あなたたちのチームは、Nature’s Fury のプロジェクトにおいて、
・自然災害を経験し得るコミュニティを取り上げます(that could experience) ・自然災害が起きたときに起こる問題を取り上げます ・人々の備え・安全・復興を助けるような、革新的な解決法を創り出します ・問題とその解決方法を周りの人と共有します 10 才のティリー・スミスは、前に受けた地理の授業が彼女の命を救ったと考えています。 ティリーとそのクラスメイトは、ハワイを襲う津波の映像を静かに座って見ていました。 音を立てながら泡立つ海を見て、コップの中に注がれる炭酸飲料のようだと思いました。 水が壁のようになって海から立ち上がり、海岸に叩き付ける様子を見、またそれが残した 傷跡も知ることになりました。これは興味深いことでしたが、イギリスに住むサリーにと ってはとても遠いことのように感じられました。 ティリーが家族とタイのプーケットで冬の休日を過ごしていた時のことです。2004 年 12 月26 日、ビーチで家族と遊んでいるとき、ティリーは何かがおかしいと感じました。海が 泡立っていたのです―コップに注がれた炭酸飲料と同じように！ その瞬間、ティリーはこの奇妙な光景を見たあの授業のことを思い出しました。すぐさ ま両親に津波が近づいていることを話しましたが、二人は学校で津波について習っておら ず、それが何なのか知りません。そこでティリーは津波がどういったものであるのかを伝 え、誰もが早く海岸から逃げなくてはならないということを説明しました。ティリーの両 親はすぐに動き出し、ホテルの従業員に客を高所に逃がすよう注意を促しました－万が一 に備えて。 その日、波は海岸に打ち付けれるだけではありませんでした。ティリーが皆を移動させ てからそう時間もたたない間に、巨大な壁のような水のかたまりが海岸を乗り越え、車や 建物、そして近くにあるもの全てに襲い掛かっていきました。幸いなことに、ティリーの いたホテルの近くでは死者は出ませんでした。彼女のおかげで、大きな波が来る前にすべ ての人が安全な場所まで避難できたからです。 他の人は幸運とは言えませんでした。津波は 13 の国の海岸を襲い、海底の地震によって 引き起こされた大きな波は60 万人以上の人を傷付けました。誰しもが生き延びれたわけで はありません。多くの、多くの人々が家を失いました。いくつかの場所ではほとんど警告 がなされませんでした。津波がスマトラを襲ったのは、地震発生から30 分後のことでした。 ティリーのいたビーチに津波が到達した時間よりも、二時間以上短い時間しかなかったの です。 自然の力が人々を傷付け、資源を害するとき何が起こるのか？それが自然災害です(What happens when forces of nature harm people and damage property? A natural disaster.)。
津波だけが災害を巻き起こす自然の力ではありません。私たちの惑星は数百年にもわた って動き、変わり続けてきました。自然の力が共同体に害を与え、多くの人を危機にさら
すとき、それは自然災害と呼ばれます。あらゆる種類の自然災害が世界各国で起きていま す。毎年2 億 5 千万人の人が自然災害のさなかにいるのです。 考えてみよう。 ・雨は植物の成長を助け、私たちに飲み水をもたらします。しかし雨があまりに強く降 り、大小の河川や池を溢れさせてしまったら？洪水が起きてしまいます。 ・風が吹けば、凧や紙飛行機を飛ばすことが出来ます。しかし風があまりに強く吹き、 家に吹き付け車を飛ばしてしまったら？トルネードやハリケーンが起きてしまいます。 ・足の下で地面が動き続けているのを知っていましたか？普段はとてもゆっくり動いてい るので、それを知っている科学者くらいしかそのことを知りません。しかし、動きが激し く速くなり、地面が揺れていることを感じたり溶岩が流れているのを目視できるようにな ってしまったら？地震、そして噴火です。これらすべての自然現象が自然災害を引き起こ すきっかけになり得ます。人々の備え・安全・復興を助けるような、革新的な解決法を創 り出すことが、今回のあなたたちのプロジェクトです！ 自然現象が災害を起こす可能性のあるコミュニティを選び、プロジェクトに取り組み始 めましょう。それは市区町村や国、地域など様々な範囲を取りうるでしょう。自分たちの 住んでいる場所を選んでも良いですし、近くを選んでも問題ありません。もしあなたのチ ームが関心を持つ自然災害が付近で見られないのならば、遠くの場所を選んでも良いでし ょう。以下の自然災害のうちひとつが起きうるコミュニティを選んでください。 •雪崩や地滑り •台風 • 地震 • 津波 • 洪水 •火山の噴火 • 竜巻 • 野火 • 砂嵐、吹雪、暴風雨など どのように選べばよいかわからないなら、以下の内容について考えてみてください。 メンバーの一人ひとり – あなた自身やあなたの知人が自然災害を経験したことがある のではないでしょうか。家族や友人に質問してみることから始めましょう。自然災害に巻 き込まれたり、周囲でそれを見ていたことは？いつ、どこで、何が起きた？ あなたがかつて住んでいた場所のことを考えてみましょう。どこかで自然災害が起こっ ていたかもしれませんよ。 ニュースをチェックしましょう。世界のどこかで災害に繋がり得る自然現象は起きてい ませんか？ 場所のリストを作り、学んだことを伝えられるように準備しましょう。 チームとして － 次に、各メンバーが作ったリストを見て、その場所で何が起きたか話 し合いましょう。どのようにすれば地域を脅かす自然の力について深く知ることが出来る
のか相談してみましょう。コミュニティはそばにありますか？科学者・技術者・医療関係 者・ボランティアの方々や公の緊急対策チームなど、自然災害の時に助けになる人々に話 を聞くことはできますか？ チームとして － 詳しく調べ、プロジェクトを実践していく対象となるコミュニティを 選びましょう。上にあげた自然災害によって脅かされているコミュニティを選びます。決 める際には一緒に協力しましょう。 続いて、選んだコミュニティで自然災害を起こしうる自然現象について学んでいきましょ う。問題を特定し、いままで解決のために何がなされてきたのか知りましょう。 チームとして － コミュニティを脅かす自然現象を選び、それについて学んでいきます (自然現象は必ず上のセクションのリストにあるものから選ぶようにしてください)。すべて の自然現象が災害を引き起こすわけではないということを覚えておきましょう。自然が 人々やコミュニティを傷付けたときにだけ、自然災害となるのです。以下の質問について 考えてみましょう。 ・選んだコミュニティで、どのように自然が災害を巻き起こすのでしょう？ ・起きる問題は何でしょう？人や資源、その両方に害を与えるでしょうか？ ・コミュニティは常にリスクに直面していますか？リスクとなるのは一年のうちどのくら いでしょう？また、その危険は予測できるものでしょうか？ ・人々はどのように備えていますか？ ・人々はどのように警告を受けていますか？ ・誰が緊急時に飲食物や避難所を提供してくれますか？また、それはどのように？ ・誰が災害で生じたゴミや破片を撤去し、再建しますか？それにかかる時間は？ チームとして － コミュニティを脅かす特徴的なひとつ問題を選び、最近の解決策につ いて調べていきましょう。 今日問題に備え、対応していくために何がなされているのでしょう？人々はどのように備 え・安全・復興を普段から行うのでしょう？科学者・緊急時の指導者・第一の対応者・も しくは技術者が様々な調査や新しいテクノロジーの研究を行っているのでしょうか？政 府・軍・救急・地域の活動者、それに介護者は新しい計画をつくっているのでしょうか？ あなたたちが情報を得るために、調査報告書・書籍・雑誌やウェブサイトなどを含む様々 な資料を使うことが出来るでしょう。手に入れられるツールは何を使っても構いません。 有用な情報源は共有できるようにしておきましょう。 コミュニティの中で働く専門家は、解決策について知るうえでとても価値のある協力者に なってくれるかもしれません。 ・誰が自然災害の中で人々の安全を守るための計画を作っているでしょう？ ・誰が災害が起きたときにそれを警告してくれるのでしょう？ ・誰がどのように人々を危機から救ってくれるのでしょう？ ・誰が災害の起きた後、掃除や再建をしてくれるのでしょう？ あなたたちの選んだ問題を解決するために働いている専門家を見つけましょう。彼らとつ ながりを持つことはできそうですか？電話を使ったり、ソーシャルメディアを使ってもい いでしょう。手紙も一つの方法です。彼らが自然災害に対し、そのコミュニティの中でど のように計画を練って対処しているのか、学び取ることができますか？
取り組む問題を決めたのなら、次にすべきは革新的な解決策を創ること － それは既に 存在しているものをより改善したり、新しい使い方を提案したり、もしくは全く新しい何 かを作り出すことだと言えます。実際に取り組まれている解決手段を学ぶことは始まりに すぎません。あなたたちの提案は、自然災害の前・最中・後に、人と資源をどのように安 全に守ることが出来るでしょう？修復や再建のための時間を以下に短くすることはできる でしょうか？自然現象が災害になるのを食い止めることはできるでしょうか？人々が住み、 働き、遊ぶ場所への自然現象の影響を、どのように軽減することができるでしょうか？ チームとして － 調べた結果をもとに、解決策をデザインしましょう。 ・どれくらいの費用がかかりますか？ ・実現のためにはどのような技術が必要になりますか？ ・それは簡単なことでしょうか、それとも難しいことでしょうか？ ・その解決策は、誰もが使えるものですか？それとも限られた人にしか使えないものです か？ アイディアが誰の手によって、どのように実現できるのか考えてみましょう。 解決策が準備出来たら、それを共有しましょう！調べた問題と、それに対してあなたたち のアイディアがどのように貢献できるのかを、他の人に教えてあげてください。学んだこ とを共有するための手段はいくつか存在します。話をすること、ウェブサイトを作ること。 ちょっとした劇を演じてもいいですし、漫画やラップを作るのも良いかもしれません。ポ スター、フライヤーを渡したり、歌や物語、詩を書いてみたり..。共有のかたちはシンプル にも手の込んだものにもなりますし、シリアスなものから伝える相手を笑わせるようなも のまで幅広いものになるでしょう。 問題と解決策を相手に伝える一番良い手段は？ あなたの解決策で助けることが出来る人のことを考えてみましょう。どのようにすれば伝 えることができるでしょうか？調査と解決手段を最初に応えてくれる人、立法者・科学者・ 緊急指導者・技術者、もしくは既に問題解決に貢献しているグループの人々や、選んだコ ミュニティの責任者に紹介することはできますか？もしかしたらあなたたちのアイディア が、彼らが今直面している問題の解決策になるかもしれませんよ。 一番大事なのは、楽しむこと！これを忘れずに！ 最後に、あなたたちの取り組みを試合で審判に共有するため、プレゼンテーションの準備 をしましょう。プレゼンテーションは、ポスターやスライドショー、実物のモデルや様々 なメディア、調査に用いた道具などを取り入れ、創造的なものにしてください！強い印象 を与えることも、忘れずに。 プロジェクトの賞にふさわしく、またリードを得るためのプレゼンテーションには、以下 の要素が不可欠です。 １．チームが調査した問題を説明する(選んだ自然災害の説明も含めること)。 ２．チームの革新的な解決策を説明する。
３．チームでの発見をどのように他者と共有したか説明する。 ４．プレゼンテーションの要求を満たしていること。 ・プレゼンテーションは生で行うこと。様々なメディアを使うことができますが、そ れらはすべて生のプレゼンテーションを向上することだけを目的にします。 ・全てのメンバーが参加していること。それぞれのメンバーがプレゼンテーション中 に何らかの形で関わっていなくてはなりません。 ・準備も含め、プレゼンテーションはすべて 5 分以内に終わらせること。その際大人 の手を借りてはなりません。 プレゼンテーションがどのようにジャッジされるか、以下のアドレスで確認できます。 http://www.firstlegoleague.org/event/judging 他のことに関して、審判はあなたたち に以下のことを期待しています。 ・問題とその解決策の両方をはっきりと説明すること。 ・実際に活動する専門家へのコミットを含む、いくつかの調査方法を用いること。 ・現存する解決策と、提案する解決策を比較すること。 ・革新的であること。 ・解決策を実現させるために必要になると考えられることを示してください。 ・チームの活動によって利益を得られる人々を特定してください。 ・効果的で創造的な、伝える手段を見つけてください。 ・プロジェクトの質問ページをこまめにチェックしてください。 http://www.firstlegoleague.org/challenge/projectfaq ＦＬＬのスタッフが疑問点を解消し ます。公式に投稿された情報は、大会においても有効となります。 ・2013 年のＦＬＬページを見てください。 http://www.firstlegoleague.org/challenge/2013naturesfury トピックガイドをダウンロ ードし、調査を始めるためのウェブサイトや本のリストを確認してください。また、専門 家にコンタクトを取るヒントも書かれています。 ・ＦＬＬのコーチ用ハンドブックには多くの情報が記載されています。 http://www.firstlegoleague.org/challenge/teamresources 他にも質問がある場合は、fllprojects@usfirst.org までメールを送ってください！ 私たちは自然の力を食い止め、すべての自然災害に備えることは出来ません。しかし、学 ぶことで変化を生むことはできます。ティリースミスのことを思い出してください。彼女 は津波の兆候を伝え、何をすべきか教えることで多くの人を救いました。世界には自然災 害に備える多くの組織や団体がありますが、一度にすべての場所に存在できるわけではあ りません。次に自然災害が起きるとき、あなたは誰かを救える人間になれるかもしれませ ん。きっと自然の驚異に備えられるでしょう！
