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バーガー・コートにおける会社の政治的言論権の拡大 : ベロッティ以後の判例を追う(下): 沖縄地域学リポジトリ

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(1)

Title

バーガー・コートにおける会社の政治的言論権の拡大 :

ベロッティ以後の判例を追う(下)

Author(s)

中原, 俊明

Citation

琉大法学 = RYUDAI LAW REVIEW(40): 31-61

Issue Date

1987-03-20

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/10053

(2)

バー ガー ・コー トにおけ る全社 の政 治的言論権の拡大 (中原)

1

(下

)

日 次 7 、 は じ め に H 会 社 言 論 の 三 つ の 類 型 日 間 題 の 背 景 1 特 に ペ ロ ッ テ ィ 判 決 二 、 ア ン ダ ー ソ ン 対 ボ ス ト ン 市 事 件 H 事 実 関 係 日 原 審 の 判 旨 日 連 邦 最 高 裁 の 判 旨 榊 問 題 と 考 察 三 、 コ ン ソ リ デ ー テ ィ ド ・ エ デ ィ ソ ン 社 対 ニ ュ ー ヨ ー ク 州 公 益 事 業 委 員 会 事 件 31 中 原 俊 明 ‖ 事 実 関 係 日 連 邦 最 高 裁 の 判 旨 日 間 題 と 考 察 仙 本 件 の 意 義 偽 問 題 点 の 検 討

全 体 的 評 価 ( 以 上 前 号 ) 四 ㌧ 賃

統 制 に 反 対 す る 市 民 の 会 対 バ ー ク レ ー 市 事 件 H 事 実 関 係 日 連 邦 最 高 裁 の 判 旨 日 間 題 と 考 察 川 先 例 と の 関 係 甜 結 社 の 自 由 と い う 論 拠

緊 要 な 利 益 の 判 断

(3)

32

今 後 へ の 影 響 五 、 ア

ン ズ 木 材 会 社 対 連 邦 選 挙 委 員 会 事 件 H 事 実 関 係 0 第 十 1 巡 回 区 控 訴 我 の 判 旨 日 間 題 と 考 察 六 、 連 邦 選 挙 委 員 会 対 全 国 保 守 政 治 行 動 委 員 会 事 件 H 事 実 関 係 及 び 連 邦 最 高 裁 判 旨

問 題 と 考 察 七 、

び に 代 え て H ま と め ロ バ ー ガ I

I ト へ の 評 価

へ イ ス テ

グ ス ・ ノ ー -等 の 問 題 提 起 ( 以 上 本 号 ) 琉 大法学 第40号 (1987)

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H 事 実 関 係 一 九 七 四 年 に カ リ フ ォ ル ニ ア 州 バ ー ク レ ー 市 で 行 わ れ た イ ニ シ ア テ ィ ヴ に お い て 採 択 、 制 定 さ れ た 選 挙 運 動 条 例 六

二 条 に よ っ て ' 候 補 者 選 出 及 び 投 票 案 件 に 関 す る 運 動 に お け る 支 出 及 び 献 金 に 対 し 、 次 の よ う な 制 限 が 設 け ら れ た 。 ( 2 ) 「 何 人 も ( N o p e

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投 票 ) 案 件 ( ヨ

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) を 支 持 又 は 反 対 す べ -献 金 さ れ る 合 計 額 が 単 一 の 選 挙 当 り (3 ) 二 五

ド ル を 越 え る に 至 る い か な る 献 金 を も な し て は な ら な い 」 。 上 告 人 た る 「 賃 料 統 制 に 反 対 す る 市 民 の 会 」

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C o n tr o t. 以 下

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と 略 称 す る ) は 、 バ ー ク レ ー 市 の 賃 貸 業 者 む け に 賃 料 統 制 の 実 施 を 目 的 と し た 投 票 案 件 に 反 対 す る た め に 組 織 さ れ た 法 人 格 な き 団 体 で あ る 。

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は ' そ の 日 的 推 進 の た め 約 二 二

人 か ら 、 一

万 八 千 ド ル 余 の 資 金 を 集 め た と こ ろ 、 そ の 中 に 二 五

ド ル の 制 限 を こ え る 献 金 が 九 件 も あ っ た

そ の 合 計 額 は 二 万 八 五

ド ル で 、 誰 も 制 限 額 を

(4)

33 バーガー・コートにおける全社の政治的言論権の拡大 (中原) こ え て な い と 仮 定 し た 場 合 よ り 一 万 八 千 六

ド ル も オ ー バ ー し て い た 。 被 上 告 人 た る バ ー ク レ I 公 正 選 挙 運 動 委 員 会 ( B e rk e l e y F a ir C

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T 5・ E 四 条 に 基 き 、

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に 超 過 額 一 万 八 千 六

ド ル を 市 財 政 へ 納 付 す る よ う 命 じ た

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選 挙 二 週 間 前 に 六

二 条 及 び 六

四 条 の 執 行 停 止 命 令 を ア ラ メ -ダ 郡 の 上 級 裁 判 所

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o r C o u rt ) に 求 め 、 か つ そ れ を 付 与 さ れ 、 六

二 条 が 連 邦 憲 法 修 正 丁 条 と カ リ フ ォ ル ニ ア 州 憲 法 l 章 二 条 に 反 し て 無 効 と 宣 言 す る 略 式 裁 判 の 申 立 も 認 容 さ れ た 。 引 続 き 同 州 上 訴 裁 判 所 ( C o u rt o f A p p e a t s ) も 全 員 1 致 で 原 審 を 支 持 し た が 、 同 州 最 高 裁 は 四 対 三 で こ れ を 破 棄 し た 。 そ の 多 数 意 見 に よ る と 、 六

二 条 は 、 特 定 の 利 益 集 団 が 投 票 案 件 に つ き 支 持 又 は 反 対 す べ -多 額 の 支 出 を な す こ と に よ り 、 イ ニ シ ア テ ィ ブ の 過 程 を 腐 敗 せ し め な い よ う 保 障 し て い る 。 従 っ て 同 条 は 緊 要 な 政 府 利 益 を 増 進 す る も の で あ り 、 最 少 限 度 の 制 限 方 法 に よ っ て 目 的 を 達 成 し よ う と し て お り 有 劾 で あ る 、 と 結 論 し た 。

3I

連 邦 最 高 裁 の 判 旨 最 高 裁 の 法 廷 意 見 は バ

長 官 が 執 筆 し て お り 、 八 対 一 で 、 反 対 意 見 は ホ ワ イ ー 裁 判 官 で あ る 。 ま ず 、 争 点 は 「 投 票 案 件 へ の 支 持 又 は 反 対 の た め に 作 ら れ た 団 体 へ の 献 金 に 対 す る 二 五

ド ル の 制 限 は 、 修 正 一 条 に 達 反 す る か 」 で あ っ た が 、 判 決 は 「 違 反 す る 」 と し た 。 そ の 理 由 は 次 の と お り で あ る 。 わ れ わ れ に は 集 団 的 行 動 の た め に 任 意 的 団 体 を 組 織 す る と い う 伝 統 が あ り 、 そ の 価 値 は 個 人 の 声 な ら か 細 -消 え う せ る 場 合 で も ' 集 団 的 努 力 に よ っ て 個 々 人 が 自 ら の 見 解 を 知 ら し め る こ と が で き る 点 に あ る 。 裁 判 所 は

(5)

34 琉大法学 第40号 (1987) 長 年 に わ た り 修 正 一 条 が 相 異 な る 見 解 や 思 想 の 衝 突 す る 市 場 を 保 護 す る も の と み な し て き た し 、 公 的 問 題 に つ い て の 人 々 の 声 を 聞 か し め る 権 利 を 保 障 す る に つ き 、 結 社 の 自 由 の 重 要 さ を 認 め て き た 。 「 と -に 争 い あ る 問 題 に つ い て 公 的 、 私 的 な 見 解 の 有 効 な 主 張 は 、 集 団 的 結 合 体 に よ り ま ざ れ も な -高 め ら れ る し 、 当 裁 判 所 も 言 論 の 自 由 と 結 社 の 自 由 の 間 に 緊 密 な 関 連 を 何 度 も 認 め て き た 」 ( N A A C P

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8 )) . 倭 正 一 条 の 保 護 を 、 そ の 人 の 公 け の 討 議 に 参 加 し う る 経 済 的 能 力 で 左 右 さ せ る こ と は 正 し -な い 。 ま た バ ク リ

(.J・・ ) 対 バ リ オ 事 件 で の べ た と お り 、 結 社 の 自 由 は 献 金 を 通 じ て 金 銭 を プ ー ル す る 権 利 を 含 む の で な け れ ば 弱 体 化 す る 。 何 と な れ ば 、 意 見 の 主 張 を 真 に 有 効 に し よ う と す れ ば 、 資 金 こ そ 必 須 の も の だ か ら で あ る o バ ー ク レ I 条 例 の 下 で 、 金 持 ち は 単 独 で 投 票 案 件 に 対 す る 個 人 的 見 解 を 主 張 す る た め 制 限 な し に 金 を 使 え る の に 、 結 社 の 権 利 の 行 使 と し て 数 人 が 共 同 し て 献 金 を 行 う と き だ け 制 限 さ れ る 。 グ ル ー プ の 集 団 的 表 現 を 妨 げ る こ と は 許 さ れ な い 。 先 例 (バ ク リ

I

事 件 ) に よ る と 、 候 補 者 に 対 す る 巨 大 な 献 金 者 に よ る 不 当 な 影 響 が あ る 場 合 、 例 外 的 に 制 限 が 許 容 さ れ る 。 で も 連 邦 巡 回 控 訴 裁 は 、 バ ク リ

判 決 が 投 票 案 件 に つ き 支 持 又 は 反 対 す べ -組 織 さ れ た 団 体 へ の 献 金 制 限 に 妥 当 し な い こ と を 認 め た 。 即 ち 、 第 九 巡 回 区 控 訴 裁 は 、 投 票 案 件 へ の 支 持 又 は 反 対 の た め の 会 社 献 金 を 禁 じ た モ ン タ ナ 州 法 を 無 効 と し た し (C & C P y w o o d C o rp . V . H a n s

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F 1 2 d 4 2 ) ( C A 9 , 1 9 7 8 )) ' 第 五 巡 回 区 控 訴 裁 は 、 バ ク リ

事 件 が 献 金 制 限 の 正 当 化 事 由 と し て 最 高 裁 の 認 め た 唯 一 の 政 府 利 益 を 、 献 金 者 と 候 補 者 間 の 報 償 に よ る 腐 敗 ( q u id p ro q u o

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u p ti o n ) の 防 止 で あ る 、 と 解 し た

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(6)

35 バ ーガー・コ- トにおける全社の政治的言論権の拡大 (中原) 六

二 条 に よ っ て 増 進 さ れ る と 主 張 さ れ た 公 益 は 本 質 的 な も の で な -、 同 条 が 修 正 一 条 の 権 利 制 限 を 正 当 化 す る の に 充 分 に 意 義 あ る 政 府 利 益 を 増 進 し な い こ と は 明 白 で あ る 。 従 っ て 六

二 条 は 、 団 体 自 体 の 表 現 の 自 由 と 団 体 を 通 じ て 見 解 表 明 を 欲 す る 個 々 人 の 表 現 の 自 由 に 対 す る 重 大 な 制 限 を 課 し て い る 。 原 判 決 を こ こ に 破 棄 し 、 差 戻 す 。 レ ー ン キ ス ト 裁 判 官 の 補 足 意 見 は こ う で あ る 。 ペ ロ ッ テ ィ と ち が っ て 、 バ ー ク レ ー 市 条 例 は 会 社 の み を 対 象 と し た も の で は な -、 投 票 案 件 レ フ ェ レ ン ダ ム の た め に 作 ら れ た 団 体 へ の 献 金 額 に 対 す る 包 括 的 制 限 を 課 す こ と を ね ら っ て い る 。 だ か ら 、 ペ ロ ッ テ ィ で の 反 対 意 見 は 本 件 に 妥 当 し な い 。 マ ー シ ャ ル 裁 判 官 の 補 足 意 見 は 次 の と お り で あ る 。 当 裁 判 所 は 、 常 に 献 金 制 限 と 支 出 制 限 と を 区 別 し て き た 。 前 開 廷 期 の 判 決 ( C a lif

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b y p r o x y ) は 、 当 裁 判 所 が バ ク リ

事 件 に お い て 、 修 正 一 条 の 完 全 な 保 護 を う け る と 判 断 し た 政 治 的 主 張 と 同 類 の も の で は な い 。 も し カ リ フ ォ ル ニ ア 州 最 高 裁 で の 記 録 に よ っ て 、 投 票 案 件 ( 推 進 ) 団 体 へ の 多 額 の 献 金 が 市 民 の 政 府 に 対 す る 信 頼 を 失 わ せ た と の 結 論 を 支 持 す る に 充 分 な 立 証 が な さ れ た と す れ ば 、 私 は あ る い は ホ ワ イ ー 裁 判 官 の 反 対 意 見 に 組 み し た で あ ろ う 。 ブ ラ ッ ク マ ン 、 オ コ ー ナ ー 両 裁 判 官 の 補 足 意 見 は 、 本 件 で の 献 金 制 限 が 「 厳 格 な 審 査 」 に 適 合 す る た め に は 、 バ ー ク レ I 市 に お い て 当 該 条 例 は 、 充 分 に 重 大 な 政 府 利 益 を 増 進 し 、 か つ 修 正 1 条 の 自 由 に 対 す る 不 必 要 な 制 限 を 避 け る べ -慎 重 に 導 か れ た 手 段 を 採 用 し て い る こ と を 立 証 す べ き と こ ろ 、 そ れ が な か っ た と 判 断 す る 、 と し た 。 ホ ワ イ ー 裁 判 官 の 反 対 意 見 は 次 の と お り で あ る 。 当 裁 判 所 は 、 バ ク リ

事 件 に お い て 連 邦 の 公 職 選 挙 に お け

(7)

36 (1987) 琉 大 法学 第40号 る 献 金 制 限 を 肯 定 し 、 支 出 制 限 を 否 定 し た 。 そ の い ず れ も 連 邦 議 会 が 選 挙 過 程 の 完 全 性 を 守 る の に 等 し -重 要 と 考 え た も の で あ っ た 。 そ の 二 年 後 の ペ ロ ッ テ ィ 事 件 で は 、 マ サ チ ュ ー セ ッ ツ 州 議 会 の 判 断 を 、 当 裁 判 所 の 僅 差 の 多 数 意 見 で 置 き か え 、 レ ク ェ レ ン ダ ム に お け る 会 社 支 出 に 対 す る 州 の 禁 止 を 無 効 と し た 。 バ ー ク レ -市 条 例 は 、 バ ク リ

事 件 の 先 例 に な ら っ て も 、 表 現 及 び 結 社 の 自 由 に 対 す る 無 視 し う る 侵 害 で あ っ て 、 そ の 施 策 は 支 持 さ れ る べ き で あ る 。 条 例 は 、 修 正 一 条 が 許 容 す る と 思 わ れ る と こ ろ を 越 え て は い な い 。 そ れ は 言 論 の 量 又 は 内 容 を 統 制 す る も の で は な い し ' ペ ロ ッ テ ィ 事 件 の 州 法 と 違 っ て 、 献 金 と 支 出 を 完 全 に 禁 ず る も の で も な い 。 い か な る 人 も 会 社 も ' 二 五

ド ル ま で は 献 金 で き る 。 そ れ 以 上 の 拠 出 を 欲 す る な ら 「 支 出 」 と す れ ば 制 限 を 免 れ る 。 こ の 条 例 が 一 つ の グ ル ー プ の 集 団 的 表 現 を 妨 げ る と 多 数 意 見 は 懸 念 し て い る が 、 そ れ は 上 告 人 が す で に 選 挙 運 動 の 予 算 を 調 達 し た の で 選 挙 の 一 月 前 に す べ て の 資 金 集 め を 打 切 っ て い た と い う 事 実 に よ っ て 覆 さ れ て い る 。 合 衆 国 対 自 動 車 労 働 者 事 件 ( U n i te d

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7 ,5 7 5 () 9 5 7 ) ) 以 降 、 当 裁 判 所 は 、 賢 明 な 政 府 行 動 を め ざ す 民 主 主 義 の た め に 、 個 々 の 市 民 の 積 極 的 な 警 告 責 任 を 支 持 す る こ と が 有 効 な 州 利 益 で あ る と 認 め て き た 。 ペ ロ ッ テ ィ 事 件 で は 、 も し 会 社 の 意 見 主 張 が か か る 民 主 的 過 程 を 崩 壊 さ せ る 切 迫 し た 脅 威 を 与 え る な ら 、 会 社 支 出 へ の あ る 規 制 は 正 当 化 さ れ う る こ と を 示 唆 し た 。 本 件 に お い て こ の 要 件 は 充 分 に み た さ れ て い る 。 主 と し て 会 社 を 資 金 源 と す る 大 口 献 金 の 急 増 と と も に 、 個 人 の 役 割 が 衰 退 し て お り 、 例 え ば 、 カ ル フ ォ ル ニ ア 公 正 政 治 活 動 委 員 会 の 報 告 ( l 九 八 一 年 五 月 二 八 日 ) に よ る と 、 l 九 八

年 の l 般 選 挙 で の 個 人 献 金 は l 九 七 八 年 選 挙 の 際 の 半 分 に 減 少 し 、 金 献 金 額 の 五 パ ー セ ン ト に す ぎ な い 。 莫 大 な 支 出 が 、 特 定 の 投 票 案 件 の 勝 利

(8)

37 バー ガー ・コ- トにおけ る全社の政治的言論権の拡大 (中原) を 「買 い と っ た 」 と の 証 明 は で き な い と は い え 、 多 額 の 献 金 が 少 -と も イ ニ シ ア テ ィ ヴ 案 件 の 採 択 を 阻 止 で き る と の 証 拠 は 多 -存 す る 。 少 数 の 大 企 業 の 巨 大 な 献 金 が 、 個 人 の 努 力 を 押 し っ ぶ す こ と が で き る と の 認 識 は 、 投 票 案 件 推 進 運 動 へ 参 加 す る 意 欲 を 失 わ せ て し ま っ た で あ ろ う し 、 レ フ ェ レ ン ダ ム 過 程 へ の 一 般 の 信 頼 を 崩 壊 さ せ て い る 可 能 性 も あ る 。 い か な る 形 の 規 制 も 、 表 現 活 動 に 従 事 す る 個 人 と 会 社 の 能 力 に 影 響 を 及 す 。 問 題 は 、 い か な る 範 囲 で バ

ク レ

市 条 例 に よ っ て 表 現 及 び 結 社 活 動 が 制 限 さ れ る か で あ る 。 規 制 の も た ら す 侵 害 が 、 本 件 の 如 -、 軽 微 か つ 一 過 的 で あ る 場 合 、 そ の 規 制 を 正 当 化 す る 州 利 益 の 要 件 も さ ほ ど 高 度 の も の た る を 要 し な い 。 私 見 に よ れ ば 、 同 市 条 例 は バ ク リ

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' ペ ロ ッ テ ィ

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事 件 の 審 査 を 通 過 し て い る 0 日 問 題 と 考 察

先 例 と の 関 係 本 判 決 の 法 廷 意 見 、 補 足 意 見 、 及 び 反 対 意 見 で バ ク リ

、 ペ ロ ッ テ ィ 両 事 件 が 共 通 に 引 用 さ れ て い る 。 こ れ ら の 先 例 で 最 高 裁 が 明 ら か に し た の は 「献 金 制 限 」 に 関 し 、 言 論 の 自 由 に 対 す る 周 辺 的 制 限 に す ぎ ず 、 緊 要 な 利 益 に 奉 仕 す る も の と し て 是 認 し 、 他 方 「 支 出 制 限 」 に つ い て は 言 論 権 に 対 す る 本 質 的 な 制 限 で あ っ て 、 修 正 一 条 が 許 容 し な い 、 と い う 点 で あ っ た 。 本 件 の マ ー シ ャ ル 意 見 は 、 こ の 点 を 再 確 認 し て い る 。 本 件 の 原 審 た る カ ル フ ォ ル ニ ア 州 最 高 裁 は 、 献 金 制 限 肯 定 の 部 分 に 大 き な 影 響 を う け て い る 。 即 ち 、 制 限 を 正 当 化 す る 州 利 益 と し て 、 レ フ ェ レ ン ダ ム 過 程 の 完 全 性 ( iコ te g ri t y ) 、 よ り 具 体 的 に は 限 ら れ た 利 益 集 団 に よ る 投 票 案 件 へ の 不 当 な 影 響 の 排 除 、 有 権 者 の ア パ シ

の 助 長 防 止 、 政 治 的 表 現 の 対 (均 ) 等 化 、 等 を あ げ ' こ れ

(9)

38 (1987) 琉 大法学 第40号 ( 6 ) ら が 修 正 1 条 の 政 治 的 言 論 権 の 周 辺 部 の 侵 害 を 補 っ て 余 り あ る か ら 、 条 例 は 違 憲 で な い へ と し た 。 他 方 、 バ ク リ

、 ペ ロ ッ テ ィ 等 の 先 例 が 支 出 禁 止 を 違 憲 と し た 部 分 は 、 本 件 の 連 邦 最 高 裁 に よ り 踏 襲 さ れ た 。 (7 ) そ れ は 、 と -に バ

長 官 の 執 筆 し た 法 廷 意 見 に 顕 著 で あ る 。 先 例 と 本 件 の ち が い と し て 、 ペ ロ ッ テ ィ 事 件 で は 、 投 票 案 件 の 支 持 又 は 反 対 の た め 会 社 の な す 献 金 に つ き 、 金 額 の 多 寡 を 問 わ ず 全 面 禁 止 を し て い た 州 法 が 違 憲 と さ れ た の に 対 し 、 本 件 で は 、 さ ら に ふ み こ ん で ' 何 人 で ち ( n O p e r so n ) 投 票 案 件 に つ き 献 金 す る 場 合 、 二 五

ド ル と い う 制 限 に 服 さ ね ば な ら な い と 定 め た 条 例 ま で も 違 憲 と さ れ た 点 が 注 目 さ れ る 。

結 社 の 自 由 と い う 論 拠 本 件 で は 、 第 一 義 的 に 言 論 の 自 由 と い う よ り も 、 結 社 の 自 由

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y ) を 前 面 に 強 -出 し て 判 断 し て い る 点 が 特 徴 的 で あ る 。 個 々 人 の か す か な 声 で あ れ ば 消 え 去 る よ う な 場 合 で あ っ て も 、 集 団 と し て の 努 力 に よ っ て 、 そ の 意 思 を 広 -知 ら せ る こ と が で き る 、 と い う 視 点 で 結 社 、 団 結 の も つ 価 値 を 重 視 す る 。 裁 判 所 は 、 バ ク リ ー 判 決 を 引 用 し っ つ 、 結 社 の 権 利 が ' 何 ら か の 意 見 を 主 張 す べ く 献 金 に よ っ て 金 銭 を プ -(8 ) ル す る 権 利 ( ri g

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y ) ま で 含 ん で い る と し て 、 結 社 権 と 言 論 権 の 不 離 一 体 性 を 説 い て い る 。 さ ら に 本 件 バ

判 決 は

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バ ー ク レ ー 市 条 例 の 下 で 豊 か な 個 人 や 大 会 社 が な す 「 独 立 支 出 」 に は 何 ら の 制 限 も な ( 9 ) い の に ' 投 票 案 件 に つ い て の 献 金 者 の 意 見 を 公 け に 広 め る た め に 作 ら れ た 団 体 へ 、 余 り 裕 福 で な い 個 人 や 団 体 が 献 金 を な す 場 合 に 制 限 を 加 え る の は 結 社 の 自 由 を 制 約 す る ' と い う 不 公 平 を 指 摘 す る 。

(10)

39 バーガー ・コー トにおける全社の政治的言論権の拡大 (中原) こ う し て 結 社 の 自 由 を 根 拠 に 投 票 案 件 へ の 献 金 額 制 限 を 違 憲 無 効 と し た こ と の 意 味 は 、 批 判 者 の 立 場 か ら み る と ど う な る の か 。 二 つ の 反 応 を と り あ げ て み よ う 。 (10 ) 第 一 は ' マ イ ア ミ ・ コ メ ン -で あ る 。 こ れ に よ る と 、 本 件 が 言 語 の 自 由 よ り も 結 社 の 自 由 に ウ エ イ ト を お い て 判 断 し た こ と は 、 政 治 献 金 へ の 制 限 を 合 憲 と し た 先 例 (バ ク リ

判 決 な ど ) を 明 示 的 に 廃 棄 す る こ と な -、 有 効 に そ の 働 き を 抑 止 す る 方 法 を 見 出 し た も の で あ り ' こ の 論 理 に よ っ て 、 公 職 選 挙 に 関 し 会 社 の 献 金 禁 止 を (E J 合 憲 と し て き た 従 来 の 立 場 を 崩 す 足 が か り が 作 ら れ た と 危 倶 す る 。 ( 12 ) 第 二 に 、 ラ ン シ ン グ

批 判 は こ う で あ る 。 判 決 の レ -リ ッ ク に も 拘 ら ず 、 二 五

ド ル の 献 金 の 上 限 は 声 な き 声 を き い て も ら う た め に 結 束 、 団 結 し た 貧 し い 人 々 、 及 び 裁 判 所 が 修 正 一 条 の 議 論 を 向 け て い る 人 々 の 政 治 的 影 響 力 を 制 限 し て は い な い の で あ っ て 、 む し ろ 判 決 は 上 限 を は る か に 越 え て 献 金 で き る 裕 福 な 献 金 者 た ち の 利 益 を 守 る も の で あ る 。 本 判 決 は 、 ペ ロ ッ テ ィ と 同 じ -そ の 現 実 的 効 果 が 有 権 者 の 修 正 一 条 の 利 益 に 相 反 す る こ と に な る の を 見 逃 し た 、 と 指 摘 す る 。

緊 要 な 利 益 の 判 断 1 椴 に 、 修 正 1 条 の 自 由 を 制 限 す る に は 厳 格 な 審 査 を パ ス し 、 そ の た め に 緊 要 な 州 (又 は 政 府 ) 利 益 で 正 当 化 さ れ る 必 要 が あ る 。 そ の 緊 要 な 利 益 に 関 し て 、 さ ま ざ ま な 主 張 が な さ れ て き た 。 例 え ば 、 投 票 過 程 に お け る 影 響 力 の 大 な る 者 と 小 な る 者 の 声 を 対 (均 ) 等 化 す る 利 益 、 多 額 の 金 銭 拠 出 か ら 生 じ る 政 治 過 程 の 腐 敗 防 止 の 利 益 、 選 挙 過 程 へ の 市 民 の 信 頼 維 持 ' 会 社 に お け る 少 数 反 対 株 主 の 利 益 保 護 の 必 要 ' 等 々 で あ る 。 影 響 力 又 は 声 の 対 等 化 と い う 規 制 利 益 は 、 先 例 で も 本 件 で も ' 多 数 意 見 が 変 け い れ る と こ ろ に は な ら な か っ た 。 こ れ に 対

(11)

40 琉 大 法学 第40号 (1987) ( 13 ) 抗 す る 別 の 価 値 を 優 先 さ せ た か ら で あ る 。 そ れ は バ

長 官 に 代 表 さ れ る 「 思 想 の 自 由 市 場 論 」 で あ る 。 即 ち 、 一 般 市 民 は 情 報 の 評 価 能 力 を 備 え た も の と 想 定 し 、 公 権 的 に 情 報 の 流 れ を 妨 げ て は な ら な い と す る 「 レ ッ セ フ ェ ー ル 」 の 思 想 で あ り 、 商 法 的 に 表 現 す れ ば 「買 主 注 意 せ よ 」 の 原 則 で あ る 。 ( I ) こ れ に 対 し 、 ホ ワ イ ト 裁 判 官 の 反 対 意 見 に 代 表 さ れ る 影 響 力 対 等 化 と い う 規 制 利 益 を 肯 定 す る 立 場 が あ る 。 そ れ は 、 思 想 の 市 場 に お け る 競 争 の 公 正 さ 、 即 ち 投 票 過 程 の 公 正 さ を 維 持 す る 州 利 益 を 肯 定 す る パ タ

ナ リ ス テ ィ ッ ク な 考 え 方 で あ る 。 ホ ワ イ ト に よ れ ば 、 そ の 州 の 規 制 利 益 は 修 正 一 条 そ の も の か ら 出 て -る と な し 、 ち ょ う ど 強 大 な 経 済 的 利 益 主 体 、 即 ち 独 占 的 企 業 の も つ 影 響 力 を 規 制 し て こ そ 、 市 場 で の 真 の 競 争 が 成 り 立 つ と い (15 ) う 経 済 規 制 法 と 同 じ 発 想 で あ る 。 こ う し て 、 レ ッ セ フ ェ ー ル か パ タ

ナ リ ズ ム か と い う ' 基 本 的 に 対 立 し あ う 哲 学 が そ こ に 横 た わ っ て い る 。 本 件 で は 、 制 限 を 正 当 化 す る 唯 I の 政 府 利 益 と し て 、 献 金 者 と 候 補 者 間 に お け る 報 償 関 係 に よ る 腐 敗 ( Q

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(16 ) p ro q u o c o r r u p ti o n ) の 防 止 に つ い て 、 結 局 は 認 め る に 至 ら な か っ た O そ の 理 由 と し て 、 レ フ ェ ン ダ ム は 特 定 の 問 題 に 関 し て 行 わ れ る の で あ っ て 、 公 職 候 補 者 に 対 し て で は な い 。 選 挙 の 際 に 起 り う る 腐 敗 の 危 険 は 、 投 票 案 件 に 関 し て は 存 在 し な い 、 と み た か ら で あ る 。 そ こ で 本 判 決 に よ っ て 、 今 後 は 州 も 自 治 体 も 、 少 な -と も 候 補 者 の 選 挙 以 外 の 場 面 で 政 治 的 資 金 拠 出 の 制 限 を 正 当 化 で き る 利 益 を も ち 出 す 余 地 が 失 わ れ 、 政 治 過 程 へ の 信 頼 維 持 と い う 州 利 益 も 、 バ ク リ

や ペ ロ ッ テ ィ (17 ) 事 件 で は ま だ 支 持 さ れ て い る よ う に み え た が 、 本 件 に よ っ て 葬 ら れ た ' と 評 価 さ れ て い る 。

今 後 へ の 影 響

(12)

41 バ ーガ-.コートにおけ る全社 の政 治的言論椛 の拡大 (中原) 本 件 は ' 当 事 者 が 法 人 格 な き 政 治 的 団 体 で あ り 、 直 接 会 社 に 関 す る ケ

ス で は な い 。 し か し 、 条 例 六

二 条 は 個 人 に は も と よ り 、 会 社 に も 適 用 あ り と 解 さ れ 、 従 っ て 本 件 で 判 断 さ れ た こ と は 会 社 に も あ て は ま る こ と に (18 ) な る 。 本 件 に お い て ' 政 治 的 団 体 の 問 題 に 関 し 、 個 人 の 結 社 の 権 利 を 軸 と し て 判 決 が な さ れ 、 そ の 効 果 が 会 社 に も 及 ん で い -こ と に 関 し て 、 次 の よ う な 二 つ の 問 題 指 摘 が な さ れ て い る 。 第 一 に 、 本 件 判 決 が 六

二 条 を 違 憲 と し た こ と に よ っ て 投 票 案 件 と い う 文 脈 に お け る 会 社 の 資 金 拠 出 の 規 制 ま で も 完 全 に 取 り 除 い た こ と で あ る 。 ペ ロ ッ テ ィ 事 件 で は 、 投 票 案 件 に お け る 会 社 拠 出 の 全 面 禁 止 が 違 憲 と さ れ た が 、 本 件 で は 全 面 禁 止 で な -一 部 制 限 で あ り 、 い わ ば 修 正 一 条 の 利 益 の 周 辺 部 の 侵 害 と し て 許 容 さ れ る べ き 制 限 で あ っ た に も 拘 ら ず 、 ペ ロ ッ テ ィ 法 理 を そ こ ま で 拡 大 す る と い う 効 果 を も た ら し た 。 そ の 結 果 考 え ら れ る こ と と し て 、 今 後 、 投 票 案 件 の キ ャ ン ペ ー ン に お い て 会 社 利 益 が 修 正 一 条 の 利 益 と い う 名 目 で ま か り 通 り 、 (19 ) 過 大 に 優 遇 さ れ る 事 態 が 起 き て こ

第 二 に 、 会 社 (と -に 大 会 社 ) の 場 合 、 所 有 と 支 配 の 分 離 に よ っ て 、 会 社 の 政 治 的 言 論 は 、 政 治 的 結 社 又 は (帥 ) 団 体 の 言 論 が そ の 構 成 員 の 意 思 を 反 映 す る の と 同 程 度 に は 株 主 の 意 見 を 反 映 し え な い 、 と の 指 摘 が あ る 。 つ ま り 、 会 社 の 政 治 的 言 論 は そ の 実 質 に お い て は 、 会 社 の 所 有 者 で は な -て 支 配 者 で あ る 会 社 役 員 の 発 言 と 3郷 E み ら れ る 。 そ の 構 成 員 の 意 思 が 比 較 的 忠 実 に 反 映 す る 政 治 的 結 社 、 団 体 に 関 す る 本 件 判 決 が 、 そ の ま ま 構 成 員 と の 間 に 意 思 の 乗 雛 が 著 る し い 会 社 に 拡 大 適 用 さ れ る 不 合 理 は 避 け ら れ な い と 思 わ れ る 。 本 件 判 決 の も た ら す 影 響 は 、 早 晩 、 同 様 の 規 制 法 を 有 す る 他 州 へ 及 ん で い く こ と が 予 想 さ れ る 。 例 え ば 、 メ リ

ラ ン ド 州 の ス テ フ ァ ン ・ サ ク ス 司 法 長 官 は 、 同 州 の 公 正 選 挙 法 ( F a ir E te

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L a w ) の 二 六 条

(13)

42 (1987) 琉 大 法学 第40号 の 九 州 項 二 号 に 「 い か な る 会 社 も レ フ ェ レ ン ダ ム 案 件 の 通 過 の 推 進 又 は 反 対 の た め 、 二 五

ド ル を 越 え る 金 員 を 献 金 し て は な ら な い 」 と あ り 、 本 件 バ ー ク レ ー 判 決

結 果 、 か か る 上 限 設 定 方 式 も 違 憲 に な る 旨 の 参 考 意 3 砺 E 兄 を 出 し て い る の で あ る 。 で は 、 政 治 的 拠 出 規 制 が 自 由 化 さ れ る 傾 向 の 中 で 、 会 社 と い う ア イ デ ン テ ィ テ ィ ー は 今 後 違 い を 生 ま な い の で あ ろ う か 。 一 方 で は 、 違 い を 生 じ な -な る と す る 見 方 、 他 方 で は や は り 違 い が 残 る と の 予 想 が 対 立 す る 。 前 ( 23 ) 者 に よ る と 、 献 金 と 支 出 の 区 別 を 否 定 し た バ

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長 官 の 立 場 ' そ し て バ ク リ

、 ペ ロ ッ テ ィ 、

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と い う 1 連 の 判 決 で 最 高 裁 が 「金 が 物 を い う 」

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事 実 を 承 認 し た こ と に 鑑 み て 、 会 社 の な す 選 挙 関 連

(24

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の 献 金 制 限 へ の 支 持 も 取 り 去 ら れ る も の と 予 想 す る 。 こ れ に 対 し ' 後 者 で は ' チ ャ レ ン ジ 自 体 避 け が た い と は (25 ) い え 、 会 社 と 自 然 人 の 間 の 境 界 線 は や は り 維 持 さ れ る と み る 。 相 対 立 す る 二 つ の 予 測 で は あ る が 、 筆 者 と し て 思 う に 、 短 期 的 に は 後 者 が 正 し -、 長 期 的 展 望 と し て は 、 前 者 が 恐 ら -正 し い の で は あ る ま い か 。 現 在 の と こ ろ 、 ま だ 会 社 を 自 然 人 か ら 区 別 し て 政 治 献 金 の 制 限 を 支 持 す る 姿 勢 を 示 し た の が 、 次 に み る ア セ ン ズ 事 件 で あ る 。 (2 6 ) 五 ア セ ン ズ 木 材 会 社 対 連 邦 選 挙 委 員 会 事 件 H 事 実 関 係 建 築 用 木 材 製 品 の 製 造 、 販 売 業 を 営 む ジ ョ ー ジ ア 州 の 会 社 た る ア セ ン ズ 木 材 会 社 で は 、 一 九 八 一 年 七 月 に 六 人 の 株 主 全 員 で 次 の よ う な 決 議 を 成 立 さ せ た 。 即 ち 、 社 長 に 連 邦 の 公 職 選 挙 の た め に 一 万 ド ル を 使 う 権 限 を 与

(14)

43 バー ガー・コー トにおけ る会社の政 治的言論権の拡大 (中原) え 、 そ れ は 会 社 の 資 金 か ら 直 接 支 払 う こ と 、 会 社 の 利 益 に 好 意 的 な 候 補 者 へ 一

ド ル 以 内 の 献 金 を な す こ と 、 全 体 の 金 額 の 五

パ ー セ ン ト は 、 社 長 の 判 断 に よ っ て 候 補 者 を 支 持 す べ -新 聞

ラ ジ オ 等 の 宣 伝 に 使 っ て よ い こ と 、 等 で あ る

か か る 献 金 や 支 出 が 連 邦 選 挙 動 運 法 四 四 1 条

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項 3 :号 に 逮 反 す る こ と が 明 白 だ っ た の で 、 同 決 議 中 で 、 献 金 ・ 支 出 は 該 条 項 が 廃 止 さ れ る か 、 又 は 裁 判 所 に よ っ て 無 効 宣 言 が な さ れ る ま で 行 わ れ な い こ と を 条 件 づ け た 。 そ の 後 、 ア セ ン ズ 社 と 社 長 が 共 同 原 告 と な っ て 、 四 四 1 条 b 項 3 :号 が 違 憲 で あ る 旨 の 宣 言 的 判 決 を 求 め て 、 ジ ョ ー ジ ア 州 中 部 地 区 の 連 邦 地 裁 へ 提 訴 し た の が 本 件 で あ る 。 原 告 の 主 張 は 、 正 副 大 統 領 、 上 下 両 院 議 員 そ の 他 、 連 邦 の 公 職 者 の 選 挙 に 関 連 し て 、 会 社 が 献 金 又 は 支 出 を な す こ と を 禁 止 し た 当 該 条 項 が 会 社 の 政 治 的 言 論 権 を 侵 害 す る も の で 、 会 社 と 個 人 を 悪 意 的 に 差 別 す る と し た 。 そ し て 、 原 告 は 連 邦 選 挙 運 動 法 四 三 七 条 に 基 づ -即 決 手 続 (e x p e d it e d p r

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に よ っ て 、 巡 回 控 訴 裁 判 所 の 全 員 合 議 体 に よ る 審 査 を う け る た め 、 争 点 証 明

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を 求 め た の で あ る 。 こ の 申 立 を 受 理 し た 地 裁 で は 、 即 決 手 続 の た め の 争 点 証 明 付 与 を 拒 否 し 、 管 轄 上 の 理 由 で 訴 を 却 下 し た た め 、 こ れ に 不 服 で あ っ た 原 告 が 第 十 一 巡 回 区 控 訴 裁 へ 上 訴 し た の で あ る 。 (本 件 で は 、 原 告 適 格 の 有 無 が 大 き な 争 点 と な っ た が 、 こ こ で は そ の 部 分 を 割 愛 す る ) 0

第 十 一 巡 回 区 控 訴 我 の 判 旨 控 訴 裁 は 、 原 審 の 訴 訟 不 適 格 性 ( n

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y ) に 関 す る 判 断 を 破 棄 し 、 即 決 手 続 の た め の 争 点 証 明 を 八 項 目 に わ た っ て 行 っ た の で あ る が 、 そ れ ら の 中 に は 次 の よ う な も の が 含 ま れ て い る 。

(15)

44 琉 大法学 第40号 (1987) 〇 四 四 1 条 b 項 糾 号 は 、 原 告 ら が ア セ ン ズ 会 社 資 金 か ら 、 直 接 、 連 邦 の 公 職 候 補 者 に 対 し て 、 い か な る 直 接 的 政 治 献 金 を な す こ と を も 禁 ず る こ と に よ っ て 、 連 邦 憲 法 修 正 一 条 に 違 反 し て い る か 。 ○ 同 条 は 、 原 告 ら が 会 社 資 金 か ら 特 定 の 連 邦 の 公 職 候 補 者 の 当 選 又 は 落 選 を 目 的 と し て 、 候 補 者 の 運 動 か ら 独 立 し て な す 新 聞 、 ラ ジ オ ' テ レ ビ 等 の 宣 伝 の た め の 支 出 に つ き 、 金 額 の 多 寡 を 問 わ ず 、 絶 対 的 に 禁 止 し て い る 点 で 修 正 一 条 に 違 反 す る か 。 ○ 同 条 は ' 修 正 1 条 及 び 五 条 に 反 し て ' 悪 意 的 に ' 1 万 で は 会 社 、 他 方 で は 自 然 人 及 び 会 社 以 外 の 団 体 を 差 別 す る も の か 。 巡 回 控 訴 裁 で は 、 二 人 の 全 員 合 議 体 ( E n B a n c C o u rt ) に よ っ て 採 決 の 結 果 、 本 件 の 受 理 を 決 定 し 、 7 九 八 三 年 l

月 二 四 日 に 、 全 員 1 致 の 意 見 で ' 次 の 判 決 を 云 渡 し た 。 本 件 の 本 質 的 な 憲 法 問 題 に 関 し て は 、 さ き に 最 高 裁 で 云 渡 さ れ た 「 連 邦 選 挙 委 員 会 対 働 -権 利 全 国 委 員 会 事 ( 2 7 ) 件 」 の 判 断 が 拘 束 力 を も つ こ と に つ き 全 員 異 論 が な い の で 、 そ こ に 示 さ れ た 理 由 に 基 づ き 、 控 訴 人 (原 告 ) が 争 っ た 制 限 及 び 禁 止 は 合 憲 で あ る と 解 す る 。 そ の 後 、 最 高 裁 へ 上 告 さ れ た が 、 一 九 八 四 年 三 月 l 九 日 付 で 上 告 不 受 理 の 決 定 が な さ れ た 0 日 間 題 と 考 察 本 件 は 、 す で に み て き た よ う に ' l 連 の 会 社 の 政 治 的 言 論 権 拡 大 と い う 判 例 の 流 れ を 背 景 に し て 、 会 社 の 政 治 献 金 規 制 の 最 後 の 砦 と も い う べ き 連 邦 選 挙 運 動 法 四 四 l 条 b 項 3 : 号 へ の 、 真 正 面 か ら の 挑 戦 と い う 意 味 で 注 目 に 値 す る も の だ っ た 。

(16)

45 バ-〟-・コー トに おけ る会社 の政 tfT的言論権 の拡大 (中

原)

と -に 本 件 で は 、 原 告 の 立 場 を 強 力 にす る 要 因 と し て 次 の 二 点 が あ っ た 。 第 1 点 は 、 ア レ ン ズ 社 が 、 小 規 模 閉 鎖 会 社 と は いえ 、 と も か -も 株 主 全 員 の 同 意 に よ っ て 政 治 献 金 を 行 う こ と を 決 議 し た こ と で あ る。 こ の 点 に 関 連 し て、 ペ ロ ッ テ ィ 判 決 で は ' 仮 に 株 主 全 員 が 献 金 や支 出 を 承 認 し た 場 合 ま で も 、 会 社 が レ フ ェ レ ン ダ ム 案 ( 28 ) 件 に 賛 成 又 は 反 対 す る こ と を 禁 じ た マ サ チ ュ ー セ ッ ツ 州 法 を 「 規 制 過 剰 」 と 批 判 し て お り 、 恐 ら -原 告 は こ の こ と を 意 識 し て い た の で は あ る ま い か。 第 二 点 は 、 金 額 が 一 万 ド ル (最 近 の レ ー ト で 日 本 円 に 換 算 す る と 一 五

万 円 ) と 、 極 め て 控 え目 で あ っ て 、 従 っ て選 挙 過 程 へ の 不 当 な 影 響 と か 、 そ の 授 受 の 当 事 者 間 で 報 償 ( 29 ) 関 係 に よ る 腐 敗 の 生 じ る 可 能 性 が極 度 に 小 さ か っ た こ と で あ る 。 し か し ' い ず れ の 点 も 裁 判 所 を 説 得 し う る 事 情 と は な ら な か っ た 。 仮 に 原 告 の 請 求 が 認 容 さ れ る こ と にな っ た と す れ ば 、 一 九

七 年 の テ ィ ル マ ン 法 以 来 守 ら れ て き た 会 社 の 政 治 献 金 禁 止 政 策 が 崩 れ 去 る こ と を 意 味 し 、 以 後 政 治 的 言 論 権 に 関 し て自 然 人 と 会 社 ・ 法 人 と の 間 に 残 る 唯 一 の 違 いは、 投 票 権 の 有 無 に 帰 し て い た で あ ろ う 。 幸 い に し て ' 第 十 一 巡 回 区 控 訴 我 も 、 最 高 裁 も 、 「会 社 」 と い う 違 い を 認 識 し て 、 慎 重 に 最 後 の 一 線 を 守 っ た 、 と 評 し て よ い で あ ろ う 。

(30

)

六 連

選 挙 委 員 会 対

国 保 守 政 治 行 動 委 員 会

H 事 実 関 係 及 び 連 邦 最 高 裁 判 旨 全 国 保 守 政 治 行 動 委 員 会

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P A C と 略 称 す る ) 及 び 、 保 守 多 数 派 の た め の 基 金

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は 、 い ず れ も 保 守 派 の 公 職 候 補

(17)

46 琉 大法学 第40号 (1987) 者 を 支 持 す べ -組 織 さ れ た 団 体 で 、 非 営 利 法 人 で あ る が 、 一 九 八 四 年 の 大 統 領 選 挙 で レ ー ガ ン 再 選 支 持 の た め 多 額 の 金 銭 を 拠 出 す る こ と を 公 言 し た 。 そ こ で 、 民 主 党 と 連 邦 選 挙 委 員 会 ( F E C ) は 、 大 統 領 選 挙 運 動 資 金 法

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n F u n d A ct ) の 九

二 一 条

項 が 合 憲 で あ る 旨 の 宣 言 的 判 決 を 求 め て 、 ペ ン シ ル ベ ニ ア 州 東 部 地 区 の 連 邦 地 裁 へ 提 訴 し た の が 本 件 で あ る

(本 件 の 場 合 も 、 当 事 者 適 格 の 問 題 が 大 き な 争 点 で あ っ た が 、 こ こ で は 省 略 す る ) 0 (31 ) 地 裁 は ' 宣 言 的 判 決 の 訴 を 棄 却 し た の で 、 原 告 は 最 高 裁 へ 直 接 上 告 を 行 な っ た 。 問 題 の 九

二 一 条

項 は 、 独 立 の ( n

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o ri z e d ) 政 治 行 動 委 員 会 ( P o tit ic a t A

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を う け る 大 統 領 候 補 者 の 当 選 を は か る た め に な し う る 支 出 (e x p en d i

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ル と 規 定 し た 条 項 で あ る . 本 件 の 争 点 は 「 公 的 補 助 の な さ れ た 大 統 領 選 挙 に お い て P A C が な す 独 立 支 出 へ 制 限 を 加 え た 九

二 1 条

項 が 合 憲 か 否 か 」 で あ っ た 。 最 高 裁 の 判 決 は ' 七 対 二 で 、 前 記 争 点 に 関 し 同 条 項 を 違 憲 と 判 示 し た が 、 レ ー ン キ ス ト 裁 判 官 が 法 廷 意 見 を 執 筆 し た 。 そ の 理 由 は 次 の と お り で あ る 。 p A C の 支 出 は 、 P A C へ の 献 金 者 の 結 社 の 自 由 と い う 修 正 一 条 の 保 護 を 完 全 に う け る も の で あ る 。

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A C こ そ は 、 中 流 の 資 産 を も つ 多 数 の 個 々 人 が 彼 ら の 信 じ る 声 を 大 に す べ -結 集 す る こ と の で き る メ カ ニ ズ ム で あ る 。 だ か ら P A C の 支 出 へ の 制 限 は 、 個 人 の 修 正 l 条 の 結 社 権 及 び 言 論 の 自 由 を 制 限 す る も の で あ る . 1 万 で 、 大 統 領 選 挙 で 千 ド ル 以 上 の 支 出 を 禁 じ て お い て 、 他 方 で 見 解 の 表 明 を 許 容 す る の は 、 あ た か も 公 会 堂 で 拡 声 器 を 使 用 さ せ ず ' 意 見 発 表 を 認 め よ う と す る こ と に 似 て い る . 九

二 1 条

項 の 制 限 を 支 え る の に 充 分 な 政 府 利 益 の 有 無 を 考 え て み る に 、 先 例 (バ ク リ ー 、 C A R C 事 件 等 ) に よ る と

腐 敗 ま た は そ の 外 観 の 防 止 が 唯 一 の

(18)

47 バー ガー ・コートにおける全社の政治的言論権の拡大 (中原) 合 法 的 か つ 緊 要 な 政 府 利 益 と し て 認 め ら れ た も の で あ る 。 腐 敗 の 特 徴 は 金 銭 的 な 報 償 関 係 、 即 ち 政 治 的 便 宜 供 与 の 見 返 り と し て の 金 銭 (提 供 ) で あ る 。 本 件 で は 「 献 金 」 で な -、 候 補 者 支 援 の た め の 「 独 立 支 出 」 で あ り 、 両 者 は 区 別 さ れ る べ き で あ る 。 独 立 支 出 は 候 補 者 の 運 動 に 役 立 つ と こ ろ は 少 な い の で あ る 。 こ れ ら の 支 出 が 候 補 者 か ら 不 当 な 約 束 を と り つ け る た め の 代 償 と し て 与 え ら れ る 危 険 は 余 り な い 。 次 に ホ ワ イ ト 裁 判 官 の 反 対 意 見 の 要 旨 は こ う で あ る 。 修 正 一 条 は 、 金 銭 支 出 で な -、 言 論 権 を 保 護 す る も の で あ る 。 言 論 の 制 限 と 支 払 い う る 金 額 の 制 限 と は 同 じ で な い 。 本 件 の 条 項 は ' 通 謀 な き 支 出 へ の 制 限 と い う よ り 、 む し ろ バ ク リ ー 判 決 で 認 め ら れ た 献 金 制 限 に 類 似 す る 。 候 補 者 へ の 直 接 的 献 金 と 、 候 補 者 の 当 選 を 期 し て な す 独 立 支 出 と の 間 の 区 別 は 無 意 味 で あ る 。 公 式 に 通 謀 、 連 絡 が な い と い っ て も '

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は 名 前 の 出 な い 真 空 状 態 の 中 で 活 動 す る わ け で な -'

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と 候 補 者 と の 間 に は 重 大 な 接 触 が 存 す る の で あ る 。 多 額 の 選 挙 献 金 の 腐 敗 効 果 は 、 献 金 が 独 立 支 出 と い う 形 を と る だ け で 除 去 さ れ る も の で も な い 。 多 額 の 支 出 が 選 挙 過 程 の 完 全 性 へ の 重 大 な 脅 威 に な る と 結 論 し た 立 法 府 の 判 断 に 対 し 、 わ れ わ れ が 考 え 直 し ( s

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S ) を す べ き で な い 。 九

二 一条

項 は 、 腐 敗 の 危 険 を 排 除 し 、 連 邦 選 挙 の 完 全 性 へ の 国 民 の 信 頼 を 維 持 し 、 候 補 者 の 資 力 を 均 等 化 す る こ と に 奉 仕 す る 。 同 条 の 制 限 は 選 挙 の 公 的 補 助 制 度 を 機 能 さ せ る う え で 、 不 可 欠 の 構 成 部 分 と し て 支 持 さ れ る べ き で あ る 。 ほ か に マ ー シ ャ ル 裁 判 官 の 反 対 意 見 も あ る 。 日 問 題 と 考 察

(19)

48 琉 大法学 第40号 (1987) ア メ リ カ で は 、 周 知 の と お り 、 部 分 的 で は あ る が 、 選 挙 の 公 営 制 が と ら れ て い る 。 即 ち 一 九 七 一 年 に 成 立 し (32 ) た 大 統 領 選 挙 運 動 資 金 法 の も と で 、 大 統 領 候 補 者 は 選 挙 に 関 し 公 的 補 助 を 受 け る こ と を 選 択 で き る 。 し か し そ ( 33 ) れ と 引 換 え に い -つ か の 制 約 を 甘 受 せ ね ば な ら な い 仕 組 み と な っ て い る 。 例 え ば 、 予 備 選 挙 と 本 選 挙 を 区 別 し て 州 ご と に 定 め ら れ る 支 出 額 制 限 や 、 個 人 か ら 受 け ら れ る 献 金 額 の 制 限 等 が あ る が 、 本 件 で 問 題 と な っ た 支 援 団 体 に 課 せ ら れ た 支 出 制 限 も そ の 一 環 を な す も の で あ っ た 。 以 下 、 本 判 決 に 即 し っ つ 、 い -つ か の 問 題 点 を 拾 い あ げ て み る 。 第 1 点 は 、 本 件 も 結 社 権 を 根 拠 に し た こ と が 注 目 さ れ る 。 最 高 裁 は 、 九

二 1 条

項 の 課 し た 制 限 を 正 当 化 で き る 政 府 利 益 は な い と 判 断 し た が 、 そ の 際 、 か か る 制 限 に よ っ て

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の も つ 資 金 集 中 機 能

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へ の 献 金 者 の メ ッ セ ー ジ 伝 達 を 妨 げ る の で

同 条 項 は 献 金 者 の 政 治 的 言 論 権

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結 (34 ) 社 権 を 侵 害 し た と み た の で あ る 。 こ の よ う な 理 解 を 正 当 と 評 価 す る コ メ ン テ ィ タ I も あ る 。 そ の 場 合 、 基 本 的 に

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自 体 の も つ 言 論 権 に よ ら ず 、

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へ の 献 金 者 の 有 す る 結 社 権 に 依 拠 し て 判 断 し て い る 点 は 、 ベ ロ ツ (35 ) テ ィ 判 決 に 比 べ ま だ 控 え 目 で あ る 、 と み る こ と も で き る 。 第 二 点 は 、 本 件 の 金 銭 拠 出 の 性 質 に 関 す る 理 解 に 微 妙 な 違 い が み ら れ る こ と で あ る 。 即 ち 、 多 数 意 見 が 終 始 こ れ を 「支 出 」 と み た の に 対 し 、 ホ ワ イ ト 反 対 意 見 で は 「 献 金 」 と し て と ら え た 。 前 者 が 形 式 的 判 断 で あ る と す る な ら 、 後 者 は 実 質 判 断 だ と い っ て よ い 。 筆 者 は 後 者 の 方 こ そ よ り 説 得 性 に 富 む と 考 え る が 、 ハ ー バ ー ド ・ ( 36 ) ノ ー ー も こ の 点 で は ホ ワ イ ト 説 を 「 論 理 的 に 健 全 」 と 評 価 し て い る 。 な ぜ か 。 立 候 補 者 と

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と は 、 仮 に 直

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接 的 接 触 が な い と し て も 、 新 聞 そ の 他 の 手 段 を 通 じ て 有 効 な 意 思 疎 通 が で き る と い わ れ て お り 、 ま し て や 本 件 の 場 合 、 レ ー ガ ン 再 選 支 持 を 堂 々 と 標 傍 し て い る わ け だ か ら 、 形 の 上 で 独 立 支 出 で あ っ て も 、 そ の 実 質 に お い

(20)

49 バー ガー ・コー トにおけ る全社の政治的言論権 の拡大 (中原) て 献 金 で あ る こ と は 明 ら か で あ る し 、 そ う で あ れ ば 規 制 を 支 持 す る 必 要 性 と 妥 当 性 は 強 -存 在 し た と 思 わ れ る か ら で あ る 。 第 三 点 と し て 、 「 腐 敗 」 ( c

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p t io n ) を 極 度 に 狭 -解 し た こ と が 注 目 さ れ る 。 つ ま り 、 そ れ は 金 銭 的 報 ( 代 ) 債 と い う 特 徴 を も っ た 政 治 過 程 の 破 壊 ( su b

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n ) を 指 す 、 と し た 。 こ う し て 限 定 し た 定 義 を N C P A C 等 に 適 用 し た こ と は 、 大 規 模 な 富 め る

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と 候 補 者 の 選 挙 運 動 の 緊 密 な つ な が り が 現 実 の 、 ま た は 外 見 上 の 、 腐 敗 (38 ) の 危 険 を 生 む 可 能 性 の あ る こ と を 無 視 す る も の と い う 批 判 を ' 正 当 に も 、 招 -こ と に な る 。 第 四 点 と し て 、 規 制 を 正 当 化 す る 政 府 利 益 と し て の 「影 響 力 の 対 等 化 」 が 本 件 で も 顧 慮 さ れ な か っ た こ と を 指 摘 で き よ う . こ こ で も 、 ホ ワ イ ト 裁 判 官 が 九

二 1 条

項 を 候 補 者 の 資 力 均 等 化 に 奉 仕 し 、 と -に 選 挙 公 営 制 を 機 能 さ せ る 上 で 欠 -べ か ら ざ る 部 分 と し て い る こ と は 、 重 要 な 視 点 と い う べ き で あ る 。 ブ リ フ ォ ー ル ト 助 教 授 ( コ ロ ン ビ ア 大 学 ) も ' も し 九

I 二 条

項 が 支 持 さ れ な い の で あ れ ば 、 折 角 の 選 挙 の 公 的 補 助 制

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g ) が 伝 統 的 な 私 的 資 金 調 達 方 式 (p ri <

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g ) や 、 現 行 の 私 的 公 的 混 交 方 (39 ) 式 に 代 る べ き シ ス テ ム と し て 発 展 し て い -こ と を 絶 望 視 し て い る 。 ハ ー バ ー ド ・ ノ

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-で も 、

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の 金 銭 拠 出 が 個 人 の 結 社 努 力 の 成 果 で は な -' 会 社 役 員 ら の 資 力 の 産 物 で あ る 場 合 、 や は り 対 等 化 の 要 請 は

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規 制 支 持 の 説 得 力 あ る 根 拠 た り う る と な し 、 対 等 主 義 ( e g a -it

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ri a n ) の ね ら い が 選 挙 公 営 制 の 文 脈 の 中 で と -に 緊 要 で (dO ) あ る こ と を 強 調 す る が 、 正 当 だ と 思 わ れ る 。 如 上 の 問 題 点 を 残 し な が ら 、 本 件 判 決 は 九

二 1 条

項 の 歯 止 め を 撤 廃 し た が 、 そ の 結 果 ' 独 立 (候 補 者 か ら オ

ソ ラ イ ズ さ れ な い )

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か ら の 「支 出 」 と い う 名 の 政 治 献 金 が 完 全 に 解 禁 さ れ た こ と を 意 味 す る 。 か か る

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は ' 連 邦 選 挙 運 動 法 ( F E C A ) ( 1 九 七 1 年 改 正 ) 四 四 1 条 b 項

及 び 仰 号 の も と で 、 会 社 (労 働 組

(21)

50 琉 大法学 第40号 (1987) 合 も ) が そ の 資 金 を 使 っ て 自 由 に 設 置 、 運 営 で き る ほ か 、 会 社 は 物 理 的 強 制 、 財 産 上 の 報 復 脅 迫 等 を 伴 わ な い (= ) 限 り 、 合 法 的 に 株 主 や そ の 家 族 に 対 し P A C へ の 政 治 献 金 の 勧 誘 も で き る よ う に な っ て い る 。 こ の よ う な 事 情 と リ ン ク さ せ て 考 え る と き 、 本 件 に よ っ て ' ま た ひ と つ 会 社 の 政 治 的 言 論 権 拡 大 の ジ ャ ン ピ ン グ ・ ボ ー ド と な る 先 例 が 付 加 さ れ た 、 と い っ て も 過 言 で は あ る ま い 。 七 結 び に 代 え て H ま と め 修 正 一 条 で 保 護 さ れ る べ き 言 論 は 、 そ の 主 体 の ア イ デ ン テ ィ テ ィ ー に 左 右 さ れ な い と し た ペ ロ ッ テ ィ 法 理 が 拡 大 さ れ て 、 ア ン ダ ー ソ ン 事 件 で は 地 方 自 治 体 に よ る 党 派 性 を 帯 び た 言 論 が 保 護 さ れ 、 ま た コ ン ソ -デ ー テ ィ ド ・ エ デ ィ ソ ン 事 件 で も 、 公 益 事 業 た る 電 力 会 社 に 同 封 文 書

(

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i≡ コ Se rt S ) と い う 形 で 政 治 的 言 論 の 場 ( フ ォ ー ラ ム ) を 排 他 的 に 利 用 す る 特 権 が 承 認 さ れ ' c A R C 事 件 で は

結 社 の 自 由 を 基 礎 に し て 、 法 人 格 な き 団 体 が 投 票 案 件 に 影 響 を 与 え る た め に な す 政 治 的 拠 出 額 へ の シ ー リ ン グ 設 定 が 無 効 で あ る と 判 断 さ れ た 。 さ ら に 、

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C

P A C 事 件 で は 、 法 人 格 を も つ P A C が 公 的 補 助 を う け た 大 統 領 候 補 者 へ な す 支 出 も 制 限 さ れ な い こ と に な っ た 。 こ れ ら に 並 行 し て 政 治 的 拠 出 制 限 が 正 当 化 さ れ る た め の 「緊 要 な 利 益 」

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st ) と い う 概 念 も 、 極 度 に 狭 め ら れ 、 今 や 腐 敗 に 限 定 さ れ 、 し か も 政 治 過 程 の 破 壊 が 具 体 的 に 発 生 し た こ と ま で 立 証 で き な い 限 り 、 ま ず 認 め ら れ な い こ と に な っ た 。 こ う し て ペ ロ ッ テ ィ (さ ら に 遡 れ ば バ ク -) 法 理 に 基 づ -政 治 的 言 論 権 の 拡 張 傾 向 の 中 で 、 最 後 に 残 る 実

(22)

51 バーガー ・コートにおける会社の政治的言論権の拡大 (中原) 定 法 上 の 歯 止 め は 公 職 選 挙 に 関 連 す る 会 社 の 政 治 献 金 の 禁 止 と い う こ と に な る が 、 こ れ は ア セ ン ズ 事 件 で 辛 -も 支 持 さ れ て い る こ と が わ か る 0 か -て バ

・ コ ー ト は 修 正 一 条 が 情 報 の 可 及 的 広 汎 な 伝 播 と 思 想 の 制 約 な き 交 流 を こ そ 志 向 す る も の と 認 識 し ' 政 治 的 拠 出 へ の 制 限 は 、 と り も 直 さ ず 政 治 的 言 論 の 自 由 を 侵 蝕 す る も の で あ っ て 、 巨 大 な 富 を 支 配 す る 個 人 や 団 体 が 、 最 大 の 市 場 シ ェ ア を 獲 得 し 、 そ の 結 果 、 選 挙 の 勝 利 と 政 治 的 影 響 力 を 得 る の で あ れ ば 、 そ れ こ そ 自 由 市 場 本 来 の 機 能 の あ り 方 で あ る 、 と た め ら わ ず 割 り 切 る 。 ブ リ フ ォ ー ル ト 助 教 授 の い わ ゆ る 「 マ I ケ ッ ( 42 ) ー ・ モ デ ル 」 に 立 脚 し て い る こ と が わ か る 。 ロ バ

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-へ の 評 価 こ う し て 一 連 の 事 例 を 通 し て 示 さ れ た バ

・ コ -卜 の メ ッ セ ー ジ に 対 す る 評 価 と し て 、 1 万 で は 、 修 正 (43 ) 一 条 の 保 護 を 会 社 の 政 治 的 言 論 権 に 拡 大 し た こ と を 寅 讃 さ れ る べ き 積 極 的 発 展 と み る も の が あ る し 、 他 方 、 裁 (44 ) 判 所 の 判 断 に よ り 州 の 立 法 府 の な し た 専 門 的 判 断 を 安 易 に 置 き か え る こ と へ の 危 懐 を 表 明 す る も の 、 さ ら に 修 正 一 条 が 公 正 な 選 挙 よ り も 自 由 な キ ャ ン ペ ー ン 支 出 の 方 に 大 き な 重 点 を 置 -も の と 解 し 、 結 局 金 権 支 配 の 現 実 (45 ) を 追 認 し た だ け 、 と の 批 判 も あ る 。 臼 へ イ ス テ ィ ン グ ス ・ ノ ー ト 等 の 問 題 提 起 バ

・ コ

ー の 姿 勢 に 対 す る 、 よ り 根 源 的 な 問 題 提 起 も 少 な か ら ず 見 受 け ら れ る 。 即 ち 、 会 社 の 政 治 的 言 論 権 が そ も そ も 修 正 一 条 の 保 護 に な じ ま な い こ と 、 富 の 支 配 の 承 認 は 政 治 的 平 等 の 原 則 に 反 す る こ と 、 会 社

(23)

52 琉 大 法学 第40号 (1987) が 正 義 ・ 公 平 に 立 脚 す る 可 能 性 は な い か ら 政 治 的 言 論 権 を 認 め る 理 由 が な い こ と へ 等 々 が 主 張 さ れ る 。 以 下 に こ れ ら の 議 論 を 紹 介 し よ う 。 第 1 説 は 、 仮 に 個 人 的 自 己 実 現 説 と 名 づ け て お -。 ベ イ カ

I

教 授 (オ レ ゴ ン 大 学 ) 、 エ マ

-ソ ン 教 授 ( エ

ル ( 46 ) 大 学 ) ら の 唱 導 に か か る 説 で 、 伝 統 的 判 例 と も 相 通 ず る 。 む ろ ん 論 者 が 細 部 に わ た っ て も 意 見 を 同 じ -し て い る わ け で は な い が ' 基 本 的 に 共 通 す る 観 点 と し て 修 正 一 条 が 保 護 を 意 図 す る 中 心 的 価 値 は あ -ま で も 、 個 人 の 自 己 表 現 、 自 己 実 現 (s e lf ・

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t ) で あ る こ と 、 従 っ て 会 社 と い う 言 論 主 体 に は 無 関 係 の 価 値 で あ る こ と 、 で あ る 。 こ れ は ま た 判 例 の 中 に も み ら れ 、 例 え ば ダ グ ラ ス 裁 判 官 は 「修 正 一 条 が ' 個 人 の 知 性 、 関 心 、 好 み ' 人 格 の 発 展 と 表 現 に 対 す る 自 主 的 支 配 を 確 保 す べ -意 図 さ れ て い る 」 ( D o e v .

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) 7 9 , 2 t L ( 4 7 ) ( 1 9 7 3 ) ) と か 、 〓 個 の 人 間 の 魂 の 幸 福 こ そ 、 修 正 一 条 の 生 命 に 関 わ る 究 極 の 基 準 だ 」 ( G i l

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U . S . ) と の べ て い る 。 こ の 考 え 方 で は 、 個 人 的 発 言 主 体 が 自 己 表 現 の 自 由 を 享 有 で き る か ら と い っ て 、 会 社 の よ う な 人 工 的 法 主 体 ( 48 ) に つ い て も 同 じ 理 解 を 及 ぼ す の は 誤 り と さ れ る 。 ( 49 ) 第 二 説 は 、 政 治 的 平 等 説 と 仮 称 し て お -が 、 プ リ フ ォ ー ル -助 教 授 ( コ ロ ン ビ ア 大 学 ) の 所 説 で あ る 。 こ れ は 、 バ ー ガ

I

・ コ

ト の と る マ I ケ ッ -・ モ デ ル に 対 し 、 選 挙 過 程 を 単 純 に 政 治 的 影 響 力 の た め の 市 場 と 考 え る こ と は 正 し -な い と の 前 提 で 、 次 の よ う に 批 判 す る 。 マ ー ケ ッ ト ・ モ デ ル で は 不 平 等 な 金 銭 拠 出 で 獲 得 し た 影 響 力 を 肯 定 す る が 、 し か し 、 元 来 米 国 に お け る 政 治 原 理 は そ れ と は 極 め て 異 な る 「 政 治 的 平 等 」 の 土 台 の 上 に 構 築 さ れ て い る 。 ジ ャ ク ソ ン 民 主 々 義 以 来 の 偉 大 な 遺 産 は 、 選 挙 過 程 へ の 参 加 権 の 要 件 と し て の 財 力 の 否 認 で あ っ た 。 即 ち 「 富 は 、 人 種 、 信 条 ' 皮 膚 の 色 と 同 称 、

(24)

53 バー ガー ・コートにおける全社の政治的言論権の拡 大 (中原 ) 人 間 が 選 挙 過 程 に 知 的 に 参 加 す る 能 力 に と っ て 無 関 係 の も の で あ る 」 ( H a rp e r v . V ir

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B d . o f E d u c a ti o n , 3

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. 無 制 限 の 政 治 的 金 銭 拠 出 を 認 め る こ と は 、 富 め る 者 に 対 し 、 頭 数 に 不 相 応 な 声 を 与 え る 結 果 と な る

民 主 的 平 等 の 原 則 は 、 選 挙 の 平 等 だ け で な -、 選 挙 キ ャ ン ペ ー ン に お け る 金 銭 拠 出 ま で も 貫 徹 さ れ ね ば 不 完 全 で あ る 、 と い う の で あ る 。 ( 50 ) 第 三 説 は 、 正 義 説 と で も 呼 ぶ べ き も の で 、 ヘ イ ス テ ィ ン グ ス ・ ノ ー ト が 説 -漸 新 な 理 論 乃 至 試 論 で あ る が 、 そ の 要 旨 は 次 の と お り で あ る 。 ま ず 、 会 社 と い う 言 論 主 体 は 公 共 政 策 的 問 題 に 関 し 、 正 義 ( j亡 St i

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)

と い う 観 念 に 基 づ い て 立 場 を 形 成 し 、 主 張 す る 能 力 に 欠 け る と な し 、 こ の 点 が 修 正 1 条 の 保 護 の 否 定 を 正 当 化 す る 、 と い う 立 論 で あ る 。 さ ら に 、 こ う 敷 術 す る 。 会 社 は 会 社 の 利 潤 、 株 主 の 利 益 を 極 大 化 す る こ と こ そ 至 上 命 令 で あ り 、 そ れ 以 外 の 目 標 を 追 求 し て 行 動 し た 取 締 役 は 派 生 訴 訟 で 責 任 を 問 わ れ る し ' ビ ジ ネ ス ・ ジ ャ ジ メ ン -・ ル

ル の 保 護 も う け な い 。 か -て 会 社 が 自 己 の 利 益 を 排 除 し て 、 社 会 の 他 の 部 分 の 利 益 を 計 る こ と は 伝 統 的 立 場 か ら 違 法 と さ れ る 。 ま た 最 近 唱 導 さ れ て い る 企 業 の 社 会 的 責 任 論 の 最 も 進 歩 的 な 立 場 に よ っ て も 、 政 治 的 言 論 ま で は そ の 範 囲 に 入 っ て こ な い 。 会 社 経 営 者 は 、 忠 実 義 務 の 制 約 を う け て い る が 、 そ こ で は 正 義 の 配 慮 の 入 る 余 地 が な い 。 個 人 は 、 正 義 と い う 配 慮 に 基 づ -言 論 を な す 能 力 を 有 し て い る し 、 自 己 の 経 済 的 利 益 を 他 人 の そ れ に 劣 後 さ せ る 自 由 も 有 し て い る が 、 会 社 経 営 者 の 場 合 は そ の よ う に 行 動 す る こ と を 禁 じ ら れ る 。 ジ ョ ン ・ ロ

ル ズ (

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w -S ) の 所 説 に よ る と 、 正 義 と は 公 平 ( f a i

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S ) で あ り 、 公 平 か 否 か は 、 合 理 的 な 利 己 的 人 間 が 白 紙 の 、 あ る い は 源 初 的 立 場 (o ri

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o n 即 ち 、 彼 が 社 会 で 現 実 に 占 め る 地 位 を 全 -知 ら さ れ な い 仮 想 の 、 社 会 以 前 の 立 場 p

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を 意 味 す る ) か ら 選 び と る で あ ろ う 類 の ル

ル で あ る か 否 か に よ る 。 忠 実 義 務 の 法 理 で 課 せ ら れ る 制 約 は

会 社 経 営 者 が 会 社 の 政 治 的 言 論 に つ い て 決 定 を な す 場 合 に 、 そ の オ

(25)

54 琉 大法学 第40号 (1987) リ ジ ナ ル ・ ポ ジ シ ョ ン の 視 点 を 採 る こ と を 禁 ず る 。 会 社 と い う 政 治 的 言 論 主 体 は 、 そ れ が 公 平 又 は 正 義 に 叶 う か ら で な -て 、 会 社 の 利 益 に な る が ゆ え に 発 言 せ ね ば な ら な い と い う 立 場 に 本 来 的 に お か れ て い る 。 会 社 の 経 済 的 利 益 こ そ 、 会 社 の 政 治 的 言 論 の レ

-ゾ ン ・ デ

ト ル で あ り 、 会 社 の か か る 政 治 的 言 論 の た め に 、 修 正 1 条 ( 51 ) の 保 護 が 是 認 さ れ る も の で は な い 。 以 上 が へ イ ス テ ィ ン グ ス ・ ノ

ト の 議 論 の 骨 子 で あ る が 、 こ れ は カ リ フ ォ ル ニ ア 州 立 大 学 ( ノ

ス リ ッ ジ 校 ) 哲 学 科 の ガ

-フ ィ ン ケ ル 教 授 の 影 響 を う け て 書 か れ て お り 、 基 本 的 に ペ ロ ッ テ ィ 法 理 と 会 社 法 上 の 忠 実 義 務 と の 不 調 和 と い う 問 題 意 識 の 上 に 立 論 さ れ て い て 示 唆 に 富 む 内 容 で あ る 。 す で に バ

・ コ

ト は 〓 正 の 方 向 性 を 示 す に 至 っ て い る と は い え 、 如 上 の 論 議 か ら な お 厳 し い 批 判 も 止 ん で は い な い こ と を 知 ら さ れ る 。 ワ

-レ ン ・ コ

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ー と 比 較 し て 、 一 般 に バ

・ コ

-ー の 姿 勢 は 修 正 1 条 の 権 利 保 護 の 面 で 後 退 し て い る と

(

52 ) い わ れ る 。 そ ん な 中 で 、 政 治 的 言 論 権 に 関 す る 限 り は

'

す で に み て き た と お り 、 規 制 緩 和 ' 自 由 化 の 方 向 を 打 ち 出 し て き た 。 そ し て 、 皮 肉 な こ と に ( ペ ロ ッ テ ィ 事 件 で の レ ー ン キ ス -裁 判 官 を 別 と し て ) 従 来 、 修 正 l 条 の 保 護 に 積 極 的 だ っ た リ ベ ラ ル 派 (プ レ ナ ン 、 マ ー シ ャ ル ' ホ ワ イ ト ) の 方 が 、 概 ね 会 社 の 政 治 的 言 論 権 規 制 を 支 持 し て き た 。 一 見 矛 盾 に み え る が 、 し か し 彼 ら の 基 本 的 視 点 が 選 挙 過 程 で の 金 権 支 配 の 排 除 、 少 数 反 対 株 主 の 利 益 保 護 と い う テ ィ ル マ ン 法 の 原 点 に お か れ て い た こ と を 考 え れ ば 、 決 し て 矛 盾 で は な い と い う べ き だ ろ

0 本 稿 の 凹 を 書 き 終 え て あ と に 、 最 高 裁 は バ

・ コ

ト 時 代 が 終 鳶 し 、 レ ー ン キ ス ト ・ コ

ト 時 代 へ と 移 (53 ) 行 す る こ と が 報 ぜ ら れ た 。 新 長 官 と し て 予 定 さ れ て い る レ

ン キ ス ト 裁 判 官 は 、 筋 金 入 り の 保 守 派 と し て 衆 目 の 一 致 す る と こ ろ で あ る が 、 ペ ロ ッ テ ィ 事 件 で は ' 反 対 意 見 に 組 み し ' 会 社 の 政 治 的 言 論 権 へ の 憲 法 的 保 護 に

(26)

バー ガー・コー トにおけ る全社の政治的言論権 の拡大 (中原) ネ ガ テ ィ ヴ な 立 場 を と っ た 。 し か し 、 本 稿 で 扱 か っ た ペ ロ ッ テ ィ 以 後 の ケ

ス で は (と -に

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判 決 、 N

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判 決 等 ) 再 び バ

ガ ー ・ コ ー ト の 主 流 に 位 置 し 、 保 守 派 の 面 目 躍 如 た る も の を 感 じ さ せ た

そ の 後 任 (54 ) と し て 就 任 予 定 の ア ン ト ニ ン ・ ス カ リ ア 裁 判 官 も 、 レ ー ガ ン 哲 学 を 信 奉 す る 保 守 派 と 目 さ れ て お り 、 従 っ て 、 バ

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-ー の 保 守 的 伝 統 は 今 後 と も 全 体 と し て 強 化 さ れ つ つ 継 承 さ れ て い -、 と み て 先 づ 間 違 い あ る ま い

( I86 ・

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)

55 注 (-) C it i z e n s A g a in st R e n t C o n tr o k v C it y o f B e rk e le y } 4 5 4 U . S . 2 90 , 70 L . E d . 2n d 49 2 , 1 0 2 S . C t. 43 4 ( ) 9 8 )) . な お ' 本 件 の 紹 介 と し て 、 右 崎 正 博 「 住 民 投 票 の 選 挙 運 動 へ の 寄 付 制 限 と 修 正 1 条 の 権 利 」 ジ ュ リ ス ト 八 二 二 号 六 五 貢 ( 1 九 八 E l 年 ) 参 照 。 (2 ) 同 条 例 二 一 七 条 で は 「案 件 」 ( ヨ

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)

を 定 義 し て 、 「市 の 基 本 組 織 法 の 改 正 、 レ フ ェ レ ン ダ ム ' イ ニ シ ア テ ィ ブ 、 リ コ ー ル 等 い か な る 形 式 に よ る に 拘 ら ず

投 票 に 付 さ れ る べ -提 出 さ れ る 条 例 そ の 他 の 提 案 」 と し た . (3 ) 以 前 は 、 会 社 及 び 労 働 組 合 が 投 票 案 件 運 動 団 体 に 対 し て な す 献 金 を 禁 止 し た 六 〇 五 条 が 存 在 し て い た が 、 一 九 七 六 年 の

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o f B e r k e l e y , 60 C a ) . A p p 1 3 r d t2 3 , 13 1 C a l . R p tr .

3

50 () 9 76 )判 決 で 無 効 と さ れ た い き さ つ

る .

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. S .

29

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. ( 4 ) 六 〇 四 条 の 現 定 は こ う で あ る 。 「 何 人 で も ' 本 章 の 定 め る と こ ろ に 遠 反 し て 有 罪 と 認 定 さ れ た 場 合 、 当 該 違 反 を 構 成 す る 献 金 の

部 又 は t 部 を 受 領 し た 選 挙 運 動 出 納 費 任 者 は 、 所 定 の 金 額 を 越 え て 受 領 し た 額 に つ き 、 直 ち に 手 持 ち の 運 動 資 金 よ り 市 の 一 般 資 金 へ 寄 託 す べ -、 市 監 査 役 あ て 支 払 い を な す も の と す る 」 。

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