2010 年 2 月 24 日 各 位 株式会社電通国際情報サービス
ISID、HD 映像伝送技術で NICT の実証実験に協力
~動的ネットワーク設定変更機能による高品質ネットワーク
性能評価実験に参加~
株式会社電通国際情報サービス(本社:東京都港区、資本金:81 億 8,050 万円、代表取締役社 長:水野 紘一、以下 ISID)は、独立行政法人情報通信研究機構(本部:東京都小金井市、理事長: 宮原 秀夫、以下 NICT)が 2 月 1 日から 2 月 27 日にかけて実施する「動的ネットワーク設定変更 機能による高品質ネットワーク性能評価実験」に参加し、株式会社毎日放送 (以下 MBS)とともに、 株式会社アクタスソフトウェア、シスコシステムズ合同会社(以下 Cisco) 、日本電信電話株式会社 (以下 NTT)、北海道放送株式会社(以下 HBC)などの協力を得て 2 つの実証実験を実施しました。 この実験は、NICT が運用・管理する研究開発テストベッドネットワーク「JGN2plus※1」を利用し、 各種の放送技術に関する実験を実施するというものです。今回の実験では、送信側、受信側ともに Apple 社製 Xserve(8 コア)を用い、ISID 自社開発の HD 映像伝送システム QualImage/HD を使用しました。映像入出力インターフェースには HD-SDI※2 、 コーデックには、Apple 社製ソフト・コーデック ProRes422※3を採用しており、通常、放送局などで映 像編集に用いているような Mac のみで、放送局のスタジオ品質と同等の HDTV 映像伝送が可能 です。 ■実験 1 伝送回線の切り替えに伴う瞬断への耐性の向上■ NTT が開発した動的オンデマンドネットワーク技術※4を用いて、JGN2plus、GEMnet2※5上に構 築したネットワークを利用し HBC より MBS へライブ配信および接続ネットワークの切り替え実証実 験を実施しました。 実際の放送映像伝送においては、トラブルなどにより通信路が本線系からバックアップ系に切 り替わることがあります。この切り替えに伴ってパケットの到着順が入れ替わることがあり、映像 の乱れにつながります。このようなケースでは、伝送装置である Mac 側で対応することが求められ ます。しかし、欠損した映像情報を再送する方式はリアルタイム映像では使用できないため、デー タの順序を管理したり、データに冗長性を持たせることで対応しました。本システムでは、最大 300
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ミリ秒までの通信断やパケットの順番変化に対応しています。 今回の実験では、さっぽろ雪まつり会場の映像を 2 月 4 日に HBC から MBS まで伝送しました。 NICT 本部を経由することによる経路差遅延は約 1 ミリ秒で、経路切り替え時にはパケットの順序 乱れが発生しましたが、これを問題なく修正できて正常な映像受信を継続していることが確認でき ました。実験中のネットワークの性能評価には、NTT が開発した高精度ネットワーク測定装置 PRESTA 10G を用いて観測しました。 <図 1:実験 1 のシステム構成図> ■実験 2 映像ファイル化による新しいワークフロー■ スポーツ中継などでは、録画した映像をすぐに編集し、番組中で使用することがあります。この ようなワークフロー(作業手順)を支えるためのしくみを開発しました。今回の実験は 2 月 12 日に実 施したもので、沖縄県名護市で行われたプロ野球キャンプの練習風景を、この新しいワークフロ ーを利用して編集し、従来方式での作業との比較を行いました。名護市で録画した映像を、IP ネッ トワーク経由で岡山のデータセンター内にある Fiber Channel(以下 FC)ストレージに映像ファイルと して数分単位で個別ファイルとして保存します。そして、MBS からは IPv6 を使用した FCIP※6経由 でファイル共有を行い、編集ソフトで映像ファイルを加工して、編集済みファイルとして書き出しま
した。一連の編集作業を実施した結果、自動ファイル化の便利さが認識され、FCIP 経由であって も十分に実用に耐えうるワークフローであるという評価を受けました。従来方式では、伝送した映 像を一旦収録し、それを編集装置に取り込んだのちに編集作業を行っていました。そのため、映 像を収録する担当者を受信側にアサインしたり、収録後に取り込み作業を行うために時間がかか っていたり、取り込み作業を終了しないと編集作業が始められませんでした。今回の方式では、自 動的に受信される数分単位のコマ切れ映像の伝送が終わった時点で、すぐに編集作業を始める ことが可能です。 <図 2:実験 2 のシステム構成図> ※1 JGN2plus: NICT が 2008 年 4 月から運用しているオープンな研究用の超高速・高機能研究開発テストベッドネットワーク。 ※2 HD-SDI: High-Definition - Serial Digital Interface の略で、SMPTE(米国映画テレビ技術者協会)が策定した放送機器向けの
デジタル映像・音声入出力インターフェース規格。1 本の同軸ケーブルで映像・音声・制御信号をまとめて送受信でき、ある 程度距離があっても伝送可能であるため、配線やケーブルの取り回しが容易である。
※3 ProRes 422: Apple 社が開発した映像圧縮技術で、同社製の映像編集ソフト Final Cut Pro 7 に含まれている。最新版では 5 つの圧縮フォーマットが用意されている。QualImage/HD では、このうち、標準画質と高画質(HQ)の 2 つの画質モードを
いう構成である。ProRes 422 では、エンコーディング後にも高画質が維持されるだけではなく、エンコードとデコードを複数回 繰り返しても画質劣化が極めて少ないという特徴も併せ持っている。ProRes 422 の詳細は以下の URL を参照。 http://images.apple.com/jp/pro/pdfs/ProRes422_WP_070518.pdf ※4 動的オンデマンドネットワーク技術: アプリケーションやユーザの要求に応じて、ネットワーク帯域などのリソースを動的に割 り当てる技術。トラフィックの増減、機器の故障、ネットワーク品質要求などに関して必要に応じてその都度対応することで、 ネットワーク資源を有効に活用できるようになる。
※5 GEMnet2: Global Enhanced Multifunctional Network 2 の略。NTT が運用する実験用ネットワーク。JGN2plus をはじめとする 国内外の研究ネットワーク、研究機関、大学などと相互接続し、ネットワーク技術や高速アプリケーションの研究開発に利用 されている。
※6 FCIP: Fiber Channel over IP の略。ディスク・ストレージ接続用インターフェースである FC を、IP ネットワークで中継・延長する 技術。今回は Cisco 製 MDS9222i という FCIP 対応の SAN スイッチ装置を使用し、MBS 内のコンピュータから、岡山県内の データセンターに設置したディスクをアクセスする。直接 FC で接続したディスクと同様に取り扱うことができる。 【製品・サービスに関するお問い合わせ先】 株式会社電通国際情報サービス 事業推進本部開発技術センター 熊谷 E-Mail:[email protected] 【本リリースに関するお問い合わせ先】 株式会社電通国際情報サービス コーポレートコミュニケーション室 広報担当 森、李、入佐 TEL:03-6713-6100 E-Mail:[email protected]