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早期公開 論文種別 : 実践研究 表題 : サッカーにおけるペナルティエリアへの侵入に関する攻撃プレーの分析 Analysis of attacking play on entering into the penalty area in soccer 著者 : 1) 鈴木健介 SUZUKI Kens

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Academic year: 2021

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論文種別:実践研究

表題:

サッカーにおけるペナルティエリアへの侵入に関する攻撃プレーの分析 Analysis of attacking play on entering into the penalty area in soccer

著者: 1) 鈴木健介 SUZUKI Kensuke 1)浅井武 ASAI Takeshi 1)平嶋裕輔 HIRASHIMA Yusuke 1)中山雅雄 NAKAYAMA Masao 所属先: 1) 筑波大学体育系

University of Tsukuba, Faculty of Health and Sport Science

所在先住所:

1)〒305−8574 茨城県つくば市天王台 1−1−1 1−1−1 Tennodai, Tsukuba, Ibaraki 305−8574

キーワード:記述的ゲームパフォーマンス分析,試合分析,得点

Key word:notational game performance analysis, match analysis, goal scoring

ランニングタイトル:サッカーにおけるペナルティエリア侵入に関する分析

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2 Abstract

The number of goals determines victory or defeat in soccer. Therefore, the top priority of soccer attacks is to score goals. In many competitions, more than 70% of goals are scored by shooting from within the penalty area (PA). Thus, entering the PA is an important factor in scoring goals to win games and advance in a tournament. In previous research, however, attacking plays that enter the PA have not been analyzed in detail, so players cannot receive sufficient coaching. Therefore, this study compares attacking plays into the PA between top-ranked teams that advanced in group stages (top teams) and lower-ranked teams that were defeated in group stages (lower teams) during the 2014 FIFA World Cup, so as to identify the two groups’ characteristics and differences. Samples were obtained from all 48 games of the 2014 FIFA World Cup group stages. For statistical analysis, the unpaired t-test and the χ2test were used. No significant differences were found in the number of attacks or entering the PA and the number of shots, however, top teams had higher success rates in shooting and attacking, suggesting that they had excellent finishers or made a better shoot situation. As for movements of receiving passes by players who entered the PA, top teams had a higher frequency of moving from the outside to the inside of the PA and receiving passes there, suggesting that players of top teams received the ball as they moved toward the PA. Moreover, compared to players of lower teams, they received passes inside the PA when no opposition defenders were in the attacking direction. These findings suggest that players of top teams evaded marking by opponents by receiving the ball while moving toward the PA. Furthermore, since top teams had higher scoring rates when their players dribbled into the PA, they likely had players highly skilled in dribbling, thus resulting in goals.

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3 Ⅰ.緒言 サッカーは得点が勝敗を規定するスポーツである.そのため,攻撃の最優先事項は得点 を奪うことである(日本サッカー協会(以下「JFA」と略す),2012).サッカーの得点に 関する研究の多くは記述的ゲームパフォーマンス分析(中川,2011)によって行われてお り,得点をあげたエリアに焦点を当てると,ペナルティエリア(以下「PA」と略す)内か らのシュートが70%以上を占めている(Njororai,2013;Michailidis et al.,2013).加 えて,シュート成功率においてもPA 内からのシュートは PA 外からのシュートよりも成 功率が高いことも報告されている(Dufour,1993).これらのことから,得点をあげるた めにはPA 内に侵入してシュートを打つことが重要であると考えられる. PA 内でのシュートが攻撃において重要であることは指導現場レベルでも報告されてい る(ヒューズ,1996;Rees and Meer,1997).河治(2013)は,試合内容の優劣とシュ ート本数が必ずしも一致しないことから,攻撃の有効性を評価する指標として,PA 内へ の侵入回数を提案している.先行研究においても,得点機会としてシュート・相手守備陣 背後のスペースへの侵入・PA 内への侵入があげられている(鈴木ほか,2018).これらの ことから,PA 内への侵入自体も攻撃において重要であると考えられる.さらに,Ruiz-Ruiz et al.(2013)は,試合に勝利したチームは敗北したチームよりも PA 内への侵入回 数が有意に多いことを報告しており,PA 内への侵入回数と試合結果との関連性を示唆し ている. 同様に,PA 内への侵入方法に関する先行研究もみられ,Mulyk et al.(2015)は,PA 内への侵入方法の種類をドリブルとパスに分けて1 試合における侵入回数をそれぞれ測定 し,80%以上がパスでの侵入であることを明らかにしている.パスの中でもクロスに着目 すると,クロスからの得点の多くはPA 内からのシュートによって生まれていることも報 告されている(Yamada and Hayashi,2014).育成年代においても PA 内への侵入に関す る研究は行われており,Nakayama et al.(2016)は,スペインと日本の 12 歳以下のチ ームを対象にPA 内への侵入辺(PA を構成している辺を左辺・右辺・中央辺に分類し,ど の辺から侵入したか),PA 内侵入後のプレーについて比較を行い,日本のチームは PA の 中央辺からの侵入が多く,侵入後はシュートを多く選択していたが枠外のシュートが多か ったことを明らかにしている.以上の事から,PA 内への侵入は攻撃の指標として重要で ある可能性が考えられる.しかし,PA 内への侵入方法に関する研究はドリブル・パスな どの技術を分類したものと,侵入辺に着目したものであり,現場に示唆を与えるためには

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4 より詳細な検討が必要であると考えられる. 2014FIFA ワールドカップの日本代表チームは,平均ボール支配率が 55.7%と出場 32 チーム中3 位であったが,全攻撃回数に占める PA 内でのシュート比率は 10.6%と出場チ ーム中29 位と低かった(庄司,2014).このことから,日本代表チームは PA 内侵入回数 もしくはPA 内侵入時のシュート数が少なかった可能性が考えられる.さらに,JFA (2015)は,2014FIFA ワールドカップにおいて 1 試合における平均 PA 内侵入回数が 32 チーム中21 位であったことや「パスはまわるがゴールに向かうプレーが少なくチャンス の数が少ない」ことを報告している.つまり,日本代表チームは,ボールを保持すること はできるがPA 内に侵入することや,PA 内に侵入した後にシュートを打つことができてい ないといった課題があると考えられる.得点機会の1 つである PA 内への侵入方法や,PA 内に侵入した後のプレーについて,FIFA ワールドカップでグループリーグを突破したチ ームとグループリーグで敗退したチームとを比較し,その特徴や差異を明らかにすること は,有効なPA 内侵入方法および侵入後のプレーを明らかにすることに繋がり,上述した 日本代表チームの課題解決の一助となると考えられる.また,2018FIFA ワールドカップ は総得点169,セットプレーからの得点が 57 点(34%),PA 内からのシュート 6.7 本に 1 点,PA 外からのシュート 28.5 本に 1 点入っていた.これに対して,2014FIFA ワールド カップは総得点171,セットプレーからの得点が 42 点(25%),PA 内からのシュート 6.1 本に1 点,PA 外からのシュート 41.5 本に 1 点入っていた(FIFA,online).これらのこ とから2018FIFA ワールドカップはセットプレーからの得点,PA 外からのシュートによ る得点に特徴がある大会であり,2014FIFA ワールドカップは PA 内からのシュートによ る得点に特徴がある大会であったと考えられる.そのため,PA 内への侵入方法や,侵入 後のプレーについて検討するには2014FIFA ワールドカップが標本として適当であると考 えられる. 以上のことから本研究の目的は,PA 内へ侵入した攻撃のオープンプレーについて, 2014FIFA ワールドカップでグループリーグを突破したチームとグループリーグで敗退し たチームとを比較し,その特徴や差異を明らかにすることとした. Ⅱ.方法 1.標本 標本は,2014FIFA ワールドカップのグループリーグ全 48 試合とした(表 1).試合映像

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5 で確認することができた,PA 内へ侵入した攻撃のオープンプレー,計 913 回を分析対象と した.ただし,セットプレーは「試合の中のもう一つの試合.そこではゲームのルールも, 選手のポジションや役割も,そしてシステムや配置もまったく別のものに変わる.」(ビオ・ 片野,2017)といった側面があることから,別途検証が必要であると考え,本研究ではセッ トプレーで直接PA 内へ侵入した攻撃は除いた.グループリーグにおいて 1 位と 2 位のチ ームを上位チーム(以下「上位」と略す),3 位と 4 位のチームを下位チーム(以下「下位」 と略す)とした. 「表1 を挿入」 2.測定方法 テレビ放送された試合を録画し,その映像を対象とする攻撃ごとに再生プレーヤーの機 能を用いて再生,一時停止させることで各項目を測定した.鈴木・西嶋(2002)を参考に, 映像からのゲームパフォーマンス測定の誤差を最小限にするために,広くゲーム分析に利 用されてきた手法である記述分析(Hughes,2003)で使用されている競技場縮図を適用し, その競技場縮図に必要な情報を布置し位置情報を得ることで距離を算出した.エリアの区 分け,測定項目については以下説明する. 2.1 エリアの区分け

本研究ではサッカーのコートを,Nakayama et al.(2015),Mahony et al.(2012),鈴 木ほか(2018)を参考に実際のピッチ上に描かれているラインを基準に 5 エリアに区分け した(図1).サッカーのピッチサイズは国際基準として 68m×105m と規定されており, 本研究が対象とした試合はこの基準に従ったピッチサイズで行われた.従って,各試合での エリアの区分にサイズの違いはなく,試合会場の違いによる測定の誤差が出ない区分であ ると考えられる. 「図1 を挿入」 3.測定項目 測定項目の設定にはまず,先行研究(平嶋ほか,2014;Nakayama et al.,2015;鈴木 ほか,2018)を参考に,攻撃パフォーマンスに関わる要因を抽出した.次に,現場でのサッ カー指導経験を有し,研究活動に従事している 3 名の専門家によって測定項目の追加と詳

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6 細検討を行った.さらに,別の2 名の専門家による最終的な確認を行い,測定項目の妥当性 を高め設定した.測定項目は,攻撃の概略に加えて,PA 内への侵入方法,PA 内侵入時の状 況,PA 内侵入後のプレーの3点に関する検討を目的として決定した.また,現場に対して 有効な知見を得るために,サッカーのパフォーマンスにおいて重要とされている「いつ」, 「どこで」,「どのように」(高井,2018)プレーが行われたかを明らかにできることを基準 とした.以下に各測定項目について解説する. 3.1 攻撃の概略 攻撃の概略を測るために,全ての攻撃を対象として,攻撃回数・得点・PA 内侵入率・ シュート率・シュート成功率・攻撃成功率を測定した. 1)攻撃回数:攻撃開始から攻撃終了までのボール保持を攻撃とし,その回数を測定し た.鈴木ほか(2018)に倣い,攻撃開始はセットプレーによってアウトオブプレーがイン プレーになった瞬間及び,インプレー中にボール保持側が切り替わった際1人目の選手が ボールに2 タッチ以上した瞬間もしくは 1 人目の選手と 2 人目の選手の総タッチ数が 2 タ ッチ以上となった瞬間とし,攻撃終了はインプレーがアウトオブプレー(得点を含む)に なった瞬間及び,守備側の1 人目の選手の総タッチ数もしくは 1 人目の選手と 2 人目の選 手の総タッチ数が2 タッチ以上となった瞬間とした. 2)PA 内侵入率:攻撃側の選手が PA 内でボールに触れた攻撃数を攻撃回数で除して 100 を掛けたもの. 3)シュート率:シュート数を攻撃回数で除して 100 を掛けたもの. 4)シュート成功率:得点数をシュート数で除して 100 を掛けたもの. 5)攻撃成功率:得点数を攻撃回数で除して 100 を掛けたもの. 3.2 PA 内侵入に関する項目 1)侵入方法:どのような方法で PA 内への侵入を果たしたのか,その方法を 3 種類に分 類した.(1)「パス」:味方選手からのパスを PA 内で受けた場合,(2)「ドリブル」:PA の 外でボールを受け,パスプレーを用いずにPA 内に侵入した場合,(3)「その他」:(1),(2) 以外の方法(シュートのこぼれ球をPA 内で拾う,PA 内の相手選手からボールを奪う等) でPA 内に侵入した場合. 2)PA 内侵入に要した時間:攻撃開始から PA 内に侵入までの時間を測定した.攻撃開始

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7 は上述の定義に則り,PA 内侵入は PA 内侵入選手が PA 内でボールに触れた瞬間とした. 3)攻撃種類:PA 内侵入時間を基準として,PA 内侵入時の攻撃種類を 2 種類に分類した. 田村ほか(2015)を参考に,コートを横に 3 等分(自陣ゴール側からディフェンディング サード,ミドルサード,アタッキングサード)し(図 2),攻撃開始位置がディフェンディ ングサードかつ攻撃開始から13.9 秒以下の秒数で PA 内に侵入した攻撃,攻撃開始位置が ミドルサードかつ攻撃開始から8.9 秒以下の秒数で PA 内に侵入した攻撃および,攻撃開始 位置がアタッキングサードかつ3.9 秒以下の秒数で PA 内に侵入した攻撃を(1)「速攻」, それ以外の攻撃を(2)「ポゼッション攻撃」とした. 4)PA 内侵入時のシュートの有無:PA 内に侵入してシュートを打った場合を(1)「有」, それ以外を(2)「無」とした. 5)PA 内侵入時シュート率:PA 内侵入時のシュート数を PA 内侵入回数で除して 100 を 掛けたもの. 6)PA 内侵入時の得点の有無:PA 内に侵入して得点をあげた場合を(1)「有」,得点が 無かった場合を(2)「無」とした. 7)PA 内侵入時得点率:PA 内侵入時の得点数を PA 内侵入時のシュート数で除して 100 を掛けたもの. 8)パス種類:パス侵入の場合,パスの種類を 3 種類に分類した.(1)「スルーパス」:ボ ールを,GK を除く相手守備者 2 人の間を通して背後のスペースを狙うパス(2)「クロス」: A4 からのパスを,ボールに近いゴールエリアの縦のラインを PA のラインと接するまで延 長したラインおよびゴールラインにより形成された,パスの出し手側ではない長方形の中 でボールを触った場合(図3)(3)「その他のパス」:(1),(2)に該当しないパス(GK を 除く相手守備者2 人の間を通さないパスや,A4 以外からのエリアから PA 内の味方に渡っ たパス等). 9)パス出し手エリア:PA 内侵入方法が「パス」であった時,PA 内侵入選手に対してパ スを出した選手をパスの出し手として,その選手が区分したエリアのどこからパスを出し ていたかを記録した. 10)PA 内侵入選手のパスを受ける動きの種類:鈴木・西嶋(2002)は攻撃技能の因果構 造を検証するための測定項目において,前方への移動を評価する尺度を「5m 未満から 20m 以上までの5m単位の間隔尺度により構成」しており,5mを基準として選手の移動の評価 を行っている.そこで本研究においても5m を基準として PA 内へ侵入した選手のパスを受

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8 ける動きを2 種類に分類した.(1)「足元」:パスの出し手がパスを出した瞬間に PA 内侵入 選手がいた位置からボールを受けた位置までの直線距離が5m 未満の場合.(2)「スペース」: パスの出し手がパスを出した瞬間に PA 内侵入選手がいた位置からボールを受けた位置ま での直線距離が5m 以上の場合. 11)PA 内侵入選手がパスを受ける前の位置:PA 内侵入方法が「パス」であった時,パス の出し手がパスを出す瞬間のPA 内侵入選手の位置を 2 種類に分類した.(1)「PA 外」:PA の外にいた場合,(2)「PA 内」:PA の中にいた場合. 12)PA 内侵入辺:PA 内に侵入した際にボールが通過した辺を PA 内侵入辺とし,攻撃チ ームから見て左側を「左辺」,中央を「中央辺」,右側を「右辺」,PA 内で相手チームからボ ールを奪った場合は「PA 内」とした. 13)PA 内侵入前の PA 内にいる攻撃選手と守備選手の人数差:PA 内侵入方法が「パス」 であった時,パスの出し手がパスを出した瞬間にPA 内にいる攻撃選手と守備選手の人数を 測定した.その際,攻撃選手の人数から守備選手の人数を引いた数が正の数である場合を 「攻撃多数」,零である場合を「同数」,負の数である場合を「守備多数」とした. 14)PA 内侵入時の PA 内にいる攻撃選手と守備選手の人数差:PA 内侵入方法が「パス」 であった時,PA 内侵入選手が PA 内でボールを最初に触れた瞬間に PA 内にいる攻撃選手 と守備選手の人数を測定した.分類は13)と同様に行った. 15)PA 内侵入前の PA 内にいる攻撃選手と守備選手の人数差別における PA 内侵入選手 がパスを受ける前の位置:PA 内侵入前に PA 内にいる攻撃選手と守備選手の人数差別(「攻 撃多数」・「同数」・「守備多数」)でPA 内侵入選手がパスを受ける前の位置(「PA 内」・「PA 外」)の測定を行った.分類は11),13)と同様に行った. 16)PA 内侵入前の PA 内にいる守備選手の人数:鈴木ほか(2018)は,「現代サッカーの フォーメーションにおいてDF を 3 人以上配置するチームが殆どである」ことから「最後 方の守備者からゴールラインと平行に線を引き,そこから6 m 以内に最後方の守備者を含 めて3 人以上選手がいる」状況を「守備組織が形成されている」としている(図4).この ことから,守備組織を形成するために必要な最低限の人数は 3 人であると考えられる.そ こで本研究では守備選手の人数の多寡の基準を3 人とし,PA 内侵入方法が「パス」であっ た時,パスの出し手がパスを出した瞬間にPA 内にいる守備選手の人数を「2 人以下」と「3 人以上」に分類した. 17)前方 DF:「5m から 10m 離れた位置で選手にプレッシャーをかけることは不可能で

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9 ある.」(ヒューズ,1996)を参考に,本研究では,PA 内侵入選手がパスを受けた時に 5m 以内にいる守備選手の人数を測定した(図 5).ボールから両ゴールポストを結んだ線分で 形成される三角形の範囲内,かつ PA 内侵入選手から半径 5m 以内にいる守備者の人数を 「0 人」,「1 人」,「2 人以上」と区分し記録した. 「図2・3・4 を挿入」 4.統計解析方法 4.1 客観性

平嶋ほか(2014),Landis and Koch(1977),鈴木・西嶋(2002)を参考に,測定項目 の客観性の検討を行うため,2 人の分析者間での分析記録の一致度を検討した.サッカーの プレー歴および指導経験があり,サッカーの科学研究に従事しているものと著者が 3 試合 について同じ分析を行い,これら 2 人の分析結果を基に,各分析項目においてカテゴリ変 数はκ係数,連続変数は級内相関係数を求めた. 4.2 各測定項目の比較 グループリーグを突破したチーム(上位)と敗退したチーム(下位)との比較のため,攻 撃回数・得点・シュート数・シュート率・シュート成功率・攻撃成功率・PA 内侵入回数・ PA 内侵入率・PA 内侵入に要した時間の 1 試合の平均値においては対応の無い t 検定によ って有意差の検定を行った.その他の項目においてはχ²検定によって有意差の検定を行っ た.有意差が認められた場合は下位検定として残差分析を行った.統計的有意水準はいずれ も5%未満とした. Ⅲ.結果 1.分析記録の一致度 分析記録のκ係数および級内相関係数は,表2 に示すように全ての項目において 0.90- 1.00 であり,十分な一致率が得られた. 「表2 を挿入」 2.攻撃の概略

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10 攻撃回数・得点数・PA 内侵入回数・シュート数・シュート率・シュート成功率・攻撃 成功率・PA 侵入回数・PA 内侵入率・PA 内侵入に要した時間の 1 試合あたりの平均値を 求め,上位と下位の比較をするため対応の無いt 検定を行った(表 3).得点数・シュート 成功率・攻撃成功率において上位が下位よりも有意に高いことが認められた(p<.05).攻 撃回数・シュート数・シュート率・PA 内侵入回数・PA 内侵入率・PA 内侵入に要した時 間においては有意な差は認められなかった(t=-1.406,df=94,p=.163;t=-.314,df= 94,p=.754;t=-.001,df=94,p=.999;t=.451,df=94,p=.653;t=.659,df=94, p=.511,t=1.104,df=910,p=.270). 「表3 を挿入」 3.PA 内侵入に関する項目 PA 内侵入に関する項目の生起率を比較するためにχ²検定を行った(図 6・7).パスの種 類は,「クロス」において下位が上位よりも有意に高いことが認められた(χ29.397,df=2, p<.05).PA 内侵入時の得点の有無は,「有」において上位が下位よりも有意に高く,「無」 において下位が上位よりも有意に高いことが認められた(χ25.321,df=1,p<.05).PA 内侵入選手がパスを受ける前の位置は,「PA 外」において上位が下位よりも有意に高く, 「PA 内」において下位が上位よりも有意に高いことが認められた(χ210.670,df=1, p<.05).PA 内侵入選手がパスを受ける際の動きは,「足元」において下位が上位よりも有意 に高く,「スペース」において上位が下位よりも有意に高いことが認められた(χ28.392, df=1,p<.05).PA 内侵入前の PA 内にいる攻撃選手と守備選手の人数差は,「同数」におい て上位が下位よりも有意に高く,「守備多数」において下位が上位よりも高いことが認めら れた(χ211.177,df=2,p<.05).前方 DF は,「0 人」において上位は下位よりも有意に 高く,「1 人」において下位は上位よりも有意に高いことが認められた(χ28.163,df=2,

p<.05).PA 内侵入方法・攻撃種類・PA 内侵入時のシュートの有無・PA 内侵入辺・パス出 し手エリア・PA 内侵入時の PA 内にいる攻撃選手と守備選手の人数差において,有意な差 は認められなかった(χ2.361,df=2,p=.835;χ2.329,df=1,p=.584;χ2.123,

df=1,p=.726;χ24.334,df=3,p=.228;χ27.211,df=4,p=.125;χ21.544,df=2,

p=.462)

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11 4.PA 内侵入前の PA 内にいる守備選手の人数について PA 内侵入前の PA 内にいる攻撃選手と守備選手の人数差が「同数」および「守備多数」 において有意な差が認められたため,PA 内侵入前の PA 内にいる守備選手の人数について, 「同数」時と「守備多数」時の上位・下位間での比較,および上位・下位内での比較をχ² 検定によって行った(図 8).上位・下位間においては有意な差は認められなかった(χ2 =.003,df=1,p=.958,χ2.660,df=1,p=.417).上位・下位内では,「2 人以下」の生 起率が上位(同数)は上位(守備多数)よりも,下位(同数)は下位(守備多数)よりも有 意に高く,「3 人以上」の生起率は,上位(守備多数)は上位(同数)よりも,下位(守備多 数)は下位(同数)よりも有意に高かった(χ2134.3,df=1,p<.05,χ2105.125,df=1, p<.05). 5.PA 内侵入前の PA 内にいる攻撃選手と守備選手の人数差別における PA 内侵入選手が パスを受ける前の位置について PA 内侵入前の PA 内にいる攻撃選手と守備選手の人数差別における PA 内侵入選手がパ スを受ける前の位置の比較を上位と下位とで行った.その結果、PA 内侵入前の PA 内にい る攻撃選手と守備選手の人数差「同数」において,上位が下位よりもPA 内侵入選手がパ スを受ける前の位置「PA 外」が有意に高いことが認められた(χ27.227,df=1, p<.05)(図 9・10). 6.PA 内侵入時のシュート率・得点率について 6.1 PA 内侵入時シュート率 PA 内侵入方法・パス種類別における PA 内侵入時シュート率は,有意な差は認められな かった(図11). 6.2 PA 内侵入時得点率 PA 内侵入方法別における PA 内侵入時の得点率は,「ドリブル」・「その他」において上位 が下位よりも有意に高いことが認められた(χ24.418,df=1,p<.05;χ24.952,df=1, p<.05).パス種類別における PA 内侵入時得点率は,有意な差は認められなかった(図 12). 「図8・9・10・11・12 を挿入」

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12 Ⅳ.考察

1.攻撃の概略について

攻撃回数は上位と下位とで有意な差は認められなかった(表 3).先行研究において,サ ッカーでは1試合当たりの攻撃回数の平均値を異なるリーグで比較しても有意な差が認め られないことが報告されている(Anderson and Sally, 2013;Nakayama et al.,2015;鈴木 ほか,2018).本研究においても攻撃回数で上位と下位とで有意な差が認められなかったこ とから,サッカーでは攻撃回数に大きな差異を見出すことが難しいと考えられる.得点,シ ュート成功率,攻撃成功率においては上位が下位よりも有意に高いことが認められた(表 3).しかし,シュート数・シュート率・PA 侵入回数・PA 内侵入率には上位と下位とで有意 な差が見られなかった(表 3).これらのことから,上位と下位とで得点機会の回数や生起 率に違いはみられなかったが,上位は下位よりもシュートを得点に繋げることが出来てい たと考えられる.この要因として,上位は下位と比べて得点をあげた選手(フィニッシャー) のシュートを決める能力が高かった可能性と,難易度の低いシュートによって得点をあげ られる状況を作ることができていた可能性が推察される.つまり,本研究で対象とした大会 では,シュート局面において,個人の能力もしくはより得点をあげやすい状況を作る力,あ るいはその両方で上位が下位よりも優れていたことが示唆された. 2.PA 内への侵入について PA 内侵入方法においては,上位と下位とで有意な差は認められなかったが,PA 内侵入 のパス種類は「クロス」の生起率において下位が上位よりも有意に高いことが認められた (図 6).クロスはサイドのスペースを利用した攻撃の形のひとつであるが,下位は上位と 比較してサイドからのクロスの割合が高かったと考えられる.このことから,サイド攻撃の 際,下位は上位よりもクロスを用いて侵入していたと考えられる. PA 内侵入前の PA 内にいる攻撃選手と守備選手の人数差は,「同数」の生起率において上 位が下位よりも有意に高く,「守備多数」の生起率において下位が上位よりも高いことが認 められた(図 7).このことから,上位は PA 内に侵入する前に相手守備選手と同数の人数 をPA 内に配置する割合が下位と比べて高いと考えられる.また,PA 内侵入前の PA 内に いる守備選手の人数は,上位においても下位においても「同数」時は「守備多数」時と比較 してPA 内にいる相手守備選手「2 人以下」の生起率が高かった.一方で,「守備多数」時は

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13 「同数」時よりも「3 人以上」の生起率が高かった.上位・下位間の比較でこれらに有意な 差が認められなかったことから,相手が守備組織を形成するのに必要な人数をPA 内に配置 できていない状況では「同数」が作りやすく,守備組織を形成するのに十分な人数がPA 内 にいる状況では「守備多数」になりやすいことが推察された.この要因の一つとして,PA 内に守備選手が多い場合は「同数」の状況を作るために多くの攻撃選手をPA 内に配置する 必要があり,ボールを奪われた際のリスクを考慮すると「同数」の状況を作ることが難しい ことが考えられる.サッカーにおける攻撃は,相手守備組織が形成されている状況に対して ボール保持を優先して行うポゼッション攻撃と,相手守備組織が形成されていない状況に 対して素早く攻撃を行う速攻に大別される(Tenga et al.,2010).鈴木ほか(2018)は, 「最後方の守備者からゴールラインと平行に線を引き,そこから6 m 以内」にいる守備選 手の人数を守備組織形成の有無の基準としている(図 4).本研究では PA 内にいる守備選 手の人数のみの測定であったため,守備組織の形成についての考察は今後の検討課題とな る.しかし,特定のエリアにおいて守備選手と攻撃選手の人数を測定し分析する手法も存在 する(Sarmento et al.,2014)ため,PA 内における守備選手の人数は,考察の基準の一つと なると考えられる.本研究の結果からはPA 内侵入時間に有意な差は認められず,攻撃時間 から攻撃の特徴を明らかにすることはできなかったが,上位は「同数」の生起率が高かった ためPA 内に守備選手がいない,もしくは少ない状況を逃さず PA 内に侵入していたことが 特徴であったと推察される.一方で下位は上位よりも「守備多数」の生起率が高かったこと から,PA 内にいる守備選手が多い状況に対する攻撃が特徴であったと考えられる. さらに,「守備多数」の生起率において下位が上位よりも高かった要因の一つには「クロ ス」の生起率の高さが考えられる.クロスは,パスを繋いで得点機会をうかがうよりも不確 実なプレーである(Liu et al.,2015)ため,クロスを用いて PA 内への侵入を狙う際は相 手守備選手によってボールが跳ね返される場合を考慮して PA 外に選手を配置する必要が あり,多くの選手をPA 内に配置することはリスクが高いと考えられる.これらのことから, 下位はクロスを用いる際にリスクを軽減するためPA 内に多くの選手を配置しておらず,こ のことが「守備多数」の生起率を高めたと推察される. PA 内侵入選手がパスを受ける前の位置は,「PA 外」の生起率において上位が下位よりも 有意に高く,「PA 内」の生起率において下位が上位よりも有意に高いことが認められた(図 7).つまり,上位の選手はパスを受ける前には PA 外におり,ボールの移動中に自身も PA 内に移動してボールを受けており,下位はパスを受ける前からPA 内にいる割合が上位より

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14 高いと考えられる.また,PA 内侵入選手がパスを受ける際の動きは,「足元」の生起率にお いて下位が上位よりも有意に高く,「スペース」の生起率において上位が下位よりも有意に 高いことが認められた(図6).これらのことから上位の方が下位よりも移動を伴って PA 内 でボールを受けていると考えられる.上述したように,上位はPA 内の相手守備選手が少な い状況に対する攻撃が特徴的であったと推察され,PA 内侵入選手が移動を伴ってパスを受 けていたことも PA 内の相手守備選手が少ない内に攻撃を行ったことを示唆する結果の一 つであると考えられる.さらに,上位は下位よりもPA 内侵入前の PA 内にいる攻撃選手と 守備選手の人数差「同数」時に,PA 内侵入選手がパスを受ける前の位置「PA 外」の生起率 が高いことが認められた(図10).このことから,上位は下位と比較して PA 内が数的同数 の状況に対して, PA 外から PA 内への移動することによって PA 内へ侵入していたと推察 される.一方で,下位のPA 内侵入選手のパスを受ける動きは,上位と比較すると移動を伴 わずPA 内で待ち受けることが多かった.上述のように,下位は PA 内の相手守備選手が多 い状況に対する攻撃とクロスの生起率の高さが特徴であると考えられる.これらのことか ら,下位は上位と比べてPA 内の相手守備選手が多い状況に対してクロスを用いる攻撃が多 く行われ,このことが要因となってPA 内侵入選手はクロスボールを PA 内で待ち受ける割 合が高くなったと推察される. PA 内侵入時のシュートの有無では有意な差は認められなかったが,PA 内侵入時の得点 の有無では「有」において上位が下位よりも有意に高いことが認められた(図6).つまり, PA 内に侵入した際のシュートの生起率は上位と下位とで違いは見られないが,得点におい て上位が下位よりも高い生起率を示したと考えられる.また,PA 内侵入時の前方 DF は, 「0 人」において上位は下位よりも有意に高く,「1 人」において下位は上位よりも有意に 高いことが認められた(図7).このことは,PA 内でパスを受けた際に上位は下位よりも攻 撃方向に相手守備選手がいない状態でボールを受ける割合が高く,下位は攻撃方向に相手 守備選手がいる状態でボールを受ける割合が高いことを示していると考えられる.平嶋ほ か(2014)は,シュート者の前方に相手守備選手がいなかった場合は,いた場合に比べてゴ ールキーパーのシュートストップ失敗確率が高くなるとしている.つまり,前方DF が「0 人」の場合シュート者は得点を決めやすいことから,上位は下位よりも得点をあげやすい状 況をつくりだし,得点率を高めていた可能性が推察される.これは,数的同数時にPA 内で パスを受ける選手が移動を伴ってPA 内に侵入することによって,相手守備選手が攻撃方向 から守備をすることができないようにボールを受けていることが要因の一つであると考え

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15 られる. PA 内侵入方法別による得点率は「ドリブル」・「その他」において上位が下位よりも有意 に高いことが認められた(図12).Nakayama et al.(2016)は,競技力の高いチームは低 いチームと比較して,ドリブル技能が高く,ボールを守備選手に奪われないボール保持能力 や守備選手をかわす突破力があると述べている.本研究においても,ドリブルによってPA 内に侵入した際の得点率が,下位と比べて上位が高かったことから,上位はドリブル技能の 高い選手がチームに存在し,得点をあげていた可能性が考えられる.「その他」においては, PA 内でボールを奪った際,上位のほうが得点に繋げることが出来ていたと考えられる.「そ の他」は,味方選手のシュートのこぼれ球をPA 内で拾うことや,PA 内で相手選手からボ ールを奪う等の侵入方法が考えられ,これらの場合において上位のほうが得点に繋げるこ とが出来ていたと推察される.これは,上位が下位と比べてPA 内侵入前の PA 内にいる攻 撃選手と守備選手の人数差「同数」の状況を多く作ることによって,シュートのこぼれ球を 拾う可能性を高めたり,PA 内でボールを奪われた場合であっても PA 内で奪い返しやすい 状況を作ることができていたことが要因の一つであると考えられる. Ⅴ.結論 本研究は, 2014FIFA ワールドカップを対象に,グループリーグを突破した上位グルー プと敗退した下位グループをPA 内へ侵入した攻撃のオープンプレーについて比較し,その 差異を明らかにすることを目的として行われた.その結果,以下の結論が得られた. 1. 攻撃回数・シュート数・PA 内侵入回数等の得点機会の数において上位と下位で有意な 差は見られなかったが,得点数・シュート成功率・攻撃成功率において上位が下位より も有意に多いことから,上位には優秀なフィニッシャーの存在,もしくは容易に得点を あげられる状況を作る力,あるいはその両方が備わっていたことが推察された. 2. PA 内に侵入したパスの種類において,下位は上位と比べて「クロス」の生起率が高く, サイド攻撃の際に上位よりもクロスを用いてPA 内に侵入していた. 3. PA 内侵入に要した時間に有意な差は認められなかった.しかし,上位は下位よりも PA 内に侵入する前の攻撃選手と守備選手の人数差「同数」の生起率が高く,下位は上位よ りも「守備多数」の生起率が高かったことから,上位はPA 内の相手守備選手が少ない 状況に対する攻撃,下位はPA 内の相手守備選手が多い状況に対する攻撃が特徴であっ たと推察された.

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16 4. 下位は上位と比較して PA 内侵入前に PA 内にいる相手選手の方が多い「守備多数」の 生起率が高く,この要因としてクロスを用いる際にリスクを軽減するためPA 内に多く の選手を配置しなかった可能性が推察された. 5. PA 内侵入選手のパスを受ける動きにおいて,上位は下位と比べて「PA 外から PA 内」, および「スペース」でパスを受けるプレーの生起率が高かった.下位は上位と比べて 「PA 内」,および「足元」でパスを受けるプレーの生起率が高かった.このことから, 上位は移動を伴ってパスを受け,下位はPA 内で留まってパスを受けていたことが考え られた.また,上位は PA 内の守備選手がいない,もしくは少ない状況に対して,PA 外からPA 内への移動することによって PA 内へ侵入していたことが推察された. 6. PA 内侵入時のシュート率において上位と下位で有意な差は見られなかったが,得点率 は上位が下位よりも有意に高く,上位はシュートを得点に繋げることができていた.こ れは,上位は下位と比較して,PA 内において攻撃方向に相手 DF がいない状態でパス を受けることができていたことが一つの要因であると考えられた. 7. PA 内侵入時の得点率は,「ドリブル」において上位が下位よりも高かったことから,上 位は下位よりもドリブル技能の高い選手が存在し得点していたことが示唆された. 以上のように,PA 内侵入における上位と下位との差異やそれぞれの特徴が明らかとなっ た.しかし,本研究では1 大会しか対象としていないため,2014FIFA ワールドカップにお ける特徴であった可能性も考えられる.そのため,今後は 2018FIFA ワールドカップや UEFA 欧州選手権,チャンピオンズリーグなどの大会を対象とした分析による継続的なデ ータの蓄積が必要となる. 文献

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19 A1 A2 A3 A4 A4 PA 攻撃方向 図1 エリアの区分け

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20 ディフェンディングサード ミドルサード アタッキングサード 攻撃方向 図2 攻撃種類分類におけるエリアの区分け

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図3 パス種類:「クロス」

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22 図4 左:守備組織が形成されている場合 右:守備組織が形成されていない場合(鈴木ほか,2018,p.789 より転載) 前方 DF DF-MF 間侵入選手 5m 図5 前方 DF

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図6 PA 内侵入に関する項目①

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図9 PA 内侵入前の攻撃選手と守備選手の人数差別における PA 内侵入選手がパスを受ける前の位置の比較(PA 内)

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図11 PA 内侵入時における侵入方法およびパス種類別のシュート率の比較

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27 試合結果 攻撃回数 得点数 シュート数 PA侵入回数 ブラジル vs クロアチア 3-1 192 4 24 19 メキシコ vs カメルーン 1-0 216 1 19 21 スペイン vs オランダ 1-5 189 6 22 19 チリ vs オーストラリア 3-1 224 4 24 31 ギリシャ vs コロンビア 0-3 161 3 24 26 日本 vs コートジボワール 2-1 204 3 27 25 コスタリカ vs ウルグアイ 3-1 189 4 21 10 イタリア vs イングランド 2-1 175 3 30 19 エクアドル vs スイス 1-2 223 3 28 14 ホンジャラス vs フランス 0-3 188 3 24 24 アルゼンチン vs ボスニアヘルツェゴビナ 2-1 212 3 27 20 イラン vs ナイジェリア 0-0 229 0 17 11 ドイツ vs ポルトガル 4-0 188 4 27 21 アメリカ vs ガーナ 2-1 221 3 29 20 ベルギー vs アルジェリア 2-1 196 3 19 10 韓国 vs ロシア 1-1 165 2 26 15 ブラジル vs メキシコ 0-0 183 0 27 15 カメルーン vs クロアチア 0-4 170 4 39 28 スペイン vs チリ 0-2 228 2 22 17 オーストラリア vs オランダ 2-3 214 5 25 22 コロンビア vs コートジボワール 2-1 192 3 26 17 日本 vs ギリシャ 0-0 178 0 25 15 ウルグアイ vs イングランド 2-1 205 3 23 18 コスタリカ vs イタリア 1-0 200 1 20 12 スイス vs フランス 2-5 169 7 39 21 エクアドル vs ホンジャラス 2-1 212 3 24 8 イラン vs アルゼンチン 0-1 212 1 27 17 ナイジェリア vs ボスニアヘルツェゴビナ 1-0 194 1 38 23 ドイツ vs ガーナ 2-2 200 4 31 29 アメリカ vs ポルトガル 2-2 192 4 35 20 ロシア vs ベルギー 0-1 201 1 24 24 アルジェリア vs 韓国 4-2 188 6 24 19 ブラジル vs カメルーン 4-1 206 5 31 22 クロアチア vs メキシコ 1-3 203 4 22 18 オーストラリア vs スペイン 0-3 210 3 15 25 オランダ vs チリ 2-0 205 2 20 13 日本 vs コロンビア 1-4 183 5 36 26 ギリシャ vs コートジボワール 2-1 186 3 26 10 イタリア vs ウルグアイ 0-1 210 1 23 10 イングランド vs コスタリカ 0-0 248 0 12 10 スイス vs ホンジャラス 3-0 205 3 29 19 エクアドル vs フランス 0-0 207 0 31 23 アルゼンチン vs ナイジェリア 3-2 165 5 30 24 イラン vs ボスニアヘルツェゴビナ 1-3 205 4 20 18 アメリカ vs ドイツ 0-1 172 1 17 22 ポルトガル vs ガーナ 2-1 256 3 37 30 韓国 vs ベルギー 0-1 213 1 34 20 アルジェリア vs ロシア 1-1 246 2 18 13 2014FIFAワールドカップ 表1 対象試合

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28 表2 一致率 表3 攻撃の概略 κ係数 1.00 パス種類 0.98 0.90 PA内侵入選手がパスを受ける前の状況 0.96 0.93 0.95 0.90 PA内侵入前における守備組織 0.94 0.90 級内相関係数 PA内侵入に要した時間 0.95 測定項目 前方DF 測定項目 PA内侵入方法 パス出し手エリア PA内侵入辺 PA内侵入前のPA内にいる攻撃選手と守備選手の人数差 PA内侵入時のPA内にいる攻撃選手と守備選手の人数差

M SD MIN MAX MED M SD MIN MAX MED 有意差

攻撃回数 100.1 8.6 87 125 98 103.0 11.2 84 131 102 得点 1.9 1.4 0 5 2 1.0 0.9 0 4 1 * シュート数 12.8 4.3 3 22 13 13.0 4.7 4 23 13 シュート率(%) 12.9 4.6 3.1 23.2 13.3 12.9 5.3 3.9 27.1 12 シュート成功率(%) 14.7 10.3 0 38.5 15.2 7.7 8.1 0 28.6 6.3 * 攻撃成功率(%) 1.9 1.4 0 5.3 2 1.0 1.0 0 4.7 1 * PA内侵入回数 9.7 5.1 2 23 9 9.3 4.4 1 27 9 PA内侵入率(%) 9.8 5.2 2.1 24.5 9.1 9.2 4.6 1.1 20.6 8.9 PA内侵入に要した時間(秒) 17.6 14.4 0 91 12.7 16.7 11.8 0 71.2 13.2 *p<.05 下位(n=48) 上位(n=48)

図 3 パス種類: 「クロス」
図 6  PA 内侵入に関する項目①
図 8 PA 内侵入前の PA 内にいる攻撃選手と守備選手の人数差別における守備選手の人数の比較
図 10 PA 内侵入前の攻撃選手と守備選手の人数差別における PA 内侵入選手がパスを受ける前の位置の比較( PA 外)
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参照

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