研究論文
Fig.9 Comparison of heat release rate and cylinder pressure histories among different mixed fuel
Fig.10 Comparison of combustion property between ethane mixed fuel and shellsol mixed fuel
のの,熱効率は低下し,NOx生成量や未燃成分の増加を引 起こすが,エタン体積混合割合が 60%になると,図示熱 効率は軽油同等以上を示すため,NOxとSoot の同時低減 を達成できる. (2) エタン混合割合が 60%を超えると,着火性の低下から着 火遅れが急激に伸びる.これにより噴射時期が進角し, 燃料噴射時の雰囲気圧力の低下によって減圧沸騰が起き るため,上記のような効果が現れたと考えられる. (3) 減圧沸騰による燃料噴霧の希薄化は THC の生成を抑制 することができる一方で,火炎温度は低いためCO 生成 量は低減され難い. (4) エタン混合燃料の減圧沸騰は,当量比の頻度分布を量論 比よりも低い側に偏らせると考えらえる.これによって バルクの熱発生率が低下し,予混合化燃焼ながらも最大 圧力上昇率を低減し得る. 参 考 文 献
(1) Ogawa, H. et al.: Low temperature premixed diesel combustion with blends of ordinary diesel fuel and normal heptane, SAE Technical Paper 2015-32-0754 (2015)
(2) 田中 大樹,染澤 俊介,佐古 孝弘,酒井 康行,安東 弘光,
多田 卓也,桑原 一成: 着火ロバスト性を考慮した圧縮着火機
関の燃焼設計,自動車技術,Vol.44,No.6,p.1347-1352 (2013)
(3)Kobashi, Y. et al.: Simultaneous Reduction of Pressure Rise Rate and Emissions in a Compression Ignition Engine by Use of Dual-Component Fuel Spray, SAE Technical Paper 2012-32-0031 (2012) (4) 冨田 栄二,河原 伸幸,朴 振宇,山口 良一: メタン/軽 油ディーゼル機関の燃焼・排気特性に及ぼす早期噴射および 窒素希釈の影響,日本機械学会論文集(B 編),Vol.69,No.680, p.236-242 (2003) (5) 千田 二郎,川野 大輔,堀田 勇,川上 和也,藤本 元: 低 エミッション・燃焼制御のための燃料設計コンセプト,自動車 技術,Vol.31,No.2,p.11-16 (2003) (6) 千田 二郎,檜垣 智大,高橋 秀和,高木 靖雄,足立 正之, 藤本 元: 多成分燃料の蒸発過程の解析と蒸気濃度計測,日本 機械学会論文集(B 編),Vol.65,No.640,p.246-252 (1999) (7) 川野 大輔,島田 敦史,畔地 直樹,千田 二郎,藤本 元: 低エミッション・燃焼制御のための燃料設計コンセプト(第 3 報),自動車技術会論文集,Vol.34,No.4,p.107-112 (2003) (8) 千田 二郎,柴田一郎,藤本 元:ガス溶解燃料を用いたデ ィーゼル噴霧の特性(第 2 報,液化 CO2混合燃料噴霧の特性), 日本機械学会論文集(B 編),Vol.63,No.613,p.277-284 (1996) (9) 和田 好充,ほか : 混合燃料による予混合圧縮着火機関の 燃焼制御(第 1 報,種々の過熱度および雰囲気条件下における 減圧沸騰噴霧の特性),自動車技術,Vol.38,No.1,p.85-90 (2007) (10) 川野 大輔,和田 好充,島田 敦史,千田 二郎,藤本 元, ほか : 低エミッション・燃焼制御のための燃料設計コンセプ ト(第 4 報,混合燃料の燃焼・排気特性),自動車技術,Vol.35, No.1,p.63-68 (2004) (11) 武井 勝,塚本 達郎,新岡 嵩: 高温雰囲気における二成 分混合燃料液滴の着火実験,日本機械学会論文集(B 編),Vol.58, No.546,p.280-285 (1992) (12) 小橋 好充,松本 彬良,武藤 涼,加藤 聰,藤野 友基, 川北 晋一郎,近藤 和吉,西島 義明: ガソリン圧縮着火にお ける二段噴射の役割,自動車技術,Vol.47,No.1,p.87-92 (2016) 0.0 0.5 1.0 So ot[ m g/m 3] 0 50 100 150 200 250 N O x[ ppm ] 252 66.5 0 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 -30 -20 -10 0 10 Cy lin de r p re ss ure [MP a]
Shellsol mixed fuel (dP/dθ)max=1.3MPa/CAD
θinj=-27CAD ATDC
0 10 20 30 40 50 In dica ted th erm al ef fic ien cy [% ] 40.5 Ethane mixed Shellsol mixed 40.5 0 300 600 900 1200 U nbur ne d c om pone nt s [p pm (C)] 920 1090 855 663 Ethane mixed fuel (dP/dθ)max=1.0MPa/CAD CO THC -5 15 35 55 75 95 -30 -20 -10 0 10 A pp are nt he at re lea se ra te [J/CA D]
Crank angle[CAD ATDC]
乱流燃焼ダイアグラムを用いた
スーパーリーンバーン
SI エンジンにおける燃焼形態の検討*
菅田 健志1) 李 世埈2) 横森 剛3) 飯田 訓正4)
Investigation of Combustion Regimes in Super Lean-burn SI Engines Using the Turbulent Combustion Diagram
Kenji Sugata Sejun Lee Takeshi Yokomori Norimasa IidaCombustion regimes of super lean-burn were investigated in order to realize stable combustion for every cycle. Laminar burning velocity, flame thickness, turbulent intensity, and integral length scale were calculated, and the crank angle history of turbulent Karlovitz number was shown on the regime diagram for premixed turbulent combustion suggested by Peters. The result showed that the effect of quenching due to flame stretch is larger during initial combustion duration because turbulent Karlovitz number is larger in super lean-burn conditions, and an interpretation was given regarding the combustion regime of super lean-burn different from general flame propagation.
KEY WORDS: Heat engine, Spark ignition engine, Numerical calculation, Lean burn, Tumble flow (A1) 1.ま え が き ガソリン SI エンジンの熱効率を高める手法の一つとして, 燃料希薄な予混合気を燃焼させるリーンバーンが有効とされ ている.これは,実エンジンにおいて火炎温度の低下により 熱損失が低減することに加え,作動ガスの比熱比が高いため, サイクル効率が上昇するためである.しかし,供給予混合気 の燃料希薄化に伴い,燃焼速度の低下により等容度が低下す ることに加えて,過度な希薄化はサイクル毎の燃焼変動を増 大させ,燃焼効率を低下させることが課題となっている.こ れに対し,エンジン筒内にタンブル流動を形成し,火花放電 エネルギーを強化した点火装置を用いて強い流動中にて火花 放電を行い,放電経路を伸長させることで超希薄な予混合気 の安定した着火を実現し,ピストン圧縮行程におけるタンブ ル崩壊により生じる乱れを利用して乱流燃焼速度を促進する 手法がある.現在,この手法を用いて当量比0.5 以下のスーパ ーリーンバーンを実現させ,熱効率 50%を達成するための研 究開発が行われている. スーパーリーンバーンは従来の火炎伝播による燃焼とは大 きく異なり,多点的に着火することや,長い着火遅れ期間を 経て高速で燃える特徴がある.スーパーリーンバーンでは放 電エネルギーを強化した点火装置およびタンブル流により, 放電を開始すると放電経路が流れ方向に大きく伸長する.そ の後,長い着火遅れ期間を経て,火炎核の発光が多点に発現 し,それらが全域に燃え広がるように燃焼する様子が捉えら れている(1).しかし,その燃焼形態は不明な点が多いため,サ イクル毎に安定したスーパーリーンバーンを実現するには燃 焼形態に関する知見が必要となる. また,燃焼室内では乱れによる乱流燃焼速度を促進させる 効果と,火炎伸張による消炎効果の,相反する効果が作用す る.したがって,スーパーリーンバーンを実現するにはピス トン圧縮に伴う筒内ガス圧力および温度上昇による層流火炎 特性の時間的変化に加えて,燃焼室形状のフラット化に伴う 乱流特性の時間的変化を考慮し,その燃焼形態を検討する必 要がある. 乱流予混合火炎における燃焼形態を分類した図(図1 参照) がPeters により提案されている(2).この図は縦軸に乱れ強さと 層流燃焼速度の比,横軸に積分長さスケールと火炎帯厚さの 比を取り,層流火炎および乱れの特性から燃焼形態を分類し *2016 年 11 月 18 日受理.2016 年 10 月 21 日自動車技術会秋季 学術講演会において発表. 1)・2)・3)・4) 慶應義塾大学大学院理工学研究科 (223-8522 神奈
川県横浜市港北区日吉3-14-1) Fig. 1 Premixed turbulent combustion diagram(2).
201340 20174541
乱流燃焼ダイアグラムを用いたスーパーリーンバーン SI エンジンにおける燃焼形態の検討
ている.燃焼形態を分類するパラメータとしては乱流カルロ ビッツ数が用いられる.このダイアグラムをエンジン燃焼に 適用した例も少なくない.三藤ら(3)は,強乱流・高EGR 燃焼 の燃焼形態を考察する際に用いている.この研究では,乱流 カルロビッツ数が1 以上の場合に燃焼初期から燃焼速度が非 常に遅い燃焼が発生し,図示平均有効圧(IMEP)が極端に低い サイクルが発生すること,また,乱流カルロビッツ数が大き いほど IMEP が極端に低いサイクルの発生確率が高くなるこ とが示され,強乱流・高EGR 燃焼における燃焼不安定の発生 は乱流カルロビッツ数により説明できるとしている. 本研究ではサイクル毎に安定したスーパーリーンバーンを 実現するために,スーパーリーンバーンの燃焼形態に関する 解釈を与えることを目的とする.そのために,希薄メタン/空 気予混合気を対象として,ピストン圧縮に伴う層流火炎特性 の変化をPREMIX により推算するとともに,乱流特性の変化 をRANS による CFD 解析により推算した.これらの解析結果 から,図1 に示すような Peters が提唱した乱流燃焼ダイアグ ラム上に乱流カルロビッツ数の時間的変化により描かれる軌 跡を示すことで,燃焼形態を検討した. 2.解析手法 スーパーリーンバーンの燃焼形態を検討するにあたり,層 流火炎特性(層流燃焼速度SL,火炎帯厚さ)および乱流特性 (乱れ強さu’,積分長さスケール l)を数値解析により推算し た. 2.1. 層流火炎特性の数値解析手法 層流燃焼速度SLの計算には一次元層流予混合火炎の計算コ ードであるPREMIX(4)を使用した.燃料はメタンとし,反応ス キームとしてGRI-Mech3.0(化学種数:53,素反応数:325) を使用した. 火炎帯厚さ は,PREMIX による計算から得られたガス温 度分布を変曲点近傍で3 次多項式近似し,変曲点を通る接線 と未燃ガス温度Tuおよび火炎温度Tfとの交点間距離と定義し て計算した(図2 参照).なお,層流燃焼速度と火炎帯厚さ には,実際は予混合気の温度と圧力に対して燃焼の熱発生に よる圧力上昇分が影響するが,計算を簡略化するためにピス トン圧縮による上昇分のみを考慮して計算を行った. 筒内ガス温度および圧力のクランク角履歴の計算には, CHEMKIN-PRO に組み込まれた IC Engine Simulator を使用し た.想定したエンジンの主要諸元および計算条件を表1 に示 す.圧縮比13 の 4 ストロークエンジンを対象とし,回転速度 は2000 rpm とした.吸気バルブ閉時期は−123 deg.ATDC とし, このときの筒内ガス温度400 K,圧力 0.101325 MPa として, 断熱圧縮を仮定して計算した. 2.2. 乱流特性の数値解析手法 乱れ強さu’の計算には 3 次元 CFD ソフトである VECTIS を 使用した.解析手法はRANS とし,乱流モデルは標準 k-モデ ルを使用した.エンジンモデルの吸気ポート形状は,従来車 用エンジンのものと比べて強化されたタンブル流動が生成さ れるものとした.作動ガスは空気の分子数が燃料に対して支 配的であるため,空気のみで代表させた.また,乱れ強さの 値は着火後の火炎が広範囲に燃え広がることを考慮して,あ るクランク角における燃焼室全域の平均値とした. 積分長さスケールl は,乱れ強さとエネルギー散逸率の解析 結果から以下の式(5)を用いて算出した. 3 u l (1) i j j i x u x u (2) ここで,u’は乱れ強さ,はエネルギー散逸率,は動粘性係数 である. 3.結果および考察 3.1. 層流燃焼速度および火炎帯厚さの未燃ガス温度・圧力 依存性 ピストン圧縮に伴って筒内ガス温度および圧力が時々刻々 変化するため,層流燃焼速度および火炎帯厚さの未燃ガス温 度・圧力依存性について解析した. 図3 に当量比 1.0 の場合の未燃ガス温度・圧力と層流燃焼速 度の関係を示す.各未燃ガス温度および圧力における層流燃 焼速度をグレーで示し,吸気バルブ閉時期(IVC)から圧縮上死 Fig. 2 Illustration of flame thickness
Table 1 Engine specifications and calculation conditions.
Tf x [mm] Tu O2 Fuel Gas temperature T inflection point
Engine type 4-stroke, Single cylinder Bore Stroke 75 112.5 mm Displacement 497.0 cm3 Compression ratio 13 Engine speed Ne 2000 rpm Intake valve close
(point of calculation start) −123 deg.ATDC Intake temperature / pressure 400 K / 0.101325 MPa
乱流燃焼ダイアグラムを用いたスーパーリーンバーン SI エンジンにおける燃焼形態の検討
ている.燃焼形態を分類するパラメータとしては乱流カルロ ビッツ数が用いられる.このダイアグラムをエンジン燃焼に 適用した例も少なくない.三藤ら(3)は,強乱流・高EGR 燃焼 の燃焼形態を考察する際に用いている.この研究では,乱流 カルロビッツ数が1 以上の場合に燃焼初期から燃焼速度が非 常に遅い燃焼が発生し,図示平均有効圧(IMEP)が極端に低い サイクルが発生すること,また,乱流カルロビッツ数が大き いほど IMEP が極端に低いサイクルの発生確率が高くなるこ とが示され,強乱流・高EGR 燃焼における燃焼不安定の発生 は乱流カルロビッツ数により説明できるとしている. 本研究ではサイクル毎に安定したスーパーリーンバーンを 実現するために,スーパーリーンバーンの燃焼形態に関する 解釈を与えることを目的とする.そのために,希薄メタン/空 気予混合気を対象として,ピストン圧縮に伴う層流火炎特性 の変化をPREMIX により推算するとともに,乱流特性の変化 をRANS による CFD 解析により推算した.これらの解析結果 から,図1 に示すような Peters が提唱した乱流燃焼ダイアグ ラム上に乱流カルロビッツ数の時間的変化により描かれる軌 跡を示すことで,燃焼形態を検討した. 2.解析手法 スーパーリーンバーンの燃焼形態を検討するにあたり,層 流火炎特性(層流燃焼速度SL,火炎帯厚さ)および乱流特性 (乱れ強さu’,積分長さスケール l)を数値解析により推算し た. 2.1. 層流火炎特性の数値解析手法 層流燃焼速度SLの計算には一次元層流予混合火炎の計算コ ードであるPREMIX(4)を使用した.燃料はメタンとし,反応ス キームとしてGRI-Mech3.0(化学種数:53,素反応数:325) を使用した. 火炎帯厚さ は,PREMIX による計算から得られたガス温 度分布を変曲点近傍で3 次多項式近似し,変曲点を通る接線 と未燃ガス温度Tuおよび火炎温度Tfとの交点間距離と定義し て計算した(図2 参照).なお,層流燃焼速度と火炎帯厚さ には,実際は予混合気の温度と圧力に対して燃焼の熱発生に よる圧力上昇分が影響するが,計算を簡略化するためにピス トン圧縮による上昇分のみを考慮して計算を行った. 筒内ガス温度および圧力のクランク角履歴の計算には, CHEMKIN-PRO に組み込まれた IC Engine Simulator を使用し た.想定したエンジンの主要諸元および計算条件を表1 に示 す.圧縮比13 の 4 ストロークエンジンを対象とし,回転速度 は2000 rpm とした.吸気バルブ閉時期は−123 deg.ATDC とし, このときの筒内ガス温度400 K,圧力 0.101325 MPa として, 断熱圧縮を仮定して計算した. 2.2. 乱流特性の数値解析手法 乱れ強さu’の計算には 3 次元 CFD ソフトである VECTIS を 使用した.解析手法はRANS とし,乱流モデルは標準 k-モデ ルを使用した.エンジンモデルの吸気ポート形状は,従来車 用エンジンのものと比べて強化されたタンブル流動が生成さ れるものとした.作動ガスは空気の分子数が燃料に対して支 配的であるため,空気のみで代表させた.また,乱れ強さの 値は着火後の火炎が広範囲に燃え広がることを考慮して,あ るクランク角における燃焼室全域の平均値とした. 積分長さスケールl は,乱れ強さとエネルギー散逸率の解析 結果から以下の式(5)を用いて算出した. 3 u l (1) i j j i x u x u (2) ここで,u’は乱れ強さ,はエネルギー散逸率,は動粘性係数 である. 3.結果および考察 3.1. 層流燃焼速度および火炎帯厚さの未燃ガス温度・圧力 依存性 ピストン圧縮に伴って筒内ガス温度および圧力が時々刻々 変化するため,層流燃焼速度および火炎帯厚さの未燃ガス温 度・圧力依存性について解析した. 図3 に当量比 1.0 の場合の未燃ガス温度・圧力と層流燃焼速 度の関係を示す.各未燃ガス温度および圧力における層流燃 焼速度をグレーで示し,吸気バルブ閉時期(IVC)から圧縮上死 Fig. 2 Illustration of flame thickness
Table 1 Engine specifications and calculation conditions.
Tf x [mm] Tu O2 Fuel Gas temperature T inflection point
Engine type 4-stroke, Single cylinder Bore Stroke 75 112.5 mm Displacement 497.0 cm3 Compression ratio 13 Engine speed Ne 2000 rpm Intake valve close
(point of calculation start) −123 deg.ATDC Intake temperature / pressure 400 K / 0.101325 MPa
点(TDC)までの層流燃焼速度を青で示した.層流燃焼速度は圧 力に対して負の相関を,温度に対して正の相関を示す.ピス トン圧縮行程における層流燃焼速度は圧力よりも温度の影響 が大きいため,圧縮に伴って大きくなる.図4 に未燃ガスの 温度・圧力と火炎帯厚さの関係を示す.火炎帯厚さは圧力と 温度の両方に対して負の相関を示し,ピストン圧縮に伴って 小さくなる. 3.2. 層流燃焼速度および火炎帯厚さの当量比依存性 層流火炎特性に対する燃料希薄化の影響を明らかにするた め,層流燃焼速度,火炎温度,火炎帯厚さの当量比依存性に ついて解析した.当量比0.5 から 1.0 までの予混合気を対象と し,圧縮上死点時の筒内ガス温度897.3 K,圧力 2.44 MPa の場 合について計算した. 図5 に各当量比における層流燃焼速度と火炎温度の関係を 示す.火炎温度は層流燃焼速度に比例し,当量比が小さいほ ど低温となる.ニュートンの冷却法則によれば,熱伝達によ って燃焼室壁面に伝わる熱損失量Q は,作動ガスの熱伝達率 h,温度 T と壁面の表面温度 Twの温度差,燃焼室壁面積A,時 間t に比例する.当量比を 1.0 から 0.5 に変化させると火炎温 度が2628 K から 1977 K に約 25%低下した.したがって,燃 料希薄化は冷却損失の低減に効果的であるといえる.一方で, 層流燃焼速度は1.06 m/s から 0.31 m/s に約 71%低下するため 燃焼期間が長期化し,等容度が低下すると考えられる. 図6 に各当量比における層流燃焼速度と火炎帯厚さの関係 を示す.火炎帯厚さは燃料希薄化に伴って層流燃焼速度が低 下するほど大きくなる傾向がある.
Fig. 3 Gas pressure and unburned gas temperature dependence on the laminar burning velocity SL of stoichiometric methane/air
flame.
Fig. 4 Gas pressure and unburned gas temperature dependence on the flame thickness of stoichiometric methane/air flame.
Flame thi ckne ss [mm] adiabatic compression TDC IVC CH4/Air f=1.0 CH4/Air f=1.0 La min ar bu rni ng vel oci ty SL [m/ s] adiabatic compression TDC IVC
Fig. 5 Equivalence ratio dependence on the laminar burning velocity and flame temperature of the methane/air flame at
897.3 K and 2.44 MPa. CH4 /Air Tu= 897.3 K P = 2.44 MPa = TDC 0.7 0.9 1.0 0.8 f= 0.5 0.6
Fig. 6 Equivalence ratio dependence on the laminar burning velocity and flame thickness of the methane/air flame at 897.3
K and 2.44 MPa. 0.5 0.7 0.9 f= 1.0 0.8 0.6 CH4 /Air Tu= 897.3 K P = 2.44 MPa = TDC
乱流燃焼ダイアグラムを用いたスーパーリーンバーン SI エンジンにおける燃焼形態の検討
3.3. 乱れ強さおよび積分長さスケールのクランク角履歴 ピストン圧縮に伴い燃焼室形状がフラット化するためガス 流動も時々刻々変化する.そこで,乱流燃焼の挙動に影響を 与えるとされる乱れ強さおよび積分長さスケールの時間的変 化について解析した. 図 7 に圧縮前下死点時−180 deg.および圧縮上死点前の−30 deg.における流速ベクトル分布を示す.圧縮前下死点時は空気 がシリンダ壁面に沿って流入し,筒内にタンブル流が生成さ れていることが分かる.圧縮上死点前ではピストン圧縮に伴 いタンブル流が押しつぶされ,下死点時よりも平均流速が低 下し,渦中心が点火プラグ近傍に移動している様子が分かる. 図8 に筒内ガス温度および圧力,層流燃焼速度,火炎帯厚 さ,乱れ強さ,積分長さスケールのクランク角履歴を示す. 層流燃焼速度はピストン圧縮に伴う筒内ガス温度の上昇によ り,上死点時に最大となる.また,当量比0.5 では 1.0 に比べ て層流燃焼速度は小さくなる.火炎帯厚さは温度と圧力の両 方に対して負の相関を示すため,圧縮とともに縮小し,上死 点時に最小となる.また,当量比0.5 では 1.0 に比べて厚みの 大きな火炎が形成される.乱れ強さは吸気行程から圧縮行程 にかけて緩やかに低下していくが,−60 deg.ATDC 付近で上昇 し始め,−30 deg.ATDC 付近でピークを迎える.これは,ピス トン圧縮による燃焼室形状のフラット化に伴い燃焼室の空間 的制約が生じ,タンブル崩壊が発生したためである.その後 は膨張行程にかけて低下し,0 m/s に収束していく.積分長さ スケールは吸気行程から圧縮行程にかけて拡大していくが, タンブル崩壊により上死点前にて急激に小さくなる. 3.4. スーパーリーンバーン時の積算熱発生率 スーパーリーンバーンの燃焼形態を検討する前に,スーパ ーリーンバーン時の積算熱発生率を確認する.図9 に,当量 比1.0 と 0.52 の場合の積算熱発生率のクランク角履歴を示す. 燃料はSIP「革新的燃焼技術」のガソリン燃焼チームの共通燃 料の一つである,SIP 共通ハイオクガソリンを使用し,回転速 度2000 rpm,IMEP0.6 MPa でエンジンを運転させたときの実 験結果である.また,どちらもタンブル流動強化がなされて いる.図上には連続200 サイクルの積算熱発生率およびその 平均値を示している.当量比1.0 の場合は,−11 deg.ATDC の 放電開始直後に明らかな熱発生が始まり,14 deg.後には質量 燃焼割合10%時のクランク角度(CA10) に達する.一方,当量 比0.52 の場合は,−38 deg.ATDC の放電開始後,明らかな熱発 生を確認できるのは−20 deg.ATDC 付近からであり,放電開始 から34 deg.を経て CA10 に達する.したがって,当量比 0.52 の場合は,1.0 の場合よりも放電開始後の火炎核成長に長期間 を要することが分かる.また,200 サイクルの積算熱発生率の ばらつきの様子から,サイクル間の燃焼期間および燃焼効率 の変動が大きくなることが確認でき,これらの要因がスーパ ーリーンバーンの実現による熱効率向上の障壁となっている. Velocity [m/s] In Ex (a) In Ex (b) 0 30
Fig. 7 Mean velocity distribution on central vertical plane. (a) = −180 deg.ATDC, (b) = −30 deg.ATDC.
,
(a) = −180 deg.ATDC. (b)= −30 deg.ATDC.
Fig. 8 Crank angle history of in-cylinder gas temperature T and pressure P, laminar burning velocity SL, flame thickness ,
turbulent intensity u’, integral length scale l.
400 600 800 1000 In -c yl in de rg as te m pe ra tu re T [K ] 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 La m in ar bu rn in g ve lo ci ty SL [m /s ] 0 0.4 0.8 1.2 Flam e th ic knes s[ m m ] 0 2 4 6 8 Tu rb ul en t in te ns ity u' [m /s ] 0 2 4 6 8 In te gr al le ng th sc al e l[ m m ] -360 -300 -240 -180 -120 -60 0 60 120 180 Crank angle [deg.ATDC]
f = 0.5
f= 1.0
f = 0.5
f = 1.0
intake compression expansion
1 2 3 In -c yl in de rg as pr es su re P [M P a]
乱流燃焼ダイアグラムを用いたスーパーリーンバーン SI エンジンにおける燃焼形態の検討
3.3. 乱れ強さおよび積分長さスケールのクランク角履歴 ピストン圧縮に伴い燃焼室形状がフラット化するためガス 流動も時々刻々変化する.そこで,乱流燃焼の挙動に影響を 与えるとされる乱れ強さおよび積分長さスケールの時間的変 化について解析した. 図 7 に圧縮前下死点時−180 deg.および圧縮上死点前の−30 deg.における流速ベクトル分布を示す.圧縮前下死点時は空気 がシリンダ壁面に沿って流入し,筒内にタンブル流が生成さ れていることが分かる.圧縮上死点前ではピストン圧縮に伴 いタンブル流が押しつぶされ,下死点時よりも平均流速が低 下し,渦中心が点火プラグ近傍に移動している様子が分かる. 図8 に筒内ガス温度および圧力,層流燃焼速度,火炎帯厚 さ,乱れ強さ,積分長さスケールのクランク角履歴を示す. 層流燃焼速度はピストン圧縮に伴う筒内ガス温度の上昇によ り,上死点時に最大となる.また,当量比0.5 では 1.0 に比べ て層流燃焼速度は小さくなる.火炎帯厚さは温度と圧力の両 方に対して負の相関を示すため,圧縮とともに縮小し,上死 点時に最小となる.また,当量比0.5 では 1.0 に比べて厚みの 大きな火炎が形成される.乱れ強さは吸気行程から圧縮行程 にかけて緩やかに低下していくが,−60 deg.ATDC 付近で上昇 し始め,−30 deg.ATDC 付近でピークを迎える.これは,ピス トン圧縮による燃焼室形状のフラット化に伴い燃焼室の空間 的制約が生じ,タンブル崩壊が発生したためである.その後 は膨張行程にかけて低下し,0 m/s に収束していく.積分長さ スケールは吸気行程から圧縮行程にかけて拡大していくが, タンブル崩壊により上死点前にて急激に小さくなる. 3.4. スーパーリーンバーン時の積算熱発生率 スーパーリーンバーンの燃焼形態を検討する前に,スーパ ーリーンバーン時の積算熱発生率を確認する.図9 に,当量 比1.0 と 0.52 の場合の積算熱発生率のクランク角履歴を示す. 燃料はSIP「革新的燃焼技術」のガソリン燃焼チームの共通燃 料の一つである,SIP 共通ハイオクガソリンを使用し,回転速 度2000 rpm,IMEP0.6 MPa でエンジンを運転させたときの実 験結果である.また,どちらもタンブル流動強化がなされて いる.図上には連続200 サイクルの積算熱発生率およびその 平均値を示している.当量比1.0 の場合は,−11 deg.ATDC の 放電開始直後に明らかな熱発生が始まり,14 deg.後には質量 燃焼割合10%時のクランク角度(CA10) に達する.一方,当量 比0.52 の場合は,−38 deg.ATDC の放電開始後,明らかな熱発 生を確認できるのは−20 deg.ATDC 付近からであり,放電開始 から34 deg.を経て CA10 に達する.したがって,当量比 0.52 の場合は,1.0 の場合よりも放電開始後の火炎核成長に長期間 を要することが分かる.また,200 サイクルの積算熱発生率の ばらつきの様子から,サイクル間の燃焼期間および燃焼効率 の変動が大きくなることが確認でき,これらの要因がスーパ ーリーンバーンの実現による熱効率向上の障壁となっている. Velocity [m/s] In Ex (a) In Ex (b) 0 30
Fig. 7 Mean velocity distribution on central vertical plane. (a) = −180 deg.ATDC, (b) = −30 deg.ATDC.
,
(a) = −180 deg.ATDC. (b)= −30 deg.ATDC.
Fig. 8 Crank angle history of in-cylinder gas temperature T and pressure P, laminar burning velocity SL, flame thickness ,
turbulent intensity u’, integral length scale l.
400 600 800 1000 In -c yl in de rg as te m pe ra tu re T [K ] 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 La m in ar bu rn in g ve lo ci ty SL [m /s ] 0 0.4 0.8 1.2 Fl am e th ic kn es s [ m m ] 0 2 4 6 8 Tu rb ul en t in te ns ity u' [m /s ] 0 2 4 6 8 In te gr al le ng th sc al e l[ m m ] -360 -300 -240 -180 -120 -60 0 60 120 180 Crank angle [deg.ATDC]
f = 0.5
f= 1.0
f = 0.5
f = 1.0
intake compression expansion
1 2 3 In -c ylin de rgas pr es su re P [M P a]
3.5. スーパーリーンバーンの燃焼形態 これまでに示した層流燃焼速度,火炎帯厚さ,乱れ強さ, 積分長さスケールの結果から,Peters が提唱した乱流燃焼ダイ アグラム上に乱流カルロビッツ数の時間的変化により描かれ る軌跡を示し,当量比0.5 のスーパーリーンバーン SI エンジ ンにおける燃焼形態を検討した. 乱流燃焼ダイアグラム上で燃焼形態を分類するパラメータ としては乱流カルロビッツ数Ka が用いられ, 2 1 2 3
l S u t t Ka L F (3) と定義される.ここで,tFは化学反応(層流火炎)の時間スケ ール,tはコルモゴロフ時間スケール,u’は乱れ強さ,SLは層 流燃焼速度,l は積分長さスケール,は火炎帯厚さである. Ka が大きいほど,燃焼反応に対する乱れの影響が大きいとい うことを表す. 図10 に乱流燃焼ダイアグラム上における当量比 0.5 と 1.0 の場合のクランク角度履歴を示す.プロット点はそれぞれ IVC から膨張行程にかけて,クランク角= −123(IVC), −120, −110, …0(TDC), …110, 120 deg.ATDC 時の値を示している.ま た,図9 の実験結果における点火時期および CA10 を目安と して示した. 当量比1.0 および 0.5 の場合の TDC 時の層流燃焼速度と火 炎帯厚さはそれぞれ図5,図 6 の値に対応している.このとき の乱れ強さおよび積分長さスケールはそれぞれu’ =4.2 m/s,l = 4.7 mm であり,当量比による違いはない.一方で層流燃焼速 度は当量比を1.0 から 0.5 に変化させることで 1.06 m/s から 0.31 m/s に低下し,火炎帯厚さは 0.022 mm から 0.056 mm に増 大する.そのため,燃料希薄化に伴って乱流カルロビッツ数 が増大し,燃焼形態はCorrugated flamelets から Thin reaction zones に遷移するため,プロット点はダイアグラム上を左上方 向に移動する. 着火・燃焼過程に着目すると,当量比1.0 の場合は放電開始 時には既に乱れが減衰し,乱流カルロビッツ数は1 以下とな るため,形成された火炎核は消炎作用をほぼ受けないと考え られる.また,放電開始から CA10 までの間は時間とともに 乱流カルロビッツ数が小さくなることから,反応に対する乱 れの影響は放電開始直後に最大となる.当量比0.5 の場合は, 放電開始からCA10 までの燃焼期間がストイキ燃焼時に比べ て長期化する.その要因の一つとして,放電開始時の乱流カ ルロビッツ数が30 付近の値をとるため,放電開始後に形成さ れた火炎核が消炎作用を強く受け,火炎核成長に長期間を要 することが考えられる.Fig. 10 Crank angle history of u’/SL and l/ of stoichiometric
and super lean methane/air combustion on regime diagram for premixed turbulent combustion.
101 102 103
100
100
101
102
Integral length scale l / Flame thickness
Tur bulen t intensity u’ / Lam inar bur ning velocity SL
f= 0.5
f
= 1.0 Corrugated flamelets Thin reaction zones1 < Ka < 100
Broken reaction zones CH4/Air
IVC TDC IVC TDC −10 −20 −10 −20 −30 −40 −30 −40 Ignition timing Ignition timing CA10 CA10
Fig. 9 Crank angle history of integrated heat release rate of stoichiometric(top) and lean(bottom) SIP common
high-octane gasoline/air combustion. SIP common high-octane gasoline/Air
Ne = 2000 rpm IMEP = 0.6 MPa
ig 200 cycles average 200 cycles f= 1.00 ig= −11 deg.ATDCCrank Angle [deg.ATDC]
200 cycles average 200 cycles f= 0.52
ig= −38 deg.ATDC
ig乱流燃焼ダイアグラムを用いたスーパーリーンバーン SI エンジンにおける燃焼形態の検討
以上のように,スーパーリーンバーンでは乱流カルロビッ ツ数が大きく,燃焼過程においてThin reaction zones の燃焼形 態をとるため,消炎作用を強く受ける.また,着火・燃焼過 程における乱流カルロビッツ数は放電開始直後に最大となる. そのため,放電開始からCA10 までの期間がストイキ燃焼時 よりも長期化する要因の一つに,放電開始後の着火・火炎核 成長の過程で消炎作用を強く受けることが考えられる.一方 で,この特性により放電エネルギーの強化やタンブル流によ る放電経路伸長により火炎核が複数生成し,急激なカルロビ ッツ数の低下によって複数の火炎核が成長し,乱れの燃焼速 度促進効果を受けてそれらが一気に燃え広がることで多点的 かつ高速な燃焼が可能になっているのだと解釈できる. 4.ま と め 本研究ではPREMIX による一次元層流予混合火炎の燃焼反 応解析およびRANS による CFD 解析により層流燃焼速度,火 炎帯厚さ,乱れ強さ,積分長さスケールの4 つの物理量を推 算した.それらの計算結果を用いて,乱流燃焼ダイアグラム 上に乱流カルロビッツ数のクランク角履歴を示し,スーパー リーンバーンの燃焼形態を検討した結果,以下の知見を得た. (1) 当量比 1.0 では放電開始時に乱流カルロビッツ数 Ka<1 のcorrugated flamelets の燃焼形態をとる一方で,当量比 0.5 のスーパーリーンバーンでは Ka>1 の Thin reaction zones をとる.その後,Ka はクランク角とともに小さく なる. (2) 当量比 0.5 で放電開始から CA10 までの初期燃焼期間が 長期化した要因の一つとして,放電開始後の着火・火炎 核成長過程で乱れによる消炎作用を強く受けることが 挙げられる. (3) スーパーリーンバーンはタンブル流動に伴う放電経路 の伸長およびKa が高い燃焼室内環境により火炎核が複 数生成し,乱れの減衰によりKa が急激に小さくなるこ とで多点的かつ高速な燃焼が可能な燃焼方式であると 考えられる. 今後の課題として,燃料をガソリンとした場合の解析や, 実エンジンにおける燃焼挙動および流動の実験的検証が必要 である. 謝 辞 本研究は,総合科学技術・イノベーション会議のSIP(戦略的 イノベーション創造プログラム)「革新的燃焼技術」(管 理法人:JST)によって 実施された. 参 考 文 献 (1) 飯田訓正:SIP「革新的燃焼技術」ガソリン燃焼チームの 研究状況―高効率ガソリンエンジンのためのスーパーリーン バーン研究開発―,自動車技術,Vol. 70, No. 9, pp. 18–24 (2016)
(2) N. Peters: Turbulent combustion, Cambridge university press (2000)
(3) 三藤祐子,島崎貴道,白石泰介,寺地淳:高 EGR 下にお ける燃焼不安定発生条件に関するカルロビッツ数に着目した 考察,自動車技術会論文集,Vol. 47, No. 3, pp. 673–678 (2016) (4) R. J. Kee, J. F. Grcar, M. D. Smooke, and J. A. Miller: PREMIX: a Fortran program for modeling steady laminar one-dimensional premixed flames, Sandia National Laboratories Report, SAND85-8249 (1985)
(5) N. Peters: Laminar flamelet concepts in turbulent combustion, Twenty-first Symposium (International) on Combustion, pp. 1231–1250 (1986)