Einstein Link @大阪市立大 Tuesday, October 20, 2009
ボース=アインシュタイン凝縮する宇宙
森川雅博
Collaboration 福山武志(立命館)立川崇之(工学院)
1 Introduction
加速する宇宙– 過去少なくとも 2 回あった • 初期宇宙のインフレーション (EA) 10 GeV16 27 桁 • 現在の後期加速 (LA) 0.0092eV - 何がこの加速の階層を作っているのだろうか? ¾ 力学的な微調整機構? あるいは ¾ 統計力学的緩和? - LA は暗黒エネルギー(DE)に拠るとされる - この DE は暗黒物質(DM)と深く関連している ⇒⇒ 宇宙は何からできているか? という基本問題に行き着く - 暗黒物 - DE/DM 95%を占める ¾ 現存量は同程度 ¾ DE と DM の関連は何か? これらの問題の根本からの解決を図るために、 - 2つの加速の階層を説明する、暗黒物 DE/DM の統一モデルを 考える必要がある。
2 Bose-Einstein 凝縮(BEC)に基づく宇宙モデル
場の理論の基本に立ち返って考えてみると: 一般にボゾン場は凝縮部ϕ
とガス部分φ
ˆ
を持つ:ˆ
ϕ
φ
ˆ
Φ =
+
ϕ
: BEC 相転移の古典的秩序変数 暗黒エネルギーに対応ˆ
φ
: 励起ガス 暗黒物質に対応-M. Nishiyama, M. Morita, MM, arXiv:astro-ph/0403571,
-T. Fukuyama and MM, Prog. Theor. Phys. 115, 1047 2006 arXiv:astro-ph/0509789
宇宙の中で、量子凝縮体という形態は(白色矮星、中性子星という
例外を除いて)あまり研究されてこなかった。 DE・DM 一元論
ϕ
★凝縮のひとつの例 Kannon(観音)の凝縮 三十三間堂@京都 http://blog-imgs-27.fc2.com/m/m/8/mm8mm/0910-33.jpg Kannon はボゾンであった!
BEC Normal ρ T 0 ρ Cosmic evolution ρ2 / 3 Critical temperatureρ2 / 3 m
2-1 宇宙で BEC は可能か?
- BEC の条件 (熱 de Broglie 長) > (粒子間隔): 2 1/ 2 1/ 3 2 dB mkTπ r n λ ≡ ⎛⎜⎜ ⎞⎟⎟⎟ > ≡ − ⎜⎝ ⎠ i.e. 2 2 / 3 2 T n m π ⎛ ⎞⎟ ⎜ < ⎜ ⎟⎟ ⎜⎝ ⎠ 、一方 - 宇宙膨張から ρ ∝ a−3 ∝ T 3 / 2 i.e. 2 0 2 / 3 2 / 3 0 2 T T n mn π ⎛ ⎞⎟ ⎜ = ⎜ ⎟⎟⎟ ⎜⎝ ⎠ 両者は同じ温度-密度関係を持っている! 従って、 も し z = 3000 以 前 に ボ ゾ ン 温 度 = 輻 射 温 度 な ら ば 、 -30 3 0.0027 , 9.44 10 g/cm cr now T = K ρ = であり、 BEC 条件はm < 19eV となる 。2-2 ボゾンの実体は?
確実な答えはありません…すみません。 可能性としては、
- axion? PQ-U(1)対称性の SSB に付随する Nambu-Goldstone
boson 5 3 10 eV 10 eV m ≈ − ∼ − , 極超低温、CDM の候補である。 - ニュートリノ対凝縮?? 2 0.6eV 10 eV m ≈ ∼ − もしν-対が引力を持てば BCS 状態(DM?)が、 さらには BEC 状態(DE?)が実現するだろう - 新しい物理???
2-3 凝縮体のダイナミクスをどう記述するのか?
★ BEC 平均場ϕ(x t, ):Gross-Pitaevskii 方程式:ϕ
のみ 2 2 2 i V g t m ϕ ϕ ϕ ϕ ϕ ∂ = − Δ + + ∂ 或いはその相対論版: 2 2 * 2 m ( ) 0 t ϕ ϕ ϕ λ ϕ ϕ ϕ ∂ − Δ + − = ∂ ★ しかしこれだけでは、「凝縮するダイナミクス:ϕ
φ
ˆ
」 は記述できない。 ★ Bogoliubov-de Gennes 方程式:ϕ
→
φ
ˆ
のみ。★ 相互転移
ϕ
φ
ˆ
を記述する最も有効な方法閉じた時間路の経路積分の方法は一般化された有効作用を作る:
[ ] Tr[ (Exp[ ] )]C
Z J ≡ T i ∫ Jφ ρ
Time-contour C
[ ]=Exp[-i V[ ]]Exp[ ( ) 0( , ) ( )]Tr[:Exp[ ]: ].
2 1 i Z J J x G x y J y i J J δ φ ρ δ − ∫ ∫∫ ∫ ここで、 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 1 . . 0( , ) 2 2 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) D k iB k i A k B k F T G x y i A k B k D k iB k D k A k ⎛ − + − ⎞⎟ ⎜ ⎟ ⎜ = ⎜ ⎟⎟ ⎜ + − − ⎟ + ⎜⎝ ⎠ A(k): 散逸核 B(k): 揺動核 D(k): 繰込核
[ ] [ ] [ ]Exp[ Re ] i e Γ ϕ =
∫
d Pξ ξ i Γ + iξϕΔ with [ ] Exp[ 1 1 ] 2 P ξ = −∫∫
ξB− ξ C-数秩序変数ϕに対する Langevin 方程式: (MM, 1995) 2 ( +m )ϕ + ∫−∞t dt dx A x′∫ ′ ( − x′) ( )ϕ x′ = ξ これはさらに Fokker-Planck 方程式に変形される: (Stoof, 1998) ここで、 はA k B k で書かれる輸送係数である。 ( ), ( ) これは と簡略化され、従って BEC 凝縮率は とあらわされる。ϕ
φ
ˆ
X
ここですところで先月、暗黒エネルギーを見つけ
てしまいました。
・・・京都の鞍馬寺です。
ガイドブックにあります:
650 万年前に金星から、すべての生命を
存在させる
宇宙エネルギー
である魔王尊
Maoson が鞍馬山に降臨した。鞍馬
寺は、
どこにでも存在する maoson
のパワーが特に多い場所である。
Maoson は、通常の人間とは
異なる
元素から
成り、年をとることのない
永
遠の存在で
、その年齢は永久に16歳
である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/kuramadera http://kamnavi.jp/yamasiro/kurama.htmMaoson http://tadoyama403.blog.ocn.ne.jp/tengu/images/2008/03/17/photo_2.jpg
16歳の顔してます
?という問題は別にして、
我々のほしい暗黒エネルギーとはちょ
っと違うようです。
3 BEC 宇宙モデル―現在の加速宇宙(LA)
3-1 基礎方程式
( )
(
)
(
)
2 2 2 2 2 8 3 3 6 3 g g g g l l g l a G H a c H H V H φ φ φ φ φ ρ ρ ρ π ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ = = + + = − − = − − + − = − Γ ′ Γ Γ ′ Γ + ここで 2 * ( * )2 2 4 m V = Φ Φ + λ Φ Φ (λ < 0) , Rel.G-P Eq.: 2 2 * 2 m ( ) 0 t λ ∂ Φ − ΔΦ + Φ − Φ Φ Φ = ∂ , * * 1 1 , 2 V p 2 V φ φ ρ = Φ Φ + = Φ Φ − 0 0.020.040.060.080.1 0.120.14 f - 0.00002 0 0.00002 0.00004 V H f L cf. Interacting DE/DM(Amendola) ,- 1. 臨界密度を越えた BEC は不安定になり崩壊する。そして 局在した天体を作る。 - 2. が実現するのは、つりあい 2 g dV dt = Γρ が安定に実現しているから である(アトラクター)。 この真空のエネルギー が宇宙を加速させる。 2 1 1 1 1 1 0 0.020.040.060.08 0 .1 0.1 20.14 f - 0.00002 0 0 .00 002 0 .00 004 V H f L 2 1
3-2 BEC モデルの帰結と検証 LA
- もしm ≈ 1eVなら、BEC 崩壊は 銀河サイズl* ≈ 30( /1eV) kpcm 2 の天体を作る。 さらにもし BEC 崩壊がz ≈ 20あたりなら、 その天体は銀河質量:M ≈ 10 ( / eV)11 m −6M . - またM > MKAUP ≡ mpl2 /m なら(巨大)ブラックホールができる。 - これらはクェーサーか? ★ BEC 崩壊の詳細解析が必要! 渦?乱流?⇒宇宙暗黒乱流 (arXiv:0805.0172) - 加速膨張はz ≤ から始まった。 3 - 現在(z = )、 0 wφ = −1.0000 wφ4 BEC 宇宙モデル―初期の加速宇宙(EA)
4-1 basic equations
( )
(
)
(
)
2 0 2 2 2 2 8 3 4 6 3 g g g g l l l g a G H a c H H H V V φ φ φ φ φ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ π = = + + = − − = − − + − Γ ′ Γ Γ ′ = − − Γ + 2 g ρ +Γ がϕの時間発展をトリガーする。 0 10 20 30 40 50 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 t j BEC0 10 20 30 40 50 1 104 108 1012 1016 1020 1024 t lo g H a L 解の基本的様相: -インフレーションの 持続時間:
(
)
1/ 3 inf inf 21 3H 2 λδ Δ = − -インフレーションの 終結: つまり 宇宙膨張H はφ2が増大する限り正から負になる。転回点では: 0, 0, 0 H = ρφ = ρφ = だけど H ≠ 0 53.0 53.5 54.0 54.5 55.0 0 1.μ1023 2.μ1023 3.μ1023 t a @ t D53.0 53.5 54.0 54.5 55.0 0 1.μ1023 2.μ1023 3.μ1023 t a @ t D
late scale factor
これが stagflation つまり stagnation of a t & in( ) flation of ϕ
i.e.ρφ = ρφ = H = but ϕ → ∞ 0 stagflation は V が負になる 領域が存在することによっ て可能になる。そしてϕは限 りなく増大する。 54.4 54.6 54.8 55.0 55.2 55.4 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 t H, rf , rg
late energy densities
0 10 20 30 40 50 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 t j BEC Stagnant 0 H = stagnant 0 φ φ ρ = ρ = inflate ϕ → ∞
time H gas ρ φ ρ stagflation の基本的様相: - BEC の一様モードは stagflation 点で不安定になる。 その不安定スケール: - 従って一様 BEC モードは崩壊して局在化する - その後再び BEC - 再び崩壊・・・ - 一様モードは どんどん減衰 - このサイクル がずっと続く
- これは宇宙の、Λ → 0への自律的進化!
4-2 BEC モデルの帰結と検証 EA
BEC の力学は、インフレーションの間は通常のスカラー場のモデ ルと同様 (cf. Bassett, Tsujikawa, Wands, RMP78, 537 (2006)). つまり量
子場はスクイーズドされ大きな揺らぎを生じる。その揺らぎのパ ワー指数は となる。 - 我々の解φ は inf ( ) (1 3/ ) 0.95 R n ≈ − N ≈ を与える - Tensor/scalar 比:r ≡ PT /PR = 16ε
(
)
2 2 3 f 8 in 18 / 10 r ≈ H μ N κ ≈ −- Treh < 1.17 10× 12
(
Hinf /mpl)
1/ 4 GeVこの再加熱温度の計算:
Bogoliubov-de Gennes 方程式による精密化が必要か?
BECN=60
5 結論
DE と DM の統一モデルを BEC に基づいて作った。 この宇宙モデルは… 1. 初期と後期の加速を記述、 そして 2. stagflation を帰結し、これは BEC 一様モードの散逸的減衰をもたらし、宇宙項の自律的消 滅Λ → 0を結論する。0 0 .0 20 .0 40 .0 60 .0 8 0 .1 0 .1 20 .1 4 f - 0.00002 0 0 .0 0 0 0 2 0 .0 0 0 0 4 V H f L −V ' Γρg 0 Λ 0 10 20 30 40 50 1 104 108 1012 1016 1020 1024 t lo g H a L scale factor 53.0 53.5 54.0 54.5 55.0 0 1.μ1023 2.μ1023 3.μ1023 t a @ t D
late scale factor
5-1
BEC による加速の統一的視点 - 現在の加速 ゆっくりした BEC から 0 Λ → Λ 0.0092eV - 初期宇宙のインフレーション 普遍的な stagflation から 16 : 10 GeV 0 Λ →5-2 普遍的な stagflation 機構
- Stagflation は普遍i.e.
V が負になりえるならいつも出現: ϕ は V < 0 領 域に進化 ϕは急増大 一方 ( ) const. a t →i.e.
沈滞 そして ρ( )t → 0- 結局、宇宙項Λの散逸的減衰が起こる:Λ → 0
初期宇宙 最近の宇宙
真空エネルギーの散逸的減衰は宇宙全歴史を通して連続して
References
for BEC cosmology:
-M. Nishiyama, M. Morita, MM, arXiv:astro-ph/0403571
-T. Fukuyama and MM, Prog. Theor. Phys. 115, 1047 2006 arXiv:astro-ph/0509789
-T. Fukuyama, T. Tatekawa and MM, JCAP06(2008)033 arXiv:0705.3091
-T. Fukuyama, and MM, JCAP06(2008)033 arXiv:0905.0173
for generalized effective action method:
-for Cosmic Dark Turbulence:
6 Misc ================================
- Critical temperature
- Green functions
and
- Langevin equation
- FP equation
for interaction
( for interaction)
-approximate solutions
where
amd
- reheating
Thus
- power index
- Various potentials