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[7] 氏 名 ( 本 ( 国 ) 籍 ) SAMSON VIULU( ソロモン諸島 ) 学 位 の 種 類 博士 ( 農学 ) 学 位 記 番 号 農博甲第 613 号 学位授与年月日 平成 25 年 9 月 10 日 学位授与の要件 学位規則第 3 条第 1 項該当 研究科及び専攻 連合農学研究

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Academic year: 2021

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(1)

Title

Isolation and Characterization of Two Novel Fe(Ⅲ)-reducing

Bacteria from an Anaerobic Microbial Enrichment Induced with

Methane( 内容と審査の要旨(Summary) )

Author(s)

SAMSON, VIULU

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第613号

Issue Date

2013-09-10

Type

博士論文

Version

ETD

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/47824

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

[7] 氏 名(本(国)籍) SAMSON VIULU(ソロモン諸島) 学 位 の 種 類 博士(農学) 学 位 記 番 号 農博甲第613号 学 位 授 与 年 月 日 平成25年9月10日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第3条第1項該当 研 究 科 及 び 専 攻 連合農学研究科 生物資源科学専攻 研究指導を受けた大学 岐阜大学

学 位 論 文 題 目 Isolation and Characterization of Two Novel Fe(Ⅲ)-reducing Bacteria from an Anaerobic Microbial Enrichment Induced with Methane (メタンを基質とした嫌気的微生物集積系から得ら れた2 種の新規鉄還元細菌の分離と性状解析) 審 査 委 員 会 主査 岐阜大学 教 授 鈴 木 徹 副査 岐阜大学 教 授 髙見澤 一 裕 副査 静岡大学 教 授 小 川 直 人

論 文 の 内 容 の 要 旨

メタンは無色、無臭の気体でメタン生成アーキアと種々の微生物の有機物分解の結果、 無酸素環境で産生される。イネやレンコンなどを栽培する水田・蓮田もこのメタン生成 環境に含まれ、ここで生成したメタンの90%は大気中に放出される。メタンは CO2の 20 倍以上の温室効果をもつ温室効果ガスであり、地球温暖化への寄与率は温室効果ガ ス全体の2割を占める。水田は多様な微生物の生息場所であり、メタンを酸素で好気的 酸化して生育する細菌が存在する。このような好気的メタン酸化細菌はメタンが大気中 に放出される前にメタンを酸化することから、潜在的な生物学的メタン消失源となって いる。 鉄(Fe)は地殻に含まれる元素の中で4番目に多く存在する元素で、土壌中に鉄酸 化物として普遍的に存在する。鉄酸化物は土壌中に高濃度で存在し、微生物による有機 物分解の電子受容体として利用される。また、熱力学的にはメタンの嫌気的酸化 (anaerobic oxidation of methane, AOM)反応にも鉄酸化物が利用されることが予測 されている。Fe(III)還元細菌、即ち鉄還元細菌は Fe(III)が存在する環境において有機 物分解の優占種として存在する。鉄還元細菌は、地球上の炭素と鉄のみならず様々な金

(3)

属の循環に大きく寄与している。鉄還元細菌は炭化水素や芳香族化合物を利用可能なも の が あ り 、 そ の い く つ か は Geobacter 属 に 属 す る 。Geobacter 属 細 菌 は 、 Deltaproteobacteria 綱に属する新属として確立されて以降、その万能性(多種多様な 電子受容体・供与体を利用可能)や数々の環境中に存在することが知られてきた。更に Geobacter 属細菌はバイオレミディエーションや微生物燃料電池による微生物発電の モデル生物として広く用いられている。 本論文では、鉄還元を伴うAOM 活性をもつ微生物の分離培養を目的とし、嫌気集積 培養系を構築し、そこから鉄還元細菌を分離し性状解析を行った。嫌気集積培養系は、 蓮田土壌試料を植種源とし、メタンを連続供給し、非結晶性水酸化鉄を定期的に供した もので、鉄還元活性とメタン酸化活性を経時的に測定した。集積培養中、水酸化鉄の還 元に伴い生じるFe(II)が検出され、さらにメタン濃度の減少も確認された。しかし、突 如としてこれらの活性が失われた。PCR-DGGE 解析の結果、失活と同時に好気性細菌 が出現したことから、集積培養系が何らかの理由で好気的に変化したことが示唆された。 また、失活前の集積培養液を植菌源とし、13CH4を用いた回分培養系からは13CO2が検 出されず、AOM 活性は見いだされなかった。集積培養系から AOM 活性は検出されな かったが、新規の鉄還元細菌を2種分離した。これらの鉄還元細菌の性状解析を行い、 Geobacter属の新種と新亜種であることを明らかとした。

Geobacter 属の新種として提唱したGeobacter luticola OSK6 株は集積培養液を植菌源と し、酢酸塩と水溶性 Fe(III)を含んだ嫌気的固体培地でコロニーを形成させて分離された。 本菌株は絶対嫌気性、グラム陰性、運動性を持つ桿菌で、中温(20-40℃)、中性(pH 6.5-7.5) で良好に生育した。細胞中脂肪酸や呼吸鎖キノンといった化学性状は Geobacter 属のもの と一致した。電子受容体として、種々の酸化鉄、硝酸塩を利用したが、フマル酸塩、リン ゴ酸塩、硫酸塩は利用しなかった。電子供与体では酢酸塩、乳酸塩、ピルビン酸塩、コハ ク酸塩を用いた。更に16S rRNA 遺伝子に基づく分子系統解析の結果、既知のGeobacter 属細菌との相同性は95.6%以下と低く、本菌株が Geobacter属の新種であることが示され た。

Geobacter 属の新亜種として提唱した Geobacter sulfurreducens subsp. ethanolicus

OSK2A 株 は OSK6 株と同様にして分離された。本菌株も絶対嫌気性、グラム陰性で運動 性を持った。その化学性状はGeobacter属のものと一致した。16S rRNA 遺伝子に基づく 分子系統解析から本菌株はG. sulfurreducens PCAT株と高い相動性(99.6%)を有した。 しかしながら、ゲノムDNA-DNA 交雑解析の交雑値が 60.7%と低く、新種の可能性を示し た。生理生化学性状では、本菌株とPCAT株の性状はほぼ一致したものの、本菌株にはエタ ノールを電子受容体とした。本菌株は最近縁種とのDNA-DNA 交雑値が低く、最近縁種が 持たない運動能やエタノール酸化能を有しており、本菌株がG. sulfurreducensの新亜種で あることが示された。 嫌気的集積培養系によって 2 種の新規鉄還元細菌の分離に成功した。メタンを酸化する

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鉄還元微生物の集積と分離培養が今後の集積装置の改良から可能になると考えられる。

審 査 結 果 の 要 旨

SAMSON VIULU は、鉄還元を伴う嫌気的メタン酸化微生物の取得を目的と し、メタンを唯一の基質とした嫌気的集積培養装置を構築した。鉄還元を伴う天気 的メタン酸化微生物は、これまでにその存在が示唆され続けているものの、未培養 のままである。 集積培養装置に蓮田土壌試料を植種し、非結晶性酸化鉄と培地を継続的に追加、 または交換することで鉄還元を伴うメタン酸化微生物の集積を試みた。集積培養中、 水酸化鉄の還元に伴い生じるFe(II)が検出され、さらにメタン濃度の減少も確認さ れた。しかし、突如としてこれらの活性が失われた。PCR-DGGE 解析から失活と 同時に好気性細菌が出現したことから、集積培養系が何らかの理由で好気的に変化 したことが示唆された。また、失活前の集積培養液を植菌源とし、13CH4を用いた 回分培養系からは13CO2が検出されず、嫌気的メタン酸化活性は見いだされなかっ た。 集積培養系から嫌気的メタン酸化活性は見いだされなかったものの、新規の 鉄還元細菌を2種分離した。これらの鉄還元細菌の性状解析を行い、それらを Geobacter属の新種と新亜種として提唱し受理された。

Geobacter luticola OSK6 sp. nov. は集積培養液を植菌源とし、酢酸塩と水溶性

Fe(III)を含んだ嫌気的固体培地でコロニーを形成させて分離された。本菌株は絶対 嫌気性、グラム陰性、運動性を持つ桿菌で、中温(20-40℃)、中性(pH 6.5-7.5) で良好に生育した。細胞中脂肪酸や呼吸鎖キノンといった化学性状はGeobacter 属のものと一致した。電子受容体として、種々の酸化鉄、硝酸塩を利用したが、フ マル酸塩、リンゴ酸塩、硫酸塩は利用しなかった。電子供与体では酢酸塩、乳酸塩、 ピルビン酸塩、コハク酸塩を用いた。更に16S rRNA 遺伝子に基づく分子系統解析 の結果、既知のGeobacter属細菌との相同性は95.6%以下と低く、本菌株が Geobacter属の新種であることが示された。

Geobacter sulfurreducens subsp. ethanolicus OSK2A subsp. nov. は OSK6 株 と同様にして分離された。本菌株も絶対嫌気性、グラム陰性で運動性を持った。そ の化学性状はGeobacter属のものと一致した。16S rRNA 遺伝子に基づく分子系統 解析から本菌株はG. sulfurreducens PCAT株と高い相動性(99.6%)を有した。 しかしながら、ゲノムDNA-DNA 交雑解析の交雑値が 60.7%と低く、新種の可能 性を示した。生理生化学性状では、本菌株とPCAT株の性状はほぼ一致したものの、 本菌株にはエタノールを電子受容体とした。本菌株は最近縁種とのDNA-DNA 交

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雑値が低く、最近縁種が持たない運動能やエタノール酸化能を有しており、本菌株 がG. sulfurreducensの新亜種であることが示された。 嫌気的集積培養系によって2 種の新規鉄還元細菌の分離に成功した。メタンを酸 化する鉄還元微生物の集積と分離培養が今後の集積装置の改良から可能になると 考えられる。 以上について、審査員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位 論文として十分価値あるものと認めた。 これらの研究は以下の雑誌に発表している。

1. Geobacter luticola sp. nov., an Fe(III)-reducing bacterium isolated from lotus field mud. Samson Viulu, Kohei Nakamura, Yurina Okada, Sakiko Saitou, and Kazuhiro Takamizawa. International Journal of Systematic and

Evolutionary Microbiology. 63:442-448, 2013.

2.Geobacter sulfurreducens subsp. ethanolicus, subsp. nov., an ethanol- utilizing dissimilatory Fe(III)-reducing bacterium from lotus field. Samson Viulu, Kohei Nakamura, Akihiro Kojima, Yuki Yoshiyasu, Sakiko Saitou, and Kazuhiro Takamizawa. Journal of General and Applied Microbiology. In press, 2013

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