<研究ノート>注釈・フランス家族法(4)
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(2) 【研究ノート】 研 究. 注釈・フランス家族法(4). ノ ー ト. 田. 中. 通. 裕. 目次 Ⅰ. 序説. Ⅱ. 民法典第1編第5章 「婚姻」 第1節. 婚姻を締結しうるために要する資格と要件 (144条∼164条) (以上, 61巻3号). 第2節. 婚姻の挙式に関する方式 (165条∼171条). 第3節. 婚姻に対する異議 (172条∼179条). 第4節. 婚姻無効の請求 (180条∼202条). 第5節. 婚姻から生じる義務 (203条∼211条). 第6節. 夫婦各々の義務および権利 (212条∼226条). 第7節. 婚姻の解消 (227条). (以上, 61巻4号) (62巻2号). (以上, 本号). 第5節. 婚姻から生じる義務 (Des obligations qui naissent du mariage). [一] 本節は, 「婚姻から生じる義務」 の表題のもとに, 夫婦のその子に対 する扶養義務, 子のその父母および尊属に対する扶養義務など, 扶養義務 (obligation alimentaire) に関する規定を置く。 扶養義務は家族的連帯 ( . familiale) に基づき一定の家族構成員間に課せられるものであるが, その連帯 性の強度に従い二種類に分類される。 すなわち, 夫婦間の 「救護の義務」 (devoir de secours) (本節ではなく次節に規定される⇒212条) および子に対 する親の 「養育義務」 (obligation d’entretien) (⇒203条) は一般に共同生活を 送る家族構成員間に存在する 「より強化された」 義務であり (.
(3). op.cit., n648), 子のその父母および尊属に対する扶養義務 (⇒205条) や婿・嫁とそ 法と政治. 62 巻 3 号. ( 2011 年 10 月). 255( 1384 ).
(4) の義父母との間に成立する扶養義務 (⇒206条) のような固有の意味の扶養義 務とは区別されなければならないとされる。. ). 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ︵ 4. なお, 民法典は扶養義務を婚姻の効果として規定するが, これはナポレオン 法典当時の古い家族観の名残であり, 今日においては血族関係, 姻族関係の効 果と考えるべきである。 [二] 扶養義務の性質 (1) 一身専属的性質 ( personnel). 扶養義務は, 債権者の死. 亡によって消滅する。 扶養請求権が債権者の相続人に承継されることはない。 債務者の死亡によって, 扶養義務が債務者の相続人に承継されることもない (もっとも, 先に死亡した配偶者の相続財産が扶養の必要な生存配偶者の扶養 の義務を負うことはある⇒767条。 その他, 342条の5, 280条以下も参照)。 こ のような扶養義務の非譲渡性 ( . . .
(5) ) に加えて, 扶養定期金には 差押不能性 ( . . .
(6) ) が認められる。 すなわち, 扶養債権者の債権者 が扶養定期金を差し押えることは禁止される。 (2) 相互的性質 ( ). 扶養義務は相互性を有する. (⇒207条1項)。 すなわち, 同一の者がその財産状況に従って, 債権者にも債 務者にもなりうるのである。 もっとも, 養育義務はその例外であり, 父母のみ が一方的にその子を養育する義務を負う。 (3) 可変的性質 ( variable). 扶養義務は, (それが判決によ. って定められたにせよ, 契約によって定められたにせよ) 常に固定的ではなく, 暫定的 (provisoire) なものである。 すなわち, 債権者の扶養の必要度, 債務 者の資力の変化に伴って, 扶養義務の免責, 減額, 増額がなされうる (⇒209 条, 208条2項)。 (4) 公序に関わる性質 ( d’ordre public). 個人の生存は単に. 私的利益のみに関わるだけではなく, 公序に関わる問題である。 したがって, 扶養請求権を放棄することは認められない。 [三] 扶養義務の履行 (1) 扶養義務の履行は, 原則として債務者による扶養定期金 (pension alimentaire) の支払いの形態でなされる。 ところで, フランスには 「扶養料は滞ることなし」 (Aliments ne 256( 1383 ). 法と政治 62 巻 3 号 ( 2011 年 10 月).
(7) pas) という伝統的法諺があり, 債権者が履行期に扶養料を請求することを怠 ったときには, もはや後に延滞分の支払いを請求することは許されないことを 意味するものと解されている。 債権者が扶養料の請求をしないことが扶養の不 必要性を推定させるというのが, その根拠である。 しかしこの推定は, いわゆ. 研 究. る単純推定 ( simple) であり, 反証によって覆すことができる。. ノ ー. すなわち, 債権者は扶養が不必要であるのではなく, 請求を困難にするような. ト. 事情が存在したことを証明して, 延滞分を取り立てることができると解するの が通説・判例の立場である。 また, 一般に現在の判例は, この法諺の適用が不誠実な債務者を益すること になるとして, その適用を制限する傾向にある。 たとえば, 判例は, 扶養義務 が判決によって定められた場合にその適用を否定し (Civ. 1re, 5 juill. 1988, D. 1989. 51―民法典第2277条による5年の消滅時効のみが適用される), また養 育義務 (Civ. 2e, 29 oct. 1980, JCP 1981. II. 19665) や婚姻費用の分担義務 (Civ. 1re, 8 nov. 1989, Bull. civ. I, 341) についても適用を否定する。 (2) 扶養義務の履行は, 扶養定期金の支払いの形態のみならず, 債務者が 債権者を自らの家庭に引き取るという形態でなされることもある。 救護の義務 や養育義務については, この形態が通常であろう。 しかし, このような義務に ついてはともかくとして, この形態は当事者の独立性を害するため, 債務者に それが強制されることはないし, 債権者に対しても, 民法典に規定される2つ の場合 (⇒210条・211条) に限って裁判官のコントロールのもとにこの形態を 課することができるとされている。 (3) 債務者が数人ある場合には, それらの債務者の間に優先順位が存在す るのかが問題となる。 19世紀の判例はこの点について迷いを示したが, その後 結局, 優先順位は存在せず, 数人の債務者が同時に競合的に扶養義務を負うこ とを認めるに至った (Civ. 2e, 2 janv. 1929, D. 1929. 1. 137)。 しかしこの原則に は, 次のような3つの例外が存在する。 ①単純養子縁組 (adoption simple) の 場合には, 養子は (実親に対する前に) まず養親に対して扶養料を請求しなけ ればならない (⇒367条2項), ②未成年の子はまずその父母に対し (Civ. 1re, 6 mars 1990, JCP 1991. II. 21664), ③夫婦の一方はその父母に優先して他方配 偶者に対し (Douai, 28 juill. 1953, D. 1954. 477), 請求しなければならない。 法と政治 62 巻 3 号. ( 2011 年 10 月). 257( 1382 ).
(8) 債権者が扶養料を多数の債務者に請求しうる場合の扶養債務について, 判例 (Civ. 27 nov. 1935, D. 1936. 1. 25.) は, それをいわゆる 「不完全連帯債務」 (ob-. ). 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ︵ 4. ligation in solidum) とする [しかし最近, それを否定するかのような破毀院判 決 (Civ. 1re, 22 nov. 2005, RTDC. 2006. 104) がみられる]。 (4) 扶養義務の不履行に対しては, 民事上あるいは刑事上の制裁が存在す る。 民事上においては, 扶養義務の不履行は, 親権の取上げ (⇒378条の1), 贈与の撤回 ( de donation) (⇒955条3号参照), 扶養請求権の失権 (⇒207条2項) などの原因となる。 また, 刑事上は, 扶養定期金の支払いを命 じる判決にかかわらず, 2カ月以上その支払い義務を完全に履行しなかったと きには, 「家族遺棄罪」 (abandon de famille) (刑法227条の3) として処罰され る。 [四] 強制取立ての制度 扶養義務の履行を確実なものにするために, 通常の履行強制手段 (差押え) のほか, 次のような特別の制度が創設されている。 (1) 1973年1月2日の法律によって創設された 「扶養定期金の直接弁済 (paiement direct)」 の制度によって, 債権者は債務者の債務者 (たとえば債務 者に給与の支払義務を負っている者) から直接に扶養定期金の弁済を受けるこ とができる。 このような直接弁済の請求が可能となるためには, 扶養定期金が 執行力をもつ裁判所の判決によって定められたこと, それの支払期限が到来し たにもかかわらず支払われなかったことなどが要件となる。 (2) 上述した直接弁済の制度は, 常に有効であるとは限らない (債務者が 賃金労働者ではない場合など)。 そこで, 1975年7月11日の法律によって, 「扶 養定期金の公的取立て (recouvrement public)」 の制度が創設されることにな った。 これは, 債権者に代わって国庫の直接税徴収官に, 執行力をもつ判決に よって定められた扶養定期金の取立てを行わしめる制度である。 この手段は補 充的性質 ( . subsidiaire) を有する。 すなわち, この手段は, 債権者が 私法上の執行手続を試みたにもかかわらず目的を達成できなかった場合にのみ 可能である。 その他, 家族手当基金 (caisses d’allocations familiales) による扶 養債権の前払いとしての家族支持手当 (allocation de soutien familial) の給付 制度 (社会保障法典 L. 581 条の1以下) も重要な役割を果たしている。 258( 1381 ). 法と政治 62 巻 3 号 ( 2011 年 10 月).
(9) 第203条. 夫婦はともに, 婚姻の行為のみによって, その子に食料を与え. ) 義務を負う。 (nourrir), その子を養育し (entretenir), 教育する ( Art. 203. Les contractent ensemble, par le seul fait du mariage, l’obli-. ノ ー. gation de nourrir, entretenir et leurs enfants. [一] 本条は, 親のその子を扶養する義務, とりわけ講学上のいわゆる 「養 育義務」 (obligation d’entretien) を規定する。 本条はこのような義務の根拠を 婚姻に求めるが, 親子関係 (filiation) に求めるべきである。 したがって, 養 育義務は親子関係が成立している以上すべての親に課せられる。 また, 婚姻が 解消された後も, この義務は継続する。 この義務は父母が子と同居することに よって果たされるのが通常であるが, 父母が別居・離婚した後などの場合には, 子と同居しない親は扶養定期金の給付の形態でそれを履行することになろう。 この義務は親権に基づくものではなく, 親権を行使しない親もこの義務を免れ ない。 養育義務については, 2002年3月4日の法律による民法典第371条の2 にも規定が置かれた (この規定は, 親が婚姻しているか否か, 離別に至ったか 否かにかかわらない一般的な養育義務の規定となっている)。 また, 親のこの ような義務は, 今日では 「児童の権利条約」 27条2項によっても確認されると ころである。 [二] 本条は, 親の義務の内容として, <nourrir>, <entretenir>, およ び< >の3つを挙げる。 <nourrir>とは, 食料を供給することであり, <entretenir>とは, 衣服, 住居など食料以外の生存に必要な物質的基盤を与 えることであり, < >とは, 子の人格の調和のとれた発達をはかり, 一 人前の社会人として完成することである。 このように, 養育義務は子を可能な 限り物質的・精神的に良好な状態で大人に導く義務であり, 子のその父母およ び尊属に対する扶養義務 (⇒205条) や婿・嫁とその義父母との間に成立する 扶養義務 (⇒206条) のような固有の意味における扶養義務が相互的である (⇒207条1項) のに対し, 一方的である。 すなわち, この義務は父母に対して のみ課せられ, 子の利益のためのみに存するのである。 また, 固有の意味の扶 養義務については, 債権者自身のフォート (faute) や義務の不履行が債務者 の義務を免除したり, 扶養料の減額を導くことがあるのに対し (⇒207条2項), 法と政治. 62 巻 3 号. ( 2011 年 10 月). 研 究. 259( 1380 ). ト.
(10) この義務についてはこのような事情は義務の履行に何らの変更をももたらさな い (Civ. 2e, 17 juill. 1985, Gaz. Pal. 1987. 1. 175) ことも両義務の相違として指. ). 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ︵ 4. 摘されうる。 [三] 親の養育義務は子の誕生と同時に発生するが, それはいつまで継続す るのか, とりわけ子の成年到達とともに消滅するのかが問題となる。 判例によ り, 子が成年に到達しても, 子が自ら生活に必要なものを供することができな いときには (たとえば, 高等教育を受けている場合), それが消滅しないこと が認められていたが (Civ. 2e, 29 mai 1996, D. 1997. 456), 2002年3月4日の 法律による民法典第371条の2・2項によって明文化された。 両親が離別した 場合については⇒373条の2の5参照。. 第204条. 子は, その父母に対して, 婚姻又は他の方法による自立のため. の訴権を有しない。 Art. 204. L’enfant n’a pas d’action contre ses
(11) et
(12). pour un . . par mariage ou autrement. 本条は, 子が父母に対して自立 ( . ) のための訴権を有しないこ と, すなわち, 子が職業に就いて自立するにあたって資本を与えたり, 子が婚 姻にあたって嫁資を供する義務が父母にはないことを規定する。 ローマ法では 父に娘に対する嫁資供与の義務が課せられ, これが成文法地方に受け継がれて いたが, 慣習法地方には 「欲せざる者は嫁資を与えず」 (Ne dote qui ne veut) という法諺が存した。 本条は, ナポレオン法典が, 成文法地方の法制度ではな く慣習法地方のそれを採用したことを意味している。 子は父母に対して 「訴権」 は有しないものの, このような義務も自然債務 (obligation naturelle) として は存在する, と解されている。. 第205条. (1972年1月3日の法律第3号) 子は, (扶養が) 必要であるそ. の父母又はその尊属に対して, 扶養料の義務を負う。 Art. 205 260( 1379 ). (L. 72 3 du 3 janv. 1972) Les enfants doivent des aliments 法と政治 62 巻 3 号 ( 2011 年 10 月).
(13) leurs et ou autres ascendants qui sont dans le besoin. 本条は, 子の直系尊属に対する扶養義務について規定する。 本条の 「子」 に は, 婚姻から生まれた子のみならず, 婚外子, 養子 (単純養子縁組の場合は,. 研 究. 養子は実親に対しても, 養親に対しても扶養義務を負う⇒367条) も含まれる。. ノ ー. なお, 傍系血族間においては, 兄弟姉妹間についても扶養義務を負わないこ. ト. とは, 日本民法と異なる点である [もっとも, 判例は兄弟姉妹間の扶養の自然 債務 (obligation naturelle) の存在を認める]。. 第206条. (1919年8月9日の法律) 婿及び嫁は, 同様に, かつ, 同じ事. 情のもとに, その義父母に対して扶養料の義務を負う。 ただし, この義務 は, 姻族関係を創設した夫婦の一方及び (その者と) 他方との結合から生 まれた子が死亡したときは消滅する。 Art. 206. (L. 9 1919) Les gendres et belles-filles doivent.
(14). et. dans les circonstances, des aliments leur beau- et belle- mais cette obligation cesse lorsque celui des qui produisait
(15) . et les enfants issus de son union avec l’autre sont . . . 本条は, 夫婦の一方がその配偶者の父母に対して扶養義務を負うこと, すな et belle- ) わち婿 (gendre)・嫁 (belle-filles) がその義父母 (beau- に対して扶養義務を負うことを規定する。 このような直系姻族間の扶養義務は 1親等に限られ, 夫婦の一方がその配偶者の祖父母に対して扶養義務を負うこ とはない。 また, 夫婦の一方の第一の婚姻から生まれた子が, その第二の婚姻 の配偶者に対して扶養義務を負うこともない。 婚姻が離婚によって解消された場合には, この扶養義務は消滅する (Civ. 13 juill. 1891, DP 93. 1. 353)。 婚姻が夫婦の一方の死亡によって解消されたときに は, この扶養義務は, 子が死亡した場合 (または夫婦間に子がいない場合) に のみ消滅する (子が死亡しても, 孫が生存している場合には扶養義務は消滅し ない)。 なお, ナポレオン法典原始規定では, 義母が再婚した場合には, 婿・嫁に対 法と政治. 62 巻 3 号. ( 2011 年 10 月). 261( 1378 ).
(16) する扶養請求権を失うことが規定されていたが, この規定は1919年8月9日の 法律によって廃止された。. 第207条. (1972年1月3日の法律第3号) ①これらの規定から生じる義. 務は, 相互的である。 ②ただし, 債権者が自ら, 債務者に対する自己の義務を著しく欠いたとき には, 裁判官は扶養義務の全部又は一部を債務者に対して免除することが できる。. ). 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ︵ 4. Art. 207. (L. n 723 du 3 janv. 1972) Les obligations
(17) de ces dis-. positions sont .
(18) . quand le aura lui-
(19) gravement ses obligations envers le
(20) le juge pourra celui-ci de tout ou partie de la dette alimentaire. [一] 本条1項は, 扶養義務の性質の一つである相互的性質 ( .
(21) ) を規定する [⇒本節の解説 [二] (2) 参照]。 直系血族・姻族間 の扶養義務は, 同一の者がその財産状況に従って, 債権者にも債務者にもなり うるという意味で相互的である。 したがってたとえば, 前条によって婿・嫁が その義父母に対して扶養義務を負うことが規定されているが, 事情によっては, 逆に義父母が婿・嫁に対して扶養義務を負うことになる。 夫婦間の 「扶助の義 務」 (⇒212条) にもこのような相互的性質があるが, 親の子に対する 「養育義 務」 にはこのような性質はない。 [二] 本条2項は, 債権者が債務者に対する自己の義務を著しく欠いたとき には扶養義務の全部または一部が免除されうることがあることを規定する (と りわけ親権の全面的取上げが言い渡された場合に, 子がその親に対する扶養義 務を免れることについては⇒379条2項)。 ただし, この裁判官による免除の権 限は, 夫婦間の 「救護の義務」 には適用されない (Civ. 1re, 17 janv. 1995, JCP 1995. II. 22407)。 「養育義務」 についても同様である (⇒203条の注釈 [二] 参 照)。. 262( 1377 ). 法と政治 62 巻 3 号 ( 2011 年 10 月).
(22) 第207条の1. 2001年12月3日の法律第1135号により削除 研. 第208条. (1972年1月3日の法律第3号) ①扶養料は, それを要求する. 者の必要およびそれを負う者の資産に従ってのみ認められる。 ②裁判官は, 職権によってでも, 事件の事情に従って, 現行の法律によっ て認められる変更条項を扶養定期金に付することができる。 Art. 208. (L. 723 du 3 janv. 1972) Les aliments ne sont que. dans la proportion du besoin de celui qui les .
(23) et de la fortune de celui qui les doit. Le juge peut,
(24) d’office, et selon les circonstances de.
(25).
(26) assortir la pension alimentaire d’une clause de variation permise par les lois en vigueur. [一] 本条は, 扶養料が債権者の扶養の必要性と債務者の資力を基準にして 付与されることを規定する。 具体的な扶養義務が発生するためには, 債権者, 債務者間に一定の親族関係が存在するだけでは不十分であり, 債権者が扶養の 必要な状態にあること, および債務者に資力があることが必要である。 債権者 が扶養の必要な状態にあるとは, 債権者が自らおよびその者が責任を負う家族 (子および配偶者) の生存を保証することができないことである。 債権者がこ のような状態にあるか否かは, 債権者の収入 (revenus) によって判断される。 債権者が資産を有していても, それが適切に管理されている限りその資産から 十分な収入を得ることができないなら扶養料を請求できる。 債権者が労働可能 であるにもかかわらず, 怠慢で職に就かなかったため収入がないときには, 扶 養義務は発生しない (あるいは扶養料が減額される)。 債権者のあらゆる収入 が考慮され, 社会保障給付も考慮の対象となる。 債務者に資力があるというた めには, その者が自らおよびその者が責任を負う家族の生活を満足させたのち なお余裕がなければならない。 [二] 扶養定期金の額も, 債権者の扶養の必要性と債務者の資力という二つ の要素を勘案して決められる。 扶養定期金の額は当事者の合意によって決定さ 法と政治. 62 巻 3 号. ( 2011 年 10 月). 263( 1376 ). 究 ノ ー ト.
(27) れうるが, 合意がない場合には, 家事事件裁判官 ( juge aux affaires familiales) によって決定されることになる。 なお, 裁判官は, 扶養定期金にスライド条項 (clause d’indexation) を付することができる (本条2項)。. 第209条. 扶養料を与える者又はそれを受ける者が, 一方がもはやそれを. 与えることができず, 又は他方がもはやその全部もしくは一部について必 要としないような状態に至ったときには, その免責又は減額が請求されう る。. ). 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ︵ 4. Art. 209. Lorsque celui qui fournit ou celui qui des aliments est. . dans un . tel, que l’un ne puisse plus en donner, ou que l’autre n’en ait plus besoin en tout ou en partie, la
(28) . ou .
(29) . peut en
(30)
(31) 本条は, 債権者の扶養の必要性および債務者の資力の変化に伴って, 扶養義 務の免責, 扶養料の減額・増額がなされうることを規定する。 扶養義務の性質 の一つである可変的性質 (⇒本節の解説 [二] (3) 参照) を宣言する規定で ある。 扶養定期金の額が当事者の合意によって定められた場合でも, 判決によ って定められた場合でも, その額の変更および免責は可能である。 なお, 増額 については規定されていないが, それが認められうることはいうまでもない。. 第210条. 扶養料を与えるべき者が扶養定期金を支払うことができないこ. とを証明する場合には, (1993年1月8日の法律第22号) ≪家族事件裁判 官≫は, 事情を調査したうえで, その者が扶養料の義務を負う者をその住 居に引き取り, 食料を与え, 養うことを命じることができる。 Art. 210. Si la personne qui doit fournir des aliments justifie qu’elle ne peut. payer la pension alimentaire, le (L. n9322 du 8 janv. 1993) juge aux affaires familialespourra, en connaissance de cause, ordonner qu’elle recevra dans sa demeure, qu’elle nourrira et entretiendra celui auquel elle devra des aliments. 264( 1375 ). 法と政治 62 巻 3 号 ( 2011 年 10 月).
(32) 本条は, 扶養義務の履行形態の一つである, 債務者が債権者を自らの家庭に 引き取り扶養するという形態 (引取扶養) が債権者に課せられることがあるこ とを規定する。 扶養義務の履行は, 扶養定期金の支払いの形態のみならず, 債 務者が債権者を自らの家庭に引き取るという形態 (引取扶養) でなされること もある。 夫婦間の 「扶助の義務」 や親の子に対する 「養育義務」 については,. 研 究 ノ ー. この形態が通常であろう。 しかし, このような義務についてはともかくとして, ト この形態は当事者の独立性を害するため, 債務者にそれが強制されることはな いし, 債権者に対しても, 本条および次条に従って裁判官のコントロールのも とにのみこの形態を課することができるのである。 本条によって, 家族事件裁 判官 ( juge aux affaires familiales) は, 債務者が扶養定期金を支払うことがで きないことを証明すれば, 債権者に引取扶養を強制することができることにな る。. 第211条. (1993年1月8日の法律第22号) ≪家族事件裁判官≫はまた,. 扶養料の義務を負う子をその住居に引き取り, 食料を与え, 養うことを申 し出る父または母が, この場合に, 扶養定期金を支払うことを免除される べきか否かを言い渡す。 Art. 211. Le (L. 9322 du 8 janv. 1993) juge aux affaires familiales. prononcera .
(33) si le ou la qui offrira de recevoir, nourrir et entretenir dans sa demeure, l’enfant qui il devra des aliments, devra dans ce cas
(34) de payer la pension alimentaire. 本条は, 前条とともに, 引取扶養の形態が債権者に課せられる場合の一つを 規定する。 本条によって, 父母が引取扶養を申し立て, 家族事件裁判官 ( juge aux affaires familiales) がそれを妥当とするなら, 子は, たとえ成年に達し, 原則として自由にその居所を選択できるとしても, 引取扶養で満足しなければ ならないのである。 この場合には, 前条のように, 父母は扶養定期金を支払う ことができないことを証明することは必要とされない。. 法と政治. 62 巻 3 号. ( 2011 年 10 月). 265( 1374 ).
(35) 第6節 夫婦各々の義務および権利 (Des devoirs et des droits respectifs des ). ). 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ︵ 4. [一] 本節は, 「夫婦各々の義務および権利」 の表題のもとに, 夫婦間にお ける相互の救護・扶助義務, 貞操義務 (⇒212条), 夫婦の生活共同の義務 (⇒ 215条), 婚姻費用の分担 (⇒214条), 夫婦各々の家事についての権限および家 事債務の連帯性 (⇒220条) などを規定する。 本節に置かれているのは, 選択 される夫婦財産制にかかわらず適用される公序に属する規定である (⇒226条)。 [二] ナポレオン法典制定前のフランスでは, 南部の成文法地方においては, ローマ法の影響を受け一般的に妻に行為能力が認められていた。 これに対して, 北部の慣習法地方においては, ゲルマン慣習法の影響を受け, 妻の人格および 財産は夫の夫権 (puissance maritale) に服した。 その帰結として, 妻は法的に は無能力であるとされ, 夫 (または裁判官) の許可なくして妻によってなされ た行為 (妻が夫の黙示の委任を受けていると考えられる日常生活のための行為 を除いて) は無効となった。 1804年のナポレオン法典は, 慣習法地方の原則を受け継いだといえよう。 法 典は, 「妻は夫に従う義務を負う」 (213条), 「妻は夫が居住するに適している と判断するいかなる地へも夫に従う義務を負う」 (214条) と規定し [逆に, 「夫は妻を保護する義務」 (213条) を負い, 「夫は妻を引き取り資力と身分に応 じて生活の需要に必要なすべてを供給する義務を負う」 (214条)], 夫権を承認 するとともに, 妻の無能力制度を採用した。 また法定財産制である動産後得財 産共通制 ( . de meubles et .
(36). ) は夫に共通財産についてのす べての権限を与え, また, 別産制が採用されたとしても妻は夫の同意または裁 判官の許可なしにはその財産を自由に処分することはできなかった。 しかし, 20世紀に入ると, 妻の無能力制度の廃止, 夫と妻の平等化へ向けて, 次のよう な多くの法改正が行われることになる。 (1) 1938年2月18日の法律 本法は, 妻の服従義務 (夫の保護義務) を廃止する―「夫権」 の廃止を意味 する―とともに, 妻の無能力制度を廃止し, 妻の完全行為能力を宣言する (同 法による215条)。 しかしながら, 夫は 「家族の長」 (chef de famille) としての 資格を与えられた (同法による213条)。 また, 夫婦財産制の規定は改正されず 266( 1373 ). 法と政治 62 巻 3 号 ( 2011 年 10 月).
(37) そのまま存置されたため, 妻の無能力制度の廃止もその実際上の意義を大きく 減じられることとなった。 研. (2) 1942年9月22日の法律 従来の夫婦財産制の基本構造を維持しながら, 本法は, 夫がその意思を表明 できない場合に裁判官の許可を得て妻が夫を代理することを認めるなど, いく つかの改正を行った。 (3) 1965年7月13日の法律 本法によって, 夫婦財産制の根本的改正が実現し, 新しい法定財産制として 後得財産共通制 ( .
(38) aux . ) が導入された。 本法は, 妻の固有財産の管理における夫の介入を禁止し, 妻による夫と別の職業の行使 に対する異議申立権を夫から奪い, 夫婦の協力を必要とする行為 (たとえば, 家族の住居に関する行為―215条3項) を増加させるなど, 夫と妻の平等化を 促進した。 (4) 1970年6月4日の法律 親権の父母による共同行使の原則を宣言した本法は, 夫から 「家族の長」 の 資格を奪い, 「夫婦は共同して家族の指導に当たる」 (213条) ことを規定した。 「家族の長である夫は, 家族の居所を選択する権利を有す」 (1938年2月18日の 法律による213条) との規定は, 本法によって, 「夫婦は, 相互に, 生活共同の 義務を負う」 (215条1項), 「家族の居所は, 夫婦が共同の一致で選択した場所 にある」 (同2項―しかし, 夫婦の意見が一致しなかった場合には, 家族の居 所を選択するのは夫とされた。 この点における夫の優位性が撤廃されるのは 1975年7月11日の法律によってである) と改正されている。 (5) 1985年12月23日の法律 1965年法による改正後も原則として夫が単独で共通財産を管理し, 処分する ことになっていたが, 本法は, 夫婦のそれぞれに単独で共通財産を管理し, 処 分する権限を授与した (1421条―一定の重要な行為については他方の同意が必 要であるが)。 この1985年の改正により, フランス法が夫と妻の完全な平等お よび夫に対する妻の自律性の承認を実現させることになったと評価できよう。. 法と政治 62 巻 3 号. ( 2011 年 10 月). 267( 1372 ). 究 ノ ー ト.
(39) 第212条. ). 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ︵ 4. 夫婦は, 相互に, (2006年4月4日の法律第399号)《尊敬》 , 貞. 操, 救護及び扶助の義務を負う。 Art. 212. Les se doivent mutuellement (L. 2006399 du 4 avr.. 2006) respect,
(40) secours, assistance. [一] 本条は, 婚姻から生ずる夫婦間の主な義務として, 尊敬の義務 (devoir de respect), 貞操の義務 (devoir de ), 救護の義務 (devoir de secours), 扶助の義務 (devoir d’assistance) を規定する。 [二] 貞操の義務 貞操の義務に違反する不貞とは, 「第三者と恋愛関係 (relation amoureuse) をもつこと」 (.
(41) op.cit., n 158) を意味する。 配偶者以外の者との肉体 関係―姦通 ( . )―がこれにあたることはもちろんであるが, 判例は 「精 神的不貞」 ( . .
(42) morale) がありうることを認める (Paris, 13 1986, Gaz. Pal. 1986. 1. 216)。 従来, 姦通は刑法上罰せられたが (妻の姦通は常に罰せられたのに対し, 夫のそれは夫婦の住居でなされた場合 にのみ罰せられた), 1975年7月11日の法律によって刑事罰の対象ではなくな った。 民法上においては, 姦通 (不貞) は離婚原因となる。 もっとも, 従来は それが立証される限り裁量の余地がなく離婚が宣告されねばならない, いわゆ る絶対的 (離婚) 原因 (cause . ) であった姦通は, 1975年7月11日 の法律以降は, 裁判官の裁量が認められる裁量的 (離婚) 原因 (cause facultative) にすぎなくなっている (また, 限定的に列挙されていた離婚原因が抽象 化・一般化されている⇒242条)。 また, 姦通した配偶者 (さらにはその相手) に対して, 他方配偶者は, 民法典第1382条に基づいて損害賠償を請求すること ができる。 この損害賠償の請求は離婚請求とともになされることが多いが, 婚 姻の解消によって惹起される損害の賠償を目的とする第266条の損害賠償とは 異なる。 [三] 救護の義務 救護の義務とは, 各配偶者が他方配偶者に, 後者が (扶養の) 必要状態にあ る場合に, その者の生存に不可欠なすべてを供給する義務である。 扶養義務は, 夫婦間においてはこの救護の義務として表れる。 しかし, 夫婦が同居する場合 268( 1371 ). 法と政治 62 巻 3 号 ( 2011 年 10 月).
(43) には, この義務は婚姻費用の分担 (⇒214条) に覆い隠され, それに吸収され る。 夫婦が別居 ( de corps) する場合には, 救護の義務が扶養定期 金 (pension alimentaire) の形態で果たされることになる (⇒303条, 離婚訴訟 中の仮の措置としては⇒255条)。 [四] 扶助の義務 救護の義務が夫婦間の金銭的・財産的義務 (扶養義務の一表現である) であ るのに対して, 扶助の義務は, 病気または高齢の配偶者の身のまわりの世話を したり, 配偶者が困難を克服するよう励まし・慰めを与えることなどをその内 容とする, 非財産的・精神的義務である。 [五] 尊敬の義務 2006年4月4日の夫婦間暴力に関する法律は, 本条の上のような3つの義務 に相互に尊敬する義務を追加した。. 第213条. (1970年6月4日の法律第459号) 夫婦は, 家族の精神的及び物. 質的指導に共同して当たる。 夫婦は, 子の育成に資し, その将来に備える。 Art. 213. (L. 70459 du 4 juin 1970) Les assurent ensemble la di-. rection morale et . de la famille. Ils pourvoient . des enfants et . leur avenir. 本条は, 夫婦が共同して家族の指導に当たることを規定する。 (親権の父母 による共同行使の原則を宣言した) 1970年6月4日の法律による親権法の改正 に伴い改正された規定である。 かつて本条に規定されていた妻の服従義務 (夫 の保護義務) が1938年2月18日の法律によって消滅した後も夫に与えられてい た 「家族の長」 たる資格は, ここに消滅した (⇒本節の解説 [二] 参照)。 も はや妻は夫の補佐役ではなく, 夫と対等な立場で, 夫とともに家族的責任を果 たすことになったのである。 このような夫と妻による, 集団的指導 (direction. .
(44) . ) が家族の利益 ( de la famille) に合致するようになされなければならないことは, 規定 はされてはいないが当然である。 「精神的及び精神的」 と規定される家族の指 導は, 財産的であるか非財産的かにかかわらず, 家族に関するすべての問題を 法と政治. 62 巻 3 号. ( 2011 年 10 月). 269( 1370 ). 研 究 ノ ー ト.
(45) 含むことになる。 しかしながら, 夫婦の個人的自由は維持されなければならず, 一方配偶者の政治的・宗教的・職業的選択は, それが夫婦の共同生活を危険に さらすことのない限り, 他方配偶者によって尊重されなければならない。 夫婦による指導は原則として夫婦の合意に基づいてなされなければならない が, 例外的に, 夫婦が合意に至らなかった場合でも, 一方配偶者が家族の利益 を危険にさらすならば, 他方配偶者が裁判官に家族の利益が要請する緊急措置 を命じることを要求することなどが認められている (⇒220条の1, 217条)。. ). 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ︵ 4. 第214条. (1965年7月13日の法律第570号) ①夫婦財産についての合意が. 婚姻費用の夫婦の分担を定めていない場合には, 夫婦は各々の資力に応じ てそれを分担する。 ②夫婦の一方がその義務を果たさない場合には, 他方は民事訴訟法によっ て定められる形式に従ってその義務を強制することができる。 Art. 214. (L. 65 570 du 13 juill. 1965) Si les conventions matrimoniales. ne pas la contribution des
(46) aux charges du mariage, ils y contribuent proportion de leurs . respectives. Si l’un des.
(47) ne remplit pas ses obligations, il peut y . contraint par l’autre dans les formes . au code de
(48) . civile. [一] 本条は, 婚姻費用の分担に関して規定する。 本条は, ナポレオン法典 原始規定においては, 「夫は資力と身分に応じて生活の需要に必要なすべてを 供給する義務を負う」 と規定されていたが, その後1938年2月18日の法律, 1942年9月22日の法律を経て, 1965年7月13日の法律によって現行の第1項の ように改められた。 もっとも, 1965年の改正の段階では, 婚姻費用は主として 夫によって負担され, 妻は夫に協力する立場にすぎなかったが (旧2項・3項), 1975年7月11日の法律によってこれらの規定は削除された。 [二] 婚姻費用の分担は, 「救護の義務」 (⇒212条) のように扶養の必要状 態を前提とするものではない。 また婚姻費用とは, 家庭維持のための費用であ り, 衣食住の費用, 子の教育費がそれに含まれることはもちろんであるが, そ のような必要費に限定されるわけではなく, 娯楽のための費用 (バカンスや旅 270( 1369 ). 法と政治 62 巻 3 号 ( 2011 年 10 月).
(49) 行の費用) も含まれる。 婚姻費用の分担義務の履行は, 金銭の給付によってなされることが多いが, 家事労働などによることも可能である。 事実上の別居 ( de fait) の 場合にも, 婚姻費用の分担義務が履行されなければならない (Civ. 1re, 24 oct.. 研 究. 1977, Bull. civ., I, n 383)。 しかしながら, その別居につき有責である配偶者に. ノ ー. 対する分担義務が免除されることがありうる (Civ. 1re, 14 mars 1973, D. 1974.. ト. 453)。 婚姻費用の分担義務が履行されない場合には, 履行強制の手段がとられる。 1973年1月2日の法律によって制度化された, 「扶養定期金の直接弁済」 の手 続がこの場合にもとられうる。 さらには, 1975年7月11日の法律によって創設 された, 「公的取立て」 の手続を利用することも可能である (これらの手続に ついては⇒第5節の解説 [四] 参照)。 この分担義務の不履行が離婚原因とな ることはいうまでもない (刑法第227条の3に規定される家族遺棄罪を構成す ることもある)。. 第215条. ① (1970年6月4日の法律第459号)《夫婦は, 相互に, 生活共. 同の義務を負う。》 ② (1975年7月11日の法律第617号)《家族の居所は, 夫婦が共同の一致で 選択した場所にある。》 ③ (1965年7月13日の法律第570号) 夫婦は, その一方のみでは, 家族の 住宅を保障する権利も, それに備え付けられた家具も処分することができ ない。 その行為に同意しなかった夫婦の一方は, その無効を請求すること ができる。 無効の訴えは, その者がその行為を知った日から1年間認めら れる。 ただし, 夫婦財産制が解消した後1年を超えれば提訴されえない。 Art. 215. (L.
(50) 70 459 du 4 juin 1970) Les s’obligent mutuelle-. ment une de vie. (L.
(51) 75617 du 11 juill. 1975) La de la famille est au lieu qu’ils choisissent d’un commun accord. (L.
(52) 65 570 du 13 juill. 1965) Les ne peuvent l’un sans l’autre 法と政治. 62 巻 3 号. ( 2011 年 10 月). 271( 1368 ).
(53) disposer des droits par lesquels est . le logement de la famille, ni des. ). 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ︵ 4. meubles meublants dont il est garni. Celui des deux qui n’a pas
(54) son consentement l’acte peut en demander l’annulation : l’action en . lui est ouverte dans partir du jour il a eu connaissance de l’acte, sans pouvoir jamais . . plus d’un an que le . matrimonial s’est dissous. [一] 本条は, 生活共同 ( de vie) の義務 (1項), 家族の居所 ( .
(55) de la famille) の選択 (2項), および家族の住宅 (logement de la famille) の保護 (3項) について規定する。 [二] 1970年6月4日の法律は, 従来の規定が 「妻は夫と同居する義務を負 う」 とし, 妻に 「同居義務」 (devoir de cohabitation) を課していたのを改め, 本条1項のように, 夫婦が互いに 「生活共同の義務」 (devoir de de vie) の義務を負うとした。 この 「生活共同」 には, 「居所の共同」 ( de .
(56). ) のほか, 「ベッドの共同」 ( de lit) が含まれる。 (1) 「ベッドの共同」 義務. 夫婦は, 互いに, 医学的理由のある場合. や例外的な場合 [臨終婚 (mariage in extremis) の場合, 高齢者の場合など] を除いて, その配偶者と性的 (肉体的) 関係を維持する義務がある [いわゆる, (性交を拒絶しない) 夫婦の義務 (devoir conjugal) である]。 このような関係 の拒絶は, フォート (faute) を構成し, 損害賠償義務を発生させるとともに, 離婚原因となる。 なお, この義務に関連して, 夫婦間に強姦罪 (viol) が成立するか否かが争 いとなった。 それを否定していた判例は, やがて肯定するに至る (Crim. 5 sept. 1990, Bull. crim., 313)。 さらには, 2006年4月4日の夫婦間暴力に関 する法律が, 夫婦間に強姦罪が成立しうることを明文化した (刑法典222条の 22)。 (2) 「居所の共同」 義務. 夫婦は居所を共同にする義務を負うが, 1970. 年6月4日の法律による改正までは, 家族の居所は夫によって選択されること になっていた。 1970年の法律は, その点を改正し, この選択が夫婦の合意によ ってなされることを規定するに至ったが, 両者が合意に至らない場合には, 夫 272( 1367 ). 法と政治 62 巻 3 号 ( 2011 年 10 月).
(57) によって決められることとしていた。 もっとも, 夫によってなされた選択が家 族に重大な不都合を生じさせるときには, 妻は別の居所をもつことを裁判所に 許可してもらうことができた。 しかしながら, 1975年7月11日の法律は, 合意 に至らない場合における夫の優先性および妻の裁判所への訴求の規定を削除す. 研 究. るに至った。 したがって, 現行規定のもとでは, 夫婦が家族の居所をめぐって. ノ ー. 合意に至らない場合に, 夫婦の一方が裁判所に解決を求めることが可能である. ト. のかどうかが問題となる。 このような場合は離婚・別居の手続に帰着するので あり, 裁判所の介入は無意味であるとする立場と, それを可能とする (220条 の1・1項参照) 立場が対立している。 夫婦の一方は, 他方がその義務に違反する場合 (虐待の場合, 救護義務不履 行の場合など) には, 夫婦間の義務の相互依存性を根拠にして, 居所の共同を 終了させうることが認められる。 また, 次の3つの場合には, 裁判官が夫婦の 事実上の別居 ( de fait) を組織することが認められる。 ①裁判官が 離婚訴訟において仮の措置として夫婦が別個に居所を有することを許可する場 合 (⇒255条), ②裁判官が離婚訴訟を終局的に排斥するときに家族の居所につ いて裁判する場合 (⇒258条), ③裁判官が, 夫婦の一方による暴力があったと きに夫婦の別居についての裁判をする場合 (⇒220条の1・3項)。 夫婦の一方が家族の居所を去って帰らない場合に, 他方が罰金強制 (アスト ラント=astreinte) により家族の居所に戻らせることは, (一部の学説にはな おそれを可能とするものがあるが) 一般には今日では認められないとされる。 他方が民法典第1382条の基づき損害賠償請求をすること, あるいは第242条に 基づき離婚を請求することは可能である。 また, 判例は, このような別居に責 任のある一方は他方が婚姻費用を分担することを請求する権利を奪われること を認める (⇒前条注釈 [二] 参照)。 [三] 本条3項は, 家族の利益, 家族の生活環境を保護するために, 家族の 住宅についての共同管理 (cogestion) の原則を規定する。 すなわち, 夫婦は その一方だけでは, 家族の住宅を保障する権利およびそれに備え付けられた家 具を処分することができないのである。 本項にいう 「権利」 は, 所有権, 共同 所有権, 用益物権, 賃借権, 使用継続権 (droit au maintien dans les lieux) な ど, それによって家族の住宅が保障されるところの, すべての物権・債権を含 法と政治 62 巻 3 号. ( 2011 年 10 月). 273( 1366 ).
(58) む。 また, 本項のいう 「処分」 とは, 家族からその住宅を奪うに至る, 売買, 贈与, 組合への出資 (apport en ), 約定抵当権 ( .
(59) conven-. ). 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ︵ 4. tionnelle) の設定などの処分行為である。 判例は, 死因処分については, これ に含めない (Civ. 1re, 22 oct. 1974, D. 1975. 645)。 処分行為が夫婦の合意なし になされた場合には, 合意を与えなかった配偶者のみがその行為の無効を主張 することができる (この無効は相対的無効―
(60) relative―である)。 夫婦の 一方が濫用的な拒絶をしたときには, 他方配偶者は裁判官に許可を求めること ができる。 この規定は, 婚姻が継続している限り, 別居・事実上の別居の場合でも離婚 訴訟中でも適用される。. 第216条. (1965年7月13日の法律第570号) 夫婦の各々は, 完全な法律上. の能力を有する。 ただし, その権利及び権限は, 夫婦財産制の効果及び本 節の規定の効果によって制限されうる。 Art. 216. (L. 65 570 du 13 juill. 1965) Chaque
(61) a la pleine . de droit; mais ses droits et pouvoirs peuvent par l’effet du matrimonial et des dispositions du chapitre. 本条は, 夫婦の各々が完全な行為能力を有することを宣言する。 1804年のナ ポレオン法典においては, 妻は夫婦財産制のいかんを問わず, 夫の許可なしに は譲渡・取得・債務負担行為をなすことができないと規定され (ナポレオン法 典原始規定217条), 一般的法律行為について妻が無能力であるという原則が宣 言された (もっとも, 夫が許可を拒否した場合―同上218条―や夫が禁治産ま たは生死不明の場合―同上222条―に裁判所の許可がそれに代わりうることが 認められていた。 また, 遺言については夫の許可は必要とはされなかった―同 上226条)。 しかし, 妻が家庭内にとどまっているうちはともかく, 妻が職業活 動を営むようになると, このような妻の無能力制度は多くの不都合を生じさせ, それへの批判が強まった。 20世紀に入ると, 1907年7月13日の法律が夫と別個 の職業を営む妻にその労働からの収入について自由に処分しうることを認める など, 妻の行為能力の拡張が図られ, やがて1938年2月18日の法律が 「妻は民 274( 1365 ). 法と政治 62 巻 3 号 ( 2011 年 10 月).
(62) 事能力を完全に行使することができる」 (旧215条) と規定するに至る。 しかし 1938年の法律による妻の無能力制度の廃止も, 夫婦財産制度を改正することな くそのまま存置させたため, その実際上の意義を大きく減じられることとなっ た。 夫婦平等に向けて夫婦財産制度が改正されるには, さらに1965年7月13日 の法律を待たなければならなかった (⇒本節の解説 [二] 参照)。. 研 究 ノ ー ト. 第217条. (1965年7月13日の法律第570号) ①夫婦の一方は, その配偶者. がその意思を表明することができない場合又はその拒否が家族の利益によ って正当化されない場合には, その配偶者の協力又は同意を必要とする行 為を単独で行うことを裁判所によって許可されうる。 ②裁判所の許可によって定められた条件のもとになされた行為は, その協 力または同意がなかった配偶者に対抗できる。 ただし, そのことによって その者にいかなる個人的義務も生じさせない。 Art. 217. (L. 65 570 du 13 juill. 1965) Un peut .
(63) . par. justice passer seul un acte pour lequel le concours ou le consentement de son conjoint serait
(64). si celui-ci est hors .
(65) de manifester sa ou si son refus n’est pas . . par . . de la famille. L’acte
(66) dans les conditions . par l’autorisation de justice est opposable dont le concours ou le consentement a fait
(67) sans qu’il en. . sa charge aucune obligation personnelle. [一] 本条は, 配偶者の一方がある行為をなすにつき他方配偶者の協力 (同 意) が必要であるにもかかわらずその協力 (同意) が得られない場合に, 単独 でその行為をなすことの許可を裁判所に請求しうることを規定する。 他方配偶 者がその意思を表明できないためにその協力 (同意) が得られない場合, また は他方配偶者がその協力 (同意) を拒否した場合に本条は適用される。 後者の 場合にも適用がある点は第219条と異なるところであり, この場合には, 裁判 官はその拒否が家族の利益 (夫婦の利益とは必ずしも一致しない―子の利益が 含まれる) によって正当化されるか否かを判断しなければならない。 本条は, 婚姻が継続している限り, 事実上の別居の場合でも離婚訴訟中でも適用がある。 法と政治. 62 巻 3 号. ( 2011 年 10 月). 275( 1364 ).
(68) [二] 配偶者の一方が裁判所にこのような請求をなしうるのは, 「その配偶 者の協力又は同意を必要とする行為」, すなわち配偶者の一方が権限を有する. ). 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ︵ 4. が, [他方配偶者がそれに協力 (同意) することが求められるため] その権限 が不完全である行為についてのみである。 したがって, 当該行為が他方配偶者 の排他的権限に属する場合 (たとえば他方配偶者の固有財産に関する行為の場 合) には, このような請求はできない。 また, その主たる権限が他方配偶者に あり, 自らは単にそれに同意するにすぎない行為についてこのような請求をす ることも認められない。 したがって例えば, 他方配偶者の固有財産である家族 の住宅 (⇒215条3項) を処分するために, それに同意を求められるのみの配 偶者が裁判所に単独で処分行為をなすことの許可を求めることはできないので ある。 [三] 裁判所の許可は, 特定の行為に限定してなされなければならない。 ま た, 許可を得た配偶者は自らの個人的名義 (en son nom personnel) で行為す るのであり, 他方配偶者を代理してではない。 したがって, その行為を他方配 偶者に対抗できるが, 他方配偶者が個人的に義務を負うことはない。. 第218条. (1965年7月13日の法律第570号) 夫婦の一方は, 夫婦財産制が. その者に付与する権限の行使にあたり, その者を代理することについて, 他方に委任を与えることができる。 (1985年12月23日の法律第1372号)《夫 婦の一方は, すべての場合において, 自由にこの委任を撤回することがで きる。》 Art. 218. (L.
(69) 65570 du 13 juill. 1965) Un peut donner mandat . l’autre de le dans l’exercice des pouvoirs que le . matrimonial lui attribue. (L.
(70) 85 1372 du 23 1985) Il peut, dans tous les cas, . librement ce mandat. 本条は, 夫婦の一方が, 夫婦財産制がその者に付与する権限の行使について, その者を代理するために他方配偶者に委任 (mandat) を与えることができる ことを規定する。 次条 (219条) に規定される代理が 「司法上の代理」 ( . . judiciaire) と呼ばれるのに対し, 本条による代理は 「約定の代理」 ( 276( 1363 ). 法と政治 62 巻 3 号 ( 2011 年 10 月).
(71) . conventionnelle) と呼ばれる。. 第219条. (1965年7月13日の法律第570号) ①夫婦の一方がその意思を表. 明することができない場合に, 他方は, 夫婦財産制から生ずる権限の行使 について, 一般的にまたは一定の特別な行為のために, その者を代理する ための授権を裁判所によって受けることができる。 この代理の条件又は範 囲は, 裁判所によって定められる。 ②法定の権限, 委任, 又は裁判所による授権がない場合に, 夫婦の一方に よって他方を代理してなされた行為は, 他方に関しては事務管理の規定に 従って効力を有する。 Art. 219. (L.
(72) 65570 du 13 juill. 1965) Si l’un des . se trouve hors. de manifester sa . . l’autre peut se faire habiliter par justice le d’une ou pour certains actes particuliers, dans l’exercice des pouvoirs du matrimonial, les conditions et de cette . . par le juge. A de pouvoir de mandat ou d’habilitation par justice, les actes faits par un . en . de l’autre ont effet, de celui-ci, suivant les de la gestion d’affaires. 本条は, 配偶者の一方がその意思を表明することができないときには, 他方 がその者を代理するための授権を裁判所に請求しうることを規定する。 「司法 上の代理」 ( . judiciaire) または 「司法上の授権」 (habilitation judiciaire) と呼ばれる制度である。 このような請求は, 夫婦の一方が 「その意思を表明することができない場合」 にのみ可能である。 意思を表明することの不可能は, 遠隔地滞在, 疾病, 高齢, 精神的能力の減退などを原因として生じうる。 裁判官は, 特定の行為に限定して授権することができるだけでなく, 一般的 な権限を授与することもできる。 また, その配偶者を代理する権限を与えられ た他方配偶者は自らの個人的名義 (en son nom personnel) で行為するのでは なく, 本人の名義で代理人として行為するのであるから, 本人である配偶者の 法と政治. 62 巻 3 号. ( 2011 年 10 月). 277( 1362 ). 研 究 ノ ー ト.
(73) みが個人的に義務を負う (これらの点, 217条の場合と異なる)。. 第220条. (1965年7月13日の法律第570号) ①夫婦の各々は, 家庭の維持. 又は子の育成を目的とする契約を単独で締結するための権限を有する。 一 方によってこのように負担されたすべての負債は, 他方に連帯的に義務を 負わせる。 ②ただし, 連帯責任は, 家庭の暮らし向き, 取引の有益性又は無益性, 第 三者たる契約者の善意又は悪意を考慮して, 明らかに過大である費用につ. ). 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ︵ 4. いては生じない。 ③ (1985年12月23日の法律第1372号)《割賦による購入, それが日常生活 に必要なわずかな金額ではない限りにおいては借財についても, それらが 夫婦双方の同意で締結されなかった場合には, 連帯責任は生じない。》 Art. 220. (L. 65570 du 13 juill. 1965) Chacun des .
(74) a pouvoir pour. passer seul les contrats qui ont pour objet l’entretien du ou des enfants : toute dette ainsi par l’un oblige l’autre solidairement. La n’a pas lieu, pour des . manifestement excessives, eu au train de vie du ou de . la bonne ou mauvaise foi du tiers contractant. (L. 85 1372 du 23 1985) Elle n’a pas lieu non plus, s’ils n’ont conclus du consentement des deux
(75) pour les achats . ni pour les emprunts moins que ces derniers ne portent sur des sommes modestes aux besoins de la vie courante. [一] 本条は, 夫婦各々の家事についての権限および家事債務の連帯性につ いて規定する。 1804年のナポレオン法典には本条のような規定は存在せず, 妻 は無能力者とされたため, 妻が行うすべての法律行為について夫の許可が要求 された。 そこで判例は, 黙示の委任理論 ( du mandat tacite) を採用し, 夫が家事に関する行為を行う権限を妻に付与したとみて, このような制度の不 都合を避けようとした。 このような構成のもとでは, 妻は夫の代理人にすぎず 自ら債務を負わないことになる。 また, 夫は妻の権限を奪うことができた。 や 278( 1361 ). 法と政治 62 巻 3 号 ( 2011 年 10 月).
(76) がて, 1942年9月22日の法律が, 家庭の必要のために妻には夫を代理する法的 権限があることを明文で規定するに至る (もっとも, 夫が妻の権限を取り上げ ることが認められていた)。 本条1項のように, 夫婦の各々が家事に関する権. 研. 究 限を有するとの規定に改められたのは, 1965年7月13日の法律によってである。 ノ [二] 夫婦の各々は, 「家庭の維持」 (entretien du ) または 「子の育 ー 成」 ( .
(77) des enfants) のための契約を単独で締結する権限を有し, これ によって負担される債務については, 他方配偶者も連帯責任を負う (1項)。 「家庭の維持」 のために負担される債務には, 食費, 被服費, 住居費, 医療費, 交通費, 家族のレジャーのための費用などが含まれる。 「子の育成」 のために 負担される債務としては, 授業料, 書籍代, 諸活動費などがある。 このような連帯性は, 婚姻そのものをその根拠とするのであり, 夫婦の共同 生活を根拠にするのではない。 したがって, 別居・事実上の別居の場合にも, 離婚訴訟中でも, 連帯性は維持される (これに対して, 内縁の場合は排除され る)。 夫婦が連帯責任を負うことになれば, 夫婦の各々は債務の全額について, その個人財産によって責任を負うことになる。 もっとも, 債務を履行した夫婦 の一方は, 婚姻費用の分担額に従って他方に求償することができる。 [三] 連帯責任は, 次の2つの場合には排除される。 第1に, 明らかに過大 である費用 (2項)。 明らかに過大であるか否かは, 家庭の暮らし向き (train de vie du ), その費用が有益かどうか, 契約の相手方が善意か悪意か を考慮して, 裁判官によって判断される。 第2に, 割賦による購入 (achats . . ), あるいは日常生活に必要なわずかな金額とはいえない借財 (3項)。. 第220条の1. (1965年7月13日の法律第570号) ①夫婦の一方がその義務. を著しく欠き, それによって家族の利益を危険にさらす場合には, (1993 年1月8日の法律第22号)《家族事件裁判官》は, これらの利益が要請す るあらゆる緊急の措置を命ずることができる。 ②家族事件裁判官は, とくに夫婦の一方が他方の同意なしに, 動産であれ 不動産であれ, その固有財産又は共通財産についての処分行為をなすこと 法と政治. 62 巻 3 号. ( 2011 年 10 月). 279( 1360 ). ト.
(78) を禁止することができる。 家族事件裁判官はまた, 動産の移動を禁止する ことができる。 ただし, 配偶者の一方又は他方の個人的使用のために割り 当てる動産を特定することを妨げない。 ③ (2004年5月26日の法律第439号)《夫婦の一方によって行使される暴力 がその配偶者, 子の一人又は多数を危険にさらすときには, 裁判官は夫婦 のいずれが夫婦の住宅に続けて居住するかを明確にして, 夫婦の別居住に ついて裁判することができる。 特別の事情がない限り, この住宅の利用は 暴力を行った者ではない配偶者に付与される。 裁判官は, 必要がある場合. ). 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ︵ 4. には, 親権の行使の態様及び婚姻費用の分担について言い渡す。 取られた 措置は, その言い渡しから4カ月の期間の満了時に離婚又は別居のいかな る申請も申し立てられていない場合には, 失効する。》 ④《本条の適用によって取られる他の措置の期間は, 裁判官によって特定 されなければならない。 その期間は, 場合によっては認められる延長を含 めて, 3年を超えることはできない。》 Art. 220 1. (L. 65 570 du 13 juill. 1965) Si l’un des manque. gravement ses devoirs et met ainsi en . les.
(79) . . de la famille, (L. 9322 du 8 janv. 1993) le juge aux affaires familialespeut prescrire toutes les mesures urgentes que requierent ces.
(80) Il peut notamment interdire cet de faire, sans le consentement de l’autre, des actes de disposition sur ses propres biens ou sur ceux de la
(81) meubles ou immeubles. Il peut aussi interdire le
(82) des meubles, sauf . . ceux dont il attribue l’usage personnel l’un ou l’autre des conjoints. (L. 2004 439 du 26 mai 2004) Lorsque les violences . par l’un des mettent en danger son conjoint, un ou plusieurs enfants, le juge peut statuer sur la .
(83) . des en .
(84) lequel des deux continuera . dans le logement conjugal. Sauf circonstances . . la jouissance de ce logement est . au conjoint qui n’est pas l’auteur des violences. Le juge se prononce, s’il y a lieu, sur les . 280( 1359 ). 法と政治 62 巻 3 号 ( 2011 年 10 月).
(85) d’exercice de . parentale et sur la contribution aux charges du mariage. Les mesures prises sont caduques si, l’expiration d’un . de quatre mois compter de leur aucune
(86)
(87) en divorce ou en . de corps n’a
(88) La
(89) des autres mesures prises en application du
(90) article doit
(91)
(92)
(93) par le juge et ne saurait, prolongation
(94)
(95).
(96)
(97) comprise,
(98) trois ans. 本条は, 家族の利益を保護するために, 裁判官が緊急の措置をとりうること を規定する。 このような裁判官の介入が可能であるためには, まず, ①夫婦の一方がその 義務を著しく欠くことが必要である。 この義務違反には, 不貞, 生活共同の義 務 (⇒215条) 違反などの非財産的義務違反と婚姻費用分担義務 (⇒214条) の 不履行のような財産的義務違反が含まれる。 また, このような義務違反のほか, ②それによって家族の利益を危険にさらすこと, さらには, ③緊急性があるこ とも必要である。 裁判官のとりうる措置として, 第2項は固有財産 (propres biens) または共 通財産 (biens de la ) の処分の禁止, 動産の移動 ( .
(99)
(100) ) の禁止という2つの消極的措置のみを規定するが, これらは例示にすぎない。 これらのほか, 一定額以上の金銭の消費や借財の禁止などの消極的措置も可能 であるし, 共通財産を管理するための管理人の選任のような積極的措置も可能 である。 2004年5月26日の法律は, 配偶者または子に暴力を行う夫婦の一方の 家族の住宅からの追出しを裁判官が命じることを可能にした (3項)。. 第220条の2. (1965年7月13日の法律第570号) ①命令が, その譲渡が公. 示を必要とする財産について処分行為をなすことの禁止に関する場合には, その命令は申請する夫婦の一方の請求により公示されなければならない。 この公示は, 命令によって特定された期間の満了によって失効する。 ただ し, 関係当事者がその期間中に同一の方法で公示される変更の命令を得る 法と政治. 62 巻 3 号. ( 2011 年 10 月). 281( 1358 ). 研 究 ノ ー ト.
(101) ことを妨げない。 ②命令が有体動産を処分すること又はそれらを移動することの禁止に関す る場合には, 命令は申請者によってその配偶者に送達され, その者を差押 えを受けた者と同一の条件でその動産について責任を負う保管人とする効 果をもつ。 第三者に送達されると, 命令はその者を悪意とする。 (L. 65570 du 13 juill. 1965) Si l’ordonnance porte inter-. Art. 2202. diction de faire des actes de disposition sur des biens dont . . est sujette
(102) . elle doit
(103) la diligence de
(104). . ). 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ︵ 4. Cette publication cesse de produire effet l’expiration de la
(105) . . par l’ordonnance, sauf la partie obtenir dans l’intervalle une ordonnance modificative, qui sera
(106) de la Si l’ordonnance porte interdiction de disposer des meubles corporels, ou de les
(107) elle est par le son conjoint, et a pour effet de rendre celui-ci gardien responsable des meubles dans les conditions qu’un saisi. un tiers, elle le constitue de mauvaise foi. 本条第1項は, 前条で規定される裁判官による財産処分禁止の措置命令が, その財産の譲渡につき公示が必要とされる場合には, 申請者たる配偶者の請求 によって公示されなければならないことを規定する。 本条第2項は, 有体動産 (meubles corporels) の処分・移動禁止の命令が, 申請者たる配偶者によって他方配偶者に送達されることなどを規定する。. 第220条の3. (1965年7月13日の法律第570号) ①命令に違反してなされ. たすべての行為は, それらが悪意の第三者との間で行われた場合, 又はそ の譲渡が公示を必要とする財産に関しては, それらが単に前条に規定され る公示の後である場合には, 申請配偶者の請求によって無効とすることが できる。 ②無効の訴えは, 申請配偶者に, その者がその行為を知った日から2年間 認められる。 ただし, この行為が公示を必要とする場合には, その公示の 282( 1357 ). 法と政治 62 巻 3 号 ( 2011 年 10 月).
(108) 後2年を超えれば提起されえない。 Art. 2203. (L. 65570 du 13 juill. 1965) Sont annulables,
(109) la demande. du conjoint tous les actes accomplis en violation de l’ordonnance, s’ils ont avec un tiers de mauvaise foi, ou s’agissant d’un bien dont est sujette
(110) s’ils sont simplement .
(111) la publication par l’article L’action en est ouverte
(112) . pendant deux
(113) partir du jour il a eu connaissance de l’acte, sans pouvoir jamais . si cet acte est sujet
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