人間・環境学研究科 M2 作業療法士(OT)
萩原 広道
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子どもには「子どものことばの体系」がある?
療育でのひとコマ:Aくん
• 大人の言葉 「もう一回」「もう一個」 • Aくんのことば 「ちったー」 3動詞発達の調査研究:珍回答?
• 「シャツを脱ぐ」動画に 「ズボン」「帽子被る」(3歳)療育でのひとコマ:Aくん
• 大人の言葉 「もう一回」「もう一個」 • Aくんのことば 「ちったー」 4動詞発達の調査研究:珍回答?
• 「シャツを脱ぐ」動画に 「ズボン」「帽子被る」(3歳)子どものことば
≠ 大人の言葉よりも未熟・未発達
=
独特なことばの体系
がある?
子どもには「子どものことばの体系」がある?
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① ことばの発生
自閉スペクトラム症
ASD
(高橋・大野,2014) • 対人相互反応の質的な障害 • コミュニケーションの質的な障害 • 限局された行動や興味の範囲 自閉性障害(DSM-Ⅳ-TR) • 社会的コミュニケーションの障害 • 限局された反復的な行動様式 自閉スペクトラム症(DSM-5) • アスペルガー障害,PDD-NOSなどと統合 • 有病率:人口の1 % (男性に診断されやすい:4倍) • 症状:発達過程で顕在化(e.g., 身振り・表情の理解困難,思考・行動の柔軟性欠如)• 自閉スペクトラム症児の社会的コミュニケーションの問題
① 他者の感情・意図の理解 ② 自己の心的世界の他者への伝達 ③ 自己の心的世界の意識化 自己 他者 (別府,1998)導入~
OTのねらい
• 初回:導入時の様子(4歳9ヶ月)
•
OTのねらい
①目的をもって環境に主体的に関わる中で,思い通り
に自己身体を操作する
②関わる環境を拡げ,深める
(物理的環境~社会的環境)③媒介手段を拡げ,深める
(身体~道具~言語)自閉スペクトラム症児:自己と他者の共通性をうまくと
らえられない「
共鳴しにくい身体
」
(加藤・小松, 2014)セッション経過
• 第
6回:(4歳11ヶ月)
• 第
8回:(5歳1ヶ月)
• 第
9回:(5歳2ヶ月)
• 第
10回:(5歳4ヶ月)
**保護者の許可を得て情報提供にご協力いただいています。 個人に関する情報の転記,撮影・録音などは控えてください。セッション経過のまとめ
媒介手段の拡がりと深まり・相互連関 身体運動 ブランコに乗る ブランコ操作 乗り方の変更 協調性・円滑性 ハイタッチ 方向性・意味性 道具操作 間接性・道具性 視 線 興味ある対象 他者志向 周辺➡中心視 間歇➡持続 方向性・意味性 相手の指先 間接性 共同注意 道具性 発 声 感情の漏れ 感情の溢れ リズム・抑揚 音の多様性 意味性 他者志向 方向性 開始の号令 道具性 環境とのインタラクションの拡がりと深まり 物理的環境 社会的環境 ヒト モノ考察① 身体の一人称化
媒介手段の拡がりと深まり・相互連関 身体運動 ブランコに乗る ブランコ操作 乗り方の変更 協調性・円滑性 ハイタッチ 方向性・意味性 道具操作 間接性・道具性 視 線 興味ある対象 他者志向 周辺➡中心視 間歇➡持続 方向性・意味性 相手の指先 間接性 共同注意 道具性 発 声 感情の漏れ 感情の溢れ リズム・抑揚 音の多様性 意味性 他者志向 方向性 開始の号令 道具性 環境とのインタラクションの拡がりと深まり 物理的環境 社会的環境 ヒト モノ「身体の一人称化」
の過程
自己 • 行為主体としての自己の意識 • 自己身体の把握(身体図式) • ASD児にとっては特に難しい他者と共鳴可能な身体
• 内なる自己の明確化 ⇔他者 • 他者行為を自己行為として理解 • 他者の意図理解の基盤考察② 「ことばが成立する条件」を育む
• 「意図的道具性」:相手に特定の反応を引き起こす道具的手段 (としての音声)の意図的使用 • 「協約性」:道具的手段が自分と相手の相互了解の上に立つ ことの認識 (岡本, 1982) 身体運動 ハイタッチ 視 線 合視 感情の溢れ 媒介手段が帯びる性質の変化 • 運動 + 意味 ➡意識 • 主に感情の表現 意味性 方向性 道具性 • 対象(他者)への志向性 • 意識的/直接的な身体操作 • 特定の機能との結びつき • 間接性を帯びる➡三項関係 • 能動的な手段の行使 介助の受容 遊具へ向く 棒・スプーン 相手の指先 共同注意 発 声 呼びかけ 開始の号令「身体の一人称化」「他者との相互了解」によって促進
今後の展望
• セッション場面の定量化
(e.g., 身体動作,表情,発声の表情)• さらなるデータ収集
(横断・縦断)むすび:ことばの芽吹き
• 第
12回:(5歳5ヶ月)
• ことばの土台をどのように育んでいくか
「ことばの発達」よりも「
発達のなかのことば
」
(岡本, 1982)14
② ことばの分化
言語発達研究の主流
品詞ごとの研究が多い
• 初期の語は動詞など他の品詞よりも名詞優位 (Gentner, 1982; 小椋, 2007; 大森 et al., 2010) • 名詞はすぐに意味範囲が拡張されるが,動詞は慎重 (今井 & 針生, 2014) 15(多くはないが)品詞を超えた議論も
• 言語形式が同じでも,表現したい意味は多岐にわたる (田中 & 田中, 1984; 岩崎 et al., 2010) • 名詞の獲得には動き(機能)の要素も重要 (Kobayashi, 1997; 明和, 2016)慣習的行為からことばの獲得へ
16 小林春美(1997). 語彙の獲得. 小林, 佐々木・編, 子どもたちの言語獲得,, 修館: 85-110.
慣習的行為とことばの獲得
名詞の獲得と,モノの慣習的行為の関連
• 前言語期:モノに特徴的な慣習的行為によってモノを表現する
(小林, 1992; 1995; 1996)
• 慣習的行為は名詞の獲得よりも容易にモノと結びつく
(Childers & Tomasello, 2002; Hahn & Gershkoff-Stowe, 2010)
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慣習的
(意図的)アフォーダンス
• 社会的相互作用によって生じるモノのアフォーダンス
• 使用目的とモノが結びついたもので,感覚運動アフォーダンス に続いて学習される
初期の言語獲得の流れ
◆大人
:「名詞=モノの名前」知識⇔
幼児初期
:語-意味の対応関係は質的に異なる仮 説
19◆初期の言語は:
その後の発達過程で明瞭な 名詞や動詞に分化する前の 「分化多能性言語」ではないか◆もう少し踏み込むと:
NOUN concept for infants is…Object–based Event-based