例する と され て い る

こ の 法 則に 基づい て空 間につ い て考察し たい くつ かの試み が あ る。  メ ル テ ン ス は

都市 空間の大き さを測る基準と し て人 聞を 選 び

距 離のとり方に よ る人 間の見え方の違い が都 市 空 間の大 き さの質 的な 違いを規 定し て い る とし た

た   零 名 古 屋工 業 大 学 教授

工博  * * 名 古屋 工業 大学 助教授

工博 ** * 旭 化 成業 (株 )

工 修 # # 名 古 屋業 大 学  大学院生    (昭和62年4月20日原稿 受理

1

と え ば

都 市 空 間の ヒュ

マ ン スケ

ルとは 人 間の顔 を認め る ことの で き る距 離

り視 角 1

で もっ て人 の鼻骨の幅を と ら え るこ との で きる距 離 (70

80 

feet

と し ているZJ

 ホ

ル は

メル テン ス 同様

人間 を対 象とし て い るが

視 覚だけ で な く触 覚

嗅 覚も含めて総 合 的 な 立 場か ら距 離を分 節して い る。 彼は人 間の感 覚入力の変化のパ タ

ンか ら距 離を密 接 距 離

個 体 距 離

社 会 距 離

公衆距 離 の 4段 階に分 けてい る

4feet以上 に属する社 会距離と 公 衆 距 離の意味づ けには視 角の法 則 を用い て いる3;

 樋口 は山 を対 象に し て

ラン ドスケ

プに おけ る距 離 を 近 距 離 景

中距離景

遠 距 離 景の 3段 階に分けて い る

そのと して

山のテク スチャを構 成す る

本の樹木の葉

枝ぶ り

幹あ るいは樹 木の ア ウ トライン をとりあ げ

そ れ ら を視 角 1

で識 別で き る 距離を基本 にえ てい る4) 。  建築材料と 距離と の関 係を論 じた もの として茶 谷らの 研 究がある

距 離に よ る 見 えの大きさが恒 常 性の法 則 (

定の大き さの対象観察距 離にか か わ らず等しい大 き さに見える)と視 角の法 則 (等 しい視角を張る対 象は 等しい大 き さに見え る)の折 衷で あると し

テ クス チャ の見 えの あ ら さにつ い て仕上 げ材 料の相 当 粒度を導き

観察距離との相 関 関 係を求 めて いる5 ) 。 また, 芦 原は設 計 者の立 場か ら

距離に よ る建 築 壁 面の テクスチャ の見 え方に着目 し

見る 距離に適 し た テ ク スチ ャを意図的に 配置す ることに よ り空間の質 を向 上 させ るこ とを実際の 建築物を例に示して い る6 }

 

2.

材 料の距離による 見えの変化 」に関 する実 験  

2.1

距 離に よる 「見え の変 化」にす る実 験計画  材 料の テ クスチャ の距 離による 「見えの 変化」は

段 階 的 な 変 わ り 方 を す る。 たとえば, 遠く か らで は

枚の 大き な壁面に過 ぎ なか っ た もの が

距 離が近づ く と 目地 が見え始め

さ らに近づ く と材料の テ クスチャと して色 の差

凹 凸感な ど が順 次 知 覚される

 

実 験は

各々 の材 料の 表 面特憐

つ で あ る テ クス チャの 「見えの変 化 」 を 明らか にす る た め

比較 的近距

一 42 一

(2)

離の変 化を もつ 内部空を 想し て

材 料に近づく場 合 の えの化 」を考え る。木 材

石 材な どの テ ク スチャ に は模 様や凹 凸な どにその材 料 特 有の色

形 を もっ も の が多い

し たがっ て

「見えの変 化 」の内 容は材 料ご とにが異な る

距 離に よ る 「見えの変 化 」を見い出 すことに よっ て異な る材料の視覚的な面での共 通点

相 違 点 を 明らか にで き る と考え る

実 験 試料と しては

比 較 的 使 用 頻 度の高い 内 装 壁 材を 用い え の化 」に つ い て実 験 を行 う。 まず 各 材 料の 「見え の変 化」の内容 を 抽 出し

つ ぎに 「見えの変 化」が そ れ ぞれ の材料に 対し てどの程 度 離れ た距 離よ り識別でき るか を明らか に する

 材 料の 「見えの変 化 」は

般 的に

照 度

照 射 角

対 象材料のき さ, 表 面性状, 観 察角などに よっ て も影 響 を 受け る と考え られてい るが 研究で は, 観察距離と 「見えの変 化

j

との関 係 を調べ る た めに以下の よ う な諸 条 件を設 定し た

 1} 周 囲の視 覚 的 条 件   実 験 試 料へ の 直射日光を 避ける た め窓に はブライン ド を降ろし

外 か らのわ ずか な 拡散 光と 室内け い光燈 を用 い をほぼ

定にす る。 試料に極 力 影 響を与え ない よ う に

試料のか れ た背景 は

N5 .5

(灰色)の無 彩色 と した

 2 ) 実験 試 料の大き さの決定  

30m

の距 離か ら見ることが可 能で し か も材料の表面 模 様 が 把 握で き る 大 き さ と して

,23

×

14.

5cm の試料を 用い る。 こ こ で 30m とい うの は

内 部空間の大き さ か ら決 定し てい る

  3> 実 験 試 料と視 線の角 度

 

本研究は仕

t

げ材料の え の化 」を調べ る基的 な もの である

し た がっ て, 観 察 者の視線と実 験 試料と の な す角 度は垂直に固 定し てい る

 4) 被 験者  本 研 究は 距離と 「見えの化 」を考 察す る もの であ る か ら

被 験 者は18

24才の 学 生の み と した

また

被 験 者には, 実 験 を行う段 階で初め て試 験 体を提 示し ま し た

被験者の偏り は, 視標によ る視力の補正 とい う形で 補う

 

2.

2 「見えの化 」を表す言 葉の 出  試料は

一1

2

に示す よ う に比較 的 使用頻 度の高 厳 険 看 → 30m 一

一 一 図

1 実 験風景 試 農

い内装壁材 18種とし た醐

2の写真の右 端に は 16 cm の ス ケ

ルが入っ て い る

1に示す ように試 料 を

枚つつ

の位 置に提 示し

被 験 者が30m 離れ た 表

1  試 料 表 (1) No 試   料 備        考 且 クロ

1 淡 緑色 2 チ

ク 柾 目

か ん な 仕 上 げ

塗 装 な し 3 れ ん が モ ルタル目 地 4 ステ ン レ ス パフ仕上げ 5 コル

1 ワック ス焼 き込 み 仕 上 げ 6 杉 柾目

か ん な 仕 上 げ 了 大 理石 水み が き仕上 げ

灰 白 色 8 ひ の き 柾目

か ん な 仕 上 げ

塗 装 な し 9 コルク

2 ワック ス 焼 き 込 み ‘士上 げ

市 松 10 ス レ

ト 平板 n クロ ス

2 淡黄色 且2 米 松 柾 目

か ん な 仕 上 げ

塗装1士上 げ 13 革 なめし革

漓 茶色 監4 モ ル タル 15 ク イ ル

モ ル タル 目 地

深緑 色 16 け や き 柾目

か ん な仕 上げ

塗 装な し 17 花こう岩 ジェット仕上 げ

灰色 18 型板ガ ラ ス かすみ (A社) 表

2 試 料 表 (2)

43

(3)

位置か ら試 料を見な が ら近づい て行 き, その とき識別し た 「見 えの 化 」の内 容を表す言 葉を被 験 者にそれぞ れ 独 自に回 答 さ せ た

 実 験の諸 条件は次に示す。  被 験 者 :男 性 4名 女 性 1名の 計 5 の大 学 生

年 令 22

23才   実 験 場 所:名 古 屋 工 業 大 学 建 築 棟

4

階 製図室  室内床 面 照 度 :300

600 

lux

 試料面 照 度 :400

4501ux  得ら れ た言 葉の中で

5名 中2名 以 上が指 摘し た 「見 え の変化」の内容を表 した言 葉 を 試 料 別に表

一3

に示す。  2

3 「見えの変 化 」の識 別 距 離  表

3の試 料 別の 「見えの変化」の内容を基に表

一4

の よ う な実 験 用 紙 を作 成し た

2

2と 同 様の 方 法で被 験 者に試 料を提 示 し た

「見え の変 化」を識 別し た と きの 試 料と被 験 者との距 離 を実 験 用 紙の該 当す る欄に記入 し て も らっ た

距離は

被 験 者のつ の位 置 を床に取り 付 けた巻 き尺で 10cm 単 位まで読む

欄に ある 「見え の変 化 」を被 験 者が最 初 (30m の置 )か ら識 別して い た場 合は レ印 を記入 し, 最 後ま で識別し な かっ た場 合 は 無記入 と す る

相 当する言 葉が欄にない場 合

空 欄に その内 容を書き出し

そ の位 置の試 料か らの距 離を記入 す る。  そ の他の実験 条 件を以 下に示す

 被 験 者 ;男 性 女 性 各 12名 計24名の学 生

年 令

18

24  実 験 場 所 :名 古 屋 工 業 大 学 建築棟

4

階製図 室 表

3 「見え の変 化 」の内容 を 表した言 葉 !クロス

且 2テ

ク 3れ ん が 衷面の阻ざ 大窪 な縦 じ ま 凹凸 黒い粒 木 自 自 い ク モ の 果 状 の 唖 様 臼い題 賦 数o邑 の差 拉 の 形 縦 の 細 か い 武 下埴の 阪 4ス テ

ス 5

16 杉 縦の纏 白 い粒 大 き 心縦じ ま 融

随 木 目 謹の形 宗 目の問 隔 邑の 差明 暗 宏 目 の招 瓲の中の眼降 慣方 向

絶絶 7大理石 8ひの召 9コル ク

2 黒

灰 の ま 怨 ら 匯 様 大 嚢 な縦じ ま 大ま か な色の径 路め方 向の 纏 ホ 目 黒い罐か いに 震面の滑 らかさ 屠

ぽいま赴 ら慢 団 播手 缺の躔 慢 撮が明碗 禎 方向の 田 が い 蛆 樋

コ マの 中 の優様 巖敏 の穴 Pスレ

ト ll ク

212 米 瓰 臼い斑 直 凹凸 簿い渇漉 臼

灰 色の差 短 い縦の 蹄 窮 目掻 嵯 木 目 裏 面の阻 さ 表面の 旧らか な 細がい点 13 革 ロモ

15 クイ ル 再い須 憤 自

灰の大8陰樋 様 光暇 表 両の用 さ 2

 

侵の穴 腫娩の凸 餡 小ざ い 穴 髭

程の 穴 煙い隍 自い点 表面の阻さ 日 い 粒 表 面の毛 砂伏の粒 匸5け い き 卩 花こう冒 」臼盟 板ガ ラス 白い縦 じ ま 黒い拉 獄 彊 換 木目 粒の 色 の 理 力萌 碕 凹凸 * 目の帽 趣の 形 随の 彫 表面の 租 啓 凹凸 光沢 宋 目に沿

鳶小穴 先 る姐ほ 材の厚み 鞨 か い纈紹 割れ 目 綯か い組日

44

 室内床面 照 度 :310

5401ux   試 料 面 照 度 :2SO

600 lux   実 験は 二 人同 時に

18種 類試 料をラ ン ダム に 提 示し,

1

試料につ き約

2

分間要し た

疲労を訴え る も の も な く実 験はスム

ズに行わ れ た

 2

4 被 験 者 視 力に よる識別距離の補正  2

3の実 験で被 験 者24名の 間に は

か な りの視 力の ばらつ きがみ ら れ るW2)

こ の視 力の差による影 響 を 取 り除くため 次の手 順で見えの変 化の識 別 距 離 を 補 正し た。   (1)

枡が表

5に示す寸 法をもち

輝 度 比が O

 06 の 白黒の市 松 模 様を10種 類 作 成し

視 標と し たif3)

 (2) 被 験 者が 30m の距 離か ら視標を見ながら近づ い た と き

そ れ ぞ れ の視 標の市 松 模 様を よ う や く識 別で きる距 離を得たt「4 )

  (3) 視 角の法 則から視 標の枡の大 き さ とその識 別 距 離 は 比例す る もの とし て

それぞれの被 験 者につ い て の IOの デ

タか ら視 標の大き さに対す る 識 別 距 離の比 α を最 小 自 乗 法で求め た闘

  (4) 視 力1

0の 定 義 より推 定できる α の値 α。を (3)で算 出し た αで除し た値を各 被 験 者 視 力の補 正 係 数と し

2

3の実 験で得ら れた識 別 距 離に補 正 係 数 を 乗じ るt「6) 。 表

4 実験用 紙 表

5 視 標の枡の

辺の畏さ

裡  懾   Ho        t    2    3la ・ ・

レ 亅

・ 9 ・ ・

・ ω 9

… ・

2川 川

… 一

(4)

3.

実 験 結 果 お よ び考 察 2

1

実 験 結果 被 験 者が遠くか ら試料に近づ く と き, あ る距 離におい 【

°

1

} 肆 【

°

ん}1 屬 75 潔 庠 50 0 6 12

81 図

2 クロ ス

1 24        30   距 離 【mi 75 十

六 魯

B

霞 し

幡 〕

50

十 十

o

霞 25 0 (

i

}1CO 襞

50 5 21 図

3 チ

ク 81 24       30   距 Pt (m } oo

一〇

9−

o

十 日瓸 の8 厭づ

9 四臨 の {

δ 50 十

日駅 図の

邸リ 廓 o閣 25 【°

1100

75 豪 罪 50 25 0 6 図

4 れ んが 81 24        30   距 寵 (m)

9

 臼

2曙

L曜

際 一    巨 る

い霞 の 翩 0 1

°

)100

麟 距7

双 罩 50 5 21 旧 図

5 ステン レス 24        30   SP 離 [m ) 100 漁

 

P

 

 

嬉 7

 

μ

PL α

  〇

 陰 ゆ 篷 問 随

  電

 

 

 

1

50 25 o 5 21 1巳 図

6 コル ク

1 24     30   距 配 lrn} て あ る特 定の 「見 えの変化」を識別し て いる被験 者 数を 全被験 者 数でし た相対 累 積 度 数

と距離との関 係を各試 験 別に表し た も の が図

2− 19

であ る。 こ こ で図

一2〜

図 [Dん〕10 s7 堽 5 0 〔

°

ノe)100 S75 鷲

,。  

25 こ:5 12 図

ア 杉 81 2L        30   距 離 lm) 十    

κ ら 匹 日

_

  

o

   

}   隈 榎 加 眄 確

1

 

 

 

 

0 {et

}TOO 臨

S75 肆 50 25 6 ■2 図

8 大理石 !8 2L        3D   距 離{m ) “   穴8眉 続 じ 匸 +   7

目 +   囗 71 :い 皐 躍 ら田 α →

r

 

万 岡 の 日

皿 職 0 1

°

}1PO 睡 75 R50 25 6 21

9  ひ の き 81 24        30   距 離 Cm) o 【Oi

〕100 575 ee 50 25 6 21 81 図

10 コル ク

2 2乙        30   距 離 【ml ※

+  

r

 手   臼

十   ヨ

皿 の 亀 の 吩 十   瞬8偶旦

 a図 の 皀 さ 0 5 12 81 図

11  ス レ

ト 2L        30   距 離 【m )

一 45 一

(5)

9

の ※

一3

指摘さ れ た え の変化」 を表す言 葉であ る。  試 料の えの変 化 」には

少 数の被 験しか 別で き な かっ たものや

大部分の被 験 者が最初 (

30m

位 置 )か ら識 別 し て い たものが ある た め

「見えの 変 化 」 の特 性を比 較 検 討 するに は デ

タの取 捨 選 択が必 要で あ る。 こ こ で は

上 四分 位点 (

75

%)以上 の デ

タ と下 四 分 位 点 (25 %)以 下の デ

タ を 除 去 し た もの を有効 デ

タ と し た。  

3.

2 試 料 別の 「見え の変 化 」の特 性  この よ うに して得られ た 「見え の変 化 」の識 別 距 離の ひずみ度および尖 度 を求 めた ところ正 規 分布を し て お ら ず, 分 布に偏 りが ある もの が多 数あっ た t「T }

この こと か ら, 識 別 距 離の代 表 値と して中 央 値を採 用し た

 「見えの変 化 」の識 別 距 離の中 央値を試料別に 図

一20

に示す

横 軸に 識 別 距 離と視 力1

0の人 が識 別で き る 視標 NQ

を 示 した。 図 中の○△ ▽口 ◇ ■は図

2

19の それ ら に対 応し て いる。  図

20か ら判 断される試料別の 「見 えの 変化」の特 性 を 決 定づ け る もの と し て次の 三 つ の因がげら れ る。   1) 「見え の変 化」の数 (段 階 数 ) 【

1

}]OO だ

75 凄 釋 50 25

 +  

 

ε

0 ん 饐 閥 5 尸 6 12 8 図

12 クロ ス

2 24      鉛   距 nt {m ) 0 1

°

1

)10D 譁 75 e50 6 21 81 図

13 米 松 2L         30   距 組 (m ) OD

豊 囲 の 園 さ

調

75 十 十

κ

塁 50 2

0 {

°

t

)1CO 箪 75 ff 50 6 2 図

14 革 8 コ 2乙         30   距 誼【m} oo 75 50 2

呻一

 巳

阪 の 六 〇 な召 椣

一  

π

 1

覆 の 冗 十  皿 団 の且 ぎ

  恥賦

σ

α 0 5 12 8 図

15 モ ルタル 24         30   距 離 {rn) 〔Ol

}IOO s75

茯 肆 5 25 0 激

目坦

3 5

 兄 沢

_

6

_

_

口 賦

 ロ

L

巴 十 9

5 0 [e /

]100 鰹 75 e50 25 5 12 図

16 タイル 81 24         3D   距 nt 【m } 0 【

°

ん)1 歴 75 舊 6 t2 撃8 図

17 け や き 2L         30   距 冠 【m }

09

四 田

 

瓢 十

疉 75

十  

6

 

  嗣

耀 電 50 25 0      6 12 18 24 [OloS

18 花こう岩 距 離 lm) 0 E 」2 8 図

19  型 板ガラ ス 2ム 距 、t t,

R

46

(6)

  2) 「見 えの変 化 」の識 別 距 離の 分布の平 均位 置   3) 「見えの変 化 」の識 別 距 離の分布の偏り  こ れ ら要 因に対す る各 試 料のづ け を図

一2

ユ に 示 す

「見えの変 化 」の段 階 数 を 丸 印の 大き さで示 し た。 「見え の変 化」の識 別 距 離の分布は各 試 料に対するすべ て の有 効 デ

タの均 値 をと り, 分布の偏 り は有 効デ

タの ひずみ度 を とっ た

平 均 値が大きい もの は 広範 囲の 距 離で 「見え の変 化」が識別され ひず み度が大きい の は近づくにつ れ て急 激 え のを 示 す と (ra”)o クロス

1 テ

ク nんbt ス テンレ ス

ルク

1 大理 石 ひ のき コ ル ク

2 スレ

ト ク

2 栄栓

ルタ ル , イ ル け やき nこう岩 MEガラ ス 醍 O 歪 2 1

5 1

o e

5 0

Q5

1D

1

5 0  2

5  5      1D       20      3      【m }

o

く〕 Io騒8 7  6   5    4       3      2 1        症 }

〇は 予 田 垣 を示 す 図

20 試 料別 「見えの変 化 」の識 別 距 離 詑こう岩 ●  ● ・  革 れん が 米 松 ● 型 板ガ ラス

1

コ ルク

2 タ イル● け や き ・ の き

1

●コ

1 ●   ●

1

  ● ク ロ ス

1 スレ

大 理 石 ● チ

ク ステ ン レス ● そルタ ル 平 句値 255

o フ

5     iO

0125  〔m 2票階 蛮 化 ・ 3段 睹 変 化 ● 段 昭 歪 化 ●5段 譜 渓 化 ●6鞴 変 ●7醗 畷 化

ク ロ ス

2 図

21 試 料 別 「見え の変 化 」の特 性 る

  クロ ス

2以 外のすべ の試料はひずみ度が 正である。 す な わ ち, 近づ くにつ れて 「見えの変化」の数が多く な る

中で も 杉

米 松 お よ び カコウ ガンは平 均 値は 7

5m 付 近で中間にす る が, ひずみ度が大き く

大まか な テ クス チャ に対して細かい テク スチャが極め て多い試 料

と考え られ る

ま た

「見えの 変 化 」の段 階 数 も多い こ と か ら, 距 離に よ る 「見え の変化 」の特 性に対 して同

傾 向にある試 料といえる

 同 様に

近づく につ れ て 「見え の 変化」の数 が多く な る試 料でも平 均 値の小さ なもの と し て, レンガ

革お よ び 型板ガラ スを挙げる こと がで き る。 これ らは

細か な テ クスチャ で構成され

近距 離で し か 「見え の変化」が 識別され ない試料で あ る。 ま た

革と型 板ガ ラス は段 階 数 も多い ことか ら, 狭い空間 に おい てその テ クスチャ の 効 果が発 揮さ れる と考え られる

 平 均 値 もひずみ度も中間にす る試 料と して

クロ ス

コル ク

1

ス レ

ひ の き

タイルおよびけや き が挙げ ら れ る

そ の中でもひの き と タ イル は段 階 数が 少ない点で共 通 点が多い こ とは興 味 深  

ダ イリ セ キ お よ び コ ル ク

2な ど は

他の試 料と は少し離れ た位 置 を 占めてい る。 たと え ば

クは段 階 数 がや や少な い が 広 範囲の距離でほ ぼ均

等に えの 変 化」が識 別さ れ る

ま た, コ ル ク

2

も 広 範 囲の距 離で識別さ れ

し か段 階 数が多い 試 料であ る

こ れらは大 空 間におい ても 「見えの変 化」がしめ るとい え る

 

3.

3 「見えの変 化 」 を 表す言 語と 距離との 関係  各 試 料の距 離に よ る 「見え の変化」を 表 す言 葉を次の よ うに分類する。  

1

) 色の違い の知 覚 を表す言 葉  2) 凹 凸の知 覚 を表す言 葉   3) 色の違いお よ び凹 凸の知覚を表す言葉   4) 光の反 射の知 覚 を表す 言葉  光の反射につ い て は 2

2お よ び2

3の実験に お い て抽 出され た 「見え の変 化 」を表す言 葉の数も少な く

試料 の表 面 性 状と光の入 射 角な ど の組み合わ せ に影 響さ れ, 表

6 言 葉の分類 図 踊

色 調 を 酒い濃 淡 大 き な縦レ ま (黒)  大き な嶷じ ま (臼 〉  末 目 表 す言 葉 赤

ぽい色  臼い ク モ の巣 状の模様   白っぽい縦の綿   細か い蹤の織 縦 方向のい 色 の差  木 目間 隔  木 目の幅   黒

灰のまだ ら模 様 模様が 明 確 黒

ぼ い ま だ ら 模 様 大 ま か な 邑 の 差 格 子 状 の 線 臼い斑 点

自黒灰の色の差  網 目模 様   冱数の色の差   亀の差 明確 斜 め方 向線 

コ マの 中 の膜 様 凹 凸

阻 滑 を 表 面の粗 さ 目地の くほ

み  横 方向の細か い羅羅  凹凸  裹 面の毛 表 す 言 粒 の形  表 面凸 部  裏 面滑 らかさ  細 かい粒  2e

程の 縦の細か い穴 粒の 形 袤面 の 阻 さ 小さ い 穴 屬m面程の穴 砂状の粒   控状の凸 部  靭かい組嶷   割 れ 目 (図

調) 泣   臼植   線状 の 穴  木 目沿

た小 穴  目地 +(粗 滑 〉を 檀の中の模様 表す言 葉

一 47 一

(7)

距 離に よ る定 性 化はむ ずか しく思わ れ る た め考 察か らは 除外し た。   1ト 3)の分 類に従っ て各試料の距離によ る 「見えの 変 化 」 を表す言 葉 を表

一6

の よ う に 分類し そ の分布を度 数 分 布 図で表し たのが図

22

− 24

であ る。  色の違い の知覚に対する識 別距離の度 数が極 めて多 く

し か も広い範 囲の距 離 を 占め ている のにし (図

22)

色の違い お よ び 凹 凸の知 覚はお よ そ 17m 以 下 (図

23

さ ら凹 凸知 覚は お 9m 以 下 (図

24 ) で しか な さ れて いない こと が分か る。 こ れ は使用 し た試 料の 表 面性 状に起因 するとこ ろ もある が

凹 凸 とし て知 覚さ れ るの は 近 距 離で あっ て

遠 距 離で は単な る色の差 として知 覚さ れ てい ること も大き な要 因で あ る と考えら れる

 ま た

「見え の変 化 」の 内 容を総 合してみ た場 合 (図

25 , 近づくにつ れ て除々 に指摘 数が増 し

3m 付近 で最 大になる こと が分か る

こ の 距離は試料の 「見えの 変 化 」が最 も多く表れ る距 離であり

材の表 情が変 化に 富む距 離で あ る といえ る。  以 上

内 装 壁 材の 見えの化」の特 性に関し て 24 鐓!σ 5 鬟 鯉 図

22 「色の違い」に対する識別距 離の分 布        5     、2     18     2乙        疑巨誨匡(m ) 図

23 「色 の 違い +奥行き」に 対 す る 識 別 距離の 分布   5 類 螺 聖 ユ 諏 轄 顯   6      聖2       足巨高鮭〔m ) 図

24  「奥 行き」に対する識 別 距 離の分布 図

25 全体の識 別 距 離の分 布   距離(m ,

48

名とい う少数の被験 者で は あっ た が

具 体的な距離と そ の距 離の意 味す る もの を知ること がで きた。 た だ しこれ は あ く までも 人の 力 を LO に正 した場 合につ いて 考察し た も のであ る

し た がっ て

実 際に これ らの結果 を設計な どに適 用す る場 合に は

使 用す る人の視 力の分 布 を考 慮 する必 要がある。  

4.

結  今回の 研究で は

試料と目の距離は近距 離 (30m 以 内) で試料面と視線のは垂直に

実 験 対 象は比 較 的 使 用 頻 度の高い内装 壁 材に限定し た

そのの も とで

以 下の こ と が 明 らか になっ た

L 材 料に よっ て 「見え の変化」が識 別で き る距 離の 囲にぱ らつ きがある。 2

「色の違い」は広 範 囲に及ぶ距離で 「見え の変化」に 影 響を及ぼす。

3.

「色の違い +凹 凸 」は およ そ17m 以 下で識 別さ れ る

4

「凹 凸」はおよそ 9m 以 下で識 別され る

5

3m 付 近は試 料の 「見え の化」がも多く表れ る 距 離である

6

本 研 究で得られ た結果 を 設計な どに適 用 す る 場 合に は 使 用 する人の視 力の分 布を考 慮する必要が ある

謝   辞   本研究を進 め る にあた り多 大な御 協 力をい た だい た株 式 会 社 青 島 設 計事 務 所の村 林   柱 氏に厚く御 礼 を 申し上 げ る

 本 研 究の

部は 文 部 省 科 学 研 究 費

総 合研究

A

に よっ たもの である

記して謝 意を表するe 注 ) ]) 表

1中の試料は

特 定の材質 を 必ずし も代 表 するもの    で は な く

,一

個のサンプルである と解 してい ただきたい

   例え ば

No

6は杉と あ る が

般では な く

特定の     質

寸 法

形 状

仕 上 げ を もつ 杉 材の中の

サンプル に    過 ぎ ない

2) 視 力 (S)は市 松 模 様の識 別す ること がで き た時の視 角 〔の    の逆 数に等しい

H ;市 松 模 様の

枡の大 きさLl 識 別    距離

    

・(勧 )

者書

3) 視 標に用いられ る代 表 的な図 形は ラン ドル 環 以外に

対    の線

対の点

し ま模 様

市 松 模 様な どである

   で方 向 性のない市松模様が視標と して実験の目的に合っ    fい る と判 断 した

4)測定は 「見 え の変化」の 識別距離の実 験の前に各 被 験 者    に対し行っ た

測定条件は本実 験に準じ た

5) (視標の大きさ

各 被 験 者の識 別 距

ee

{Xi

  Yi}

(x

   Ys)

(x、。

 Y]。)

回帰 直 線をy

ax とす ると

      

t

      Σ】x、YI      a

      lo       Σ xi       ia] 6) 国 際 眼 科 学 会 〔1909年 〉の規 定よ り

視 力1

0の者は

(8)

   枡 1

5mm の視 標 を5m 離れ た 距 離 よ り 識 別 で きる こと

  

が 分 か る

した が… a・

咢撃

・ す ・

7> ひ ず み度 :測 定さ れ た識 別 距 離の分 布が左 右 対象で あ る    か

あ るい はどち ら かにゆがんでい る か の性 質

  

 

・ず・ 91

 尖 度 1測 定さ れ た識別距 離の会 布が偏 平であ る か あ る い はとがってい るかの性 質       μ.  尖 度 9

       (μ

D2

 こ こ で

μ2

μ:

μ4は2次

3次

4次の モ

メ ン トで

2次 モ

メン ト と は各 測定 値 の平 均か らの ず れ (差)を 2乗し た値の総 和 平 均であり, 3次

4次モ

メ ン トは

同様に 3

4乗し た値の総 和 平 均であ る

参 考 文

献 > i } } 23 45 ) 6 和田陽 平

大山 正

今 井省吾 編 :感 覚+知 覚ハ ンドブッ ク 誠 信 書 房

1969

8 戸 沼 幸 市 :人間 尺 度 論

彰 国 社

1978

6 エ ド ワ

ル :か く れ た次元

みすず書 房

197Q

10 樋口忠 彦 :景 観の構 造

技 報 堂 出 版

1975

10 茶 谷正洋

大 野 隆造

諏 訪 満 : テ ク スチャ の視 覚に関 す る 研究

第1報 見え の あ ら さ と その表 示 方 法

1979

3 芦原 義 信 :外 部 空 間の設 計

彰国社

1975

1

SYNOPSIS

UDC   691

72

011  159

APPERANCE

 

OF

BUILDING

 

MATERIALS

                  by Dr

 TATUO

OKAJIMA

 Pfof

 of Nagoya Instllute Qf

                    Techno 【ogy

 Dr

 SIGERU WAKAYAMA

 AssQc

 Prof

 of

                   

Nagoya Institute of Techno【ogy

 KATUHISA  NODA

                    Enger

 of Asa卜孟

Chemical

 Industry Co

 Ltd

 and SiNJI

                    KIKUCHI

 Graduate student  of Nagoya Insdヒute of Tech

          

          nology

 Members ef A

1

J.

 The

 apperance  of a

building materiai  changes Ψith the 

distance

 between 出 e place where  people stands  and  the

plaごe where  the matetial  exists

 

In

 a small  

distance

 people can  recognize  the materials  

in

 minute  

details

 such  as WQod  grains

 

The

 object  of this paper 

is

 tQ consider  the change  of apperance  oI 

buiEding

 mate 【ials 

for

 inner walls  with  

dis−

tance

 

The

 eighteen  samples  of 皿 a仁erial were  used  

for

 the test

参照

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フロートの中に電極 と水銀が納められてい る。通常時(上記イメー ジ図の上側のように垂 直に近い状態)では、水