政治 転換以 後 の中 欧経 済社 会の 変容
全文
(2) 政 治 転換以 後 の中 欧経済 社会 の変 容. 一八 ンガ リーに焦 点 をあ てつつ. ン や 連 立 の あ り方 に 影 響 を 及 ぼ す 論 点 で あ る(旧. 持 続 して い る(98年 ま で に 政 治 転 換 以 前 のGDP水. 共 産 主 義 政 党 継 承 勢 力 と の 連 立 は 他 政 党 に とっ て. 準 を 回 復 して い る の は 中 東 欧 で ポ ー ラ ン ドの み で. 重 要 な 選 択 問 題 で あ る とい う意味 で)。. あ る)。 ハ ンガ リー 経 済 は 、94年 に 回 復 局 面 に 入 る. (5) の「国 内 少 数 民 族 の 権 利 に 関 わ る 争 点 」は 、旧. が 、対 外 ・財 政 不 均 衡 是 正 め ざ す 緊 縮 政 策(後 述). ユ ー ゴ ス ラヴ ィア構 成 諸 国 の 他(比 較 的 大 きな エ ス. の た め 再 度 停 滞 し、本 格 的 成 長 軌 道 に 乗 る の は97. ニ ック ・マ イノリテ ィを抱 える)ス ロ ヴ ァキ ア 、ル ー マ. 年 以 降 で あ る。 しか し 、99年 時 点 で も「社 会 的 コ ス. ニ ア、ブル ガ リア な ど で 国 政 上 の 争 点 で あ る。 中 欧. ト」は 大 きい(99年6月. で9%台. の 失 業 率 。貧 困 化 に. 3ヵ 国(ポ ー ラン ド、チ ェ コ 、ハ ンガ リー)で 、エ スニ. つ い て は 後 述)。 チ ェ コ で は 、94年 以 後GDP成. ック ・マイノリテ ィ問 題 は 大 きな 政 治 的 争 点 とな って. が プ ラス に 転 じ る が 、97年 の 通 貨 危 機 を 経 て 経 済. い な い が 、ハ ンガ リー とチ ェコ に は 、ロ マ 人 の 経 済. 事 情 は 悪 化 す る 。 失 業 率 も99年 に は8%台(6月. 的 困 窮 、非 ロ マ 人(多 数 派)と の 間 の 「 社 会 的距 離」. 表2)に な り、ポ ー ラ ン ド、ハ ン ガ リー の そ れ に 近 づ. (social distance)と い う問 題 が あ る(チ ェコ の ハ ヴェ. い て い る。. ル 大 統 領 もこ の 問 題 を懸 念 して い る。『朝 日新 聞 』、 1999年10月15日. 長. 、. こ れ ら マ ク ロ経 済 動 向 との 関 連 で 、筆 者 が 報 告. 付)。. で 指 摘 した の は 以 下 の こと で あ る(時 間 の 制 約 か ら. な お 、筆 者 の 他 、羽 場 報 告 も指 摘 し た よ うに 中. 説 明 を 省 略 した 部 分 も あ るが)。 第 一 に 、ポ ー ラン. 欧 政 党 政 治 は 「中 道 右 派 」と 「中 道 左 派 」の 対 立 を. ドが 「シ ョック ・セ ラピー 」、ハ ンガ リーが 「漸 進 主 義 」. 軸 として 展 開 しつ つ あ り、そ の 点 で 西 欧 型 に 近 づ く. (チ ェコ は そ の 中 間)と して 転 換 期 経 済 政 策 が 対 比. 傾 向 に あ ると 言 え よ う。. され る こと が 多 か っ た が 、現 在 の 時 点 か ら振 り返. 中 欧 の 過 去10年. 間 の 政 治 の 暫 定 的 総 括 として 、. って み れ ば 、そ の よ うな 対 比 は 充 分 に 説 得 的 で な. 選 挙 に 基 づ く政 権 交 代 や 言 論 ・出 版 ・結 社 ・集 会. い とい うことで あ る。 ハ ンガ リー は 、転 換 初 期 に ポ. の 自 由 な ど が 日常 的 風 景 と な っ た と い う点 で 、ひ. ー ラ ン ドの よ うな ラ ディカ ル な マ ク ロ 安 定 化 策 を 実. と まず 大 きな 成 果 が あ っ た と言 え るで あ ろ う。 しか. 施 し な か っ た が 、貿 易 自 由 化 、倒 産 法 施 行 な ど に. し、他 方 で 前 述 の よ うな エ ス ニ ック ・マ イノリティの. お い て は充 分 に ラ ディカ ル な 措 置 を採 っ た 。 ま た 、. 窮 状 の 他 、89年 政 治 転 換 の 推 進 力 とな っ た 「市 民. 95年 に 実 施 され た 緊 縮 政 策 ・福 祉 削 減(い わ ゆ る. 社 会 」の そ の 後 の 「停 滞 」な ど、克 服 す べ き 多 くの. 「ボ ク ロ シュ ・パ ッケ ー ジ 」、ボ ク ロ シュ は 当 時 の ハ. 問 題 が 残 され て い る こと を 同 時 に 指 摘 して お くべ. ンガ リー 蔵 相)や 、そ の 後 の 年 金 改 革(98年 施 行)は 、. きで あ ろ う。. 中 東 欧 で 「先 駆 的 」と も言 える 市 場 経 済 志 向 の 「福 祉 改 革 」と い う側 面 を 有 す る もの で あ っ た 。 この た. 2.10年. 間 の経 済過 程. め 、近 年 、ハ ン ガ リー 転 換 期 経 済 政 策 が 「シ ョック ・. 中 欧3ヵ 国 の89年 以 降 の 経 済 過 程 を 特 徴 づ け れ. セ ラ ピ ー 」で あ っ た と す る 見 解 も 現 れ て い る. ば 以 下 の よ うで あ る。 政 治 転 換 以 後 の 経 済 政 策 ・. (Csaba,1998)。. 制 度 転 換 は 、生 産 の 大 幅 減(「 転 換 不 況 」、表1)と. ン ガ リー の 転 換 政 策 の 性 格 の 関 連 と い う問 題 へ の. 国 民 生 活 水 準 低 下(シ ョック)を もた らした 。「シ ョッ. 深 入 りは 避 け て 、転 換 期 に 国 民 が 被 る 「シ ョック 」. ク 」(「社 会 的 コ ス ト」=失 業 、貧 困 化 、「過 剰 死 」. の 大 きさに よ って 転 換 政 策 を 比 較 す る 視 点 を 提 示. 等 々)の 度 合 い を 比 較 す れ ば 、最 近 の 経 済 危 機 以. し、この 観 点 か らは ハ ンガ リー とポ ー ラ ン ドの 差 異. 前 まで は チ ェコ が 他 の2国 と比 較 して 小 さい(失 業. よ りも、これ ら2国 と(通 貨 危 機 以 前 の 「社 会 的 コス. 率 で 顕 著)の が 特 徴 的 で あ っ た 。 ポ ー ラン ドの 「社. ト」の 小 さか っ た 時 期 の)チ ェ コ の 差 異 の 方 が 注 目. 会 的 コ ス ト」は99年 時 点 で も、 な お 大 きい が(例 え. に値 す る と指 摘 した 。. 筆 者 は 、「シ ョック ・セ ラピ ー」と ハ. ば2桁 台 の 失 業 率 、表2)、 経 済 回 復 は 早 く始 ま り. これ と 関 連 して 、クラ ウス元 首 相 の 新 自 由(保 守). (92年 、表1)、 成 長 は(減 速 化 しつ つ も)現 在 ま で. 主 義 的 言 説 に もか か わ らず 、チ ェコ で は 「あ る 種 の 30.
(3) 政治 転換 以後 の中 欧経 済社 会の 変容‑ハ. ンガ リーに焦 点 をあて つつ. コ ー ポ ラテ ィズ ム 」が 働 き、「転 換 シ ョック 」が 相 対 的. い る事 実 を 確 認 す る 。 しか し、外 資 導 入 重 視 の 構. に 小 さい政 策 の 実 施 に至 っ た の で は な い か とも述. 造 改 善 と成 長 政 策 の 評 価 に あ た っ て は 、形 成 され. べ た 。 これ に 対 し、フ ロ ア か ら 「92年 ま で は 、あ る. つ つ あ る 「発 展 パ ター ン」(輸出 と 内 需 、大 企 業 と 中. 種 の コー ポ ラ ティズ ム が チ ェ コ で 機 能 して い た と言. 小 企 業 、地 域 間 バ ラ ンスな ど)の 検 討 も必 要 で あ ろ. える に して も、そ れ 以 降 に は そ うした 指 摘 は 当 た ら. う。 そ して 、こ の 観 点 か らは 、消 費 と 実 質 賃 金 が ま. な い 」との コメン トが な され た 。 筆 者 の チ ェ コ の コ. だ89年 水 準 を下 回 り(1998年)、. ー ポ ラテ ィズ ム へ の 言 及 は. 、 ス タ ー ク=ブ. ル ス トな. が 大 きい とい う(ハ ン ガ リー 経 済 の)側 面 と 「グ ロー. ど の チ ェ コ経 済 社 会 分 析 を 参 考 に した もの で あ る。 即 ち 、タ ー ク=ブ. 地 域 ・階 層 間 格 差. バ ル 化 」の 関 連 が 問 わ れ て 然 る べ きで あ ろ う。. ル ス トは 、ク ラウ ス 政 府 と チ ェ コ. 以 上 の こ とか ら 明 らか な の は 、中 東 欧 の 多 くの. 労 組 は 「相 互 制 約 関 係 」に あ っ た と し、「 新 自由主 義. 諸 国 で 適 用 され て きた 新 自 由 主 義 的 色 彩 の 濃 い 転. 者 クラ ウス 首 相 は‑‑三. 換 政 策 は 「社 会 的 コ ス ト」が 大 きす ぎ る と い う問 題. 者 審 議 制 度 を 利 用 し 、そ. の こ と に よ っ て 制 約 も 受 け た 」と 述 べ て い る. を 有 して い る 一 方 で(堀. (Stark&Bruszt,1998,p.187)。. Szamuely,1996,Adam,1999)、. オ レンス タイン も 「三. 林 、1997、1998b、 「 交 渉 」に よる コ ンセ. 者 協 議 制 度 」(政労 使 協 議 制 度)は 、チ ェコ 政 府 が. ンサ ス 志 向 の 経 済 転 換(コ ンセ ン サ ス志 向 の 転 換 に. 「低 賃 金 ・低 失 業 政 策 」を追 求 す る うえで 不 可 欠 の. つ い て は 、Stark&Bruszt,1998,Rychetnik,1995,. 条 件 で あ っ た として い る(Orenstein,1996,p.175)。. Szalai,1999)も. 彼 らは 「三 者 協 議 制 」(コ ー ポ ラ ティズ ム)が チ ェ コ. 的 転 換 政 策 を 形 成 し 得 な い と い うこ とで あ る(コ ン. で ど の 時 期 まで 機 能 した か 明 言 して い な い が 、少. セ ン サ ス 志 向 の 転 換 に つ い て 、筆 者 は チ ェ コを 念. な くと も機 能 の 時 期 を 「92年 ま で 」に 限 定 して い な. 頭 に お い て い た が 、もしフ ロア か らの 指 摘 が 正 しく、. い ことは 論 旨 か ら 明 らか で あ る 。 とは 言 え 、フ ロ ア. チ ェ コ の 転 換 政 策 に そ うした 要 素 が 希 薄 で あ っ た. か らの コメン トに 説 得 力 を もって 回 答 す べ く筆 者 自. とす れ ば 、後 者 の 評 価 は意 味 を 失 うと い うことに な. 身 の 充 分 な 用 意 が 欠 け て い た(る)こ と は 否 め な い 。. るが)。. 今 後 の 検 討 課 題 とした い 。. 、そ れ(=合. 意 形 成)の み で は 代 替. 第 三 に 、前 述 の 事 柄 との 関 連 で 、筆 者 は報 告 に. 報 告 で 、第 二 に 問 題 に した(が 充 分 展 開 で きな か. お い て 経 済 学 の 現 状 に つ い て 次 の よ うな 認 識 を 示. っ た)こ と は 、「社 会 的 コ ス ト」が 相 対 的 に 小 さか っ. した 。即 ち 、新 自 由 主 義 的 転 換 政 策 が 「体 制 転 換. た チ ェ コ も、前 述 の よ うに 近 年 は 経 済 実 績 が 悪 く、. の 経 済 学 」(「移 行 経 済 学 」)として 限 界 を 有 す る の. 失 業 な ど 社 会 的 コ ス トが 増 大 して い る こ とで あ る。. は 明 らか で あ る が 、他 方 で 転 換 の 「経 路 依 存 性 」を. 経 済 悪 化 の 背 景 に 構 造 転 換 の 遅 れ が あ る(効 率 的. 分 析 し(例 え ば 、私 有 化 の 帰 結 と して の ポ ス ト社 会. 企 業 統 治 未 確 立 を 含 む 。 池 田 、1999、KOPINT・. 主 義 的 混 合 所 有 の 出 現 。Stark&Bruszt,1998,. DATORG,1999,p.84)と. Chavance,1995)、. すれ ば 、経済 悪 化以 前 のチ. 「目 的 論 的 」新 自 由 主 義 的 政 策 に. ェ コ の 転 換 期 経 済 政 策 は 、構 造 転 換 と社 会 的 コ ス. 替 えて 「進 化 的 制 度 変 容 」策 を 提 起 す る(大 抵 黙 示. ト増 大 の 「執 行 猶 予 」(それ 自身 無 意 味 で は な い が). 的 で あ る が)諸 制 度 学 派 も、代 替 政 策 具 体 化 の 弱. の 性 格 以 上 の もの を 備 えて い な か っ た と言 え よ う。. さの 問 題 を抱 えて お り(堀 林 、1998c)、 総 じて 言 え. ハ ンガ リー とチ ェ コの 対 比 に 関 連 して 、97年 以 降. ば 「体 制 転 換 の 経 済 学 」は 未 確 立 で あ ると した 。. の 経 済 成 長 に お け る 両 国 の 明 暗 を 、そ れ 以 前 の 外 資 主 導 構 造 転 換 志 向 の 強 弱(ハ ンガ リー が チ ェ コよ り 強 い)に 求 め る議 論 が あ る(盛 田 、1998)。. 3.10年 間の社会 構造 変容 と社 会政策傾 向‑ハ ンガ. 筆者. リーを中心 に ハ ンガ リーに焦 点 をあてつ つ 、政 治 転換 以 後10. は 、ハ ンガ リー の 積 極 的 外 資 導 入 政 策 が97年 以 降 の 成 長 加 速(99年. に89年 のGDP水. 込 み 。KOPINT」DATORG,1999,p.142)に. 準 に到達 す る見. 年 間の社 会構 造変動 と社会 政策動 向 につ い て取 り. 貢 献 して. 扱 う予 定 で あった が、報告 で後者 に触 れ る時間 的 31.
(4) 政治 転換 以後 の中 欧経 済社 会の 変容‑ハ. ンガ リ ーに焦点 をあ てつ つ. 余 裕 は な か っ た 。 社 会 構 造 変 動 に 関 して は 、所 得. 表3が 示 す 別 の問 題 は 、経 済転 換 期 に一 人 当 た. 分 配 に 反 映 され て い る 社 会 的 階 層 化 の 全 体 動 向. り家 計 平均 実 質 所 得 が 低 下 して お り(名 目平 均 所. と 、貧 困 化(層)問. 得 と価 格 上昇 率の 対比 による。92〜95年 に約18%. 題 、政 治 転 換 以 後 の 経 済 エ リー. の 低 下)、 国 民 の6割 以 上 が 「全 体 平均 所 得 」以 下. トな どの 論 点 を 取 り扱 っ た 。 表3の90年. の 生 活 をして い るとい うことで ある(各 年 の全 体 平. 代 前 半 の 所 得 デ ー ター が 示 す よ うに 、. ハ ンガ リー の 経 済 転 換 過 程 に お い て 所 得 格 差 は 拡. 均 所 得 が 、どの 所 得集 団 付 近 に位 置 して い るかの. 大 して い る。 一 人 あ た り家 計 所 得 を 基 準 に して 国. 観 察 か ら明 らか で ある)。換 言 すれ ば 、中間層 が薄. 民 を10の 集 団 に 区 分 した 場 合 、最 高 所 得 集 団 と最. い社 会 とい うの が 転換 期 ハ ンガ リー社 会 の特 質 で. 低 所 得 集 団 の 平 均 所 得 の 格 差 は 、92年 が 約6.7倍 、. ある。さらに 、表3で2番 目か ら6番 目あたりまで の所. 95年 が 約7.3倍 で あ っ た(99年 夏 の 数 値 は8倍― 筆. 得 諸集 団 の実 質所得 低下 の 度合 いが他 の 諸集 団の. 者 滞 在 時 に 社 会 学 者 か ら 入 手 した情 報 に よ る)。 な. そ れ よ りも大 きい ことは 、転換 期 に 中位 所得 集 団. お 、大 会 当 日に フ ロ ア か ら 、筆 者 が 示 す 表(こ こで. (及び相 対 的下 位所 得 集 団)の 地 位 が低 下 した こと. は 表3)は 政 治 転 換 以 前 の 所 得 動 向 を含 ん で い な い. を示 す もの で ある。 ハ ンガ リー の 社 会 構 造 変 容 に 関 わ る 他 の 論 点. の で 、政 治 転 換 と所 得 格 差 増 大 の 関 係 を 、そ の 表 で 説 くこと は で き な い との コメ ン トが 寄 せ ら れ た 。. は 、貧 困 化(層)問. 筆 者 は 政 治 転 換 以 前 の88年 の ハ ンガ リー に お け る. 貧 困 者 構 成 を 示 す 。 貧 困(者)は. 最 高 所 得 集 団 と最 低 所 得 集 団 の 平 均 所 得 の 格 差 は. つ の カ テ ゴ リー に よ っ て 規 定 され て い る 。(1)中央. 5.8倍 で あ っ た(Kolosi&Sagi,1999,p.51)と. 統 計 局 が 示 す 最 低 生 活 水 準 以 下 、(2)所得 の 大 小 を. 指 摘 し、. 題 で あ る 。 表4が 、94年 時 点 の 、ハ ンガ リー で は4. 政 治 転 換 以 前 よ りも以 後 の 方 が 所 得 格 差 が 大 き い. 基 準 に5集 団 を 設 定 した 場 合 の 最 下 位 集 団 、(3)平. と 回 答 した 。 しか し 、フ ロア か らの コメ ン トに は 、政. 均 所 得 の 半 分 以 下 、(4)法定 最 低 年 金 額 以 下 、で あ. 治 転 換 以 前 の 所 得 デ ー ター に は 「ノー メンクラ トゥー. る 。ど の 基 準 を適 用 す る か で 貧 困 者 が 人 口 に 占 め. ラ 」の 実 際 の 経 済 状 況(所 得 以 外 の 経 済 的 特 権 を. る 比 率 が 異 な るが 、表5に 示 され る よ うに 、(比率 が. 含 む)が 反 映 され て い な い こと 、政 治 転 換 は 「ノー. 変 化 し な い(2)の カ テ ゴ リー を 別 に して)い ず れ の カ. メ ンクラ トゥー ラ 」に 打 撃 を 与 え 「実 際 の 格 差 」是 正. テ ゴ リー に お い て も経 済 転 換 期(94年. に 貢 献 した こ とを考 慮 に 入 れ る必 要 、した が っ て 政. 者 数 は 増 大 して い る。 な お 、社 会 保 障 関 係 当 局 が. 治 転 換 と 実 際 の 格 差 の 関 係 をよ り綿 密 に 検 討 せ よ. 用 い る 貧 困 基 準 は 、法 定 最 低 年 金 以 下 の 所 得 生 活. と の 主 旨 が 含 ま れ て い た よ うに 思 わ れ る 。 筆 者 は. 者((4))で あ る 。 ア ン ドル カ は 、現 在 の 貧 困(者)を. そ の 主 旨 を理 解 す る。 し か し 、回 答 で 述 べ た よ う. (1)伝 統 的 貧 困(者)、(2)新 しい 貧 困(者 〉、(3)エスニ. に 、政 治 転 換 以 前 だ け で な く政 治 転 換 以 後 に も捕. ッ ク(マ イ ノ リテ ィの)貧. 捉 され な い 所 得(「 隠 れ た 経 済 」関 連 所 得)が 存 在. (Andorka,1997,p.81)。. す ると い う問 題 が あ る 。 さらに 、ハ ンガ リー で は 「カ. 労 働 者 、農 民 、農 村 ・小 町 村 居 住 者 な ど 、政 治 転. ー ダール ・レ ジ ー ム」の 下 で60年 代 初 頭(62年)か. ら. 困(者)に. ま で)に 貧 困. 、. 区 分 して い る. 伝 統 的 貧 困 者 とは 、未 熟 練. 換 以 前 に ま で 貧 困 の 起 源 を さか の ぼ るこ との で き. 家 計 所 得 調 査 が 開 始 され(Andorka,1997,p.75)、. る 人 々 で あ り、新 し い 貧 困 者 に は 経 済 転 換 過 程 で. こ れ ま で 継 続 的 に デ ー タ ー が 収 集 され て い る。 こ. 生 じた 失 業 者 、解 雇 代 替 措 置 として(障 害 年 金 給 付. れ らを 総 合 的 に 判 断 して 、「捕 捉 され た 所 得 」に よ. と 引 き替 え に)早 期 退 職 に 追 い や られ た 人 々 、遺. る 格 差 と現 実 の 生 活 格 差 の 間 に 乖 離 が あ ると 想 定. 族 年 金 受 給 女 性 、定 職 に就 い て い な い 人 々 、 多子. しつ つ も、さしあ た って は 「捕 捉 され た 所 得 デ ー タ. 家 族 とそ の 子 供 、専 業 主 婦 な ど が 含 ま れ る 。 ポ ー. ー 」に 基 づ い て 格 差 の 「大 局 的 動 向 」の 分 析 か ら 始. ラ ン ドの 福 祉 を 取 り扱 っ た 労 作(小 森 田 、1998)に. め ると い うの が 筆 者 の 方 法 で あ る こ とを 再 度 述 べ. お い て も 「貧 困 層 と して の 子 供 」(転換 期)に 関 す る. て お きた い 。. 言 及 が あ るよ うに 、経 済 転 換 期 の 貧 困 者 カ テ ゴ リ 32.
(5) 政 治転換 以後 の 中欧経 済社 会 の変 容‑ハ 一に お いて. 、ポ ー ラン ドとハ ンガ リー に は 一 定 の 類. ンガ リーに 焦点 をあ てつ つ. も「 新 経 済 エ リー ト」と 「旧 エ リー ト」に は 重 な り合 い. 似 性 が ある と思 わ れ る。 エ ス ニ ックな 貧 困 者 は 、ハ. が 少 な く な い と の 指 摘 が あ る 。((Eyal,Szelenyi. ン ガ リー に お い て50万 人 以 上 存 在 す ると され る ロ. and Townsley,1997)表6。. マ 人 の 貧 困 で あ る。 政 治 転 換 以 前 も彼 らの 生 活 は. れ と、経 済 転 換 過 程 に お い て 貧 困 も 「再 生 産 」され. き び し い も の で あ っ た が 、国 家 の 社 会 統 合 政 策 に. て い る 事 実 を重 ね 合 わ せ れ ば 、社 会 構 造 の 再 編 は. よ り、彼 らは 未 熟 練 ・半 熟 練 労 働 者 と して 職 を 保 有. 「 過 去 の 遺 産 」に 制 約 され 「進 化 的 」過 程 を 辿 っ て. して い た 。 しか し 、政 治 転 換 以 後 ロ マ 人 の 多 くが. い ると い うの が 筆 者 が 報 告 で 示 し た要 点 の 一 つ で. 失 職 し、彼 らの 生 活 は 急 速 に 悪 化 した 。 表4が 示. あ る。. す よ うに 「最 低 生 活 水 準 以 下 」の カ テ ゴ リー に お い. 「エ リー トの 再 生 産 」)。こ. 報 告 で ほ と ん ど 言 及 す る ことの で きな か っ た 体. て は ロ マ 人 の 約9割 が 貧 困 者 で あ る。 そ して 、チ ェ. 制 転 換 期 の 社 会 政 策 動 向 に 関 して 、筆 者 に とって. コと 同 様 、ハ ンガ リー に お い て もロ マ 人 と非 ロマ 人. 重 要 な 論 点 は 次 の2つ で あ る。 第 一 は 、転 換 期 の. の 間 の 「社 会 的 距 離 」が 問 題 とな って い る 。. 社 会 政 策 の 性 格 規 定 で あ り、第 二 は 、社 会 政 策 形. 「貧 困 対 策 」に は 、狭 義 で は 「社 会 扶 助 」(給付)、. 成 の 国 際 的 背 景 で あ る。 前 者 に つ い て 、筆 者 は 転. 広 くは 年 金 、家 族 手 当 、失 業 給 付 な ど の 社 会 保 障 、. 換 期 社会 政策 が 「 社 会 的 コ ス ト」緩 和 に 果 た す 役 割. さらに は 教 育 、地 域 政 策(経 済 転 換 期 に 就 業 機 会 ・. を 期 待 され つ つ 、他 方 で 経 済 的 の み な らず 社 会 的. 所 得 分 配 上 の 地 域 格 差 が 拡 大 して い る)ま で 含 ま. に も「 小 さな 政 府 」を志 向 す る政 策 基 調 に 制 約 され. れ よ う。 こ の うち 、現 在 ま で の 調 査 研 究 に よ れ ば 、. る と い う 「二 重 の 性 格 」を 有 して い ると 把 握 して い. 高 齢 者 年 金 や 家 族 手 当 な ど は 貧 困 予 防 ・緩 和 に 一. る 。 現 実 の 社 会 政 策 の 展 開 に即 して 言 え ば 、「転 換. 定 の 貢 献 を して い る が 、そ れ と比 べ て 社 会 扶 助 、. の 社 会 的 コ ス ト」を 軽 減 す べ く、中 東 欧 諸 国 で は. 失 業 給 付 の 貧 困 緩 和 に 果 た して い る 役 割 は 弱 い. 「 失 業 給 付 」、「社 会 扶 助 」な どの 制 度 が 整 え られ た 。. (Cichon,1997,F6rster,eta1.,1999)。. 例 え ば 、フェ. ま た 、年 金 、医 療 財 源 が 国 家 財 政 か ら独 立 し 、社. ル ゲ に よ れ ば 、ハ ンガ リー で 本 来 受 給 資 格 の あ る. 会 保 険 基 金 に シ フ トす る 方 向 で の 制 度 再 編 が 実 施. 貧 困 者 の50〜60%の. され た 。 こ れ らの 側 面 だ け 見 れ ば 、転 換 期 中 東 欧. 人 々 が給 付 を受 けて い ない. の 社会 保障 体系 は西欧 諸 国の それ に近 づ きつつ あ. (Ferge,1997b,p.306)o 他 方 で 、貧 困 者 の 対 極 に あ る 転 換 期 「経 済 エ リ. る(Cichon,1997)よ. うに 思 わ れ る。 しか し 、他 面 で. ー ト」に つ い て 、ハ ンガ リー で は そ の 「 起 源 」、「根 拠 」. 中 東 欧 の 社 会 政 策(・ サ ー ビ ス)再 編 は 、98年 の ハ. を め ぐ る 社 会 学 的 研 究 が 盛 ん で あ る。 そ の 際 、ブ. ン ガ リー 年 金 改 革 が 公 的 年 金 部 分 の 縮 小 、一 部. ル デ ュー の 「 経 済 資 本 」、「社 会(関 係)資 本 」、「文 化. 「民 営 化 」を 伴 って 実 施 され た こと に 示 され るよ う. 資 本 」な ど の 概 念 が 援 用 され る ことが 多 い 。 この 分. に(ハ. 野 の 専 門 家 で あ る コロ シ とシ ャー ギ ー は 、政 治 転 換. Simonovits,1998)、. 以 後の 「 経 済 エ リー ト」(国家 経 済 機 関 幹 部 、企 業 経. 野 で の 市 場 原 理 重 視(「 年 金 基 金 」を 通 じる 資 本 市. 営 者)の 「起 源 」が 、旧 体 制 に お い て も 「エ リー ト」あ. 場 活 性 化 志 向 な ど 一 そ れ は ラ トヴィア 、ポ ー ラン ド. ン ガ リー 年 金 改 革 に つ い て は 、 「個 人 責 任 」の 強 調 や 、福 祉 分. る い は 「準 エ リー ト」(「副 官 」)の地 位 を保 有 して い. の 年 金 改 革 で も 見 ら れ る)の 傾 向 を 内 に 含 ん で い. た 人 々 で あ る場 合 が 少 な くな く、そ の 際 彼 らは 旧 体. る こと へ の 留 意 が 必 要 で あ る(中 東 欧 社 会 保 障 体. 制 に お け る 政 治 的 地 位 を利 用 す ると い うよ りも、む. 系 再 編 に つ い て は 、堀 林 、1999a)。. し ろ 「文 化 資 本 」(被 教 育 歴 や 経 済 運 営 能 力)保 有. 社 会 政 策 拡 充 、そ の 民 主 的 形 成 を 説 くフェ ル ゲ と. を「 根 拠 」に して 政 治 転 換 以 後 も(私 有 化 され た 企. (Ferge,1997a及. 業 及 び 存 続 す る国 有 企 業 の)経 営 者 の 地 位 を維 持. 継 承 され た 「早 産 の 福 祉 国 家 」(経 済 能 力 を 超 え る. して い ると説 い て い る(Kolosi&Sagi,1999)。. 社 会 支 出)の 克 服 と 「個 人 責 任 」、「福 祉 セ ク ター 多. さらに 、. ハ ンガ リー の み な らず 、ポ ー ラ ン ド、チ ェ コに お い て. び1997b)、. ハ ン ガ リー で. 共 産 主 義 レ ジ ーム か ら. 元 化 」を強 調 す る コ ル ナ イ(Komai,1997)の 33. 間で 論.
(6) 政 治 転換以 後の 中欧 経済 社会 の変 容‑ハ. ンガ リーに焦 点 をあて つつ. 争 が な され て い る の も 、前 述 の よ うな 転 換 期 社 会. 回 答 で あ っ た よ うに は 思 わ れ な い 。「グ ロ ー バ ル 経. 政 策 の 「二 重 の 性 格 」を 表 現 した も の で あ ると 言 え. 済 」規 制 に お け る 「国 民 国 家 」の 役 割 、NGO、NPO. よ う(両 者 の 論 争 に つ い て は 、堀 林 、1998d)。. の 役 割 と い う論 点 、さらに 「市 民 社 会 」概 念 の 正 確. さらに 、第 二 に 重 要 な の は 、転 換 期 社 会 政 策 も. な 定 義 、「市 民 社 会 」と 「階 級 」と 「国 民 」の 関 連 、な. ま た 、経 済 政 策 と 同 様 に 、IMF、 世 界 銀 行 な ど の. どに つ い て 今 後 よ り掘 り下 げ て 検 討 して み た い 。. (新 自 由 主 義 的 色 彩 の 濃 い)提 言 に 強 く規 定 され る と ともに 、他 の 国 際 諸 機 関(ILO、EU、OECD等. 最 後 に 、筆 者 は 、中 東 欧 転 換 の10年 を 、政 治 的. 々). 自 由 と民 主 主 義 の 領 域 で 前 進 が あ っ た が 、経 済. や 、「ポ ス ト福 祉 国 家 」、「福 祉 ミックス」、「第 三 の 道 」. 「転 換 の 社 会 的 コ ス ト」は 甚 大 で あ り、社 会 政 策 は. (Giddens,1998)な. どの 表 現 を と る 「 福 祉 改 革 」の 国. そ の コ ス トを 軽 減 す る の に 充 分 な 役 割 を 果 た して. 際 的 諸 潮 流 の 影 響 も 受 け な が ら形 成 され つ つ あ る. い な い と総 括 した 。 ま た 、ポ ス ト共 産 主 義 転 換 の 社. と い うこ とで あ る(国 際 諸 機 関 の 社 会 政 策 傾 向 に つ. 会 的 コス トとして の 失 業 や 貧 困 問 題 は 、先 進 資 本 主. い て は 、Deacon,eta1.,1997)。. 例 えば 、中 東 欧 に. 義 諸 国 の 多 くが 直 面 す る 問 題 で もあ り、した が って. お い て教 育 の 意 義 や 積 極 的 労 働 市 場 政 策 が 近 年 強. ポ ス ト共 産 主 義 「転 換 の 経 済 学 」は 世 界 的 シス テ ム. 調 され る 背 景 に 「 積 極 的 福 祉 」、「社 会 投 資 国 家 」論. 転 換 の 経 済 学 と重 な り合 う側 面 を 有 して い るこ と. の 影 響 を見 て も的 は ず れ とは 言 えな い で あ ろう。. も 指 摘 した 。(大会 プ ロ グ ラム 冊 子 の タイトル は 「政. こ こで 、大 会 当 日の コメ ン ト・質 問 へ の 回 答 に つ. 治 転 換 以 後 の 中 東 欧 経 済 社 会 の 変 容 」で あ っ た が 、. い て 補 足 して お き た い 。 討 論 者 か ら 「転 換 の 社 会. 本 稿 で は 「中 東 欧 」を 「中 欧 」に変 更 して い る 。南 東. 的 コ ス ト」が さらに 大 き くな れ ば 、旧 体 制 期 の 社 会. 欧 に は 報 告 で 言 及 す る こ とが な か っ た か らと い う. 政 策 が 復 活 す る か ど うか と い う質 問 が 寄 せ られ た. の が そ の 理 由 で ある)。. の に対 し、筆 者 は 「中欧 で そ の 可 能 性 は小 さい 」と 回 答 した 。そ れ は 、新 自 由 主 義 、「西 欧 福 祉 国 家 」、. <参 考 文 献>. 「第 三 の 道 」な ど の 間 を浮 遊 す る 中欧 社 会 政 策 の 現. ・池 田 俊 明(1999)「 チ ェコ お よ び ス ロ ヴ ァキ ア 」(小. 状 を 意 識 した 回 答 で あ っ た 。 し か し 、報 告 で 述 べ. 山 洋 司 編 『東 欧 経 済 』世 界 思 想 社 、 所 収)、164‑. た よ うに 体 制 転 換 期 経 済 ・社 会 政 策 の 帰 結 に 対 す. 190ペ ー ジ。 ・小 森 田 秋 夫(1998)「. る 国 民 の 評 価 は 厳 しく、旧 体 制 へ の ノス タル ジ ーが 見 られ る こと も事 実 で あ る 。 体 制 転 換 に 伴 う国 民. ポ ー ラ ン ドの 社 会 福 祉 」(『世. 界 の 社 会 福 祉 一 ロ シ ア、ポ ー ラン ド』旬 報 社 、 所. の 窮 状 が さらに 深 ま る場 合 、社 会 政 策 の バ ランスが. 収)、227‑474ペ. ー ジ。. ・羽 場 久 泥 子(1998)『 拡 大 す るヨー ロッパ― 中欧 の. 「 平 等 主 義 的 」方 向 に 向 か う可 能 性 も除 外 で きな い と した 方 が 正 確 で あ っ た(回 答 の 修 正)。 ま た 、「市. 模 索 』岩 波 書 店 。 ・田 口 雅 弘(1999)「. 民 社 会 」の 定 義 に 関 わ る 質 問 と 、中 欧 が 採 り得 る 政 策 選択 幅 に関 す るフロアか らの質 問 に一 挙 に答. ポ ー ラ ン ド」(小山 洋 司 編 『 東欧. 経 済 』世 界 思 想 社 、 所 収)、114‑140ペ ー ジ。 ・堀 林 巧(1997)「. え よ うとして 、筆 者 は た と え政 策 選 択 幅 が 狭 くて も 市 民 社 会 を 強 化 す る 方 策 は あ り得 る とし 、具 体 例. 旧 ソ 連 ・東 欧 地 域 の 社 会 動 向. ― 体 制 転 換 の 社 会 的 コ ス トに 焦 点 を あ て て 」『医. として 教 育 拡 充 、中 小 企 業 振 興 な ど の 意 義 を 強 調. 療 ・福 祉 研 究 』第9号 、66‑86ぺー ジ。 ・堀 林 巧(1998a)「. した 。 個 人 と 国 家 の 「間 」に 存 在 す る(ま た 国 境 を. 転 換 期 中 東 欧 の 右 翼 ナ シ ョナ リ. 越 え た)自 律 的 主 体(市 民 社 会)が 、「グ ロー バ ル 経. ズ ム― ハ ンガ リー に 焦 点 を あ て つ つ 」(山. 済 」の 「暴 走 」に 対 す る拮 抗 力 と な り得 ると想 定 し、. 定 ・高 橋 進 編 『ヨー ロ ッパ 新 右 翼 』朝 日選 書 、 所. 自 律 的 主 体 の 成 熟 の た め に 、とりわ け 教 育 や 地 域. 収)、227‑272ペ. 社 会(そ こ で 中 小 企 業 の 果 た す 役 割 は 大 き い)強 化. ・堀 林 巧(1998b)「. が 重 要 で あ ると 考 え た か らで あ るが 、意 を 尽 くした. 口. ー ジ。 中 東 欧 の 失 業 問 題 」『金 沢 大 学. 経 済 学 部 論 集 』、第18巻 第2号 、147‑172ペ ー ジ。 34.
(7) 政 治転換 以後 の 中欧経 済社 会 の変容―ハ ・堀 林 巧(1998c)「 経 路 依 存 性 重 視 の ポ ス ト共 産 主. •g. 義 体 制 転 換 論 の 評 価 に つ い て 」『比 較 経 済 体 制. Theory. alism•h,. 研 究 』第5号 、92‑98ペ ージ。 ・堀 林 巧(1998d)「. The. New. • Ferge. ポ ス ト共 産 主 義 転 換 期 社 会 政 策. in. , Z.. Changes. 115ペ ー ジ。. Europe. Post-Communist. Left. Review, the. I.T. in. Manageri-. 222,. (1997a),•gIs. Berend,. 論 」『金 沢 大 学 経 済 学 部 論 集 』、第19巻 第1号 、85‑. ・堀 林 巧(1999a)「. of. ンガ リ ーに焦点 をあ てつ つ. ed.,. pp.60-92.. World. Transforming. (The. Falling. Long-Term. Apart•h, Structual. 1990s),. Central&. Eastern. Sudosteuropa-. Gesellshaft,. 転 換 期 中東 欧 の 社 会保 障 制 度 pp.101-119.. ―社 会 保 険 制 度 変 容 を 中 心 に 」『ロ シ ア ・ユ ー ラ. • Ferge. , Z. (1997b),•gSocial. シ ア経 済 調 査 資 料 』ユ ー ラ シ ア 研 究 所 、801号 、. Dilenmas. 2‑24ペ ー ジ。. M.. ・堀 林 巧(1999b)「 1990〜98年. ハ ンガ リー― 体 制 転 換 の 軌 跡 ・. et. ー ジ。. Other eds.,. a Market. Economy. Macmillan. Press. • Andorka. of Trasformation. in Post. Socialist. During. Berend,. Changes. in. Europe. the I.T.,. Transformation ed.,. Transforming. (The. 1990s),. of. &. Path-Dependent. Post-Socialist. Central. No.4,. pp.55-75.. • Cichon. , M.. Pension. et. International. •E. Emergence. of. Economies. in. Europe•hEMERGO,. al. (1997),. Social. in Central. Labour Team,. Central. ILO-CEET. and. , L. (1998),•gBad-Tempered. Hungarian. Quarterly,. Vol.XXXIX,. , B.et. al. (1997),. Publications, , G.,. Szelenyi,. Global. Social. mi. P.. (1998),. et. al.,. Magyarorsð•g ð¥s. The. a. Tð•rsadalmi. Third. (1997),•gThe. in. Way,. Policy. Post-Communist. Eastern ed.,. and. Central. Looking. , T.&Sð•gi,. M.. Europe•h,in. Left,. L.B.Tauris. 1998,. pp.29-. Kolosi,. TARKI,. 1998,. Vol.8,. , J. (1997),. T,. et. al.,. eds.,. hð•ztartð•sok, 45-70.. (1999). Europe,. Change. and Social. pp.41-78.. TARKI,. DATORG. • Kornai. The. (1999),•gSystem. Structure•h,in. Report. Tð•rsadal. old.. , Economic. Trends. in. No.2.. Struggle. and. Hope,. Edward. Elgar.. Policy,. Council Agh,. Townsley,. T.. the. TARKI,279-297.old.. , A.. • KOPINT. 1997. I.and. Kolosi,. tapasztalatai,. Hullð•mzð® -. 42.. • Eyal. 1998,. • Orenstein. • Deacon. and. pp.293-309.. orszð•g. visegrð•di. Report. Paper. No.151,. and. Publishers,pp.143-176.. Eastern. Boom•h,. 1998,. tð±bbi. • Kolosi. and. Working. Hungary in. a szegð¥nysð¥g:. Eastern. • Csaba. Report. andƒnƒ“ƒKƒŠ•[Œê”ŃIƒŠƒWƒiƒ‹‚Å‚Í•A Eastern Europe,. Office,. of. tð•mogatð•sok ð¥s. Gowan,. Vol.2. Protection. Press,. Support. Countries•h,. Sasson,D.. No.21.. SAGE. Social. Social. Systems. European. Mixed. Academy. (1999),•gWelfare. Experiences. Socialists. Various. communist. 経 済 新 聞 社 、1999年 。. Sudosteuropa-Gesellschaft,. , B, et al. (1995),•gThe. J.. Press.日 本 語 訳 は 佐 和 隆 光 訳 『第 三 の 道 』、日本. Eastern. pp•75-100. • Chavance. al.. Visegrad. Riport. Structural. Central. , M.F.et. • Giddens. in Hungary•h,. Long-term. Post. and. Nelson,. ƒnƒ“ƒKƒŠ•[Œê”ŃIƒŠƒWƒiƒ‹‚łͤ•g Að•blð¥eti. Countries,. Development. in. National. to. Ltd.. , R.(1997),•gThe. Poverty in. Costs. Challenges. Transforming. Poverty:The. 104‑123ペ ー ジ。 Social. eds.,. Policy Systems•h,. pp.299-321.. ガ リー とチ ェ コの 比 較 分析 」『ロ シ ア 研 究 』第26号. , J. (1999),. Ex-socialist. Economies,. • Forster. ・盛 田 常 夫(1998)「 体 制 転 換 の 中 欧 モ デ ル― ハ ン. • Adam. al.,. Political. 」(小 山 洋 司 編 『 東 欧 経 済 』世 界 思 想. 社 、 所 収)、141‑163ペ. in. E. (1997),. Centre. 35. , M.. (1996),•gThe. its. Contribution. and A.. et for. al.,. eds.,. Democracy. The. Czech to Second. Studies,. Social Steps, pp.173-189.. Tripartite Peace, Hungarian. in.
(8) 政 治転 換以 後の 中 欧経済 社会 の変 容―ハ. •E. Rychetnik,. L.. Develop. the. a Negociated. et. al.,. eds.,. in. Postsocialism, , A. es. 689-708. • Stark. Choice. Republic Hausner,. and. Edward. dijrendszer. Czech. Economy•h,in. Strategic. • Simonovits. 16,. (1995),•gCan. J.. Pathdependency. Elgar,. pp.230.258.. (1998),•gAZ ð·j. problemai•h,. ン ガ リーに焦 点を あて つつ. magyar. nyug-. Kozgazdasagi. Szemle,. old.. , D.&. Pathways,. Bruszt,. L.. Cambridge. • Szamuely. ,. L.. Postsocialist. University. Press.. (1996),•gThe. Transformation. in. The. Quarterly,. Hungarian. (1998),. Social. Central. and. Costs. Eastern. Vol.37,. of. Europe•h,. No.144,. pp.54-. 69. • Szalai. , E.. Conversion Sociology, • Szalai. Hungarian. , J.. (1999),•gSystem of. Power. Change in. and. Hungary•h,Review. the of. pp.3-18. (1996),•gwhy. the. Quarterly,. vol.37,. poor No.144,. are. poor•h,The pp.70-78.. 36.
(9) 政治 転換以 後 の中 欧経 済社 会の 変容―ハ (表1)中 東 欧諸 国のGDP(旧. ソ連構 成諸 国 も含 む)(対. ンガ リーに焦点 を あてつ つ. 前年比 あ るい は対 前年 の該当 期 間比). (注) a準. 備 段 階 の(preliminary)数. b総. 社 会 的 生 産 物(Gross. C第. 一四半期. d前. 半期. 字 social. product、MPSシ. ス テ ム). (出 所)KOPINT‑DATORG,1999,p.139.. (表2)中 東 欧諸 国の失 業率(旧 ソ連 諸 国を含 む)(活. (注) aILOの b1996年 C9月. 方式 に したが って計算 した数 字 までは年 平均. (出所)KOPINT・DATORG,1999,p,141.. 37. 動人口 に対 す る比率 、年 末な い しは月 末).
(10) 政 治 転換以 後 の中 欧経済 社会 の変 容―ハ (表3)1992〜95年. ン ガ リーに焦 点 をあて つつ. のハ ンガ リー の所 得集 団別 平均 所得(家 計一 人当 た り所 得)動 向. (注)表 示 はな いが、92〜95年 の 各年の 数値 は月収 を表 し貨幣単 位はハ ンガ リー通 貨 フォ リン トと推 定 される(堀 林)。 (出所)Kolosi&S 挌i,1999,p.52.. 38.
(11) 政治 転換 以後 の中 欧経 済社 会の 変容―ハ (表4)異. ンガ リーに焦 点 をあて つつ. なる カテ ゴ リーでの 貧困 者比 率(年 齢 集団 、社 会階 層 、エスニ ック集 団。1994年. 調査 は約2000家 計(大 人 約4,500人 (出所)Andorka,1997.p.93,. 、子供1200人)へ. のイ ンタビ ューに よってな され ている 。. 39. 。%).
(12) 政 治 転換以 後 の中 欧経済 社会 の変 容―ハ. ン ガ リーに焦 点を あ てつつ. (表5)異 な るカ テ ゴ リーでの貧 困者 比率(1992〜96年. (出所) Andorka,1997,p.92.‹y‚Ñ95. Europe,. Vol.20-23,. (表6)チ. (出所)Eyal.Szel. ・nyi. 96”N‚ɂ‚¢‚Ä‚ÍSzalai,J.,••Trends pts.3-4,1998,. of Poverty. in Hungary. in. the. 1990s. p.45.. ェ コ 、ハ ン ガ リ ー 、 ポ ー ラ ン ドの 新 経 済 エ リ ー トの1988年. and. 。%). Townsley,1997.p85.. 40. 当 時 の地位. East. Central.
(13) 政治 転換以 後 の中 欧経済 社会 の変 容―ハ. Transforming Societies. in Central. Post Communist. Europe. -. Economies. ンガ リーに焦点 をあ て つつ. and. A Case Study Focusing. on Hungary. Takumi Horibayashi (Kanazawa University) SUMMARY. The paper analyzes the system change since 1989 in Central Europe. Section I deals with the political change. Enumerating. several factors which have influenced on the political life since 1989,the paper,first, looks. the issue of neo-liberalism instance,the. vs.social protection. changes of governments. as the most important one for political fluctuations.. For. in Poland and Hungary during the past decade can be rather clearly. explained from the issue remarked above. Second, the parliamentarism. has been consolidated. and the two party system (Center-right. vs. Center-. left) has been appearing in Central Europe. Third,the development. of civil society has been slow during the past decade in Central Europe and the. social distance between. the Roma and the majority society has been great in Hungary. and the Czech. Republic. The further development. of democracy requires to solve these problems.. Section II analyzes the economic change. Examining the economic transformation. of the Central European countries respectively,the. remarks that the social costs of economic transformation. paper,first,. was smaller in the Czech Republic than in Poland. and Hungary till 1997. Hungary •g shock. has. been. therapy•hin a number. Republic. with. of. the. among. the. the. limit. Section. First,the. III examines. whose. Central. costs. socially. in Czech. poor. radical. to draw. some. transformation and. are. been. enough. in Hungary.Rather,. appropriate. sensitive. Republic. has. in contrast. trade. to another to•gshock•hpeople. the. comparison. lessons. from. in the. Czech. case. of the. Republic. and. the. past. of. Czech. economic. to a kind. of cor-. union.. increasing. during. recent. economic. slump. which. shows. the. system. policy-making. that•gthe. the. change. differencials. incomes third Statistical. line remarked Third,according •g old. change. the. is more. transformation. Economics of social. of Transformation•his structure. and. the. not. tendencies. settled. yet.. of social. policy. during. the. expense. on Hungary. income. Second,one the. countries. attributes. suggests. change,focussing. strata. and. government,firm-management. social. paper. of gradualist. economic. of a consensus-oriented. Thus,the. a model. However,the. two. paper. as. unemployed. the. other. transformation.The. However,the. listed. Poland.. brought. poratism. often. elites•hwho. has. have. decreased. of the. Hungarian. Office. during. been. increasing. and. greatest. extent.. to the. population the. system. has. lived. change. and. it has. happened. below. the. 90 percent. mainly. subsistance. minimum. of the. has. Roma. lived. of middle. calculated below. by. poverty. above. to some have. kept. sociological their. managerial. analyses, positions. the•gnew. economic. on the basis. 41. elites•hare. of their. often. own•gculutural. overlapping capital•h.. with. the.
(14) 政治 転換 以後 の中 欧経 済社 会 の変容―ハ Forth,social. ンガ リーに焦点 をあ てつ つ. policy in Central Europe has been rearranged. to mitigate the social costs of economic. trasformation, however, on the other hand it has been strongly influenced by neo-liberal idea of small government which has been recommended other transnational. organizations. The paper concludes burdened. by the IMF and the World Bank. It has been also influenced by the. (ILO, DECD, EU and so on).. that the political change has brought good results,but. the economic change has. people with huge social costs which have not been satisfactorily mitigated by social policy in. Central Europe.. Key words. : Social costs of Transformation Central. Europe. Hungary Social Structure Social Policy. 42.
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