憂うつな気分が続いたら…
~その不調、もしかしたら「うつ」かもしれません~監修:東京女子医科大学東医療センター 精神科臨床教授 大坪 天平 先生
うつ病は誰でもかかりうる、こころの病気です。 ストレスの多い現代社会において、うつ病になる人は 増えています。しかし、うつ病に対する理解はまだま だ十分とはいえません。患者さん自身も、周りの人も、 うつ病だとは気がつかず、ひとりで苦しんでいる人も たくさんいます。 うつ 病は、きちんと治 療 することに よって、よくなる病気です。 この冊子では、うつ病に気づくための ポイント、症状の種類、経 過、治療法 について紹介しています。これからうつ 病と向き合っていくすべての方にとって、 この冊子が一助となれば幸いです。
はじめに
1.
私、うつ? 4
2.
うつ病って、どんな病気? 6
3.
どんな治療をするの? 10
4.
うつ病の治療で大切なことは? 14
Contents
大坪 天平 東京女子医科大学東医療センター 精神科臨床教授うつ病になると、こころもからだもとてもつらいときがあります。 家事や仕事などの日常生活を送ることが大変なときもあります。 でもうつ病はきちんと治療を受けることでよくなる病気です。 みんな、それぞれのペースで。 だからひとりで悩まないでください。 「憂うつな気分が続いている」 「元気がでない」 「疲れがとれない」 「眠れない」 毎日の生活のなかで、いやなことやつらいことがあると、誰でも憂う つな気分になります。ほとんどの場合、気分が落ち込んでいたとして も、何か楽しいことがあれば気が紛れたり、時間が経つと元気を 取り戻していきます。けれども、うつ病の場合は、よいことがあっても 気が晴れません。 「日常的な憂うつ感」と「うつ病」とを見分ける1つ のポイントは、その憂うつ感がどれくらい長く続い ているか、ということ。 2週間以上、毎日のように、ほとんど1日中続いて いる場合には、うつ病の可能性があります。 特別な人がかかる、特別な病気ではありません。 うつ病は「こころの風邪」と呼ばれることもあります。 やる気はでないが 家事をする いやいやながら職場に行く 仕事を休んだとしても 1日程度 家事や仕事を、やらなくて はいけないと思いながら もできない 日常生活をこれまで通りに 送ることが難しい 日常的な憂うつ感 うつ病
うつ病は誰でもかかりうる、
こころの病気です。
1
私、うつ?
きっかけとなるストレスは、悲しいことやつらいことばかりではありま せん。周りの人にとっては一見喜ばしいことであっても、本人にとって はストレスとなることもあります。
うつ病のきっかけは、
「ストレス」です。
2
うつ病って、どんな病気?
心が弱いからうつ病になるわけではありません。 一般的には、真面目でコツコツやるタイプ、几帳面で責任 感の強いタイプの人が、強いストレスをきっかけとして、 うつ病を発症すると考えられています。家族や身近な人と死別・離別
離婚・別居
過労
リストラ
悲しいこと・つらいこと ・・・など進学
就職
異動
環境・体調の変化転居
月経・更年期
・・・など結婚
妊娠・出産
一見、喜ばしいこと子供の結婚
昇進・栄転
・・・など「こころ」の症状 *「からだ」の症状が前面に出て「こころ」の症状があまり感じられない場合もあります。本当 はうつ病なのに、「からだ」の症状が目立つと「からだの病気」と思ってしまうこともあります。 とくに原因がわからないのにこのような症状が続く場合には、うつ病の可能性もあります 食欲が落ちたり体重が減った (あるいは、食欲が増したり体重が増えた) 夜寝つけない、夜中に目が覚める、 朝早く目が覚める、寝過ぎてしまう 普段に比べて話し方や動作が遅い、 またはイライラして落ち着かない 最近、疲れやすくなり、気力が わいてこない 「からだ」の症状* 最近、毎日のように、ほとんど1日中憂うつ な気分が続いている(ここ2週間以上) これまでは楽しかったことが楽しめなくなり、 興味が持てない(ここ2週間以上) 自分は価値がない人間だと思う、自分が悪い・自分の 責任だと罪の意識を感じる 仕事・家事・勉強などに集中できない、あるいは決断や 判断が難しいと感じる この世から消えてしまいたい…死ねばよかったと考え てしまう