「個別の教育支援計画」のソフトな活用を考える : 地域で生きていくための「個別の教育支援計画」の試行 利用統計を見る
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(2) 2.「個別の教育支援計画」が地域で暮らすために必要な部分と不必要な部分. 障害のある児童生徒が地域で生き生きと暮らすためには,その児童生徒が地域で暮らす ために必要な情報がある。本県の「個別の教育支援計画」には,次のような項目を記載す ることになっている。 ①. 健康. ②. 情緒面. ③. 認知面. ④. 身体の動き. ⑤. 本人及び保護者の願い. ⑥. 支援目標(長期). ⑦. 支援目標(短期). ⑧. 評価(総合). ⑨. 各関係機関による個別の支援計画. ⑩. 同意署名. これらの情報を関係する人々が共有することにより,「⑤本人及び保護者の願い」を実 現するための支援のネットワークを作っていこうとするものである。また逆に,必要のな い情報,支援する人々が知らなくてもいいと思われる情報もあると考える。ステージを地 域とした場合,そこで暮らしていくために本当に必要な情報は,障害名や医療的支援の情 報ではない。 児童生徒が将来生きていくための目標等を関係する人々が共有することは大切であり, 学校における指導や支援はその目標に向かって設定される。しかし,例えば,地域での生 活において「個別の教育支援計画」にうたわれている「支援目標」は必要であろうか。真 に必要なものは,むしろゆとりを持って地域で暮らすためのネットワークではないだろう か。 以下,事例をとおして,ステージを地域とした場合,何が必要なのかを具体的に考えて みることにする。. Ⅲ. 事例をとおして「個別の教育支援計画」を考える. 1. 事例1:自転車で朝の散歩をしたいY君. Y君は養護学校に自宅から通うダウン症の男の子である。家は住宅地にあり,家の前に は児童公園,その前には交通量のやや多い道路がある。 Y君は,朝起きてから学校にいくまでの時間,自転車にまたがって近所を散歩すること を趣味としている。Y君は自転車にまたがりはするものの,自転車のペダルを漕ぐことは - 106 -.
(3) できず,またがったまま歩くような感じで自転車を動かしている。知的レベルが低く,交 通ルールを理解することが難しい。だが,Y君が毎朝楽しみにしているこの散歩を続ける ためには,地域に,あるいは,周囲の関係する人々がどのような情報を共有する必要があ るのだろうか。地域の人々に必要な情報とは何であろうか。 Y君が家の周囲500~600メートルの散歩を楽しめるために必要な支援や,周囲の人々が 知っておいた方がよいと思われる情報は,例えば次のようなものであろう。 ①. Y君の楽しみが朝の散歩であることを地域の人々が理解すること. ②. Y君は交通ルールが理解できていないので,その時間帯はY君の散歩道の通行 には注意を要すること. ③. 多少の天候には左右されず,決まったコースをほぼ決まった時間に散歩すると いうことを地域の人も理解しておく必要があること(雨の中を自転車に乗って いても驚かない). ④. 一人の時間を楽しむ唯一の‘ひととき’であることを地域の人々が理解してい ること. ⑤. パジャマのまま散歩することを知っておいてもらうこと. ⑥. 声をかけてもらうのがうれしいこと. ⑦. 交通ルールを学ぶ機会としたいこと. これくらいであろうか。また,この①~⑦の情報はどれも「個別の教育支援計画」には 当てはまらない内容である。では,どのような方法で近所の人々に伝えることができるの であろうか。 「個別の教育支援計画」では,必要な項目は付け加えてその書類にも親の承諾を得た上 で,書き加えることになっている。これをご近所に周知しておくことは実はとても大切な ことである。なぜなら,Y君は散歩をしているのであって,家出をしたわけでも,叱られ て家を飛び出したわけでも何でもないからである 。「朝の日課だ」ということを何らかの 方法で地域の人々に伝えておけば良いのである。では,どういう方法が考えられるか。 ア .「いつもの散歩だからよろしくお願いします」と家族がご近所に頼んで歩く。 イ.地域の有力者(区長さん,民生委員,組長さんなど)に詳しく訳を話してお 願いする。 ウ.学校や家庭での様子と共にお便りを作成して,散歩の習慣やY君の‘人となり’ についてお知らせする。 Y君の学校の担任が,Y君のかわいさやユニークさについてお知らせすると共に,この 散歩の目的や,Y君にとってストレスの解消になっているこの朝の散歩の大切さについて 理解を得るためのお便りを書いてはどうだろうか。そうすれば,知られたくない情報では なく,伝えたい情報のみ選んでご近所にお伝えすることができる。また,Y君の散歩コー スには,徐行を呼びかける看板があってもよいと思う。. - 107 -.
(4) 2.事例2:こだわりのあるKさんが一人で登下校するための支援. Kさんは,地域の小学校の知的障害特殊学級に通う3年生である。Kさんにはいくつか のこだわりがある。コミュニケーションが取りづらく,言語による意思の疎通は成立しに くい。登校は登校班の友だちと行うが,入学当初から母親が付き添って登校している。ま た,Kさんには,学校からの帰り道,幼稚園のフェンスに登って歩くなど,いくつかのこ だわりがあり,そのことができないとパニックになる。家までの道のりは約1キロメート ルで,道順については理解できているようである。 Kさんが一人で登下校するために必要な支援は,例えば次のようなものであろう。 ①. 危険回避が十分できないので,大きな道路を横切る際の安全確認の支援。. ②. 道路のスミを歩かないと気が済まない,右側歩行を守れないなどのこだわりが あり,それを容認できる環境があること(「 危ない!」などの制止を一方的に 加えないこと)。. ③. 高いところに興味を持ち,途中で人の家の塀やフェンス等に登るおそれがある ので,登っていても,おおらかに見守ることができる環境であること。. Ⅳ. ソフトな「個別の教育支援計画」の案. 子供たちのこだわりや,楽しさについて,こんな風に受け入れられないかと,筆者は学 級通信 (※巻末にその一例を示す) を全校児童や地域の人々に配ったことがある。啓発,啓 蒙等と言うにはおこがましいが,友だちや地域の人々に理解してもらうためのソフトな「個 別の教育支援計画」ではないかと考える。‘かたい’ことばで書かれた「個別の教育支援 計画」も大事ではあるが,このようなソフトな「個別の教育支援計画」も,日常で起こり 得る様々な行動を理解してもらう手段のひとつになるのではないかと考える。. Ⅴ. まとめ. 「個別の教育支援計画」は動き始めている。今後,その活用が進むにつれて,様々な改 良も加えられなければならない。それと同時に「個別の教育支援計画」を使用するステー ジにより ,「個別の教育支援計画」を補うようなソフトな「個別の教育支援計画」が必要 になってくる。それは「個別の教育支援計画」が生きた計画になるためには欠かせないも のとなってくると思われる。特別な支援を必要とする子供たちを助けてくれるのは隣のお ばあちゃんかもしれない。形や枠にとらわれることなく,「個別の教育支援計画」がまさ に生きた道具として活用される日が来ることを願って止まない。. - 108 -.
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ても情報活用の実践力を育てていくことが求められているのである︒
仏像に対する知識は、これまでの学校教育では必
日頃から製造室内で行っていることを一般衛生管理計画 ①~⑩と重点 管理計画
が作成したものである。ICDが病気や外傷を詳しく分類するものであるのに対し、ICFはそうした病 気等 の 状 態 に あ る人 の精 神機 能や 運動 機能 、歩 行や 家事 等の
母子保健・子育て支援の領域では現在、親子が生涯
取組の方向 0歳からの育ち・学びを支える 重点施策 将来を見据えた小中一貫教育の推進 推進計画
また、同法第 13 条第 2 項の規定に基づく、本計画は、 「北区一般廃棄物処理基本計画 2020」や「北区食育推進計画」、
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