• 検索結果がありません。

滞砂防除に関する土砂水理学的研究(1)--水利構造物上流側の滞砂現象に関する一実験的考察---香川大学学術情報リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "滞砂防除に関する土砂水理学的研究(1)--水利構造物上流側の滞砂現象に関する一実験的考察---香川大学学術情報リポジトリ"

Copied!
17
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

香川大学農学部学術報告

滞砂防除に関する土砂水理学的研究 し1)

一水利構造物上流側の滞砂現象に関する一−・実験的考察一

書 良 八 郎,横 瀬 広 司

50 Ⅰ ま え が き わが国は地形や河川コク配が急峻でありかつ降水盈が多いことなどのために土砂の生産,流送がいらじるしく,こ れに基づく貯水ダム,取水ダムまたは水路中の水利構造物などの上流側における滞砂の問題が最近大きくclose・・upし てきたい:たとえば,筆者の調査(l〉によればわが国主要ダム(主として∴発電用)25る個の滞砂資料から平均して年々貯 水容盈の1.887%が滞硫土砂のために失われでおり,貯水容題の8D%以上が埋没して貯水ダム本来の機能を失なって いる貯水池数が約10%にも達してこいる,またわが国におけるかんがい用老朽ア−スダムの機能障害調査(農林省農地 局,1957)(2)紅よれば,Tablelのよう匿滞妙による機能障害が15..2%で4位凌占めて言おり,滞砂防除対策の研究が 堤体の安定計算と同程度龍頭要なデーマ Tablel わが国における老朽ア−スダムの機能障害 (農林省農地局,1957) であることがうかがえる. このような滞砂現象は,それぞれ貯 水,取水または導水目的機能を喪失させ るほかりでなく,ダムなどの上流側でほ 上昇,下流側では低下という河床ならび に地下水変動により水害発生の原因とな ることもあり,とくに最近ほ背砂障害が 社会問題としてとりあげられているくら いである..また19占2年12月未の世界のダ ム統計に.よると,堤高15m以上のダム数 (計画,旛エおよび完エを含む)が8,284 個あるのに対し,わが国でほ,1,980個 (世界の2・5−.9%)でU.S.Aの2,852個(同 541.4%)に次いで世界第2位を占めてお 復旧額 万円 原

因,個所数【%」

4,250,00D l57,000 1,170,000 197,520 185,490 52,400 42,400 9.55 5,479 41,000 占,080,D24 1L 堤体からの漏水 取水設備の破損 余水吐の能力不足,破壊 滞妙による機能障害 堤体沈下,斜面破壊 池敷からの漏水 満水しないもの 溢水取水できないもの グラウティング不良 2 5 4 5 る 7 8 9 10 その他 り,このうち約1,400個(約70%)がフィルダムであり,その大部分は貯水巌の減少が直接問題となるかんがい用ダ ムであることなど考え.ると,貯水工,取水エまたほ水路エなどにおける滞砂形状を予知し,さらに適正な滞砂防除対 策を確立することが,農業土木技術者にとってとく紅重要な課題となってくる. 水利構造物の経済的で効果的な排妙法の究明には,まず滞砂機構や滞砂分布の把握が前提条件と考えられる.この 観点から筆者らほ,まず掃流によって長方形水路中のセキ上流に滞砂が進行する場合における滞砂機構に関する土砂 水理学的な実験を行い,次元解析に基づいた実験式を参考にして,各変数相互間の間係,とくに排砂施設の設計操作 把関連深い粒度特性について検討した. Ⅱ 実験装置および実験方法 実験水路ほ長さ20m,幅1m,深さ0い7m,コウ配S。=1/100の両面ガラス張の鋼ワク製のものを用い,その下流端 に.高さ20cm,幅5cm,頂部に丸昧を付した木製のセキを設けて,Table2に示す実験条件虹より給砂嵐Qs。をはぼ一・ 定とし流塵Qをかえた場合,すなわち砂水比R5Ⅳ=Qs。/Q(または恥ノq)をかえた4実験を試みたり この装置でほ最大流崖Qln乱Ⅹ≠0.1Dm8/Re。が可能な循環系統をとってあり,流鼠ほ長方形塩水ゼキで計算し,給砂ほ 上流端に併設したShinko・Syntron型の自動給砂装置によった.従来乾湿姶砂を行う場合にはarchingや詰りのため常 時一定盈の給砂が困難であったが,この自動給砂装置はFig−1のように貯砂楷からbucket conveyerにより上部の

(2)

第17巻第1号(19る5) 51 Tab】e 2 滞砂実験における流盟と給砂塵の関係 注:船抄豊Qso,qSOは空隙を含んだみかけの給砂豊,砂水比Rswは容積混合比である。 Fig.1自動給砂装置(ShinXo−Syntron型) Fig。2(b)送受波器(流線型ホルダー) Figい2(C)超音波測深記録装置 (1)測深記録装置本体(N.IZ−141) (2)制御器(NCE−599A) (3)直結2段患流増幅器(AD2−22) (4)インク畜オンログデフ(Wト2る0,るCH.) Fig2(a,b,C)定石台車付超音波精密測深記録装置 (日本無線N.TZ−141塑) Fig2(a)送受波器付台車(NXE−125)

(3)

香川大学農学部学術報告 boppeIに補砂を行い, hoppe工・用の電磁振動器(て 個),電磁供給器(電磁石5 個使用)または制御器など によって流水のごとく給砂 ができるようになっている. また水路にほguaIdIailを 設置して,走行台車付の超 音波精密測深記録装置(日 本無線,N。TZ−141型)を併 設してあり,この装置ほ 精度と能率向上を目的と して製作されたもので, 52 Fig.5 台車付超音波精密測深記録装置のblockdiagI■am, Figsい2(a.b.c),5の ように電動式の走向台車に超音波tIanSduceI■を取付けて水路中を移動させ水面と滞砂面(または流砂面)の位置な らびに時間的変化を同時に記録できるようになっている.との測深装置の送受波器ほ,チタンサンバリウムヨ辰動子を 上下2個使周してあり,一般性能として,測深記録範囲は.5∼58c皿,深度切換部分の拡大が可能で,精度(相対変 化)は水深2,.5mmを1.Ommに記録でき,確度(絶対深度)ほ校正器匿より5−・50cm水深で1,.0%以内,連行台車の自 動速度は5段階(12,る,・5m/min)可変で また1m間隔の距離マ」−クも記録できるよう になっている. この実験に用いたbedloadは,Fig..4およ ぴTable5に示すような線度特性をもち其比 重Gr・=2.占る0,みかけ比重Ga=1..894,空グキ 率入=28“8%,間ゲキ比e=0.404なる徳島県 吉野川産の混合砂レキ(d=00占25∼12mm, dm=2い5ロ5mm)である. 実験手順としては,Table2に示す実験条 件により,それぞれ砂堆段丘(ここでほ貯水 池などの水域におけるdelta状の滞積物を砂 堆とよび,これを現象面からみた場合,滞砂 または滞砂現象とよんで区別する)が下流端 セキに達するまで(t=T)実験を続行し, この間50分ごと前述の超音波椅密測深記録装 置またほpoint guageなどにより水面および 滞砂面の測定,10分ごと砂堆の肩(砂堆の前 進面ほ段丘の形をなすがその頂をいう)の前 進位眉や段丘部の水深hなどの観測を行っ た. また実験終了後ほ,定測点の滞砂横断面紺 定を行い,最後に2m間隔の測線紅ついて, 砂堆鉛直方向に2Cmごと採砂して,4実験 で計500試料の粒度分析を行い,plliscaleを 用いてSize paramterの解析を行ったりすな わち粒子の大きさをmmscaleで表現する代 】)iallleteIin mm,d ︼.∂ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 9 9 00 7 6 5 d︼ 3 2 1 ︼l■ざこ聖−hご〓エコlu〓J

DianleteT・in phiunits 仁Iog2d

Figい4 確率紙に¢−・SCaleで表示した.実験供試砂および 滞砂の粗度加硫曲線

(4)

滞17巻罪1号(19占5) 55 Table 5 実験供試砂お よ び滞砂の経度俸性 \ 中央粒経 平 均 粒経 分 級 度 備 考 \ \\十叫!(忠) グ¢ 靂 Qd中IPd中 一1‖525 −1‖550 −1,575 −2“975 −1..525 −1.275 −1..ファ5 実験供試砂 ー1.700 −1い200 ・−1.‘00 .5249 2‖500 5..050 Exp.Ⅱ セキ上流2mの段 丘滞砂 Exp..Ⅱ セキ上流14mの段 丘滞砂 表 層 中 層 底 層 表 層 中 層 底 層 、 ・ _ りに,2を底とする対数で表わしたd(4・)=−10g2d(mm)なる関係から,それぞれphimedian diameter Md4・=如0,

phinean diameter M4)=与(4)84−+4)16),Phistandai■d deviation o・4)=古(4)84・−4)16),phiquaItile deviation Qd4)=与(如6M4>26),phipercentile deviation Pd4・=古(4)90一両0),phiskewness meas11reα4)=(M¢−・Md4>)/

0−4>,phikurtosismeasure84)=(古(4)96−4)8)MO・4))/0・4〉などのSizepaIameterを求めて検討した。この際phi scaleでの分級度のindexとしては0・中を用い,主として粒径に基づくSOtingに・ついて検討し,淘汰のよいことを分級 度が高く,淘汰の悪いことを分級度が低いものとなし,その階級区分について:はRoMINGER(3)の値を参考にした. Ⅲ 実験結果および考察 ダムなどの水利構造物上流側水域における土砂の滞積には,掃流形式によるものと浮流形式によるものがあり,掃 流土砂に.よる貯水池などの埋没は,一般に砂堆とよほれる形式で行われることは周知のとおりである..このような水 域の埋没過程の解明ほ,deltaの運動を追究することが必要であって,従来から,セキ上流の滞砂現象に関する理論 的,実験的研究がHARRISON(4),杉尾(56r),吉良,横瀬および玉井(89),山岡(10),矢野およぼ芦田ら(11),浅田,曽 我および石川(1516)などによって行われてきたが,とくに排秒間題と関連した粒度特性の面から検討↓たものほ少な い. (11滞砂機構に.関する解析 流れをdamupするとpoOlができ,これに上流から給砂すると流送されてくる砂レキ粒子は・POOl入口付近に 概してdelta状を著する.この際delta先端は段丘をなすものであり,これを砂堆段丘とよぷことにする”さて貯水 池などの埋没でほ,浮流形式による沈殿滞積現象も望 要であるが,いま掃琉形式による段丘形式のみを考え ると,段丘部における流砂鼠の大小や段丘部肩の挙動 がその埋没に重要な関連をもっことになる 砂堆段丘の形態についてほ杉尾〔12),吉良および横 瀬(8),戸塚(13),村および永田(11),矢野,芦田(11)など の実験でも示しているように,大体その砂レキ粒の水 中安息角に近い傾斜をなして前進し,段丘がセキに近 づくにつれ,次第紅その厚さを増しつつ前進速度は漸 減していき,この際段丘先端の形態は,Fig.5(Exp Ⅳ,セキ上流2m付近)のようにセキ到達まではとん ど崩れることがないn段丘肩の挙動は同一・条件では大 体水平面上を移動していくが,その肩標高は.従来いわ F蝮‖5段丘斜面の様相(ExpLⅣ,セキ上流2m付近) れるように必ずしもセキCIeSt面を通らなかった 砂堆段丘の前進現象ほ風による砂丘の移動と類似しているので,ExNERの表示にしたがうと,みかけの段丘部流砂 塩q/sr(cm8/SeC.Cm)は近以的にEqs.1,2で示される.ここ紅uは段丘前進速度(cm/SeC),2=ほ段丘の厚さ (cm),入ほ空グキ率である

(5)

香川大学農学部学術報嘗 54 q′弓ー=己nZ q紆=(1一入)q′sf=(1一入)uz 本実験において−は段丘前進速度を10分ごと測定したので,段丘位置−・時間曲線に切線を引くことにより求められ, Zは実測値から求まるが,段丘位置Ⅹ(下流向,Cm)と経過時間t(分)との関係がはばpaエーabola紅近いので,実験 式を求め,これを微分してSeC単位の段丘前進速度u(cm/sec)を求めたい その1例を示したのがEqs小5,4(Exp Ⅱ)となる t2==1..10×10−4Ⅹ9+9..51×1D ̄2Ⅹ−・41ル占5 (3) u=104/((2…2Ⅹ+9…51)×占0) 以上により,砂水比恥。/qが大きいはど滞砂完了時間(段丘のセキ到達時間t=T)が大きく,段丘前進速度uは 小さくなり,またuはセキに近づくにつれて漸減しその傾向はpaIabolaとして表現できることが明らかである つぎに水面形状をみると,名実験,各測点ごとの水位−・時間曲線をえがくと,上流側測線No…19¢セキ上流19皿) 付近では給砂開始と同時に水位が急上昇し,測線No15付温でも水位の上昇傾向がみられた.また中,下流部の測線 No…5∼11付近では水位が−・旦下ってから上昇し始め,下流端測線No.0付近でほ段丘がセキに近接するにしたがって 幾分水位が下る傾向を示した.また段丘部付近紅水位の最低位層が出現し,段丘肩部から下流側面に波立ち現象を生 じた. 流砂盈と掃流力の関係に.ついてほ従来多くの実験公式が提案されており,またダムの滞砂現象のような移動床の 不定流に関する実験,解析についても杉尾(∂6712),菜垣(ユ8),矢野,芦田(ユ1)などの興味ある報告がなされているが, 以上この点について検討してみる 掃流カの計算で,流れの状態変化が極めてゆるやかである場合には,流れを瞬間的に不等流とみなすと,SbeaI VelocityU*およびtractive壬0ICeT’に対してはそれぞれEqs.5,6が用いられる」ここ紅hは水深,Rほ径深,gほ重 力の加速度,W.,は水の単位謹選,i籍は砂面コウ配,αほ係数,qは水路単位幅あたりの流盈,U*=/市ほ砂面上 ゐ摩擦速度,Tほ移動床上の単位面横にほたらく摩擦力すなわち掃流力である U≡瑚〔(i8一意)+諾意〕 T=PgR〔(is一意)+諾一芸〕=WoR〔(i只¶選一)+諾意 〕 (6) いまEqs.5,占の〔 j 内をIrとおいて摩擦コウ配とすると,Eq.7となり,これを本実験結果に適用す If=(is−・意)一十意 るため変形したのがEqけ8である k(is一意)+意 ここにb∬、は△Ⅹへ・だてた2断面の平均水深で△bは2断面の水位差であり,ある時刻において△Ⅹほなれた水流の 2断面をとり,この水深をそれぞれ血1,毎,滞砂面標高をzl,Z2とすると,.平均水深bm=(bl・十h2)/2,滞砂面コ ク配is=(zl一之2)/△Ⅹ,さらに△b/△Ⅹ=(b2−bl)/△Ⅹとおくことにより変形したEq.8からIFを計静した また側壁粗皮の影響を考慮したE川Sr別N(17)の長方形水路に関するみかけの径耗R′mを用い,掃流カTを計算 したここ虹Ⅴ皿ほ平均流速,b皿ほ平均水深,n′は側壁濫関するMANNINGの粗度係数(n′=0.012),Ieは流れの

R′mミbm(1−2R%),Rm=(n′Ⅴγ/肯)ユ」6

T=W.,R/皿Ie energyコク配,Bは水路幅である‖ この際EINTEINの式は等流状態のものであるから,不等流に拡張適用するた め,Eqs。7。8から求まるIfをEq.10のⅠ。の代りに使用し,l。=Ifとおいて,Eqs.11,12によってShear velocity U*やtractive force Tなどを計算することにした(58) U*=/gR皿′If・ ・丁+==W 。R皿′王t ここにⅠド=(is一意)+・意

(6)

簡17巻第1号(19占5) つぎに任意断面における流砂鼠q蔦は,滞 砂面上でq告が下流に向い直線的に減少するも のとみなせぼ,Eq…15(6)によって定めること ができる−.ここに1sは滞砂面の長さ,Ⅹ′は段 丘を起点として上流向けに剃った距離,q只f qs=qsf十(qsリーqsf) ㈹ ほ段丘部流砂盈,q錮ほ給砂塵である さて本実験のどとくセキ上流で滞砂が進行 している状態の流れは元来不定流であるが, 滞砂の前進が綬慢な場合にほ瞬間的紅は不等 選定流として.扱うことができると考えられる ので,各測定区間を不等遁走流とみなしてそ の中央断面におけるU*およびqsを求め,無 次元表示した流砂監q丹*と掃流関数、巨ゆ。の 関係を点描したのがFig..占である..ここ.に qs*はEq.14,、〟−}。はEq。.15で示され,¢。 は限界掃流カに相当する締流関数である.こ の際U郎の計算には, 触=q施*d皿 朋 55 090U76 5 4 3 ◎K ● 9876 5 4 3 ウ︼ 10000 0 0 0 0 P.コ\のb=品b 9876 5 ▲4 3 2 10000 0 0 0 0 00000、〇〇 〇 〇 U*2…U≡¢ 、〝−1ケe=T 3日監 〈(J/p)−1〉gdm dm=0巾25cm,J/p=2.砧, z} =0.0106cm2/SeC(18OC), g=980cm/SeC2であるので

R*=i(♂/p−1)与包qち包dm学名}ん≠475.る,

001 002 004 01 0.2 0.3040 5 0小030.05 ¢−¢。=(U≡一鴨)/i(。んト1‡gd Fig占、巨¢。とqs/U*dの関係 1 2 したがってEq.1占に示す岩垣実験公式(19) を使用した U…。=丁%=(0朋05(グ/p−1)g〉2年乞2.〝 ̄写il.dm8与ち2 (16) (ただし1占2い7去R*≦る71の場合) fig、占の白丸は均一砂(dm=0.885∼0.890mm)を用いた杉尾の実験結果(7),十字丸はⅩALINSXEの図(20)の括点紅 対し杉尾がすe=0.05と仮定して描いたものであり,これを総合して求めた杉尾の実験式はEq.17に示されるい これ紅 混合砂レキ(d皿=2‖505mm)を用いた本実験結果(す。=0.朗占)を点描すると,はば杉尾の実験式紅のることがう qンら*dm=5・…一両1・26 かが.え,これらを総合すると,すe<寸く1…0とみなすことができる

移動床をもつ流れの抵抗法則は,移動床表面の状態がplane bed,ripples,dunes,SmOOth bed,tranSition, antidunesなどのように種々雑多な形態をとるため(たとえば本実験範囲でもFigs。7(a,b,C,d)のようにその 実験終了時の移動床表面状態が大いに異っている),その研究がきわめて複雑とされている(21).砂漣について椿,古 屋(22)はks/d(kgほ相当粗皮)と1T*=}=U*2/〈(cr/p)−1‡gdの関係を見出しており,plane bedに対する実験で石 原,岩垣(23)も同様な関係を示している またtransitionの範囲で杉尾(7)ほ粗皮係数nを含む無次元盈Nsを提案して いる 本実験結果もこれにならってNsと小をlog−loggIaphに点描するとFigい8のごとく集中し,実験式Eq…18で表わ Ns=0。.281ケ0・85

すことができた。ここにNs=ngち%ウもであり,描点ほ}=0け05∼0.2るの範囲であるがサ>¢。になると小増加とともに

(7)

香川大学農学部学術報告 5る (b)Exp.、Ⅱ (a)Exp、Ⅰ (C)Exp.Ⅱ (d)Exp・Ⅳ Fig¶7 実験終了後における滞砂表面形態

(8)

57 第17巻第1号(19占5) Nsが除々に.増加する様相を示した.この際杉尾 の実験式Ns=0り一54ル0・$6と指数が同じ値を示し た. つぎに滞砂面の平均コク配については,砂水比 q。.,/qが最も大きな影響を与えることが,杉尾の 次元解析的研究(7)で明らかにされでいるので,実 験回数ほ少ないが一応本実験結果について砂水比 qslノqと段丘がセキに着くまでの全期間を通じて の平均コウ配i皿の関係をみるとEq.19なる実験式 で示されるい また平衡コク配Ⅰ(,は,長時間実験を im=0…111(qs。/q)0・87 q9) 4 3 0 <U 9 8 7 2 0 雲℃\N\セ=ギ 0 1000 ∧u︵u OO 02 003004005 01 02 03 040.506 ¢=軋2/=〆川gd Fig。.8、ケ と Nsの関係 継続することができなかったので,本実験結果が 適合した杉尾の実験式Eq.17において,q8=qs。とおき,それを満足するU*を逆算しで求め,Eq。18からえられる とMANNING流速公式から径深Rを求め,Eq.2Dから算出して砂水比q8。/qと関連させた Io==U≡ムR その結果はEq21なる実験式で示され,さらにi皿/Ⅰ。と砂水比q8。/qの関係ほqs。/q>10小2×10 ̄4=の範囲でEq.22なる Ⅰ。==1..847(qs。/q)0‖77

i寓、=0‖酎q汚け/q) ̄0‘40

実験式で示され,砂水比の増大ととも紅im/Ⅰ。ほlogNlog graph上でIinearに減少する傾向がみられる.この減少 傾向ほ,本実験の砂水比が杉尾の場合の上限付近以上であるため急コウ配を示すが,砂水比がかなり小さい値(本実 験では8,る×10 ̄4以下)になると,杉尾が示しているよう紅段丘が前進している非平衡状態にあっても,滞砂面コウ 配ほi皿/Ⅰ。ク》1..0のごとくはとんど平衝に達しているとみなしてさしつかえないものと推定される (2)粒皮特性に関する解析 難度特性の解析は,Exp.1(82試料),Exp.Ⅱ(120試料),Exp..Ⅲ(150試料),Exp,Ⅳ(148試料)の合計500試 料の粒皮分析結果をもとにしで,PhiscaleによるSize parameterを用いたが,この際粒.径分布の中心傾向を表わす 粒径代表値として平均粗径M¢を用いた a)平均粒径別分級皮(M中と♂やの関係) 平均粒径M¢と淘汰,分級の度合を示す標準偏差叩の関係はFig.9に示されるが,M¢が大きくなる(mm単位の dmほ小さくなる)につれてJや億ほ小さく分級が悪くなる傾向がみられるすなわちM¢億の減少するにつれ¢や値は WellsoIted(I14)=1∼2)からVery We11sorted(0・4)ニ0∼1)へとSOItingがはば1inear紅良くなっている.この関 係を実験式で示したのがEq.25である グ中=2い202+0‖582M中 このような傾向は,香川県内かんがい用貯水池の滞沙分布〈24),防波堤のある海浜砂の挙動調査(25),Rapid CI・eek の段丘砂レキ調査(3),または筆者らによるこれまでの水路中に.おける滞砂実験結果(8)やかんがい用貯水池の滞砂分布 掴査(28),海水養殖池の底照調査(27),花崗岩質の流域表土調査など(26)などの掃流分級群の分級様相と類似している一・し かし,筆者らがこれまでに行った潟湖型の香川県安戸■地道殖場の漂砂(27),徳島県吉野川河口の滞積土砂(空8),香川県綾 川流砂(29),岡山県吉井川流砂(26)などの調査解析結果ほ本実験結果と全く逆の分級傾向を示し,大体M¢≒0∼5(dⅢ≠ 1∼ロ”125mm)程度の砂質からなるものが,その滞積位置に関係なく,最もよく淘汰されて分扱がよく.これよ り粒径が粗イヒ(掃流分級群)して−も細化(浮流分級群)してもそれぞれはぼ1inea工■に分扱が悪くなる傾向を示し た. 以上セキ上流の滞妙に関する実験や現地貯水池などの調査解析結果が,前述の河川などにおける一\般の滞積過程に おける分級現象と興るのは,主としてダム築造など紅よる自然環境の人為的な変化に基づくものと考えられるい その 要因として,出水と人為的な取水操作による貯水位の変動,これに基づく掃流土砂のdelta滞積と浮流土砂の全水域 沈殿,密度流などの水理学的特性,洪水時紅おける浮流土砂のみの放流,または一・般河床物質にはみられないWaSb

(9)

香川大学農学部学術報告 58 Mean diameter,dm(mm) 18 8 4 2 1 0.5 O 25 ︵芸⊥豊中=昏 占¢コd叫>むp Ph市Pud︼∽ 〓h −3 −2 1 O 1 2 Phimeandiameter,M¢=(卵4欄6) Fig.9 平均粗経M¢と分級皮(標準偏差)クやの関係 Me8n diameter,dm(mm) 4 2 1 0・5 0・2∈ 凡例 0滞砂上屑部 ●滞砂下層部 滞砂下層部 釣〒0436−0061M¢ () ・・ 0 20 10 0 1b 0 .むトさ∽d里⊆︻ ∽−∽〇一h⊃一 Ph川eandiametelM¢=喜(由+伽) Figい10 平均粒経M中とひずみ度α¢の関係

(10)

59 第17巻第1号(19る5) loadの沈殿滞積などの現象が考えられるが,これら要因の究明は,現地ダム渾砂を対象に検討中であるサ b)平均粒径別ひずみ皮(M¢とα¢の関係) Fig、10に示すM4)とα中の関係では..M4)が増大(d皿が減少)するに?れ一応1ineaIに・pOSitiveskewness側から negative skewness側へと移行する様相を示し,実験式として:Eq..24がえられる.しかし,さらに詳細に検討すれ α¢=一口小155−0い12占M中 ば,M4)=−1(d皿=2mm)付近で−LB.negative skewness側に偏したものが,細粒部分に至って再びpositive skewness側紅復帰するごとき傾向を示しており,このような現象は筆者らのこれまでに行った実験(18),現地調査 (27・乳29)などの結果とおなじように,さらに浮流形式による滞砂実験を追加すれほ,いわゆる砂泥分離現象として明 らかになろう. C)平均粒径別尖鋭虔(M¢とβ¢の関係) 尖鋭皮β4)は,粒度のそろっている程度すなわちpeakednessを示し,nO工maldistributionの場合β=0・・65で,β¢ <−0.65の場合normalcurveよりmorepeakedであり,β¢>0…65の場合はno【malcurveより1esspeakedであるこ とほもちろんであるが,本解析結果はFig.11からもわかるように,滞砂断面の上層部と下層部で傾向が異なって:い M。a。diametelr(1m(mm) 05 0・25 2 凡例 △滞砂表層 ○滞砂中層 ●滞砂底屑

1Josit鉱、川e5S

1 Negative Slくel\ⅦeSS 3 【2 【1 0 1 2 })Ⅰ−in−…(1iこImeter,M¢=二号(由十輌) 童て︵音−d−ヱう=6 一己nS季V∈S∽u∈−′′遥S 〓d Fig…11平均粒径M¢と平鋭度β¢の関係 る..すなわち滞砂下層部ではM¢=−5∼−1範囲でβ中=0.7∼0…4に分布し,M中の増大(d皿の減少)にしたがって β¢は小さくなり,滞砂上層部では,M¢=2∼0でβ¢=0…ち∼0・フ程度に分布し,逆にM¢の増大(dmの減少)するに したがってβゃも大きくなる傾向を示しており,この関係を実験式で示したのが,それぞれEqs=25,2るである 滞砂上層部:β¢=0い虚7+0.199M¢ 滞砂下層部:β¢=0.45る−0‖0占1M¢ d)段丘部錠直方向の分級 っぎに段丘部の釘直方向の粒度特性について検討したがM中,d皿,J¢,α¢,β中などの鉛直分布を示したのが, Figs12,15,14,15,16,Table5である,.この際実験別すなわち砂水比q糾/q階級別の各Sizepar.azneter紅明し 顕著な差がみられなかったので,Exp。Ⅱ,Exp.Ⅳの各5測点(セキ上流2m,8m,および14m)における鉛直変 化を示した Fig.15に示すM¢の鉛直分布をみると,段丘下層はどM中が減少傾向を示す・・これをmm単位に換静表示したFig 12のdn鉛通分布をみると,大体砂堆段丘下層はど平均粒径d皿が大きくなる傾向が明瞭となり,この際d皿一Z分布 ほEqい27なる実験式で示され,実験別,測点別のCOnStantα,βを例示したのがTable4となる d皿=αZβ

(11)

香川大学農学部学術報告 占0 2 0 8 6 4 2 0 柑 6 4 2 0 8 4 2 6 3 3 2 2 2 2 2 1 1 1 1 N 吉じ亡t告コでP已謡ち一息︻むH べ.∈︶U■宣つててuニー、二宅;〓 1 2 3 4 5 6 7 8 9 M即n diameterin mm.dm Fign12 平均線径(d∫n)の鉛患分布 3 2 −1 0 1 2 PhimeandiameteI−M≠ Fig.15 平均粒径(M¢)の鉛直分布 トNegatiYe 一−−1)l)Sili、e

:\eryl、e】ille‖ Normally skelVneSS= Sk川neS言

03−02・010 01U2 030405

0 02 04 060810121ヰ Z∫吉≡ 茎nP Pu謡︸〇一竜t菩− N−∈リ≡賀n勺苫宗−〇一名宣H ZざU⋮苫n勺PU謡皿○こエ叫−“云 Phikurtosis汀〉eaSUreノ9≠ Figい1る尖鋭度(β¢)の鉛直 分布 Phistandald deliatiol=諏 Fig14分級度(グ¢)の鉛 直分布

l)hisk≠neSS meaS111e ♂ノI

Fig.15ひずみ度(α¢)の鉛盾 分布

(12)

占1 簡17巻第1号(19占5) Table 4 平均粗経の鉛直分布(実験式の定数) ここにdmは平均粒径(mm),Zは滞妙高(cm)である‖ この際5測点を比較す−ると,Fig・12,Table4のごと く,大体上,中流側に比較して下流側はど平均粒径dmの鉛直変化がいちじるしく,指数βの絶対値が大きくなって いる‖ これは,段丘斜面における転動落下に基づく分級結果を示すものであり,下流側はど斜面転落に・よるSOI’ting がよく行われたことを意味するものといえよう っぎに分級度を示す♂¢の鉛直分布をみるとFig…14のように滞砂土層部から下層部にかけてグや値は小さく,Well sortedからVe工y Wellso工tedへとSOrtingがよくな る傾向がうかがえる… これはFigs.12,15に示す段丘 斜面転落によるSOItingにより粒履が下層はど粗化す ることを裏付けるものといえよう. ひずみ度α¢の鉛債分布はFig..15のごとく,多少ば らついているが,上,中流部においては全層を通じて 大体posjtive skewnessの場合が多く,下流端では大 体negativeskewnessを示すが,いずれの場合も段丘 底層部では強いpositive skewnessを示すことがうか がえる また尖鋭皮β¢の鉛直分布はFig..1るのごとく,上流 部に対して中,下流部の値がばらつきが大きい・・以上の ような粒皮特性からみられる幌向は,下流部において Fig.17実験終了後における段丘斜面の再現 (Exp.Ⅱ,セキ上流2m) 投丘滞砂分析断油 3 4 5 6 7 8 9 10 11 その下層部に粗粒子が,上,中 層部匿細粒子が比較的よく滞積 したことを表わし,さらに上, 中流部でほ細粒子部分がとく紅 流送されて少くなっていること を表わしている..参考までに Exp,.Ⅱ,SeCtい2(セキ上流2n) における実験終了後,段丘斜面 のpIOfileを示したのがFigい17 であり,また粒皮特性の鉛直変 化はTable5(FxpりⅡ,セキ上 流2m,14mの例)からも明ら かとなるい e)段丘縦断方向の分級 流下距離別のSOItingについ ても,砂水比による差ほあまり 認められなかったので,そのう ち,ExpいⅡについて各測点別 SぐCL1 2 0 2 ・4 6 8 20 2 ヤ専l㌢㌢H・十貨詫㍉十 + 一 七畔〉の削冊∈X(m一 Fig.18 流下距離別の分級(Exp.Ⅱ)

(13)

る2 香川大学農学部学術報告 のSize parameterの全層平均値を求めて表示したのがFig.18であるこれからSOrtingindexとしての0.4),Qd4), Pd¢などをみると,それぞれ下流側はど小さく分級がよくなる傾向を示している。この際叩分布を例にとると,上 下流を通じて一応Wellsorted(1<0’中<2)の範囲であるが,とくに下流側(セキ上流4m付近)からVery We11 SO工ted(0<0・4)<1)の領域に近づき,一般に下流側はど分扱がよくなっている,ひずみ度α4}は,上流側ではpositive Skewness,上流側から12m付近(α=0)を境として:その下流側はnegatjve skewnessを示している.このような傾 向ほかんがい用山地(24)の滞砂と大体類似している..また尖鋭度β¢は上,中流部において供試砂レキの値(β¢= 0小445)と同程度であるが,セキ付近に至ってやや増加傾向を示している f)粒度分布曲線の特性 各実験でえられた各試料の粒 皮分析結果についてhistog工am な・描き,そのmodalsize class な・求めて,このhistogIamを描 いたのがFig..19である.この 際modeの位置ほや=−5∼−2 および中=−1∼Dである場合が 多く,その分布ほ一応bimodal distributionを示しているもの といえよう. また段丘の縦断方向では上, 中,下流部に分け,さらにこれ を鉛直方向に表層,中層,底層 部に分けてExp小Ⅱ,Ⅲから試 料を抽出してbistogIamを措い たのがFig.20である.この図 から実験供試砂のbistogIamを もとに,しいていえば,縦断方 60 50 40 30 20 10 ︵訳︶︸鳥tご′ 、サ○つN・→く> サのN・→く> ・寸亡つN▼→○ 寸の亡ヾ【1く> 寸MN,→く> ¢−SCale 0 0 0 0 0 ∧U 6 5 4 3 2 1 ︵訳︶一息−むき ぐつくヽI−→く=−1 ▼才・Pつぐq▼→⊂> 亡つN▼→⊂> ¢ⅥSCale

Fig。19 測線別滞砂断面のmodalsize classのhistogram

Fig..2D 滞砂の縦断方向,ならびに鉛直方向の粒度分布変化(Exp.Ⅱ,Exp..Ⅲ〕 (4>−SCaleによるhistogran..)

(14)

第17巻第1弓(19る5) 占5 向の場合,上,中流部でほbimodaldistribution,下流部でほunimodaldistridutionを示す場合が多く,鉛直方向の場 合,精妙表,中層部でほ.bimodaldistribution,底層部では.unimodaldistriboutionを示す場合が多いことが推定できる” 以上粗度特性に関する解析結果は,筆者らがこれまで行った同種の実験結果(8)とはとんど一激するものであり,こ の点普遍性に富んでいるものと考えられ,この点現地ダム滞砂分布について−さらに実証的研究を続行中であり,これ ら粒度特性と関連づけた排砂工法に関する実験結果については,次報で検討する‖ Ⅳ あ と が き 水利構造物上流側の滞砂防除対策とくに排妙法の究明には,ます滞砂機構や滞砂分布の把握が前提条件と考えられ る..この観点から筆者らは,再び掃流形式による水利構造物上流例の滞砂機構紅関する一実験として,砂水比恥(ノq をかえた場合におけるセキ上流側の渾砂や水面縦新形の変化を実測し,さら紅段丘部滞砂の粒度分析を行って.,流 敦,流砂鼠,掃流力,滞砂面コク配などの関係や分級機構などについて検討したが,その結果の概要を示すと (1トセキ上流における掃流形式紅よる滞砂の挙動をみると,その下流瑞ほ必らず水中安息角に近い砂堆段丘をな し,その段丘肩は大体水平面上を移動して−いくが,その肩標高は縦来いわれるように必らずしもcIeSt面を通らな い. (21段丘前進速度uはセキに近づくはど漸減し,また砂水比qR。/qが/」\さいほど速かとなる (3)砂水比が小さい場合は下流側に厚く滞積し滞砂面は緩コウ配に.なり,砂水比が大きい場合は上流融に厚く滞積 し,滞砂面は急コウ配となる‖

(4)流砂盟と掃流力の関係についでほ,鮒元表示したq・−*=q‰*dmと掃流力関数…e={(器覧孟の関

係で杉尾が求めた実験式q綿=5,占(¢−¢e)1・25に適合するようであり,そ・の他移動床上の抵抗法則に関する解析で も一応Ns=a、〝bなる実験式で表示できた. (5)滞砂面の平均コウ配の解析では,砂水比Rswと平均コク配iェ。の関係(増加関数),砂水比と平衡コク配Ⅰ‘,の 関係(増加関数),またほ砂水比とi皿/Ⅰ。の関係(減少関数)など,いずれも杉尾の示した傾向と大体類似した.し かし混合砂レキを用いた本実験でほ平均滞砂面コク配が8,る×10 ̄4以下の範囲ではほ乎衝コク配とみなしえたい 以上,段丘が前進し{:いる状態においては,砂水比が極めて重要なparametヒⅠとなるとした均一・砂での杉尾の提 案が混合砂レキを用いた本実験の場合も適合することで,こ.の点,普遍性に富んでいるものと考えられる.、 (6)実験に供試した混合砂レキの分級度は0’4)=1.525,Qd4)=1.075,Pd中=1。825でWellsortedに属するが,これ を用いた掃流形式による砂堆段丘の砂L/キでほWellsoItedからVery Wellsortedに分布し,一般に分級がよくな る, r7)平均粒径別の分級皮をみると,M少が大(d∬lが小)なるはど叫偲が大となり,分扱が1ineaIに慈くなる傾向 を示す.この傾向は現地の貯水池や河岸段丘の掃流滞積土砂に認められる関係に類似しているが,河口滞積土砂や河 川流砂または海岸漂砂などの掃流分級群の傾向と逆である. (8)平均粒径別のひずみ皮叫〉の関係ではM¢が大(dmが小)になるに従ってPOSitive skewness側からnegative Skewnessに変移する 伯)平均粒径別の尖鋭度β¢の関係では,段丘部滞砂の上層と下層部で逆の傾向を示し,上層部ではM¢の増加(d皿 の減少)とともにβ¢砥が大となり,下層部では逆にβ中値が小となる. (10)段丘鉛億万向の分級度をみると,段丘斜面における転落分級作用の結果として‖−・般に澤砂下層はど分扱がよ

く,また粒径は下層はど粗イヒして,滞砂高Zと平均粒径d皿の間には砂水比または測点別にそれぞれd皿=αZβなる指

数曲線的分布がみられる‖ (11)段丘縦断方向の分級皮をみると,大体Pf流側はと■分扱がよく,ひすみ皮叫は上流側でPOSitiveskewness,下 流側でnegative skewnessを示すが,この傾向は花樹岩地帯のかんがい用貯水池の滞砂分布でみられる現象と類似 して−いるい u2)粒度分布の面からみると,上,中流部または滞砂の表,中層部でbimodaldistribution,下流部または滞砂底 層部でunimodaldistr−ibutionを示す場合が多い. 以上,粒度特性に関する解析結果は,筆者らがこれまでに行った同種の実験結果とはとんど一激し,普遍性に富む ものと考えられるが,濡砂機構の解析で重要なparameteIとなった砂水比の影響はあまり認められなかった。

(15)

ふ4 香川大学農学部学術報告 最後紅,この実験は,昭和59年鹿又部省特定研究費(災害)の交付をうけて一行った研究の一都であり,関係当局を はじめ解析に協力された野田武士,高谷潜,秦英樹の諸君に厚く謝意を表する廿 参 考 文 献 (1)吉良八郎‥貯水池の滞妙に関する水理学的研究,香 川大学農学部紀要,(12),(19る5).. (2)農林省農地局:土地改良事業計画設計基準第5部設 計,第1編フィルタム(案),(19る5).. (3)RoMINGER,,.F..:Relationships of plasticity

and grain size of Lake Agssize sediments,Jour.

Gβ〃J‥る2(占),557∼571,(1954).

(4)HARRISON,A.S.:I)eposition of the head of

IeSeIVOiIS.アタ・卯㌦ A粛血相別府z力妨げ批妨0乃α/旦γd㌢・ α〝Jよc C川朋㈲仇朋」.Aり軋丘‥199一・225,(19占5),. (5)杉尾拾三郎:セキ上流の滞妙に.関する解析的研究, 土木学会論文集,(52),18−25,(195る). (6)杉尾捨三郎:矩形水路内のセキによる滞砂現象の実 用的解法,信州大学紀要,(9),97・−117(19占0) (7)杉尾拾三郎:矩形水路内におけるセキの滞砂現象に 関する次元解析的研究,土木学会論文集,(80),7一17 (19る2)… (8)吉良八郎,横瀬広司:貯水池の滞砂機構に関する実 験(1−5),農菜土木研究別冊,(1),55−74(19占0). (9)吉良八郎,玉井佐一・:特性曲線法による貯水池の滞 砂機構に関する解析,農業土木研究,28(る),17−24 (19dl). (1籾 山岡 勅:セキにおける柘砂の進行過程とそ・の形状 について,北海道土木試験場月報,(104),(19る2). 仙 矢野勝正,芦田和男はか:ダムの背妙に関する研究 (Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ),京都大学防災研究所年報,(占,7), (19占5,19占4)′. 仕劫 杉尾捨三郎:セ・キの滞妙に関する研究,信州大学紀 要,(4,5),(1954)い ㈹ 戸塚 誠:赤松砂防堰礎における滞積に関する実験 的研究(1),新砂防,(18),(1955).. 仏側 村 幸雄,永田二生:ニ次元水路の滞砂の観察,土 木技術資料,2(11),(19る0). (1劫 挽田 宏,曽我雅海,石川晴雄:移動床貯水池横型 の相似性匿ついて…(河川急流部紅設けられた低いダ ムの滞砂状に関する模型実験),電力中研技術研究所 報告,(占4,007),(19占4). 佳拐 浅田 宏,曽我雅海,石川晴雄:千慮ダム上流の滞 砂紅関する水理模型実験,電力申研技術研究所俵頗研 究報告,(Ⅱ水る,204),(19占2)..

〈17)EINSTZuN,H.A∴Formulas foI the transpor・

tation cf bedload,Proc..A.S。C.E。,March, 551−5る7(1941). 仕劫 石庶藤次郎編:応用水理学中Ⅰ,丸巻,占5−る7 (‘1958). (l功 岩垣雄叫:限界掃流力に関する基礎的研究(Ⅰ), 限界掃流力の流体力学的研究,土木学会論文集, (41),(195の〃 但0)RousE,HいこEngineering Hydraulics,799 (1949). 但1)杉尾拾三郎:移動床をもつ流れの水路床状態の区分 についで,土木学会論文集,(71),7−15(19占D). 佗2)椿東一・郎,古屋朝治:流砂ある河川における流速法 則について,九大流体力学研究所報告,7(4),8−24 (1951)。 C23JIsHIHARA,T,,IwAGARI,Y”,and SuEISHI,T.,: On the effect o董 bed・load movementin thin

Sheet flow,Proc.5Y.dJa少an NaiionalCongress

ノb7A♪〆よβd〃♂ぐゐα〝fc5,1955,2る5−・2る9,(1954). 伽 斉藤 実:かんがい用貯水池の滞砂分布について, 香川大学農学部学術報告,(11),144−154(1959). (彷)柿沼忠男:渥美湾大州海岸紅おける海浜砂の粒皮分 布について,第8回海岸工学講演会講隠集,14る−1る0 (19占1). 価)吉良八郎:土砂の浸食,輸送,滞破過程における准 皮特性について,河川災害に関するセミナ一読演集 2占−28,(19占5). 椚 吉良八郎,中西 弘‥築堤式浅海養殖瀾(安声飽) における底質ならびに凛砂の粒皮特性紅ついて,香川 大学農学部学術報曽,15(2),1占る−179(19る4). 但8)吉良八郎,横瀬広司:吉野川河口における滞積土砂 の分級度について,虚業土木研究 別冊,(る),7−15 (19る5)一 (29)吉良八郎,中西 弘,安部邦夫:ダム下流部に点ける 砂レキの粒度特性と河床変動について(1),香川大 学農学部学術報告,1d(1),77−95(て%4).

(16)

第17巻第1号(19占5)

Psammohydraulicalstudies on the contIIOlof sediments(1).

−An eperimentalconsideration on the sedimentation

upstream of hydraulic stmcture−−

Hachiro KIRA and Hiroji YoKosE

d5

Sllmmary For the sake of the flood controland water resource development,manyIeSerVOir dams, head workstructures and canal$truCtureSaIeCOnStIuCted nowin our co11ntry.B11tgeneral1ythe rivers in our country tranSpOrt alot of the sedimentsinto the工eSerVOir and chanalwork and the upstreamof

intake welr,then many hydIaulic structures constructed years ago have become completely filled with

Sediment deposits.

Therfore the sedimentationin reservoir,head work and chanalis one of the znostimpotant problems, in rive王englneerlng at preSent

In this paper,authoIS COnSidered experimental1y and analytical1y on the characteristics of size distribu−

tion of the sands ar)d gravels and the flowlng Water・and sand movement from the psammohydraulic

standpoint

Every exper・imentalruns were performedin rectangular fl11me for various condition,WithmiⅩed sands

(dm=2.505mm)ranging from O.0625mm to12mmin dianeter。Asan eXperiⅡ1entOn the mechanism

Of sedimentation upstream of hydraulic structure throughtractionalprocess,aWeir,20cmin height,WaS COnStIuCted acros$a reCtangular channelhaving a ur)iforn slope(Sひ=D.01),andmiⅩed sand was poured from the head reach together with water at various rate of flow(q=160.0′・ノ927.5cm8/SeC,Cln)by

meansof an automatic vibIatOrySand−feeder(Shinko・Syntron type)ataneaI1yconstant rate(qB。=1.10

∼11.55cm8/$eC,Cm).

Conditions of sand accumulation and the changing appearanCe Of water$urface were observed each

time byneansof a11tOmatic precision echo・ISOunder(NJZ・141type ofJapanRadio Co.).Basedon the

results of the expe工iment,investigations were carried out,Chiefly fromtne psamnohydraulic standpoint.

On the r・ate Of sediment transportation on sand dunes,On the relation between the rate of sediment

transportation and tractive force,On thegradient of sediment surface,andalso onthe analysis of the mechanism of sorting

Mechanicalanalysis was made on the basisofJIS−12ロ4(sieving method).and degree of sorting was

examined by the phiscale(¢=−log9d)of KRUMBEIN,INMAIM etC。Size paraneters sucllaS phimediazl diameter(Md4・),phimeandiameter(M4・),phideviationmeasure(q¢),phiskewness mesure(α4>)and

phikurtosis measure(β¢)were obtained from the results。The grades ofロー¢showing the degree of

SOrting were analyzed by RoMINGER′s classification“Maininteresting results are as董o1lows

(1)Assuming the flowinstanteneously as gradua11y varied flow and deviding the flu皿eirltOIOOcn intervalreaches,the mean fzictionalvelocity U*WaS eValuatedin every reachい The relation between bed・load function(¢−}。)anddinensionless tractionalload q8★Shows a tendency simi1ar to SuGIO畠emp−

iIicalf0Ⅰmula as follow..(Fig..d) q宍/U慎d=5..占(}−す¢)1・26 inwhichqs≠=qs/U.d;す=U:/(q/p−・1)gd;¢。.thevalueofせforthecriticalforce

Anddataofexpe工inentsfortherangelケ=0..05toO.26yieldinwhichNs=ng%/d%;n,COefficientof

Ns=ロ…28寸0・86 roughness by MANNINC

(2)As for the relation between sand・Water ratio q8。/q,mean$lope of sand suz・facei皿,COmputed equilibrium bed slopeI.,andi皿/Ⅰ(,ratiois shown by the following empiricalformtllas:

(17)

占る 香川大学農学部学術報告

im=0..111(触ノq)0・8T I。==1.糾7(q8(,/q)0・77 in/Ⅰ。=0…口占(qs(ノq) ̄0・40

Plotted data showed thatif sand−Water ratio was smal1ar than8.6×1D−4=the bed slope might be co

nsidered approximately as the equilibrium bed slope.

(3)In the sand dunes,traCtionalsoIting gr・OupS,the relationship of phideviation measure(sorting factor q¢)against mean diameter(M4・and dm)indicate$that degree of sortingin depositsoflarger diameter(d皿)becozz)eS better than that of the szzlaller znean diazneter(dm)one.As for the relation between M4・and o・Ois shown by the following regressionline:(Fig..9)

グ¢=2..207+0.582M¢

(41As to the relation between phimean diameter(M4・)and phiskewness measure(α4・),the value

Of thelatterlinearly decIeaSeS negative skewness from positive skewness for the val11e Of the former

increasing.

As to the relation between phimean diameter(M4))and phikur’tOSis measure(β4・),in the11pper layer side,the value of thelatterlinearly decIeSeS for tbe value of formerincreasing,butin thelユnder・

1ayer side,1he value of thelatterlinearlyincreases for the value of the former・incIeaSing.These are also sh?Wn by the fo1lowinglineaIformulas:(Fig$..10,11)

α¢=一口い155−0.12占M¢

β¢=0‖687+0.199M¢ (Upperlayer side of dune) β¢=0.456−0.,061M4) (Underlayer side of dune)

(5)GeneIal1y speaking the modality on the histogram of nodalsizeclassin the upper and middle $tlea皿Sideshow b血odaldjstributjon,blltin the downstrea皿Side show unimodaldistribution′′(Fig一,19.) In the sand dunes of dounstIeam Side,the verticaldistribution of sorting factor(0・0)of bottom side deposits become better than that of the upper side one.(Fig.18)

ln the sand dunes,traCtionalsorting groups,the degree ofsorting ofdow工IStream Side deposits beco皿eS betteIthan that of the upper stIeam Side one,and skewness(6坤)of upper stream side have a positive Skewness,but middle stIeam Side are6坤=0,then becomes negative skewness as the downstreamside

(Fig..18)

(6)In the verticaldistib11tion of grain size for sand dunes,the relation between height of sand deposits(Z;Cm)and mean diamete工(dm;mm)isshown by the fo1lowing empiricalfornula:in whichα andβ,COnStant

dln=αZ β

参照

関連したドキュメント

学生部と保健管理センターは,1月13日に,医療技術短 期大学部 (鶴間) で本年も,エイズとその感染予防に関す

あれば、その逸脱に対しては N400 が惹起され、 ELAN や P600 は惹起しないと 考えられる。もし、シカの認可処理に統語的処理と意味的処理の両方が関わっ

2014 年度に策定した「関西学院大学

2020年 2月 3日 国立大学法人長岡技術科学大学と、 防災・減災に関する共同研究プロジェクトの 設立に向けた包括連携協定を締結. 2020年

関谷 直也 東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター准教授 小宮山 庄一 危機管理室⻑. 岩田 直子

EXPERIMENTAL STUDY ON THE REUSE OF INDUSTRIAL WASTE IN LIQUEFIED SOIL STABILIZATION MATERIAL.. Hideaki Shibata *1 , Masatomo

3 学位の授与に関する事項 4 教育及び研究に関する事項 5 学部学科課程に関する事項 6 学生の入学及び卒業に関する事項 7

(1) 建屋海側に位置するサブドレンのポンプ停止バックアップ位置(LL 値)は,建屋滞留 水水位の管理上限目標値 T.P.2,064mm