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支援現場から見えてきた新たな医工連携の課題

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Academic year: 2021

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支援現場から見えてきた新たな医工連携の課題

著者

柴田 仁夫

雑誌名

埼玉学園大学紀要. 経済経営学部篇

15

ページ

77-89

発行年

2015-12-01

URL

http://id.nii.ac.jp/1354/00000143/

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開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が 創設された。AMEDではこれまで文部科学省、 経済産業省、厚生労働省の3省が独自に行っ ていた医療分野の研究開発や補助が一元化さ れ、トータルで1400億円近い研究費の分配が 行われ、初代理事長には慶應義塾大学医学部 長であった末松誠氏が若さと行動力を買われ 就任している。このように2010年代に入り医 療機器産業は法改正による規制緩和や研究開 発補助の一元化など、急速な変化を続けてい る。 1.はじめに (1)背景  アベノミクスの成長戦略の1つに位置づけ られている医療産業を活性化させるため、政 府は医療機器産業政策を推し進めている。 2014年度はその根幹となる薬事法を改正した 医薬品医療機器等法が施行され、資金サポー トの面では2010年度から4年間続いた課題解 決型医療機器等開発事業が医工連携事業化推 進事業と名称を変え、これまで以上に医療機 器の上市を視野に入れた開発を推進してきて いる1)。加えて、2015年4月からは国立研究

Issues in the New Medical-Industrial Partnerships

as seen from the Support Site

 

柴 田 仁 夫

SHIBATA, Kimio  アベノミクスの成長戦略により政府は医療機器産業政策を推し進めているが、国内医 療機器産業の成長はなかなか加速しない。医療機器産業の成長の根幹は医工連携であり、 そこには元来、医療という分野の特殊性のほかに、①医薬品医療機器等法への対応、② 異分野連携の難しさ、③特許戦略の脆弱性、④事業化の難しさという課題が存在した。 これを解決するために開発された製販ドリブンモデルにより、「臨床現場」と「ものづく り企業・大学・高専等」、「ものづくり企業・大学・高専等」と「製販企業」の間に存在し ていた2つの情報の非対称性は解消された。しかし製販ドリブンモデルの実践により、 日本の医療機器メーカーの事業規模の小ささが新たに浮き彫りになり、加えてものづく り中小企業の規模の違いよる医工連携の難しさが鮮明になってきた。国内の医工連携は、 「中小企業と中小企業の連携」であり、両者を繋ぐ医工連携コーディネーターの育成が急 務である。 キーワード : 医工連携、ものづくり企業、製販ドリブンモデル、情報の非対称性

Key words : Medical-Industrial Partnerships, manufacturing companies, manufacturing and sales driven model, information asymmetry

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のきっかけになった内視鏡こそが医工連携の 成果の1つである。医学と工学が有機的に融 合した医工連携によって、近年臨床現場にお けるハード面は著しい進歩を遂げてきたとさ れる。特に工学系ではアナログからデジタル への移行、高精度化、小型化、高速化、自動 化が進み、医療系では専門分科が著しくなっ てきたことに加え膨大な情報の集積が加わっ たため、医師は医療機器の生体情報の取得か ら処理されて表示するまでの仕組みを理解せ ず、アウトプットのみを見て判断することが、 ほとんど当たり前のようになってきている3)  医工連携という言葉は最近よく聞くように なったが、中原[2003]はそもそも「考えて みれば、医療のあるところ器械がないところ を探すのがむしろ難しいくらい、医学と工学 は以前から深い結びつきがあった」4)として いる。事実、約90年前に日本医科器械学会(現 一般社団法人日本医療機器学会)が医学と工 学の深い関連に注目し創立されている5)。で は次に医療ニーズを生み出す大学医学部につ いて見てみよう。 (2)大学医学部の創設史  大学医学部は、明治維新後の1877年4月に 江戸幕府直轄の教育機関の流れを汲む、東京 開成学校、東京医学校が合併して東京大学と なり、日本で初めての近代的な大学が設立さ れたことに端を発する。明治政府は東京大学 を中心に西洋医学の学問としての修得を推し 進め、留学生を多数海外へ派遣した。留学生 は医学知識と併せて、現地から先端医療器具 を持ち帰ったが、これを国内で模倣し生産す る必要に迫られた。その結果として東京大学 のある文京区本郷地区に中小医療器具の製 造・販売業者や医療専門の出版社が集積した (2)課題  このように既に講じられてきた様々な政策 的手段は、これまで医療機器産業が抱えてい た課題への打開策が中心であるが、実際のと ころ医療機器産業の成長はなかなか加速して いないのが現状である。医療機器が研究開発 され、上市にこぎつけたとしても実際に売上 が立つまでにはそこから数年かかるといわれ ている。しかしそれでも、世界の医療機器市 場が年率6.4%で成長していることを考える と、国内医療機器市場の成長率が年率2.7% というのはやはり見劣りしてしまう2)。成長 産業の1つと見られている医療機器産業の成 長の遅れはアベノミクスの根幹を揺るがすこ とになりかねない。直近に講じられた施策が 成長率を押し上げることを期待するが、実は まだ成長を妨げている何らかの課題があるの ではないだろうか。 (3)目的  そこで本稿では、医療機器産業の成長の根 幹となっている医工連携を中心に、実際の施 策を実行している医工連携の支援現場からこ れまでに気がついていなかった、あるいはま だ対策が講じられていない医工連携の課題に ついて考察する。 2.医工連携 (1)医工連携とは  北野[2014]が述べているように、外科領 域において1990年に帝京大学の山川達郎教授 によって行われた内視鏡下手術は、その低侵 襲性故に患者のQOL(Quality of Life)に非 常に大きな影響を与えた。そのため癌に対す る標準術式は今や開腹手術から内視鏡下手術 に変わろうとしているという。この術式変更

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ており、現在は外科、内科などの細かい専門 診療科が30以上にも及び、それぞれの分野に 専門学会がある。そのため、医師の持つ職業 観や倫理観は通常のビジネスマンには受け入 れがたい点が多い。それは医療業界が極度に 高い専門性が必要であり、加えて出版業界や 航空業界など他の規制産業と比較しても格別 に閉鎖性が高いため、医療業界の外部からは 他に類を見ないほど情報の非対称性が高いと 感じられる。 (4)医工連携の一般的な課題  医工連携はこうした背景を持つ医療サイド のニーズを工学のシーズと繋ぐことで、新た な価値ある製品を生み出すが、一般的には次 の4つの課題があると考えられる。 ①薬事法(現・医薬品医療機器等法)への対応  医工連携において必ず指摘されるのが薬事 法の問題である。この法律はもともとは名称 の通り医薬品に関する規制を扱ったもので あったが、医薬品だけでなく化粧品や医療機 器に関する運用なども定めていた。その目的 は、品質、有効性及び安全性の確保のための 規制と、医療上特にその必要性が高い医療品 及び医療機器の研究開発の促進のために必要 な措置を講ずることにあった。しかし、医療 機器の進化・発展に伴い別途新たに医療機器 関連の規定を設けるべく2014年に薬事法を改 正した医薬品医療機器等法(正式名称は、医 薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性 の確保等に関する法律)が施行された。法律 の名称が変更になったことからも分かる通り、 改正法では医薬品と医療機器等は明確に別の ものとして扱われ、医療機器の特性を踏まえ た規制体制が新たに構築されることとなった。 といわれている6)  その後歴史が進み、戦後の国民皆保険の実 現により医療需要と医師不足が表面化し、 1973年の第2次田中角榮内閣の元で閣議決定 された「経済社会基本計画」に盛り込まれた 「一県一医大構想」により医学部が各地に新 設されたことで、現在の日本には私立大学も 含め80の医学部・医科大学が存在することと なった。この「一県一医大構想」は、地域の 医者を増やすことに貢献したものの、1968年 に創設された臨床研修制度により研修医の研 修先が出身大学(医局)に偏ったため、十分 な研修内容や研修成果に対する評価が行われ ていないとの批判から、2004年に新医師臨床 研修制度が創設され、医師の臨床研修がこれ までの努力規定から必修化されることとなっ た。しかし、この制度により出身大学での臨 床数が限定されてしまったことから、現在で は地方の医学部出身者が都市部の病院で研修 を受けることになった。そのため地域の医者 が足りなくなるという現象が起こったことか ら、2008年度より医学部の定員を増員し医師 不足に対応している7) (3)医学という学問  医学は哲学、法学と並ぶ歴史ある学問であ り、医師は、法律家と並ぶプロフェッション (専門家)として、極度に高度な職業観や倫 理観を求められることでも知られている。こ れを表わすものとして有名なのが医学の父と 呼ばれたヒポクラテス(紀元前460年頃-紀 元前370年頃)が宣誓したとされる「ヒポク ラテスの誓い」である。医療は人命を預かり、 医師はそれを左右するため、医学が他の学問 と一線を画す理由はここにある。  また、医療はその専門分野が多岐にわたっ

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ていくかという経営的視点に欠ける嫌いがあ る。立野[2006]は文部科学省・科学技術政 策研究所(NISTEP)の立場から、医工連携 イ ノ ベ ー シ ョ ン の さ き が け と し てOCT (Optical Coherence Tomography /光干渉断 層法)技術の発明から製品化までの経緯を紹 介しているが、この事例は開発こそ日本が世 界に先駈けた画期的なものであったが、国際 特許申請をしていなかったことから製品化は 海外メーカーに先を越されてしまったという ものである。結果的に日本における特許につ いては調整がついたものの、実際には時既に 遅く世界シェアの90%は海外メーカーに握ら れてしまっていた。 ④事業化の難しさ  異分野との連携を克服しても、研究開発し たものが製品となり事業化できなければ、医 工連携は意味を成さない。事業化が難渋する 理由として、柏野[2014b]は次の5点を指 摘している。それは、①研究開発体制に製販 企業が参画していない、②製販企業が入って いても製販企業が事業化のイニシアティブを とっていない、③開発対象医療機器が新医療 機器である、④大学や企業の技術シーズオリ エンテッドで決められたテーマである、⑤基 礎研究段階の要素技術が含まれている、であ る11)。このうち製販企業が事業化のイニシア ティブを持つか持たないかは非常に重要で、 南谷[2014]が挙げた例のように、研究開発 体制に製販企業が参画していても研究成果に 商業的な意義を見出せなければ企業は撤退し てしまう12) 3.製販ドリブンモデルと医工連携事例  ここまで見てきたように医工連携は、①医 薬品医療機器等法への対応、②異分野連携の ②異分野連携の難しさ  一般的に同じ専門分野でさえ、コミュニ ケーションがとれないため上手く連携できな いことがある。こうしたことは産学連携の現 場ではよく見られる。医工連携の場合はそれ が更に難しいことを二木・小山[2015]は指 摘している。医学と工学という異分野の連携 はそれぞれが異なる専門分野であるが故に、 事前にそれを認識しディスカッション等によ り準備万端整えたとしても「言っているのと、 やってみるのは大違い」であるという。そし て何故上手くいかないのか、その理由を「融 合研究の場合はお互いの分野+αまでは見え ても、最初から全体を俯瞰的に把握できる人 がいない」8)ためとしている。また南谷[2014] も実際の医工連携の経験に基づきその難しさ を「日常生活にかかる機器の開発ではシーズ を持つ企業や工学研究者がニーズを持つこと も可能であり、かつニーズを感じ取ることも 可能である。一方、一般に医療従事者はニー ズを持つことはできるが、それに対するシー ズは持ち得ない。またシーズを持つ工学研究 者は医療従事者のニーズをなかなか理解でき ない」9)と語っている。  なおグローバルあるいは工学の視点から医 工連携を見たとき、谷下[2012]は「日本に おいて実質的な医工連携が進んでいるのか疑 問」に感じているとし、その理由を日本には 医療ベンチャーが多く生まれているシリコン バレーのように、医学系と工学系の人材が自 然と交流できるような仕掛けが未だ存在して いないからだと指摘している10) ③特許戦略の脆弱性  医工連携は医学と工学の融合であるため、 技術的な側面での知恵に偏りがちになり、開 発した技術を守りながら如何に販路を拡大し

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せ、自律的に研究開発・事業化が進む体制」13) のことを指す。  図1を使って確認してみよう。まず、医工 連携の起点は「①臨床現場」であり、ここか ら医療ニーズが生まれる。この医療ニーズを 「②製販企業」が受け取り、これを研究開発 や事業化に向けたドライビングフォースとし ながら、医薬品医療機器等法の規制を踏まえ て事業化していくことになる。これが一般的 な医療機器メーカーの事業化プロセスである。  アベノミクスにおける成長戦略で推し進め ている医工連携は、このプロセスの中に日本 の強みであるものづくり中小企業を組み込む 難しさ、③特許戦略の脆弱性、④事業化の難 しさ、といった課題を抱えている。これらの 課題を解決すべく開発されたのが製販ドリブ ンモデルである。 (1)製販ドリブンモデル  製販ドリブンモデルとは、一般社団法人日 本医工ものづくりコモンズ(理事長:北嶋政 樹)の柏野が提唱した医工連携のプロセスモ デルで、正式には「製販企業ドリブン型・医 工連携モデル」という。このモデルは、「医療 機器の市場や法規制に関する知識やノウハウ を有する製販企業を開発初期段階から参画さ 図1 製販企業ドリブン型・医工連携モデル(製販ドリブンモデル)の全体像 事 業 化 臨床ニーズ 製品デザイン ものづくり ④公的支援策 ③ものづくり企 ⑤地域行政 産業支援機関 &コモンズ ①臨床現場 ②製販企業 ※外資も可) 法規制 認証機関等) ⑥金融機関 ・資金の提供 ・人材の提供  ※特に重要 ・技術の提供 (大学の専門性等) 等 ・事業資金の提供 ・顧客企業のマッチング ・コンサルティング&バンキング 等 ・資金面の支援 ・その他,支援措置 等 ・臨床とものづくりの橋わたし  -ニーズ収集  -製販マッチング  -ものづくり企業マッチング ・R&Dポートフォリオ管理 等 民間 コンサル 医工連携 ・研究チームの統括 ・臨床ニーズの提供 ・開発機器の導入・普及 ・臨床エビデンス  等 ・研究開発のイニシアティブをとり強力に牽引 ・臨床ニーズの目利き ・市場環境と法規制をふまえた製品デザイン ・医薬品医療機器等法対応 ・PL法対応 ・販路提供  等 (地域内) (全国 (PMDA, 推進機関 業・大学・高専等 (地域内) (地域・全国) 出所)柏野[2014b]32頁。

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現するプロセスモデルであるといえる。具体 的には「①臨床現場」と「③ものづく企業・ 大学・高専等」を直接繋ぐのではなく、「①臨 床現場」を最も良く知る「②製販企業」と「③ ものづく企業・大学・高専等」を繋げること で、従来の医工連携の障害となっていた2つ の情報の非対称性を排除している。 (2)出口戦略のへの対応  谷下[2014]が図2で指摘しているように、 医工連携では臨床現場の医療ニーズとものづ くり企業の技術シーズがいかにインテグレー ションできるかが重要である。しかし医工連 携に参入しようとしている多くのものづくり 中小企業は「医工連携による開発に対して誤 解」している場合が多い。それは「医師のニー ズを教えてくれれば、わが社の技術ですぐ製 品化」14)できるという感覚で参入を考えてい る点である。確かにものづくり中小企業は自 社の技術には精通しており、それを活かす新 たな術を検討した結果として、医工連携への ことである。従来の医工連携モデルは「①臨 床現場」を「③ものづくり企業・大学・高専 等」と繋げて研究開発や製品開発を行い、そ の上で製品を「②製販企業」を通して販売す るというプロセスであった。つまり文字通り の意味での「医」から「工」への連携である。 しかしこの場合、「①臨床現場」である病院や 大学(医学部)と「③ものづくり企業・大学・ 高専等」に間には著しい情報の非対称性が存 在し、同様に「③ものづくり企業・大学・高 専等」と「②製販企業」の間にも著しい情報 の非対称性が存在していた。前者は主として 「医師や医療に関する知識不足」であり、後 者は「法規制や販路に関する知識不足」であっ た。そのため前者の情報の非対称性を克服し なんとか製品化まで漕ぎ着けても、次の情報 の非対称性が待っており、「作っても売れな い」医工連携が頻発してしまった。製販ドリ ブンモデルは、この従来の「医工連携」のプ ロセスに「ものづくり企業・大学・高専等」 を組み込んだ上で、より効率的に事業化を実 図2 医療ニーズの重要性と技術シーズの有効性 アイデア 研究開発 プロトタイプ 承認 製造・販売 売 医療ニーズ 技術シーズ 事業化の知恵 医学の知恵 医療ニーズの絞り込み: アイデア捻出 製販ドリブン開発 医師対話ドリブン開発 技術シーズの インテグレーション 出所)谷下[2014]15頁。

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医工連携のように情報の非対称性が大きい場 合はそうしたリスク回避能力が著しく低下し、 「なんとかなるだろう」と考えてしまい、売 れないリスクを除外してしまう。そのため医 工連携に携わる企業は開発した製品が売れる こと、すなわち「出口戦略」から考えていく ことが重要になるといえる。そして製販ドリ ブンモデルは、有効な出口戦略と考えられる15) (3)医工連携の事例1-本郷展示会  これまでの医工連携とは異なり、出口戦略 を中心に据えた製販ドリブンモデルは急速に 進展してきている。何故ならこのモデルはも のづくり企業にとっても製販企業にとっても 大きなメリットがあるからである16)  現在、多くの行政や公的支援機関が医工連 携を推進しているが、その際出口戦略の中心 となる製販企業のマネジメントを試みている のが1911年に発足した商工組合日本医療機器 参入を志しているため、こうした誤解を招き やすいと考えられる。そしてこの誤解は、「製 品化できさえすれば売れるだろう」という誤 解に基づいている。これは先に述べた従来の 医工連携の抱える2つの情報の非対称性問題 と密接に関連している。つまり多くのものづ くり中小企業は高い技術を持っていながらも、 医療分野に関する規制、特にその販売にも規 制がかかっていることを認識しておらず、ま た医師の社会的地位の高さから共に研究開発 した医師の意見が医療業界全体の意見である かの如く勘違いしてしまうため、このように 考えてしまうといえよう。  一般の製品開発においても、製品化したも のが売れなければ企業は事業活動を継続する ことはできない。しかし多くの業界において 販売にかかる規制はそれほど多くはないため、 企業自身がそれを事前に予見することができ、 それ故大事に至らないことが多い。しかし、 図3 都道府県別医療機器生産金額 及び 製造販売業許可事業所及び製造業許可事業所 出所)日本政策投資銀行[2014]4頁。

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ノベーション国際戦略総合特区の指定を国か ら受けたことから、医療機器開発プロジェク トをはじめとした産学連携等に本格的に取り 組み始めた。2013年からは横浜市及び横浜企 業経営支援財団、木原財団が連携し、「横浜医 工連携プロジェクト」に取り組んでいる21)  2015年度は全国の医工連携事例を参考にし た上でその先を見据え、すでに医療機器分野 へ参入しているものづくり・IT企業等、市内 中小企業を中心に、大学や金融機関とも連携 した「横浜医療機器ビジネス研究会」を発足 した。この研究会は「産・学・金・官」のネッ トワークを活かし、①医療現場のニーズを基 にした新技術・新製品の開発、②製品等の販 路開拓、③会員間でのネットワーク形成、④ 医工連携先進地域(福島、大阪など)とのネッ トワーク形成を目的としている。横浜市には 製造業は5000事業所以上あるが、その中から 30社・団体を厳選(企業25、大学1、医療関 連団体1、金融機関3)しており、継続して 医療機器ビジネスを展開できるところに絞っ た点にその特徴がある22) 4.新たな医工連携の課題 (1)支援現場から見えてきた新たな課題  これまでの医工連携の課題であった①医薬 品医療機器等法への対応、②異分野連携の難 しさ、③特許戦略の脆弱性、④事業化の難し さを解決するために生まれた製販ドリブンモ デルであるが、実際にそのプロセスを辿って くると、当初は見えなかった課題が浮き彫り になってきた。それは、本郷エリアを中心と する医療機器メーカーの規模の小ささ、すな わち日本の医療機器メーカーの事業規模の小 ささである。  世界の医療機器メーカーの売上高ランキン 協会(理事長:今村清)である。日本医療機 器協会は先に触れたように、日本の医療機器 史を担う東京都文京区本郷エリアを中心とし た商工組合で会員企業は330社超、本郷エリ アだけで約130社が存在する。図3を見ると、 如何に東京都に医療機器メーカーが集中して いるか分かるだろう17)。2013年7月から2015 年9月現在まで、日本医療機器協会を核に「本 郷展示会」と呼ばれる展示会が開催され、こ れまでに大田区、三重県・岐阜県、青森県、 宮﨑県、長野県、横浜市、香川県、さいたま 市、群馬県、中国地区、京都府、文京区、秋 田県、千葉県、石川県、富山県、板橋区・北 区・荒川区等が各地域の先進企業を本郷の製 販企業に紹介している18)。こうした本郷エリ アを中心とした日本医療機器協会の取組みは 市場性や最適な技術を見極める目利きの機能 を果たすとして注目を集めている19) (4)医工連携の事例2-横浜市の場合  次に本郷展示会を行っている自治体が具体 的にどんな医工連携を行っているのか、横浜 市の例を見てみよう。  横浜市は、人口約370万人、事業所数約12 万5000、創出付加価値額は約7兆円20)の日本 最大の政令指定都市である。2000年に「ライ フサイエンス都市横浜構想」を立ち上げ、独 立行政法人理化学研究所横浜キャンパスの誘 致や横浜産学共同センター、横浜新技術創造 館、横浜バイオ産業センター等の整備を行い、 2006年に策定した「横浜市基本構想(長期ビ ジョン)」における柱の1つ「新たな活躍の 場を開拓する活力創造都市」を実現するため、 2009年から市内の中小企業振興につながる医 工連携に取り組み始めた。そして2011年に神 奈川県、川崎市とともに京浜臨海部ライフイ

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いのである。 (2)ものづくり中小企業の規模の違い  医工連携に関わる「ものづくり企業」のほ とんどは、日本の99.7%を占める中小企業や 小規模企業者である。他産業においてももの づくり中小企業を上手く製品開発の成長ベク トルに乗せるのは容易なことではないが、製 販ドリブンモデルはそれを医療機器産業で実 現しようとしている。先述したように日本の 医療機器メーカーの多くは中小企業であるた め、製販ドリブンモデルでは、中小企業と中 小企業で連携を行い、医療機器を研究開発す ることになる。一般に製造業における中小企 業とは、中小企業基本法の定義に従えば「資 本金3億円以下又は従業員数300人以下」の 企業を指し、小規模企業者とは「従業員数20 人以下」を指す。しかしこの定義から分かる ように、中小企業の従業員基準の幅は実はそ れなりに広い。それ故実際には従業員数が21 人であっても、300人であっても同じ中小企 業という扱いを受けることになる。企業を分 類するためにはこうした基準は必要であるが、 実際に存在する企業を見たとき、従業員が21 人の企業と300人の企業が同じ経営資源、経 営状況であるとは考えにくい。  先述した北嶋[2015]は中小企業が生き残っ ていくためには量産から非量産型ビジネスモ デルへのシフトが肝要だとしているが、量産 型ビジネスモデルの中小企業は中小企業でも 限りなく300人に近い従業員数の企業であり、 20人に近い中小企業はもともと非量産型ビジ ネスモデルを志向しているため、一口に中小 企業といっても安易にまとめることはできな い。量産型ビジネスモデルを志向している中 小企業は、それなりの経営資源があるため非 グを見ると日本企業の世界シェアは合計して もわずか4%にとどまる。上位30社に入って いるのはテルモ(20位、4.27億ドル)、オリ ンパスメディカル(21位、4.24億ドル)、東 芝メディカル(24位、3.97億ドル)の3社に 過ぎず、1位のJohnson & Johnsonの売上高 27.43億ドルのわずか6.5分~7分の1に過ぎ ない23)。これら3社は国内では医療機器メー カー大手、いわゆる大企業と認識されている 企業である。また、日本の医療機器メーカー で売上高が1000億円を超えている企業はわず か6社に過ぎず、売上高100億円を超えてい る企業もわずか19社に過ぎない24)。日本の製 造業の牽引役となっている自動車業界の売上 高は上位10社がすべて1兆5000億円を超えて いることを鑑みれば25)、成長性はともかく政 府が如何に小さな業界に成長戦略を委ねてい るのか分かるであろう。  この日本の医療機器メーカーの事業規模の 小ささについては、専門家においても誤解が あるように思われる。例えば北嶋[2015]は 岩手県、山形県、大分県・宮崎県の医療機器 クラスターを取り上げ、そのクラスターに所 在する医療機器業界への参入に成功した企業 を事例として分析し、成功要因を①量産から 非量産にシフトした場合に優位になる能力と 必要になる能力があること、②中小企業の産 学官連携を成功に導く組織体制の重要性、③ 若手社員を積極的に活用する仕組み作りの重 要性、とまとめている26)。しかし1つめの成 功要因を挙げる際、中小企業に必要だとする 「価格交渉能力」を説明する注釈で下請法を 示していることから、交渉相手の医療機器 メーカーが大企業であることを前提にしてい るように思われる。確かに大企業との取引は 重要であるが、そもそもその数が非常に少な

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必要があるだろう。 (3)不足する医工連携コーディネーター  医工連携が活発になるということは、多く のものづくり中小企業が医療機器業界に参入 してきているということである。そのために は医療機器メーカーとものづくり中小企業を 繋ぐ医工連携コーディネーターが数多く必要 になるが、彼等には医療機器業界の知識だけ でなく、経営やマーケティング、知財など、 様々な知識が求められるため、こうした人材 が絶対的に不足しているのが現状である。内 閣官房(健康・医療戦略室)が主導して2014 年に発足した「医療機器開発支援ネットワー ク」27)はこの医工連携コーディネーターの不 足を補うために構築されたともいえるだろう。  しかし、そもそも現在の多くの医工連携 コーディネーターはその優秀さ故に、中小企 業やものづくり企業が元来どういう志向をす るものかについて認識不足があるように見受 けられる。何故なら多くのコーディネーター は国内外の大手医療機器メーカーや医療系専 門商社の出身であることが多く、一般の中小 企業での勤務経験や製造に関する技術的知識 量産型ビジネスモデルへのシフトも簡単では ないにせよ、可能であると考えられるが、も ともと非量産型ビジネスモデルを志向せざる を得ない限りなく小規模企業者に近い中小企 業は、経営資源が不足している中である程度 の量産を検討する必要に迫られているといえ よう。  例えば表1の大都市における従業員別製造 業数を見てみると、一般に京浜工業地帯とい われている東京都大田区、川崎市、横浜市で もその企業規模が違うのが見て取れる。大田 区の製造業は80%以上が10人未満であるのに 対し、川崎市では大田区より10人以上の企業 の割合が多く、特に30 ~ 49人の企業が多く 見られる。一方横浜市は大田区や川崎市より も10人以下の企業の割合が少なく、10 ~ 19 人、30 ~ 49人の企業の割合が多い。このよ うに一口に京浜工業地帯といっても、実際に は大田区、川崎市、横浜市ではそれぞれ地域 性があり、西に行くに従って徐々に企業規模 が若干ではあるが大きくなっていると考えら れる。それ故、大田区と川崎市、横浜市が本 郷エリアの医療機器メーカーと医工連携を検 討するにあたっては、異なる戦略を模索する 表1 大都市における従業員別製造業数 単位 : 社 総数 1 ~ 4人 5 ~ 9人 10 ~ 19人 20 ~ 29人 30 ~ 49人 50 ~ 99人 100 ~ 199人 200 ~ 299人 300 ~ 499人 500 ~ 999人 1,000人 以上 横浜市 8,104 3,823 47.17% 1,881 23.21% 1,141 14.08% 428 5.28% 374 4.62% 225 112 46 30 16 22 名古屋市 11,299 5,790 51.24% 2,685 23.76% 1,481 13.11% 551 4.88% 369 3.27% 235 132 16 8 9 京都市 5,923 3,001 50.67% 1,696 28.63% 616 10.40% 258 4.36% 175 2.95% 92 51 16 7 5 6 大阪市 14,360 6,769 47.14% 4,480 31.20% 1,684 11.73% 623 4.34% 374 2.60% 266 121 16 15 9 3 神戸市 3,164 1,302 41.15% 928 29.33% 373 11.79% 200 6.32% 127 4.01% 131 58 18 14 6 7 川崎市 3,386 1,664 49.14% 803 23.72% 409 12.08% 196 5.79% 122 3.60% 82 49 13 40 大田区 4,362 2,182 50.02% 1,351 30.97% 473 10.84% 202 4.63% 68 1.56% 58 21 6 0 0 1 神奈川県 19,898 8,944 44.95% 4,439 22.31% 2,764 13.89% 1,287 6.47% 955 4.80% 717 393 132 237 出所)自治体HPの平成24年経済センサスより、筆者作成。 注:大阪市、京都市、神戸市は1~4人、5~9人ではなく「1~3人、4~9人」   名古屋市は100 ~ 199人、200 ~ 299人ではなく「100 ~ 299人」   川崎市、神奈川県は300 ~ 499人、500 ~ 999人、1000人以上ではなく、「300人以上」   大田区はH20調査。1~4人、5~9人ではなく「1~3人、4~9人」

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ためにはここで挙げた専門性のうちいくつか を予め有している人材を育成していくのが効 率的であると思われる。このように考えてい くと、製造業を専門とする中小企業診断士を 医工連携コーディネーターとして育成するの が最も短期間で育成できるのではないだろう か。  加えて、ものづくり中小企業の人材も育成 していく必要があるだろう。神戸市中小企業 支援センターの永井・森脇[2012]も医工連 携を進めていくにあたり、「地域中小企業自ら が、保有技術やノウハウの高度化を進め、技 術を総合的に組合せることができる企業人 財」が必要であると指摘している。同センター は神戸大学と連携し「医療技術・医療用機器」 「生産プロセス技術」「生産システムと生産管 理」の3コースを構築した実績があるが、中 小企業に最も足りない知識であるマーケティ ング的要素をこれに加えれば、技術にこだわ りすぎることなく、受講者が最も求めている 「売ること」に対応できるのではないだろうか。 1)覚道[2014]3・ 4頁。 2)日本政策投資銀行[2013]1頁、内閣官房他 [2015]3頁。 3)岡[2004]6頁。 4)中原[2003]43頁。 5)日本医科器械学会は1926年に発足。日本医学会 の中では産学連携を目的の一つとする唯一の学会 で、正会員は4987名、企業会員316社(2015年3 月31日現在)であり、2007年10月1日より一般社 団法人日本医療機器学会と名称が変更になった。 6)東京医療機器協会[2012]54-82頁。現在は500 社を超える事業所がこの地区に集積しているとい われている。 を有している人材は非常に少ない。そのため、 適切なアドバイスをしていてもそれがものづ くり中小企業に届かなかったり、届いたとし ても企業が実行できないアドバイスであるこ ともある。 5.今後の展開  本稿で指摘した新たな課題は、これまでの 医工連携のあり方を覆す製販ドリブンモデル を実行してきたからこそ、浮き彫りになって きたといえよう。今後は、現在進めている医 工連携の多くが「中小企業と中小企業の連携」 であることを改めて認識し、戦略を再構築す る必要があると考えられる。そしてその上で、 「ものづくり中小企業」の規模の違いをどう 受け止め、どう対策していくかを考える必要 があるだろう。  これに対する1つの可能性として、田中 [2013]や北嶋[2015]が指摘している医療 産業クラスター間の連携がある28)。すでに示 した大田区、川崎市、横浜市の京浜工業地帯 ではその地理的距離が近すぎるため新たな可 能性を生み出すことは難しいかもしれないが、 医工連携が盛んで他地域に比べて歴史を積み 重ねてきた大阪市や福島県、青森県、浜松市 などとの広域な医療産業クラスター間連携は、 それぞれに足りない医療ニーズや技術シーズ、 あるいはヒト・モノ・カネ・情報の経営資源 を補う可能性があるため有効ではないだろう か。この広域医療産業クラスター間連携は既 に横浜市が2015年度に実施している。活力創 造都市を標榜する横浜市の成果に期待したい。  また不足している医工連携コーディネー ターについては、中小製造業の志向を認識し た上で、医療機器業界の規制や医療知識が分 かる人材を育成していく必要があろう。その

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業態を兼ねることもある(経済産業省[2015]4頁)。 18)2015年度より日本医工研究所が本郷展示会を実 施しており、9月以降も新たに大府市、山口県、 鳥取県が本郷展示会を開催する予定である。 19)日本経済新聞2015年5月11日朝刊。 20)横浜市経済局他[2014]96頁。 21)横浜市[2006]2頁、横浜市政策局[2014]、横 浜経済局他[2014]96・97頁。 22)横浜市経済局[2015]。 23)日本政策投資銀行[2013]2頁。 24)「2013 ~ 2014年の医療機器業界売上高ランキン グ」、(http://gyokai-search.com/4-iryo-uriage.html、 2015年9月10日最終確認)。 25)「2013 ~ 2014年の自動車業界売上高ランキン グ 」、(http://gyokai-search.com/4-car-uriage.htm、 2015年9月10日最終確認)。 26)北嶋[2015]64-67頁。 27)ものづくり中小企業に医工連携コーディネー ターが伴走コンサルとしてつき、アドバイスする 仕組みである(内閣官房(健康・医療戦略室)他 [2015]8頁)。 28)田中[2013]56頁、北嶋[2015]71頁。 参考文献 岡裕爾[2004]「医工連携への期待」『溶接学会誌』 第73巻第2号、6-8頁。 覚道崇文[2014]「経済産業における医療機器産業 政策について」『産学連携学』Vol.10、No.2、 1-5頁。 柏野聡彦[2014a]「製販ドリブンモデル 無理なく 円滑な医工連携のかたち」『産学官連携ジャー ナル』Vol.10、No.11、16-20頁。 ――――[2014b]『無理なく円滑な医療機器産業へ の参入のかたち』じほう。 北嶋守[2015]「医療機器クラスターを軸にした中 小企業の新事業展開-優位になる能力と必要に なる能力」『機械経済研究』No.46、57-72頁。 北野正剛[2014]「医工連携の発展へ向けて」『日本 コンピュータ外科学会誌』Vol.16、No.1、3頁。 経済産業省[2015]『医工連携による医療機器事業 7)なお、政府は2020年度からの医学部の定員を減 らす検討に入っている。これは2042年をピークに 日本における65歳以上人口が急速に減少すること、 そして医療費削減のため2025年までに入院ベッド 数を最大20万床削減することを見据え、医師の過 剰感が強まる前に対策を検討するためだという。 (『日本経済新聞』2015年9月13日朝刊)。 8)二木・小山[2015]106頁。 9)南谷[2014]59頁。 10)日本でもスタンフォード大学のバイオデザイン プログラムを実践すべく、大阪大学、東北大学、 東京大学及び日本医療機器産業連合会(医機連) が同大学と連携し、医療機器人材育成プログラム を2015年後期から開始する予定である。 11)柏野[2014b]28頁。 12)南谷[2014]60頁。オリンパス光学と行った「磁 気を用いたセンチネルリンパ節同定装置開発」を 共同研究例として挙げ、同社がその研究成果に商 業的な意義を見出せず研究から撤退したため、秋 田県内の企業と改めて研究開発を行っている旨を 記している。 13)柏野[2014a]17頁。 14)谷下[2014]14頁。 15)柏野[2014]38頁。製販ドリブンモデルと単に 研究開発体制の中に製版企業が含まれている製販 企業がイニシアティブを発揮できないモデルを 「出口戦略型(亜種)」として明確に区分している。 16)ものづくり企業にとっては、①得意技を発揮し ながら医工連携に参画でき、②医療機器市場や法 規制の知識が少なくて済み、製販企業にとっては、 ①研究開発投資の負荷が軽減でき、低コストで改 良品や新製品の上市が可能で、②臨床現場との関 係性をより強化でき、③これにより既存製品を含 む売上拡大が望めるというメリットがある。 17)2013年度末現在、医療機器の製造・販売をマネ ジメントする製造販売業許可を有している企業数 は全国でも延べ2533社しかない。そのうち東京都 には4割に当たる延べ1005社があり、その中の約 6割近くは文京区本郷地区に集中している(数値 は「薬事関係業態数調(平成25年度末現在)」に よる)。なお、1社で製造販売業と製造業の両方の

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が国争力強化に寄与-」、(http://www.dbj.jp/ pdf/investigate/etc/pdf/book1402_03.pdf、2015 年9月10日最終確認)。 南谷佳弘[2014]「私たちが行ってきた医工連携に 関して」『秋田医学』第41巻第2号、59-62頁。 横浜市[2006]『横浜市基本構想(ビジョン)』、(http:// www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/seisaku/vision/ honbun.pdf、2015年9月10日最終確認)。 横浜市経済観光局[2011]『横浜市中小製造業技術 実態調査報告書』、(http://www.city.yokohama. lg.jp/keizai/toukei/pdf/mono-honpen.pdf、2015 年9月10日最終確認)。 横浜市経済局[2014]『成長分野育成ビジョン2014-2025』、(http://www.city.yokohama.lg.jp/keizai/ vision/vision.pdf、2015年9月10日最終確認)。 ――――――[2015]「ものづくり・IT企業等が連 携した『横浜医療機器ビジネス研究会』がスター ト!」、(http://www.city.yokohama.lg.jp/keizai/ happyou/h27/20150615135146.html、2015年9月10 日最終確認)。 横浜市経済局・横浜企業経営支援財団・木原記念横 浜生命科学振興財団[2014]「横浜市における 医工連携推進の取組-医療の質の向上と中小企 業の振興を目指して-」『医機連ニュース』第 86号、96-102頁。 横浜市政策局[2014]『横浜市中期4か年計画2014-2017(冊子・一括版)』、(http://www.city. yokohama.lg.jp/seisaku/seisaku/chuki2014-/ pdf/2014-2017kakutei.pdf、2015年9月10日最終 確認)。 化ガイドブック(2015年3月版)』、(http://www. med-device.jp/pdf/guidebook2015.pdf、2015年 9月10日最終確認)。 厚生労働省医薬食品局[2014]「薬事行政関係資料 の送付について(別添1)③薬事関係業態数調 (平成25年度末現在)」、(http://www.nihs.go.jp/ mhlw/chemical/doku/eigyou/h25.pdf、2015年 9 月10日最終確認)。 柴田仁夫[2015]「コラム 医療機器産業政策見え ない課題」『埼玉新聞』2015年5月14日朝刊。 立野公男[2006]「日本の医工連携イノベーション の推進-OCTの産学官連携を事例に-」『年次 学術大会講演要旨集』第21巻第1号、13-16頁。 田中利彦[2013]「医療産業クラスターによる地域 経済活性化」『産業経営研究』第32号、31-57頁。 谷下一夫[2012]「医工連携の意味」『日本バイオレ オロジー学会誌(B&R、電子版)』第26巻第3号、 1頁。 ――――[2014]「医療機器開発における出口戦略 の 課 題 」『 産 学 官 連 携 ジ ャ ー ナ ル 』Vol.10、 No.11、14・15頁。 東京医療機器協会・創立100周年記念誌編集委員会 [2012]『商工組合 東京医療機器協会 百年史』。 内閣官房(健康・医療戦略室)・文部科学省・厚生 労働省・経済産業省[2015]『医療機器開発支 援ハンドブック』。 中原一彦[2003]「特集:医工連携 特集のねらい」 『医器学』Vol.73、No.2、5頁。 永井千秋・森脇俊道[2012]「中小企業技術者等を 対象とした医工連携人材育成の試み」『工学教 育』第60巻第3号、99-104頁。 二木淑子・小山真紀[2015]「医工連携の難しさと 楽しみ」『安寧の都市-医学・工学からのアプ ローチ』京都大学大学院工学研究科・医学研究 科 安寧の都市ユニット、102-107頁。 日本政策投資銀行[2013]「シリコンバレーにみる 医療機器開発エコシステムと日本への示唆」、 (http://www.dbj.jp/pdf/investigate/etc/pdf/ book1309_01.pdf、2015年9月10日最終確認)。 ――――――――[2014]「医療機器クラスター形 成に向けた地域の動向-各地での取り組みがわ

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