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環境別溜池泥土の研究 XVIII 野池, 麓池別泥土の比電導度-香川大学学術情報リポジトリ

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環 境 別 溜 池 泥 土 の 研 究

ⅩⅤⅠⅠⅠ野池,贋池別泥土の比電導度

玉 置 鷹 彦,梅 田

裕 前報〈2)に・おいて浮泥および池水の比電導度を測定し,その差を求めることは溜池が外部より影響をうけることが少 なく,しかも比較的浅い藤池底をもつ場合浮泥中の有機物の腐植化を推定する一指標となり得る可能性があることを 認めた.本報においてはこれに・つづき,溜他の存在する環境殊に野弛,恋池の差による浮泥および池水の比電導度が そ・の泥土の仝窒素盈,腐植盟などにたいする関連の有無について.調査し,あわせで電導度を測定する季節紅ついて検 討した結果について.報告する. Ⅰ 調査溜池の概況 調査の対象とした溜池は香川県下に存在するつぎの9溜池である.. 大川郡寒川町:中王田地 東王田地 木田郡三木呵:男井間池 砂入地 下地 高松市前田東町:五分一・池 丸亀市郡家町:庄の地 雷砲 丸包市川西町:道池 中王田池,衆王田池ほ洪積台地の縁辺を締切って構築された麓池で,いずれも周辺蛍純塾溜池である.魔王田地は 中王田地の東に隣接し,前者の余水を貯水するように位置している親子池である.各々の溜池ほ1個の水入口,余水 吐をもつはか取水樋管は申王個池常1個,東王田地に.5個設置されている. 男井間池ほ北部が花崗岩,西部および東部が洪掛合地によってかこまれ,南部牲築堤匿より締切られた麓池で,北 部は4個所で大形攣入部をもち,流入水を受け入れてい予はか南部に・1個の取水樋管と余水吐をそ・れぞれもってい る.. 砂入池と下池ほ鹿西に・ならぶ親子池であり,前者はその西部が安山岩,流紋岩よりなる小山でかこまれ,南部と東 部は築堤により締切られた麓池であり,後者は前者の東に隣接し,北部および東部は安山岩よりなる小山でかこま れ,西部と南部は築堤に・より締切られた麓池である。、取水樋管は砂入池常2個,下池麿.1個いずれも堤塘側に.あるほ か,両溜池とも1個の余水吐をもっている、

五分−池ほ北部が安山岩よりなる小山と,南部が花崗岩よりなる小山の谷間を利用して,その西部を築堤により締

切った麓池で,西北部に・1個の取水樋管が,また西南部に1個の余水吐がある‖

庄の池,宮地は周辺を堤斯で締切った周辺単純型の野地であり,庄の池は南部に2個の氷人[二1,西北部に.5個の取

水樋管があり,宮池闇.南部に水入口,北部紅取水樋管がそれぞれ1個づつある. 道弛も庄の池,宵池と同種の野池で,南部に1個の水入口,北部に4個の取水樋管がある. Ⅱ 調 査 方 法 水深,水温,泥温,比電導度などの測定,泥土の採取および分析などについては前報(12)と同じ測定機器を用い, また同様の測定法,分析法で行った.調査は各溜他についてつぎの時期に実施された‖ 19(S4年7月28日 19占5年5月2る日 19占4年7月50日 19占5年5月51日 中王田地 東王田地 男井間池 砂入地 下地 五分一馳

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香川大学農学部学術報告 19る4年8月25日 19る5年5月18日 〉 庄の池 宮池 道池 また名溜他における水深,水温,泥温,比電導度の観測は水入口より取水樋管の方向へむかい観測地点をはぼ等間 隔に.,溜他の面積に応じで適宜檻定めて実施した.泥土の採取ほつぎの時期紅上記観測と同時に,水入口付近と取水 樋管付近に.おいて観測地点上の各々1地点を選んで行った. 19朗年7−8月:砂入地 下池 庄の地 雷池 て9る5年.5−・5月:中王田地 衆王田地 男井関池 五分−・地 道弛 また水温,比電導度の測定に閲し,池水aほ水深1m以深の地点においてほ水面下約1mの地点における観測値を, 水深1m以浅の地点においてほ水面下約50cmの地点における観測値を,池水bほ浮泥直上の観測値をしめしている… Ⅲ 調査結果並びに考察 水深,水温,泥温の測定結果を算1−1表,第卜2表に,比電導度の測定結果を第2−1表,鐸2−2表に,そして 泥土の仝窒素慮と腐植蓋および比電導度差を第5表紅しめす.. 軍1−1表は19占4年7−8月における調査結果であるが,男井間他の水深は水入口付近(観測地点No‖1)より取水 樋管付近(観測地点No小7)に・進むに.したがい次第に増大している∴すなわちこの溜池はその池砥が水入口より堤暗 にむかいゆるく傾斜していることおよびその満水面積が2ロムaをとえることなどをあわせ考えるとき野池に近い楚池 であることが知られる..水温に閲し池水aほ観測地点(以下地点と略記する)No.1−5に.おいて5lOC台であり,地 点No.4−・るは500C台,そ・して地点No7は29い50Cと汲低値をしめすことは水深と密接な関係をもつことによるもの であろう.最高温と最低温の差ほ0.70Cで著しくない〟地水bに′おいてほ水深の増大とともに水温ほ上昇をしめし,地 点No・4−・7においては290C台で大差を認め難い.すなわらこの溜池の池水は水面に・より近い池水aの水温と,地底に. 近い他水bの水温との間に.は0−5.40Cの温度差が認められる… このことは滑池内における池水の循環紅よるものであ ろう.つぎに泥温すなわら浮泥中の温度ほ地点No・・1の25.・80Cより地点No∴7の2940Cのように.水入口より取水樋 管へ進む紅したがい漸増し,この傾向は池水bと同様である一.また各地点の泥温は池水bの水温より,より低い億を しめしている‖砂入他の水深は水入口付近(地点No.1)より取水庸管付近(地点No.4)へ進むにしたがい次第に増大 していることは地底の傾斜が綬慢な麓池であることが知られる.水温に関し池水aは水入口付近軋最高の50‖90Cをし めすはか地点No…2−4においてほ280C台で殆んど差異を認め難い.池水bにおいても地点No.1は29い50Cで最高で あり,その他のち地点の水温は水探の増大とともに.漸減し,地点Noり4は25.40Cの最低値をしめしているり泥蔽も池 水aと同様の傾向をしめし,水入口付近より取水樋管付近に進むにしたがい漸減している.このことよりこの溜池払 おサる池水の循環が男井間他の池水のように朽われていないことが知られる.下地の水深は水入口付近(地点No.1) と取水樋管付近(地点No.4)との問に.2mの差があり,この溜池ほ地底の勾配が著しい麓池であること.が知られる.. 水温に閲し池水aは4観測地点とも500C台の数値をしめしているが,水入口付近と取水樋管付近ではt.占OCの差をも って後者がより高く,池水の循環していることが温推される小 池水bは地点No.1に.おいては池水aより020C低い だけであるが,水深が増大するにしたがい,より低温となり地点No4では池水aと1090Cの著しい差をしめして−い る.これはその水深と池水流の差異によるものであろうり 泥温も池水bと同様の傾向をしめし,水深の増大ととも に,より低温となっている.五分一他の水深は.水入口付近(地点No.1)と取水樋管付近(地点No。.4)との間に. 5mの著差があり,この滑池は池底の勾配が極めて著しい,すなわら典型的な薔池であることが知られる巾 水温に閲 し池水aは地点Noい1が51・70Cで最低をしめすはかその他の5地点は52・00Cで,これら4地点の池水は殆んど同温 をしめしている.池水bは地点No.1が最高の50り40C,地点Noい4が最低の1‘.40Cで,水深が増大するにしたがい 水温は低下している”泥温もまた同じ傾向をしめし,同一地点における池水bと泥土問の温度ほ同一かあるいは著差 を認め難い。中王田地の水深は水入口付近(地点No・Ll)は1い80mであることを除き,他の5地点は2m台の数値を しめし,しかも取水樋管付近(地虐Noい4)は中央部(地点No・・2,5)紅比較しでやや浅い水深をしめしている. すなわちこの溜池は地底に若干の高低をもつ傾斜のゆるい,すなわち野池麿近い麓池であることが知られる..池水a は地点No.4を除く他の5地点が51OC台で著差を認め難い。池水bは4地点ともに50oCで大差なく,泥温も290C台 で4地点間に著しい差異を認め薙いり東王田地の水深は水入口付近(地点Ⅳ0小1)が1.95皿をしめすはか他の5地点 は2m台の数値であり,中王田池同様この溜池も池底の傾斜がゆるい,すなわち野池紅近い藤池であることが知られ

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るト池水aは地点No,1,2は52∴.00C台,No・.5,4は55い00Cであり,4地点間に著しい差異を認め難い.池水bは 地点No、、1が、515eCで最高であるが,その他の5地点ほ5DOC台で殆んど差がなく,この傾向は泥温に、関しても同様 である.庄の他の水深は水入口付近(地点No.1)ほ0・・70mで極めて浅く,取水樋管付近(地点No.5)の水深1.50 mの半ば以下の数値である‘また地点No・4の水深ほ1..9D皿で最も深いが2m以浅であり,この溜池は池底の傾斜が 極めてゆるい,すなわら皿状の池底をもつ野池であることが知られる.池水aは地点Noい1が28.00Cで最高をしめ し,その他の4地点は270C台の数値であるが,これら5地点間の水温差は最大1日00Cであり著しい差異がない一.池 水bも同様に5地点間に著差を認め難く,この傾向は泥温に.関しても同様である.宮地の水深は水入口付近(地点 No・1)1.40m,取水樋管付近(地点No.4)1−.アロmとその差は0い50m紅すぎず,この溜池も池底の傾斜が極めてゆ るい皿状の地底をもつ野池であることが知られる,池水aは地点No,1が.50り5eC,地点Noリ4が28.50Cで20Cの差 をしめしているが,地点No一1−5間紅ほ大差を認め難い.池水bは地点No,5が29い00Cで最高であるはかそ・の他の 5地点はともに280C台をしめし,4地点間に著しい差異がない.泥温もまた4地点とも2るOC台の数値である.遺池 の水深は水入口付近(地点Noい1)ほ1‖5ロ皿,取水樋管付近(地点Noリ5)2い10mと水入口より取水樋管へ進むにし たがい水深が増大して:いる。すなわらこの溜池ほ池底の傾斜がややゆるい麓池であることが知られる.池水aは5地 点k,おいて27.・5−28.00Cの数値で大差なく,池水bも26。8−28.2OCの範囲で27OC台のものが多く,泥温は大部分が 2るOC台をしめしている. 節1−・2表は19占5年ち−・5月すなわち第1一−1表の調査時期に比較して,より低温の季節kおける調査結果である. 男井間他の水深は節1−1真の数値紅比較して0い40(地点No.、2)−110(地点No巾7)m増大し,かんがい期に一そ・な えて用水をみたしつつあることが知られる.池水aおよびbの水温,そして泥温は20‖lOC(地点No.5の泥温)より 25小20C(地点No.7の池水a)の範匪匿あり著しい差異を認め難い.砂入他の水深は2′50(地点Nol・1)−5‖る0(地 点Noい4)mと鐸1−1表における数値より著しく増大し,貯水盛・の増加しているこ.とが知られる.水温は池水a紅 .おいて4地点間に大差を認め難いが,池水b紅おいては地点Noい5,4すなわち水深5m以深の地点では地点No.. 1,2すなわち水深5m以浅の地点に、比校して著しく低い小 この傾向は泥温に.ついても同様である.そしてこれは池 水流に.よるものであろう.下地の水深は地点No‖5において5い00mをしめし,第1−1表のそれが5い40mであること に比較して貯水塩の増大していることが知られる.水温ほ池水aにおいて4地点とも2lOC台で大差を認め難いが, 池水bに.おいては水深がより深い地点No‖5においては17い2◇Cで著しく低く,この傾向は泥温紅関しても認められる ことは砂入他の場合と同様である一.五分一他の水深は第1−1表にしめす数値より4地点とも,より少なく,貯水畠 ほ19朗年調査当時のはど多くない..水温に.関して池水aは大部分が210C台をしめし,池水bにおいて.ほ地点No・4 が他のち地点に、比較して著しく低い.この他水bのもつ傾向は泥温について.も同様である‖ しかもこれらの数値は罪 1−1表のそれと比較するとき大差のない値をしめしていることは観測季節がより接近していることに.よるものであ ろう.中王田地の水深は4地点において1.00−・1い90mの範囲紅あり,節1一1表にしめした19朗年の貯水畠を下まわ る水量である..水温は池水a,bとも10、5−・1D..90C,泥温10り9−・11.00Cで各地点間に.著しい差異を認め難く,しかも 節ト・1表の観測値に比較して著しく低いことは,その観測時期が早春であることに.よるものであろう.東王田地の 水深,水温,泥温も中王田地と類似の傾向をしめしている小庄の他の水深は1−00−1‖50皿の範囲であるが,地点Nol・ 5−5に.おいて第1−1表の値と同値をしめすことは,この溜池が皿状の池底の野池ではあるが,場所に・より若干の高 低をもつことが知られる.水温は地点No.1の弛水aを除くその他の池水aとすべての池水bはいずれも100C以下の 値をしめし,泥温も100C以下の,より低温であることは,観測時期が早春であること紅よるものであろう.宮地も 庄の池と同類の野砲であるので,水深,水温,泥温に関しても庄の池と類似の傾向をしめしている.∴道池蘭春季の池 水をみたしその水深は19d4年訝査当時の水深に比較して,より深い数値をしめしている.また水温,泥温が,より低 温であることは庄の他,宮地と同様観測季蘭常よるものである. 比電導度に閲し罪2−・1表より男井間他の池永aほ229(地点No…1・−5)−242(地点No・占)ミクロモ・−の範囲に あり,大部分ほ250ミクロモ一内外である.地水bは255(地点No」・5)−528(地点No・・2)ミクロモ・−の範囲紅あ り,いずれの地点に.おいても池水aより,より高い数値をしめしている..浮泥は248(地点No・・る)−418(地点No・ 2)ミクロモ−の範囲に.あり,いずれの地点に.おいても池水bより,高い数値をしめしている小 砂入他の池水aは 290(地点No.4)−505(地点No..2)ミ.クロモ・−の範囲湛あり,各地点に大差を認め難い1.地水bの比電導度は各 地点とも弛水aのそれより,より高く,また泥土の比電導度は池水bのそれより,さらにより高いことも男井間地と

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香川大学農学部学術報告 同じ傾向であるい 下地の比電導度は池水a,b,泥土ともに・2DOミクロモ」一台の数植であるが,地点No2−4に・お いて.は上記男井間地,砂入組に認められたと同様に.,泥土の数値が最も高く,池水aのそれが最低である.五分一一・の 池水aほ各地点とも200ミクロモー台の数値をしめし,大差を認め難いが,地点No・・5,4の他水bと泥土の・比電導 度ほ400ミクロモ・−を越え著しく高い.このことに.ついては第5表で述べる.中王田地の地水a,bほ地点No・1 を除く他の,5地点はいずれも200ミクロモ一台の数値をしめし,池水bの比電導度は池水aのそれに比較してより高 い1,また浮泥は地点No1,2に.比較して地点No..一5,4は400ミクロモ一台で著しく高い… 東王田地の比電導度ほ 池水a,bともに・10Dミクロモ」−台で各地点間に・おいて等しいかあるいほ僅少の差をしめしている′ 浮泥のそれは各 地点とも池水に比較してより高い数値をしめして言いる−.庄の他の池水a,bは各地点とも200ミクロモ・−の数値で, 池水aと池水b間に著しい差異を惑め薙い.しかし泥土の数値は各地点とも池水a,bのむれ紅比較してより高い 宮池,道池の比竃導皮も庄の池と類似の傾向をしめしている 算2−2表より男井間他の比竃導皮ほ池水a,bそして泥土ともいずれも200ミクロモー台の数値をしめしている が地点No.4−7に.おいては節1−1表にしめす19占4年7月調査の場合はど明瞭な傾向を認め難いことほ池底における 物質交換がこの時期濫各地点で異なる様相のもとに盛んに行われていること紅よるものであろう.砂入池では地点 No小5,4に.おける池水bと泥土の数値が池水aのそれ軋比較して.より高いことを除いてその他に関しては著しい差 異を認め難い∫.下池常.おいても地点No‖5,4の池水b,泥土の数値がより高く,砂入池と同様の傾向をしめしてい る.,′五分⊥髄湛.おいては地点No巾4の泥土の数値が552ミクロモ−であることを除いて,その他の地点の数値は200ミ クロモ・一台で各地点間に著しい差異を認め難いり 中王田池は池水a,b,泥土とも10ロミクロモ・一台で,より低く, また池水と泥土間,あるいは各地点間に.おいて著しい差異を認め難い1.東玉田他に.おいては地点Noい4の泥土の数 値が121ミ.クロモーー・であるほかは,いずれも100ミクロモ・−以下の,著しく低い数値をしめしている.庄の池数値はし、 ずれも200ミクロモー台で,差異を見出し難いはか,算1−1表托しめした19る4年8月の観測値に比較して中玉田地, 京王田地と異り,早春に.おいても盛夏の侯と地水,浮泥の比電導度紅著差を認め難い.これはこの溜池が野池である ことに密接な関係をもつものであろう.すなわち野池においてほこれ紅流入する水が周囲の農耕地を通過してくるの で,より多い溶存物質を含む可能性が恩推され,このことが盛夏の候と早春との間の季節的差異より他水や泥土の比 電導度により大きい影響をもつことによるものであろう..このことは同類の野池である宮地の観測値についても認め られる… 迫他の数値ほいずれも100ミクロモ−・台をしめし,池水a,bおよび浮泥間紅各地点とも殆んど差異を認め 難い. 以上のように池水および浮泥の比電導度は19る5年の調査結果より中王田地,東吉田池,庄の地,宮地,道他にみら れるように池水aと池水bの数値が等しいか,あるいは大差がなく,浮泥のそれがより多い数値をしめす場合と,男 井間池,砂入池,下地,五分−他にみられるように池水aが最小値をもち,池水bは池水aより,より多く,そして 浮泥の此竃導度が最大値をしめす場合の2群に大別される傾向がある,ノ そしてこのような傾向の生ずることは季節 に.より,あるいは潜他の水質や生物,または泥土の成分,性質など多くの原因が思惟されるが,調査溜池中前群に属 するものは野砲あるいは.これに近い,すなわら地底の傾斜が綾憬な楚池であり,後群紅屈するものほこの種の溜池を 除く焙池であることから,溜池の位置している環境が密接に関連していることが知られるり 更に.比電導度は季節的に みて\早春より夏期払おいてより明らかな傾向をしめすことが認められ,また夏季払おいては初夏の候より盛夏におい て,より安定した数値が得られる.また早春あるいは初夏においては泥土の比竃導皮が池水のそれより,より低いも のが第2−2表の男井問池(地点Noい4−7),砂入地(地点No,卜2),五分一池(地点No2),庄の池(地点No 1−2),宮地(地点Nol,4),道池(地点No.4)において認められることは浮泥の比電導度と滞泥作用の関係 を求める上には判定を誤る場合がおこる.したがって泥土の滞積を考察する目的においては盛夏の候において地底払 おける有機物が盛んに分解され池水と浮泥間における物質交換がより著しく行われると思推される時期に比竃導皮を 測定することが好ましいもののようである 乳5表は泥土の全窒素と腐植の含鼠,そして池水aと浮泥の比電導度の差すなわち比竃導度差(仮称)をしめして いる.泥土試料は各潜地紅おいて水入口付近(試料A),取水樋管付近(試料B)においてエクマン・バージ採泥器 により採取されたもので,その人部分は浮泥よりなるが,同時に若干の沈降泥も混入している.この表より泥土の全 室発意0‖5%以上,腐植盟約5%の試料,すなわち滞泥作用の進行している泥土は男井関地,申王田地,庄の地,宮 地の試料A,Bそして砂入他の試料Bであり,・その比電導度差は12(中王田地)一占る(宮地)ミクロモ・−の範囲であ

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第ト・1表 水温と泥温 (19占4年) 第1−・2表 水温と泥温 (19る5年) 水 温 OC 水 温 OC 泥 温 OC 21.6 21。5 21.1 21.1 20∴1 20,.5 20.5 泥 温 OC 池永al池水b 池水al池水b 18918。.8 18.7 18.る 1る15 1占い2 15‖1 15..1 20.920・8 20l5 20・5 19.占17.2 −= …・− 17.1

21,8!21.0

1 2い50119.8 2 2、50 19..8 5 5い10 19.占 4 5.る019“7 砂 入L 2.4021.7 ;・ ̄二 ∴ 4 5..00 j 21.る 1‖4022。0

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香川大学農学部学術報告 導 籍2・−1表 比 電 導 度 (19る4年) 第 2 2 表 比 電 比 電 導 度 (micrombos/Cm,200C) (mlCIOmllOS/Cm,200C) 旦 電 導 度 溜 地 名l観望㌘点 地水al池永bl浮 泥 溜 池 名 池水al池水bl浮 泥 2211 252

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275 275 275 279 277 278 272 2るる 1 2,う 4 朋 1 2 5 4 5 220】 21る 4 1 214 211 158 158 159 154 154 152 158 152 154 154

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る.これにたいし全盛素量0い5%以下,そして腐植塁が 5%に満たない試料で比電導度差の著しいものは五分一 他の試料Bと東三田他の試料Bであるが,このうち五分 −・他の場合は罪2・−1表に.しめすようにこの試料を得た 地点No.4は地点No.5とともに池水bと浮泥ほ池水a に比較して二著しく高い比電導度をしめしている..これは その窒素,腐植の含盈より考え.るときその原因は池底に おける有機物の水底風化作用に.よるものでほ.なく,恐ら く鉄あるいほマンガンのような還元他物質紅よるものの よう軋恩推される.したがっで比電導度より滞泥作用を 判定する場合紅は池底の傾斜が著しい,水深のより深い 食油においては野池とは異り泥土の分析を実施してその 窒素,腐砥の含盟と比電導度をにらみ合せて考察しなけ ればならない. Ⅳ 摘 要 香川県大川郡寒川町にある申玉田池,東玉田油,木田 郡≡木町紅ある男井問池,砂入池,下池,高松市紅ある 五分一他そして丸亀市にある庄の池,宮池,道他の9溜 他について19る4年ト8月,19占5年5・−5月池水と浮泥の 水温と比電導度を現地において測定し,そ・の泥土の金堂 素盟,腐植畠と比電導度差(上層池水の比電導度と浮泥 の比電導度との差)を求め,つぎの結果を得た. (1)弛水と浮泥の比電導度ほ春季,初夏の候より盛夏 の候においてより著しい差異が認められる (2)野弛または池底がそれにより近い麓他においては 池水と浮泥の比電導度が油水の上層,下層別で差異がな 第5表 泥土の全窒素蓋, 腐植塁および比電導度差 l B いか,あるいはごくわずかな差異をしめし,浮泥のそれ は明らかにより高い傾向が認められる. (3)麓他に.おける比電導度は上層池水が最小値で,下層池水はより大きく,浮泥が最大値をしめす傾向が認めら れる. (4)全窒素盈0“5%以上,腐植盟約5%の泥土はより著しい比電導度をしめす傾向が認められる. 引 用 文 献 (1)玉置腐彦,梅田 裕:本誌11,20る(1959)

(2)…

,− :同上17,95(19占る)

(8)

香川大学農学部学術報舎

Studies on reservoir deposits

XVlll Speci王ic electric conductivity o董sediments gained from field−and hillside−reSeエVOir Takahiko TAMAXIand Yutaka UMEDA

S11mmary The determination of specific electric conductivity of the reservoir sediments and waterin Siiuin nineIeSerVOirsin Kagawa−ken(Japan)were perfo工med on28th ofJuly or on25th of Augustin 19d4,and on26th of March or51st of Mayin19(;5‖ On the other hand,the amount of totalnitrogen and humus of sediments gained f工Om these nineIeSeIVOirs were determined

The following results were obtained:

(1)The differences of specific electIic conductivity between upperlayer water(Water below one meter fIOm Surface)and waterin organic deposit moreincreaseinmidsummer thanin early summer or spring

(2)No orlittle differences of specific electric conductivity are recognized between upperlayer water andlowerlayer water(water just above the sediments)in theiield reservoirs or hil】side reservoiIS Which have more slowly declined reservoir basin.Specific electric conductivities of waterin sediments have a tendency that show higher values thanthose of upper orlowerlayer water

(3)Specific electric conductivities of waterin hil】side reservoirs show general1y followir)g Orde工;upper Water<lower water<waterin organic deposit

(4)The reservoir sedimeI】tS Which contain over O。5per cent of totalnitrogen and about5per cent of humus have a tendency that the differences of specific electric cor)d11Ctivity between upper water and waterin sediments are remarkable巾

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