商業科「簿記」学習指導案
1 授業者 広島県立尾道商業高等学校 商業科教諭 中島 美沙
2 日 時 平成 18 年9月5日(火)第2校時
3 クラス 商業科 第1学年2組
4 場 所 ホームルーム教室
5 単元名 手形取引の記帳
6 単元について
(1)教材観
手形取引については,「ビジネス基礎(4)ビジネスと売買取引」において,売買契約の意義,売買契約の条件,売買契
約の締結と履行,さらには代金の決済方法など,売買取引に関する基礎的な内容について指導している。生徒は模擬の手
形作成を通じて手形の基本的な仕組みについて理解していることを踏まえ,この単元においては,手形の振出し,受取り,
裏書きなど手形に関する債権・債務の記帳について指導し,ビジネス活動における手形の役割や意義について認識を深め,
理解させることをねらいとする。
(2)生徒観
クラス全体の雰囲気は活発で学習態度も良好である。しかしながら,自発性や積極性には欠け,自ら進んで学習に取
り組み,深く問題を考察しようとすることが少ない。また,簿記を学習して5か月が経過する中,前期中間試験の結果
やアンケートによる意識調査において,7割の生徒は既習内容について概ね理解している一方で,3割の生徒は,簿記
学習に対して苦手意識を持っていることが分かった。
(3)指導観
指導者として「関心・意欲」を持たせるための工夫と,生徒自ら「思考」を深めていく態度を育成することが課題であ
る。授業において,生徒に活動させる場面を設定することにより,説明が一方的になりがちであったこれまでの指導を改
善し,生徒が学習への関心・意欲を持ち,自ら思考を深めていく態度を身につけていけるよう,指導する。さらに,クラ
スの中で理解度に差が生じている現状を踏まえ,個別指導を継続し,問題演習・小テストを繰り返すことにより,生徒に
達成感を持たせるとともに,意欲的に学習に取り組む態度を育成する。
7 単元の目標
手形の振出し,受取り,裏書きなど基本的な手形に関する債権・債務の記帳について理解させる。
8 単元の評価規準
関心・意欲・態度 思考・判断 技能・表現 知識・理解 手形に関する取引に関心を持 ち,積極的に発問に答えたり自 ら進んで練習問題に取り組もう としたりする。また,疑問点に ついて粘り強く調べたり質問し たりする。 手形に関する取引を,簿記特有 のルールから考察するととも に,振出人・受取人の立場から 適切に判断し,仕訳を考えてい る。 手形取引に関する基礎的・基本 的な技術を身に付け,合理的・ 能率的に仕訳を行っている。 手形に関する意義や役割を理解 し,手形に関する諸取引につい て仕訳し,記帳できる知識を身 に付けている。9 単元の指導計画(全4時間)
評価の観点
次
学習内容
関
思 技 知
評価規準
1
手形の種類(1時間)
約束手形の記帳 本時
○ ◎
約束手形の仕組み・役割に関心を持ち,約束手形に関する仕訳に自 ら進んで取り組んでいる。(関心・意欲) 振出人と受取人の立場から適切に判断し,仕訳を考えている。(思 考・判断)2 為替手形の記帳(1時間)
◎ ○
振出人,名宛人及び受取人の立場から適切に判断し,仕訳を考えて いる。(思考・判断) 為替手形の振出人,名宛人及び受取人の関係について適切に説明す ることができる。(技能・表現)3 手形の裏書と割引(1時間) ◎ ○
手形所持人と手形譲渡人の立場から適切に判断し,仕訳を考えてい る。(思考・判断) 手形の裏書きと割引に関する仕組みを理解している。(知識・理解)4 練習問題(1時間)
◎
手形に関する基礎的・基本的な知識を身に付け,手形取引に関する 問題を適切に読み取り,的確な仕訳ができる。(知識・理解)10 本時の目標
約束手形の特徴と仕組みに関心を持ち,約束手形に関する仕訳に自ら進んで取り組む。また,約束手形の債権・債務の
発生と消滅について,振出人及び受取人の立場から適切に判断し,仕訳を考えることができる。
11 学習の展開
過程 時間 生徒の学習活動 指導上の留意事項 学習 形態 評価規準 評価 方法導
入
10
分
○学習をはじめる心構えをも つ。 ○ワークシートの約束手形か ら分かることを書き出し,発 表する。 ○本時の学習内容と目標(約束 手形の振出人と受取人の立場 で仕訳を行うこと)を確認す る。 ●服装を正し,挨拶をきちんとさせることによ って,授業に入る心構えを持たせる。 ●約束手形の特徴について,以下のことに気付 かせる。 ①約束手形では,振出人と受取人の二者が存 在すること。 ②振出日と支払日のズレに着目させ,振出人 が受取人に一定の期日に,一定の金額を支払 うことを約束した証券であること。 一斉 約束手形の役割 や仕組みに関心 を持ち,積極的 に 発 言 し て い る。 ( 関心・意 欲・態度) 発 表 に よる展
開
35
分
○振出人の立場から,「約束 手形の振出し」の仕訳を考え る。 ○受取人の立場から,「約束 手形の受取り」の仕訳を考え る。 ●振出人と受取人の立場から仕訳を対比し理解 できるよう,黒板を2分割にする。 ●約束手形の流れを意識させるために,約束手 形の仕組みの図と関連付けながら仕訳を行う。 ●約束手形の振出しは,債務の発生であること に気付かせ,支払手形勘定が負債の勘定である ことをイメージさせる。 ●約束手形の受取りについて,債権の発生であ ることに気づかせ,受取手形勘定が資産の勘定 であることをイメージさせる。 一斉 「約束手形の振 出し」における 振出人と受取人 の立場を適切に 判断し,仕訳を 考えている。(思 考・判断) 活 動 の 観 察 に よる振出人
受取人
仕訳 仕訳( )/( ) ( )/( )
(発問)振出人と受取人の仕訳 の関係はどうなっているか? ○振出人の立場から,「手形 金額の支払い」の仕訳を考え る。 ○受取人の立場から,「手形 金額の入金」の仕訳を考え る。 ○学習のポイントを再度確認 しながら,ワークシート基本 練習問題①に取り組み,発表 する。 ○ワークシート基本練習問題 ②を各自で取り組む。 ○各自の理解度に応じて取り 組む練習問題の指示を受け る。 ●約束手形の振出人と受取人の対比した関係 が,仕訳にも反映することに気付かせる。 ●債権・債務の消滅について具体的にイメージ させるために,勘定科目に矢印を加える。生徒 が理解しにくいようであれば,Tフォームを用 いて説明する。 ●振出人と受取人それぞれの立場から仕訳を行 うという本時の目標の達成に向けて,商店ごと に仕訳を行う。各生徒の知識の定着を図るため に,まずは一方(振出人)の立場から仕訳を行 う。 ●振出人の仕訳と対比させながら受取人の仕訳 を行うよう指示する。 ●机間指導を行いながら個々の理解度を把握 し,必要に応じて発問を行うことで理解を促 す。 ⇒反応が鈍いようであれば板書に簡単な図と数 値を加えることで,手形の受取人と振出人の立 場を具体的にイメージさせる。 適切に判断し,仕訳できる生徒への対応 ・ワークシート発展的問題①に取り組ませ, 立場が逆転した場合の仕訳を考えさせる。 ・ワークシート発展的問題②に取り組ませ, 提示した約束手形から取引の文章を考えさせ ることで,深い思考能力を養う。 理解が不足している生徒への対応 ・どこでつまずいているのかを確認し,ポイ ントを押さえる発問を行うことで理解を促 す。 ・ワークシート基本問題②に類似した練習問 題(問題集 P.67〔17−1〕)に取り組ませる ことで,基礎的知識の定着を図る。 一斉 一斉 個別 約束手形の仕組 みについて考察 している。( 思 考・判断) 「手形金額の支 払い」における 振出人と受取人 の立場を適切に 判断し,仕訳を 考えている。(思 考・判断) 約束手形の仕組 みについて考察 し,仕訳を行っ ている。(思考・ 判断) 発 言 に よる 活 動 の 観 察 に よる