Title
韓国の雇用と賃金
Author(s)
嶺井, 勇
Citation
沖大論叢 = OKIDAI RONSO, 9(1): 299-322
Issue Date
1969-02-28
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/11022
韓 国 の 雇 用 と 賃 金
嶺 井
勇
I
序 論
韓国経済の特徴を要約すると、過剰人口、大量の潜在失業者の容在、低 賃金、インフレイション、貧困な資源、高率の貿易依存度、絶対的低位の (1) 蓄積水準等である。ところで韓国経済は、ここ数年来、高度の経済成長を 達成してきた。この高度成長は、1
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年か ら6
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年までの年平均成長率が9.6%
であったことに示される。 これは韓国 政府が策定し、実施した「第工次経済開発5
カ年計画J.
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であるのに比べて、それ以前のいずれの年においても、4
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2
以下の成長率に留まっていたからである。 このような高度成長にもかかわらず、韓国経済は、上述の後進資本主義 国特有の構造的「逆風」の悩みを解消しえないようだ。すなわち社会問題 の底に横たわる「貧困」、 「経済的地位の不安定と不満」は厳然と存在し、 このような急速な経済成長下においても、工人当り所得の絶対額とその実 質水準は比例的に上昇しえなかった。したがって、低賃金を早晩解消しう るという確証も得られない現状である。開発途上にある韓国経済が、仮に 停滞状態から脱出し、先進資本主義国においても、普通またはそれ以上と 思われる経済成長率を持続的に維持しうる立場にあったとしても、労働問 題における後進性は、依然放置されたり、またその改善が大きぐ遅れをと ることもありうる。したがって、経済成長、経済構造及び社会構造の特質-299-韓国の雇用と賃金 との関連において考察する必要がある。というのは日本の経験が、自国の 経済発展と工業イちへの過程において、比較的めぐまれた自己資源を確保し ていたのに比べれば、韓国経済のとぼしい資源を基盤とした、経済の「自 立」と「発展
J
への道は、現時においては、一層きびしい道程であるよう に思われるからである。日本の工業佑と資本蓄積の過程においても、日本 資本主義経済成立の立ち遅れや、またその後引続いて日本経済を規定した ところの、封建的な諸要因、あるいは資本主義的「後進性J
は、合理的な 労働条件の存在を許さなかったし、他面、労働者階級の自由な社会的な組 織や闘争を禁圧した。それによって、日本資本主義は世界に比類ないほど の速さで、短期間に、一大軍事帝国の地位と世界市場での腫大な富の獲得 に成功したのであって、日本経済の繁栄と発展は、まさに労働者階級の、 (2) 従ってまた日本人の犠牲の上に果されたものであったことが想起される。 韓国の経済や労働問題も、この国の歴史的、政治的宿命と、決して無関 係ではありえないであろう。 36年間に亘る白本の植民的統治から、 1945年 解放され、独立したが、その後相継いで、起った動乱や革命、政情不安等は、 この国の経済に奇型と停滞、あるいは破壊と後退の決定的影響を与えずに はおかなかった。 1945年の独立以来、米国を主軸とする外国援助の受入は、 その総額において、略々 40億ドル(この大半は純経済援助ではないが)を 越えるが、自立的経済秩序の未確立と、その機能麻庫が、あいまってこの国 の経済に構造的不有衡性と奇型性の体質を必然的に形成させてしまった。 即ち、国民経済の循環過程における、一般的意味での統一的秩序が維持さ れず、生産と消費のアンバランスによる、各部門間、階層聞の構造的不均 衡性、いわゆる二重構造的体質を後天的なものとして受け入れぎるを得な かったのであって、循環過程における慢性的過少供給と過剰需要は、国民経 済の絶対的赤字現象を累積せしめ、産業部門別では農業と非農業聞に、あ るいは大企業と中小企業聞に、あるいは生産財工業部門と消費財工業部門 聞に大きな不均衡及び絡差を形成せしめた。このような経済構造の不均衡-
3
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韓国の雇用と賃金 性は、雇用及び賃金に少なからぬ影響を与えずにはおかなかったであろう し、また近年に於ける韓国経済の高度成長は、労働問題にいかなる効果を 与えたか、さらに労働条件の改善に決定的な作用を及ぼす勢働組合の強力 と、労働運動の韓国的特質の理解とは、この国の雇用及び賃金の解明にと って必要条件である。したがって以下に、それらの諸問題についての考察 を進める。
I
産業構造と経済成長
過去60年の韓国近代史を通じて、韓国経済の歴史は、まさに苦難に満ち た宿命の歴史であったといえよう。 36年間の長期に亘る日本の植民地的支 配によって、経済秩序の、国民経済的意味での合理性をゆるさなかった。1
9
45年、解放と独立は実現するも、まもなく勃発した朝鮮動乱は、南北分断 という悲劇的結果において、南を貧困な農業国の地位においやってしまっ た。動乱後のおよそ10年間は、戦乱による破壊の一斉のものの復興と再建 の歩みであった。すくなくとも経済についてみるならば、この10年の期聞 は停滞期である。その期聞における開発と発展のための経済政策は積極性 に欠け、人口は、生産政策上、人的資源とみなされながらも、その過剰に 悩まされた。しかも政情不安ゃ革命等のために、著しく経済開発と発展の 歩調がおくれ、後進資本主義国の下層の地位に甘んぜぎるをえなかった。 羽田年、軍事革命によって成立した朴政権は、従来の第 l次産業中心の産 業構造の改変を通じて工業佑し、経済の自立と安定化を志向する、政府の 描策、 「経済開発5
カ年計画J
を策定した。翌1
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年、これを「第l
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カ年計画J
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年)として実施に移した。その期間の終了 とともに、その評価を行ない、続いて「第2
次開発計画J
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年) の実施を続行したので、ある。 そこで先ず韓国政府が経済開発に積極的にしかも強力に施策をうちだし-301-韓国の雇用と賃金 た1962年頃以後の経済成長をみると、 1960""'66年期間中の年平均経済成長 率は6.9%であり、 1962へ-66年(第l次経済開発5カ年計画)のそれは8.3 %であった。またこの両期間中の l人当り国民総生産増加率も、それぞれ 年平均で4.0%と5.5%である。従って、 1960""'66年の7年聞に国民総生産 で55.1%増加し、工人当り国民総生産では同じ期聞に31.7%増加したこと になる<第 l表>。ここで国民総生産の増加率と、 l人当りのそれを比較 して、 23.4%の格差が生じるのは、人口増加と失業の重圧によるものとみ てよいであろう。とにかく、 1963年の9.1%に始まる成長率は、 その後の 4年聞の年平均成長率9.6%に示されるように、比較的高度であった。 そ れは、いわゆる「第 L次経済開発 5カ年計画
J
の成果として評価してよい であろう。また<第2表>によれば、 1人当り国民総生産は、 1960へ-66年 の7年間に年平均4.0%の増加率 (1965年不変価格)で伸ぴてきたが、 そ の実額でみると 31,
418ウ ォ ン (115ドル)で、絶対額はかなり低い。ま た1962""'66年の5カ年聞の平均増加率は 5.5%であり、とりわけ66年にお-
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表〉 川明断刷心眼醐附 Q 匿緯 (1967.7) 「調査月報」 資料出所:韓国銀行,│
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主要経済指標」 1966 10.6 産 人 1962 0.6 1961 19601
人当国民総生産 率 加 t曽韓国の雇用と賃金 ける対前年度増加率は10.6%である(日本60年""'64年、国民総生産で年平均 10.8、国民l人当りの総生時で9.7%)。このように経済成長率は、国際 比較でみても比較的高本であるが、賃金問題を論ずる場合の視点は、 l人 当り所得の絶対額の大小とその水準の高底である。したがっていま、<第 3表>でそれを国際比較してみると(日本との対比になるが)、 1953年 の日本の196ドルをL∞とした場合の帰国の82ドルは、その4221%に半減し %に相当し、 11年後の1964年には、 143ドル対671ドルとなり、その比率は 21%に半減した。このような比率の減少は、日本と締国の経済成長のスピ ード差によるものであるが、少なくとも、このような事実は、韓国の経済 的貧困と低賃金の実態の本質的表現にほかならない。さらに先進国と後進 1 人 当 り 圏 内 総 生 産 関 際 比 較 く第3表 > 単位:ドル, (%)
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084 (162) イタリア 1 353 (180)1 847 (126)!i韓 カ ナ ダ 11.517叫
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国 82 (42)1 143 (21) i;?lJ 1 100 (51)1 181 (27) 資料 U.N.Year book of National Accounts Statistics.1965. 悶との所得格差も、この意味において重要であろう。しかも一般的には、 後進国が低所得水準に低停している事実は、これら諸国において低賃金が 一般的、支配的に流布しているということと決して無線ではなく、また同 時に、人口増加とJEj大な失業:rw
(潜在失業も含む)の重圧を強力にうけて 低賃金が、ますます下方硬直化の傾向にあると考えなければならない。次 に、く第│表>で産業別の年平均成長率をみると、 1960"'66年期聞におい韓国の雇用と賃金 て、第l次産業6.4%、第2次産業12.6%、第3次産業6.7%の成長となって おり、特に第2次部門の成長が著しい。それぞれ各部門の1960吋 6年期閣 の増加率は、第工次産業41.8%、第 2次産業111.6%、第3次産業43.3%と なり、第2次産業の持続的成長が特徴的である。その主たる要因は製造業 の成長である。製造業に↑おける主要業種別の成長の状態をみると、 1962'"'"' 工.966年期聞には、機械製造業が年平均成長率29.8%で最も高く、次に化学、 窯業、金属の各製造業のJI買となっている<第 4表>。このように工業佑 (3) 政策と相まって、重工業化率は、 1961年に17.8%だったのが、 66年には24 .1%に伸びた<第 5表>。しかし、<第 5表>で・わかるように、日本の量 化学工業の構成比62.2% (64年)にくらべても、まだかなり低位にある。 ところで、このような産業別国民総生産の成長率の不均衡は、韓国の産 業構造(国民総生産の産業別構成比)に漸次変化をもたらしつつ工表>。 即ち、第工次産業が60年の41.4%から 66年には37.9%へ、第 2次産ある<第 業は60年の18.2%から 66年には24.8%に、第 3次産業も 40.4%から 66年に く第
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表 > 主 要 製 造 業 別 成 長 率 単 位 : % 業 額 │ 飲 食 品 │ 繊 維 │ 化 学i
窯 業 ! 金 属 機 械l
その他│主筆 1962...66年 平 均 .7.41 15.81 25.4[ 22.31 20.91 29.81 15.2 15.0 資料:経済企画院,経済白書1967年,p.120 主 要 製 造 業 の 構 成 く第E表苫 (1965空杢蛮唖縫畦依る閉坦坦直基準1
一一一←_(単位::%)-.主語一一時
______1 1961 I 1966I
日本 (1964) 飲 食 品 26.7I
18.6 7.4 繊 維 26.5I
27.1 7.2 化 学 5.4 8.6 13.8 窯 業 3.2I
4.3 4.9 金 属 4.3 5.3 15.9 機 械I
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I一 一 ←62.2 _ 資料:経済企画院,経済白書 1967p, 121-305-締国の雇用と賃金 は37.3%へとそれぞれ変化がみられる。そこで、 60年"'66年期間の平均構 成比は、第工次産業40.4%、第2次産業21.2%、第3次産業38.4%と算定 される。この構成比は、韓国産業構造の資本主義的後進性の特質の一つで ある。 また<第6表>によって就業者l人当りの実質国民総生産についてみる と、 1963"'66年期聞には、年平均7.3%のペースで増加し、産業別には、 この4年聞に、第 l次産業28.1%、第2次産業16.6%、第3次産業 2.1% の増加となっている。第3次産業の増加率が低いのが特徴的である。日本 における1962"'65年期間の各産業別就業者工人当り国民総生産の年平均増 加率は第工次産業11.5%、第2次産業7.2%、第3次産業6.8%であり、 62 "'65年の4年聞における増加率累計は、それぞれ44.2%、28.8%、27%で ある。このような韓国経済の成長と発展の過程に於て形成されてきた産業 構造の体質的特徴は、およそ次のように規定づけられる。農業中心
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こる第 工次産業の「停滞性J
、第2次産業の「脆弱性」、第3次産業の「肥大性」 就 業 者 1人 当 り 閏 民 総 生 産 く第6表 > (1965年不変価格) (単位:ゥオン,%)孟マι-~-;;r
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年代後半期の日本産業構造と類似したものとしてとらえられる。参考 までに産業構造の変動状視を示すと<第7
表>の通りである。 韓国経済は、確に1
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年以来、順調な発展を続けてきた。韓国銀行の年 次報告書(
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年)は、次のようにこれを概括する。n966
年の韓国経済 の特徴は、高度成長と相対的安定にある。これは6
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年以来、著しい発展を 続けてきた製造業と輸出の持続的拡大によるものであり、また価格機構の 正常化を通して、経済の安定確立に向って大きく前進を示した。なお、6
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産 築 構 造 の 変 動 ( 実 績 と 計 画 ) く第7
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年も安定裡に高度成長を達成し、数年来堅持してきた旺盛な拡大基調は、 年度中にも持続され、 11.9%の成長を記録した。これによって雇用事情も 著しく改善され、経済構造も大きく変イじして、投資主導型経済基盤毎確立 し、経済自立におどろく程の進展をみせた。このような高い経済成長は、-307-韓国の雇用と賃金 圏内貯蓄の著しい増大と外資流入の好調によって支えられてきた」。韓国 (5) 政府もほぼ同様な見方をとっている。しかるに前述のような韓国の産業 構造のもつ「停滞性」、 「脆弱性」、 「奇型性」、外資及ひ号外国援助への依 存性、高度の貿易依容性等の体質的難点は改善されつつあるであろうか。そ の一例を貿易収支についてみると、圏内需要とその供給のアンバランスの 表現である輸出入の逆調的不均衡は、
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年 には工:3と縮少した<第8
表>。この入超による不均衡のいわゆる赤字 をうめるための輸入総額の3分の lにあたる 2億52∞万ドルは、公共援助 と外国よりの借款に依容している。1:
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という極端な比率のアンパラン 輸 出 入 の 推 移 く第8表 > 、一 一
単位:100万ドル 4 4 ・ n u d -一 入 過 ふ5
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と「安定」を志向する韓国経済にとって、その達成過程における韓国の雇用と賃金 「つまずきの石」となるように思われる。すなわち、内資不足による圏内 資本調達の困難性から生ずる高い外資依存度は、韓国経済の開発と発展に とって、必然的に臨路を形成し、しかも南北紛争にともな〉南と北の対 立、緊張は、国防費の削減を殆んど不可能な状態にしており、更に開発を 含めた広い意味での外国への公共援助及ひ・外資依寄度は、依然、その衰え をみせていないからである。 以上のべた韓国経済の構造的不均衡性と脆弱性体質のたて直しは、今後 久しい歳月を要するであろう。恐らくは労働条件の改善を主張する労働者 階級の階級的、社会的自覚の昂揚と経済的地位の改善要求とが必然化され る過程において、これに対応する国家の労働政策ならびに経済政策の強力 いかんが、従ってまた国民的努力と自覚との調整の中から漸進的にのみ可 能な道が開かれるであろう。 註(1) Hyung-Yoon Byun教授の見解参考 (笥矢内原忠雄編「現代日本小史
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9
5
8
年所収、大河内一男教授「労働史」参照 (3) 化学、金属、機械製造業部門をさす (4) Hyung-Yoon Byun教授は、1
9
5
0
年代後半期の日本産業構造の特殊性を規 定づけた松原藤由教授の見解は、韓国産業構造の持、質理解にとって示唆を 与えるものとして引用する。 ソウル商大「経済論集」第6
巻4
号1
9
6
7
年所収:r
韓国の産業構造」参照 (5) 韓国政府、経済企画院、 「経済白書J
1
9
6
7
-309-韓国の雇用と賃金
E
分 配 構 造
1
.
経済成長と所得分国の不均衡化
韓国の「第l次 5カ年計画」期間中の経済成長は高度であった。この高 度成長過程を通じて、韓国経済は、賃金分配率の低下と所得分配の不平等 化を招いたようである。資本主義経済社会の顕著な欠陥としての不完全雇 用と富及び所得の不公平な分配とは、韓国経済において如実にあてはまる ように思われる。分配原理は生産原理の反面であることからして韓国経済 における前近代的な産業構造は、分配構造において明確に現われている。 参考までに<第9表>をあげると、相対的にみて、工人当りの所得水準が 高い国ほど、その総生産物における工業製品の附加価値比率が高くなって L、
る
。
分回国民所得の各国比較 (1964年) く第9表〉│
品
諮
問
需
京
電
- 可 色 分 配 構 造 例 )バ
ル
)
I霊
用
高
│
美
前
補
米 国 3.002 34 70.8 9.9 13.5 9.1 -3.3 英 国 1.698 41 74.0 7.5 10.8 10.2一
2.5 フ ラ ン ス 1.579 64.1 25.6 5.7 5.2 -0.6 目 本 718 32 55.2 24.4 8.9 12.2 -0.7 緯 国 95 19 28.4 57.2 10.3 2.8 1.3 フ ィ リ ピ ン 129 22 41.6 ー>55 (2) 9 <- 5.0 0.5 」Eコ2、
湾 1(212 1 25 45.0 23.8 22.7 3.4 5.1 資料:U.N.国民所得年鑑1965.稼園「経済白書J1967P216 註 (1)1963年・註(2)非法人企業,財産所得と法人移転支払を含む 韓国の場合、国民所得に占める勤労所得の割合も著しく低位にあり、更 に他国にくらべて、いわゆる前近代的な家族経営体としての農業、零細な韓国の雇用と賃金 商業及ぴサービス業から成る個人業主所得の占める割合が57.2%であり、 反面、法人所得のそれは2.8%であるのも特徴的である。このことは、近 代的意味での賃金労働者の階層佑と企業の法人化が遅れているためだとい えよう。国際的にみて、韓国の所得の分配構造における被用者報酬の比率 の低位性は、所得分配の不平等と過剰人口の圧力による失業あるいは不完 全雇用に起因するといってよい。つまり過剰封働力が、農業を中心とする個 人業主部門へ流入し停滞して、賃金を相対的に低位ならしめているものと 考えられる。第工次計画期聞における所得分配の特徴は、年々雇用者は増 加しているにもかかわらず、国民所得に占める被用者報酬の割合は相対的 に減少し、反面法人所得の比率は明らかに増大していることであるく第四 表>。他方、個人業主所得は、平均率でみれば、 1957"'61年にくらべて、 工962"'66年は微増しているが、 1966年には1 %がた低下している。ところ が財産所得は57"'61年にくらべ、 62"'66年期は、賃料の相対的低下のため に、多少、減少しているが、利子及ぴ配当所得が増加したため、 1966年の (6) 財産所得の比率は、 1961年にくらべ相対的に増大しているq
-311
ー韓国
S
湖 適 作 一 周 ゆ の1960 -
- 1966
(
5
7
-
6
1
)
(
6
2
-
6
6
)
1
9
平5
7
均│
│
1
9
6
26
)
6
1
9
6
0
1
9
6
1
1
9
6
2
1
9
6
3
1
9
6
4
1
9
6
5
1
9
6
6
6
1
S
!
Z
U
y
I
(平均 被 用 者 報 酬3
4
.
1
3
6
.
6
3
1.2
2
8
.
4
3
2
.
5
3
4
.
7
3
1
.
5
非 法 人 企 業 所 得4
8
.
3
5
1
.
3
4
6
.
7
5
3
.
4
5
7
.
2
5
2
.
5
5
0
.
3
5
1.7
5
2
.
4
(農 業)3
4
.
1
3
7
.
8
3
3
.
6
3
9
.
8
4
2
.
7
3
5
.
1
3
3
.
1
3
6
.
7
3
6
.
6
財 産 所 得1
2
.
5
1
1
.
1
1
1
.
6
1
0
.
6
1
0
.
3
1
1
.
2
1
1.8
1
1
.
6
1
1
.
2
賃 料7
.
8
6
.
8
6
.
9
6
.
1
5
.
3
5
.
2
7
.45
.
6
利 子4
.
2
3
.
7
3
.
8
3
.
4
4
.
0
4
.
5
.
5
3
.
7
4
.
5
配 当0
.
2
0
.
2
0
.
5
0
.
7
0
.
7
O.0
.
8
0
.
2
0
.
7
法 人 移 転 所 得0
.
3
0
.40
.
4
0
.
4
0
.
3
O.0
.
3
0
.
3
0
.
4
法 人 所 得1
.
6
2
.
5
3
.
9
3
.
7
2
.
8
3
.
3
.
9
1.6
3
.
6
法 人 自? 蓄1
.
2
1
.
9
3
.
2
2
.
9
2
.
1
2
.
9
2
.
6
1.2
2
.
7
法人に対する直接税0
.
6
0
.
7
0
.
8
0
.
7
0
.
9
1.3
0
.
4
0
.
9
一般政府財産と企業所得2
.
1
2
.
0
2
.
0
2
.
0
2
.
3
1
.
6
2
.
2
( 控 除 ) 公 債 利 子0
.
2
0
.
2
0
.
2
0
.
1
O.0
.
1
0
.
2
0
.
1
(控除)消費者負債利子0
.
9
0
.
6
0
.
7
2
.
6
O.0
.
7
1
.
0
0
.
6
国 民 所 得1
0
0
.
0
1
0
0
.
0
1
0
0
.
0
1
0
0
.
1
0
0
.
0
1
0
0
.
0
1
0
0
.
0
周 指 数(
1
9
5
6
=
1
0
0)1
8
9
.42
1
7
.
3
0
8
.
8
4
4
8
.
6
5
1
0
.
2
6
4
5
.
3
同 指 数(
1
9
6
1=
1
0
0
)
1
1
4
.
1
6
3
.
1
2
3
6
.
9
2
6
9
.
4
3
4
0
.
8
同対前年僧加率 (%)2
2
.
6
1
4
.
4
2
.
3
4
5
.
3
1
3
.
7
2
6
.
5
2
2
.
1
2
8
.
5
実質所得増加率 (1)0
.
0
5
.
9
.
3
6
.
6
1
2
.
2
3
.
1
7
.
5
名目所得増加率(幼2
2
.
6
8
.
3
3
.
0
4
1.8
7
.
1
1
4
.
3
1
9
.
0
2
1
.
0
(%) (経常市場価格) 比 成 檎 得 所 民 国 毘 分 く第1
0
表〉 ー ω -M │韓国の履用と賃金 さて、韓国政府は経済の工業化による長期的発展及びその安定イちを志向 する「経済開発
5
カ年計画」のスタートとして「第l
次5
カ年計画J
(
1
9
6
2
"
-
'
6
6
年)を実施し、その終了にともなって評価をなした。公式統計によ (7) ると年平均経済成長率は8.3%
である。そこでこの高度成長の成果が、ど のように各階層聞に分配されTこかを、再ぴ分配国民所得の推移によって検 討してみる。まずく第1
0
表>において、国民所得の配分構造の変動推移を みると被用者報酬の構成比は、1
9
6
0
年の37.2%
から1
9
6
4
年には2
8
.4%へと8.8%
も減少し、6
5
年には30.8%
、6
6
年32.5%
と増加したが、いぜん羽田 年の水準まで回復していない。しかも1
9
6
2
.
.
.
.
.
.
.
6
6
年間における雇用労働者数 の増加は、4
6
万4
千人といわれる。 一方、財産所得のうち、配当所得の構成比は、1
9
6
0
年の0.2%
から1
9
6
6
年にはその4
倍にあたる0.8%
に増加している。そこで、1
9
6
2-....6
6
年期聞 における財産所得の国民所得に占めている平均比は1
1.2%
で、1
9
5
7
"
-
'
6
1
年 期にくらべて0.4%
下落している。ところで、この期聞における利子所得 は、4.2%
から5.5%
へ、配当所得は0.2%
から0.8%
へと著増したにもかか わらず、財産所得が相対的にその比率減少をきたしたのは、賃料所得が6
1
年以来、はげしいインフレのため年々漸滅してこの6年聞に1.8%
の減少 となったからである。 また法人貯蓄も、1
9
6
0
年の1.2%
から6
2
年には3.2%
へと急増し、多少の 下落はあるが6
2
.
.
.
.
.
.
.
6
6
年間の平均構成比は2.7%
であり、 60年にくらべて6
2
"-'66年期は、2
.
2
倍の増加となっている。第l次5カ年計画期間中の法人所 得は、その額と比率において、飛躍的増加をみせた。すなわち法人所得の国 民所得に占める比率は、1
9
5
7
.
.
.
.
.
.
.
6
1
年の平均1.6%
から、1
9
6
2
"'-66
年には3
.
6%
となり、2
倍以上の増加となっている。このような法人所得の比率 の増加は、主に法人貯蓄の増加によるものであり、積極的工業化政策の結 果と考えてよい。更に、法人税の国民所得に対する比率も、1
9
5
7
.
.
.
.
.
.
.
6
1
年の0
.
4
%から0.9%
へと2
倍以上の高まりをみせたが、法人所得に対する法-313-韓国の雇用と賃金 人税率は、いぜん26%であることから法人所得の増加は、法人企業の利潤 率が高いため既存の非法人企業の法人化が進んでいることと、外資導入に (8) よる民間投資が活発化し、新設法人が増加したことに起因するものである。 次に、個人業主所得について検討する。個人業主所得は、農家所得とそ の他の非法人企業所得との混合所得である。すなわち、非法人業主の利潤 と家族労働者の報酬を包括した所得である。今<第9表>において、その 国際比較でみると、 1964年におけるこの種の所得の国民所得に占める比率 は、韓国が最も高い。先進諸国ほどその比重が減少している。低開発園ま たは後進国においては農業を含めた非法人企業の全企業に占める比重は、 圧倒的に大きく、極めて重要な意味をもっている。しかもそれは、先進国 の場合とことなって、社会的分業の担い手としての中小零細企業的経営で はなく、単純な生計手段的性格の企業が多い。 韓国の個人企業の場合も同様、伝統的に零細な、いわゆる生計手段と しての農業と、また経済的採算性において、過剰人口を吸収するスポンヲ 的役割を果たしている非農業部門の製造業、鉱業、運輸業、卸小売業、サーピ ス業等の零細小企業である。この意味で韓国の個人業主所得は、農業業主所 得と非農業部門の個人業主所得に分けて考えるのがのぞましい。両者の合 計における1962'"'-'66年期間の平均構成比は52.4%で、前5年間の51.7%に くらべて、 0.7%高くなっている。これを農業、非農業の部門別でみると この両期間の対比では農業業主所得が平均0.1%低下し、非農業業主所得 は0.8%の増加となっている。農業所得構成比は、第1次5カ年計画期 (1 962'"'-'66年)の方が工.961年にくらべて1.2%低くなっている。このことは 農業業主所得が、 61年にくらべて66年は4.7%の低下となり、 6ト 66年平 均でみても 1 %の減少であり非農業業主部門の増加分を相殺してしまって いるからである。このような農業部門の構成比の低下は、農業における不 作と、開発推進に伴なうインフレのため64年以後、穀価下落に先導された 取引条件の悪イじに基因するものであって、 65年の穀価は絶対水準で、前年
一
314-緯国の履用と賃金 にくらべて、
8.7%
も下落している。 一方、非農業部門の個人業主所得構成比は、1
9
6
2
年をのぞけば増加傾向 を保っており、6
1
年の13.6%
から、1
9
6
6
年には17.2%
に増大している。 次に、一般政府財産及び公企業所得についてみると、日年の2.1%
より6
5
年2.4%
、6
6
年2.3%
へと増加傾向をみせているが、計画期間後半のインフ レ進展に対処する抑制政策のため、公共料金率を相対的に固定イじさせたこ となどもあって、6
4
年まで2.0%
にとどまった。しかし6
6
年以後、再投資を拡 大するための公共料金の一部引上げとあいまって、構成比の著増をみせた。 以上、国民所得の要素別もしくは階層別分配構造の変化を概観したが、 一般的にいって、国民総生産の成長の成果は、就業人口において絶対多数を 占めている勤労者の所得増加よりも、企業者の所得増加に大きく寄与した と結論づけることができるであろう。2
.
労働分配率の低下
次に、国民所得データをはなれて、労働生産性の動向との関連から成果 配分構造の変動推移を検討すると<第1
1
表>に示すごとくである。指働生 産性は毎年若干の起伏はあるが、上昇傾向をたもっているのに、その成果 の一部の配分を受けるべき労働者側の実質賃金は、逆に低下する傾向にあ る。しかも生産性の向上に比例して、賃金コストも低減するのは当然であ るが、物価上昇率が労働生産性をうわまっているため、消費者も、生産性 向上の成果の一部を受益しているとはいいがたいようである。 また、企業家への配分率を示す利潤分配率と労働者側への配分を示す労 働分配率の推移について、鉱工業、建設業及び電気業を分析した韓国生産 性本部の「生産性と成果配分J
(
1
9
6
6
年)は、 「韓国企業の附加価値生産額 の労使間配分の特徴は、多分に企業人に偏重している傾向にあるといえ る」と結論づけている。つまり、<第1
1
表>によれば附加価値に占める 利潤分配率は、工.
9
6
3
年1
0
4
.
1
で前年より4.1%
の増加であるが、労働分配-315
ー韓国の雇用と賃金 ~J潤と労働分毘率の変動推移 く第
1
1
表 > (%)77\ご~
1
9
6
2
1
9
6
3
1
9
6
4
労 働 生 産 性1
0
0
.
0
1
0
5
.
8
1
1
5
.
1
l精 加 価 値 生 産 性1
0
0
.
0
1
0
5
.
4
1
1
2
.
1
利 潤 分 配 率1
0
0
.
0
1
0
4
.
1
1
0
5
.
1
労 働 分 配 率1
0
0
.
0
9
5
.
9
9
4
.
3
ソウル消費者物価指数1
0
0
.
0
1
2
0
.
7
1
5
6
.
2
資料:韓国生産性本部韓国銀行調査部「生産性と成果配分の研究J1
9
6
6
.
1
2
率は1
9
6
3
年の9
5
.
9
で前年より4.1%
減少している。また1
9
6
4
年の利潤分配 率は1
0
5
.
1
で1%
の上昇をみたが、労働分配本は9
4
.
3
と更に下落して前年 より1.6%
の低下となっている。掲載資料では、1
9
6
2
'
"
'
-
'
6
6
年期聞を概観で きないが、韓国の生産性の成長成果は、利潤分配率の持続的増大によって 利潤増大に寄与する一方、封働分配率の逓減を通じて、賃金労働者の実質 賃金の低下をもたらしたとみてよいであろう。 く付表1
>
財 産 所 得 法 人 貯 蓄 法人直接税 分記国民所得[乙占める資本側所得の推移 資料韓国銀行、経済統計年報(
1
9
6
6
)
註:1
9
5
5
年 不 変 術 絡5
.
0
4
1
9
.
8
0
1
1
2
.
6
2
1
1
6
.
9
2
韓国の雇用と賃金 韓国の企業の生産性成果配分現況 く付表
2>
(
1
9
6
4
年) 資 本 附加価値 附 加 利 潤 労働所得 企 業 数 生 産 性 集 約 度 価 値 率 分 配 率 分 配 率 千ウォン 千ウォン % % % 鉱 業2
3
6
1
6
4
0
7
6
6
.
9
7
1
9
.
7
3
4
6
.
9
9
製 造 業3
8
1
9
3
0
3
3
5
3
4
.
9
4
2
1
.
9
0
2
8
.
3
7
常 気 業3
.
8
2
7
6
9
5
6
7
.
1
4
3
4
.
7
0
2
3
.
3
8
建 設 業5
0
5
4
3
4
5
9
2
9
.
7
3
1
2
.
0
1
6
2
.
9
0
卸 小 売 業4
7
3
2
2
6
8
2
6
.
3
8
3
6
.
7
3
1
1.9
6
運 輸 業3
2
6
0
5
2
4
0
5
2
.
8
5
2
4
.
9
9
3
2
.
4
3
サーピス業1
8
1.0
7
1
2
2
7
4
4
.
3
2
5
.
5
9
5
8
.
9
2
資料:韓国銀行、 「我国の企業経営分析J
:緯園生産性本部「生産性と成果配 分」、1
9
6
6
年3
.
勤労所得の低下1
9
6
0
年以後の韓国の経済成長は、一般的にいって、第2
次産業部門の成 長におうところが大であった。特に重化学工業部門の成長が顕著であった が、それは、第工次5カ年計画で力を注いだ工業化政策の結果であると思 われる。しかし、総体的にみれば、いま尚、韓国経済のもつ前近代的な家 族経営的零細個人企業の害在が圧倒的である。したがって、これら零細個 人企業(農業を含む)に従事する個人業主と家族従事者の全就業者に占 めている割合は、工9
6
3
年68.5%
、6
4
年69.5%
、65
年67.9%
、6
6
年66.7
%で、平均68.1%
となる。国際比較でみて、50%
を越える国が少ないこと からも、韓国におけるこの種の零細企業の存在意義は極めて大きい。また 農業部門に従事する就業者人口も、1
9
6
0
年以来、着実に増加し、工9
6
ト6
6
年間は、およそ2
0
万人の増加である。ところで、それは、年間の平均値に-317
ー韓国の雇用と賃金 よる数であり、季節労働者(夏期の農繁期には激増し、冬期には激減す る)を含んでおり、農家における就業人口は、このような意味で、臨時、 日雇などの季節労働者あるいは潜在的失業者群を含んでいる(第一次産業 部門における臨時及び日雇労働者数は、 1963年以後、殆んどコンスタント であり、各年とも平均で、およそ60万人)。したがって、<第13表>にみ るように、農業における自営業主プラス家族従事者(有業人口)は、 1962 にくらべて
6
6
年は、およそ1
0
万人の減少となり、非農業阿部におけるそれ は、およそ40万人の増加となっている(農業の場合とは逆に、冬期には製 造業、建設業、商業、サービス業部門で就業者数が激増する)。 「第工次5カ年計画評価報告書J
によると、全産業での有業人口は、 19 62年に7,
944千人で、 66年には、およそ70万人増の、 8,
636千人と算定して いる。そのうち雇用者の増加は、およそ46万4千人で、なかでも臨時及ぴ日 雇封働者の増加は26万人とみられる。その聞に、国民所得は名目額で3,
03 3億ウォンから9,
019億ウォンに増加した。そこで、第l次5カ年計画実施の 結果えられた国民所得の増加分を含む各種所得が、各階層聞にどのように 分配されたか、また勤労所得、農業所得、個人業主所得の l人当り所得の 推移を算定すると<第12表><第四表〉の如くである。まずく第四表〉で-318-一入当り実質分E国民所得の推移 く第
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表〉1
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)
作成資料:韓国銀行・韓国経済統計年鐙(
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)
経済企画院・韓国統計年鑑(19
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)
E
註コ: (
)内は名目 斡国の届用と賃金 単位 % 政公企府及業び財所産得 国民所得1
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それぞれ工人当り実質所得について、指数でみると、1
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年期聞に顕 著に増加しているのは、個人業主所得、財産所得、法人所得などの資本側 所得であり、停滞しているのは労働側所得である。なかでも実質国民所得 の増加率を下まわっているのは、勤労所得と農業所得である。非農業部門の 個人業主所得以下の増加率は、すべて国民所得の伸ぴ以上である。無論それ は、1
9
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年と6
6
年を比較してのことであるが、農業所得の1
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3
年、6
4
年の 大巾な増加は、6
3
年インフレによる穀物価格の騰貴と6
4
年の豊作によるも のであったことは前述の通りであるが、1
9
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.
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.
6
6
年 期 聞 を 通 じ て の 増 加 は、農業における有業人口の減少によるものといわざるを得ないだろう。-319
一緯患の鹿沼とI賃金 分回国民所得及び就築審 1入当り所得@移推 く第
1
3
表〉 (名目) 回』 自 営 業 主 所 得 農 業l
鵡 業 │ 小 計 分庖国院民千人I
人所所ウ口前開オ同ン;:¥)1.1
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作成資料: 経済企画院:経済白書(
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7)(
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)
.
韓国統計年鐙(
1
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)
E
註) : 有業人口は、勤労所得の場合は雇用者総数.農業、非農業の場合は それぞれ(業主+家族従事者)である韓国の履用と賃金 全体的にみて、進行するインフレーションとあいまって、各所得とも、 名目的には、大巾な増加率となっているが、その内容はよインフレのふく らみであれこれに吸収された勤労所得の実質的低下は、この期聞におけ る特徴といえるようである。この意味において、高度成長の効果は、労働 者階級の生活水準に対して殆んど上向きの影響を与え得ることができなか ったと思われる。 このように、資本の利潤部分の拡大に、大きな影響を与えたこの期の経 済成長は、総体としての勤労所得には、緩慢ながら上向きのインパクトを 与えたがこの増加もその期聞における雇用者の増加によるものといわざる をえない。結局<第ロ表>にみるように、 l人当り実質勤労所得の増加率 は、この5年聞に、四%の増加にとどまり、それもやっと66年に至ってか らのことであるから、明白に下向きの逆コースをたどったといっても過言 ではあるまい。 以上のことから、 「第l次経済開発 5カ年計画」の効果は、消費の拡大 よりも資本拡大に寄与したといえるようである。また、<第13表>にみる ととく、 l人当り所得は、その絶対額において僅少であり、いま仮に、 1966年の勤労、農業業主、非農業業主の各所得の名目額をドJレ換算してみ ても、それぞれ、 370ドル、 270ドル、 330ドγレとなり、低水準である。三 者の比較において、個人業主所得の絶対額が小さいのは、前近代的家族経 営における家計と営業費の混同、あるいは経費への転化によるものではな いかと思われる。 n F f 町 内 4U
韓国の雇用と賃金 きて、韓国における所得の分配について分析したが、勤労所得の絶対額 の低位性と分配率の低下傾向は、韓国の低賃金構造の解明にとって重要で ある。しかも第l次5カ年計画期における比較的高い経済成長の結果は、 労働所得たる賃金水準に上向きのインパクトを与えることができなかった ことはたしかであって、また韓国の労働組合が分配政策にたいして、上向 きの作用を及ぼしえなかったことも事実のようである。現在の韓国労働組 合の地位が極めて不安定なものであることからすれば、所得分配の不均衡 佑は、一貫して国家と資本側のリーダーシップの下で形成されたように思 われる。ところで、韓国における低賃金は、分配政策上の視点からのみ解 明できるものではなく、むしろ、大量の失業の圧力の影響を克分に考慮し て検討する必要があろう。 註(6):経済企画院、経済白書