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損傷した円形鋼製橋脚に対する補修方法と耐震性能に関する考察

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Academic year: 2021

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序 論 土木学会第

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回年次学術講演会(平成

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年度)

損傷した円形鋼製橋脚に対する補修方法と耐震性能に関する考察

愛知工業大学 正会員

O

嶋口儀之 愛知工業大学学生会員 太 田 樹 愛知工業大学 正会員 愛知工業大学学生会員 愛知工業大学 正会員 鈴木森晶 則竹一輝 青木徹彦 銅製橋脚は市街也の高架道路や鉄道など重野善造物に多用されており,震災後の銅製橋脚の早期復旧は人命救助,都市機 能の回復のため極めて重要である.これまで既存および新設橋脚に対する補強については多くの研究がなされているが, 地震により損傷した橋脚の補修とその而援性能についての研究は非常に少ない1) 本研究では,円形銅製橋脚を対象に早 期復旧可能な補修方法の提案を目的として,過去3年間にわたり行ってきた補修実験の結果から補修方法の評価を行う.

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補修の概要

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補修に対する考え方 本研究では主として応急復旧を目的としているが, で提案する補修方法は支保工や筋交い等を外部に設けるよ うなものではなく,可能であれば恒久的な使用を視野に入 れたものである. 表

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新品時供試体緒元3) 供試体No. 1-1,1之 2-1,2之 3-1,3-2 銅種 88400 直径D(mm) 600.0 中見享 t(mm) 426 5.90 8.70 載荷点高さ h(mm) 2890 径厚比パラメータRt 0.190 0.137 0.084 細長:此ンfラメ}タλ 0.351 0.354 0.339 降偽~朝苛重 Hy位N) 118.5 158.5 207.1 降り泳平変位以mm) 12.5 12.9 11.7 4-1,4-2 5-1-5-8 8TK400 6112 11.9 8.90 0.053 0.098 0.316 0.358 250.7 248.1 10.1 13.3 補修を行う上で重要となるパラメータとして,最大荷重, 剛性,変形性能などの回復率が挙げられる.補修部の強度 が著しく増加すると,補

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館日近傍で座屈等が生じることが 考えられ,この場合,最大荷重は増加するが,変形性能は 低下する恐れがある勾.さらに相対的に弱くなった支承部,

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コンクリート充填補修供試体一覧哨 フーチングおよびアンカーボルト等に新たな損傷が生じることも 考えられる.そのため,最大荷重が損傷前と同等(土10%)となり, 破壊形態が大きく変化しない補修方法を目指す.また,剛性が十 分に回復しなければ,応答変位が増加するだけでなく,固有周期 が変化し,振動系全体としての特性が変わり,予期せぬ被害につ ながる恐れがある.仮に岡1]'性が

20%

異なる場合,固有周期の差は

10%

程度であるため,剛性を損傷前の::1::2

0%

まで回復できれば固有 周期への影響は小さし、と考える.

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補修方法 本研究では基部に座屈の生じた円形銅製橋脚3)に対し,コンクリ ート充填補修(C耳伊:)4),鋼板巻き立て補修(CYTypei),補剛材補修 ( 商 取 引 の3種類の補修を行った.表ーlに新品時の供試体諸元, 表-2-表4に各補修方法の供試体とパラメータの一覧を示す. コンクリート充填補修(C可予

e

)

は橋脚内部にコンクリートを充 填し,基部の抵抗モーメントを増加させるとともに,座屈が内側 に進行するのを抑制することを目的とした. 鋼板巻き立て補修(CYType)は庖苗部の外側から鋼板を巻き,隙 聞にコンクリートを充填することで外側から拘束し,座屈の進行 を抑制することを目的とした. 補剛材補修ロ

E

可伊)は損傷による曲げ剛性の低下を断面が欠 損したものとみなし,補岡林オを溶接して欠損した断面を補うこと で,曲げ剛性を回復させることを目的とした. キ ー ワ ー ド 鋼 製 橋 脚 , 補 修 , 耐 震 性 能 No. 1-1 1-2 2-1 2・2 4-1 4-2 5-1 5-2 5-3 54 5-5 No. 5-6 5-7 5-8 供 試 儲 騨 (mm) 充填高さ ジベノレ C1.5D-T4.5A 1.5D 4.26 C1.5D-T4.5B l.5D C1.5D-T6.0A 1.5D 5.90 C1.5D-T6.0B 1.5D C1.5D-T12.0A 1.5D 11.9 C1.5D-T12.0B 1.5D C1.5D-T9.0 1.5D C1.0D-T9.0 1.0D C1.0D-T9.0D 8.90 1.0D 有り CO.5D-T9.0 0.5D CO.5D同T9.0D O.5D 有り 表

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鋼板巻き立て補修供試体一覧旬 開 体 名 │ 慨 都 立 て 高 さ │ 溶 接 CYO.5D吋600 0.5D CY0.5D-600W 表

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補剛材補修供詰体一覧酎 供試体名 補岡樹木教 補目付補う降幅預 四 50-8 8 50% TH75-12 12 75% TH100-16 16 100% 連絡先:〒

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愛知県豊田市八草町八千草

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7 TEL: 0

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1,FAX: 0

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1 -192 土木学会第66回年次学術講演会(平成

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年度) ただし,実橋脚では溶接に適さない鋼材を使用しているもの もあり,ジベノレや補岡林オの溶接をともなう補修を行う場合,橋 脚が溶接に適しているかどうか注意する必要がある.

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実験結果の評価

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水平荷重一水平変位履歴曲線による評価 2

司2 -20 -108/8y0 10 20 水平荷重・水平変位履歴曲線の一部を図・1~図4 に示す.縦軸を 降伏水平荷重Hy,横軸を降伏水平変位Oyで無次元化している. 図中の実線は補修後,破線は新品時の履歴を示す. 図-1 C1. 5D-

T

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2. OA 2 履歴曲線の形状から大きく 3つのグ、ループに分けることがで きる.まずは図・1および図画2のように大きく安定した履歴を描 くグループで、ある.これらは最大荷重が新品時と同程度まで回

E: 可~

-2 復し,かっ,高い変形性能とエネノレギー吸収量を示しており, 品 /8J 10 20 最も望ましい履歴である.次に図

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のようにピンチング挙動が 図

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3

C1.5D-T4. 5B 見られるグループρで、ある.このグループは変形性能は向上したが,横に細長い履 歴を描き,エネノレギー吸収量がやや小さくなっている.最後に図4のように新品 時とよく似た履歴を描くグループである.このグループは最大荷重は増加したが, 補

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節目の直上で、新たに座屈が生じ,その後急激な荷重の低下が見られた.

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最大水平荷重による評価 Cl.5D-T4.5A C1.5D-T4.5B Cl.5D-T6.0A C1.5D-T6.0B C1.5D-T12.0A C1.5D-T12.0B C1.5D-T9.0 C1.0D-T9.0 C1.0D-T9.0D C0.5D-T9.0 C0.5D-T9.0D CYO.5D-6

CYO.5D-6ωw TH50-8 TH75-12 THI00-16 2 -2 -20 ー10も│、0 10 図-2 CYO.5D-600 2 1

i

出 ー1 -2 O/Oy 図-4 TH75-12 コ:lU';'o ~ ~~,x珍 " "*庁t :<; 4布 .~;;'."': 討 ;,~X 十 { ~;,w6S 0 照由 3 . , 相 0% 50% 100% 図

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最大水平荷重 20 図-5に新品時を100%とした場合の補修後の最大水平荷重を示す.これを見る と1.5Dの高さまでコンクリート充填することで,最大荷重を十分に回復させる ことができる.また, C1.0D-T9.0, CO.5D朝T9.0は荷重の回復が不十分で、あり,充 填高さが1.0D以下の場合で、はジベル等を設ける必要があると考えられる.鋼板 巻き立て補修(CYType)および補岡Ij材ネ南修

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百苛pe)では全ての供試体が新品時の 土10%以内となった.

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曲げ剛性による評{面 土20% ~竺竺竺き 図・6に新品時を100%とした場合の曲げ剛性を示す.コンクリートを1.5Dまで 充填したものは,剛性が大きく回復しており,特に板厚の薄い供試体に対して効 果が大きい.またC0.5D-T9.0については剛性の回復がほとんど見られなかった. また,鋼板巻き立て補修(CY可伊)で、は,最大荷重は十分に回復したが,剛性の回 復量は小さくなっている.

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結論 本研究では地震により損傷した銅製橋脚の早期復旧を想定し, 3種類の補修方 法について耐震性能を検討した.本研究で得られた結論を以下に示す. 1)最大荷重,剛性を回復させるには, 1.5Dまでコンクリートを充填する方法が最 Cl.5D-T4.5A C1.5D-T4.5B C1.5D-T6.0A C1.5D-T6.0B C1.5D-T12.0A Cl.5D-T12.0B C1.5D-T9.0 C1.0D-T9.0 C1.0D-T9侃)I I CO.5D-T9.0

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CO.5D-T9.0D CYO.5D-600 CY0.5D-600W TH50-8 TH75-12 THI00-16 0% 50% 100% 圃補修前 回補修による回復量 図

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曲げ剛性 も効果が高い. 2)橋脚の溶接性が確保されている場合,ジベルを溶接することでコンクリート充填高さを低くすることが できる. 3)鋼板巻き立て補修を行う場合,鋼板野陀溶接により固定しなくても,十分な最大荷重が得られる. 4)補修後 も十分な而援性能を得るには補修部の強度を上げすぎないことが必要である. 参考文献 1)尾松大道,鈴木森晶,青木徹彦:損傷した矩形断面銅製橋脚の補修後の耐震性能に関する研究,構造工学論文集,Vo1.52,App.445453,2006.3. 2)MS回uki,Horna留民AImanaka,TAoki : Seismicresis旬且.ce田Ipacityofrepaired steel bridge piぽsaftぽS町 田 闘 地quake,International Conference on STRUCTURAL

CONDITION ASSESMI到T,MONITOR1NG AND IMPROVE阻到τ~pp.291-298ρ田emb巴T2005.

3)服部宗秋,青木徹彦,鈴木森晶.圧縮芯をもっ鋼管橋脚の而撰性能実験,構造工学論文集,Vo1.52,App.465476,2006.3.

4) Moriaki SUZl必,Yi岨iyukiShimaguc, Thietsubiko Aoki : RESIDUAL STRENG四 OFDAMAGED STEELBRIDGE PIER WITH CIRIαJLARαOSSSECTION必ID

ITSREPAlR恥ffi1HOD,JOINTCONFERENCE PROCEED到GS7CUEE &5ICEE抑.2011却 16,March3-5,2010.

5) 嶋口儀之鈴木森過具IJtt-鷺青オ櫛~:既強傷円汗郷面自陣掘脚における銀版巻き立て欄際実験封嘩ム第 65 巨伴次判隠融調荷崩焼要集 I 羽,pp.l39-1制,2010

Eり嶋口儀之鈴木離刑判念青木徹彦組傷した円形腕時略騨掛川鯉邸調全能に関する研究主tc学会第64四 年 次 学 精 髄 : 錆 欄 腰 ゑ1-596,pp.1191-119叫 仰 .

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参照

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