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121022資料1さっぽろビジョン(素案)

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自然林・自然草原(湿原)

札幌市南西部の比較的標高の高い地域では、過去の森林伐採の影響が少なく、現在でも自 然性の高い樹林地(針葉樹林、針広混交林、広葉樹林)や草地が維持されている生態系です。 そこには、ヒグマやクマタカ、クマゲラなどの動物やエゾコザクラ、ジンヨウキスミレなど の希少な高山植物、カオジロトンボ、ムツアカネなどの高山性の昆虫などが生息しています。 観音岩山(八剣山) 無意根山大蛇ヶ原 円山原始林

二次林

市街地周辺や山麓、丘陵では、明治後半から大正期にかけて盛んに自然林が伐採されてき ましたが、高度経済成長期以降そこにエゾイタヤ、ミズナラなどを主体とする二次林が形成 されています。こうした環境では、適度に管理された明るい林の林床にカタクリなどの春植 物や多様な草本が見られ、そこに集まるマルハナバチやチョウなどの昆虫、それを食べる鳥 類や哺乳類が生息しています。 有明の滝 滝野すずらん丘陵公園 平岡公園

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第2 章 ビ ジ ョ ン 策 定 に あ た っ て 第3 章 札幌市に お け る 生 物多 様 性 の 現 状 と 課題 第4 章 推進 す る 施策 資料編

人工林

明治以降の伐採後にトドマツやカラマツなどが植林された場所です。これらは樹種が単一 で、手入れをしないと生態系の構成種が単純になりますが、適切な管理をすれば、林床の多 様性を高めることができます。札幌市における人工林の分布は、広範な自然林や二次林の中 に介在しています。 白旗山(カラマツ林) 白旗山(トドマツ林)

公園緑地等

市内には、開拓当時から維持されてきた緑地や、近年に畑地や造成地等から計画的に整備 された公園緑地、私有地の庭などさまざまな緑地が存在し、身近な生き物が生息しています。 人為的につくられた環境ですが、都市生活にうるおいをもたらすものとして利用されていま す。 モエレ沼公園 前田森林公園

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畑地・雑草地・湿地

札幌市北東部の平野部を中心に、畑地、牧草地のほか、耕作がされず雑草が繁茂した土地 が見られます。開拓前の低地には湿地が分布していましたが、明治期に開発が始まり大正期 には市街地周辺の各所で畑地が拡大した結果、湿地は極めて少なくなりました。このような 低地の草地・湿地には、ノビタキなどの草原性鳥類やエゾヤチネズミなどの哺乳類、ルリボ シヤンマなどの昆虫類が生息しています。平成期以降は、宅地化などにより畑地なども急速 に縮小しています。 篠路福移湿地周辺 札幌市東区の牧草地

防風林

明治の開拓時に、強風から農作物を守るため自然林の一部を残置したことから始まったと され、大正期にセイヨウハコヤナギやヤチダモがさかんに植林されました。昭和期以降も周 辺住民の植樹や間伐等手入れが多く入り、厳しい季節風から家屋や農作物を守るなど生活の 安全を支えるとともに、人と自然との共存を考える場として生物多様性に貢献しています。 ポプラ通 北区屯田町の防風林

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第2 章 ビ ジ ョ ン 策 定 に あ た っ て 第3 章 札幌市に お け る 生 物多 様 性 の 現 状 と 課題 第4 章 推進 す る 施策 資料編

河川

札幌市には、大小約 590 本もの河川があり、上流から下流にかけて、流域のさまざまな生 態系と相互に関わりあいながら、多くの生物を育み、陸と海をつなぐ重要な役割を担ってい ます。これらは水道水、農業用水などの供給源であるとともに、サケ、イバラトミヨなどの 魚類をはじめとする水生生物やカワセミ、ダイサギなど鳥類等の生息・生育環境となってい ます。また、物質循環や水質の浄化、人の憩いの場の提供など、さまざまな機能を持ってい ます。 豊平川(中流:豊平橋周辺)

河畔林

ヤナギ類やケヤマハンノキなどにより河畔に形成される樹林地で、チゴハヤブサやオシド リなどの野鳥が繁殖のために利用するほか、木立の下の水辺には魚類など生き物が多く生息 しています。昭和中期以降の市街地の拡大や河川整備などにより、河畔林の面積は小さくな ってきましたが、連続した樹林地として河川の上流と下流をつなぎ動物の移動路となるな ど、生態系のネットワーク機能を持っています。 東屯田川遊水地 豊平川の上流

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イ 種の多様性

札幌市域には南方系の生物と北方系の生物が多様に生息・生育し、これまで、およそ 6,000 種もの生物種が記録されています(表 3)。その中には、昆虫ではサッポロフキバッタ、ジョ ウザンシジミ、モイワサナエなど、植物ではモイワラン、モイワナズナ、モイワシャジンな ど札幌の地名がついた生き物もいます。 表 3 札幌市の動植物の種数 ※希少種の選定基準は以下のとおりである。 「文化財保護法」(昭和 25 年法律第 214 号):特別天然記念物、天然記念物 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(平成 4 年法律第 75 号):国内希少野生動植物種、緊急指定種 「北海道文化財保護条例」(昭和 30 年北海道条例第 83 号) 「北海道希少野生動植物の保護に関する条例」(平成 13 年北海道条例第 4 号) 環境省(2006)「鳥類、爬虫類、両生類及びその他無脊椎動物のレッドリストの見直しについて」及び、 環境省(2007)「哺乳類、汽水・淡水魚類、昆虫類、貝類、植物 I 及び植物 II のレッドリストの見直しについて」 種類 全確認種数 希少種※ 外来種 哺乳類 34 14 41% 10 29% 鳥類 324 76 23% 4 1% 両生類・爬虫類 13 1 8% 4 31% 魚類 59 22 37% 14 24% 昆虫類 3,868 97 3% 18 0.4% 植物 1,820 193 11% 315 17% 合計 6,118 403 7% 365 6% サッポロフキバッタ モイワサナエ モイワラン

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第2 章 ビ ジ ョ ン 策 定 に あ た っ て 第3 章 札幌市に お け る 生 物多 様 性 の 現 状 と 課題 第4 章 推進 す る 施策 資料編 札幌市内で確認された動植物のうち、約 400 種は絶滅のおそれのある種として、環境省の レッドリストや北海道レッドデータブックなどに掲載されています。 森林に生息・生育する種では、ヤマコウモリ(哺乳類)やクマタカ(鳥類)、エゾサンシ ョウウオ(両生類)、ムカシトンボ(昆虫類)、エゾノハナシノブ、サルメンエビネ(植物)、 フクジュソウ(植物)などが挙げられます。草地や湿地・水辺に生息・生育する種では、カ ラフトアカネズミ(哺乳類)、チュウヒ、シマアオジ(鳥類)、カラカネイトトンボ(昆虫類)、 イヌタヌキモ、ヒメガマ(植物)などが挙げられます。河川の上流に生息する種では、オシ ョロコマ、ハナカジカ(魚類)などが、下流に生息する種では、エゾホトケドジョウ、イシ カリワカサギ(魚類)などが挙げられます。 また、希少種に指定されていない生き物であっても、生息環境などが悪化すれば、市内で 姿が見られなくなる可能性があり、例えば、札幌市の鳥であるカッコウをはじめとする草原 性の鳥類については、近年の草地環境の減少による生息地の縮小が懸念されています。 また、過去の例では、豊平川のサケが一時姿を消しましたが、カムバックサーモン運動に よる稚魚の放流や水質の回復などにより再びその姿が見られるようになり、今では、自然産 卵による野生のサケも安定的に見られます。 エゾサンショウウオ エゾノハナシノブ チュウヒ

外来種

外来種とは、もともとその地域にいなかった生き物が、人間の活動によって他の地域から 導入されたものをいい、外国から持ち込まれたものだけではなく、国内の他地域から持ち込 まれたものも含まれます。 特に、北海道は、津軽海峡(ブラキストン線)を境界にして動物相が区分されるなど、本 州とは異なる生物相が見られます。植物では本州原産のカラマツやフジなど、動物でもサク ラマス(アマゴ)、カブトムシなどが、北海道においては外来種ということになります。 外来種は、私たちの生活に普通に見られるものとなっており、日本の野外に生息する外国 起源の生物の数はわかっているだけでも約 2,000 種になります。 また、北海道の外来種リスト(北海道ブルーリスト 2010)では、道内にいる外来種につ いて、国内移入種も含めて 860 種を挙げています。札幌市では、そのうち 365 種が確認さ れています。このうち、外来生物法で指定されている特定外来生物としては、動物ではアラ イグマ、ミンク、セイヨウオオマルハナバチなど、植物ではオオハンゴンソウ、オオキンケ イギク、オオフサモが挙げられます。

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Q

カムバックサーモン運動

ってどんな活動?

豊平川にサケを呼び戻そうと 市民の呼びかけで 始まった活動なのです。 教えてカッコウ先生⑧ 札幌の中心を流れる豊平川では、戦後の人口急増による水質の悪化によって、長い間サ ケの回帰が途絶えていました。その後、1960 年代の本格的な下水道の整備によって、次 第に水質は回復しました。 そして 1978 年、豊平川に再びサケを戻そうと「カムバックサーモン運動」が起こり、 1979 年春には、30 年ぶりに豊平川へのサケ稚魚の放流が再開されました.その稚魚たち は、1981 年秋以降、親ザケとして豊平川に帰って来ました。 サケの姿を見た市民からは 「サケのふ化・放流を続けるための市民のふ化場を」、また 「サケについて学習するための施設を」といった声が高まりました。 その市民の声を受けて、1984 年 10 月に札幌市豊平川さけ科学館が開館しました。現在 では、ふ化放流事業以外にも、サケの仲間や豊平川の淡水魚などを飼育展示し、サケや豊 平川に関するさまざまな情報を発信しています。 札幌市内には、サケが遡上する水系が豊平川水系を含めて 3 つあります。このうち新川 水系と星置川水系は、カムバックサーモン運動などで稚魚の放流をしておりませんが、都 市において自然産卵する環境が残されている貴重な河川です。 稚魚の放流によりサケの遡上が回復した豊平川においても、将来的には自然産卵によっ てサケの回帰が維持されることが理想です。近年の調査では、回帰魚に占める自然産卵魚 の割合が高まっており、今後、その定着状況を踏まえて、議論を深めていく必要がありま す。 札幌を代表する川、豊平川には、1981 年のカムバックサーモン運動による遡上 の復活以来、毎年多くのサケが帰ってきま す。サケの産卵は、市街中心部から近い豊 平橋や東橋付近で特に多く見られます。近 年の遡上数は、1000∼2000 尾ほどです。 豊平川水系 新川支流の琴似発寒川では、毎年 300 ∼500 尾程度のサケが遡上し、農試公園 の横付近を中心に産卵しています。 小さい川なのでサケの姿を見つけやす く、とても観察しやすい川です。 新川水系 小樽市との境界付近を流れる星置川に 星置川水系

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第2 章 ビ ジ ョ ン 策 定 に あ た っ て 第3 章 札幌市に お け る 生 物多 様 性 の 現 状 と 課題 第4 章 推進 す る 施策 資料編

ウ 遺伝子の多様性

遺伝子の多様性が減少した生物種は、絶滅の危険性が高まります。種が絶滅した場合、生 態系の縮小や崩壊を引き起こす可能性があるため、遺伝子の多様性の減少は生物多様性のす べてのレベルに影響が及びます。 具体的には、遺伝子の多様性が低い集団では、環境の変化や疫病の流行に対して、絶滅す る危険性が高まりますが、遺伝子の多様性が高い集団の場合、環境変化や疫病に対応できる 個体が存在する確率が高くなり、集団を存続できる可能性が高まります。種の多様性を維持 するためには、遺伝子の多様性も保全する必要があります。 また、近年では、遺伝子工学の発展に伴い、新薬の開発や農作物の改良などに多くの遺伝 子が実用的な価値を持つようになりました。現時点では重要性が認められていない遺伝子で も、将来的には有効な資源となる可能性を秘めており、このような点でも、遺伝子の多様性 を保全する必要があります。 一般に、生息地の分断や個体数の減少によって、遺伝子の多様性が低下するおそれがある といわれています。 また、遺伝子の多様性の保全は、野生生物だけでなく、農作物や家畜などについても重要 な視点であり、経済性や生産性などが優先されて栽培品種の単一化が進みすぎると、新しい 病気が発生した場合に、その被害が極めて大きくなるおそれがあります。札幌市には、札幌 黄(タマネギ)や札幌大球キャベツなど、札幌特産の伝統品種がありますが、このような伝 統品種を守り育てることも遺伝子の多様性の保全に欠かせない要素です。 図 14 札幌特産の伝統品種「札幌黄」

札幌黄

「札幌黄」は、一般に流通しているものよりも肉厚で柔らかく、加熱後の甘みが強いたまねぎです。その 特徴的な味と、入手のしにくさが相まって「幻のたまねぎ」といわれており、平成 19 年(2007 年)には、 「食の世界遺産」といわれる、スローフード協会国際本部(イタリア)の「味の箱舟」に認定されています。 また、平成 24 年 8 月には生産者・事業者・消費者が中心となって「札幌黄ふぁんくらぶ」が発足し、「札 幌黄」を介して新たなコミュニティが生まれています。 ※「味の箱舟」は、地方の伝統的かつ固有な在来品種のうち、消えてしまう可能性のある希少な食材を世界的な基 準の下で認定し、地域における食の多様性を守ろうというプロジェクトです。

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Q

カルタヘナ法って

何ですか?

遺伝子の多様性を守る 大切な世界の決まりなのです。 教えてカッコウ先生⑨ 正式名称は、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する 法律」です。 日本国内において、遺伝子組換え生物の使用等について規制をし、生物多様性条約カ ルタヘナ議定書を適切に運用するための法律で、遺伝子組換え生物が生物多様性へ影響 を及ぼさないかどうか事前に審査することや、適切な使用方法について定められていま す。 カルタヘナ法では、遺伝子組換え生物の使用形態を二種類に分け、それぞれのアプロ ーチで生物多様性への影響を防止しています。 そのほか、未承認の遺伝子組換え生物の輸入の有無を検査する仕組みや輸出の際の相 手国への情報提供の方法等について定められています。

開放系での使用(第 1 種使用)

食料や飼料としての運搬、農地での栽培などで

閉鎖系での使用(第 2 種使用)

実験室・工場内などでは。環境中への拡散を防止

遺伝的撹乱

人為的に移入された他の地域の生き物との交雑により、遺伝的撹乱が生じ、その地域に固 有の遺伝的形質が損なわれる可能性があります。 この場合、各地域の生き物は、長い年月をかけて、その地域の環境に適応しながら周りの 生き物と共に進化してきたため、新たな遺伝的形質の発現状況によっては、その種自身の存 続、又はその種とつながりのある他の種の存続に作用し、生物多様性に影響を及ぼす可能性 も考えられます。 なお、札幌市において遺伝的撹乱の影響が顕在化した事例の有無は不明です。 また、遺伝子組換え生物についても、自然界には存在しないものであるため、野生化した 場合の生態系の撹乱や、野生生物と交雑した場合の遺伝子汚染の可能性が懸念されていま す。 札幌市では、これまで遺伝子組換え作物の栽培事例はありませんが、国においては、平成 15 年(2003 年)に「遺伝子組換え作物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関す る法律(カルタヘナ法)」が制定され、輸入や栽培が規制されています。 さらに北海道においても、平成 17 年(2005 年)に「北海道遺伝子組換え作物の栽培等に よる交雑等の防止に関する条例」が制定され、一般栽培の許可制度、栽培時の隔離距離や管 理方法など、具体的基準により交雑・混入の防止が図られています。

参照

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