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HOKUGA: 消費者契約法への利益剥奪請求訴訟制度導入について㈠

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全文

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タイトル

消費者契約法への利益剥奪請求訴訟制度導入について

著者

佐藤, 弘直

引用

北海学園大学法学研究, 46(2): 259-306

発行日

2010-09-30

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・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・ 論 説 ・・・・・・ ・・・・・・・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

北研 46(2・ ) 目 次 序 章 第 一 章 我 が 国 の 消 費 者 保 護 政 策 第 一 節 序 第 二 節 消 費 者 保 護 の 始 ま り 第 三 節 約 款 の 適 正 化 第 四 節 契 約 締 結 過 程 と 契 約 内 容 の 問 題 第 五 節 消 費 者 政 策 の 転 換 と 消 費 者 契 約 法 の 制 定 第 六 節 消 費 者 団 体 訴 制 度 の 導 入 第 二 章 ド イ ツ の 消 費 者 保 護 政 策 第 一 節 序 第 二 節 E U の 消 費 者 政 策 第 三 節 差 止 指 令 の 転 換 と 整 合 性 第 四 節 損 害 賠 償 請 求 権 と 利 益 剥 奪 請 求 権 の 付 与 ︵ 以 上 本 号 掲 載 ︶ 第 三 章 民 事 訴 理 論 と の 整 合 性 第 四 章 我 が 国 に お け る 利 益 剥 奪 請 求 訴 制 度 導 入 の 可 能 性 終 章

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契 約 に お け る 一 般 ル ー ル を 定 め る 我 が 国 の 民 法 債 権 編 は 、 法 律 知 識 ま た は 商 品 情 報 の 質 お よ び 量 に お い て 差 の な い 抽 象 的 な 人 を 契 約 主 体 と し 、 こ の 人 相 互 間 の 取 引 を 想 定 し て 構 成 さ れ て い る 。 民 法 が 施 行 さ れ て 一 〇 〇 年 余 り 経 過 し た 現 代 社 会 に お い て 、 契 約 に は 素 人 と い え る 一 般 市 民 が 契 約 主 体 と し て 登 場 す る 場 面 が 多 く な っ て き た 。 法 律 知 識 ま た は 商 品 情 報 の 質 お よ び 量 に お い て 差 の あ る 人 の 間 で の 取 引 が 多 く な っ て き た の で あ る 。 こ の よ う な 取 引 状 況 の 変 化 は 、 抽 象 的 な 人 の 概 念 か ら で は 争 の 当 事 者 と な る 契 約 主 体 を 捉 え 難 く し た 。 消 費 者 労 働 者 事 業 者 と い う よ り 具 体 的 な カ テ ゴ リ ー か ら 、 契 約 主 体 を 捉 え る 必 要 性 が 増 し て き た 。 法 律 知 識 ま た は 商 品 情 報 の 質 お よ び 量 に お い て 差 の あ る 当 事 者 間 の 取 引 を 想 定 す る 新 た な 民 事 ル ー ル の 策 定 が 必 要 と え ら れ る よ う に な っ た の で 쐍 1 ︶ あ る 。 こ の よ う な 背 景 か ら 、 消 費 者 と 事 業 者 と の 権 利 関 係 の 適 正 化 を 図 る た め に 、 消 費 者 と 事 業 者 と の 間 の 契 約 ︵ 消 費 者 契 約 ︶ を 幅 広 く 対 象 と し た 消 費 者 契 約 法 が 、 二 〇 〇 〇 年 に 制 定 さ れ た 。 消 費 者 と 事 業 者 と の 間 の 情 報 の 質 お よ び そ の 量 並 び に 渉 力 の 格 差 を 内 包 す る 消 費 者 契 約 の 適 正 化 を 図 る た め に 、 契 約 の 取 消 し 、 契 約 条 項 の 無 効 を 消 費 者 自 身 が 自 ら 主 張 で き る 場 合 を 拡 大 し た の で 쐍 2 ︶ あ る 。 し か し 、 消 費 者 契 約 に 関 係 す る 被 害 は 、 一 般 に 、 同 種 の 被 害 が 多 数 の 者 に わ た る と い う 特 徴 を も つ た め 、 同 法 制 定 に よ っ て も 不 特 定 か つ 多 数 の 消 費 者 と い う 一 般 消 費 者 の 被 害 の 未 然 防 止 ・ 拡 大 防 止 を 図 る ま で に は 至 ら な か 쐍 3 ︶ っ た 。 一 般 消 費 者 の 利 益 の 擁 護 を 図 り 、 消 費 者 契 約 法 の 実 効 性 を 確 保 す る た め に 、 消 費 者 に 代 わ っ て 事 業 者 の 不 当 な 行 為 を 抑 止 す る 担 い 手 と な る こ と が 、 消 費 者 団 体 に 期 待 さ 쐍 4 ︶ れ た 。 し か し 、 消 費 者 団 体 の 自 主 的 活 動 に は 、 法 的 裏 付 け が な く 、 消 費 者 団 体 の 活 動 に は 限 界 が あ っ た 。 二 〇 〇 六 年 に 、 消 費 者 の 被 害 の 発 生 ま た は 拡 大 を 防 止 す る た め 、 ド イ ツ 等 で 採 北研 46(2・ )

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用 さ れ て い る 団 体 訴 制 度 を 参 に 、 適 格 消 費 者 団 体 が 事 業 者 に 対 し 不 当 な 行 為 の 差 止 め を 請 求 す る こ と が で き る よ う に す る べ く 、 消 費 者 契 約 法 が 改 正 さ れ た 。 こ の 改 正 に よ っ て 、 適 格 消 費 者 団 体 に 差 止 請 求 権 が 付 与 さ れ 、 こ の 権 利 に 基 づ い て 差 止 訴 に お け る 訴 追 行 権 限 を 適 格 消 費 者 団 体 が 有 す る と の 立 法 的 解 決 が 図 ら れ た 。 消 費 者 被 害 の 発 生 や 拡 大 を 未 然 に 防 ぐ た め の 差 止 請 求 権 を 消 費 者 団 体 に 付 与 し た こ と か ら 、 一 般 消 費 者 の 保 護 は 図 ら れ た 。 し か し 、 す で に 損 害 を 受 け た 個 々 の 消 費 者 の 保 護 は 、 依 然 図 ら れ な か 쐍 5 ︶ っ た 。 と い う の は 、 消 費 者 の 受 け た 損 害 は た い て い 少 で あ っ て 、 訴 に よ っ て 損 害 を 回 復 す る に は 経 済 的 に お い て も 労 力 に お い て も 見 合 う も の で は な い に も か か わ ら ず 、 消 費 者 自 身 が そ の 損 害 の 回 復 を 図 る ほ か な か っ た か ら で あ る 。 ま た 事 業 者 の 不 当 な 行 為 を 差 止 請 求 権 に よ り 差 止 め る こ と が で き た と し て も 、 差 止 め ま で に 事 業 者 が 得 た 利 益 は 事 業 者 が 保 持 し た ま ま と い う 不 都 合 性 も 残 さ れ た ま ま で あ っ た 。 そ こ で 、 損 害 を 受 け た 個 々 の 消 費 者 の 利 益 を 回 復 し 、 事 業 者 の 下 に 利 益 を 残 し た ま ま に し な い た め に 、 適 格 消 費 者 団 体 が 消 費 者 に 代 わ っ て そ の 損 害 を 回 復 す る 制 度 を 導 入 す る 検 討 が 続 け ら れ て 쐍 6 ︶ い る 。 本 稿 で は 、 消 費 者 団 体 訴 制 度 を 、 消 費 者 の 利 益 を 擁 護 す る た め に 、 消 費 者 団 体 に 、 実 体 法 上 の 権 利 を 付 与 し 、 こ の 権 利 に 基 づ い て 訴 上 の 当 事 者 と し て の 地 位 を 承 認 す る こ と に よ り 、 消 費 者 団 体 に 帰 属 す る 固 有 の 権 利 を 事 業 者 等 に 対 し 、 裁 判 外 に お い て も 、 裁 判 上 に お い て も 行 し う る 制 度 と 位 置 づ け る 。 消 費 者 契 約 法 は 、 差 止 請 求 権 を 一 定 の 要 件 を 備 え た 消 費 者 団 体 に 付 与 す る こ と を 承 認 し た 。 消 費 者 団 体 が 一 般 消 費 者 の 利 益 の 擁 護 の た め に 行 し う る 実 体 法 上 の 権 利 と し て 利 益 剥 奪 請 求 権 を 適 格 消 費 者 団 体 に 付 与 で き る か 、 そ の 可 能 性 を 探 る こ と を 本 稿 は 、 目 的 と す る も の で あ る 。 ま ず 、 第 一 章 に お い て 、 我 が 国 の こ れ ま で の 消 費 者 保 護 政 策 の 経 緯 と そ の 背 景 に あ る 取 引 に お い て 消 費 者 が 置 か れ て い る 状 況 の 推 移 か ら 、 今 後 の 消 費 者 保 護 政 策 の 方 向 性 を 探 る 。 次 に 、 第 二 章 に お い て 、 ド イ ツ に お け る 消 費 者 保 護 北研 46(2・ )

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政 策 を 概 観 す る 。 と い う の は 、 ド イ ツ に お け る 団 体 訴 制 度 の こ れ ま で の 展 開 が ド イ ツ の 団 体 訴 制 度 を 参 に 策 定 さ れ た 我 が 国 の 消 費 者 団 体 訴 制 度 の 拡 大 へ の 方 向 性 に 多 く の 示 唆 を 与 え て く れ る と え る か ら で あ る 。 さ ら に 、 第 三 章 に お い て 、 消 費 者 の 利 益 擁 護 の た め に 、 固 有 の 権 利 に 基 づ い て 、 適 格 消 費 者 団 体 が 行 す る 差 止 請 求 権 と 民 事 訴 制 度 と の 整 合 性 と そ の 問 題 点 を 確 認 す る 。 こ の 確 認 に あ た っ て は 、 利 益 剥 奪 請 求 権 が 民 事 訴 制 度 と の 整 合 性 を 保 て る か を 念 頭 に 置 き つ つ 検 討 す る 。 そ し て 、 第 四 章 に お い て 、 第 三 章 ま で の 検 討 な い し 確 認 か ら 我 が 国 に お い て 、 消 費 者 契 約 法 上 に 利 益 剥 奪 請 求 権 を 適 格 消 費 者 団 体 に 付 与 し う る こ と の 可 能 性 を 検 証 す る こ と と す る 。 注 쐍 1 ︶ 民 法 ︵ 債 権 法 ︶ 改 正 検 討 委 員 会 が 二 〇 〇 九 年 三 月 の 試 案 表 に 向 け て 、 議 論 を 進 め て い た 。 欧 州 各 国 の 債 権 法 改 正 の 動 き を 踏 ま え 、 民 法 第 三 編 ︵ 債 権 法 ︶ を 大 き く 変 え 、 現 代 社 会 に 合 わ せ る こ と が 狙 い で あ る 。 市 民 社 会 を 規 律 す る 民 法 の 中 心 部 で あ る 債 権 法 の 改 正 作 業 が 進 ん で い る の で あ る ︵ 債 権 法 改 正 内 田 貴 、 日 本 経 済 新 聞 二 〇 〇 八 年 七 月 七 日 ︶ 。 쐍 2 ︶ 一 九 九 八 年 の 民 事 訴 法 改 正 の 際 に 、 団 体 訴 制 度 の 導 入 が 検 討 さ れ た も の の 結 局 は 見 送 ら れ た 。 こ の 点 も 一 つ の 要 因 と な っ て 団 体 訴 制 度 の 導 入 は 、 消 費 者 契 約 法 制 定 の 際 も 見 送 ら れ る こ と と な っ た 。 も っ と も 、 団 体 訴 制 度 導 入 に あ た り 以 下 の 点 に つ い て の 必 要 性 が 報 告 さ れ て い る 。 消 費 者 取 引 に お け る 損 害 賠 償 の 理 論 に つ い て 、 懲 罰 的 損 害 賠 償 も 含 め て 議 論 す る こ と 、 消 費 者 団 体 の 利 益 と 消 費 者 の 集 団 的 利 益 は 一 致 す る も の で あ る か 検 討 す る こ と 、 利 益 を 主 張 す る も の が 訴 手 続 上 ど の よ う な 地 位 に あ る か を 明 確 に す る こ と お よ び 団 体 訴 制 度 と い っ て も 消 費 者 団 体 以 外 の 事 業 者 団 体 ま た は 環 境 団 体 も 視 野 に 入 れ た 法 制 度 を 検 討 す る こ と ︵ 消 費 者 契 約 法 ︵ 仮 称 ︶ の 制 定 に む け て 一 九 九 九 年 一 月 国 民 生 活 審 議 会 消 費 者 政 策 部 会 報 告 ︶ 。 쐍 3 ︶ 二 〇 〇 八 年 一 二 月 二 六 日 刊 行 の 平 成 二 〇 年 版 国 民 生 活 白 書 八 七 頁 以 下 で は 、 消 費 者 被 害 の 状 況 に つ い て 、 事 業 者 の 相 談 窓 口 、 国 民 生 活 セ ン タ ー 、 消 費 生 活 セ ン タ ー に 寄 せ ら れ た 相 談 を 基 に 詳 細 な 析 が な さ れ て い る 。 ま た 、 国 民 生 活 セ ン タ ー に は 、 全 国 消 費 生 活 情 報 ネ ッ ト ワ ー ク ・ シ ス テ ム ︵ P IO-NE T ︶ と い う 情 報 収 集 シ ス テ ム が 導 入 さ れ て い る 。 北研 46(2・ )

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쐍 4 ︶ 消 費 者 契 約 法 制 定 の 際 の 衆 議 院 商 工 委 員 会 に お け る 消 費 者 契 約 法 案 に 対 す る 附 帯 決 議 お よ び 参 議 院 経 済 ・ 産 業 委 員 会 に お け る 消 費 者 契 約 法 案 に 対 す る 附 帯 決 議 に お い て 、 消 費 者 団 体 の 役 割 が 重 要 で あ る と 記 さ れ て い る 。 쐍 5 ︶ 被 害 を 受 け た 個 々 の 消 費 者 の 損 害 の 補 塡 は 、 損 害 賠 償 制 度 が 被 害 を 受 け た 消 費 者 の 事 後 的 救 済 の た め に 存 在 し 、 基 本 的 に は 被 害 を 受 け た 個 々 の 消 費 者 に 損 害 賠 償 請 求 権 が 帰 属 す る こ と か ら 、 被 害 当 事 者 で な い 消 費 者 団 体 に そ の 権 利 を 付 与 す る こ と は で き な い 、 と 解 さ れ て き た 。 消 費 者 団 体 に 損 害 賠 償 請 求 権 を 付 与 す る た め に は 、 被 害 を 受 け た 個 々 の 消 費 者 が 有 す る 損 害 賠 償 請 求 権 と の 関 係 を ど の よ う に 調 整 す る か 、 損 害 賠 償 の 対 象 と な る 個 々 の 消 費 者 を ど の よ う に 特 定 す る か 、 消 費 者 団 体 が 得 た 賠 償 金 を ど の よ う に 配 す る か の 点 に つ い て 、 検 討 す る 必 要 が あ る 。 こ の よ う な 問 題 点 が 解 釈 上 解 消 で き な い こ と か ら 、 消 費 者 が 受 け た 損 害 の 回 復 を 求 め る 権 利 を 消 費 者 団 体 に 付 与 す る 制 度 の 導 入 は 、 見 送 ら れ た の で あ る 。 쐍 6 ︶ 二 〇 〇 六 年 の 消 費 者 契 約 法 改 正 で 参 議 院 は 、 消 費 者 被 害 の 救 済 の 実 効 性 を 確 保 す る た め 、 適 格 消 費 者 団 体 が 損 害 賠 償 等 を 請 求 す る 制 度 に つ い て 、 司 法 ア ク セ ス の 改 善 手 法 の 展 開 や 犯 罪 収 益 剥 奪 ・ 不 当 利 益 返 還 の 仕 組 み の 検 討 を 踏 ま え つ つ 、 そ の 必 要 性 等 を 検 討 す る こ と 。 と の 附 帯 決 議 を し た 。 ま た 、 二 〇 〇 八 年 六 月 二 七 日 閣 議 決 定 さ れ た 消 費 者 行 政 推 進 基 本 計 画 に お い て は 、 権 訴 、 違 法 収 益 の は く 奪 等 も 視 野 に 入 れ つ つ 、 被 害 者 救 済 の た め の 法 的 措 置 の 検 討 を 進 め る こ と も 重 要 で あ る 。 と の 指 摘 が な さ れ て い る 。 さ ら に 二 〇 〇 九 年 四 月 に 消 費 者 庁 の 設 置 が 決 ま り 、 消 費 者 及 び 消 費 者 委 員 会 設 置 法 附 則 六 条 に は 、 不 当 な 利 益 の 剥 奪 と こ れ に よ る 被 害 者 救 済 の 制 度 に つ い て の 必 要 な 措 置 を 施 行 後 三 年 を 目 途 と し て 講 ず る と 規 定 さ れ た 。 こ の よ う に 、 消 費 者 保 護 の 実 効 性 を 確 保 す る た め に 、 消 費 者 の 受 け た 損 害 の 回 復 を 図 る 制 度 の 策 定 は 、 喫 緊 の 検 討 課 題 と な っ て い る の で あ る 。

第 一 節 序 消 費 者 を 保 護 し 、 消 費 者 が 被 害 を 受 け た と き 、 い か に し て 消 費 者 の 被 害 の 回 復 を 図 る か 。 消 費 者 の 被 っ た 損 害 を 回 北研 46(2・ )

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復 す る た め の 訴 制 度 の あ る べ き 姿 を 明 ら か に す る た め に は 、 保 護 の 対 象 で あ る 消 費 者 の 概 念 を 明 ら か に す る 必 要 が あ る 。 す な わ ち 、 消 費 者 と は ど の よ う に 定 義 さ れ う る も の か 、 そ の 法 的 性 質 は い か な る も の か を 明 ら か に す る 必 要 が 쐍 1 ︶ あ る 。 消 費 者 は 、 日 常 生 活 を 営 む た め に 商 品 ・ サ ー ビ ス を 購 入 ま た は 利 用 し 、 消 費 す る 。 商 品 ・ サ ー ビ ス を 営 業 の た め 、 転 売 の た め に 購 入 す る の で は な い 。 消 費 者 は 、 多 様 な 商 品 ・ サ ー ビ ス の 中 か ら 、 日 用 に 必 要 な 商 品 ・ サ ー ビ ス を 選 別 し 、 生 命 ・ 生 活 維 持 の た め に 購 入 ま た は 利 用 す る の で あ る 。 し た が っ て 消 費 者 は 、 自 然 人 た る 個 人 で あ っ て 法 人 で は な い 。 こ れ に 対 し 事 業 者 は 、 消 費 者 が 購 入 す る 商 品 ・ サ ー ビ ス を 、 利 潤 追 求 の た め に 、 規 格 化 し 、 統 一 的 か つ 専 門 的 に 、 製 造 ・ 販 売 し ま た は 提 供 す る 。 し た が っ て 事 業 者 は 、 自 然 人 で あ る こ と も 法 人 で あ る こ と も あ る 。 消 費 者 と 事 業 者 は 、 商 品 ・ サ ー ビ ス を 取 引 す る 当 事 者 で あ る 。 商 品 購 入 ま た は サ ー ビ ス 利 用 に あ た り 、 商 品 に 関 す る 一 定 の 性 質 、 品 質 に つ い て 有 す る 知 識 ・ 認 識 あ る い は 情 報 に お い て 、 消 費 者 と 事 業 者 と の 間 で 差 の な い こ と が 、 取 引 の 前 提 と な る 。 事 業 者 は 、 統 一 的 、 専 門 的 か つ 正 確 な 知 識 ・ 認 識 を も っ て 、 取 引 対 象 の 商 品 ・ サ ー ビ ス を 販 売 し ま た は 提 供 す る 。 し か し 消 費 者 は 、 こ の よ う に 統 一 化 か つ 専 門 化 さ れ た 商 品 ・ サ ー ビ ス に つ い て の 知 識 ・ 認 識 も 情 報 も ほ と ん ど 持 ち 合 わ せ て い な い 。 も っ ぱ ら 事 業 者 が 提 供 す る 情 報 か ら 商 品 ・ サ ー ビ ス に 関 す る 知 識 ・ 認 識 、 情 報 を 得 る よ り ほ か は な い の で あ る 。 そ の 意 味 に お い て 消 費 者 は 、 事 業 者 に 従 属 し た 関 係 に あ る と い え よ う 。 こ の よ う な 取 引 関 係 に お け る 従 属 関 係 を 解 消 し 、 消 費 者 と 事 業 者 と が 本 来 あ る べ き 対 等 な 取 引 関 係 を 構 築 す る に は 、 平 か つ 自 由 な 関 係 を 確 保 す る 必 要 が あ る 。 取 引 の 当 事 者 間 に 知 識 ・ 認 識 、 情 報 の 質 お よ び 量 に お い て 差 が 生 じ て い る 現 代 の 取 引 を 民 法 が 実 効 的 に 規 律 す る こ と は 、 困 難 と い え よ う 。 と い う の は 、 民 法 は 、 取 引 社 会 の 基 本 的 ル ー ル と し て の 原 理 的 な 規 定 を 示 し 、 取 引 主 体 を 抽 象 的 ・ 普 遍 的 쐍 2 ︶ な 人 と し て 想 定 し て い る か ら で あ る 。 抽 象 的 、 一 般 的 に 規 定 す る 民 法 の み 北研 46(2・ )

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で は 、 現 代 的 な 取 引 の 多 様 性 に 対 応 し き れ な い の で あ る 。 取 引 の 目 的 、 取 引 の 性 質 と の 関 連 か ら 定 義 さ れ う る 人 を 特 別 な カ テ ゴ 쐍 3 ︶ リ ー 、 す な わ ち 消 費 者 、 事 業 者 と 位 置 付 け る 必 要 が 쐍 4 ︶ あ る 。 取 引 に 現 れ る 人 を 消 費 者 や 事 業 者 と 細 類 化 し 、 民 法 上 の 人 を 補 充 化 し 、 あ る い は 具 現 化 す る 概 念 と し て 位 置 づ け る 必 要 が 出 て き た の で 쐍 5 ︶ あ る 。 消 費 者 の 쐍 6 ︶ 概 念 、 消 費 者 の 有 す る 権 利 の 内 容 は 、 こ の よ う な 観 点 か ら 導 き 出 さ れ る も の で あ る 。 し か し 、 こ れ ま で 、 消 費 者 の 概 念 が 問 題 と さ れ る こ と は 少 な く 、 そ の た め 積 極 的 に 定 義 づ け ら れ る こ と は ほ と ん ど な か 쐍 7 ︶ っ た 。 本 稿 に お い て 消 費 者 と は 、 自 己 の た め に 事 業 者 の 供 給 す る 商 品 を 購 入 し 、 ま た は サ ー ビ ス を 利 用 す る 主 体 を い い 、 事 業 者 に 対 立 す る 概 念 で あ る と 定 義 す る に と ど 쐍 8 ︶ め る 。 こ の よ う に 新 た な 位 置 づ け が 求 め ら れ て い る 消 費 者 は 、 こ れ ま で ど の よ う に 保 護 さ れ て き た か 。 こ れ ま で の 消 費 者 保 護 政 策 の 経 緯 を み る こ と に よ っ て 、 今 後 の 消 費 者 保 護 政 策 の 方 向 性 、 そ し て 消 費 者 保 護 の た め の 訴 쐍 9 ︶ 制 度 の あ る べ き 姿 が 明 ら か と な る で あ ろ う 。 第 二 節 消 費 者 保 護 の 始 쐍 10 ︶ ま り 一 九 五 〇 年 代 か ら の 高 度 経 済 成 長 に よ り 、 事 業 者 は 、 商 品 に 対 す る 生 産 力 、 販 売 力 を 背 景 に 、 生 産 ・ 販 売 に 対 し て 自 由 な 選 択 と 販 売 活 動 の 領 域 を 拡 大 し て き た 。 こ れ に 対 し 消 費 者 は 、 日 常 生 活 を 営 む た め に 商 品 を 購 入 し 、 用 ・ 消 費 す る ス タ イ ル に 変 化 は な か っ た 。 多 様 化 し た 商 品 に つ い て の 知 識 ・ 認 識 は 、 も っ ぱ ら 事 業 者 の 提 供 す る 情 報 か ら 得 る こ と に 変 わ り は な か っ た 。 こ の よ う な 消 費 者 と 事 業 者 と で 取 引 さ れ る 商 品 に 対 す る 知 識 ・ 認 識 の 格 差 を 縮 小 さ せ 、 北研 46(2・ )

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対 等 な 取 引 関 係 を 築 き 上 げ る た め の 政 策 は 、 消 費 者 が 置 か れ て い る 状 況 を 前 提 と す る 。 当 初 は 、 事 業 者 を 食 品 衛 生 法 や 割 賦 販 売 法 な ど の い わ ゆ る 業 法 等 に 基 づ い て 規 制 す る 手 法 、 い わ ば 事 業 者 を 規 制 す る 政 策 が 採 ら れ た 。 こ こ で の 消 費 쐍 11 ︶ 者 像 は 、 事 業 者 の 活 動 に 対 す る 規 制 の 結 果 、 反 射 的 に 保 護 さ れ る も の と し て 、 反 射 的 ・ 受 動 的 な 立 場 に 置 か れ た 弱 い 消 費 者 、 保 護 さ れ る 者 に す ぎ な か っ た 。 他 方 事 業 者 は 、 営 業 ま た は 事 業 活 動 に よ り 利 潤 を 獲 得 す る た め に 商 品 を 販 売 す る こ と か ら 、 あ い ま い な 広 告 、 誇 大 広 告 に よ る 情 報 提 供 ま た は 懸 賞 販 売 等 に よ る 不 当 な 販 売 方 法 を と る こ と が 多 く な っ て き た 。 ま た 、 高 度 経 済 成 長 を 下 支 え す る 大 量 生 産 ・ 大 量 販 売 は 、 欠 陥 商 品 を 大 量 に 市 場 に 流 通 さ せ る 背 景 と も な っ た 。 欠 陥 商 品 か ら 消 費 者 の 生 命 ・ 身 体 を 害 す る 事 件 た と え ば 、 多 数 の 乳 児 が 死 亡 し た 森 永 ヒ 素 ミ ル ク 中 毒 事 件 ︵ 一 九 五 五 年 ︶ 、 薬 成 の サ リ ド マ イ ド に よ る 先 天 性 の 奇 形 を も っ た 子 が 生 ま れ た サ リ ド マ イ ド 事 件 ︵ 一 九 六 二 年 ︶ 、 カ ネ ミ 油 症 事 件 ︵ 一 九 六 八 年 ︶ な ど が 発 生 し た 。 こ の よ う な 社 会 情 勢 、 市 場 取 引 に お け る 状 況 か ら 消 費 者 を 保 護 す る た め 、 一 九 六 一 年 五 月 に 国 民 生 活 向 上 対 策 審 議 会 が 設 置 さ れ 、 消 費 者 問 題 へ の 取 り 組 み が 始 ま っ た 。 同 審 議 会 は 、 以 下 の よ う な 方 向 性 を 示 し た 。 す な わ ち 、 国 民 経 済 の 成 長 ・ 発 展 、 技 術 革 新 に 伴 う 消 費 生 活 の 多 様 化 ・ 複 雑 化 等 に 対 処 し 、 消 費 者 を 保 護 す る た め 、 国 が と る べ き 基 本 的 方 向 性 は 、 生 産 者 か ら 消 費 者 へ と 主 体 の 転 換 に あ っ た 。 そ の 前 提 と し て 、 消 費 者 の 有 す る 쐍 12 ︶ 権 利 を 明 確 に す る 必 要 が 쐍 13 ︶ あ る 。 し か し 消 費 者 の 権 利 は 、 ① 消 費 者 が き わ め て 多 数 で あ り な が ら 未 組 織 で あ り 、 し か も 、 日 常 の 生 活 の た め に 商 品 の 購 入 ・ 消 費 を 止 め る こ と が で き な い 、 ② 消 費 者 の 購 入 し 、 消 費 す る 商 品 が 多 岐 に わ た る こ と か ら 、 す べ て の 商 品 に 対 す る 知 識 が 十 で な く 、 ま た 消 費 者 の 購 入 し 、 消 費 す る 商 品 が 生 産 技 術 の 進 歩 に よ っ て 品 質 、 性 能 に お い て 複 雑 化 し 、 購 入 に 当 っ て 消 費 者 が 必 ず し も 合 理 的 な 行 動 を と る と は 限 ら な い 、 ③ 消 費 者 は 心 理 的 な 弱 点 た と え ば 射 幸 心 、 虚 栄 心 、 非 科 学 性 な ど を も っ て い る か ら 、 購 入 に 当 っ 北研 46(2・ )

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て 消 費 者 が 必 ず し も 合 理 的 な 行 動 を と る と は 限 ら な い 、 と き わ め て 侵 害 さ れ や す い 状 況 に 置 か れ て い る 。 行 政 が 消 費 者 保 護 の た め の 方 策 の 中 心 と な る べ き で あ っ て 、 各 省 が 独 自 で 行 な っ て い る 消 費 者 保 護 行 政 を 統 一 的 見 地 か ら 合 調 整 す る た め の 行 政 機 関 を 新 設 あ る い は 拡 充 強 化 す る こ と が 必 要 で あ る 。 こ の よ う な 見 地 か ら 、 一 九 六 五 年 六 月 消 費 者 保 護 の 強 化 を 目 的 に 、 経 済 企 画 庁 国 民 生 活 局 ︵ 後 の 内 閣 府 国 民 生 活 局 ︶ に 国 民 生 活 審 議 会 が 設 置 さ れ た 。 ま た 、 事 業 者 な い し 事 業 活 動 に 対 す る 監 督 官 庁 の 権 限 を 定 め た 、 い わ ゆ る 業 法 野 で の 法 整 備 も 進 ん だ 。 食 品 衛 生 法 が 改 正 さ れ ︵ 一 九 五 七 年 ︶ 、 薬 事 法 ︵ 一 九 六 〇 年 ︶ 、 割 賦 販 売 法 ︵ 一 九 六 一 年 ︶ 、 景 品 表 示 法 ︵ 一 九 六 三 年 ︶ な ど が 制 定 さ れ た 。 一 九 六 八 年 五 月 消 費 者 保 護 基 本 法 が 制 定 さ れ 、 一 九 七 五 年 一 〇 月 国 民 生 活 セ ン タ ー が 設 置 さ れ た 。 商 品 取 引 に 関 わ る 問 題 は 、 消 費 者 の 生 命 ・ 身 体 を 害 す る 商 品 の 品 質 ・ 安 全 性 が 中 心 で あ っ た 。 し か し 、 次 第 に 契 約 締 結 に 関 わ る 問 題 へ と 移 っ た 。 と い う の は 、 大 量 生 産 ・ 大 量 販 売 を 背 景 に 、 取 引 を 簡 ・ 迅 速 に 行 う た め に 、 契 約 内 容 を 事 業 者 が 定 型 化 ・ 書 面 化 し た 約 款 が 広 く 用 い ら れ る よ う に な っ た か ら で あ る 。 第 三 節 約 款 の 適 正 化 1 事 業 者 は 、 知 識 ・ 情 報 面 で 優 位 に 立 つ こ と か ら 取 引 に 用 す る 約 款 を 、 事 前 か つ 一 方 的 に 作 成 し 、 他 方 消 費 者 は 、 約 款 に 記 載 さ れ た 契 約 内 容 に つ い て 事 実 上 渉 の 余 地 が な か っ た 。 契 約 を 結 ぶ か 否 か の 自 由 を 有 す る に す ぎ な か っ た 。 ま た 、 一 部 の 業 種 で は す べ て の 事 業 者 が 同 一 内 容 の 約 款 を 用 い て い た こ と か ら 、 消 費 者 と 事 業 者 と の 取 引 内 容 が 同 一 の も の と な り 、 正 で 自 由 な 競 争 が 損 な わ れ る お そ れ も あ っ た 。 こ れ は 、 約 款 に よ る 取 引 に お い て 消 費 者 の 北研 46(2・ )

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本 来 有 す る 契 約 の 自 由 ま た は 選 択 の 自 由 が 制 限 さ れ て い る 状 況 に あ る こ と を 意 味 し て い た 。 そ こ で 、 約 款 を 用 い る 取 引 に お け る 消 費 者 の 利 益 を 擁 護 す る た め の 方 策 が 重 要 な 課 題 と な っ た 。 2 第 八 次 国 民 生 活 審 議 会 消 費 者 政 策 部 会 ︵ 一 九 七 九 年 ∼ 一 九 八 一 年 ︶ は 、 消 費 者 取 引 に 用 い ら れ る 約 款 の 適 正 化 に つ い て 調 査 ・ 審 議 を 行 い 、 約 款 適 正 化 に 関 す る 基 本 的 な え 方 お よ び 個 別 쐍 14 ︶ 業 種 の 約 款 の 適 正 化 に つ い て の 報 告 書 を 、 続 く 第 九 次 国 民 生 活 審 議 会 消 費 者 政 策 部 会 ︵ 一 九 八 二 年 ∼ 一 九 八 四 年 ︶ は 、 諸 外 国 に お け る 約 款 規 制 の 実 情 等 に つ い て 調 査 ・ 審 議 を 行 い 、 我 が 国 に お け る 約 款 適 正 化 お よ び 個 別 쐍 15 ︶ 業 種 の 約 款 の 適 正 化 の 在 り 方 に つ い て の 報 告 書 を 表 し た 。 こ の 報 告 書 で は 、 一 般 消 費 者 の 取 引 の 実 態 に 対 応 し 、 消 費 者 の 保 護 に 向 け た 約 款 と す る こ と 、 そ し て 消 費 者 に と っ て 契 約 を 締 結 す る か ど う か の 判 断 に 必 要 な 重 要 事 項 を 約 款 上 明 確 に し 、 そ の 内 容 を 十 か つ 適 切 に 消 費 者 に 提 供 す る こ と を 約 款 適 正 化 の 基 礎 に 据 え た 。 そ し て 適 正 化 の た め に 、 事 業 者 に は 消 費 者 の 意 見 ・ 意 向 を 約 款 に 反 映 さ せ 、 苦 情 ト ラ ブ ル に 対 し 誠 実 に 対 応 し 、 個 々 の 苦 情 に つ い て 検 討 を 加 え 、 約 款 の 改 正 に 努 め る こ と を 求 め た 。 消 費 者 に は 契 約 に 対 す る 意 識 の 高 揚 を 図 る こ と を 求 め 、 行 政 に は 実 効 性 あ る 指 導 を 事 業 者 に 行 い 、 消 費 者 意 識 を 啓 発 し 、 ト ラ ブ ル 事 例 を 表 す る こ と な ど を 求 め た 。 ま た こ の 報 告 書 は 、 約 款 適 正 化 を 図 る 上 で 中 心 的 役 割 を 果 た す 機 関 の 設 置 、 約 款 を 規 制 す る 法 律 の 制 定 、 事 後 的 争 処 理 の た め の 法 律 の 制 定 に つ い て も 言 及 し た 。 3 役 務 の 提 供 ︵ サ ー ビ ス ︶ を 目 的 と す る 取 引 が 増 大 す る と と も に 、 ト ラ ブ ル も 増 加 し て い 쐍 16 ︶ っ た 。 と い う の は 、 消 費 者 は 、 提 供 さ れ る サ ー ビ ス の 内 容 お よ び 契 約 上 の 権 利 関 係 に つ い て 、 約 款 等 を 検 討 し な い こ と が 少 な く な か っ た か ら で あ る 。 第 一 一 次 国 民 生 活 審 議 会 消 費 者 政 策 部 会 ︵ 一 九 八 六 年 ∼ 一 九 八 八 年 ︶ は 、 サ ー ビ ス 取 引 に お け る 約 款 適 正 化 の た め の 委 員 会 を 設 쐍 17 ︶ け た 。 取 引 の 対 象 で あ る サ ー ビ ス は 、 契 約 締 結 時 に 有 形 の 商 品 と し て 存 在 し て お ら ず 、 契 北研 46(2・ )

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約 締 結 後 に 提 供 さ れ 、 提 供 後 は 元 の 状 態 に 戻 す こ と が で き ず 、 品 質 に つ い て の 客 観 的 評 価 が 困 難 で あ る と い う 特 徴 を も っ て い る 。 こ の よ う な サ ー ビ ス 取 引 の 特 徴 か ら 、 事 業 者 ・ 消 費 者 双 方 の 権 利 ・ 義 務 を 具 体 的 か つ 明 確 に 定 め 、 事 業 者 の 提 供 す る サ ー ビ ス 内 容 と 消 費 者 の 期 待 す る サ ー ビ ス 内 容 が 一 致 す る よ う に 約 款 等 で サ ー ビ ス 内 容 を 明 確 に す る こ と 、 想 定 ど お り の 取 引 が 遂 行 さ れ な か っ た 場 合 の 解 決 方 法 を 事 前 に 定 め 、 争 の 防 止 を 図 る こ と が 極 め て 重 要 で あ る と え ら れ た 。 ま た 、 約 款 適 正 化 た め の 、 約 款 規 制 を 定 め る 新 法 に は 、 事 後 的 な 争 処 理 の み で は な く 、 事 業 者 が 約 款 を 作 成 す る 場 合 お よ び 行 政 指 導 を 行 う 場 合 の 規 範 を 含 め る べ き で あ る と 指 摘 さ れ た 。 裁 判 例 の 集 積 が 一 般 的 規 制 を 促 す 役 割 を も っ て い る も の の 、 約 款 に 関 す る 裁 判 例 の 集 積 が 十 で な く 、 現 行 法 体 系 と 約 款 を 規 制 す る 法 律 と の 関 係 等 に つ い て 十 な 議 論 が さ れ て い な い こ と か ら 、 関 係 諸 法 の 改 正 、 約 款 適 正 化 の た め の 新 法 制 定 は 、 積 み 残 さ 쐍 18 ︶ れ た 。 こ の 約 款 適 正 化 の た め の 新 法 制 定 の 審 議 を 引 き 継 い だ の は 、 第 一 五 次 国 民 生 活 審 議 会 消 費 者 政 策 部 会 で あ っ た 。 第 四 節 契 約 締 結 過 程 と 契 約 内 容 の 問 題 1 取 引 は 、 本 来 、 対 等 な 情 報 ・ 経 験 ・ 渉 力 な ど を 備 え た 当 事 者 の 意 思 が 合 致 す る こ と に よ り 成 立 す る も の で あ り 、 取 引 か ら 生 じ る 権 利 関 係 は 、 自 ら の 自 由 な 意 思 の 形 成 を 基 礎 と し て 築 か れ る も の で あ る 。 し か し な が ら 、 消 費 者 が 、 取 引 の 内 容 を 十 に 理 解 し な い ま ま 契 約 を 締 結 し 、 あ る い は 不 意 打 ち 的 な 勧 誘 を 受 け て 、 真 に 自 由 な 意 思 に 基 づ か ず に 契 約 を 締 結 し て し ま う こ と 、 と き に は 事 業 者 が 消 費 者 に 対 し 、 虚 偽 の 情 報 を 故 意 に 提 供 し 、 あ る い は 重 要 な 情 報 を あ え て 提 供 し な い な ど の 実 例 も あ 쐍 19 ︶ っ た 。 ま た 、 事 業 者 が 事 前 に 一 方 的 に 作 成 し た 定 型 的 な 約 款 に 基 づ い て 取 引 北研 46(2・ )

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が 行 わ れ る 場 合 に は 、 消 費 者 に と っ て 一 方 的 に 不 利 な 条 項 が 見 過 ご さ れ て し ま う こ と 、 契 約 締 結 時 点 に お い て 消 費 者 が 契 約 内 容 を 理 解 し て い た と し て も 、 価 格 を 変 す る 余 地 が 事 実 上 な く 、 契 約 を 締 結 す る か 否 か の 自 由 が あ る に す ぎ な い 現 状 も 存 在 し た 。 契 約 の 締 結 過 程 ま た は 契 約 内 容 に つ い て 、 消 費 者 に と っ て の 一 方 的 な 不 利 益 が 存 在 し 、 取 引 に あ た り 本 来 求 め ら れ て い る 前 提 が 崩 れ て い る こ と が 多 か っ た 。 こ こ で の 消 費 者 像 は 、 弱 い 消 費 者 、 保 護 さ れ る 者 か ら 消 費 者 自 ら が 主 体 的 ・ 積 極 的 な 選 択 に 基 づ い た 行 動 を と る 自 立 し た 主 体 へ と 転 換 さ れ よ う と し て い た 。 し か し 、 消 費 者 と 事 業 者 の 間 に は 、 商 品 に 関 す る 情 報 の 質 お よ び 量 並 び に 取 引 に お け る 渉 力 に 格 差 が 存 在 し た 。 消 費 者 が 適 切 な 選 択 を 可 能 と し 、 自 己 責 任 に 基 づ い た 行 動 を 可 能 と す る 環 境 を 整 備 す る 必 要 が あ っ た 。 こ の よ う な 見 地 か ら 、 第 一 五 次 国 民 生 活 審 議 会 消 費 者 政 策 部 会 ︵ 一 九 九 五 年 ∼ 一 九 九 七 年 ︶ は 、 契 約 締 結 過 程 に お け る 問 題 、 契 約 条 項 に 関 す る 問 題 、 消 費 者 取 引 に 関 す る 争 解 決 に お け る 問 題 、 消 費 者 取 引 に 係 る 情 報 提 供 ・ 消 費 者 教 育 に 関 す る 問 題 を 検 討 쐍 20 ︶ し た 。 2 契 約 締 結 過 程 の 適 正 化 の た め に は 、 事 業 者 側 の 有 す る 情 報 が 適 切 に 提 供 さ れ な け れ ば な ら な い 。 た と え ば 、 ク ー リ ン グ ・ オ フ 制 度 の 導 入 に よ っ て 、 契 約 締 結 過 程 に お け る 消 費 者 の 熟 慮 性 は 、 確 保 さ れ 쐍 21 ︶ う る 。 ま た 、 国 民 生 活 セ ン タ ー 、 消 費 者 セ ン タ ー に よ る 介 入 あ る い は 情 報 の 提 供 ・ 開 に よ っ て 、 消 費 者 の 救 済 を あ る 程 度 は 図 る こ と が 可 能 で あ る 。 し か し 、 す べ て の 取 引 に 対 応 で き る も の で は な く 、 詐 欺 、 強 迫 、 錯 誤 、 序 良 俗 、 不 法 行 為 な ど の 民 法 上 の 制 度 は 、 裁 判 で 争 っ て み な い と わ か ら な い 不 安 定 さ が 쐍 22 ︶ あ る 。 国 民 生 活 セ ン タ ー な ど の 介 入 に よ り 被 害 回 復 を 図 る こ と も 可 能 쐍 23 ︶ だ が 、 こ れ ら セ ン タ ー の 活 動 に は 強 制 力 を 持 つ ほ ど の 法 的 裏 付 け は な か っ た の で 쐍 24 ︶ あ る 。 北研 46(2・ )

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こ の よ う な 状 況 に 対 処 す る た め 、 具 体 的 か つ 包 括 的 な 民 事 ル ー ル の 立 法 化 が 求 め ら れ た 。 と い う の は 、 新 た な 民 事 ル ー ル が 消 費 者 ・ 事 業 者 双 方 の 行 動 指 針 を 示 し 、 こ れ に よ り 不 適 正 な 事 業 者 の 行 為 が 抑 止 さ れ 、 争 の 事 前 防 止 が 図 ら れ る 。 ま た 発 生 し た 争 解 決 の 具 体 的 指 針 を 示 す こ と に よ り 、 事 後 的 救 済 も 図 ら れ る か ら で あ る 。 立 法 化 の 検 討 に 当 た り 、 以 下 の 点 が 重 要 で あ る と え ら れ た 。 契 約 締 結 過 程 に 関 し て は 、 信 義 則 上 の 情 報 提 供 義 務 を 事 業 者 に 課 し 、 義 務 違 反 が あ れ ば 契 約 解 除 を 可 能 と す る ル ー ル の 検 討 が 必 要 で あ る 。 こ の 場 合 、 ド イ ツ の 契 約 締 結 上 の 過 失 、 フ ラ ン ス の 情 報 提 供 義 務 、 ア メ リ カ の 非 良 心 性 お よ び 不 実 表 示 と い っ た 法 理 を 参 と す べ き で あ る と さ れ た 。 契 約 内 容 ︵ 条 項 ︶ に 関 し て は 、 信 義 則 等 の 民 法 の 一 般 原 則 の 内 容 を 具 体 化 し た も の を 解 釈 基 準 と し て 取 り 込 ん だ ル ー ル の 検 討 が 必 要 で あ る 。 こ の 場 合 、 欧 州 連 合 ︵ E U ︶ の 不 正 条 項 に 関 す る 쐍 25 ︶ 指 令 等 を 参 と す べ き で あ る と さ れ た 。 そ し て 、 争 の 事 後 の 救 済 を 図 る 観 点 か ら 、 争 の 解 決 を 担 う 機 関 、 手 続 の 整 備 充 実 を 図 る こ と が 必 要 で あ る と え ら れ た 。 ま た 、 争 の 未 然 防 止 を 図 る 観 点 か ら 、 消 費 者 へ の 情 報 提 供 の た め に 、 契 約 締 結 過 程 お よ び 契 約 条 項 に 関 す る 情 報 を 収 集 し 、 そ れ を 提 供 す る 方 法 、 消 費 者 教 育 に よ る 消 費 者 と し て の 意 識 や 能 力 の 高 揚 を 図 る 手 段 を 策 定 す る 必 要 が あ る と え ら れ た 。 こ こ ま で み て き た よ う に 、 高 度 経 済 成 長 の 時 代 は 、 行 政 の 主 導 の 下 、 お も に 事 業 者 を 目 指 す べ き 方 向 へ 誘 導 す る た め 、 事 前 規 制 、 行 政 指 導 な ど の 手 法 が 採 ら れ て い た 。 二 〇 世 紀 末 に な る と 我 が 国 の 高 度 経 済 成 長 は 、 陰 り を 見 せ 、 経 済 が 低 迷 し て き た 。 事 業 者 の 潜 在 能 力 を 発 揮 さ せ 、 こ れ に よ っ て 経 済 を 活 性 化 さ せ る た め に は 、 事 業 者 に と っ て 自 由 な 経 済 活 動 の で き る 環 境 を 整 え る 必 要 が あ る 。 事 業 者 に 対 す る 規 制 を 撤 廃 ま た は 緩 和 す る 必 要 が あ っ た の で 쐍 26 ︶ あ る 。 北研 46(2・ )

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第 五 節 消 費 者 政 策 の 転 換 と 消 費 者 契 約 法 の 制 定 1 二 一 世 紀 を 迎 え 、 経 済 社 会 の グ ロ ー バ ル 化 、 I T 化 へ の 進 展 、 規 制 緩 和 の 進 展 ・ 強 化 と 市 場 メ カ ニ ズ ム の 活 性 化 に よ り 、 市 場 に お い て 事 業 者 は 、 競 争 を よ り 活 発 に し 、 消 費 者 は 積 極 的 ・ 能 動 的 立 場 で 市 場 に 参 画 す る よ う に な っ て い っ た 。 消 費 者 が 積 極 的 ・ 能 動 的 立 場 か ら 市 場 に 参 画 す る よ う に な る と 、 消 費 者 を 保 護 す る た め の 政 策 も 転 換 が 迫 ら れ た 。 事 業 者 へ の 規 制 は 、 消 費 者 保 護 の 一 面 を 有 す る が 、 そ の 規 制 が 緩 和 さ れ る こ と に よ っ て 消 費 者 に 対 す る 保 護 は 、 希 薄 化 す る 。 消 費 者 保 護 を 維 持 な い し 強 化 す る た め に は 、 事 業 活 動 に 対 す る 規 制 は 、 事 前 抑 制 型 か ら 事 後 救 済 型 へ の 転 換 が 必 要 と な る の で あ る 。 二 〇 〇 四 年 の 消 費 者 基 本 法 に お い て 、 消 費 者 政 策 に 関 す る 基 本 理 念 が 明 確 に さ れ た 。 構 造 的 な 格 差 を 負 う 消 費 者 を 保 護 し 、 消 費 者 が 自 立 し た 主 体 と し て 能 動 的 に 行 動 す る た め に は 、 消 費 者 と し て 有 す る 쐍 27 ︶ 権 利 の 確 立 と 事 業 者 と の 格 差 の 解 消 が 求 め ら れ た こ と は 、 す で に 述 べ た と お り で あ る 。 経 済 社 会 の 変 化 が 、 弱 い 消 費 者 保 護 さ れ る 者 か ら 自 立 し た 主 体 自 主 的 か つ 合 理 的 に 行 動 す る 者 へ と の 消 費 者 像 の 移 り 変 わ り を も た ら し 、 そ の 変 化 し た 消 費 者 像 に 適 合 す る よ う に 消 費 者 政 策 は 、 さ ら な る 転 換 が 求 め ら れ た の で あ る 。 2 自 立 し た 主 体 で あ る 消 費 者 と 事 業 者 と の 構 造 的 格 差 を 解 消 し 、 消 費 者 が 本 来 有 す る 契 約 の 自 由 ま た は 選 択 の 自 由 が 確 保 さ れ る た め の 市 場 ル ー ル の 制 定 に 向 け た 消 費 者 政 策 が 推 進 さ れ た 。 民 法 の 規 律 に 整 合 ・ 連 動 す る 新 た な 規 制 が 整 備 さ れ る こ と に よ り 、 市 場 ル ー ル の 実 効 性 は 、 確 保 さ れ 、 消 費 者 の 救 済 が 可 能 と な る 。 民 法 ・ 商 法 な ど を 補 完 す る よ う な 機 能 を も ち 、 消 費 者 と 事 業 者 と の 間 に お け る 争 を 具 体 的 か つ 包 括 的 に 規 律 す る 実 効 性 あ る 法 律 、 す な わ ち 消 費 者 契 約 法 が 二 〇 〇 〇 年 に 制 定 さ れ た 。 北研 46(2・ )

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こ の 消 費 者 契 約 法 は 、 契 約 の 取 消 し 、 契 約 条 項 の 無 効 の 効 果 を 消 費 者 自 身 が 主 張 で き る 場 合 を 民 法 よ り 拡 大 し 、 消 費 者 と 事 業 者 と の 間 で 締 結 さ れ る 契 約 ︵ 消 費 者 契 約 ︶ を 広 く 対 象 と し て い る 。 ま た 、 民 事 ル ー ル の 基 本 を 定 め た 民 法 、 商 法 そ の 他 の 特 別 法 と 相 互 に 補 完 し 合 い 、 消 費 者 契 約 の 適 正 化 を 図 る 新 た な 民 事 ル ー ル を 含 ん で い た 。 し か し 、 同 法 は 、 消 費 者 契 約 を 無 効 と し 、 あ る い は 取 り 消 し う る と す る に と ど ま り 、 消 費 者 契 約 か ら 生 じ る 争 を 事 後 的 に 規 律 す る も の に す ぎ な か っ た 。 3 消 費 者 契 約 に 関 わ る 被 害 は 一 般 に 、 個 々 の 消 費 者 の 被 害 額 が 比 較 的 少 額 で あ る こ と 、 同 種 の 被 害 が 多 数 の 者 に 及 ぶ こ と に 特 徴 が あ る 。 ま た 、 被 害 額 が 少 額 で あ る こ と に 比 べ 、 訴 え 提 起 に 伴 う 費 用 と 時 間 に 対 す る 負 担 が 大 き い こ と 、 消 費 者 が 訴 に お い て 被 害 を 立 証 す る に は 困 難 が 伴 う こ と な ど か ら 、 消 費 者 は 、 訴 提 起 に は 消 極 的 な 態 度 を 示 し が ち で あ る 。 こ の た め 、 消 費 者 の 被 害 の 未 然 防 止 、 あ る い は 拡 大 防 止 を 図 る こ と が 重 要 で あ っ た 。 ま た 、 被 害 を 受 け た 消 費 者 が 被 害 回 復 の た め に 自 ら 訴 え を 提 起 し 、 こ れ に よ っ て 被 害 が 補 塡 さ れ た と し て も 、 当 該 消 費 者 個 人 の 被 害 の 回 復 に と ど ま り 、 一 般 消 費 者 の 被 害 の 未 然 防 止 、 あ る い は 拡 大 防 止 に は つ な が ら な い 。 そ こ で 、 一 般 消 費 者 の 被 害 を 効 果 的 に 予 防 す る た め 、 消 費 者 団 体 に 、 取 引 約 款 の 不 当 条 項 の 用 や 不 当 な 勧 誘 行 為 を 差 し 止 め る 権 限 、 損 害 賠 償 を 求 め る 権 限 を 付 与 す る こ と の 可 否 が 国 民 生 活 審 議 会 消 費 者 政 策 部 会 団 体 訴 制 度 検 討 委 員 会 で 検 討 さ れ た 。 消 費 者 被 害 を 効 果 的 に 救 済 ・ 予 防 し 、 消 費 者 の 争 へ の 対 応 力 を 確 保 し 、 消 費 者 の 権 利 を 実 現 す る た め に 消 費 者 の 立 場 に 立 っ て 活 動 す る 消 費 者 団 体 の 役 割 の 重 要 性 が 再 認 識 さ れ た の で 쐍 28 ︶ あ る 。 消 費 者 団 体 に と っ て 最 も 実 効 的 な 権 限 と は 、 争 の 最 終 的 解 決 手 段 で あ る 訴 を 提 起 し う る 権 限 で あ る 。 消 費 者 団 体 が 付 与 さ れ た 訴 権 を 行 す る 訴 制 度 は 、 現 行 の 訴 制 度 の 枠 組 み の 中 で 、 確 立 す べ き で あ る と さ れ た 。 被 害 の 未 然 防 止 ・ 拡 大 防 止 の た め に 事 業 者 の 不 当 な 行 為 を 差 止 め る 訴 制 度 と 被 害 の 事 後 的 救 済 の た め に 消 費 者 の 被 っ 北研 46(2・ )

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た 損 害 を 回 復 す る 訴 制 度 が え ら れ た 。 消 費 者 団 体 訴 制 度 は 、 一 定 の 要 件 を 備 え た 消 費 者 団 体 に 訴 を 提 起 す る 権 利 を 新 た に 承 認 す る も の で あ る か ら 、 消 費 者 被 害 の 実 態 ・ 特 徴 か ら 、 集 団 的 な 被 害 を 救 済 し 、 被 害 者 の 権 利 を 保 護 す る 担 い 手 と し て ふ さ わ し い 消 費 者 団 体 と は ど の よ う な 団 体 か 、 請 求 権 の 必 要 性 、 現 行 民 事 訴 制 度 と の 整 合 性 ・ 適 合 性 、 そ し て 被 害 を 受 け た 消 費 者 個 人 の 損 害 賠 償 請 求 権 と の 関 係 が 検 討 さ れ た の で 쐍 29 ︶ あ る 。 第 六 節 消 費 者 団 体 訴 制 度 の 導 入 1 消 費 者 団 体 訴 制 度 に つ い て の え 方 は 多 様 で あ っ た 。 消 費 者 団 体 訴 制 度 は 、 一 人 一 人 で は 弱 い 立 場 に あ る 消 費 者 に 代 わ っ て 、 消 費 者 団 体 が 不 当 な 契 約 、 不 当 な 行 為 を す る 事 業 者 に 対 し て 訴 を 提 起 す る こ と を 承 認 す る こ と に よ っ て 、 市 場 の 平 性 を 高 め る と い う 目 的 を も つ も の で あ る と の 見 解 が あ 쐍 30 ︶ っ た 。 ま た 、 消 費 者 に 代 わ っ て 訴 手 続 き を 維 持 す る こ と は 、 民 間 の 団 体 に 政 府 の 本 来 の 仕 事 を 代 行 し て も ら う も の で あ る 。 団 体 の 在 り 方 と し て 、 行 政 機 関 に 準 ず る 程 度 の 益 性 と 信 頼 性 の あ る 団 体 で あ る 必 要 が あ る と の 見 解 も あ 쐍 31 ︶ っ た 。 欧 州 で は 、 欧 州 連 合 ︵ E U ︶ の 消 費 者 利 益 の 保 護 の た め の 差 止 訴 に 関 す る 쐍 32 ︶ 指 令 に 基 づ い て 、 E U 加 盟 国 が 同 指 令 を 遵 守 す る た め に 必 要 な 法 律 お よ び 行 政 規 則 を 発 効 さ せ た 。 国 内 法 へ の 転 換 は 、 加 盟 各 国 に 委 ね ら れ て い た か ら 、 加 盟 国 間 で 共 同 歩 調 が 取 ら れ る こ と は な く 、 加 盟 国 の 同 指 令 の 転 換 の 仕 方 は 、 千 差 万 別 で あ っ た 。 日 本 で は 二 〇 〇 六 年 に 、 E U で の 状 況 を 踏 ま え て 、 と り わ け ド イ ツ で 採 用 さ れ て い た 団 体 訴 制 度 を 参 に 、 消 費 者 被 害 の 未 然 防 止 、 拡 大 防 止 を 図 る た め に 消 費 者 団 体 訴 制 度 が 消 費 者 契 約 法 に 導 入 さ れ た 。 そ し て 二 〇 〇 八 年 に は 不 当 景 品 類 及 び 不 当 表 示 防 止 法 並 び に 特 定 商 取 引 に 関 す る 法 律 が 改 正 さ れ 、 差 止 訴 の 対 象 と な る 事 業 者 等 の 北研 46(2・ )

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行 為 の 範 囲 が 拡 大 さ れ た 。 2 二 〇 〇 八 年 に 国 民 生 活 局 長 の 私 的 研 究 会 集 団 的 消 費 者 被 害 回 復 制 度 等 に 関 す る 研 究 会 が 設 置 さ れ て 、 集 団 的 消 費 者 被 害 の 回 復 等 に 関 し 、 関 連 す る 我 が 国 の 現 行 制 度 お よ び 諸 外 国 の 制 度 の 内 容 お よ び 運 用 状 況 に つ い て の 調 査 並 び に 制 度 の 在 り 方 に つ い て 意 見 換 が な さ れ た 。 そ の 検 討 結 果 と し て 、 二 〇 〇 九 年 八 月 に 内 閣 府 国 民 生 活 局 か ら 集 団 的 消 費 者 被 害 回 復 制 度 等 に 関 す る 研 究 会 報 告 書 が 刊 行 さ れ た 。 ま た 、 第 二 一 次 国 民 生 活 審 議 会 消 費 者 政 策 部 会 ︵ 二 〇 〇 七 年 九 月 ∼ 二 〇 〇 九 年 九 月 ︶ で の 議 論 は 、 消 費 者 団 体 に 損 害 賠 償 請 求 権 ま た は 利 益 剥 奪 請 求 権 を 付 与 す る 制 度 等 の 쐍 33 ︶ 導 入 よ り も 、 差 止 訴 に お い て 原 告 と な り う る 団 体 の 拡 大 を 図 る 方 向 に 向 い て い た 。 と り わ け 国 民 生 活 セ ン タ ー の 在 り 方 が 議 論 の 中 心 と な っ た 。 そ の 中 で 、 国 民 生 活 セ ン タ ー に 差 止 訴 に お け る 原 告 適 格 を 承 認 す べ き で あ る 、 国 民 生 活 セ ン タ ー を 適 格 消 費 者 団 体 の 提 起 す る 差 止 訴 を 支 援 す る 組 織 と 位 置 付 け る べ き で あ る な ど の 意 見 が 出 さ れ て い た 。 二 〇 〇 九 年 四 月 消 費 者 庁 及 び 消 費 者 委 員 会 設 置 法 が 成 立 し 、 消 費 者 庁 が 設 置 さ 쐍 34 ︶ れ た 。 消 費 者 庁 は 、 消 費 者 団 体 や 行 政 機 関 が 被 害 者 に 代 わ っ て 損 害 賠 償 請 求 訴 を 起 こ し 、 事 業 者 か ら 回 収 し た 賠 償 金 を 被 害 者 に 配 す る 制 度 の 検 討 を 始 쐍 35 ︶ め た 。 3 消 費 者 団 体 訴 制 度 の 活 用 쐍 36 ︶ 状 況 こ れ ま で み た よ う に 、 不 特 定 か つ 多 数 の 消 費 者 の 利 益 を 擁 護 す る た め に 差 止 請 求 権 が 付 与 さ れ た 消 費 者 団 体 ︵ 適 格 消 費 者 団 体 ︶ は 、 我 が 国 の 消 費 者 政 策 に お い て 、 重 要 な 役 割 を 担 っ て い る の で あ る 。 我 が 国 で こ れ ま で に 認 定 さ れ た 適 格 消 費 者 団 体 は 、 ① 特 定 非 営 利 活 動 法 人 消 費 者 機 構 日 本 ︵ 東 京 都 ︶ 、 ② 特 定 非 営 利 活 動 法 人 消 費 者 支 援 機 構 関 西 ︵ 大 阪 市 ︶ 、 ③ 社 団 法 人 全 国 消 費 生 活 相 談 員 協 会 ︵ 東 京 都 ︶ 、 ④ 特 定 非 営 利 活 動 法 人 北研 46(2・ )

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京 都 消 費 者 契 約 ネ ッ ト ワ ー ク ︵ 京 都 市 ︶ 、 ⑤ 特 定 非 営 利 活 動 法 人 消 費 者 ネ ッ ト 広 島 ︵ 広 島 市 ︶ 、 ⑥ 特 定 非 営 利 活 動 法 人 ひ ょ う ご 消 費 者 ネ ッ ト ︵ 神 戸 市 ︶ 、 ⑦ 特 定 非 営 利 活 動 法 人 埼 玉 消 費 者 被 害 を な く す 会 ︵ さ い た ま 市 ︶ 、 ⑧ 特 定 非 営 利 活 動 法 人 消 費 者 支 援 ネ ッ ト 北 海 道 ︵ 札 幌 市 ︶ 、 ⑨ 特 定 非 営 利 活 動 法 人 あ い ち 消 費 者 被 害 防 止 ネ ッ ト ワ ー ク ︵ 名 古 屋 市 ︶ の 九 団 体 で あ る 。 消 費 者 契 約 法 に 基 づ い て 表 さ れ た 適 格 消 費 者 団 体 の 活 動 状 況 の 概 要 は 、 以 下 の と お り で あ る 。 ⑴ 二 〇 〇 八 年 三 月 二 五 日 京 都 消 費 者 契 約 ネ ッ ト ワ ー ク は 、 不 動 産 賃 貸 仲 介 業 者 で あ る 株 式 会 社 長 栄 に 対 し 、 ① 物 賃 貸 借 契 約 の 締 結 ま た は 新 の 際 に 、 物 の 原 状 回 復 の た め の 定 額 補 修 担 金 を 賃 借 人 が 負 担 し 、 入 居 期 間 の 長 短 に 関 わ ら ず 返 還 を 求 め る こ と が で き な い と す る 定 額 補 修 担 金 条 項 を 内 容 と す る 意 思 表 示 を 行 わ な い こ と 、 ② 同 条 項 を 内 容 と す る 契 約 書 雛 型 を 破 棄 す る こ と な ど を 求 め て 京 都 地 方 裁 判 所 に 提 訴 し た 。 二 〇 〇 九 年 九 月 三 〇 日 同 地 裁 は 、 ① の う ち 物 賃 貸 借 契 約 の 締 結 の 際 に 定 額 補 修 担 金 条 項 を 内 容 と す る 意 思 表 示 を 行 わ な い こ と に つ い て 請 求 を 認 容 し 、 ② な ど に つ い て 訴 え を 却 下 し 、 ま た は 請 求 を 棄 却 し た 。 京 都 消 費 者 契 約 ネ ッ ト ワ ー ク は 、 請 求 の 棄 却 さ れ た 部 の 一 部 に つ い て 控 訴 し た が 、 二 〇 一 〇 年 三 月 二 六 日 控 訴 は 棄 却 さ れ た 。 上 告 中 。 ⑵ 二 〇 〇 八 年 四 月 八 日 消 費 者 支 援 機 構 関 西 は 、 貸 金 業 者 で あ る ニ ュ ー フ ァ イ ナ ン ス 株 式 会 社 に 対 し 、 ① 利 息 付 金 銭 消 費 貸 借 契 約 の 借 主 が 返 済 期 限 前 に 貸 付 金 の 残 額 全 額 を 返 済 す る 場 合 に 、 利 息 の ほ か に 残 元 金 に 対 す る 割 合 的 金 員 を 貸 主 に 支 払 う こ と お よ び ② 期 限 の 利 益 を 喪 失 し た こ と に よ り 残 元 金 を 直 ち に 返 済 す べ き 義 務 が 生 じ 、 貸 付 金 の 残 額 全 額 を 返 済 す る 場 合 に 、 利 息 お よ び 遅 損 害 金 の ほ か に 残 元 金 に 対 す る 割 合 的 金 員 を 貸 主 に 支 払 う こ と を 内 容 と す る 早 期 完 済 違 約 金 条 項 を 含 む 契 約 の 締 結 の 停 止 並 び に 当 該 条 項 を 含 む 借 用 証 書 の 用 紙 の 北研 46(2・ )

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廃 棄 を 求 め て 、 京 都 地 方 裁 判 所 に 提 訴 し た 。 同 地 裁 は 二 〇 〇 九 年 四 月 二 三 日 、 ① に つ い て の 契 約 締 結 の 停 止 と 借 用 証 書 の 廃 棄 を 求 め る 請 求 を 認 容 し 、 ② に つ い て 借 用 証 書 の 改 定 に よ り 同 内 容 の 条 項 は 用 さ れ て お ら ず 、 ま た 用 さ れ る お そ れ も 認 め ら れ な い と し て 請 求 を 棄 却 し た 。 消 費 者 支 援 機 構 関 西 は 、 こ の 棄 却 さ れ た 部 に つ い て 控 訴 し た が 、 二 〇 〇 九 年 一 〇 月 二 三 日 控 訴 は 棄 却 さ れ た 。 ⑶ 二 〇 〇 八 年 八 月 一 二 日 京 都 消 費 者 契 約 ネ ッ ト ワ ー ク は 、 不 動 産 賃 貸 業 者 で あ る 大 和 観 光 開 発 株 式 会 社 に 対 し 、 ① 物 賃 貸 借 契 約 の 締 結 ま た は 新 の 際 に 、 賃 貸 人 が 受 領 す る 敷 金 に 関 し て 物 賃 貸 借 契 約 終 了 時 に お い て 賃 借 人 に 返 還 さ れ る べ き 敷 金 の う ち 一 定 額 を 返 還 し な い こ と を 内 容 と す る 敷 引 き 特 約 条 項 を 用 し た 意 思 表 示 を し な い こ と お よ び 従 業 員 に 対 し 上 記 意 思 表 示 を 行 う た め の 事 務 を 行 わ な い よ う 指 示 す る こ と を 求 め て 京 都 地 方 裁 判 所 に 提 訴 し た 。 大 和 観 光 開 発 株 式 会 社 は 、 ① に つ い て の 請 求 を 認 諾 し た 。 ② の 請 求 に つ い て 同 地 裁 は 、 二 〇 〇 九 年 一 月 二 八 日 大 和 観 光 開 発 株 式 会 社 が ど の よ う な 内 容 の 義 務 を 負 う か の 点 に つ い て 不 明 確 で あ っ て 、 請 求 の 特 定 を 欠 く と し て 訴 え を 却 下 し た 。 こ の 却 下 さ れ た 部 に つ い て 京 都 消 費 者 契 約 ネ ッ ト ワ ー ク は 、 控 訴 し た 。 し か し 、 二 〇 〇 九 年 六 月 一 六 日 控 訴 は 棄 却 さ れ 、 確 定 し た 。 ⑷ 二 〇 〇 八 年 八 月 二 八 日 消 費 者 支 援 機 構 関 西 は 、 英 会 話 教 室 等 を 経 営 す る 株 式 会 社 F ORT R E S S , JAP AN に 対 し 、 不 当 勧 誘 、 退 去 妨 害 、 不 実 告 知 お よ び 不 利 益 事 実 の 不 告 知 の 行 為 を 行 わ な い こ と 、 こ れ ら の 行 為 を 容 認 ま た は 推 奨 す る 内 容 を 記 載 し た 文 書 の 廃 棄 並 び に 従 業 員 に 対 し こ れ ら の 点 に つ い て 指 導 す る こ と を 求 め て 、 大 阪 地 方 裁 判 所 に 提 訴 し た 。 二 〇 〇 九 年 三 月 四 日 消 費 者 支 援 機 構 関 西 の 請 求 に っ た 内 容 で 裁 判 上 の 和 解 が 成 立 し た 。 ⑸ 二 〇 〇 八 年 一 二 月 三 日 京 都 消 費 者 契 約 ネ ッ ト ワ ー ク は 、 冠 婚 葬 祭 互 助 会 業 者 株 式 会 社 セ レ マ と 会 員 募 集 業 者 北研 46(2・ )

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株 式 会 社 ら く ら く ク ラ ブ 互 助 会 に 対 し 、 契 約 解 約 時 に 支 払 済 み 金 額 か ら 所 定 の 解 約 手 数 料 を 控 除 し た 残 額 を 返 還 す る 内 容 の 意 思 表 示 を 行 わ な い こ と 、 同 内 容 を 記 載 す る 契 約 書 雛 型 を 破 棄 す る こ と お よ び 以 上 の 点 を 従 業 員 へ 指 導 す る こ と を 求 め て 京 都 地 方 裁 判 所 に 提 訴 し た 。 係 属 中 。 ⑹ 二 〇 〇 九 年 三 月 一 八 日 ひ ょ う ご 消 費 者 ネ ッ ト は 、 旅 行 業 者 株 式 会 社 ジ ャ ル ツ ア ー ズ に 対 し 、 募 集 型 企 画 旅 行 契 約 を 締 結 す る に 際 し 訴 外 株 式 会 社 日 本 航 空 イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル の 発 行 す る 企 業 ポ イ ン ト 特 典 を 利 用 し て 旅 行 代 金 を 決 済 し た 旅 行 者 が 同 旅 行 契 約 を 解 除 し た 場 合 は 、 企 業 ポ イ ン ト を 返 還 し な い こ と を 内 容 と す る 条 項 を 含 む 契 約 を 締 結 し な い こ と お よ び ウ ェ ブ ペ ー ジ か ら 同 条 項 を 削 除 す る こ と な ど を 求 め て 、 神 戸 地 方 裁 判 所 に 提 訴 し た 。 係 属 中 。 ⑺ 二 〇 〇 八 年 五 月 九 日 消 費 者 機 構 日 本 は 、 資 格 講 座 運 営 業 者 株 式 会 社 合 資 格 に 対 し 、 資 格 講 座 の 受 講 契 約 締 結 後 は 一 切 の 返 金 に 応 じ な い と の 受 講 生 の 解 約 権 を 制 限 す る 契 約 条 項 の 用 停 止 、 受 講 契 約 締 結 後 の 解 約 制 度 の 新 設 お よ び 適 正 な 精 算 ・ 返 金 規 定 の 新 設 な ど を 申 し 入 れ た 。 二 〇 〇 九 年 四 月 二 八 日 消 費 者 機 構 日 本 の 申 し 入 れ に っ た 内 容 で 裁 判 外 の 和 解 が 成 立 し た 。 ⑻ 二 〇 〇 八 年 八 月 二 八 日 消 費 者 機 構 日 本 は 、 資 格 講 座 運 営 業 者 株 式 会 社 築 資 料 研 究 社 に 対 し 、 受 講 生 の 都 合 に よ る 受 講 契 約 の 解 除 は 、 本 人 死 亡 、 重 大 な 疾 病 お よ び ク ー リ ン グ ・ オ フ を 除 い て 、 受 講 料 の 返 金 等 は 一 切 応 じ な い と の 受 講 生 の 解 約 権 を 制 限 す る 条 項 の 削 除 を 求 め る と と も に 、 中 途 解 約 規 定 お よ び 適 正 な 精 算 ・ 返 金 規 程 の 新 設 な ど を 申 し 入 れ た 。 二 〇 〇 九 年 八 月 一 日 消 費 者 機 構 日 本 の 申 し 入 れ に っ た 内 容 で 裁 判 外 の 和 解 が 成 立 し た 。 ︵ 申 し 入 れ の 一 部 に つ い て 和 解 が 留 保 さ れ て い る 。 ︶ ⑼ 二 〇 〇 八 年 八 月 二 七 日 特 定 非 営 利 活 動 法 人 ひ ょ う ご 消 費 者 ネ ッ ト は 、 各 種 資 格 試 験 予 備 を 経 営 す る 株 式 会 北研 46(2・ )

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社 法 学 館 に 対 し 、 受 講 申 込 者 の 死 亡 ま た は 重 大 な 疾 病 に よ る 場 合 等 を 除 き 、 講 座 開 講 日 以 降 は 解 約 に よ る 返 金 に 一 切 応 じ な い と の 申 込 規 約 を 、 解 約 を い つ で も 可 能 と し 、 か つ 支 払 済 受 講 料 に つ き 、 受 講 済 相 当 受 講 料 と 若 干 の 事 務 手 数 料 等 を 除 い て 返 金 す る と の 規 約 に 改 め る よ う 申 し 入 れ た 。 二 〇 一 〇 年 四 月 一 九 日 ひ ょ う ご 消 費 者 ネ ッ ト の 申 し 入 れ に っ た 内 容 で 訴 え 提 起 前 の 和 解 が 成 立 し た 。 4 以 上 の よ う に 、 適 格 消 費 者 団 体 に 差 止 請 求 権 を 付 与 し た 消 費 者 団 体 訴 制 度 は 、 裁 判 上 、 裁 判 外 を 問 わ ず 一 定 の 成 果 を 収 め て い る 。 適 格 消 費 者 団 体 が 事 業 者 の 不 当 な 行 為 を 差 止 め る こ と が で き る よ う に な っ た こ と か ら 、 一 般 消 費 者 の 被 害 の 未 然 防 止 ・ 拡 大 防 止 を 図 る こ と は 可 能 と な っ た 。 し か し 、 す で に 被 害 を 受 け た 消 費 者 は 、 事 業 者 が 自 主 的 に 損 害 を 補 塡 し な い か ぎ り 、 最 終 的 に は 、 個 別 の 訴 に よ り 自 己 の 損 害 を 回 復 す る よ り ほ か は な い の で あ る 。 被 害 を 受 け た 消 費 者 の 保 護 の た め に 、 消 費 者 団 体 が 消 費 者 の 受 け た 損 害 を 回 復 す る た め の 制 度 は 、 必 要 性 を 失 っ て い な い の で 쐍 37 ︶ あ る 。 今 後 の 消 費 者 保 護 政 策 は 、 こ の よ う な 制 度 を 導 入 す る た め の 整 備 へ と 進 め ら れ て い く こ と で あ ろ う 。 注 쐍 1 ︶ 消 費 者 を 取 り 巻 く 問 題 と し て 、 環 境 問 題 、 多 重 債 務 問 題 、 特 定 商 取 引 問 題 な ど が あ る が 、 本 稿 で は 、 消 費 者 契 約 法 の 対 象 と な る 消 費 者 契 約 に 関 し て の 論 述 に 限 定 す る 。 쐍 2 ︶ 民 法 ︵ 債 権 編 ︶ 改 正 の 理 由 の ひ と つ に 、 民 法 の 想 定 す る 人 の 概 念 が あ る 。 と い う の は 、 民 法 が 想 定 す る 人 は 、 抽 象 的 な 人 と し て 規 定 さ れ 、 普 遍 性 を も っ て い た 。 現 代 社 会 で 人 は 、 消 費 者 の 属 性 を も っ て 取 引 に 現 れ る よ う に な っ た 。 そ こ で 人 の 概 念 を え 直 す 必 要 が 生 ま れ た 。 そ の 方 法 と し て 、 抽 象 的 ・ 一 般 的 概 念 と し て の 人 を 幅 の あ る 概 念 と し て 実 質 化 さ せ る 。 そ し て 契 約 法 に そ の 実 質 化 を 反 映 さ せ る 。 あ る い は 、 民 法 の 中 に 消 費 者 の た め の 規 定 を 置 く 。 い ず れ の 方 法 を 採 用 し て も 民 法 の 改 正 が 必 要 と な る の で あ る ︵ 内 田 貴 今 な ぜ 債 権 法 改 正 か ? ︵ 下 ︶ N B L 八 七 二 号 ︵ 二 〇 〇 八 年 ︶ 七 二 頁 ︶ 。 쐍 3 ︶ 民 法 ︵ 債 権 法 ︶ 改 正 検 討 委 員 会 全 体 会 議 第 八 回 議 事 録 六 頁 参 照 。 三 六 頁 に お い て 大 村 敦 志 委 員 は 、 以 下 の よ う な 説 明 を し て い る 。 北研 46(2・ )

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民 法 が 普 遍 的 な 人 を 想 定 す る け れ ど も 、 契 約 目 的 と の 関 連 で 現 れ る 人 の 差 異 の 面 に も 留 意 す る 必 要 が あ る 。 民 法 上 は 人 に つ い て の 普 遍 的 な ル ー ル を 中 核 に 据 え て 、 そ れ を 補 充 す る も の と し て 差 異 の 側 面 に 着 目 す る も の 、 た と え ば 未 成 年 者 、 成 年 被 後 見 人 ま た は 被 保 佐 人 な ど を 配 置 し て い る 。 民 法 典 は 普 遍 的 な 取 引 の ル ー ル を 示 す も の で あ っ て 、 消 費 者 取 引 や 事 業 者 取 引 に 関 す る 特 則 は 、 消 費 者 ・ 事 業 者 を 人 一 般 と 同 一 の レ ベ ル に 併 存 す る カ テ ゴ リ ー で は な く 、 民 法 の 基 底 性 を 前 提 と す る サ ブ カ テ ゴ リ ー と 位 置 付 け る も の で あ る 。 쐍 4 ︶ 民 法 改 正 研 究 会 に お い て 事 業 者 、 消 費 者 は 、 人 の 属 性 と し て 位 置 づ け ら れ て い る ︵ 加 藤 雅 信 日 本 民 法 典 財 産 編 の 改 正 日 本 民 法 改 正 試 案 の 基 本 枠 組 ジ ュ リ ス ト 一 三 六 二 号 ︵ 二 〇 〇 八 年 ︶ 一 五 頁 ︶ 。 쐍 5 ︶ 民 法 ︵ 債 権 法 ︶ 改 正 検 討 委 員 会 全 体 会 議 第 七 回 議 事 録 一 一 二 頁 参 照 。 消 費 者 ・ 事 業 者 と い う 概 念 を 民 法 に 導 入 す る こ と は 、 異 質 な も の を 取 り 込 む こ と に な る 。 消 費 者 ・ 事 業 者 を 、 固 定 的 ・ 絶 対 的 に 捉 え る の で は な く 、 取 引 の 性 質 、 目 的 と の 関 連 か ら 流 動 的 ・ 相 対 的 に 捉 え る の で あ る 。 民 法 に は 一 般 的 ・ 原 理 的 規 定 と し て の 人 を 規 定 し 、 特 別 法 に 消 費 者 ・ 事 業 者 を 補 充 的 規 定 と し て 位 置 づ け る の で あ る 。 쐍 6 ︶ 正 田 教 授 は 、 消 費 者 の 概 念 を 消 費 生 活 物 資 の 購 入 者 、 生 活 す る 取 引 主 体 ま た は な ま み の 人 間 と 捉 え て い る ︵ 正 田 彬 消 費 者 の 権 利 ︵ 一 九 七 二 年 ︶ ︶ 。 二 〇 一 〇 年 に 同 書 の 新 版 が 発 行 さ れ て い る 。 新 版 に お い て も 消 費 者 の 位 置 づ け に お い て の 正 田 教 授 の 見 解 に 変 わ り は な い 。 쐍 7 ︶ 河 上 教 授 は 、 消 費 者 と 民 法 と の 関 係 を 次 の よ う に 述 べ て い る 。 消 費 者 と は 、 す べ て の 自 然 人 が 置 か れ た 一 定 の 社 会 関 係 や 状 況 依 存 的 概 念 で あ る 。 民 法 は 、 自 由 主 義 的 な 市 場 と 個 人 の 自 立 を 前 提 と し た 取 引 法 の 基 礎 を 構 築 し て い る 。 自 然 人 の 生 活 関 係 を 中 心 に 据 え 、 そ こ で の ル ー ル を 基 礎 と し て 必 要 に 応 じ て 個 人 の 能 力 や 市 場 で の 信 頼 に 配 慮 し た 修 正 を 加 え て い る 。 人 と い う 抽 象 的 権 利 主 体 を 民 法 は 想 定 し て い る が 、 生 身 の 人 間 で あ る 消 費 者 に と っ て も 民 法 は 基 本 法 で あ る 。 消 費 者 問 題 は 民 法 に よ っ て 捕 捉 で き る の で あ る ︵ 河 上 正 二 民 法 に お け る 消 費 者 の 位 置 現 代 消 費 者 法 № 四 ︵ 二 〇 〇 九 年 ︶ 四 九 頁 以 下 ︶ 。 쐍 8 ︶ 消 費 者 契 約 法 で は 、 個 人 ︵ 事 業 と し て 又 は 事 業 の た め に 契 約 の 当 事 者 と な る 場 合 に お け る も の を 除 く 。 ︶ を 消 費 者 と し 、 法 人 そ の 他 の 団 体 及 び 事 業 と し て 又 は 事 業 の た め に 契 約 の 当 事 者 と な る 場 合 に お け る 個 人 を 事 業 者 と 定 義 し て い る 。 ま た 、 事 業 活 動 以 外 の 目 的 の た め に 契 約 を 締 結 す る 者 を 消 費 者 、 事 業 活 動 の た め に 契 約 を 締 結 す る 者 を 事 業 者 と い う 、 と の 理 解 も あ る ︵ 民 法 ︵ 債 権 法 ︶ 改 正 検 討 委 員 会 編 詳 解 債 権 法 改 正 の 基 本 方 針 쑿 序 論 ・ 則 ︵ 二 〇 〇 九 年 ︶ 七 四 頁 ︶ 。 一 九 六 三 年 六 月 一 五 日 国 民 生 活 向 上 対 策 審 議 会 の 消 費 者 保 護 の 方 法 と 消 費 者 保 護 の た め の 基 本 的 方 策 の 経 済 企 画 庁 長 官 に 対 す る 答 北研 46(2・ )

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申 に お い て 、 消 費 者 の 権 利 と は 、 商 品 お よ び サ ー ビ ス が 通 常 の 社 会 人 が 一 般 に 期 待 す る よ う な 品 質 内 容 を も っ て お り 、 か つ 安 全 性 や 衛 生 の 面 な ど で 消 費 者 に 不 当 に 不 利 益 を 与 え る も の で あ っ て は な ら な い こ と 、 商 品 お よ び サ ー ビ ス の 価 格 そ の 他 の 取 引 条 件 が 自 由 か つ 平 な 競 争 に よ っ て も た ら さ れ た も の で あ る こ と 、 商 品 お よ び サ ー ビ ス の 品 質 、 性 能 、 内 容 お よ び 価 格 そ の 他 の 取 引 条 件 に 関 す る 表 示 ・ 広 告 が 適 正 か つ 妥 当 な も の で あ る こ と と さ れ て い る 。 ま た 、 消 費 者 基 本 法 二 条 に は 、 消 費 者 の 安 全 の 確 保 、 商 品 お よ び 役 務 に つ い て 消 費 者 の 自 主 的 か つ 合 理 的 な 選 択 の 機 会 が 確 保 さ れ る こ と 、 消 費 者 に 対 し 必 要 な 情 報 お よ び 教 育 の 機 会 が 提 供 さ れ る こ と 、 消 費 者 の 意 見 が 消 費 者 政 策 に 反 映 さ れ る こ と 、 消 費 者 に 被 害 が 生 じ た 場 合 に は 適 切 か つ 迅 速 に 救 済 さ れ る こ と で あ る 、 と 規 定 さ れ て い る 。 二 〇 〇 九 年 五 月 二 九 日 成 立 し た 消 費 者 庁 及 び 消 費 者 委 員 会 設 置 法 に お い て 消 費 者 の 権 利 は 、 独 立 条 項 と し て 定 義 づ け ら れ て い な い 。 三 条 の 消 費 者 庁 の 任 務 に 関 す る 規 定 の 中 に 消 費 者 基 本 法 ︵ 昭 和 四 十 三 年 法 律 第 七 十 八 号 ︶ 第 二 条 の 消 費 者 の 権 利 と 記 載 さ れ て い る に す ぎ な い 。 쐍 9 ︶ 消 費 者 の 権 利 を 実 現 す る 最 終 的 手 段 は 、 訴 で あ る 。 現 行 の 訴 制 度 は 、 一 人 対 一 人 の 争 を 念 頭 に 構 築 さ れ て い る 。 し か し 、 今 日 の 消 費 者 取 引 は 、 一 企 業 が 、 大 量 の 商 品 を 定 型 的 な 条 件 で 多 数 の 消 費 者 に 販 売 す る と い う 形 態 で 行 わ れ る こ と が 多 い 。 一 企 業 対 多 数 の 消 費 者 の 争 を 解 決 す る た め の 新 し い 訴 制 度 が 必 要 と な る 。 経 済 社 会 の 変 化 に よ っ て 生 ま れ て き た 新 し い タ イ プ の 争 を 解 決 す る 新 た な 訴 制 度 、 す な わ ち 多 数 の 者 が 受 け た 同 種 の 損 害 を 能 率 的 か つ 低 コ ス ト で 回 復 す る た め の 訴 制 度 が 求 め ら れ る の で あ る ︵ 竹 内 昭 夫 3 消 費 者 保 護 の 方 法 消 費 者 保 護 法 の 理 論 ︵ 一 九 九 五 年 ︶ 七 九 頁 ︵ 初 出 加 藤 一 郎= 竹 内 昭 夫 編 消 費 者 法 講 座 一 巻 論 ︵ 一 九 八 四 年 ︶ ︶ ︶ 。 쐍 10 ︶ 平 成 二 〇 年 版 国 民 生 活 白 書 第 二 章 消 費 者 政 策 の 経 済 析 第 一 節 消 費 者 政 策 の 発 展 七 三 頁 以 下 に お い て 、 ア メ リ カ 、 欧 州 、 日 本 、 ア ジ ア に お け る 消 費 者 政 策 の 歴 的 潮 流 が 析 さ れ て い る 。 쐍 11 ︶ 向 田 教 授 は 、 経 済 ・ 社 会 的 背 景 の 変 化 に 伴 い 形 成 さ れ た 消 費 者 像 の 見 直 し か ら 、 こ れ に 対 応 し て 転 換 さ れ て き た 消 費 者 政 策 を 論 じ て い る ︵ 向 田 直 範 二 一 世 紀 の 消 費 者 法 と 消 費 者 政 策 日 本 経 済 法 学 会 編 二 一 世 紀 の 消 費 者 法 と 消 費 者 政 策 日 本 経 済 法 学 会 年 報 第 二 九 号 ︶ 。 쐍 12 ︶ 正 田 教 授 は 、 消 費 者 の 地 位 は 、 大 企 業 ・ 支 配 的 資 本 の 集 団 を 頂 点 と し た 企 業 が 、 人 間 性 が そ の ま ま あ ら わ れ る 消 費 者 を 支 配 す る と い う 現 代 の 経 済 社 会 の 支 配 構 造 の 中 に 置 か れ て い て 、 こ の 消 費 者 の 置 か れ て い る 地 位 の 特 徴 、 す な わ ち ① 康 で 文 化 的 な 生 活 を 営 む 生 身 の 人 間 で あ る こ と 、 ② 取 引 対 象 の 商 品 に つ い て 専 門 的 、 正 確 な 知 識 を も た な い こ と 、 ③ 取 引 に お い て 事 業 者 か ら 取 引 条 件 を 強 制 さ れ る こ と が 多 い こ と が 、 消 費 者 の 権 利 を 表 し て い る と 述 べ て い る 。 北研 46(2・ )

参照

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