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空港周辺住民の意識構造分析

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Academic year: 2021

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1−D−4

1996年度日本オペレーションズ。リサーチ学会 春季研究発表会

空港周辺住民の意識構造分析

02202031 北海道大学 ♯鈴木 克典 SUZUKIKatsullOri 013(施501 北海道大学 高野 伸栄 TAXANOShin−ei OllO6251 北海道大学 加賀屋言成− KAGAYASeiichi

O1205371 北海道大学 佐藤 馨− SATOHKciichi

1.はじめに

ECR(Extended Conblbutive Rule:拡張寄与ル ール)法は、植木ら1)によって集団意思決定のため の支援システムとして開発された方法である。この 方法は効用理論を基につくられ、逆の意見に重みを つけるパラメータの導入により、意見が分かれてい なくその差がほとんどない選択肢の対を抽出する特 徴を有している。この対は意思決定における議論す べき所としての有用な情報となることから、集団の DSS(DecisionSupprtSystem:意思決定支援シス テム)として適している。 ECR法におけるこのパラメータ導入のプロセス は、住民問題における合意形成に有効であると考え、 本研究においては、現在、住民問題が顕在化してい る丘珠空港問題における調査データに適用を試みた。 使用する調査データはカテゴリデータであり、効用 値のデータではないため、ECR法とは異とするが、 逆意見を採用するプロセスはカテゴリデータにおい ても有効であると考え、適用を行った。 2.丘珠空港問題 札幌市内に位置する丘珠空港ではジェット化のた めの滑走路延長問題がクローズアップされ、その是 非が問われている。滑走路延長・ジェット化により さらに利便性を高めてほしいとする利用者や事業者 の声がある一方、空港周辺の住民からは、騒音や事 故の不安、土地収容問題等により、反対の声も強く 出されている。 3.周辺住居意識調査 (1)調査概要 平成7年6月に丘珠空港周辺住民に対して空港意識 調査を行った。調査対象地区として、騒音調査地点 を基に地区特性を考慮し、A∼F地区の計−6地区 選定し、それぞれの地区で意識調査を行った。配布 数544票、回収数461崇、回収率は84.7%であった。 (2)調査項目 各地区住民に対して、以下の項目について、空港 が存在することによる影響度の調査を行った。回答 形式は五段階カテゴリによる遥択形式を採用した。 ①地域活性化の核となっている(空港を中心として) ②札幌の玄関口として重要な役割を果たしている ③災害時の交通手段の確保の役割を果たしている ④緑地の保全に寄与している ⑤騒音の公害がある ⑥航空機事故の危険性がある (∋市街化発展の阻害をしている 4.ECR法と本研究における構造分析 (1)ECR法の方法論 ECR法は、下記の①式で表すことができる。 g(cPij,,・”,Cmij)

mm =∑cPij+人∑Min(0,Cpij)

p=1 p=1 但し人>0 \●D 集団の選好gはnl人の各意思決定者pの選択肢i のjに対する通好強度(効用差)の和で表される。 第二項はcPiJ<0、つまり負の通好強度をさらに 人だけ余分に採り入れようとするものである。全体 の選好強度が同じでも意見が分かれていて反対の大 きいものが取り出せる。 (2)ECR法のデータと本分析におけるデータ ECR法は本来、持ち点を0点として+5点∼−5 点の基数効用値を各評価対象に与え、ISM法によ り表記し、分析する方法である。本研究ではこれら の評価点を五段階カテゴリデータに置き換え、適用 を試みた。また、持ち点を0点とするために、各サ ンプルにおいて平均値を求め、その平均値との差に よって正負の評価点としている。 評価値の差を見ることにより、項目間の比較が容 易に理解することができ、また平均値との差による 評価値を採用することは、各サンプルの基準を同じ にすることに当たる。また、負(逆の意見)の評価 点に重みづけを行うパラメータ(入)を導入するこ とにより、その値によって評価値の差の小さい対を 切っていくことができる。そして、その評価値の差 の小さい選好は無差別と考えることができる。この −82− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

ことは意思決定における議論のステージを提供する ことになり、多数決などによって一意的に解を求め るのではなく、話し合いによる意思決定プロセスが 可能となる。また、否定(逆)意見の尊重と解釈す ることもできる。 現在、実際の意思決定の場面においては、このよ うな考え方をとるプロセスは必要不可欠である。ま た、決定に際して提供される情報にも限界があるこ とから、こようなプロセスをとる方法は有用である と考える。 (3)調査結果と分析 上記の方法で評価値を算出し、ISM法によって 図示を行った。具体的な評価値として、「非常にそ う思う」∼「全然そう思わない」の五段階カテゴリ に対して、5∼■1の評価値を与えて分析を行った。 図−1にA地区とF地区における選好捕遺のダイ グラフを、パラメータが入=0と人=0.5の場合に ついて示す。グラフ中における数字は3章(2)で示 した調査項目に対応する。 較して、強く意識していることがわかる。 入=0、入=0.5を比較した結果、次のことが判 明した。 ① A地区七人=0.5の場合、「事故の危険性」と 「騒音公害」、「災害時の交通の確保」が同レベル にあることから、これらはそれぞれ無差別の状態と して考えることができる。「地域活性化」と「緑地 保全」も同様である。 ② F地区で人=0.5の場合、「市街化発展の阻害」 と■「事故の危険性」、「地域活性化」と「緑地保全」

は、(∋と同様にそれぞれ同レベルになり、無差別の

状態として考えることができる。 5.まとめ 本研究においては、ECR法の特徴である逆意見 に重みを加えるプロセスをカテゴリデータによる分 析として適用を行った。そして以下のような成果を 得た。 (∋ 逆意見の重みである人のパラメータは、あいま い性の導入するためのものであり、このパラメータ を用いることにより、比較的簡便で理解しやすい方 法で構造的な把握ができることがわかった。また、 賛否の評価値の差の小さいものを抽出することがで きるため、実際の場面での合意形成に対しての有用 な情報を提供できることがわかった。 ② ECR法のように効用値を使用していないもの の、項目間の差の構造分析であるため、項目間の評 価の違いを容易に把握することが出来た。 また、空港計画の面では、以上の点が明らかとな った。 ① 地域活性化の起爆剤として、空港建設が提唱さ れるが、空港付近の住民にとってはあまりその効果 を享受している認識がない。 (∋ 航空の事故率は他の交通機関に比較して低いと されているが、周辺住民としては事故を強く危憤し

ていることがわかった。特に、滑走路上の地区はこ

の項目を第一に挙げていた。 今回適用を行った方法は評価の差を考慮できるこ とから、実際行おうと思っている具体的な施策や代 替案を項目とすると、合意形成のプロセスにおいて

さらなる有肝性を発揮できる。今後はさらに事例を

積み上げ、効用値データによる分析との比較検証が 必要である。 【参考文献】 1)枯木他:集団意思決定のための支援システム,オペ レーションズ・リサーチ,11月号,PP38−46,1980

⑥蓋念Y①

喜ふじ 掴 + 人=0 人=0.5 入=0.5 A地区 F地区 図一1 各項目に対する評価 図−1より、次のような分析結果が得られた。 (∋ いずれの地区も、「騒音公害」、「事故の危険 性」が上位に位置しており、それら二項目に対する 意識が強いことがわかる。また、「市街化発展の阻 害」も比較的上位に来ている。 ② 全地区を見た場合、F地区以外はいずれも第一 ニレベルに「騒音公害」、「事故の危険性」が来 ている。しかし、F地区は第ニレベルに「市街化発 展の阻害」が采ており、当該地区において住民は市 街化発展の遅れに対する意識が他地区より強く意識 されていることがわかる。また、滑走路上に位置す るB・C・F地区では、いずれも「事故の危険性」が第 一レベルに来ている。 ③ ターミナルに一番近いA地区では、.第三レベル に「災害時の交通の確保」が来ており、他地区に比 ー83− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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