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優秀発表賞(第34回日本音声学会全国大会)について
以下2件について受賞を決定した。 ① 朱 伝博(東京大学大学院)(共同発表者:林 振超(東京大学大学院),峯松信明(東京大学), 中西のりこ(神戸学院大学)) 「様々な言語背景を有する聴取者を対象とした日本人英語音声の即時聴解に関する分析」 ② 山岡 翔(京都大学大学院,日本学術振興会) 「ベトナム語ハノイ方言の介音の調音的ふるまいの考察」 以上— —65
日本音声学会 2019年度学会賞
以下のように受賞者を決定した。 優秀論文賞(1件)[編集委員会] 邊 姫京(国際教養大学) 「日本語における語頭閉鎖音の音響特徴―VOTと後続母音のf0―」第23巻,174–197頁 授賞理由: 本論文は,これまでも数多く研究されている語頭閉鎖音の有声・無声の区別に関して,従来から用 いられているVOTだけでなく,後続母音のf0にも注目し,東北,中部,近畿,九州という広い地域 を対象に研究したものである。新しく収集した音声データを基に,多角的で詳細な分析が行われてい る。特に,後続母音のf0が閉鎖音の有声・無声の区別に大きくかかわっていることを明らかにし,さ らに,そのf0がカテゴリー区別に果たす重要度が地域ごとに異なること示したのは,大変重要な発見 であり,今後の音声研究にとって意義が大きいと考えられる。また,日本の方言だけでなく,韓国の ソウル方言との違いにも触れるなど,広い視点から閉鎖音の研究をしていることも評価できる。 優秀発表賞(第33回日本音声学会全国大会)(2件)[企画委員会] ① 難波文恵(川崎医療福祉大学大学院) 「日本語における発話リズムの異常性について—運動障害性構音障害の発話をとおして—」 受賞理由: 本発表は麻痺性構音障害患者と健常者の発話を音声分析し,発話リズムの異常性についての客観的 評価のあり方を提案するものである。研究過程では物理的モーラ長およびポーズ長を分析している が,客観性を担保するため特にモーラ長については隣接する2モーラの物理的モーラ長の差に着目し て分析を行っている。隣接する2モーラの物理的モーラ長の比については,健常者では最大で2.96, 患者の場合には最大で4.15であったという。この比が3.0以上となるケースについて,健常者ではゼ ロであったが,患者については2割以上あったという。また発話区間中の平均モーラ長の変動範囲に ついては,患者の場合の方がかなり大であったという。ポーズについても分析が行われており,患者 は健常者よりも2倍近くポーズを挿入しており,健常者には見られなかった文節内での不自然なポー ズも多数観察されたという。これらの現象が,構音障害患者の発話リズムの異常性という印象をもた らすのであろうと推論している。分析した発話データは少ないものの,構音障害における発話リズム の不自然さについて客観的指標を導入して考察が行われており,大変優れた発表であると評価できる。 ② 木元めぐみ(神戸大学大学院)(共同発表者:Albin Aaron,林 良子(神戸大学)) 「日本語の韻律における下降傾向に関する一検討―東京方言と秋田方言を比較して―」 受賞理由: 第一に,本論文が日本語の方言による韻律の違いに着目した点を評価する。日本語の韻律にダウン トレンドという特徴があることは,非母語話者向け日本語教育において前提とされているが,その方 言による違いが論じられることは少なく,注目すべきである。第二に,本論文では,ダウントレンド の下位分類である,デクリネーション,ダウンステップ,文末下降の定義と計算方法がそれぞれ明確— —66
に示されており,今後この分野の研究を発展させる上で価値が高いといえる。 学術研究奨励賞[普及委員会](該当者なし)