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ディプロマプログラム (DP)

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学問的誠実性

ディプロマプログラム(DP)

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2009 年8月に発行、2011 年7月に改訂の英文原本Academic honesty の日本語版 2014年 11 月発行 本資料の翻訳・刊行にあたり、 文部科学省より多大なご支援をいただいたことに感謝いたします。 注: 本資料に記載されている内容は、英文原本の発行時の情報に基づいています。 ディプロマプログラム(DP) 学問的誠実性

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(4)

この「IBの学習者像」は、IBワールドスクール(IB認定校)が価値を置く人間性を 10 の人物像として表して います。こうした人物像は、個人や集団が地域社会や国、そしてグローバルなコミュニティーの責任ある一員と なることに資すると私たちは信じています。

探究する人

私たちは、好奇心を育み、探究し研究するスキルを身につけま す。ひとりで学んだり、他の人々と共に学んだりします。熱意 をもって学び、学ぶ喜びを生涯を通じてもち続けます。

知識のある人

私たちは、概念的な理解を深めて活用し、幅広い分野の知識を 探究します。地域社会やグローバル社会における重要な課題や 考えに取り組みます。

考える人

私たちは、複雑な問題を分析し、責任ある行動をとるために、 批判的かつ創造的に考えるスキルを活用します。率先して理性 的で倫理的な判断を下します。

コミュニケーションができる人

私たちは、複数の言語やさまざまな方法を用いて、自信をもっ て創造的に自分自身を表現します。他の人々や他の集団のもの の見方に注意深く耳を傾け、効果的に協力し合います。

信念をもつ人

私たちは、誠実かつ正直に、公正な考えと強い正義感をもって 行動します。そして、あらゆる人々がもつ尊厳と権利を尊重し て行動します。私たちは、自分自身の行動とそれに伴う結果に 責任をもちます。

心を開く人

私たちは、自己の文化と個人的な経験の真価を正しく受け止め ると同時に、他の人々の価値観や伝統の真価もまた正しく受け 止めます。多様な視点を求め、価値を見いだし、その経験を糧 に成長しようと努めます。

思いやりのある人

私たちは、思いやりと共感、そして尊重の精神を示します。人 の役に立ち、他の人々の生活や私たちを取り巻く世界を良くす るために行動します。

挑戦する人

私たちは、不確実な事態に対し、熟慮と決断力をもって向き合 います。ひとりで、または協力して新しい考えや方法を探究し ます。挑戦と変化に機知に富んだ方法で快活に取り組みます。

バランスのとれた人

私たちは、自分自身や他の人々の幸福にとって、私たちの生を 構成する知性、身体、心のバランスをとることが大切だと理解 しています。また、私たちが他の人々や、私たちが住むこの世 界と相互に依存していることを認識しています。

振り返りができる人

私たちは、世界について、そして自分の考えや経験について、 深く考察します。自分自身の学びと成長を促すため、自分の長 所と短所を理解するよう努めます。

IB

学習者像

すべてのIBプログラムは、国際的な視野をもつ人間の育成を目指しています。人類に共通する人間らしさと 地球を共に守る責任を認識し、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する人間を育てます。 IBの学習者として、私たちは次の目標に向かって努力します。

IBの使命

IB mission statement ᅜ㝿ࣂ࢝ࣟࣞ࢔㸦㹇㹀㸧ࡣࠊከᵝ࡞ᩥ໬ࡢ⌮ゎ࡜ᑛ㔜ࡢ⢭⚄ࢆ㏻ࡌ࡚ࠊࠉ ࡼࡾⰋ࠸ࠊࡼࡾᖹ࿴࡞ୡ⏺ࢆ⠏ࡃࡇ࡜࡟㈉⊩ࡍࡿࠊ᥈✲ᚰࠊ▱㆑ࠊᛮ࠸ࡸ ࡾ࡟ᐩࢇࡔⱝ⪅ࡢ⫱ᡂࢆ┠ⓗ࡜ࡋ࡚࠸ࡲࡍࠋ ࡇࡢ┠ⓗࡢࡓࡵࠊ㹇㹀ࡣࠊᏛᰯࡸᨻᗓࠊᅜ㝿ᶵ㛵࡜༠ຊࡋ࡞ࡀࡽࠊࢳࣕࣞ ࣥࢪ࡟‶ࡕࡓᅜ㝿ᩍ⫱ࣉࣟࢢ࣒ࣛ࡜ཝ᱁࡞ホ౯ࡢ௙⤌ࡳࡢ㛤Ⓨ࡟ྲྀࡾ⤌ࢇ ࡛࠸ࡲࡍࠋ 㹇㹀ࡢࣉࣟࢢ࣒ࣛࡣࠊୡ⏺ྛᆅ࡛Ꮫࡪඣ❺⏕ᚐ࡟ࠊேࡀࡶࡘ㐪࠸ࢆ㐪࠸࡜ ࡋ࡚⌮ゎࡋࠊ⮬ศ࡜␗࡞ࡿ⪃࠼ࡢேࠎ࡟ࡶࡑࢀࡒࢀࡢṇࡋࡉࡀ࠶ࡾᚓࡿ࡜ ㄆࡵࡿࡇ࡜ࡢ࡛ࡁࡿே࡜ࡋ࡚ࠊ✚ᴟⓗ࡟ࠊࡑࡋ࡚ඹឤࡍࡿᚰࢆࡶࡗ࡚⏕ᾭ ࡟ࢃࡓࡗ࡚Ꮫࡧ⥆ࡅࡿࡼ࠺ാࡁ࠿ࡅ࡚࠸ࡲࡍࠋ

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この「IBの学習者像」は、IBワールドスクール(IB認定校)が価値を置く人間性を 10 の人物像として表して います。こうした人物像は、個人や集団が地域社会や国、そしてグローバルなコミュニティーの責任ある一員と なることに資すると私たちは信じています。

探究する人

私たちは、好奇心を育み、探究し研究するスキルを身につけま す。ひとりで学んだり、他の人々と共に学んだりします。熱意 をもって学び、学ぶ喜びを生涯を通じてもち続けます。

知識のある人

私たちは、概念的な理解を深めて活用し、幅広い分野の知識を 探究します。地域社会やグローバル社会における重要な課題や 考えに取り組みます。

考える人

私たちは、複雑な問題を分析し、責任ある行動をとるために、 批判的かつ創造的に考えるスキルを活用します。率先して理性 的で倫理的な判断を下します。

コミュニケーションができる人

私たちは、複数の言語やさまざまな方法を用いて、自信をもっ て創造的に自分自身を表現します。他の人々や他の集団のもの の見方に注意深く耳を傾け、効果的に協力し合います。

信念をもつ人

私たちは、誠実かつ正直に、公正な考えと強い正義感をもって 行動します。そして、あらゆる人々がもつ尊厳と権利を尊重し て行動します。私たちは、自分自身の行動とそれに伴う結果に 責任をもちます。

心を開く人

私たちは、自己の文化と個人的な経験の真価を正しく受け止め ると同時に、他の人々の価値観や伝統の真価もまた正しく受け 止めます。多様な視点を求め、価値を見いだし、その経験を糧 に成長しようと努めます。

思いやりのある人

私たちは、思いやりと共感、そして尊重の精神を示します。人 の役に立ち、他の人々の生活や私たちを取り巻く世界を良くす るために行動します。

挑戦する人

私たちは、不確実な事態に対し、熟慮と決断力をもって向き合 います。ひとりで、または協力して新しい考えや方法を探究し ます。挑戦と変化に機知に富んだ方法で快活に取り組みます。

バランスのとれた人

私たちは、自分自身や他の人々の幸福にとって、私たちの生を 構成する知性、身体、心のバランスをとることが大切だと理解 しています。また、私たちが他の人々や、私たちが住むこの世 界と相互に依存していることを認識しています。

振り返りができる人

私たちは、世界について、そして自分の考えや経験について、 深く考察します。自分自身の学びと成長を促すため、自分の長 所と短所を理解するよう努めます。

IB

学習

IB

学習者像

すべてのIBプログラムは、国際的な視野をもつ人間の育成を目指しています。人類に共通する人間らしさと 地球を共に守る責任を認識し、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する人間を育てます。 IBの学習者として、私たちは次の目標に向かって努力します。

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はじめに

1

学問的誠実性と不正の理解

3

1 学問的誠実性 3 2 不正 5

学問的誠実性の維持

10

3 役割と責任 10 4 不正の防止 11 5 剽窃の検知 16 6 「本当に生徒自身が取り組んだものかどうか」の確認 17

不正の調査

20

7 調査の手順 20 8 志願者の権利 21 9 成績授与会議の役割 22 10 資格授与委員会の役割 23 11 違反行為とその処分 24 12 総則違反:不正のシナリオ 26 13 決定の通知 30 14 再審査 31 15 不服の訴え 32 16 調停 32

(7)

はじめに

本資料は、国際バカロレア(IB)のディプロマプログラム(DP)を提供してい るIBワールドスクール(IB認定校)を主な対象としています。中等教育プログラ ム(MYP)を提供している学校でも参考資料としてご活用いただけます。各校の校長 は、DPコーディネーター(以下「コーディネーター」)に本資料を配布するようにして ください。不正の疑いがあった場合にその調査に携わるIBのスタッフ、および個別の ケースを審査して不正の疑いを確定または否定するIB最終資格授与委員会(final award committee)の委員は、本資料に基づいて調査や審査を行います。資格授与委員会とは、 事務総長、試験委員会の委員長、主任試験官、およびIBスタッフによって構成される委 員会で、試験の成績交付前に招集されます。この委員会が、試験セッションを精査し、特 殊事情(規則違反の疑いなど)のある志願者について検討した後、成績交付を認めます。 国際バカロレア資 ディプロマ 格(IB資格)取得志願者〔第1年次終了時に受験可能な標準レベル (SL)科目を受験し、第2年次終了時に残りの他の科目を受験する志願者(anticipated candidate)、および再試験志願者(retake candidate)も含む〕や科目別修了証取得志願者 (course candidate)が学問的誠実性を示さなかった場合、その志願者の行動はIB資料(英 語版)『General Regulations: Diploma Programme(総則:DP編)』(以下「総則」)に示された 規則に違反するものとして、不正と見なされることがあります。不正にはさまざまな形態 がありますが、明らかに最も多いのは剽ひょうせつ窃(plagiarism)で、共謀 (collusion) がこれに続 きます。したがって、本資料では、剽窃を防止・検知する方法に主に重点を置いていま す。 本資料のねらいは以下のとおりです。 • DPにおける「学問的誠実性」(academic honesty)と「不正行為」(malpractice) を定義すること • 不正の防止と検知に際して、IB、校長、コーディネーター、教師、志願者、お よび試験官が果たす役割と責任を確立すること • 不正の防止と検知についてのアドバイスを学校に提供すること • 「本当に生徒自身が取り組んだものかどうか」を審査する際のIBの要件を説明す ること • 不正の疑いがあった場合にIBがとる調査手順、およびその調査に協力する学校 の役割について説明すること • 不正の疑いで調査対象となった志願者の権利について説明すること • 不正の疑いが調査される場合の成績授与会議と資格授与委員会の役割を説明する こと • 不正が確定した志願者に対して資格授与委員会が科す処分について説明すること

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• 不正と学問的侵害 (academic infringement) の違いを明確にすること • 資格授与委員会の決定を不服として再審査を請求する際の手順、および不服を訴 える手順を簡単に説明すること 本資料における「校長」とは、学校の方針や校内で発生した重要な問題の解決について 全責任を負う者を想定しています。実務上は、学問的誠実性について学校の方針を規定し たり不正の疑いを調査したりするといった業務を、校長がコーディネーターや他の責任者 に委任する場合があります。 本資料における方針やガイダンスとは、志願者の志願目的の種類(registration category) にかかわらずDP試験の志願者全員に対して適用される方針やガイダンスを指してい ます。

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学問的誠実性と不正の理解

1 学問的誠実性

1.1 「学問的誠実性」(academic honesty)とは、個人の誠実さ、および指導、学習、 評価の優れた実践を推進するための一定の価値観とスキルであると見なされな ければなりません。学問的誠実性は、周囲の圧力、文化、保護者の期待、手本 の示し方、教えられたスキルなど、さまざまな要因によって影響され、形成さ れています。試験における剽窃、共謀、カンニング行為などに直接言及して 学問的不誠実性とは何であるかを志願者に説明するほうが、簡単かもしれませ ん。しかし、このトピックは、学問的研究を適切に行うことによるメリットや、 DPで実施されるさまざまな形式の評価において「誠実さ」を尊重する姿勢を 説くなど、できる限り前向きな姿勢で志願者に説明するようにします。 1.2 DPの志願者は、学問的誠実性の基本的な意味と概念、とりわけ知的財産権と 「本当に生徒自身が取り組んだものかどうか」がどのように判断されるのかの要 件について、必ず理解しなければなりません。ただし、概念的な理解だけでは 不十分です。志願者は、そうした概念を自分の学習成果物に応用するための知 識と実践的なスキルを身につけなければなりません。 1.3 知的財産権の概念は、志願者にとって理解が難しい場合があります。知的財産 権には、特許、登録意匠、登録商標、人格権、著作権など、さまざまな形態が 含まれるためです。志願者は少なくとも、知的表現や創造的表現の形態(文学、 美術、音楽の作品など)が尊重されなければならないこと、そして、それらは 通常は法によって保護されていることを必ず認識しなければなりません。学校 は、剽窃防止の対策を講じることにより、学校外での不法行為(音楽の違法ダ ウンロードや生徒間のファイル共有など)の結果として志願者が法的措置に直 面するのを防ぐこともできます。 1.4 志願者は、「協働」(collaboration)と「共謀」(collusion) の違いを概念的な意味 でも実践的な意味でも理解していない場合があるため、指導が必要です。「協コラボレーション働」 とは、共通の目的のために情報を共有して共に作業することと広義に捉えられ ます。これは、オープンかつ協力的な行動であり、総則の定める「自分の学習 成果物の他人による引き写しや評価目的の提出を許す」行為にはあたりません。 詳細は 2.5 の項を参照してください。 1.5 「本当に生徒自身が取り組んだもの」とは、志願者個人の独自の考えに基づいて いて、他人の考えや成果物が使われている場合はすべて出典が示されているこ とを指します。このため、形式を問わず評価用の学習成果物はすべて、いかな る箇所においても志願者自身の言葉や表現、考えを偽りなく用いたものでなけ

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ればなりません。志願者の学習成果物のなかに他人の考えや成果物が用いられ る場合は、直接的な引用であれパラフレーズ(言い換え)であれ、その出典を 必ず完全かつ適切に明記しなければなりません。この要件は、5月または 11 月 に実施される試験の答案にも適用されます。志願者の試験答案で使用された引 用はすべて、必ず適切に出典を明記しなければなりません。 1.6 学問的誠実性の原則は全科目に共通して同じように適用されますが、「芸術」の 科目においては、模倣や影響、インスピレーションが伝統的に尊重されている ことから、特別な考慮点があります。芸術において、形を観察し、自然との類 似性や他の芸術家の作品との類似性を観察するスキルは、育まれるべきスキル とされています。志願者が他の芸術家や作家の作品に影響を受け、それらの作 品からクリエーティブなインスピレーションを受けることは、期待されていま す1。このため、ある一定の状況下では、他人の作品や発想のクリエーティブな 使用が認められます。ただし、その場合も、原典は必ず明記しなければなりま せん。他の芸術家の作品を模倣することは、教師が十分な指示を与えた状況で は容認される場合もあります。ただし、他人の作品を自分の学習成果物として 提示することは認められず、これは不正にあたることを、志願者は理解しなけ ればなりません。 1.7 総則では、「剽窃」(plagiarism)を他人の考えや成果物を自分のものとして使用 することと定義していますが、この定義だけでは何が剽窃であり、どうすれば それを回避できるかについて、十分な情報を提供していません。志願者は、自 分の学習成果物にいつどのように出典を記載すべきかについて、必ず指導を受 けなければなりません。同様に、パラフレーズの実践的なスキルも必ず指導を 受けなければなりません。志願者がある一節を写して、いくつかの単語を自分 の言葉に置き換えただけで、自分の学習成果物と見なすことがないようにする ためです。他人の言葉を使用する際は、引用符や字下げ、その他の確立した手 法を用いて、その部分が自分の表現ではないと明示することを習慣にしなけれ ばなりません。さらに、引用(またはパラフレーズ)の出典は、参考文献目録 に記載するだけでなく、その引用箇所に必ず明示しなければなりません。他人 の言葉や考えを用いて自分の議論を補強することは、どんな学問的営みにも欠 かせない要素であり、そうした言葉や考えをいかにして自分の考えと統合させ るかは、重要なスキルとして必ず指導されなければなりません。

(11)

学問的誠実性と不正の理解

2 不正

2.1 総則では、1つまたは複数の評 コンポーネント 価要素において志願者本人や他の志願者に公正 さを欠いた利益をもたらす、またはもたらし得る行為を、「不正」(malpractice) と定義しています。不正には、以下の行為が含まれます。 • 剽窃:他人の考えや成果物を自分のものとして使用すること • 共謀:自分の学習成果物の他人による引き写しや提出を許すなど、他の志願 者による不正を支援すること • 学習成果物の重複使用:異なる評コ ン ポ ー ネ ン ト価要素やIB資格取得の必修要件に対して、 同一の学習成果物を提出すること • 志願者が公正さを欠いた利益を得る、または他の志願者に影響を与えるすべ ての行動〔許可されていないものの試験会場へのもち込み、試験中の違反行 為、「創造性・活動・奉仕」(CAS)記録の虚偽申告など〕 2.2 「インターネットはパブリックドメインであり、ほとんど管理されていないた め、ウェブサイトから取得した情報には出典を明記しなくてもよい」と考えて いる志願者がいます。しかし実際には、リサーチのプロセスで情報を取得した したウェブサイトのアドレスはすべて、アクセスした日時も含めて必ず記録し なければなりません。この目的におけるウェブサイトのアドレスとは、ユニ フォーム・リソース・ロケーター(URL)を指します。ウェブサイトの検索 に使用した検索エンジンを記載しただけでは不十分で、資格授与委員会はこれ を出典であるとは見なしません。地図、写真、イラスト、データ、グラフなど を転載した場合も、出典を明記することが必要です。例えばウェブサイトにあ るグラフを「コピー・アンド・ペースト」(コピペ、引き写し)して、出典を明 記せずにおくことは、剽窃にあたります。CD-ROM、DVD、電子メール のメッセージといった電子メディアも、インターネット、図書、雑誌と同様に 扱わなければなりません。 2.3 剽窃の問題は、DPのグループ1~5の科目に限定されているわけではありま せん。芸術作品の模倣は、音楽、映画、舞踏、舞台芸術、視覚芸術のいずれで あれ、適切な出典が明記されなければ剽窃となる可能性があります。他の芸術 家の作品のクリエーティブな使用が許容される状況はありますが、その際も出 典を常に必ず明記しなければなりません。他人の作品を自分の学習成果物とし て提示することは認められず、意図的な行為であるかどうかにかかわらず不正 と見なされることを、志願者は必ず理解しなければなりません。 2.4 文章や他の資料を写していたとしても、それが必ずしも他人の考えや成果物を 自分のものとして提示することを意図した試みであるとは限りません。実際、 志願者の多くが出典を明記すべき場合と方法をよく知らずにいるというのが、 資格授与委員会のこれまでの経験からいうことができます。このため、この重 要な学問的スキルを志願者に指導することは、きわめて肝要です。例えば、図

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書、学術誌、ウェブサイトなどから1文ないし2文程度を写して引用符なしで 使用する一方、脚注や参考文献目録には出典を記載している場合があるかもし れません。それぞれのケースを個別に判断する必要はありますが、概してこの ようなケースは志願者の怠慢または認識不足であり、必ずしも不正にあたるも のではありません。このようなケースには、「学問的侵害」の処分が科される可 能性はありますが、「不正」の処分ではありません。詳細は 11.4 および 11.5 の 項を参照してください。 2.5 ほとんどの評 コンポーネント 価要素では、科目担当教師(または課題論文の指導教員)のサ ポートを仰ぎながら、志願者が独自に課題に取り組むことが期待されています。 ただし、他の志願者との協働が許可されている場合、または一部の内部評価の 要件のように積極的に協働が推奨されている場合もあります。この場合、同じ グループの志願者と同一または類似のデータに基づいた作業になりますが、最 終的な学習成果物は志願者による独自のものでなければなりません。これはす なわち、要旨、序論、本論、結論、あるいは学習成果物の要約が志願者自身の 言葉で書かれなければならず、ゆえに別の志願者と同じであってはならないこ とを意味します。例えば、ある課題について2人以上の志願者の序論がまった く同じであった場合、資格授与委員会は、これを「協働」ではなく「共謀」(ま たは「剽窃」)であると解釈するでしょう。教師と志願者の両者が、協働と共謀 の違いを認識することが非常に重要です。特に教師は、志願者が共謀したとさ れないようにするため、この重要な違いについて十分に注意しなければなりま せん。内部評価の要件で志願者の協働が認められるかどうかは、教 グループ 科や科目に よって異なります。 • 「個人と社会」(グループ3):例えば「地理」では、教師から提示された研究 課題についてデータを収集するために、志願者がグループで実地調査を行う 場合があります。しかし、その場合も、志願者は実地調査のレポートをそれ ぞれ個別に書き上げなければなりません。このレポートでは、研究課題が類 似しており、付録に記載される収集情報も同じになる可能性がありますが、 それら収集した情報の記述、分析、評価の方法は、収集を一緒に行った他の 志願者の学習成果物とは必ず異なるものでなければならず、完全に志願者独 自の学習成果物でなければなりません。 • 「理科」(グループ4):グループ4の科目は、「デザイン技術」も含め、デー タ収集の領域を除いて評 コンポーネント 価要素で協働が認められることはありません。科目 により要件は異なりますが、理想的には志願者がデータ収集も独自に行うべ きでしょう。グループでデータ収集を行う場合も、データの記録と処理が評 価対象となる場合は、その部分は志願者が個別に取り組まなければなりませ ん。詳細は当該科目の「指導の手引き」を参照してください(「グループ4プ ロジェクト」は、本質的に協働プロジェクトであり個人のスキルのみが評価 対象となるため、この要件は適用されません)。

(13)

学問的誠実性と不正の理解 • 「数学」(グループ5):志願者は、提出する学習成果物が必ず完全に自分自身 が取り組んだものでなければならないことを認識しなければなりません。教 室外で学習成果物を完成させる場合は、必ず単独で作業しなければなりませ ん。状況によってはグループ作業が教育上望ましいこともありますが、「数 学」の上級レベル(HL)および標準レベル(SL)のポートフォリオには 適切ではありません。「数学スタディーズ」のSLでは、プロジェクトにグ ループ作業を取り入れてはなりません。プロジェクトはすべて、個別に収集 したデータや個別に生成した測定値に基づいていなければなりません。 2.6 異なる評 コンポーネント 価要素やIB資格取得の必修要件に対して同一の学習成果物を提出す ることは、学習成果物の重複使用であり、不正にあたります。例えば、ある志 願者が同一またはきわめて類似した学習成果物を「歴史」の内部評価と「課題 論文」に提出すれば、不正と見なされます。ただし、同じトピックのある側面 を内部評価で取り上げ、別の側面を「課題論文」で取り上げることは、まった く正当な行為です。 2.7 データの偽造も、やはり不正の一例です。志願者が図表や調査、その他の要件 のためにデータを捏ねつぞう造すれば、これは「評 コンポーネント 価要素で公正さを欠いた利益(unfair advantage)を得ようとする試み」と解釈されるでしょう。結果として資格授与 委員会は、この志願者が「不正」を働いたと判断します。正しいデータの使用 は、学問的誠実性にとって重要な要素です。 2.8 DPの志願者の多くは、複数の言語に精通しているため、インターネットなど を活用して、複数の言語でリサーチを進めることができるでしょう。そのよう な志願者は、文章の一節を写して翻訳し、出典を明記せずに自分の学習成果物 に使用した場合に、これが「剽窃」にあたることを必ず認識しなければなりま せん。 2.9 不正の事例として最も多いのは、剽窃または共謀です。一方、他の方法で志願 者が不正を行い、総則に違反する事例もあります。すべての事例を網羅したも のではありませんが、筆記試験に特有の不正の例を以下に示します。 • 許可されていないもの(携帯電話、メモなど)を試験会場にもち込む。 • 試験中の使用が許可されているトイレに試験会場へのもち込みが許可されて いないものを放置したり、トイレでそれらを使用したりする。 • 試験中に違反行為、試験の妨害行為、他の志願者の邪魔を試みる。 • 試験の内容について他の志願者と情報交換する、または他の志願者への情報 伝達に協力する。 • 試験実施責任者である試験監督者または学校の他のスタッフの指示に従わ ない。 • 他の志願者になりすます。 • 試験問題を窃盗する。

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• 試験中に許可されていない電卓を使用する、または電卓の使用が許可されて いない試験問題で電卓を使用する。 • 試験終了後 24 時間以内に、在籍する学校の関係者以外の人物に試験問題を開 示する、またはその内容について論じる。 2.10 許可されていないもの(自作の下書き、メモ、携帯電話、許可されている電卓 以外の電子機器など)を試験会場にもち込むことは、剽窃と共謀に次いで最も 多いタイプの不正です。試験開始時に、許可されていない持ち物をもっている ことを申し出る機会が志願者に必ず与えられなければなりません。ただし、試 験監督者からこのような機会を与えられなかったとしても、許可されていない ものを所持していた志願者は、資格授与委員会から不正を働いたと見なされま す。「所持」とは、志願者が身につけている、志願者の間近(床や机など)に置 かれている、または試験中にアクセス可能な別の場所(トイレなど)に置かれ ていることなどを指します。また、その資料が実際に使用されたかどうか、使 用する意図があったかどうか、試験に関連する情報、または関連する可能性の ある情報が含まれていたかどうかにかかわらず不正の判断が下されることを認 識することが重要です。許可されていないものを所持していること自体が不正 にあたるのであって、志願者が実際にそれを使用した、あるいは使用する意図 があったことを資格授与委員会が証明する必要はありません。「許可されていな いものを所持していたとは知らなかった」と主張しても、その志願者に対する 処分は減免されません。 2.11 試験中の不正と見られる行為は、通常、コーディネーターや試験監督者によっ て発見されます。試験中に志願者の不正が疑われた場合、コーディネーターは 必ず(地域事務局ではなく)IBインフォメーションデスクに報告書を提出し なければなりません。その報告書は、その行為の発生した試験から必ず 10 日以 内にIBに受理されなければなりません。報告書には以下の情報を記載してく ださい。 • 試験会場の座席表 • 各試験監督者の供述 • 志願者本人の供述 • 許可なくもち込まれたもの(もち込まれたものの性質による) 2.12 総則の違反は、志願者だけが犯すものではありません。コーディネーターや教 師による不適切な行為も、資格授与委員会に報告されることがあります。IB の調査対象となる不適切な行為の例を以下に示します。 • 試験のスケジュールを正式な許可なく変更する。 • 試験前の問題用紙の厳重な保管に不備をきたす。 • 試験前に問題用紙の包みを開封する。

(15)

学問的誠実性と不正の理解 • DPの評価要件に関わる課題(筆記または口述)の作成にあたり、志願者に 過度の支援を提供する。 • 試験中に志願者を監督せず放置する。 • 試験後 24 時間以内に試験問題を公表する、または試験問題の内容について情 報を開示する。 コーディネーターや教師による総則の違反があったとされた場合、IBでは、 校長と相談し、きわめて慎重に調査を行います。調査の目的は、以下の点を見 極めることにあります。 • コーディネーターや教師がIBの総則に違反したかどうか。 • 評価の機密性および厳正さが損なわれたかどうか。 • 志願者の結果に影響が生じたかどうか。

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3 役割と責任

3.1 国際バカロレア(IB)は、以下の役割を果たします。 • 各試験セッション中の行動を統制する規則および指示を提供する。 • 不正行為の具体例やそれを防止する方法について、学校にガイダンスを提供 する。 • 不正の疑いが報告された場合に、学校と協力して調査する。 • 提出された供述や調査中に収集された証拠をすべて吟味したうえで、不正に あたるかどうかを判断する。 • 資格授与委員会の決定を校長に通知する。 • 請求があった場合は、新たな事実証拠に基づいて資格授与委員会の決定を再 審査する。 • 請求があった場合は、資格授与委員会の決定に対して不服を訴える手順を適 用する。 IBは、毎回の試験セッションに際し、志願者の学習成果物から無作為にサ ンプルを抽出してインターネットの剽窃防止サービスによる検査を行っていま す。ただし、IBが検査を行うからといって、内部評価用あるいは外部評価用 に提出された学習成果物が「本当に生徒自身が取り組んだものかどうか」を確 認する責任から学校が免除されるわけではありません。 3.2 校長または校長の任命した担当者は、以下の点を必ず確認しなければなりま せん。 • 学問的誠実性、「本当に生徒自身が取り組んだものかどうか」に関する判断の 観点、および知的財産権について、志願者が理解していること • 学習スキル、学術的な文章の書き方、リサーチ方法、出典や謝辞の記載方法 について、志願者が指導を受けていること • 何をもって不正(特に剽窃、共謀、試験中の違反行為)と見なされるかを、 志願者が理解していること • 不正を働いたと判断された場合の結果について、志願者が知っていること また、校長は、学問的に望ましい行いを促し、学問的誠実性を積極的に奨 励するような学校の方針を確立する責任も負います。この責任の一部は、コー ディネーターや教師に委任される場合もあります。 学校は、不正防止の最前線に立つ存在であり、それゆえに予防、検知、調査 においてIBに全面的に協力することが期待されています。志願者が不正の疑

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学問的誠実性の維持 いで調査される際には、学校にさらなる責任が課されます。詳細は7の項を参 照してください。 3.3 教師の責任は、評価目的で受理または提出されたすべての学習成果物が「本当 に生徒自身が取り組んだものかどうか」を、自分の知り得る限りにおいて確認 することです。これには、教師が採点し、その採点結果をインターネットのセ キュアサービスであるIBインフォメーションシステム(IBIS)に入力す る内部評価用の学習成果物も含まれます。学校がすべての対策を講じていれば、 教師は剽窃や共謀、および学習成果物の重複使用を検知できるものと考えられ ています。さらに、教師には、学問的に望ましい行いを促す学校の方針をサ ポートし、それに基づいて行動し、必要に応じて志願者に随時アドバイスを提 供することも期待されています。この点において、教師は志願者の手本として 行動しなければなりません。 3.4 志願者は、評価用に提出するすべての学習成果物が本当に自分の取り組んだもの であると確認し、他人の考えや成果物を使用した場合は完全かつ正確に出典を 明示する最終的な責任を負います。また、志願者には、学校内における提出期 限をすべて守ることも期待されています。これは本人のためであり、提出期限 を守ることによって最終版の提出前に出所が疑われる部分を書き直したりする 時間ができる可能性があるためです。 3.5 試験官の主な責任は、志願者の学習成果物を指定の評価規準(または採点基準) に照らして採点(またはモデレーションを行って評価を適正化)することです。 剽窃、共謀、その他の不正を検知することは、試験官の役割ではありません。 一方で、試験官は経験豊富な教育の実践者であり、科目領域の文献やウェブサ イトに精通しているため、剽窃を検知する高い能力を有しています。このため、 不正に注意し、不正の疑いを裏づけるような証拠が認められた場合は漏れなく IBに報告することが期待されています。また、上級試験官(senior examiner) は、不正の証拠が認められた評価課題について報告書を書くよう求められる場 合があります。

4 不正の防止

学校の方針

4.1 生徒がIB認定校(またはIBを導入する学区など)でDPを履修するにあ たって、IBは、生徒とその保護者がIB資料(英語版)『General Regulations: Diploma Programme(総則:DP編)』の冊子を受け取り、その内容を理解するよ う、学校が最善を尽くすことを期待しています。不正とそれに関連する規定に ついて、志願者の注意を必ず喚起しなければなりません。志願者とその保護者

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には、IBの公開ウェブサイトを通じて総則にアクセスしてもらうことも可能 です(その場合は、学校のホームページに総則へのリンクを表示します)。 4.2 DPを提供するIB認定校には、学問的誠実性を推進する方針を策定すること が要件として求められています。学校は、DPの開始前にこの方針を必ず志願 者に伝えなければならないほか、2年間のプログラム期間を通じて注意を喚起 し続けなければなりません。どのような方法で学校の方針を志願者に伝えるか は、校長の裁量で決めることができます。ただし、志願者がリサーチと学術研 究のスキルについて正式な指導を受けること、方針の冊子の配布を受けること、 コーディネーターと教師に付加的なアドバイスを仰げるようにすることが推奨 されています。志願者に対して倫理規定に関する「誓約書」への署名を求める かどうかは、学校の裁量に委ねられています。 4.3 学問的誠実性に関する方針の策定に際しては、さまざまな学問領域における剽 窃の具体例を志願者が明確に理解できるよう、すべての科目が網羅されなけ ればなりません。データ、芸術作品、コンピュータープログラム、写真、図 表、イラスト、地図などの出典を明記する必要性についても、各科目担当教師 が志願者に必ず明確に示さなければなりません。学問的誠実性に関する方針は、 DPの志願者やDPの科目のみを対象とするのではなく、学校全体の方針とす ることが望ましいです。 4.4 学校の方針は、国際教育に取り組むIBの一貫教育の基本にある価値観を説明し た「IBの学習者像」に基づいて策定することもできます。「IBの学習者像」 は、IBのねらいと価値観を明確かつ簡潔に述べたもので、IBが「国際的な 視野」と考えるものを具体的に説明しています。例えば、「IBの学習者像」の 1つである「信念をもつ人」とは、誠実さと正直さ、公正な考えと正義感、そ して個人、集団、およびコミュニティーの尊厳を尊重する精神を強くもって行 動すること、また自分自身の行動とその行動に伴う結果に対して責任を負うこ とを示しています。 4.5 学問的誠実性に関する学校の方針には、少なくとも以下の要素を盛り込むよう にします。 • 剽窃、共謀、学習成果物の重複使用についてのIBの定義 • 「IBの学習者像」への適切な関連づけ • 学問的不誠実性、知的財産権、剽窃、学習成果物の重複使用、出所について 疑わしいところのない著作物の作成についてのアドバイスと具体例 • 引用および出典の記載方法の慣例 • 正当な協働と不正な共謀の違いについてのガイダンス • 志願者が不正を疑われ最終的に不正が確定した場合にIBがとる措置につい ての情報 • 不正に関する総則の規定の抜粋

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学問的誠実性の維持 志願者の志願目的の種類(registration category)にかかわらずDPを履修する 志願者全員に対し、正真正銘の自分の学習成果物のみを評価用に提出すると約 束させる宣誓書への署名を学校の方針が定める要件とするのが賢明です。これ により、クラスで行うすべての課題、宿題、IB評価用に作成する学習成果物す べてを対象とすることができます。ただし、この宣誓書への署名によって、評 価およびモデレーション(評価の適正化)目的の学習成果物に添付するカバー シートに記載された宣誓文への署名を志願者が免除されるわけではありません。 4.6 学校の方針では、出典の明記を怠った志願者に科される処分のみを規定したり、 または処分ばかりを強調したりしないようにすることが重要です。学校の方針 とは、「望ましい行い」を奨励する手段でなければなりません。すなわち、肯定 的な姿勢で使われる実践的な参照資料となる必要があります。検知や処分では なく、防止を重視するようにします。 4.7 学校の方針では、剽窃を検知するインターネットのサイトの存在にも言及する ことができます。実際、IBがインターネットの剽窃防止サービスを使用して 無作為に志願者の学習成果物を確認していることは、志願者に必ず警告しなけ ればなりません。さらに、生徒自身が取り組んだものではない文章や資料の検 知に長けた試験官が注意を払っているという事実も、さらなる防止策として機 能するでしょう。 4.8 剽窃(およびその他の不正)は、重大な処分に及ぶことのない些細な違反であ ると見なされてはなりません。発覚すれば世間は決して容認せず、厳しい処分 が科される深刻な学術的犯罪であると見なされなければなりません。 4.9 教師は、学校図書館司書(school librarian)がもつ役割と専門知識を活用すべき です。熟練した司書は、剽窃や著作権その他の倫理問題に精通しており、出典 記載方法に関する学問的に望ましい行いについて指導し、実践することができ ます。生徒がアクセスできるリソースについて司書がもっている知識、および 検索のスキルは、引用された出典を検証する際に役立つうえ、司書は疑わしい 文の出所を突き止める際にも手腕を発揮することが多々あります。さらに重要 な点として、情報を見つけて評価し、利用することにかけて司書が有している スキルは、印刷媒体やオンライン媒体、さらには人的リソースなど生徒がさま ざまな情報源のなかから権威のある信頼性の高い情報を見分けるうえでも役立 ちます。 4.10 学問的に望ましい行いとそれに関する一貫した水準を確立するには、科目担当 の教師や学校図書館司書に加え、志願者の保護者の力を借りることもできます。 実際、多様な文化的背景をもった志願者が存在する学校では、学校が目指す水 準について保護者に通知することが重要です。保護者の理解と協力は、学問的 誠実性を励行するうえで重要な要素であり、看過されるべきではありません。 4.11 学問領域や地理的な地域によって使われる慣例が異なるため、出典の記載方法を 詳細に定めることはできません。ただし、学校や志願者本人が選択した一般的な

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方法が、一貫して使用されなければなりません。米国の現代言語協会(MLA: Modern Language Association)が策定した書式を採用することも、1つの方法 です。MLAはジョセフ・ジバルディ(Joseph Gibaldi)著「MLA Handbook for

Writers of Research Papers」を発行する団体で、この図書の最新版は 2009 年刊行

の第7版となっています。MLAのウェブサイトはhttp://www.mla.orgです。

指導のサポート

4.12 教師(「課題論文」の指導教員も含む)は、出典の記載方法に関する慣例を志願 者に指導しなければなりません。複数の科目にわたって体系的かつ一貫したア プローチが確実に存在するようにするため、学校のコーディネーターが直接指 導するか、またはコーディネーターと相談のうえで他の教師が指導する必要が あります。さらに、教師自身がその慣例を十分に理解し、授業で使う配布資料 などで積極的にその慣例を取り入れることが重要です。事実、DPの教師は、 学問的に望ましい行いの模範を示し、志願者の手本とならなければなりません。 また、学問的誠実性に関する学校の方針で、教師が志願者と同じ慣例を守るこ とを求めるようにします。教師自身が正しい慣例を守らずにその価値を志願者 に理解してもらおうとすることは困難です。 4.13 教師は、出典の記載方法の事例を志願者に示すようにしてください。その事 例には、学術誌、図書、ウェブサイトに加え、多様な情報源(CD - ROM、 DVD、写真、イラスト、挿絵、データなど)の記載方法を必ず含めなければ なりません。 4.14 志願者と教師は、出典明記の要件がインターネット、CD - ROM、図書、雑 誌、学術誌から取得した文章以外にも適用されることを必ず認識しなければな りません。知的財産権と学問的誠実性の概念には、脚注または文末脚注を使用 して、自分のものではない考えの出典を明らかにすることが含まれています。 例えば、クラスメート、教師、または第三者の話や議論の結果として考えが浮 かんだ場合は、「この考えは、『知の理論』(TOK)のクラスでクラスメートが 表明した意見に基づいています」といった方法で脚注または巻末の注をつける ことができます。 4.15 学校は、オンラインのデータベースや図書および学術誌のライブラリー、特に 編集や査読のプロセスを経た文献を提供しているものを利用することが奨励さ れています。これらのライブラリーのなかには、志願者(や教師)が適切な参 照をつけた状態でメモを保存でき、文献管理を簡単にしてくれるものもありま す。さらに、完全かつ一貫性のある文献管理の一助としてオンラインの文献管 理ツールを使うことも、生徒に奨励できます。 4.16 生徒の書いた文章が他の場所で入手できる文章に合致するかどうかを検知する ためのオンラインサービスも、多数提供されています。合致した結果が出たか らといって必ずしも剽窃となるわけではありません。特に生徒が字下げや引用

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学問的誠実性の維持 符を使って引用を明確に示し、出典を明らかにしている場合は、剽窃ではあり ません。オンラインの検知サービスには限界もあるため、慎重に使用します。 多くの学校では、剽窃を検知するためではなく、生徒が執筆能力を高め、剽窃 や他人の成果物への過度の依存を回避できるようにするために、こうしたサー ビスを使用しています。 4.17 「パラフレーズ」(言い換え)とは、他人の言葉を新しい文体で表現し、別の文 に文法的に統合したものを指します。正しく行う限り、パラフレーズは、他の 情報源を使用する正当な方法となり得ます。しかし、他人の考えを使用してい ることには変わりがないため、やはり出典を明らかにする必要があります。志 願者は、このスキルを必ず教わらなければなりません。指導を受けていない志 願者に、正当な方法と不正な方法の違いを理解することは望めません。適切に 行われないパラフレーズは、剽窃と見なされます。 4.18 教師は、収集した情報の羅列でしかない一般論を並べたレポートを志願者が作 成することのないよう、課題をきちんと構成しなければなりません。むしろ、 志願者が問題解決、対比、正確な仮説の構築、分析、その他のテクニックを 使って自分なりの考えを発展させるよう奨励する具体的なガイドラインを提供 しなければなりません。注意深く工夫をこらした課題を課すことにより、志願 者が適切な引用をせず文献を写してしまう可能性を減らすことができます。 4.19 教師は、形成的評価の枠組みを用いて調査レポートの課題を進め、そのプロセ スで情報源の選定の計画と評価を盛り込み、その学習成果物が「本当に生徒本 人が取り組んだもの」となるよう誘導していきます。形成的評価の枠組みを用 いたプロセスには、以下のような要素が含まれます。 • 注意深く記述された命題 • 文献の評価 • 調査の計画 • 個人的な批評または分析 • 論点に対する代替の解決策を提案するにあたって示される高次の思考の証拠 • 授業中に行うリサーチ課題 4.20 IBの評価対象とならない通常の授業の課題や宿題を採点する際も、教師は、 志願者が使用した文献と出典の記載方法に注意を払います。文献がすべて正し く明記されているかどうかに対して、配点を設けることもできます。このよう な方法を使って学問的に望ましい行いを促すことは、DPのプログラムモデル に含まれる全科目および全要件について、日常的に行われなければなりません。 4.21 志願者には、他人の考えや成果物をできる限り誠実かつ正確に記録するよう指 導しなければなりません。出典を完璧な精度で記載できない場合は、その旨を 脚注などの適切な方法で明記しなければなりません。 4.22 教師は、「学問的怠慢」(academic negligence)と見なされる行為についても防止 するよう注意しなければなりません。つまり、出典の記録を不注意に行ったり、

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文献の出所を学習成果物に含めることを平然と無視したりした場合に、どのよ うな結果を招くかについて、必ず志願者に警告します。インターネットは、電 子媒体の文献を「コピー・アンド・ペースト」(コピペ、引き写し)して学習成 果物に含めるのを容易にしたという点で、学問的怠慢を大きく助長してきまし た。しかし、怠慢は剽窃の正当な言い訳になるわけではありません。

5 剽窃の検知

5.1 3.4 の項で述べたとおり、評価用に提出するすべての学習成果物が本当に自分の 取り組んだものであると確認し、他人の考えや成果物を使用した場合は完全か つ正確に出典を明示する最終的な責任は、志願者が負います。志願者は、提出 前に自分の学習成果物を見直して、あらゆる文章、データ、グラフ、写真、コ ンピュータープログラムなどの出典記載漏れがないことを確認したうえで、学 習成果物のカバーシートに署名することが期待されています。 5.2 志願者の学習成果物を読む際、教師は、文体の明らかな変化に気を配らなけれ ばなりません。また、過度に成熟した文体、誤りがあまりにもない文体、高校 生というよりも経験豊富な学者に特徴的であると思われる文体にも注意する必 要があります。DPの2年間を通じて、教師は、指導している生徒たちの個別 の学習成果物のスタイルや質に精通するようになるでしょう。このため、科目 担当教師は、生徒自身が取り組んだものではない学習成果物を検知するという 点で最適の立場にあります。 5.3 剽窃はほとんどの場合、ウェブサイトからの文章の引き写しですが、図書や学 術誌からの剽窃、およびさまざまな出所の写真、グラフ、データ、コンピュー タープログラムの不正使用も、依然として起こっています。たいていの場合、 教師は、志願者が使用した図書を熟知しています。その科目の標準的な教科書 であったり、学校の図書室で簡単に入手できる図書であったりするためです。 教師は、聞き覚えのある文章に注意し、必要に応じて教科書から文章が写され ていないかどうかを確認しなければなりません。「課題論文」の場合は、指導中 または総括的な口頭試問(結びの面接)の最中に指導教員が論文の内容につい て志願者に質問することで、「本当に生徒自身が取り組んだものかどうか」を確 認できます。 5.4 インターネットが発達するにつれ、電子メディアの悪用が学界でも多発するよ うになっています。使用に適したウェブサイトだけでも無数に存在する一方で、 生徒に積極的に剽窃を促したり、論文を購入できるようにしたりするウェブサ イトも増加しています。こうしたウェブサイトの出現を防止する手立てはほと んどありませんが、インターネットは、学問的不誠実性を検知する目的で使用 することも可能です。性能の高い検索エンジンをいくつか使って、剽窃された

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学問的誠実性の維持 文章の出所を検知することができます。さらに、インターネットからの剽窃を 検知する便利なサービスを提供しているウェブサイトもいくつかあります。

6 「本当に生徒自身が取り組んだものかどうか」の確認

6.1 DPの教師は、志願者の評価課題への取り組みをサポートし、また学習成果物 がその科目の「指導の手引き」の要件を満たしていることを確認する責任を負 います。このため、教師(「課題論文」の場合は指導教員)は、志願者の学習成 果物が「本当に生徒自身が取り組んだものかどうか」を判断するうえで最適な 立場にあります。継続的なサポートと指導は、不本意な剽窃を早期発見するの に役立ちます。また志願者の学習成果物が常に精査されていることを示すこと は、故意による剽窃をしないよう説得するのに役立ちます。ただし、時間と仕 事量の制約が常にあるなかで現実的に何が可能かは、教師およびコーディネー ターの裁量に委ねられなければなりません。究極的には、志願者が自分の学習 成果物の最終版が本当に自分が取り組んだものであることを承認する責任を負 います。剽窃が故意によるものか、リサーチスキルの未熟さゆえのものである かにかかわらず、自分の学習成果物ではないものを評価用に提出した場合、そ の結果の責任を負わなければならないのは志願者自身です。共謀についても、 同じ原則が適用されます。 6.2 教師は、複数の教師が指導する科目で起きる共謀や剽窃に注意しなければなり ません。同一科目が複数あり、それぞれを別の教師が教えている場合、自分の 学習成果物を読むのは自分の授業を担当する1人の教師のみで、別のクラスで 学ぶ志願者と互いの学習成果物を写し合っても見つからないと考える志願者が いるかもしれません。「知の理論」(TOK)の小エ ッ セ イ論文をはじめ、同一科目の学 習成果物はすべて同じ試験官に送付されます。その試験官が同一または非常に 近似した学習成果物を発見できることを、志願者は忘れているのです。 6.3 教師が学習成果物の草稿を吟味する段階で、その一部または全部が学問的誠実 性の原則に違反しており、ゆえに不正だと疑われる理由を発見するかもしれま せん。そのような場合、教師は、その危険性について、また学問的誠実性を尊 重するという要件について、志願者に必ず注意を喚起しなければなりません。 6.4 志願者は、外部評価される評コンポーネント価要素(ただし試験の答案を除く)と内部評価さ れる評コンポーネント価要素のすべてのカバーシートに署名することによって、これが本当に 自分が取り組んだものであり、かつその課題の最終版学習成果物であることを 承認しなければなりません(学習成果物が紙に印刷したものではなく電子形式 でIBに提出されるケースが増えていますが、その場合も従来型に準じたデジ タル版のカバーシートにデジタル署名をする必要があります)。カバーシートに 署名が入っていない段階で剽窃の疑いが検知された場合は、学校内でその問題 を解決します。IBに通報する必要はありません。不正が疑われた場合、その

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状況を学校内で解決せずにIBに委ねる目的で、志願者にカバーシートに署名 するよう促したり、署名を許可したりすることは、適切ではありません。 6.5 カバーシートの宣誓文(紙版、または電子版)への署名の原則は、内部評価か 外部評価のいずれかによらず、すべての評 コンポーネント 価要素に適用されます。内部評価の 場合、その評価課題のためのサンプルとして提出されない場合であっても、カ バーシートは必ず署名されなければなりません。 6.6 志願者が自分の最終版学習成果物であると宣誓して、カバーシートに署名し、 外部評価または内部評価のため学習成果物を教師(またはコーディネーター) に提出すると、志願者がその学習成果物やカバーシートを撤回することはでき なくなります。その後、剽窃または共謀の疑いをかけられた志願者が間違えて 最終版でない学習成果物を評価用に提出したと訴えても、有効な弁明にはなり ません。 6.7 志願者が署名して、提出物が自分の学習成果物であり最終版であると宣誓した 後、教師(「課題論文」の場合は指導教員)もカバーシートに署名して日付を 入れ、自分の知り得る限りこれがその志願者自身が取り組んだ学習成果物であ ると宣誓しなければなりません。志願者がカバーシートに署名した後で不正の 疑いが生じた場合は、必ずIBインフォメーションデスクに報告して調査を要 請しなければなりません。ただし、不正の具体的な証拠(剽窃の引き写し元と なった文献など)がない場合は証拠不十分と見なして、教師または指導教員が カバーシートに署名しなければなりません。教師が以下のことを行うことは認 められていません。 • 宣誓文を削除したうえでカバーシートに署名する。 • 教師の署名がないまま学習成果物を評価のために提出する。 • 宣誓文に署名した後で、「本当に生徒自身が取り組んだものかどうか」につい て疑いを呈するようなコメントを学習成果物やカバーシートに記入する。 6.8 上記の状況が認められた場合、IBは、「本当に生徒自身が取り組んだものであ る」という保証を学校から受け取らない限り、学習成果物を評価(またはモデ レーション)目的で受理しません。 6.9 不正の疑いを理由として教師がカバーシートへの署名を拒んだ場合は、問題を 必ず学校内で解決しなければなりません。コーディネーターは、その志願者の 学習成果物が提出されないことをIBインフォメーションデスクに通知するこ とができます(結果として、その科目またはIB資格要件に対して成績は付与 されません)。6.7 の項で述べたように、教師がカバーシートの宣誓文に署名し ないまま学習成果物を評価用に提出すること、また内部評価の場合は教師がそ のような学習成果物を評価することは、認められていません。 6.10 教師、指導教員、またはコーディネーターは、片方または両方の宣誓文を割愛 した独自のバージョンのカバーシートを作成してはなりません。不正の疑いが 後にIBの知るところとなった場合には、宣誓文の有無にかかわらず調査の対

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学問的誠実性の維持 象となり、学校が正しい手順を踏まなかった事実が資格授与委員会に報告され ます。 6.11 学習成果物の提出日に曖昧さを残さないようにするため、教師と志願者の署名 には必ず正しい日付を記入しなければなりません。これは、従来の紙版と電子 版のカバーシートの両方に適用されます。コーディネーターは、志願者に対し て志願者が学習成果物を科目担当教師に提出しなければならない締切日を明確 に示した日程表を提供することが強く推奨されています。また、教師向けには コーディネーターが学習成果物を受理しなければならない締切日を明確に示し た日程表を提供することが強く推奨されています。 6.12 志願者または教師の署名が入っていないカバーシートをIBが見つけた場合 (ただし電子版ではそのようなカバーシートが見つかることはありません)、そ の志願者の当該科目の成績は、署名が受理されるまで未決となります。その場 合、通常はIBが結果発表前にコーディネーターに連絡し、その旨を通知しま す。「本当に生徒自身が取り組んだものかどうか」が試験セッション終了日(5 月セッションの場合は9月 15 日、11 月セッションの場合は3月 15 日)までに 確認されなかった場合は、未決の評価が「N」(無得点)に変更され、結果的に 成績は付与されません。

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7 調査の手順

7.1 調査が行われる状況として最もよくある状況は、以下のとおりです。 • 評価目的で(またはモデレーション目的のサンプルの一部として)IBに提 出された学習成果物が志願者本人のものではない可能性があるとして、コー ディネーターがIBカーディフ事務局に通知した場合 • 試験中に不正が行われた可能性があるとして、コーディネーターがIBカー ディフ事務局に通知した場合 • 試験官が不正を疑い、その証拠を提出した場合 • 評価用の資料を無作為に確認するIB担当者がインターネットのアプリケー ションを使用して不正の可能性を検知した場合 7.2 IBが不正についての調査を開始する場合は、不正の証拠がIBの学問的誠実 性の担当者に届けられた直後に開始されます。IBの学問的誠実性の担当者は、 調査対象となった志願者の担当コーディネーターに電子メールで連絡し、不正 の可能性が調査されていることを通知します。コーディネーターは、この電子 メールの受信を確認し、即座に校長に報告しなければなりません。 7.3 志願者による不正が疑われた場合は、コーディネーターが調査を行って報告書 を提出するよう要請されます。剽窃の疑いについてコーディネーターが提出す る報告書は(志願者の名前を出すのではなく登録番号で言及するなど)秘密保 持の必要性を考慮して作成され取り扱われなければなりません。また、通常は 以下の点が報告書に盛り込まれます。 • 当該科目の教師(「課題論文」の場合は指導教員)の供述 • コーディネーターの供述 • 志願者の供述 • 剽窃の疑いについて志願者の聞き取り調査を行った場合は、その概要 志願者の聞き取り調査は必須ではありません。コーディネーターの裁量に委 ねられています。 7.4 調査とその後のIBへの報告が迅速に行われることは、きわめて重要です。遅 れが生じると、成績交付後まで資格授与委員会の決定が下されなくなるためで す。ただし、志願者が試験準備に集中できないことを避けるため、志願者に知 らせるのを最後の筆記試験の終了後まで待っても構いません。志願者の個人の 権利を保護するため、調査は慎重に行い、調査に関する情報は秘密保持に配慮 して管理しなければなりません。

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不正の調査 7.5 志願者の聞き取り調査を行う際は、アドバイザーまたはオブザーバーとして親 族や友人を同席させるのが通常の慣行です。志願者には証拠を提示したうえで、 説明や弁明の機会が与えられなければなりません。志願者を非難することは、 書面であれ口頭であれ、避けなければなりません(共謀の疑いを調査する場合 は、志願者の聞き取り調査を別個かつ同時に行うことによって、何が起きたか について口裏を合わせられないようにするのが有効です)。志願者の了解を得 たうえで、聞き取り調査の録音記録を書き起こして、コーディネーターが作成 する報告書の一部としてIBに提出することができます。志願者には、書面に よる供述の機会が必ず与えられなければなりません。この供述書は、コーディ ネーターからIBに提出されます。 7.6 コーディネーターの報告書の内容は、不正の疑いの性質によって異なります。 座席表(筆記試験の場合)のほか、学習成果物について志願者が記したメモや 初期の草稿が報告書に含まれる場合があります。また、状況によっては、疑わ しい学習成果物と比較するため志願者の授業中の学習成果物の例を提出するよ う、コーディネーターが要請されることもあります。 7.7 コーディネーターの報告書に志願者の供述が含まれておらず、聞き取り調査の 証拠もない場合、コーディネーターは、弁明と供述の機会が志願者に与えられ たことを確認する文書の提出を求められます。この確認または供述そのものが 受理されるまで、IBは不正の疑いについて判断を下しません。 7.8 IBは通常、不正の疑いに関連するすべての証拠を学校に提供します。ただし、 情報提供者の身元を保護するため、あるいはその証拠の開示により他人のプラ イバシーが侵害される場合は、証拠が開示されないことがあります。 7.9 IBは、調査が完了するまで志願者に成績を交付しない権限を有します。具体 的には、要請した供述をIBがすべて受理していない場合がこれにあてはまり ます。 7.10 成績交付の後で志願者の不正の疑いがIBに報告されることもあります。総則 では、後で不正が確定した場合にはIB資格またはDPの最終成績が撤回され 得ると定めています。これに従い、IBは調査を開始します。当該の志願者は すでに学校に通学していない場合がありますが、IBは学校からのアドバイス とサポートを仰ぎながら、遅れて報告された不正の疑いに対処します。

8 志願者の権利

8.1 4.1 の項に述べたとおり、生徒がIB認定校(またはIBを導入する学区など) でDPを履修するにあたって、IBは、生徒とその保護者がIB資料『総則: DP編』の冊子を受け取り、その内容を理解するよう、学校が最善を尽くすこ とを期待しています。

参照

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