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グランパスのサッカーの勝因に関する統計的分析

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Academic year: 2021

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グランパスのサッカーの勝因に関する統計的分析

2010SE019藤野翔太 指導教員:木村美善

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はじめに

私は,Jリーグの名古屋グランパスをよく応援している. サッカーの試合を観戦するにあたり,どのようなことが試 合の勝因に大きく関与しているのか知りたいと思った.そ れを知ることで今まで漠然と見ていた試合が,より見応え のあるものになると考えた.また,あまり試合を見ない人 でもどのような点が勝因に関わっているかを知ることが出 来れば,楽しくサッカーの試合を見ることが出来るのでは と考えた.では,どのようなことが勝因に関わってくるの だろうか.サッカーは90分間で勝敗が決まる.試合の経 過時間や時間帯ごとの得失点など,様々なことが関わって いると思われる.本研究では勝敗に何が影響しているかを 探るために2012年と2013年のJリーグの名古屋グラン パスのデータ全68試合で判別分析,主成分分析,クラス ター分析を行った.

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データについて

Jリーグの公式HPや名古屋グランパスのHPの情報か ら作成した2012年のJリーグの名古屋グランパスの対戦 データを用いる([2],[3]参照).また判別式の有効性を調 べるために,2011年のJリーグの5試合を使用した.変 数としてx1(勝敗)(ただし,今回の研究では勝因を知りた いので引き分けは負けとして分析した),x2(0∼15分の得 点),x3(16∼30分の得点),x4(31∼45分の得点),x5(46 ∼60分の得点),x6(61∼75分の得点),x7(76∼90分の得

点),x8(先制点),x9(前半リード),x10(home and away),

x11(シュート数),x12(コーナーキック数),x13(フリーキッ ク数),x14(0∼15分の失点),x15(16∼30分の失点),x16(31 ∼45分の失点),x17(46∼60分の失点),x18(61∼75分の 失点),x19(76∼90分の失点),また先制点を取った時間帯 の変数x20(0∼15分での先制点),x21(16∼30分での先制 点),x22(31∼45分での先制点),x23(46∼60分での先制 点),x24(61∼75分での先制点),x25(76∼90分での先制 点)を使用している.

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判別分析

得られる判別式の有効性を調べるためにランダムに5試 合取り除き,全63試合のデータを使い分析した(8,17, 22,35,60試合目を取り除く).x1(勝敗)を目的変数y とし,x2,· · · x25を説明変数として分析を行った.変数選 択の過程で変数間に相関が見つかったため,不要な変数 を除いた(x9, x16,x20, x22の前半リード,31∼45分の失 点,0∼15分での先制点,31∼45分での先制点を取り除 いた).外れ値は無く,残差プロット図やテコ比とクック の距離も考慮したが,特に大きく外れているものが無かっ 表1 判別分析結果 変数 係数 平均(負) 平均(勝) x2 1.018 0.111 0.373 x3 0.000 0.166 0.185 x4 1.104 0.027 0.333 x5 0.469 0.250 0.296 x6 1.971 0.111 0.407 x7 0.968 0.277 0.518 x8 1.303 0.333 0.888 x10 0.465 0.333 0.629 x11 −0.042 10.30 10.59 x12 −0.015 4.444 3.703 x13 −0.026 13.66 12.29 x14 −1.690 0.166 0.037 x15 −1.094 0.055 0.037 x17 −0.788 0.361 0.037 x18 −0.894 0.444 0.074 x19 −0.617 0.444 0.333 x21 0.731 0.055 0.111 x23 −0.731 0.083 0.074 x24 −1.059 0.055 0.037 x25 −0.381 0.027 0.074 た.したがって,このまま判別分析を行うと次の表1 の 結果を得る.表1は,判別式の係数と勝った試合と負け た試合の変数毎の平均である.分析結果より,平均の中点 から判別式に必要な判別点:0.719が求められた.判別式 z = 1.018x2+· · · − 0.381x25− 0.719の値が正であると 勝ち,負であると負けと判別される.表1の係数より,先 制点と61∼75分の得点,0∼15分の失点が大きく影響し ていることが分かる.その他にも0∼15分の得点,31∼ 45分の得点,16∼30分の失点も影響力がある.判別式の 有効性を調べるため,あらかじめ取り除いていた5試合と 2011年のJリーグの5試合,全10試合のデータを判別 式z = 1.018x2+· · · − 0.381x25− 0.719に代入し,判別 を行った.その結果,誤判別された試合はなっかた.した がって,この判別式は有効であると思われる. 3.1 考察 判別分析より,先制点,前半45分までの得失点が大き く試合を分けていると言える.名古屋グランパスが試合に 勝つ確率を上げる要因は,0∼30分までの失点を抑えた上 で,先制点を取ることであると言える.判別された試合の 中で引き分けだが,勝ちと判断された試合がある.これは 名古屋グランパスが試合終了間際に先制点を決めているに

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も関わらずその後失点し,引き分けているからであると考 えられる.判別分析の結果は,私が予想していたものとは 違っていた.なぜなら,後半終了間際の76分から90分で の失点があまり影響がないからだ.これは名古屋グランパ スが試合に勝つときは,先行逃げ切りというチームスタイ ルのような点でこのような分析結果になったのであろうと 予測出来る.名古屋グランパスの試合を観戦する時は,こ れらの点を意識して見る事で今までと違った見方が出来る のではないだろうか.

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主成分分析

判別分析で使用したデータを使い主成分分析を行った. 第6主成分までを分析してみたところ,累積寄与率は約 54%であった.主成分得点より第1主成分は勝敗,前半で の得点,失点,先制点が大きいことより,前半での経過が 勝敗に大きく影響している試合を表す軸であると考える. 第2主成分は得点とシュート数,コーナーキックが大きい ことより,チャンスの場面での得点した試合を表す軸であ ると考える.プロット図より,左下の群は,先制点を取っ ているが,46∼60分での失点が多いと考えられることよ り,勝ち負けが混在している.右下の群は,先制点が取れ ず失点が多いと考えられことより,負けた試合が群れてい る.左上の群は,早い時間帯で先制点を取ることができ, 試合を優位に運んでいると考えられることより,勝った試 合が群れている.右上の群は,先制点を取られたが,早い 時間帯で追いつき,また離されるといった苦しい展開であ ると考えられることにより,負け試合が群れている. −3 −2 −1 0 1 2 3 −3 −2 −1 0 1 2 3 4 PC1 PC2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 1 図1 第1主成分得点と第2主成分得点 4.1 クラスター分析 主成分分析から第6主成分までの主成分得点を用いてク ラスター分析を最近隣法,最遠隣法,重心法,メディアン 法,加重平均法,ウォード法,可変法で行った.その中で 綺麗に群分けできたウォード法で分析をした. 図2で距離の85のところでクラスターを大きく4つに 分けて見ると,左から1つ目の群は,失点が無く,多く得 点している試合が見られる.2つ目の群は,早い時間帯で の先制点を取っている試合が多く見られる.3つ目は,先 20 29 52 32 38 15 11 25 51 35 58 17 53 34 8 9 10 39 6 48 21 50 66 22 12 26 60 46 27 68 4 14 19 62 64 43 61 30 55 56 2 41 65 59 63 7 16 47 36 37 40 1 5 31 57 23 24 3 54 18 67 13 28 33 44 49 42 45 0 20 40 60 80 100 120 hclust (*, "ward")wd Height 図2 デンドログラム(ウォード法) 制点を取られ,負けもしくは引き分けている試合が多く見 られる.4つ目は,失点も少なく得点も少ない試合が多く 見られる. 4.2 考察 主成分分析とクラスター分析により,試合の分類をする ことが出来た.それにより,先制点を取ることが試合の分 岐点になりうる1番大きな要因であると考えられる.しか し,今回の主成分は,1つ1つの寄与率が低く情報量が少 ないということも考慮しなくてはならない.

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おわりに

本研究で2012年と2013年の名古屋グランパスの試合 の分岐点になったのは,前半での得失点や先制点であり, これほど大きく影響しているとは思わなかった.また,61 ∼75分での得点の影響力が大きいのは,もし,2点差で負 けていても75分までに1点差に追いつくことが出来たら 試合終了までモチベーションを保つことが出来るからだと 考える.今回,この研究をしていることで少なくとも普段 のサッカーを見る視点が変わってきた.現在行われている 名古屋グランパスの試合も先制点や前半での得点などを意 識して見てもらいたい.しかし,2013年のJリーグで名 古屋グランパスの監督が交代してしまった.サッカーの戦 術は,監督の采配が大きく影響する.戦術が変われば,先 行逃げ切りのチームスタイルも変わってしまうと予測でき る.本研究で得られた結果が2014年以降のグランパスの 試合でも有効であるか調べてみたい.

参考文献

[1] 中村永友:Rで学ぶデータサイエンス2 多次元デー タ解析法, 共立出版,2009. [2] 名古屋グランパス公式サイト  http://nagoya-grampus.jp/ [3] Jリーグ公式サイト  http://www.j-league.or.jp/ [4] 西尾裕:J1リーグ優勝に関する統計的分析-南山大学数 理情報学部情報システム数理学科卒業論文,2010.

参照

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