先行導入プロジェクトは、加賀市バイオマスタウン構想で検討され、既に一部民間業者 により取り組みが進められているバイオマスエネルギーに関し、詳細に賦存量および利用 可能量を算定します。 1)発生系統別 バイオマス資源の系列を1.農林系、2.生活系、3.公共事業系、4.民間事業系の 4系列とし、加賀市内で発生する資源を対象としてエネルギー量を算定しています。 利用可能量としては、現在既に堆肥化や別製品化、自己の熱源として活用している 量については、利用可能量を“0”とし、その他何らかのエネルギー変換をしている 場合および未利用資源についての利用可能率は NEDO 等の資料もしくは 100%を見込ん でいます。 ■バイオマスエネルギー賦存量・利用可能量算定結果一覧表
第7章.先行導入プロジェクト
7-1.バイオマスエネルギーの賦存量
資 源 利 用 利 用 発熱量 原油 分類 対 象項 目 賦存量 可能率 可能量 換算 処理状況 t/年 推計 t/年 GJ kℓ 1-1 家畜排泄物 5,125 6.3% 322 999 26 堆肥化(乾燥、生) 1-2 稲わら 13,796 74.9% 10,333 100,311 2,591 全量すき込み 1-3 籾殻 993 66.7% 662 6,439 166 JAは暗渠、クン炭、農家は個別廃棄 1-4 野菜非食部 1,341 74.9% 1,081 3,007 78 すき込み、廃棄 1-5 林地残材 986 10.5% 104 1,545 40 全量放置 1-6 間伐残材 2,016 100.0% 2,016 30,109 778 全量放置 1-7 果樹剪定枝 511 76.4% 390 2,955 77 すき込み、燃焼、廃棄 1-8 きのこほだ木類 2,172 0.4% 8 58 2 市外へ販売 1-9 竹材 670 90.0% 603 3,662 95 伐採ほとんどなし 小 計 27,610 56.2% 15,519 149,085 3,853 2-1 一般廃棄物/生ごみ 419 100.0% 419 6,275 162 焼却/熱利用 2-2 廃食用油(家庭系) 117 100.0% 117 2,846 74 一部回収、廃棄 2-3 家庭浄化槽汚泥 578 0.0% 0 0 0 全量堆肥化 2-4 家庭等剪定枝 1,346 100.0% 1,346 10,172 263 埋立処分 小 計 2,460 76.5% 1,882 19,293 499 3-1 下水汚泥 1,526 59.3% 905 2,550 66 消化ガス発生,堆肥化、セメント原料 3-2 集落排水汚泥 95 0.0% 0 0 0 全量堆肥化 3-3 一般廃棄物/生ごみ以外 19,486 69.0% 13,445 110,001 2,841 熱利用110℃→80℃(平均気温14℃) 3-4 街路樹・公園等剪定枝 10 100.0% 10 67 2 廃棄→埋立処分 3-5 公園等刈芝 14 100.0% 14 33 1 廃棄→埋立処分 小 計 21,131 68.0% 14,374 112,651 2,910 4-1 食品加工残渣 2,690 100.0% 2,690 4,035 104 廃棄 4-2 廃食用油(事業系) 11,907 100.0% 11,907 288,264 7,444 部分回収、一部BDF化 4-3 菓子類製造・返品残渣 750 100.0% 750 6,986 180 一部エタノール化、廃棄 4-4 食材残渣(食べ残し等) 318 100.0% 318 4,780 123 焼却 4-5 酒かす 43 0.0% 0 0 0 製品として販売 4-6 製材残材 2,542 10.0% 255 1,867 48 乾燥ボイラーの燃料 4-7 建築廃材 2,626 88.6% 2,326 35,527 918 300t:チップ化販売、その他:新エネ利用可能 4-8 ゴルフ場刈芝 636 51.6% 328 917 23 一部堆肥化 4 民 間 事 業 系 系列 1 農 林 系 2 生 活 系 3 公 共 事 業 系①資源賦存量 資源としての賦存量の最も多い のは、農林系で 28 千t、次いで 民間事業系の 22 千t、公共事業 系の 21 千tとほぼ同程度ですが、 生活系は 2.5 千tと極めて少なく なっています。 ②利用可能率 利用可能率として最も多いのは、民間事業系の 85,2%、次いで生活系の 76.5%、 公共事業系の 68.0%となり、農林系は 56.2%と算定されました。 ③利用可能量 利用可能量として最も多いのは、 民間事業系の 19 千t、次いで農林 系の 16 千t、公共事業系の 14 千 tとなり、生活系は2千tと極め て少なくなっています。 ④原油換算量 原油換算量として最も多いのは、 民間事業系の 8,847kℓ、次いで農林 系の 3,853kℓ、公共事業系の 2,910k ℓとなり、生活系は 499kℓと算定さ れました。 この結果、エネルギー生産として は民間事業系が最も有利と判断さ れます。 利用可能量 公共事業系 29% 民間事業系 36% 農林系31% 生活系 4% 原油換算量 生活系 3% 農林系 24% 民間事業系 55% 公共事業系 18% 18,592t 15,519t 14,374t 1,882t 3,853kℓ 499kℓ 2,910kℓ 8,847kℓ 資源賦存量 生活系 3% 農林系 38% 民間事業系 30% 公共事業系 29% 21,830t 27,610t 21,131t 2,460t
2)エネルギー系統別 ここでは自然エネルギー系列とリサイクルエネルギー系列に分類し、その賦存量、 利用可能量に関して整理しています。加賀市において有利と判断されるバイオマスエ ネルギーに関して、詳細に賦存量および利用可能量を算定します。 ■バイオマスエネルギー賦存量・利用可能量算定結果一覧表 資 源 利 用 利 用 発熱量 原油換算 大系列 分類 対 象 項 目 賦存量 可能率 可能量 t/年 推計 t/年 GJ kℓ 1-1 家畜排泄物 5,125 6.3% 322 999 26 5,125 6.3% 322 999 26 1-2 稲わら 13,796 74.9% 10,333 100,311 2,591 1-3 籾殻 993 66.7% 662 6,439 166 1-4 野菜非食部 1,341 74.9% 1,081 3,007 78 16,130 74.9% 12,076 109,757 2,835 1-5 林地残材 986 10.5% 104 1,545 40 1-6 間伐残材 2,016 100.0% 2,016 30,109 778 1-7 果樹剪定枝 511 76.4% 390 2,955 77 1-8 きのこほだ木類 2,172 0.4% 8 58 2 1-9 竹材 670 90.0% 603 3,662 95 6,355 49.1% 3,121 38,329 992 27,610 56.2% 15,519 149,085 3,853 2-1 一般廃棄物/生ごみ 419 100.0% 419 6,275 162 3-3 一般廃棄物/生ごみ以外 19,486 69.0% 13,445 110,001 2,841 19,905 69.7% 13,864 116,276 3,003 2-2 廃食用油(家庭系) 117 100.0% 117 2,846 74 4-1 食品加工残渣 2,690 100.0% 2,690 4,035 104 4-2 廃食用油(事業系) 11,907 100.0% 11,907 288,264 7,444 4-3 菓子類製造・返品残渣 750 100.0% 750 6,986 180 4-4 食材残渣(食べ残し等) 318 100.0% 318 4,780 123 4-5 酒かす 43 0.0% 0 0 0 15,825 99.7% 15,782 306,911 7,925 2-3 家庭浄化槽汚泥 578 0.0% 0 0 0 3-1 下水汚泥 1,526 59.3% 905 2,550 66 3-2 集落排水汚泥 95 0.0% 0 0 0 2,199 41.2% 905 2,550 66 2-4 家庭等剪定枝 1,346 100.0% 1,346 10,172 263 3-4 街路樹・公園等剪定枝 10 100.0% 10 67 2 3-5 公園等刈芝 14 100.0% 14 33 1 4-6 製材残材 2,542 10.0% 255 1,867 48 4-7 建築廃材 2,626 88.6% 2,326 35,527 918 4-8 ゴルフ場刈芝 636 51.6% 328 917 23 4-9 旅館割り箸 18 100.0% 18 267 7 4-10 山中漆器木地 300 0.0% 0 0 0 7,492 57.4% 4,297 48,850 1,262 45,421 76.7% 34,848 474,587 12,256 系列 畜産 農産 森林 食品 一般 小 計 小 計 小 計 小 計 下水 リ サ イ ク ル エ ネ ル ギー 自 然 エ ネ ル ギー 計 木質 小 計 小 計 小 計 計
①資源賦存量 資源賦存量の最も多いのは、一 般廃棄物で 20 千t、次いで農産資 源の 16 千t、食品残渣の 16 千t とほぼ同程度で、その他、木質資 源、森林資源、畜産資源は7~5 千t、下水汚泥は 2 千tであり極 めて少量です。 ②利用可能率 利用可能率として最も多いのは、食品残渣の 99.7%、次いで農産資源の 74.9%、 一般廃棄物の 69.7%、木質資源の 57,4%となり、その他は 50%以下となっています。 ③利用可能量 利用可能量として最も多いのは、 食品残渣の 16 千t、次いで一般廃 棄物の 14 千t、農産資源の 12 千t となり、その他は5千t以下となっ ています。 ④原油換算量 原油換算量として最も多いのは、食 品残渣の 7,925kℓ、次いで一般廃棄物 の 3,003kℓ、農産資源の 2,835kℓ、木 質資源の 1,262kℓ、森林資源の 992 k ℓとなり、その他は極めて僅かとなっ ています。 この結果、エネルギー生産としては 食品残渣が最も有利で、次いで一般廃 棄物や木質・森林資源が有利と判断さ れます。 資源賦存量 木質 10% 下水 3% 食品 22% 森林 9% 一般 27% 畜産 7% 農産 22% 利用可能量 木質 9% 下水 2% 食品 31% 森林 6% 一般 27% 畜産 1% 農産 24% 15,782t 322t 905t 4,297t 12,076t 3,121t 13,864t 15,825t 5,125t 2,199t 7,492t 16,130t 6,355t 19,905t 原油換算量 農産 17% 畜産 0% 一般 19% 森林 6% 食品 49% 下水 0% 木質 9% 7,925kℓ 992kℓ 26kℓ 1,262kℓ 2,835kℓ 3,003kℓ 66kℓ
3)発生電気 利用可能量から、発電効率により実際に発生する電力量を算定します。 ■バイオマスエネルギー発生電気量 算定結果一覧表 利 用 電気換算 変換効率 発生電気 原油換算 世帯換算 大系列 分類 対 象 項 目 可能量 発熱量 t/年 GJ 千kWh/年 電気 千kWh/年 kℓ 世帯 1-1 家畜排泄物 322 999 278 30% 83 8 16 322 999 278 30% 83 8 16 1-2 稲わら 10,333 100,311 27,866 30% 8,360 777 1,645 1-3 籾殻 662 6,439 1,789 30% 537 50 106 1-4 野菜非食部 1,081 3,007 835 30% 251 23 49 12,076 109,757 30,490 30% 9,148 850 1,800 1-5 林地残材 104 1,545 429 30% 129 12 25 1-6 間伐残材 2,016 30,109 8,364 30% 2,509 233 494 1-7 果樹剪定枝 390 2,955 821 30% 246 23 48 1-8 きのこほだ木類 8 58 16 30% 5 0 1 1-9 竹材 603 3,662 1,017 30% 305 28 60 3,121 38,329 10,647 30% 3,194 296 628 15,519 149,085 41,415 30% 12,425 1,154 2,444 2-1 一般廃棄物/生ごみ 419 6,275 1,743 30% 523 49 103 3-3 一般廃棄物/生ごみ以外 13,445 110,001 30,558 30% 9,167 852 1,803 13,864 116,276 32,301 30% 9,690 901 1,906 2-2 廃食用油(家庭系) 117 2,846 791 30% 237 22 47 4-1 食品加工残渣 2,690 4,035 1,121 30% 336 31 66 4-2 廃食用油(事業系) 11,907 288,264 80,080 30% 24,024 2,234 4,726 4-3 菓子類製造・返品残渣 750 6,986 1,941 30% 582 54 114 4-4 食材残渣(食べ残し等) 318 4,780 1,328 30% 398 37 78 4-5 酒かす 0 0 0 30% 0 0 0 15,782 306,911 85,261 30% 25,577 2,378 5,031 2-3 家庭浄化槽汚泥 0 0 0 30% 0 0 0 3-1 下水汚泥 905 2,550 708 30% 212 20 42 3-2 集落排水汚泥 0 0 0 30% 0 0 0 905 2,550 708 30% 212 20 42 2-4 家庭等剪定枝 1,346 10,172 2,826 30% 848 79 167 3-4 街路樹・公園等剪定枝 10 67 19 30% 6 1 1 3-5 公園等刈芝 14 33 9 30% 3 0 1 4-6 製材残材 255 1,867 519 30% 156 15 31 4-7 建築廃材 2,326 35,527 9,869 30% 2,961 275 583 4-8 ゴルフ場刈芝 328 917 255 30% 77 7 15 4-9 旅館割り箸 18 267 74 30% 22 2 4 4-10 山中漆器木地 0 0 0 30% 0 0 0 4,297 48,850 13,571 30% 4,073 379 802 34,848 474,587 131,841 30% 39,552 3,678 7,781 50,367 623,672 173,256 30% 51,977 4,832 10,225 注1:2-1、3-3の一般廃棄物は乾燥重量である。 注2:世帯数換算は、加賀市世帯平均年間電気使用量で除したものである。 計 系列 自 然 エ ネ ル ギー 畜産 小 計 農産 小 計 森林 小 計 計 合 計 リ サ イ ク ル エ ネ ル ギー 一般 小 計 食品 小 計 下水 小 計 木質 小 計
4)発生熱 利用可能量から、熱交換効率により実際に発生する熱量を算定します。 ■バイオマスエネルギー発生熱量 算定結果一覧表 利 用 カロリー 変換効率 発生熱 原油換算 世帯換算 大系列 分類 対 象 項 目 可能量 換算 t/年 百万kcal 熱 百万kcal kℓ 世帯 1-1 家畜排泄物 322 239 70% 167 18 24 322 239 70% 167 18 24 1-2 稲わら 10,333 23,964 70% 16,775 1,814 2,372 1-3 籾殻 662 1,538 70% 1,077 116 152 1-4 野菜非食部 1,081 718 70% 503 54 71 12,076 26,220 70% 18,355 1,984 2,595 1-5 林地残材 104 369 70% 258 28 36 1-6 間伐残材 2,016 7,193 70% 5,035 544 712 1-7 果樹剪定枝 390 706 70% 494 53 70 1-8 きのこほだ木類 8 14 70% 10 1 1 1-9 竹材 603 875 70% 613 66 87 3,121 9,157 70% 6,410 693 906 15,519 35,616 70% 24,932 2,695 3,525 2-1 一般廃棄物/生ごみ 419 1,499 70% 1,049 113 148 3-3 一般廃棄物/生ごみ以外 13,445 26,279 70% 18,395 1,989 2,601 13,864 27,778 70% 19,444 2,102 2,749 2-2 廃食用油(家庭系) 117 680 70% 476 51 67 4-1 食品加工残渣 2,690 964 70% 675 73 95 4-2 廃食用油(事業系) 11,907 68,866 70% 48,206 5,211 6,815 4-3 菓子類製造・返品残渣 750 1,669 70% 1,168 126 165 4-4 食材残渣(食べ残し等) 318 1,142 70% 799 86 113 4-5 酒かす 0 0 70% 0 0 0 15,782 73,321 70% 51,324 5,549 7,255 2-3 家庭浄化槽汚泥 0 0 70% 0 0 0 3-1 下水汚泥 905 609 70% 426 46 60 3-2 集落排水汚泥 0 0 70% 0 0 0 905 609 70% 426 46 60 2-4 家庭等剪定枝 1,346 2,430 70% 1,701 184 240 3-4 街路樹・公園等剪定枝 10 16 70% 11 1 2 3-5 公園等刈芝 14 8 70% 6 1 1 4-6 製材残材 255 446 70% 312 34 44 4-7 建築廃材 2,326 8,487 70% 5,941 642 840 4-8 ゴルフ場刈芝 328 219 70% 153 17 22 4-9 旅館割り箸 18 64 70% 45 5 6 4-10 山中漆器木地 0 0 70% 0 0 0 4,297 11,670 70% 8,169 883 1,155 34,848 113,378 70% 79,363 8,580 11,219 50,367 148,994 70% 104,295 11,275 14,744 注1:2-1、3-3の一般廃棄物は乾燥重量である。 計 系列 自 然 エ ネ ル ギー 畜産 小 計 農産 小 計 森林 小 計 計 合 計 リ サ イ ク ル エ ネ ル ギー 一般 小 計 食品 小 計 下水 小 計 木質 0
5)バイオマスエネルギーの先行導入プロジェクト 加賀市において、バイオマスエネルギーは今後最も重要となる施策でありますが、こ のうち特に先行導入が可能なプロジェクトについて検討します。 (1)加賀市バイオマスタウン構想 加賀市におけるバイオマスタウン構想ではエネルギー化に対して、以下の効果を 提言しています。 ①環境的側面 ・廃棄物系バイオマスの有効活用による廃棄物焼却処理量および最終処分量の発生 抑制。 ・廃食用油の BDF 化による化石燃料の消費抑制と地球温暖化ガスおよび大気汚染物 質の排出抑制。 ②経済的側面 ・廃棄物系バイオマスの有効利活用による廃棄物処理経費の抑制。 ・廃食用油を BDF として利用することによる直接的、間接的経済効果。 ③社会的側面 ・本市の基幹産業である温泉旅館と農家の連携による農作物のブランド化および関 連産業の活性化。 ・産・学・官・民の枠を超えたコミュニケーションの活性化および環境保全意識の 向上。 ・市民の目に見える形で資源を地産地消する循環型社会構築への理解の促進。 (2)エンジン燃料としての利用 地燃料としてのバイオマスエネルギーは、直接的な熱利用とバイオマス燃料製造 があげられます。このうち、BDF 化とバイオエタノール化については、自動車や農業 用機械、建設用重機などに利用することが可能となっています。 これらの製造設備は電気変換に比べ、原材料が少量でも対応できることおよび初 期投資が比較的安価であることから、民間事業者にとって先導的に取り組みやすい エネルギー化といえます。 以上のことから、加賀市における先行導入プロジェクトとしては、バイオマスエネ ルギーの燃料製造として、BDF 化、木質ペレット化、バイオエタノール化の3本柱とし、 以下に事業収支等の詳細を検討します。
1)BDFに係わる検討 (1)基本モデルの検討 ①前提条件の設定 a)規模の設定 加賀市では市民団体(加賀市女性協議会)が中心となって昭和 56 年から家庭からの 廃食用油回収が行われています。当初は石鹸原料等へのリサイクルが主力でしたが、 ライフスタイルの変化による使用量自体の減少や、固化して廃棄するなどの要因から 回収量はピーク時の半分以下で長期低落傾向となっています。 BDF は環境保護の観点から活動を再構築していくことで、市民の環境意識の醸成に寄 与していくものと考えられ、ここでは、家庭系について加賀市の事例として適切な 2,000ℓ/月規模を検討します。また、事業系については 8,000ℓ/月規模を検討します。 b)システムの検討 BDF は廃食用油とメタノール、触媒等からメチルエステルとグリセリンを精製するシ ステムですが、システムについては、大きく2種類に分類できます。 その方法は、後処理方法として、水分洗浄を行い精製する方法と、吸着剤や遠心分 離により精製する方法です。システムの特徴と地域特性(回収処理費や販売費)、事業 者の状況(イニシャルコスト、ランニングコストの負担額等)等を踏まえ、システム を選択していくことが求められます。加賀市の事例としては事業規模の理由から水分 洗浄を行い精製する方式を採用することが望ましいと思われます。 システムの比較 後処理方法 水分洗浄による精製 吸着剤や遠心分離による精製 イニシャルコスト 安価 比較的高い ランニングコスト アルカリ排水の処理が課題と なり、排水規制が厳しい地域 では排水処理コストが高額と なる恐れがある。 遠心分離機稼動等のために電気代 等はかかるが、水処理コストがか からず、結果的に安価となる。 廃食用油の制約 家庭、給食センターや高級料 理店等の比較的きれいな廃食 用油が 50%以上あることが BDF 精製のためには望ましい。 特に廃食用油の制約はないようで ある。 軽油との混合の必 要性 冬季になると BDF の粘性が高く なること等の理由から、軽油等 を混合する必要がある。混合し た場合は軽油税がかかる。 トラックやバス等で年間を通し、軽 油代替として、BDF の単独利用が可 能で軽油を混合する必要がない。 この場合は軽油税はかからない。 今回のケースでは水分洗浄による精製方式を検討します。
7-2.事業収支の試算
全体システム例は次の通りです。
BDF製造システム(水分洗浄方式)
他のシステム例(吸着剤や遠心分離による精製方式)
加賀市における検討仕様 水分洗浄による精製 外形寸法 H2,500mm×D3,500mm×W4,500mm 重量 980kg 製造能力 日量 400ℓ/約6時間 挿入方式 手動運転(半自動) 電源 電気三相 200V 20kW 50A c)その他事項 その他事項として、廃食用油等の市民からの回収と、飲食店やホテル等の事業所か らの回収割合並びに回収量を設定します。 これについては、現在市民からの回収を 20%、事業所からの回収を 80%とし、回収 については家庭系は 1 回/月、2,000ℓ/月、事業系は毎週回収とし、8,000ℓ/月とします。 BDF の性状については、以下のような設定を行います。 BDF の性状と回収量 BDF 備考 廃食用油回収割合 事業所回収:80% 市民回収:20% 96,000ℓ 24,000ℓ 廃食用油回収量 120,000ℓ/年 300 日/年×400ℓ/日 BDF 精製量 108,000ℓ/年 9割精製 販売先として生産農家を想定。 性状 密度(15℃:g/c ㎥) 0.88 軽油 0.82 引火点(℃) 140 軽油>45 水分洗浄による精製の場合:約 180 流動点 -3.5~-5.5 軽油<-7.5 水分洗浄による精製の場合:-7.5 セタン指数 58 軽油>45 水分洗浄による精製の場合:56 硫黄分(%) 0.0001 軽油<0.05 灰分(ppm) <100 水分洗浄による精製の場合:100 水分(ppm) 300 水分洗浄による精製の場合:約 340
②事業スキームの検討 事業スキームの全体の流れを示すと下図のようになります。 市 民 事 業 所 回 収 業 者 精 製 事 業 者 石鹸原料 飼料化 廃油回収 廃油回収 市 民 事 業 所 回 収 業 者 事業者 民間事業者 精製 国庫補助 自治体 民間事業者 農業者 出資 出資 廃油 廃油 廃油 農業機械 燃料 温室 燃料 ■現在の事業スキーム■ ■将来の事業スキーム■ 市民
BDF については環境保護の観点や回収活動のモチベーション維持のため、事業を実施し ていくことが特に必要であり、収集の際、市民回収をいかに継続し拡大していくかが重 要な問題となります。 現状の収集方法等をもとに考えられる回収方法、販売供給先について検討した結果を 下記に示します。 回収方法について 対 象 者 具 体 的 内 容 市民 常設拠点方式 地区会館、町民会館等に回収容器を常備する。 但し、この場合、管理者の有無等リスクヘッジを十分に検討す べきである。 拠点回収方式 市役所、各地区会館での回収形態とする。地区会館にはスタッ フが常駐しており、管理態勢は一応具備する。 既 存 ル ート 回 収 方 式 ルート回収とする場合、回収コストを十分に検討すべきであ る。 また、1所帯あたりの排出量は少量であることから回収頻度に ついても十分に検討すべきである。 排出事業者 持ち込み 現状では有償、逆有償が混在しており、一律では困難である。 既 存 ル ート 回 収 方 式 事業所毎に回収頻度は異なるが、収集車両による回収となって いる。 常設拠点方式 現時点では困難である。 BDF の販売供給先 対 象 車 販 売 先 全 体 BDF の品質の観点から一般車両への供給はできない。 車両においても燃料フィルターの目詰まり等の故障が発生す る。 現状の精製技術、法体系では事業としての継続は困難である。 建設機械 建設業者等 積込・運搬機械 美化センター、除雪機等を有する公共機関。 農業用機械 農業経営者 ごみ収集車 現時点では困難である。 公用車 現時点では困難である。 市バス等 現時点では困難である。 その他 車両等以外 温室用燃料として農業経営者。
(2)経済分析 ①各種諸元設定 a)建設費と運転維持費に係わる諸元設定 BDF の製造費用 費 目 費 用 備 考 建設費用 約 2,500 万円 建物 1千万円、設備 1.5 千万円 運転維持費 約 92 円/ℓ 販売量:360 ℓ/日、 稼働日数:300 日 ユーティリティ費 約 15 円/ℓ メタノール、購入電力費等処理費含む。 グリセリン等処理費 約 23 円/ℓ グリセリン、白土処理費等を含む。 メンテナンス費 約 20 円/ℓ メーカーヒアリングにより設定。 人件費 約 34 円/ℓ 4,000 千円/人 注)運転維持費は廃食用油1ℓあたりの価格 b)収入に係わる諸元設定 収入については、BDF の販売費と廃食用油回収費が考えられます。 廃食用油の回収費については、どの程度、費用負担が可能かについて検討し、家庭系 廃食用油の負担費用(廃食用油回収費)については、現在、約 36.5 円/ℓ(約 40,533 円 /t)の処理費を加賀市から受け取り、廃食油を処理しています。 事業系については有償、逆有償が混在していることから回収料金は徴収できないものと します。 収入の設定 費 目 費 用 備 考 BDF 販売費 110 円/ℓ 軽油相当額 110 円/ℓ(2007 年平均)に対し数 円ほど安価に売る。 販売量:360ℓ/日、稼働日数:300 日 廃食用油回収費 36.5 円 飲食店・ホテル・給 食センター等 0 円/ℓ 市民 36.5 円/ℓ 家庭系回収量:80ℓ/日、稼働日数:300 日 (年間 24,000ℓ)
②経済性検討 a)検討対象費目 経済性の検討にあたり以下を検討対象費目としました。検討方法は回収期間法によ り、初期投資を回収するのに要する年数で評価するものとします。 経済性検討にあたっての検討対象費目毎の設定値と計算方法 (バイオディーゼル燃料製造) 項目 設定値および計算方法 a.建設費 実例を参考に 25 百万円とした(イニシャルコストに係る導入事例分 析参照)。 b.建設費低減率及び補助率 0%および 50%を想定した。a に補助率を乗じることにより補助額が定 まる。 I c.実質建設費 上記の a-b より実質建設費を算出。 a.収入 ①~③の合計。 ①バイオディーゼル燃 料販売単価 外販の場合は、バイオディーゼル燃料販売単価×日販売量×稼働日 数により算出。自家消費の場合は、自治体の公用車でのバイオディ ーゼル燃料自家消費を行う場合は、軽油購入費の支出回避を収入と して計上する。 ケーススタディでは軽油価格 110 円/ℓとした (軽油と混合というこ とではない) 。 ②廃食用油回収収入 廃食用油回収料金(単価)×廃食用油回収量により算出。ケーススタ ディでは、家庭系廃食用油の処理費用として加賀市よりの補助を回 収経費とした。36.5 円/ℓ ③グリセリン販売単価 バイオディーゼル燃料製造の副産物として、粗グリセリンが得られ る。ただし、精製度が低いため外販するには精製設備が必要。ケー ススタディでは粗グリセリンを外販せず、産業廃棄物として処分す る形態を想定した。 b.支出 ①~⑧の合計。 ①ユーティリティ費 製造バイオディーゼル燃料 1ℓあたりの実績として、15 円/ℓ (メタノ ール購入費、電力費、用水費等を含む)と設定した。 ②メンテナンス費 ケーススタディでは、家庭系廃食用油 20 円/ℓとし、2,400 千円を見 込んだ。 ③人件費 1名 ④減価償却費 建物(実質建設費一残存価格<実質建設費の 10%>)÷耐用年 数<15 年>より算出 設備は(実質建設費一残存価格<実質建設費の 10%>)÷耐用 年数<8 年>より ⑤グリセリン等処理費 粗グリセリンの場合、処分費が必要となるため、グリセリン処分単 価×グリセリン発生量により算出する。ここでは、グリセリン処分 単価として、家庭系廃食用油 1ℓあたりの目安として、家庭系 23 円/ ℓと想定した。 ⑥支払い金利 借入期間、据置期間等を銀行と相談の上決定。本ケーススタディで は、補助金以外の初期投資を全て金利 3.5%で借り入れるものと仮定 した (返済は元金均等払を想定) 。 ⑦租税公課 簡単のために実質建設費から毎年の減価償却した額の差を対象とす る。この場合、(実質建設費-累積減価償却費額)×税率(5%) ⑧一般管理費 人件費の 20%とした。 c.税引前利益 上記の a-b より算出。 d.法人税等 法人税等については、実効税率として 40%を用いた。 e.税引後利益 上記の c-d より算出。 f.減価償却費 b.の④と同値を設定。 Ⅱ g.毎年キャッシュフロー 上記の e+f より単年度のキャッシュフローを算出。
b)検討結果
2)木質ペレットに係わる検討 (1)基本モデルの検討 ①前提条件の設定 a)規模の設定 現状での排出量を詳細に調査した上で設定すべきです。 b)システムの検討 収集形態、燃料化、利活用先全般を一つのシステムとして構築すべきと考えます。特 に剪定枝は一般廃棄物であることから広域ではできないため発生量次第で利活用先ま でのリサイクル全体を検討します。 c)その他事項 加賀市では粗破砕機を導入予定であることから長期的には間伐材等の木質バイオマ ス資源の利活用も検討します。 木質バイオマス資源の排出量 ペレット 備 考 木質バイオマス資源の排出量割合 剪定枝:90% 漆器残材:10% 剪定枝 漆器残材 破砕・粉砕 装置 乾燥機 造粒機 ペレット 農業ハウス温室燃料 【加賀市の実例】
②事業スキームの検討 事業スキームの全体の流れを示すと下図のようになります。 剪定枝は最終処分場で埋立した場合、嵩比重が小さく負荷は極めて大きいため、燃料 化事業を実施していくことは必要不可欠です。木質バイオマス資源の燃料化については 温室効果ガス削減等環境保護の観点からも事業を実施していくことが特に必要です。 現状の収集方法等をもとに、考えられる回収方法、販売供給先について検討した結果、 回収方法については、燃料化事業所への持ち込みとし、木質ペレットの販売先としては、 温室ハウス燃料として農業者へ販売することを目標としています。 また、平成 20 年3月に廃棄物処理施設整備計画の見直しにより、木くず(剪定枝)な どの有機物を含む廃棄物は原則埋立が禁止され、今後はチップ化したものを収集(回収) 市 民 造園 事 業 者 加 賀 市 美 化 センター 最終処分場 加賀市 漆器製造事業者 剪定枝 街路樹 漆器残材 焼却処分 漆器製造事業者 事業者 ( 民 間 事 業 者等) 市 民 加賀市 造 園 事 業 者 剪定枝 街路樹 漆器残材 農 業 者 温 室 ハ ウ ス 燃料 焼却灰 ペレット化 ■現在の事業スキーム■ ■将来の事業スキーム■
(2)経済分析 ①各種諸元設定 a)建設費と運転維持費に係わる諸元設定 ペレットの製造費用 費 目 費 用 備 考 建設費用 約 5,000 万円 建物 2,000 万円 設備 3,000 万円 運転維持費 約 16.75 千円/t 処理量:2.66t/日、稼働日数:300 日 ユーティリティ費 約3千円/t 電力費等処理費含む。 メンテナンス費 約 3.75 千円/t メーカーヒアリングにより設定。 人件費 約 10 千円/t メーカーヒアリングにより設定。 その他 特になし 注)運転維持費は木質1t あたりの価格 b)収入に係わる諸元設定 収入については、木質廃棄物の処理費とペレット販売費が考えられ、木質廃棄物 の処理費については、どの程度、費用負担が可能かについて検討を行います。 現在、加賀市内には剪定枝の民間処分場はなく、近隣市町での価格を参考とし、 ペレット販売費については、農業ハウス利用を前提として灯油に対してのカロリー を算出したうえで価格設定します。 現在、市販されているペレットは 40 円/kg~60 円/kg 程度で販売されていますが、 ホワイトペレットでカロリーは 4,000kcal/kg~5,000kcal/kg です。 一方、剪定枝由来のペレットのカロリーは 3,000kal/kg であり、また既存ペレッ トは価格面で高いとの評価や灯油価格は変動することから、競争力維持のために低 く設定する必要があり、今回は 15 円/kg としました。 剪定枝、漆器残材の処分価格については民間の処分場での処理価格が目安となり、 本事業の経済性、継続性の確立は当然ですが、競争力の維持、産業育成の観点から 処理費はできるだけ低く設定し、これらの状況を踏まえ次のように収入に係わる諸 元を設定します。 収入の設定 費 目 収 入 備 考 剪定枝処理料 20 円/kg 近隣市町の民間処分場処分価格を参考とした。 20 円/kg~25 円/kg 処理量:2.66t/日、稼働日数:300 日 ペレット販売費 15 円/kg ペレット化に伴い水分率が低下、販売量は処理量の
②経済性検討 a)検討対象費目 経済性の検討にあたり以下を検討対象費目としました。検討方法は回収期間法に より、初期投資を回収するのに要する年数で評価するものとします。 経済性検討にあたっての検討対象費目毎の設定値と計算方法 (木質燃料製造) 項目 設定値および計算方法 a.建設費 実例を参考に 50 百万円とした(イニシャルコストに係る導入事例分析参照)。 b.建設費低減率及び補 助率 0%および 50%を想定した。a に補助率を乗じることにより補助額が定まる。 I c.実質建設費 上記の a-b より実質建設費を算出。 a.収入 ①~②の合計。 ①木質廃棄物処理料 処理単価 20 円/kg とする。 ②ペレット販売収入 生産量は処理量の 60%で 480t とした。 販売価格はカロリーベースで灯油価格と比較。 今回は 15 円/kg とした。 b.支出 ①~⑦の合計。 ①ユーティリティ費 メーカーヒアリングを参考とした。 ②メンテナンス費 メーカーヒアリングを参考とした。主に刃物代。 ③人件費 2名 ④減価償却費 建物(実質建設費一残存価格<実質建設費の 10%>)÷耐用年数 <15 年>より算出。 設備は(実質建設費一残存価格<実質建設費の 10%>)÷耐用年 数<8年>より算出。 ⑤支払い金利 借入期間、据置期間等を銀行と相談の上決定。本ケーススタディでは、補助金以外の初期投資を全て金利 3.5%で借り入 れるものと仮定した (返済は元金均等払を想定) 。 ⑥租税公課 簡単のために実質建設費から毎年の減価償却した額の差を対象とする。この場合、(実質建設費-累積減価償却費額) ×税率(5%)。 ⑦一般管理費 人件費の 30%とした。 c.税引前利益 上記の a-b より算出。 d.法人税等 (実績) e.税引後利益 上記の c-d より算出。 f.減価償却費 b.の④と同値を設定。 Ⅱ g.毎年キャッシュフロ ー 上記の e+f より単年度のキャッシュフローを算出。 a.キャッシュの累計 毎年のキャッシュフローを累計。
3)バイオエタノールに係わる検討 (1)基本モデルの検討 ①前提条件の設定 a)規模の設定 経済性の観点、分類上産業廃棄物であることから広域での事業展開を検討します。 また、エタノール抽出率の高い菓子製造残渣、デンプン系廃棄物のみとし5t/日 として試算します。 b)システムの検討 システムは、蒸留・発酵システムとし、発酵残渣は堆肥化、処理水は液肥化を検 討します。 加賀市では食品リサイクル事業が行われており、残渣の利活用はこのシステムの うち農業団体と連携し堆肥化等の農業利用とします。 全体システム例は次の通りです。 蒸留槽 発酵槽 発酵槽 蒸留塔 培養槽 受入槽 プロセス水 (水分調整水) 固液分離機 バイオエタノール 基質貯留槽 ガスホルダー 発酵槽 消化液槽 堆肥化 液 肥 バイオガス 菓子製造残渣 学校給食残渣 ハウス燃料・農機具燃料等 加賀市で検討しているシステム
c)その他事項 その他事項として、長期的には農業残渣からのエタノール抽出を検討します。 食品廃棄物排出量(処理量) 原単位としては、300ℓ/tであり、4t×300ℓ=1.2kℓ/日の精製量である。 廃棄物の種類 処理量 備 考 加賀市内 菓子製造残渣 2.0t/日 学校給食残渣 0.1t/日 給食実施日 180 日/年 18t/年 小計 2.1t/日 市外 菓子製造残渣 2.0t/日 小計 2.0t/日 合計 4.1t/日
②事業スキームの検討 事業スキームの全体の流れを示すと下図のようになります。 菓 子 製 造 業 者 収 集 運 搬 事 業 者 事業者 (民間事業者等) 国庫補助等 自治体 民間事業者 農 業 者 菓 子 製 造 残 渣 バイオエタノール 燃料 堆肥・液肥 出資 収 集 運 搬 事 業 者 菓 子 製 造 業 者 民間事業者 (廃棄物 処理業者) 菓 子 製 造 残 渣 埋立処分 焼却処分 ■現在の事業スキーム■ ■将来の事業スキーム■ 市 民
(2)経済分析 ①各種諸元設定 a)建設費と運転維持費に係わる諸元設定 バイオエタノールの製造費用 費 目 費 用 備 考 建設費用 約 30,000 万円 建物 20,000 千円 設備 280,000 千円 運転維持費 約 2,360 万円/年 処理量:4.1t/日、稼働日数:300 日 ユーティリティ費 約 900 万円/年 メーカーヒアリングにより設定。 販売経費 約 110 万円/年 メーカーヒアリングにより設定。 メンテナンス費 約 150 万円/年 メーカーヒアリングにより設定。 人件費 約 1,200 万円/年 メーカーヒアリングにより設定。 b)収入に係わる諸元設定 収入については、バイオエタノールの販売費と廃棄物処理費が考えられます。 ①廃棄物処理費については、どの程度、費用負担が可能かについて検討を行います。 廃棄物処理負担費用(廃棄物処理費)については、現在、約 40 円/kg~70 円/kg(約 40 千円~70 千円/t)の処理費を負担し処理しています。 ②バイオエタノール販売費は A 重油相当とし 50 円/ℓとします。 収入の設定 費 目 費 用 備 考 バ イ オ エ タ ノ ー ル 販売費 50 円/ℓ A 重油相当額 55 円/ℓ(2007 年平均)に対し数 円ほど安価に売る。 販売量:1,200ℓ/日、稼働日数:300 日 廃棄物処理費 菓子製造残渣 45 円/kg 給食センター等 45 円/kg 菓子製造残渣処理費 現状 70 円/kg 学校給食残渣 現状 51 円/kg 年間生産量=1.2kℓ×300 日=360kℓ/年
②経済性検討 a)検討対象費目 経済性の検討にあたり以下を検討対象費目とし、検討方法は回収期間法により、初 期投資を回収するのに要する年数で評価するものとします。 経済性検討にあたっての検討対象費目毎の設定値と計算方法 (バイオエタノール製造) 項 目 設定値および計算方法 a.建設費 メーカーヒアリングを参考に 300 百万円とした。 b. 建 設 費 低 減 率 及 び 補助率 0%および 50%を想定する。a に補助率を乗じることにより補助額が定まる。 I c.実質建設費 上記の a-b より実質建設費を算出。 a.収入 ①~②の合計。 ①廃棄物処理収入 ケーススタディでは販売価格 45 円/kg とした。 ②バイオエタノー ル燃料販売収入 バイオエタノール燃料販売単価×日販売量×稼働日数により 算出。 ケーススタディでは販売価格 50 円/ℓとした。 b.支出 ①~⑧の合計。 ①運転経費 メーカーヒアリングを参考にした。 ②メンテナンス費 メーカーヒアリングを参考にした。 ③人件費 3名 ④減価償却費 建物 15 年、設備8年とした。 ⑤販売経費 メーカーヒアリングを参考にした。 ⑥支払い金利 借入期間、据置期間等を銀行と相談の上決定。本ケーススタディでは、補助金以外の初期投資を全て金利 3.5%で借り入れ るものと仮定した (返済は元金均等払を想定) 。 ⑦租税公課 簡単のために実質建設費から毎年の減価償却した額の差を対象とする。この場合、(実質建設費-累積減価償却費額)×税 率(5%)。 ⑧一般管理費 人件費の 30%とした。 c.税引前利益 上記の a-b より算出。 d.法人税等 (実績) e.税引後利益 上記の c-d より算出。 f.減価償却費 b.の④と同値を設定。 Ⅱ g. 毎 年 キ ャ ッ シ ュ フ ロー 上記の e+f より単年度のキャッシュフローを算出。 a.キャッシュの累計 毎年のキャッシュフローを累計。 Ⅲ
4)事業収支のまとめ 以上の試算の結果を取りまとめると、以下のようになります。 (1)補助率0%のケース 注:木質ペレットの製造機は耐用年数が7年程度であり8年目には更新する(補助なし)。 (2)補助率 50%のケース (3)補助率 50%と改善実施のケース 注:木質ペレットの販売量は年間 80tの販売増を目指すものとする。 以上のように、事業経営面から見るとバイオエタノール化が最も安定した事業とな ることが分かります。次いで木質ペレット化、BDF化となりますが、これらは常に 安定した原材料(資源)が入手可能でかつ販売先も固定、安定化していることが条件 となります。 対象事業 販売量 年間 収入 (千円) 初期 投資額 (千円) 更新投 資額 (千円) 採算年数 投資回収 年数 安定経営時 税引後利益 (千円) BDF 108kℓ 12,756 25,000 - 9年目 14 年目 1,682 木質 ペレット 480t 23,200 50,000 30,000 12 年目 15 年以降 951 バイオ エタノール 360kℓ 73,350 300,000 - 1年目 10 年目 20,580 対象事業 販売量 年間 収入 (千円) 初期 投資額 (千円) 更新投 資額 (千円) 採算年数 投資回収 年数 安定経営時 税引後利益 (千円) BDF 108kℓ 12,756 12,500 - 1年目 7年目 1,682 木質 ペレット 480t 23,200 25,000 30,000 1年目 13年目 3,323 バイオ エタノール 360kℓ 73,350 150,000 - 1年目 5年目 28,785 対象事業 販売量 年間 収入 (千円) 初期 投資額 (千円) 更新投 資額 (千円) 採算年数 投資回収 年数 安定経営時 税引後利益 (千円) BDF 108kℓ 13,716 12,500 - 1年目 5年目 2,738 木質 ペレット 560t 24,400 20,000 30,000 1年目 9年目 4,990 バイオ エタノール 現在技術開発中であり、改善方法の工夫は今後の課題となる。
1)BDFに係わる課題 食品バイオマスエネルギーにおける課題と対応策(BDF 製造・利用) 段 階 対 象 課 題 事例における対応策の例 動 物 性 油 が 混 入 す る と BDF が精製できない。 ・各地区での説明会を行う。 ・拠点における回収時間を限定して、担 当者をおいた上で回収する。 主に 家庭系 廃食用油回収は市民のラ イフスタイルが変化して おり、十分に集まらない。 ・自治会単位での回収とし、住民の協力 を得やすくする。 ・常設の拠点回収とし、いつでも廃食用 油を持ち込めるようにして回収量を増 やす。 ・リサイクルの構図を明確にする。 原料調達 事業系 産業廃棄物であり既存事 業者と連携しないとでき ない。 ・既存事業者と連携。 回収量が少ないと経済性 が具備しない。 ・回収活動の活性化。 動物性廃食油の混入。 ・精製技術の確立。 燃料製造 全般 長期保存により BDF の品 質が劣化(固化)する。 ・BDF 供給量に合わせた需要(農業用車両 等)を確保する。 一般の普通自動車への使 用には、不具合が生じる 場合がある。 ・自動車業界の理解。 燃 料 フ ィ ル タ ー が つ ま る。 ・精製技術の確立。 軽油と混合すると課税対 象となる。 ・税制改正 全般 車両故障を起こした場合 の PL 法等の保証問題 ・特定少数販売形態の確立(事前に契約 締結する)。 燃料利用 寒冷地 寒冷地では、冬季に BDF の粘性が低下し、BDF そ のままでは利用ができな くなる。 ・自動車燃料利用の場合は添加剤等を加 えている。 残 渣 等 の 処理 洗浄方式 グリセリン、洗浄排液の ・機器メーカーで引き取り処理を行う。
7-3.事業化に向けた課題
2)木質ペレットに係わる課題 木質バイオマスエネルギーにおける課題と対応策(木質ペレット製造・利用) 段 階 対 象 課 題 事例における対応策の例 発生量が必ずしも明確で ない。 ・発生量調査 発生時期に偏りがある。 春秋が多く、冬は少ない。 ・貯蔵施設が必要。 収 集 形 態 が で き て い な い。 ・造園事業者等排出事業者と協議。 剪定枝 近年処理費用が高くなっ ている。 ・経済性のある事業計画を策定する。 製材残材 既にリサイクルされている。 ・市場原理でありこれについても事業計画次第である。 原料調達 漆器残材 処理費用が高くなっている。 ・経済性事業計画 造粒しにくい ・水分率の低減化。 水分率が高い ・乾燥処理(但しコストとの兼ね合い。) 剪定枝 破砕工程のほか粉砕工程 が必要 ・粉砕機導入 燃料製造 漆器残材 カンナくずが多く破砕が困難である。 ・破砕機開発 一般のペレットと比較し カロリーが少ない。 ・処理費用、販売価格との兼ね合い。 燃料利用 全般 カロリーが少なく販売先 の確保が困難。 ・農業利用を検討する。 残渣等の 処理 焼却灰 焼却量の1/10 程度の焼 却灰が残る。 ・土壌改良材としての農業利用を検討す る。 3)バイオエタノールに係わる課題 食品バイオマスエネルギーにおける課題と対応策(バイオエタノール製造・利用) 段 階 対 象 課 題 事例における対応策の例 産業廃棄 物であ り許可 が必要。 ・許可取得 分別が不徹底。 ・分別の徹底を依頼する。 原料調達 菓子製造 残渣 発生量が少ない。 ・広域化を検討する。 ・他の廃棄物(学校給食残渣の主食等)。 建設費が大きい。 ・新技術の開発により圧縮する。 燃料製造 全般 ・バイオエタノール供給量に合わせた需 要(農業用車両等)を確保する。 燃料利用 全般 現状では 自動車 燃料に は直接使用できない。 ・A 重油相当の精製として給湯、農業ハ ウス等の燃料を検討する。 発酵残渣の処理が必要。 ・堆肥化を検討する。 残渣等の 処理 発酵残渣 廃液処理が必要。 ・液肥として利活用を検討する。