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【
論
文】
UDC
:691
.
22
:691
.
213
;691.
32 日本 建築 学 会 構 造 系 論 文報 告 集 第 369 号・
昭 和61
年 ll 月コ
ン
ク
リ
ー
ト
中
に
お
け る ア
ル
カ
リ
・シ リ
カ
反 応
に
関
す
る
基礎 的
研
究
第
1
報
サ
ヌ
キ トイ ド
の ア ル
カ リ
・
シ リ カ 反
応
性
岸
尹
員 員 会 会 正 正谷
孝
、
一
*在 煥
* *1.
序
1940
年
ア メ リ カ西 部
の コ ン ク リー
トダ
ム の劣 化 現 象
が
T .
E .
Stantoni
,によ
り,
使 用 骨材 中
の シリ
カ鉱
物
と
セメ ント中
の ア ルカリ
との反
応
によ る アル カ リ・
シリ
カ反
応
と して理 解
さ れ て か ら多
くの調
査t)・
研究
3》が行
わ れ て き た。
近 年
,良 質
の骨 材 資 源
の枯 渇
や セ メン ト,
コ ンク リー
トの製 造 方 式
の変 化
によ
り,
こ の反
応
に よ る被
害
が世 界的
に急 増
しつ つ あ る状 況 下
に おいて,
日本
も そ の例
外
で は ない こと が 認 識 さ
れつ つ あ る4) 。日
本
は有数
の火 山 国
である にも
か かわ らず良 質
の川 砂 利
,
川砂
に恵
ま れ
て いた せいか,
ア ル カ リ・
シ リ カ反
応
を起
こす よ うな 骨 材
は存 在
し ないと認
識
さ れ ていた。 ま た,
昭
和
25
年 頃
,藤 井 光 蔵
5 ) ,小 柳 勝 蔵
6 〕両 氏
に よ り,
こ の問
題の危 険 性 が 報 告
さ れ たにも
か か わ らず
ほ と ん ど対 策
が講
じ られ
なかっ た こと は正
に先 覚 者
の教 訓
が生
か さ れて いな い ところであ
るe本研究
で は, 日本
にお け
るこ の問 題
の重 要 性
およ
び被
害 を最 小 限
に押
さえ る ため
に諸 対 策
が切 望
さ れ る現 状
を踏
まえ, その基 礎 的 研 究 を行
っ たも
の であ る。本 報
で は ア ル カリ
・
シリカ反 応
に端 を 発 し
た瀬 戸 内
海
地 域
に分
布
す るガ
ラス質 斜 方 輝 石 安 山岩 (
サ
ヌキ トイ
ド〉
を用
い,
その岩
石・
地 質
学
的
な調 査
お よびASTM
の試 験 方
法に よ り アル カリ反 応 性
に関 す
る基 礎 的
な資 料
を得
る と とも
に, セ メント
のアル カリ量
,
モ ル タル調 合
の変
化
に よ る ペ シマ ム量
の変
動
に対
し,critical
ア ル カ リ シ リ カ比
の概念
を
導
入 し, ペ シマ ム量 を予 測 す
る手 法 を提 案
し た。 な お, アル カリ
・
シリ
カ反 応
に関 す
る防 止 対 策
の1
っの資料
と して,反 応
性
骨 材 を 用
い ても反 応
によ
る膨 張
を生
じ ない単
位
アル カリ量
の限 界 値 を実 験 的
に求
めた。2.
実 験 方 法
2
,
1
サヌキ トイ
ドの地質
・
岩
石学 的考 察
サ
ヌキ トイ
ドの地域
分
布
に対
して考察
する と とも
に,偏 光 顕
微 鏡
,
粉
末
X
線
回折
お よび 走 査 電
子顕 微 鏡
(
Scanning
Electron
Microscope−Energy
Dispersive
Spectrometer
)
に よ る岩
石の 分 析 を行
っ た。
2
.
2ASTM
に ょ る サヌキ
トイ ド
のアル カリ反 応 性
ASTM ・
C289
(
骨
材
の潜
在
反 応 性 試 験 方 法
,
以 下
,
化 学 法 と称 す
る)
およ
びASTM
・
C227
(
セメ ント
ー
骨
材
の潜 在 性
アル カリ反 応 試 験 方 法
,以 下
, モ ルタル バー
法
と称
する)
に より,サ
ヌキ
トイ
ドの ア ル カ リ反 応 性
を検 討
し た。
モ ル タルバー
法
では, セ メ ント
の アル カリ量
が等 価
アルカ リ量 (
NatO。
q.
・
=NaiO
+0
.
658XK
,O ,
以 下
,
Na
:O
。e.
と略
記
する)
で0
、
74
%
の普 通 ボ
ルト
ランド
セ メ ン トを 用
い,混 練 水
にNaOH
を 添 加
し全
アル カリ量
を
0
.
74
,
1
,
13
,
1
.
52
,
1
,
90
%の4
水 準
に変 化
させ た。
』
2
.
3
モ ル タル の
調 合
およ
びア ルカリ量
の変 化
によ
るペ シマム
量
の変 動
モ ルタル の調
合
およ びセ メ ン トの ア ル カ リ量の変 化
に よ るペ シマム量
の変 動 を調
べ るた めに,表
1
の よ うに, モ ル タ ル の調 合
,
セ メント
の ア ル カリ量
お よび サ
ヌキ ト
イ ドの全 骨
材 中
で の混 入率
を変 化
さ せ てモル タルバー
を
作
製
し た。 反応
性
骨
材
の粒度
は, モ ル タル バー
法
と同様
あ るいはJASS
1
級 と
し,反 応 性 骨 材
の ほか は豊 浦 標 準
砂
あ るい は大 井 川 産 川 砂 を
用い た。
セ メ ン トの アル カリ
量
はNaiOeq.
が0
.
74
あ
る い は0
.
81
%
の セ メ ント
にNaOH
を 添 加
し,表
1
の よ う な アル カリ量 と
し た。
モ ル タルバー
の反応
温度
は43
℃ である。
2
.
4
膨 張 を生
じ ない単位
アル カリ量
の限
界
値
前記
2,
3
の実 験 結 果
か らモ ルタル の単 位
アルカ リ量 と
膨 張率
との関係
を検 討
し,膨 張 を生
じ ない単 位
アル カ リ 量の限
界 値
を求
め た。
ま た,モ ルタル と比
較
す る た め,10
×10
×40cm
のコ ンク リー
ト供
試
体
を用
い単位
ア ル カ リ量の限 界
値
を求
め た。
コ ン ク リー
トの調合
は表
2
の とTable
1Mix
proportions
of mortar.
cement alkah content andSanukitoid
contentゆ 東
京
大 学教 授
・
工博 鱒 韓 国 水 原 大 学 助 教 授・
工博 (昭 和 60 年 12 月 11 日原稿 受理 )Sanukitoid
con ヒent(諾)
脅
Alkalicontε
nt 〔Na、O eq.
}A 凵/CO40 C、
25 国ノCO45A /C.
50 圃/CO,
50A !C2.
25AO2.
D WICO.
60W!CO.
72 3,
胃ノCO,
7A/C5.
,
OUCO87 074 65 o.
o,
B4607090
「
「
1.
020.
40.
60809010020,
40508020ア080100,
40,
50 2D,
4D,
5D.
80,
100LZ5
9
■
8090100 { 1.
5 20.
0,
50 呂0100 [ 2.
o 20.
.
10Q0.
08G 2,
58010D
,
,
y胃eight 。ftot己1 aggregate
一 16 一
N工 工一
Eleotronio LibraryTable2
Mix
proportiens
of concrete,
alkali centent andSanukitoid
cententUn {tweiht
k!m
}
c∈爬ntdlkaliconte冂
t曹
Gmx ( ) レ1!C (器} S!A (冕) ravea a 1資G entw 司tgrsondnon
.
reo⊂
tT》ereo⊂
tlvecontent 0.
851.
191,
431.
刀 2.
002060149・
93502108757255755z5575525 ]5020D25030035D34.
1556 ア t Nd20 eq.
お りであ
る。
反 応 性 骨 材 と
しては,
サ
ヌキ
トイ
ドを
粗
骨
材 (
Gmax=
20
mm}
と
して用
い, その他
は大 井 川 産川
砂 利
,川
砂
を用
い た。Na20
。 ,.
が0.
81
% の セ メン トにNaOH
を添 加
し単 位
アル カリ量 を
変
化
さ せ た。
な お, サヌキ トイ ド
は すべ てモル タルバー
試験
で求
め た critic・
al ア ル カ リ シ リ カ比
で混 合
し, ペ シマ ム量
と な る よ う に し た。供 試 体
の反
応
温
度
は43
℃,
本
数
は各
条
件
につ き2
本
と し,
ダ イ ヤ
ル ゲー
ジ法
によ
り定 期 的
に膨 張 率 測
定
を行
っ た。3.
実 験 結 果
お よび 考
察
3
.
1
サ
ヌキ トイ ド
の地 質
・
岩 石 学 的 考 察
サ
ヌキ
トイ ド
(
Sanukitoid
>
は,瀬 戸 内 火 山 岩 類
に属
し,
斜 長
石斑 晶 を含
ま な い マ グネ
シウム に富
む安 山岩
を指 す
。
巽
7)によ
ると
,瀬 戸 内 火 山 岩 類
は中 期 中新 世
の火
山活 動
によ
っ ても た ら され た も
ので,そ
の火 山 活 動 時 期
ctSノ
s働
♂
,,
∩
PA閥
隆 ‘ O4ー
,
”“
1vlL o●
闖
酷
麗
罵
「醐
P.
⊥−
vaOhFig
.
1
Distributien
ef theSetouchl
volcanic recksは
12
±1Ma
で あ る。
瀬 戸 内
火
山岩 類
T) は,
千 葉
県
銚
子
か ら九 州
東
部
まで,
瀬 戸 内 海 を 軸
とし
て延 長 約
1000
km
にわ たっ て帯 状 分 布 す
る。分 布 地 域
は,
図
1
に示 す
よ う
に,
大 き く分
けて,九 州 東 部 地 域
, 四国北 西 部 地 域
,
四国 北 東 部 地 域
,大 阪 周 辺 地 域
,設
楽
地 域
お よび銚 子 地
域
であ
る。サ
ヌキ トイ ド
の一
般 的 特 徴
S)は ,斑 晶 と
し て斜 長 石 を含 ま
ない反 面
,
石 基
は細 粒
,
流 状
の斜 長
石,斜
方 輝 石
,単
斜 紫
蘇輝
石
, カンラン石
お よび
そ の間隙
を
埋
めて い る嗔 間 状
の褐 色
の火 山 ガ
ラスで構 成
さ れているこ とで ある。
今 回 用
い た試 料
は,
瀬 戸 内 火 山岩 類
に含
ま れる地 域
で産
し た砕 石
で無 斑 晶 安 山 岩
であ
る。
石基
に は微
斑 晶
と して斜 長 石
,斜 方 輝 石 を 含
み,褐
色
の火 山 ガ
ラス が約
60
〜
70
%を占
めて い る。
こ の試 料
の偏 光
顕微 鏡
写真 を写 真
1
に示
す。
ま
た,化 学 分
析 結果
お よび
物
理的性
質 を表
3
に示 す
。
写真
2
にこ の試
料
の走 査 型 電 子
顕微鏡
に よ る 写真 を示
す。
写真
2 (の
は,流
状組織
を示
す細 長
い棒状
の斜
長 石
と正
方
形
に近
い,明
るい結
晶
で あ る斜 方
輝 石 を 示
す。
写真
2
(
b
)
は,
写
真 2 (
a)
の中
で点 線
で 囲 ん だ部
分 を さ ら に拡 大
し た もの であ る。石 基 中
の嗔 間
状
の火 山
ガ
ラス,斜
長 石
およ
び斜
方 輝 石
に対 す
る点 分 析
を
,
写真
2
(
a)
,
(
b
>
に示
し たポ イ
ン トに対
し てエネ
ルギ
ー
分散
型ス ペ ク トル メー
タ.
(
EDS
)
より行
っ た。分
析 結 果 を表
4
に示
す。
ポ
イ
ン ト番
号
10,11,IZ
は火 山
ガ
ラスであ
り,
シ リ カ お よび
アル カ リ を多
量
に含
み,
お お む ね 同一
の化学 組 成
を 示 し,
酸性
ガ ラス であ る。 ポイ
ン ト番
号
13
は,斜
長 石
結
晶
の核
(
core
)
に対 し
て行
った もの で あり
,
正長 石
(
Orthoclase
,
KAI
Si30s
)
,
曹 長
石(
Albite
,
NaAISisOs
》
.
灰 長 石 (
Anorthite
,
CaAl2Si
,Os
)
を
端 成 分
とす
る 三角 図
で示 す と 図
2
のよ う
にな
り,
斜
長
石
の中
でも 曹 灰 長 石
(
Labradorite
)
に属 す る。
ま た,ポ
イ
ン ト番 号
14
,15
,16
は,斜 方
輝
石
結
晶の核 (
core)
Table
3
Chemica
正composilionand
phys
とcaLplope
τties
ofSanuki
とoidSi
・・
T・。・
Al
…F
・・
駒 。・・。・… K・・P・吶 ひ階;
, ’c ^b…pti
。・(X
) 66.
0 0.
30、
15.
8 3,
3 0.
凹3
,
ア2
.
97
2
.
15
D
.
05
.
ユ.
4
2
,
54 2.
48Ph
σヒ01
Pelarizing
皿icrophetograph
ofSanukitoid
(
left
:polarizers
not crossed
>
(right :crossed
polarizers
)圃
圃
Photo
2
Scanning
electron micrograph ofSanukitoid
showlng
individual
spots analyzedby
EDS
NII-Electronic Library Service
Table
4
EDS
analysis ofSanuklteid
恥 int 閥D.
101 ] 12cg
!
ec2
;
e「
1
雪
cgEe Sie2 刊02A1209Fe20 ヨ H面 岡90CaO 閥dloKzDtota1i
・
−
Iengaa S τ 昌 FH 閥 C 闇 K 刀.
10.
49.
61、
? Doo2.
54.
795、
50■
2410.
3920.
041.
5180.
1300Do.
6490.
808ロ
77.
8 7873 55,
5 57.
1 55鹽
5 5弓.
9 0.
6 0.
7 0 0、
3 07 盲 0囓
2 10.
2 9.
5 2巳.
4 1.
7 1.
7 1.
4 1.
1 】.
1 0.
5 10、
1 16.
3 10.
ア D O O O.
3 0.
5 0.
3 D D O 31.
4 Z6p5 29、
8 0 0幽
11.
40
、
9 1.
2 1,
] 2_
5 2.
0 5p1 0.
5 0r2 0鹽
4 4r5 4,
4 0.
4 0、
02 0_
03 0鹽
Oア 9679 95.
9 101r3 102.
3・
102.
1 ga鹽
8 0=
24 0[
24 0冨
8 0=
6 0冨
5 0=
6 10.
323 !0.
439 2.
481 1.
963 1鹽
96ア 1r964 0.
063 G.
067 0 0、
OOア 0.
003 0.
eo4 蓐.
60 1、
491 瑠.
495 0』
070 0、
071 D.
059 0.
】聖7 0p118 0、
02 0.
289 0.
403 0p320 0 0鹽
002.
OpOO2 0、
Ol O.
016 0」
010 0 0 0 1,
608 1・
401 1,
5SS O O O,
543 0.
034 D.
045 0.
043
0r643 0.
522 0.
439 0,
031 0、
015 0.
02ア 0.
792 0,
ア42 0.
D22 0.
OO1 0.
001 0,
003 An 騒、
1 En 83.
3 72.
6 81、
4 Ab 43,
フ Fs 15.
0 25,
0 馳5.
4 0「.
’
Z鹽
2 1.
7 2鹽
4 2.
2C
「 r:reldS叫rq :qu亂
r 監zα
:cr圏
toh創艦
teq
「ff
「ffG
fq
↑f
f
10 20 30 40 50Fig
,
4
X
−
raydiffraction
pattems
ofSanukitoid
ら ヨ
ロ
ロ
ロ
コ
ロ
。ε
初£
鉐
。 ・5
為
゜
盆
’
命△
An
NnSisOe
−
−
CaShOe
Fig
.
2 Che
皿ical
composition ofplagioclase
in
theSanukitoid
Fs
MgSio ,
90
8
°70
−
∫OF
,SiOs
Fig
.
3
Chemical
,
cemposition of olthepyroxenein
the
Sanuki
・
toid
お よ び
縁
(
rim)
での分 析 結 果
であ
る が,
エ ン ス タ タイ
ト (
Enstatite
,
MgSiOe
)
, フ ェ ロ シライ ト
(
Ferrosilite
,
FeSiO
,)
およ び
珪 灰 石 (
Wollastonite
,CaSiOs
)
を端
成 分 と す
る 三角 図
で示
す と 図3
の よ うにな り,斜 方 輝 石
の中
で もブ
ロ ンザ イ ト(
Bronzite
,
古 銅 輝 石
)
で あ る が,
結
晶
の縁
ではハイ
パー
シ ン(
Hypersihene
,紫 蘇 輝 石 )
に近
い組 成 と
なっ て いる。顕 微 鏡 観 察
で は,
ク リス トバ ライ ト
の存 在
は確 認
で き な かっ た が,
粉 末
X
線
回折
に よ る と,図
4
のよ う
に明
瞭 な ピ
ー
ク が現
れ てい る。
3
.
2ASTM
に よるサ
ヌキ
トイ
ドの アル カ リ反応 性
化 学 法
による結
果
では,
溶
解
シリ
カ量 (
S
,
)
が615
.
1
mmoレ
L
で多
く, ア ル カ リ濃 度
の減 少
量(
Rc
)
が185
.
1
mmo1/
L
で あ り,潜
在
的 有 害
の範 囲
に入る。 τime
(months }Fig
.
5 Expansion
of 皿ortarba
【withdifferent
alkali contentsモルタルバ
ー
法
に よ る材令
1
年
ま
での試 験 結 果 を図
5
に示
す。図
.
5
よ り,
セ メント
の アルカ リ量 が
1.
90
%
の 場合
は,
材令
15
日 での膨張 率
は0
.
2
% であ り, ア ル カ リ量
が1.52
% め場 合
,材令
1
か 月 で0,
13
%
の膨 張 を
示
し,
モ ル タルバー
法
の許 容 値 を大
きく上 回
る。
こ の こ と は,NaOH
で セメ ン トの アル カリ量 を増 加
させ る こ と に よ り, モ ル タ ル バー
法
の促 進 試 験 を 可 能 と
し,早 期
判定
を
も可
能
せ し め ること を示
すも
の であ
る。
し か し,
アル カ リ量 が1
.
13
%,0
.
74
% の場 合
の膨 張 率
はわず
か で あ り, モ ル タ ルバー
法
の判
定
によれ ば無 害 と な る
。 こ の よ うに,
高
アル カ リ環 境 下
で は著
しい膨 張 を 示 す 骨 材
で も,
モ ル タル あ るい はコ ン.
ク リー
トの アル カリ濃 度
が あ る限
界値以下
に な ると 膨 張
し ない こと が わ
か る。
した
がっ て,
モ ル タルバー
法
に よ り骨 材
の反 応 性 を検 討 す
る場 合
は,
セ メン トのアル カ リ量 を ある程 度 高
める必 要
が あ り,
筆 者
ら9)は すで に モル タ ル バー
法 試 験
に適
切 な ア ル カ リ量を報 告
し てい る。上 記
に おいて膨 張
し ない理 由
と して挙 げ
ら れ る の は,
低
ア ル カ リ量の他
に,
反応 性 骨
材
の混 合 割 合
によ
るペ シマ ム効 果
がモ ルタル バー
法
では考 慮
さ れ ていないた め と 思 わ れ る が, これに対
す る根 拠
は次節
で述
べ る。
3.
3
モ ル タル の調
合
お よ びア ル カリ量
の変 化
に よ るペ シマ ム量の
変 動
アル カ リ
・
シ リ カ 反応
に よ る 膨張
は,反 応 性 骨材
の粒
径お よび混 入 量により変 化
し,
最 大 膨 張
を 生 じ る ペ シマ ム条 件
が存 在
す ること が 知 ら れて い るle)。
ま た,
筆 者
一
18
一
N工 工一
Eleotronio Library
876543
.
21
・
凸
・
・
・
…
0
0
0
0
0
0
0
0
0
(
遣 ω5匚
o 匠 O 冨 」5
」2
も 匚 o 砺 壽 旦 x 凵ReaCtive
aggregate
COntent (%
}
Fig
.
6
1nnuence
of mixproportions
uponpessimum
cententら1n はペ シマ ム量 は
,
モ ルタ
ル の調 合
お よ びセ メ ン トの アルカ リ 量 に よ り変
動 す
る が,
最 大 膨 張 を生
じ る アル カリ
・
シ リ カ比
は一
定
で あ ることを
,
反 応 性 骨 材 と
し てオ
パー
ル を用
い てすで に報 告
して い る。
こ こ で は, サヌキ
トイ
ドへ の適
用
を試
み た。3.
3.1
モル タルの調
合
に よ るペ シマ ム量
の変 動
アル カ リ 量 が
NasO
。。.
で0
.
74
%
の普 通 ボ
ルト
ランド
セ メ ン トを用
い,
.
NaOH
を添 加 し
て全
アルカ
1丿量 を
1
%
一
定
と し,
モ ルタル の調 合 を変 化 さ
せ た場 合
の モル タル バー
の材 令
6
か月
で の膨 張 率
と反 応 性 骨
材
の全 骨
材 中
の混
入率
の関係 を 図
6
に示 す
。骨 材
セメ ン ト比
が小
さ く な る ほ どペ シマ ム量
は大
きい方
へ移 動
し , そ れ に従
い膨張
率
も増 加
し て い る。ASTM
・
C227
(
モ ル タル バー
法 ) と
ほ ぼ同
様
の調
合
で作 製
さ れ たモ ル タル バー
(
図
6
中
の △印
)
で は,
ASTM
・
C227
(
モ ル タル バー
法
)
に よ る反
応性
骨
材
の混
入率
と同
一
であ
る100
%
の と き は,材 令
6
か月
で0.
04
% の膨 張
を示
し,
無 害 と判 断
さ れ る が,
混
入率 20
% では,
O
.
37
% の大
きな膨 張 を示
し,有害
と な る。 し た がっ て,
ASTM
・
C227
(
モ ル タ ル バー
法 )
によ
っ て骨
材
の反 応 性 を判 断 す
る場 合
は, ペ シマ ム効
果
を考慮
す る必
要
が あ る。3.
3.
2
セ メン トの アル カ リ量
によ
るペ シマ ム量
の変
動
モ ル タル の
調 合
を一
定 (
C
;A
:W
=
1
:1.
25
:0.
45
)
と し,
アル カ リ量
がNatOee.
で0.
81
% の普
通 ボ
ル トラ ンド
セ メ ント
にNaOH
を添
加
し,
ア
ル カリ
量 を
4
水
準
に変化
さ せ た場
合
の材令
8
か月
での モル タル バー
の膨
張率
と 反応性
骨
材
の混 入 率
の関 係 を
図7
に示
す。
セメ ント
の アル カリ量
が増 加 す
る ほど
, ペ シマ ム量 は増 加
し,
そ れに伴
い膨 張 率 も増 加
して いる。以
上
の各
々 の膨 張 率
およ
び表
1
で のそ の他
の モ ル タルバー
の膨 張率
を,
反
応性
D,
9 εの
O・
8慧
・,
7.
:
り
0・
6:
eo
.
.
5蔦
駐
゜・
4kD.
3£
50
・
2 』=
0.
1
937554321
.
唖
・
■
,
■
卩
・
■
・
0
むロ
ロ
ロ
霾
)
望 誓 oE°
り の 毋 L3 き Eも
匚 o 窃 話 旻 山
Reactive
aggregate content (%)Fig
.
7
1nfiuence
of cement a1kali content 叩on
pessimum
content.
.
骨 材
に対
す る アルカ リ量
の重 量 比
(
アル カ リ量/ 反 応 性
骨 材 量
,
以 下
, これを
アル カリ
シ リ カ比
と称
す る)
で表
すと図
8
の よ うにな る。 モル タルバー
の膨 張 率
は,
アル カリ
シリ
カ比
が増
加
す る に従
い急 激
に増 加
し,
最 大
に達
し た後 緩 や
か に減 少
す る。
こ の図
か ら,
モ ル タル の調 合
お よ びセ メ ン トの アルカ リ 量 が変
化
しても最 大 膨 張 を生
じ る アルカリ
シリ
カ比
は一
定
で あ り,.
この と きの アルカリ
シリ
カ比 を
critical アル カ リ シ リ カ 比 と呼
ぶことにす
る。
し た がっ て,あ
る試料
の critical ア ル カリ
シリ
カ比
が 分
か れば
,任
意
の アルカ リ 量 を有
す
る任 意
の モ ルタ
ル調 合
に おいて,
ペ シマ ム量 を予 測 す
る こと がで きる。
す な わ ち, critical アル カリ
シリ
カ比
は次
のよ う
に表
すこ と が でき
る。
I
S
= 照』
/Wr…・
……・
・
…一 ・
…・
………
(1 )
し か し,Wa=NaiOea.
(
% )
×C
Wr=A
/CXCXP
(% )
で あ るの で,
上記 (
1
)式
は次
のよ
うになる。
S
=Na
!Oea.
/(
(
A
/C
)
×P
)
…・
……・
・
…・
………
(
2
)
.
こ こ に,
S
:critica1 ア ルカ リシリ
カtic
,
Wa
:アル カ リ量,
Wr
:ペ シマ ム時
の反 応 性 骨 材 量
,C
:セメ ン ト量,
A
/C
:骨 材
セメ ント比
,P
:ペ シマ ム割 合 (
%)
図
8
より.
critical ア ル カリ シ リ カ 比は
約
O.
02
で あ る。 0、
0] 0.
02 0.
03 0.
040
,
05
0
.
06
0.
07
0.
08 0,
09 AlkaH silice mtioFig
.
8
Relationship
between
血orta 匸bar
expansion and alkali silica ratioNII-Electronic Library Service
100
80
60
40
窟)
起 Φ ← =8E
毳E
い £20
0
1
2
3
4
5
Aggregate
cement
ratio
Fig
.
g
Calculated
pessimum
content ofSanukitoid
この
値 を式 (
2
)
に代 入
し,
モ ルタルの調
合
,
セ メン ト のアル カリ量
が変化
す
ると きの べシマ ム量 を算 出
す る と図
9
の よ うにな る。同
一
骨 材
セ メ ント比
におい ては, ア ル カリ量 が増 加 す
ると
べ シマ ム量
は増 加 す
る。
ま た,
同
一
アル カ リ量の と きは骨
材
セ メ ント比
が大
き く な る とペ シマ ム量
は減少
し,調合
が
ペ シマ ム量
の変 動
に及 ぼ す 影
響
は小
さ く な る。
図9
で得
ら れ た結 果 を 普 通
コ ン クリ
ー
ト
の調 合
に適
用
す る と, コ ンク リー
ト調 合
の場 合
は,少
量
の反
応性
骨
材
の混
入 でペ シマ ム量
に達 す
ること
にな
る。
こ の結
果
は,
実構造物
か ら採 取
し たコ アの全 膨 張 率
と 骨 材 混 入 率
を検 討
し た岡 田
ら]Z }の試 験 結 果
と一
致
す る。図
9
に は,
水
セ メン ト比 と反 応 温 度
によ
る影 響
は考
慮
さ れて いないが,
水
セ メント比
は全 膨 張 率
の大 き さ
の みに影 響
し,
ペ シマ ム量
に は影響
し ないと思
わ れ る。
ま た.
反 応 温 度
に対
して は,同
一
試
料
を用
いて オー
ト
ク レー
プ促 進 試 験 (
GBRC
法)
を行
っ、
た結
果,
図8
と まっ た く同 様
の結 果
が得
ら れ た と報告
し た 田村
ら13)の報
告
か らも
,
反
応
温
度
はペ シマ ム量
に影
響
し ないとも考
え られ る
が,
ま だ検 討
の余
地 が あ る。
以
上の こと よ り,
あ る反
応性
骨
材
のべ シマ ム量 を指 標
と するより,
critical アル カ リ シリ
カ比 を 指 標 と す
る方
が妥 当
で あ る と 思 わ れ る。
筆 者
らの試 験 結 果
で は,
オパー
ルの critical ア ル カリ
シリ
カ比
はO.
09
,九 州 産 安 山 岩
は0
.
026
,
北 海
道 産
安
山 岩
は0.
013
であ
っ た。
3
.
3
.
3
真の アル カ リシ リカ比
お よ びペ シマ ム現
象
に対
す る考 察
前 記
の アル カリ
シリ
カ比
と は,
前
に述
べ た よう
にセ メ ン トの ア ル カリ と反 応 性 骨 材
との重
量の比で あ る。
し か し,
真
の ア ル カ リ シ リ カ 比 と は,
反 応
に関
係
す る水 溶 性
アルカ リ量
と反
応性
鉱
物中
の シ リ カ量
との比
であ
るべき
で あ る。
しか し,
こ れ に対
するデー
タ の不 足
や試 験
の困
難
さ の た め,
こ こ で は アルカ リ と 反応 性
骨材
の全 重 量 を
用
いてい る。
また
,
ペ シマム現 象
は アル カ リ・
シ リ カ 反応
特
有
の現
一
20
一
象
とし て,
ア ル カ リ・
シ リカ反 応
の メ カニズ
ム と関 連
し て研 究
が行
わ れて いる が,
これに対
してはい くつ か見 解
が あ る が,
次
の2
つ がも
っ とも
一
般 的
であ る。 そ の1
つ は,
反
応
生
成物
であ る アルカ リ シ リ カゲ
ル の化 学
組成
の 違い が 膨張
に影
響 す る という化 学
量論 的
な考
え 方 であ る。Dent
Glasser
,
Kataoka
】4♪は , シ リ カ
ゲ
ル と水酸 化
ナ ト リ ウムを用
い たモデル実験
よ り浸
透 圧 を測
定
してお り,
その結 果 最
大浸
透 圧 は,Sio
:/
Na
,O
の モ ル 比 が3〜
5
の と き得
ら れ る。 し か し,
S
.
Diamondl5
〕ら は,
合
成
し た ア ルカリ
シリ
カゲ
ル の膨 張 圧
測定 結
果
か ら,
膨
張
圧
と ゲル の化 学 組 成
との間
に は明 確
な相 関 関 係
は ない と結
論
づけ
て い る。も う
1
つ は,Mielenx
’6),
HobbSi7
),
Oz
)11s
)らに よるも
の であ
る。
彼
ら によ
ると,
ペ シマ ム は ア ルカ リ量
と反応
性 骨 材 量
の2
つ の相 反 す
る反応 特 性
の結 果 と し
,反 応 性
骨材
がペ シマム量 以 下
であれ ば反 応 性 骨 材
が先
に消耗
さ れ, ペ シマ ム量 以 上
であ
ればア ル カリ
が
早
く消 耗
さ れ,反応
は止 ま
るが
, ペ シマム時
は両 方 が 消耗 さ れ
るま
で反
応
が続
く とい うこと で あ る。
し か し, こ の
2
つ の考
え方
は根本 的
に相
違
するもの で は な く,
ま た と も に理
論
的
に確
立
さ れ たも
の で は ないが
,本論文
で提
案
し た critical アル カ リ シ リ カ比
の概 念
は, アル カ リ と シ リ カ との重 量 比
が一
定
のと
きペ シマ ムと
な る ということ で,
上
記
のど
ち らの考
え方
に よっ ても理 解
で き る。
3.
4
膨
張
を生
じ ない単位
アル カリ量
の限
界
値
図
5
お よび
図
7
よ り,
セ メント
の アル カリ量 が 増 加 す
る と 膨 張 が増
加 す ること は 明 ら か で ある。
図5
よ り,反
応性
骨
材
で も低
アルカ リ環境
下
では な ん ら膨
張
を示
さ な いが,
モ ルタル あ るい はコンク リー
トの アル カリ濃 度 が
あ
る限 界値 以 上
に達 す
る と膨 張
す る と考
え ること が で き る。S .
Diamoridig
]は,
アル カ リ・
骨
材 反応
を 生
じ さ せ , さ らに持 続
させ るた めに必要
な細
孔
溶液 中
の水 酸 化
アル カリ
の濃 度
には あ る限 界
値
が存 在
す る と し,仮
定
の限 界
値
と して0.
25N
(
pH
13.
4
に相
当
)
を設 定
し ている。
し か し,
ア ル カ リ量の限
界値
は,
反 応 性 鉱 物
の種 類
,
含 有
量
,
結 晶 度
お よ び組
織
な どに よ り変
化
する と思
わ れ る。図
6,7
に み ら れ る よ う に,同
一
調 合
,同
一
アルカリ量
の場合
にも,
反 応 性 骨 材
の混 入 率
によ
りモ ル タル バー
の膨
張 率
は大
き く変
動
する。
し たがっ て,膨 張
を 生 じ ない単位
アル カ リ量
の限 界 値 を 求
める ため
には,
反 応性 骨 材
の混 入 率
はcritical
ア ルカ リ シ リ カ 比でな け れば
な ら な い。
図
10
に表
1
での モ ル タル の膨張
率
と単位
ア ル カ リ量
との関 係
を示
した。
同
一
ア ル カリ量
で も反 応 性 骨 材
の混入 量
により膨 張 率
は大
き く変
動 す る が,一
般 的
に ア ル カ リ 量 が 増え る に従
い,
最 大 膨 張 率
も増 加
し て い る。
これ はNaOH
の添 加
に よ るア ル カ リ量の増 加
あるい は骨材
N工 工一
Eleotronio Library丶
セメ ント比
の減 少
によ
り,図
9
か ら,反 応
性
骨
材
の ペ シ マ ム量 も増 加
し,
し仁
が
って膨 張
率
も増
加
す る と思
わ れ る。
モル タルバ
ー
は,
低
アル カ リ量の と き はほと ん ど膨 張
を示
さず
,
単 位
アル カ リ量 が4kg
/m3 を 超 過 す る と 急激
に膨 張
し始
め る。
し た がっ て,膨張
を生
じ ない単
位
アル カリ量
の限界 値
は3kg
/
M3 であ る。
また
,
モル タル と比 較
す る た め,10
×10
×40cm
の コ ンクリ
ー
ト供 試
体
を
用
いた試験 結
果
を図
11
に示 す
。 コ ン クリ
ー
ト
にお
け る有
害
な膨
張
の判 断 基 準
をCSA
A
23
.
1
.
M77
付 録
B
に従
い0.
03
% と す る と,図
より有
害
な膨
張
を
示
す の は,単位
アル カ リ量
が5kg
/
mS
を超 過
し たと
きであ
る。
し た がっ て,
コ ン ク リー
ト
で の ア ル カ リ量
の限界 値
は5kg
/
m3 で あ り,
モ ル タル の場 合
よ り大
きい値
と なっ ている が,
これ は反 応 性 骨 材
の粒 度
の差
お よび
コ ン ク リー
トに膨
張
を引
き起
こ す の に必 要
なエネ
ルギ
ー
が, コ ン ク リー
トの非 均
一
性
のた めモ ル タル よ り増
加
し た た め と思
わ れ る。反 応
性
骨
材
を
使
用
せざ
る を得
ない場 合
の対 策
の1
つと
1
.
0
8
0
寂)
個 看‘
oE 頃60
θ 帽4
匚 ゜至
恥
x Φ 」 窒2q
」 $ 」 o Σ0
24681012141618
AIkali
content (
kg
/m3 )Fig
.
10
Mortar
bar
expansion versus alkali content02D
5
0
5
1
1
0
ロ む{
迅 E団
τ ロ3
Φ
」 uに
8
旨に
θ 旨。
景凵
0
Alka
】i
content (Na10 eq,
)kg
/m3Fig
.
11
Length
changes versus alkali contentfor
concreteprism
continuously
moist cured
at
43
°
C
し て
,
コ ン ク リー
ト
の ア ル カリ
含
有 量 を 限 界 値 以 下
に し て用
いる方 法
がイギ リ
ス の指 針 案
2ωなど
に み られ るが
,しか
し, こ の指
針
案
でも
指摘
され
たよ
う に,
コン クリ
ー
ト内
の アル カ リの移 動
に よ る アル カ リ濃
度
分布
の差 お よ びセ メ ン ト以 外
に起
因 する アル カ リ も ある の で,使
用
に至
るま
で は十 分
な検 討 が 必 要
であ
る。
む し ろ,
ア ル カ リ以 外
の他
の陰 イ
オン(
例
えば塩
素
イ
オン)
な ど に よ る二次 効
果
に よ り, ア ル カ リ量の限
界値
は, こ こで求
め た よ う な限 界 値 を減
少
さ せ る可
能
性
も あ る。
4.
結 論
サ
ヌキ トイ ドを反 応
性
骨
材
と して用
いた
いく
つかの実
験 よ
り次
のよ
う な結果
が得
られ た。
(1 )
サヌキ
トイ
ドは瀬 戸 内 火 山岩 類
に属
し,岩石学
的 調 査
よ り,反
応
性鉱物
と して酸 性
の火 山 ガ
ラス と ク リ スト
パ ライ
トの存
在
が確
認さ れ た。
(2 >
サ
ヌキ トイ
ドの主
な構 成 鉱 物 中
,火 山 ガ
ラ ス以
外
に,斜 長
石 お よび
斜方
輝 石
が存 在 す
るが
, これ は走 査
電 子 顕 微 鏡 分 析
よ り,
ラブ
ラ ドライ ト (
曹 灰 長
石)
お よ び ブロンザ イ
ト(
古銅輝
石
)
であ
ること
が判 明
し た。
(3 >
ASTM
の化 学 法
によ り潜 在 的 有 害
の範 囲
に属
し,ASTM
の モ ル タル バー
法
で は,
ア ル カリ 量 が1.
52
%以 上
高
め ら れ た と き有 害 な 膨 張 を 示
し た。(
4
)(
3
)
よ り,
モ ルタルパー
法
に よ り骨
材
の反
応性
を
評価
す る と き は,
セ メ ン トのアル カ リ量 を高
め る 必要
が あ る。(
5
)
最 大 膨 張
を生
じ るペ シマ ム量
は,
モ ル タル の調
合 お
よび
セメ ン トの ア ル カ リ量
に よ り変 動
す る が,
最
大膨
張
を生
じ るcritical アルカ リ
シリ
カ比
は一
定
であ る。(
6
>
反
応
性 骨 材
のcritical
アル カ リ シ リ カ比
が分
か れ ば,任 意
のモ ル タル調 合
,
ア ル カリ量の と きの ペ シマ ム量 を予 測
す るこ と ができ
る。
(
7
)
サヌキ
トイ ド
の膨 張 を生
じない単位
ア ルカ リ量 の限
界値
は,
モ ルタル に お い て は3kg /
m3,
コ ンク リー
トに おい ては5kg
/
m3 であ
る。
謝
辞
本
研 究
を行 う
に当
た り,御
指
導
,
御 協 力 頂
い た東 京 大
学 岩 石 学 研 究 室
の永 原 裕 子 先 生
お よび
小
野 田
セメ ント研
究 所
の中島節 治
,
石 井 四 郎 両 氏
に謝 意 を
表
し ま す。ま た,
分 析
に用
い た電
子
顕微鏡
は,
日本 国 立 博 物 館
分 館の施設
を
利
用
さ せて頂
き ま した
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