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的な意図を明確に相手に伝える断り表現である 間接的な表現とは 受け入れ たくない気持ちを直接的に聞き手に伝えない 2-1 直接的な断り直接的な断りは 意思伝達の効果を最大にするが 相手の気持ちを害し 相手に悪いイメージを与えるのである 例 1 吉見 そうだ 朝食食いましょう! 岩男 いや (2001

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Academic year: 2021

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行為要求に対する断り表現

楊千嬅 1、はじめに 我々は日常生活において、他者に働きかけ、相手に負担をかけるような行為 要求をよく行う。それは話し手が聞き手に行為を促させ、行為の実行を求める ということである。断りは、相手にこれらの行為要求に応じられないことを伝 えるものであるが、言葉は丁寧だが相手に失礼な印象を与えやすい。特に対人 関係の上での障害が生じやすい。従って、断りの方略をどのように使えば、相 手に対する配慮を示し、対人関係を良好に保つことができるかということを注 目すべきものだと考える。 それ故に、日常生活場面が設定されるドラマ脚本における会話文から、行為 要求表現に対する断りを抜き出し、「直接的な断り表現」「理由・言い訳」「回避」 「責任転嫁」という再構成する意味公式を発話行為の単位として分析する。そ の分析より、実際の日常生活のコミュニケーションでは、相手のフェイスを維 持し、円滑にお互いのコミュニケーションをスムーズに進めるためには、各意 味公式がどのように使われているか。つまりその使用頻度について考察する。 緊急の場合、簡潔に物事を述べたために意思伝達の効果を最大にしたい際、「い やだ」のような直接的な断り表現は使われる。しかしながら、相手とのコミュ ニケーションを阻害したり、相手のフェイスを傷つけたり、お互いの人間関係 がうまくいけなくなる恐れがある。しかも、会話のストラテジーの提示の部分 では話し言葉と書き言葉がある。 書き言葉は事前訂正が可能であるから、強く完全性が求められるのに対し、 話し言葉は事後訂正を原則とするため、常に一定の不完全さ(重複、曖昧さ、 不充分さ、乱れなど)を含んでいるのである。如何にも、間接的な断り表現を 使っても、相手の認められないフェイスを侵害する。その故に、本稿の目的は 円滑的なコミュニケーションのために、断り表現における組み合わせの使用率 を再分類した意味公式とポライトネス観点から考察する。 考察方法は、本稿では 2000 年から 2005 年にかけてのドラマの中から、抜き 出す断り部分を考察対象とする。BeeBe らの分類した意味公式の問題点をあげな がら、調査した要求に対する断り表現の会話数には全部で344例の意味内容 により、分析を改めて試みる。これらの会話表現を通し、日常生活の断り表現 を明らかにしたい。 2、断り表現の意味公式 断り表現における意味公式の大きな枠組みは、「直接的な断り」と「間接的な 断り」に分けられる。「間接的な断り」の枠組みの中に、「理由・言い訳」「回避」 「責任転嫁」がある。直接的な断り表現とは、相手の意向に対する話者の否定

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2 的な意図を明確に相手に伝える断り表現である。間接的な表現とは、受け入れ たくない気持ちを直接的に聞き手に伝えない。 2-1、直接的な断り 直接的な断りは、意思伝達の効果を最大にするが、相手の気持ちを害し、相 手に悪いイメージを与えるのである。 例1、吉見「そうだ、朝食食いましょう!」 岩男「いや」(2001:16) 2-2、間接的な断り表現 藤森(1995:79)は「「断り」という発話行為は、相手の意向に沿えないという点 で相手の領域を侵しかねない行為である。従って、相手との間に生じた不均衡を修 復するための言語行動が取られるであろうと考えられる」と指摘している。本稿で は、この言語行動を「間接的な断り表現」として捉える。 「間接的な断り表現」の枠組みには「理由・言い訳」「回避」「責任転嫁」がある。 A、理由・言い訳 理由・言い訳とは、日本語の断り行為で理由づける場合に、結論をさけ、相手 の意向に添加えない旨の説明という新たな「理由」を付け加える(任2003、村井1 998)ことで、実質的な「断り」の意味を果たす(村井 2001)。それゆえに、「理由・ 言い訳」が断りの考え方を伝達するという重要な機能を果たしていると考えられる。 例2、在基「飲まないのですか?駄目ですよ、男は飲めないと」 相川「飲むと、親知らずが痛むので」(2005:211) B、回避 回避とは、相手との円滑なコミュニケーションのために、直接的な断り表現を避 け、丁寧さを高めるように、取られているストラテジーだということである。断り 表現の理由づけていないけれども、予告と関係維持・修復という二つの機能を有し ている。本節では、「謝罪・残念」「共感」「延期」「間を持たせる」を「回避」の以 下分類にまる。そして、「回避」における四つの以下分類の意味公式を説明するため に、例文を次のように挙げる。 B-1、謝罪・残念 例 3、一の瀬「ワンちゃんも、ちょっと着てみて」 優「俺、申し訳ないんけど、秋祭りには出られない」(2004;189) B-2、共感 例 4、オバサン「えー、もったいない。続けなさいよ」 ゆか「父もそう言うんですけどー」(2004:207) B-3、延期 例 5、作業員「神田さん、ちょっと見てもらえませんか?」

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3 和馬「あとでね」(2001:78) B-4、間を持たせる 例6、栄二「おれのことはあきらめてくれ」 おすえ「(ハット)だってーそんな酷なこと」(2003:29) C 責任転嫁 責任転嫁とは、相手の意向に添えないことを自分の責任にせず、他者に責任転嫁 をし、ほかの原因があるということである。(藤森 1994)。本稿では、「逆要求」「反 問」「批判」を責任転嫁の一種として考えよう。勧誘・依頼・命令などに対し、本来 は答える責任を「逆要求」「反問」「批判」により、答えるべき人が、その答える責 任を相手に転嫁する。 C-1、逆要求 例7、他恵子「あんずとりんごをお風呂に入れて、頭も洗ってやってね」 いちご「お父さんに頼んでよ」(2001:88) C-2、反問 例 8、陽明「お前なしで私は生きてはいきぬ」 香「私が死んだら故郷にお帰りなさい」 陽明「何を言うか」(2004:311) C-3、批判 例 9、純一「俺は死んだモノと思ってくれ」 美香「馬鹿!空中オタク!」(2005;280) 三、意味公式の組み合わせの使用率 本稿では、断りの意志を表すために、その発話に、使われている方略は丁寧 さを伝達する意思表示ではないかと考えている。そして、人間の感情の働きは 普遍的な表現であるという観点から、断りにおける一連の発話行為に関する丁 寧さを表す方略を明らかにしようとしている。 いわゆる先行型とは、発話の文頭に優先的に使われた意味公式。例えば、「直 接先行型」は、「直接+理由」という意味公式の組み合わせは、最初に出る意味 公式が「直接的な断り」であるから、「直接先行型」と名付ける。 表、各「先行型」における意味公式の組み合わせの使用率 「直接的先行型」 80 例(23%) 「理由先行型」90 例(26%) 「回避先行型」67 例(19%) 「責任転嫁先行」 型」107 例(31%) 直接のみ 29 例(36%) 理由のみ 68 例(76%) 回避のみ 14 例(21%) 責任のみ 45 例(42%) 直接+直接 6 例(8%) 理由+直接 0 例(0%) 回避+直接 5 例(7%) 責任+直接 3 例(3%) 直接+理由 理由+理由 回避+理由 責任+理由

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4 26 例(33%) 14 例(16%) 23 例(34%) 18 例(17%) 直接+回避 7 例(12%) 理由+回避 0 例(0%) 回避+回避 6 例(9%) 責任+回避 8 例(7%) 直接+責任 12 例(29%) 理由+責任 8 例(9%) 回避+責任 19 例(28%) 責任+責任 33 例(31%) 表から、各先行型の使用率は「直接的先行型」80 例(23%)、「理由先行型」90 例 (26%)、「回避先行型」67 例(19%、)「責任転嫁先行型」107 例(31%)というこ とが分かる。 そして、各先行型における組み合わせの使用率について、「直接的先行型」は「直 接のみ」36%「直接+直接」8%「直接+理由」33%「直接+回避」12%「直接+責 任」29%を含めている。「理由先行型」には「理由のみ」76%「理由+直接」0%「理 由+理由」16%「理由+回避」0%「理由+責任」9%である。「回避先行型」には「回 避のみ」「回避+直接」「回避+理由」「回避+回避」「回避+責任」、それぞれの使用 率は 21%、7%、34%、9%、 28%である。「責任転嫁先行型」には「責任のみ」「」「責任 +直接」「責任+理由」「責任+回避」「責任+責任」の使用率が 42%、3%、17%、7%、 31%である。各「先行型」における組み合わせの使用率の高い配列を次にまとめる。 「直接的先行型」: 「直接のみ」>直接+理由」>「直接+責任」>「直接+回避」>「直接+直接」 「理由先行型」: 「理由のみ」>「理由+理由」>「理由+責任」>「理由+回避」「理由+直接」 「回避先行型」: 「回避+理由」>「回避+責任」>「回避のみ」>「回避+回避」>「回避+直接」 「責任転嫁先行型」: 「責任のみ」>「責任+責任」>「責任+理由」>「責任+回避」>「責任+直接」 それぞれの組み合わせの使用率を考察してきた。従って、次のような結果を得た。 意味公式の各先行型における組み合わせには、「回避先行型」以外、それぞれ使用率 が一番高いのが「~のみ」であることが窺える。それに対し、その各先行型に共通 の点は一番以下になる組み合わせが「~+直接」であると言える。 4、今後の課題 今回調査では、色々な日常生活の場面があるドラマ脚本から、取るデータは、談 話の流れとしての断り表現が観察できる。しかしながら、ドラマ脚本は人工的な不

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5 自然のものなので、実際の会話の収集方法ではないと言えるだろうか。しかも、デ ータの例数は多くないから、説得力を欠く恐れがある。「指示・命令」「許可与え」「依 頼」「忠告・助言」などを行為要求として考察する。なお、地位、性別、年令、相手 との親しさなどという社会的変数を総合的に扱う。しかしながら、それらの様々な 分析対象とする場面と社会的変数は、データ内容に影響を及ぼすと思われる重要な 要素である。従って、以下の二点は今後の課題を研究していきたい。 ① 分析対象とする場面(例えば依頼、申し出、提案などに対する断り場面)を広げ ていくこと。 ② もっと様々な変数について、研究を考察しようと考えている。 楊千嬅 學歷:東吳大學日本語文學系研究所碩士;簡歷:淡江大學休閒產業學系、東吳大學推 廣部、台北海洋技術學院餐飲管理系、德霖技術學院餐旅管理系、成功高中講師;專長: 日本語學、日語教育

参照

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