海外の取組から滋賀大学データサイエンス学部に効果的な教育を常に追求
データサイエンス教育海外動向調査
2018年1月21日から29日にかけてJheronimusAcademy forDataScience(JADS;オランダ・スヘルトーヘンボ ス)、EssexUniversity(Essex;イギリス・コルチェス ター)、TrierUniversityforAppliedSciences(Trier; ドイツ・トリーア)にて、データサイエンス教育および研 究に関する視察を実施しました。 1.学部教育の改善 滋賀大学データサイエンス学部(以下、滋賀大DS)で は、数学などの講義で学生の理解度に差が生じていますが、 Essexでも同様に差が生じていました。これに対し、「Re-introduction=理解するまで講義を受講する」ことを重視 し、単位認定を厳格にすることで、学生に十分な学習の機 会を提供しています。また、Essexの学生は何を学ぶのか を明確に設定しており、学習意欲が高いと感じました。 2.企業との共同研究関係の改善 JADSは企業との共同研究を教育と研究の両面から数多 く実施し、企業を共同研究や教育などの取り組み内容に よって「ディスカッションのみ」、「講師派遣(教育)」、「ト ピック単位での共同研究」、「包括的提携」などに明確なラ ンク分けをしていました。これは滋賀大DSにとっても有 益であると思われます。 3.大学院(申請中)を含めたデータサイエンティスト教 育に必要な要件定義 JADSの大学院(修士課程)ではアカデミックの成果と 企業との共同研究の両方を以って修士修了の条件に設定し ています。また、Essexでは大学院生が企業との共同研究 プロジェクトをマネジメントしており、問題を他の大学院 生・ポスドクと共有することでその解決を図っていました。Jheronimus Academy for Data Science の外観
4.視察先大学との教育的な提携 JADSのカリキュラムの多くは滋賀大DSと類似する点が 多く、Essexには滋賀大学DSにはない講義(数学や心理学 など)が多数存在しました。また、Trierは多くの実験デー タや3Dグラフィックデータなどを保有しており、学生が 滋賀大DSでは提供できない経験ができる可能性を強く感 じました。 5.その他滋賀大学データサイエンス学部に足りていない 点の認識 JADSやEssexでも滋賀大DSと同じような講義がカリ キュラムに組まれていましたが、データの可視化について の講義は滋賀大DSに比べて力を入れている印象でした。 また、JADS・Essex・Trierに比べて滋賀大DSの学生の英 語力が不足しているようです。 以上が今回の海外視察の感想です。JADSのProf.Daan Kolkman、Essex の Prof.Lausen Berthold、Trier の Prof.PeterKoenig など、今回の視察でお世話になった 関係者の皆様に深く感謝します。 (助教 保科架風)
Essex University のグラフ理論の講義風景
データサイエンス調査・情報発信
2018(平成30)年3月2日、日本経済新聞社と本学の主 催で、東京都千代田区の大手町フィナンシャルシティカ ンファレンスセンター・ホールにおいて、「データサイエ ンスが拓く未来フォーラム2018」を開催しました。現在、 次世代の 「超スマート社会(Society5.0)」 を担うAIやIoT などのテクノロジーの開発が叫ばれています。このフォー ラムでは、その基盤となるデータの分析・活用を担う「デー タサイエンス人材」の育成について議論が行われました。 さらに、ビジネスの最前線で展開されている様々なデータ の利活用について、現場から多くの報告がありました。データの利活用と人材育成
官・民が共有するデータサイエンス人材育成の課題 本フォーラム第1部の「データサイエンス~産学連携教 育研究セッション」では、二つの基調講演がおこなわれ、 内閣官房情報通信技術総合戦略室内閣参事官の奥田直彦氏 より、日本型デジタルガバメントの実現について、さらに 情報・システム研究機構統計数理研究所所長の樋口知之氏 より、超スマート社会におけるデータサイエンスの人材育 成についてご講演いただきました。 現場データを用いた成功経験 続いて、基調講演を踏まえて、あいおいニッセイ同和損 害保険の大沼顕介氏、野村総合研究所の大川内幸雄氏、パー ソルキャリアの鹿内学氏、本学竹村彰通センター長の4 名で、データサイエンス教育についてのパネルディスカッ ションが行われました。データサイエンス教育では産学連 携に基づき、実際のデータに触れられることが望ましいが、 現在行われている産学連携や教育における連携のあり方に ついて議論が行われました。滋賀大学・日本経済新聞社の主催フォーラム
データサイエンスの最前線と将来の人材育成の課題を熱く議論
データサイエンスが拓く未来フォーラム開催
ビジネス現場のデータサイエンス
第2部の「新たなビジネスを創造するデータアナリティ クスの最前線セッション」では、フューチャー代表取締 役会長兼社長グループCEO 金丸恭文氏、伊藤忠テクノ ソリューションズ 野村典文氏、野村総合研究所 沼澤優 氏、 SASInstituteJapan 畝見真氏の各氏により、現場 のデータサイエンスや人材育成について紹介や課題が共有 されました。産学で取り組むデータサイエンス人材育成
これらの講演と事例紹介ののち、竹村センター長と大阪 ガス河本薫氏による対談が行われました。全体を通して、 今後の産業・社会を担うデータサイエンス人材の育成につ いて、ビジネス最前線で求められる人材像、産業界(企業) や教育界(大学他)での取組の現状と課題、そして産学が 連携してより多くのデータサイエンス人材を産み出して行 くための課題と解決策が討議されました。 フォーラムには300名を超える参加者があり、データサ イエンス人材育成の課題と未来を発信する良い機会となり ました。データサイエンス調査・情報発信
統計研究研修所共催セミナー開催
2017年8月3日(木)、滋賀大学大津サテライトプラザ において、「教育関係者向けセミナー」を統計研究研修所 との共催で開催しました。当日は小・中・高等学校教諭を 中心に22名が受講され、グループワークでは活発な議論 が行われていました。 <講義内容> ■「統計データを使った授業の現状と展開」 実践女子大学人間社会学部 竹内 光悦 教授 ■「新教育課程における統計教育の具体像について」 愛知教育大学 青山 和裕 准教授 2017年9月20日(水)、本学大津サテライトプラザにお いて、平成29年度 特別コース「データサイエンスセミ ナー」(統計リテラシー向上のためのセミナー)を統計研 究研修所との共催で開講しました。当日は自治体の職員を 対象に行われ、22名の方が受講されました。 <講義内容> ■「ビッグデータ時代に求められるデータサイエンス力」 データサイエンス学部 竹村 彰通 学部長 ■「問題解決のための統計グラフ作成と統計の実践的活用 に向けたプレゼンテーションのポイント」 慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科 渡辺 美智子 教授データサイエンスの普及に向けて、様々なアプローチを行っています
データサイエンス普及活動
子どもプログラミング教室
11月26日(日)、大津キャンパスにおいて、総務省統計 局との共催により、大津市内の小学生を対象とした「子ど もプログラミング教室~プログラミングソフト「Scratch (スクラッチ)」を体験してみよう!! ~」を開催しました。 本教室は、情報リテラシー向上の取り組みを進める総務 省統計局とデータサイエンス教育に取り組む本学が連携し て、小学生にプログラミングを通じて統計データに親しん でもらうイベントで、昨年度に続き第2回目となる今回は 滋賀県教育委員会の後援、大津市教育委員会の協力を得て 実施したものです。 講師には株式会社ヴィリング 代表取締役 中村一彰氏を お招きし、大津市内の小学5・6年生26名に対して、自 分で組み立てた2種類のコマから得られたデータ(回転時 間)をもとに、「Scratch(スクラッチ)」を使ってプログ ラムをつくるという、ものづくりを通じて学ぶ統計データ を分かりやすく解説いただきました。 参加した子どもたちからは、「プログラミングのやり方 がよく分かった。」「家に帰ってからもやりたい。」といっ た声が聞かれました。 また、教育学部・データサイエンス学部の学生及び教員 も参加し、子どもたちからの疑問を一緒に解決するなど、 本学にとっても実践教育の良い機会となりました。 講演する渡辺美智子慶應義塾大学教授 親子で一緒にプログラミングとして、本学部教員(14名)が様々な相談に応じました。 本相談窓口は県民の統計データの理解・活用力の向上およ び統計分析スキルアップを目的とし、県内在住者・事業 所・団体・自治体等および県内に通勤・通学している人を 対象に、 ・統計調査(アンケートの実施方法) ・統計データの分析 ・データ処理 などの相談を受け付けています。 平成29年度の相談の内容の一部を以下の表にまとめてい ます。本相談は平成30年度も継続していきます。 平成29年度 統計相談窓口 主な相談案件 相談者 相談概要 自治体 ある経済指標の予測式の見直しについて 自治体 ある経済指標の可視化について 民間事業者 アクセスログデータの活用方法について 民間事業者 満足度アンケートの設計について 自治体 健康データに関する統計分析について 自治体 雇用データ収集のための調査票設計について 県内学生 アンケート調査の分析法について 自治体 都道府県別データからの情報抽出について 民間事業者 ある食品の印象に対する調査設計について 民間事業者 従業員の成績評価の指標について