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幼年期からの剣道経験者の自己成長-剣道における礼儀としつけに着目して-

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Academic year: 2021

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幼年期からの剣道経験者の自己成長

―剣道における礼儀としつけに着目してー

人間教育専攻 幼年発達支援コース 上 原 大 地 間麗の所在と研究目的 剣道は礼に始まり、礼に終わるという基オ喜J な礼儀作法がある。剣首着、防具等も自分で綺 麗に畳む。全日本剣道連盟による『幼少年貧~』首 指導要領』では、指導の目標には険I」道は、人 間形成の手段・方法であるとともに、剣道それ 自体の修練が人間形成であるという意味におい て目的でもある」とある。「中学校学習指導要領」 においては、武道が必修化されているが、寅I』首 に関する幼児期からの剣道について取り上げた 先行研究はあまりな"'~明治期から昭和10 年 代の頃までには「10 歳」を剣道開始年齢として いたが、昭和30 年代以降に「5 歳」を剣道開始 の適正であると言われるようになる(大石, 2008)。 そこで本研究では、幼年期から剣道を始めて いる剣道経験者を対象にインタビュー調査を行 うことによって、様々な習いごとやお稽古ごと があるなかで、幼年期から剣道を始めることに よって身に付くものは何か、礼儀やしつけをど のように学んできたのか、剣道指導の心構えの 指導をどのように受け取ってきたかなどを明ら かにすることを目的とする。 研究の方法 (1)調査対象 A (24 歳 剣道歴20 年)、B (25 歳 剣道歴19 年)、C (23 歳 剣道歴18 年) (2)調査方法 指導教員 湯 地 宏 樹 おもに①剣道の経験共指導者について、(②)貧I道 の経験で得られた礼儀としつけについて、(③)そ の他について、などの質問内容によるインタビ ュー調査を行った。 (3)分析方法 対象者の記録した音声の文字起こしを行レ、 分析方法は佐藤(2008)を採用し、以下のプロ セスで行った。①切片化:録音データを逐語録 化として文書化し逐言酸剥匕したテキストデータ から剣道におけるしつけと礼儀を切片化した ②オープンコーディング:定陛的コードを割り 当てた。③焦点的コーディング:才嶋ミ度の高い 焦点的コードに置き換える作業を行った。(④概 念モデノ目匕:概念的カテゴリーを生成した。 結果と考察 インタビューデータを分析した結果、12 個の 概念的カテゴリーに分類された。以下、概念喜J カテゴリーは【 】、焦点的コーディングは《》、 オープンコーディングは〈 〉で表す。【剣道や 日常生活での挨拶・言葉遣い】【剣道を通して人 とのかかわりを学ぶ】【竹刀・防具などの道具】 【剣道の試合】などの「剣道におけるしつけ・ 礼儀」を身に付けることが明らかになった。そ して、【幼年期に剣道を始めたきっかけ】【学校 生活と道場や部活での剣道】【幼年期からの親の 存在や支え】験Ij道の印象】を「幼年期からの剣 道における環境」が大切であることが分かった 【幼年期からの剣道により培われた精神】【j奔

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期からの剣道で培われた技術】【生涯剣道の精神】 などによる「剣道における自己成長」は、そう したプロセスのなかて醸成されるのではなし功、 と考えられる。 総合考察 (1)幼年期から剣道を始めることの意味 《幼年期の行事の思い出》では、〈行事やま務詈 りが楽しかった〉〈子ども会、ラジオ体操なと地 域交流を多くしてい加などがあった。〈お兄さ んのように竹刀、防具を付け剣道をしたい〉な ど《幼年期の剣道への瞳れ》 もあった。このよ うに剣道の楽しさを感じることは幼年期の子ど もにとって重要だと考える。また保護者が子ど もに剣道を習わせたいという思いがあったのは、 剣道に教育的価値を感じていたからだろう。幼 年期から指導者からの熱心で徹底的な教え、し つけがあったことにより礼儀作法が身に付き、 相手を思いやる気持ち、物を大切にすることな ど、剣道で多くの精神面が培われたと語ってい た。幼年期から何度も剣道の礼法、礼節などを 繰り返し行うことの意味がここにあるのではな いだろうカ、 (2)剣道に身に付いたしつけ・礼儀 武道の中でもとくに貧喧首は竹刀や防具などの 道具を扱うところにある。「昔は竹刀は刀であり 武士の命のようなものだったので竹刀を大切に する」ことを体にしみ込ませてきた。しかし、 「袴や道着は畳むのは難しい」「幼稚園から防具 は結べなかった」ように幼年期の子どもにとっ ては難しい。また剣道のおかげで挨拶を自ら発 するようになり、近所の人からも」難夢を褒めら れようになったと語っている。繰り返して教え られるうちに自然と身につくことを物語ってい る。「形」から入り 「型」にいたる、すなわち、 師の模倣からはじめ、稽古を繰り返すことによ り、習熟していくものと考えられる往田,1兇7)。 したがって、中学校学習指導の単元として学習 するだけでは不十分な点もあるのではないカ~ (3)剣道から得られた自己成長 剣道は、世代を超えて学び合う道、生涯にわ たる人間形成の道を見出すことを目標としてい る。生涯剣道という視点に立つと、道場には様々 な人間関係があり、大人への対応の仕方を教わ ったり、相手の立場を考えることを学んだりす ることも剣道ならではの特徴といえる。インタ ビューを行った剣道1畷者たちは、剣道を辞め ようと思ったことも何度もあるが、葛藤を乗り 越えて剣道を続けてきた人たちである。幼年期 から培われたものは、教え子や自分の子どもた ちへ継承されていくものだろう。剣道の教えは、 世代を超えて循環するものだと考える。それを 真に生涯剣道というのかもしれなし、 今後の細と展望 今回、剣道における礼儀としつけを中心に研 究をしてきたが、これらは他の武道やスポーツ でも培われるのかもしれな/ '~しかし、試合で はガッツポーズをしない、竹刀を扱う、大きい 声で挨拶をする、打ったり打たれたりするのは 剣道ならではの結果が見られたと考える。しか し、本研究では剣道織負者のみのインタビュー に基づく結果という点で限界がある。これらを 今後の課題としていきたい。 引用文献 生田久美子 (1987) 「わざ」から知る 東京大学出版会 大石純子(2008)幼児期の剣道に関する一 考察一幼少年と剣道の関係史を中心にー 八洲学園大学紀要, 4, pp. 1-10 全日本剣道連盟編(1977) 幼少年剣道指 導要領 全日本剣道連盟

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