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乳幼児期初期における子ども同士の交渉(その3) : 同年齢児による遊び場面における2歳児の場合

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(1)Title. 乳幼児期初期における子ども同士の交渉(その3) : 同年齢児による遊 び場面における2歳児の場合. Author(s). 江口, 純代. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 30(2): 395-411. Issue Date. 1980-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4813. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 乳幼児期初期における子ども同士の交渉 (その3) -- 同年齢児による遊 び場面における2歳児の場合 --. 江. 口. 問. 純. 代. 題. 発達初期における子ども同士 の相互交渉の問題は, 長期にわたり研究がブランクの状態にあっ た. が, 最近ようやくスポッ トがあてられるようになっ てきた問題である, 従っ て, これまでに蓄積さ れた研究の量はまだまだ少ないのが現状 であるといえよう. しかし, これまでの研究の成果として 子ども同士の交渉の内容・発達的様相, およ びその発達に影響する諸要因の効果に関して それらの 一 端 が明 ら かに な っ てき て い る ,. 子ども間に生起する相互交渉の量的側 面およ び質的側面に影響を与えると考えられる要因 の中. で, 検討が相対的に進ん でい ・るのは, 接触経験と年齢差の要因である. ( 1 ) 接触経験の要因 接触経験の要因を実験的に操作しており, 条件統制にある程度成功して いる研究は次の3つの研 究である. { 1 }(1 Becker ら 97 7 ) は, 生後9.1 0か月児を2人1組ずつにし, めいめいの自宅 で約20日間に l l わたり計1 0回の遊び場面を与えることによっ て接触経験の効果を調べている. Mue e r & Brenner 2 8 ( }(19 77 ) は, 生後1 6か月から1 9か月ま での時期において, この時期に先行する4か月間 (週6 日の頻度)による接触の効果を,6名のグループから成るプレイルームでの遊びを観察することによっ. て検 討 して い る. こ れ ら 2つの研究はいずれも, 実験群と統制群とを設定する実験計画によっ てい 3 1 ( )(1979) は 自 宅 の近 所 に 遊 び友 達 を 持 つ 12 か月 児 に そ る が, こ れに 対 し て Young & Lewi s , ,. の遊 び友 達 との 遊 び場 面と, 遊 び友達 と性・年齢 等 の点でマッチン グさせ た見しらぬ 子 どもと の遊び場面の両場面を実施する方法によっ て, この要因の効果を調べている, これらの研究は, 接触経験による プラスの効果が存在することを一致して示している, 接触経験. は, 子どもに対してなされた社会的行動の量を増加させるばかり でなく, その行動の内容面におい ても影響を与えることが指摘されている. このことは, 子ども間の相互交渉に関する研究において,. 接触経験の豊富な子どもたちによるデータが重要 であることを示唆するものである.. 2 3 5 6 1 3 1 9 ) 子 ども と の 先 行 接 触 経 験 を ほと ん ど も た ず しか も 互 い ’ ’ ・ ’ ・ こ れ ま でに なさ れ た 研 究 では{ , ,. になじみのない子どもたち同士数名 をプレイ ルームに同室させた状況で一定時間内に生起した交渉 を分析している研究がかなり多くみられる,観察設備の整っ たプレイ ルームというセ ッティ ン グは, 数多くの要因効果が分離されないまま結果に混入するのを防ぎ, 観察の精度を高める上 で有効 であ .半面において 新奇な場面でのなじみのない子ども同士 による最初の接触経験とい ろう. しかし, , 395.

(3) . 江. 口. 純 代. う性格をもっ ている. このことは, 可能 で普遍的なレベ ルにおける子ども間の交渉の内実を明らか にする上 で不利 であるといわざるをえない. プレイ ルームを利用する場合において も, 子ども相 互 にある程度密な接触が保障される状況設定を工夫することが必要 であろう, 特に, 相互交渉の全般 的な発達の様相を明らかにしようとする時には なじみのある子ども同士を選 ぶことの 重要性は一層 2 6 2 6 } ’ 増すと思われる. この点を考慮 したと推測される研究もいくつかみうけられる( .. ま た, 前述 の Young らのように, 近所に特定の親しい遊 び友だちをもつ乳幼児を対象として, そ 0 { 3 }(1976) もこ の in & Howes te の 遊 び友 だ ち と の 交 渉 を 分 析 す る の も 一 つ の 方 法 で あろう. Rubens. ような方法 で対象児を選択し, 1歳後半児が母親およ び玩具との間になす相互交渉のそれぞれに及 ぼす遊び友 だちと一 緒に在室することの効 果を調べている. しかし, 発達初期にある乳幼児で親し い特定の遊 び友だち・仲間を近所にもつ子どもの割合は, 大変小さいのが現実であろう. たとえば,. Young らの場合 でも研究に対する協力を引き受けた母親の中 で ,. 6か月から12か月ま での範囲の. 月齢差にある友だちをもつ乳児の母親が占める割 合は, わずか10%という少数 である (もちろん, 国や域地その他によっ て若干事情は異なるだろう が) , その点, 保育園は, かなり早期の年齢から長. 期にわたっ て豊か で自然な形 での子 ども同士の接触経験を子どもに与えている絶好の場 であるとい える. 保育園という環境のもとでの子ども同士 の相互交渉について もっ と注意が払われるべきであ る.. 2 ( ) 年齢差の要因 年齢差の要因の効果に関し, この効果を分離しようとする試みは, 3歳以降のより年長の幼児を 1 8 2 0 } しかし 発達初期という低年齢層に関する検討は現在の ・ 対象とした形 ではいくつか存在する( , .. ところ皆無である. 4 7 1 9 ) また 低年齢層の ・ ’ た だし, 年齢差によっ て生じる行動内容が異なることは 示唆されている( , . 1 6 ’ 乳幼児が年上のきょ うだいの幼児との間におこなう相互交渉に関する検討が最近なされている{ 9 1 0 } 7 } 筆者は 先の2つの報告{・ において 異年齢の子どもたちからなる 保育園の自由遊 び場面を 1 , , .. 観察し, 1歳 児およ び2歳初期児が年長・年少および同年齢の乳幼児たちとの間におこなう交渉の 特徴について分析した. その結果, 相手との年齢差によっ て生じる相互交渉の量およ び質にちがい がみられることが明らかにされた. では, 年齢差の少ない子ども (同輩) によっ てメン バー 構成がなされており, 大人からの統制 が. 少なく遊 びの自由度が大きいセ ッティ ン グで, 互 いになじみの程度が大きい保育園児間に生じる交 渉は どのような特徴をもつのであろうか. この点に関する検討はなされていない. 発達初期にある 保育園児による保育 園内 での自由度 の大きい遊 び場面における相 互交渉を問題と した従来の研究 7 9 ’ ’ は, すべて, 広い年齢層にわたる乳幼児から構成されている場面を対象としてなされている.(. 1 0 1 2 1 6 2 3 2 4 2 6 2 9 ) 本 研 究 の 目 的 は 保 育 園 内 に お け る 同 年 齢 グ ルー プ に よ る 自 由遊 び場 面 で互 いに な ・ ’ ’ ’ ・ ・ , .. じみのある2歳初期の保育園児がおこなう 相互交渉の特徴を明らかにすること である,. 方. 法. 1. 観察対象 函館市内の保育園 (2か所. 以下S園, T園と称する) 園児7名. 対象児の選定は, 発達年齢 で 2歳0か月か ら2歳3か月ま での範囲に属 すること, およ び同一園内にこの年齢範囲に属する他の 396.

(4) . 乳幼 児期初期における子ども同士の交渉( 3 ). 幼児が1名 以上在園していること, の2点にもとづいておこなっ た. 結果として得られた対象児の 7か月) 発達年齢は2歳2か月および2歳3か月という近接した年齢となっ た (平均 DA は26. . な. お,CA は 1歳9か月から2歳2か月ま でにわたっ ており,うち1歳代が2名,2歳代が5名 であり, 2, 7であっ た.DA 平均 CA は 23.9 か月 であ っ た, DQ は 100 か ら 129 ま での範囲にあり, 平均は11 の算出は, 津守・稲毛氏の乳幼児精神発達質問紙を各児の担任保育者と母親に実施することによっ ておこなっ た (保育者 が回答不能である項目についてのみ母親に回答を依頼した) , 性別による内訳は男児4名, 女児3名 であっ た, 4名 がS園, 3名 がT園に所属していた. 入園. 3日時入園児が2名, 2か月・9か月・10か月・1歳5か月・1歳9か月時入園児が 時期は,生後4 それぞれ1名 であっ た. 最短の在園期間は5か月 であっ た. きょ うだい構成は, 一人っ 子が5名, 2人きょ うだいの末子, 3人きょ う だいの末子が各1名 であっ た. 2, 観察期間 2月およ び1 977年6~7月, 1 9 76年1 3, 観察場所 2 T園が9. 保育園の保育室 で観察を実施した. 保育室の広さは, S園が14 9畔であっ た. 使 ,9m , 「 用遊具は園およ び日によっ て若干異なるが, 各種ブロッ ク, ボール, 人形, 乗り物としての車, 小 さな車, ままごと道具, 絵本な どであっ た. 各種遊具のそれぞれの個数は十分 であるよう留意した. 4. 観察実施手続 午前の保育時間中に観察を実施した. 両園とも自由遊 びの時間帯の次に位置している設定保育の. 1時すぎま で) に実施した, 時間帯 (1 0時から1. 同一園に所属する対象児の中 で2名以上を一組 とした遊び場面を設定した. 各対象児について2. 日にわたり2回の遊 び場面の記録をとっ た. 当初の計画では各対象児のそれぞれ2回の場面におけ る構成 グループのメンバー数を変える予定 であっ たが, 候補としたいくつかの保育園の中 で前述の. 年齢範囲に属する幼児が3名以上在籍する園が少なかっ たこと, 3名以上の在籍がみられた園にお いても日常から人見知りが激しく観察場面に慣れるのに若干困難があっ た子どもが含まれていたこ となどの理由から, この計画の実施は不完全になっ た. 結果としては, 3名在籍していたT園にお いて1名の対象児にメン バー3名による場面構成が1回おこなえた以外はすべてメン バー2名の場 面構成となっ た (またS園では年齢がやや離れた2名 ー組のペアが2組いるという状況であっ たた. め, 間隔をおいてそれぞれのペアの記録をとっ た) .従っ て, 7名 の対象児のうち1名 以外はすべて, それぞれ同一の幼児1名 を相手とした遊 び場面を2回経験したことになる (この例外となっ た1名 は, 1回目は2名の相手と, 2回目は1回目に相手となっ た2名 のうちの1名 を相手とした場面を 経験したことになる) . ペアの性別構成について述べると, 全部で14個の10分記録のうち, 同性同 士の組の記録が1 0個 (3名メンバーによる 1個もここに含まれる) , 異性同士 の組の記録が4個 で あ っ た.. なお, ペアになっ た子ども同士は各園内 でそれぞれ同じクラスに所属 していた. また両園とも, 0名を対象として 毎年4月初めの入園時点の年齢 でみると0歳代から2歳代 である乳幼 児合計約2 保育を実施している保育園である, 日常保育 ではクラス別保育以外の自由遊 びや食事などの多くの 時間帯において, 生後満1年近くの乳 児からそれ以降の年齢の乳幼 児たちは相互に接触する機会を 多く も っ て い る,. 397.

(5) . 江. 口. 純. 代. 部屋の中央付近にあらかじめ遊具を置いておいた保育室に参加観察者 (筆者) が子どもたちと共 に入室した, 部屋にはす でに VTR カメラのカメラマン が1名在室していた. 入室に際しては「ここ にあるお もちゃ を使っ て一緒になかよく遊ん でね」 の教示を導入として用 いた. 導入後, 場面 に潰 れず, す ぐに遊 びに入りこもう としない様子が見受けられた時には適宜働きかけをおこなっ たが, 場面への慣れが生じたと思われる時点 でそれ以降の働きかけは控えるように した. 子どもへの働き. かけおよ び子 どもからの働きかけに対する応対は原則として参加観察者がおこなっ た. 全般に観察 者からの働きかけは なるべく控えることを原則とした, ただし, 争いな どによっ て身体攻撃や泣き が激しい形 で生 じた時 (なお, 少々 の争いについてはす ぐに介入することを 控えた) や, 遊 びに全 く入り込もうとせず落ち着きのない行動が認められた時などには働きかけをおこ なっ たが, その量 は必要最小 限に押えるように した. また, 子どもからの働きかけに対しては受容的で最小限の応対 をおこなうようにした. カメラマンは 教育心理学専 攻の大学生が担当した,参加観察者とカメラマン, 特に参加観察者は, 本観察開始にあたり最低一週間の予備期間を設け, 日常の保育時間の一部に保育者として参加する ことによっ て, 子どもたちとのなれが保障されるよう留意した.. 遊 びは一日一回20分以上の長さ でおこない, その間に一 人の 「対象児」(観察の焦点を当てた子 0分以上, 合計2名分の記録をとるように した. ども) につき連続1 記録は 主に保育 室の一隅に設置した VTR 一台(ポータブル・白黒)により, 音声は室内1~2か. 所に取り つけたマイクからも集音 した. 参加観察者は状況の許す限りにおいて自由記述による筆記. 記録をとっ た. 観察は一方の幼児に焦点をあて, 時間内に 生起する行動を可能な限り記録するように した. また ペア となっ た幼児についてもできる 限り記録するようにした. 各児につき各2回の観察の時間間隔 は, 1 ~ 7 日, 平 均 4.3日 であ っ た.. 5. 結果の整理 4個の10分記録のうち で,「対象児」 と ペアになっ た子どもとの間に社会的行動(SB) が生じ 計1 た個所およ び物中心のコンタクト (0) が生じた個所について, VTR 記録と筆記記録から文字化し た逐次的行動記 録を作成した.. 「対象児」 と他の子どもとの間にかわされた SB の相互連続性に ついては,1(インタラクショ ン) と P1(前インタラクショ ン) のカテ ゴリーを用 いて 整理した. 子ども同士の交渉, すなわち, 社会 的影響状態を, P1と1よりも一層大きな単位 で把握するために, ①物中心のコンタクト(0) , ②物 L- ④潜在的コンタク ト( ) タクト(C .子 ども中心のコン タクト(0-C) , , ③子ども中心のコン. ゴ れ ら の う ち ① か ら ④ ま では コ ン タ ク ト の 下 位 カ C) , ⑤ 一 方 的 作用 の 5 つ の カ テ リ ー を 用 い た. こ. ゴ ( ) テ ゴリー である. SB , コンタクトおよ び交渉の各カテ リーの定義は, 報告 その1 に , 1と P1 ならっ た. ただし, 報告 (その1) および (その2) で使用 した交渉の下位カテ ゴリーの一つ であ. る平行あそ び (P-P) は今回は使用 しなかっ た, 交渉の単位区分は次の手続によ っ た.①20秒以内の時間間 隔 で生起している同種類の交渉はそれ ぞれを独 立させず, まとめて1個の交渉とみなした, ②○, 0-C, C相互については, 20秒以内 の間 隔 で連続して生起している場合 であっ ても, それぞれを独立させて数えた. ⑧L-C または一方 的作用 とみなすこともできる P工の個所については, 前後にCが20秒以内の時間間隔で連続して存 Iが○-Cの内容とな 在する時はそのCの 構成部分とみなした. 前後に○-Cがある時には, その P りうるかどうかを○-Cから独立させて扱うか 否かの基準とした. ④在室する大人からの働きかけ 398.

(6) . 乳幼児期初期における子ども同士の交渉( ) 3. a )(= によっ て 生じていると思われる他の子 どもに向けられた SB(④(=大人)喚起の SB)は,SB( 構成 P I 要素と または1の 相手または相手の活動を 「みる」 行為の単独生起) 以外の SBであっ ても. しない. また, ④喚起の SB によっ て開始されていると思われる交渉も 除く. ⑤同種の交渉が互い に2 0秒以内の間隔 で連続生起しており, その間に大人から子どもに向けてなされた SB , および子 -子 ども S B 合において これら大人 S B )による中断がある場 なされた (④向けの どもか ら大人へ , 間の SB による交渉の中 断が一時的(SB が1個のみ存在)で, この中断直後に再びP1や1が続いて 存在している時には, 中断の前と後との交渉をそれぞれ別 個の交渉とはみなさず, まとめて1個の 交渉として数えた.. 結. 果. 1. SB による分析. まず, 子ども間にかわされた SB を単位として分析をおこなう. 結果を表1に示す. 「対象児」(以下 〔S〕 とも表現する) からその SB の向けられた相手の子ども (以下 〔0〕 とも 表現する) に対しなされた SB , および, 相手の子どもから 「対象児」 に向けてなされた SB に分け. て示してある. 全体に個人によるばらつきが多い. 一回の観察10分間に1人の子ども当りに生起し た SB 総数を中央値でみると,22~27の範囲にあることがわかる.SB の方向を無視した時, つまり, 〔S〕 → 〔0〕 および〔0〕 → 〔S〕 をこみにしてみた時の2回の観察の間には, PIに含まれる SB 数, 1に含まれる SB 数,SB 総数のそれぞれにおいて大きなちがいは認められない.SB の方向別に. みた時の両観察回の間にも, PIに含まれる SB 数, 1に含まれる SB 数, SB 総数のそれぞれについ て違いは認められない. Iに含まれる SB 数,1に含まれる SB 数について〔0〕から〔S〕に対してなされた また,SB 総数,P 場合と, 〔S〕 から 〔0〕 に対してなされた場合とを比較すると, それぞれよく類似した値を示して いる. こ れに は, “こ含 ま れる SB 数がSB 総数の中 で多くの比率を占めることが大きく関係してい 表I. SB 総数, P1・1と の関係 でみた SB, およ びSB の応対率. SB の. 観察回. 方 向. 内 容. ①. ②. ③. ④. ⑤. ①. ②. ③. ④. ⑤. Mdn. 6.O. 20.3. 26.O. 0.74. 0.54. 5.O. 22.O. 27.O. 0.83. 0.52. r ange. 1~8. Mdn. 3.9. r ange. 1 ~17. 〔S〕→〔0〕 〔0〕→〔S〕. 計. M [dn r ange. 第. 1. 第. 回. 回. 2. 0~67 1 ~75 ( 1) 0 ~ 9 3 ~49 9 ~58 ( 0. 81) (0, 6 0. 85 ) (0. 6 5) 17・0 22,O 3.O 0.83 0.58 21.O 23.O 0.82 0.61 0~63 3~76 ( 64 6 o. 78) ( 0. ) 2~16 3~49 6 ~60 (0. 83) (o 7) ,. 5.O 19,8 24.O 0. 79 0,57 3.8 21.5 25.O 0.83 0.54 1 ~17 0 ~67 1~76 ( 0. 76) ( 0, 60 66) ) 0 ~16 3~49 6 ~60 (0. 84) (0.. o①:PIに含まれる SB ②:1に 含まれる SB. ③:SB総数(=①十②). ④:②/①+② ⑤:SB の応対率. o④, ⑤の( ) 内の数字は, 各児における生起数を全部こみにして扱った場合におけるそ れぞれの値である。 o第1回観察で1回のみ実施された3人一組場面において, 相手2人のうち一方の子ども との間にしか SB や交渉が実際には生起しなかった。 このため第1回観察での 〔0〕 の 人数は7名である。 399.

(7) . 江. 口. 純. 代. る. Iる こ の 1 に 含 ま れる SB が 目こ含まれない SB(=P こ含まれるSB)よりも多く 生 じるかという点に. 関する比較を, 個人 の生起数を合計した生起総数 (表1④の括弧内の数値はこの生起総数を用 いて 算出したもの である)によっておこなっ たところ,両観察回およびSB の両方向をこみにした全f本 SB の両方向をこみにした時の観察回のそれぞれ,観 察 回×SBの方向の組み合わせから生じる4つの場合 ・ のそれぞれにおいて, すべて有意義な差が認められた (全体:CR=39.9 21 00 1 , P<. , 第1観察:. CR=11.395 , P <,001 , P く.001 , 第 2 観 察 :CR=13.764 , 第 1 観 察 での 〔S〕 → 〔0〕 :CR=. 8. 51 4 .598 , P<.001 , 第1観察 での〔0〕→〔S〕:CR=7 , P<.001 , 第2観察 での〔S〕→〔0〕: CR=10.116 , P <.001 , 第 2 観 察 での 〔0〕 → 〔S〕 :CR=9.330 , P <.001) . す な わ ち, イ ン タ. ラ ク シ ョ ン に 結 びつ い て い る SB は, イ ンタラクショ ンに結 びついていないSB よりも有意に多く. 生じるといえる. また, 〔S〕 → 〔0〕 および 〔0〕 → 〔S〕 の両方向をこみに した時の工に含まれる SB 総数がSB 総数に占める割合の各児の値 (表1の④の数字) について, 2回の観察間にちがいがみられるかを. Tテストによっ て検定したところ, 統計的に有意な差は示されなかっ た, 次に, SB の相互連続性, 相互交換性 について, 一方 の子どもの SB がそのSB を向けた相手から. 反応として の SB を直後にひき起こ しているかという観点から個々 の SBを検討する」 相手からの SB(ただし, SB( -- 「相手または相手のしていることをみる」 行為のみの生起 一一 は除く) を. 直後に伴っ ている SB を 「応対あり」 の SB とし, この 応 対あり の SB がSB 全体に占める割 合を 「SBの応対率」 とする. その結果は表1の⑤に示してある. なお, ここ でP1や・“こ含まれている SB と応対ありの SB との関係について述べると, PIに含まれる SB はすべ て応対な しの SB とな り, 1に含まれる SB は, SB の連続において最後の位置にある SB 以外はすべて応対ありの SB と. なる. SB の応対率は60%前後であっ て, 子どもから子どもに向けられた社会的行動の過半数は相手か らの反応をひきおこ していることがわかる. 各児の生起数を合計した生起総数によっ てみた時の応 対ありの SB 数と応対なしの SB 数の比の差は,観察回・SB 方向を無視した時の全f本 SB 方向を無 視した時の各観察回,およ び各観察回 での各 SB 方向のそれぞれにおいて有意な差 が認められた(全 体 :CR=8.401 , P <.001 , , P <.001 , P <.001 , 第 2 観 察 :CR=5.772 , 第 1 観 察 :CR=3.730. 24 3 33 01 第1観察 での 〔S〕 → 〔0〕 :CR=3.0 , , P<. , 第1観察での 〔0〕 → 〔S〕 :CR=2. R C R C 0 〔 S = 0 2 P< 1 第2観察での 〔 〕 → 〕 : S 〔 〕 4 3 8 0 0 P<.05 第2観察での〔 〕→ : = . , , , , 3.91 ) 7 , P<.001 . 〔S〕 → 〔0〕 および 〔0〕 → 〔S〕 の両方向をこみにした時における各個人の SB の応対率には観察回による違いはみとめられなかっ た (Tテストの結果は有意差を示さなかっ た) . 2. 交渉の生起数 各交渉の生起数に関する結果を表2に示す. 観察回を無視した全体 でみると, 10分間に平均6 .5. 回の割合 でいずれかの種類の交渉が生起している.. C )が最も多く生起し, 10分間に平均約3.6回で 交渉の種類別にみると, 子 ども中心のコンタクト( あり, 全交渉の56%を占める. 次いで, 一方的作用, 物-子ども中心のコンタクト(0-C) , 潜在. 2回, 0分間に平均0, 的コンタクト (L-C) と続く. 物中心のコンタクト (0) は最も少なく, 1. 全交渉の3% である.. それぞれの種類の交渉の生起数には観察回による著しい相違はみられない. また, 個人 (ペア). 400.

(8) . 乳幼児期初期における子ども同士の交渉( 3 ). 表2 各交渉の生起数 0. 0 -C. C. L- C. 一方的 作 用. 交 渉 全 体. 0.14. 0,71. 3.29. 0,57. 4 (2, ). 1,9) (1. 1,29. (5 4. 8 ). 5 (9. ). 6,00. 0.29. 4,00. (10 0 0) .. 4. 1) (. 0,71. 1, 4) (2. 1・00. (14. 3). 57, 1) (. (10 ) ,2. 観 察 回. 第. 1 回. 第 2 回 全. 体. 0.22. (3, 3). 0.86. 3.64. 3, (1 2). 0.64. (56 0) .. 9) (9.. 1・00. 7・00. (14. 3). (10 0. 0). 1,14. 6,50. 7 (1 .6). 10 0, ( 0). 10分間の観察における1人当りの平均数(%). 表3 交 渉. ①. ム. ー. ド. P ム ー ド N ムー ド C. 混合ムー ド C 全 体 。 i C. 交渉の規模--Cと0-Cについて --. N ム ー ド. ○-C全体. SB総数 7.5. (2~89) 3,O. (2~14 ) 9,O. (4~57) 8.3. (2~8の 4.O. (2~13) 3.5. (2~13). ②. PI 数. ③. 1 数. ④. ②+③. ⑥ ⑥ ②/②+③ 1 の平均. ユニット数. 2.2. 2.7. 4,9. 0,40. 3. 7. 1.5. 1,5. 3,O. 0,34. ・ 3,3. 1,5. 2,8. 4.3. 0,29. 5,3. 2,O. 2,6. 4.6. 0.38. 4,I. 0,2. 1.3. 1.6. 0.04. 3,5. 0,2. 1.3. 1,5. 0,03. 3.4. o①は中央値, ②~⑥は平均値である。 ①の括弧内の数字はr angeを表わす。 す。 oC (Nムー ド) は総数4例についての結果である。 opムー ドおよび混合ムー ドの0-Cは生起総数が少なかった (各1例と2例) ため, 表からは省略した。. 別に各種交渉の生起数についてみると,いずれかの交渉が1 つも生じなかっ た ペアは皆無であっ た. 最小で2回, 最大で12回の交渉が生じていた.インタラクショ ンを含んだコンタクト(0-CとC) が1回も生じず, インタラクショ ンを含まないコンタクト (0とL-C) と一方的作用のみが生 じ たペアが一組あっ た(この ペア の交渉数は総計4 であっ た) , Cに関してみると最大で7回の生起数 であ っ た.. 3. SB 数, 1数などの点からみた交渉の規模 交渉の規模をSB 総数の点からまず検討してみよう. 0は SBを含まない交渉 であるため, これを 除いた残りの4つの交渉を対象とする,SB 総数は個人によるばらつきが大きいため, その値は中央. 値で示してある. Cでは8.3, 0-C では3,5である (表3参照) . L-Cと一方的作用に関する結 8 果は表3に記載していない. L-C では中央値1.9 , 範囲 , 範囲1~5, 一方的作用 では中央値 1. 1~3 である. 1を含まない交渉であるL-Cと一方的作用とを互 いに比較すると,SB 総数(この 401.

(9) . 江. 口. 純. 代. 2 つの交渉においてはその定義上からいっ て, SB 総数は P工数と等しい) の点 では, ちがいはみら れない. これに対し, 工を含む2つのコンタクト(0-CとC)相互間を比較すると, Cの方が○- 3 0. 69 Cよりも規模が大きい,この差は中央値テストによると1%水準 で有意 であっ た(ズ2=1 , 畔= 1,.005< P <.01). 次に, Cと○-Cに関して, イ ンタラクショ ンの占める割合, およ び含まれる1の規模の点から みてみよう. コンタクト1個当りに含まれるPI数と工数の各平均数, 1の平均ユニッ ト数 (11個 当りに含まれる SB の平均数)をムー ド(交渉を支配する感情的色彩.定義については報告(その1) を参照されたい) 別に表3に記す. PI数についてCと○-Cとの間には1%水準 で有意な差 が認められた. 分散の差が有意であっ た. た め tテ ス ト に よ ら ず 中 央値 テ ス ト に よ っ た. そ の 結 果 は だ =6.635 , 好= 1, P =0.01 であ っ た, 1 数 に つ い て は C と ○ - C 間 に 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た(中 央 値 テ ス ト : Z2=0.642 , 好= 1,.30. <P<.50 ) .PI数/P工数十1数に関するCと○-Cとの比較は,0.1%水準 で有意であっ た(中央値 テ ス ト:. バ バ =13.383 d〆= 1) , こ の こ と は, メ ン ー の 一 方 が 他 方 のメ ン ー に 対 し て お こ な っ た. 社会的行動 が相手からの応対を得るインタラクショ ンに発展しやすい傾向はCよりも○-Cにおい て 大 き く み ら れ る こ と を 示 して い る. な お, 工 の 平 均 ユ ニ ッ ト数 に つ い て は ○ - C と C と の 間 に は 有 意 な差 は 認 め ら れ な か っ た (中 央 値 テ ス ト:Z2=0.741 ) , df= 1,.30< P <.50. 次 に ム ー ド別 に み る と, ネ ガテ ィ ブ なム ー ドの C は ポジ テ ィ ブ なム ー ドおよ び 混合 ム ー ドの 6 と. 比べて1数 が少なく,また混合ムー ドと比べて1の平均ユニ ッ ト数 が少ない傾向がうかがわれるが, ネガティ ブなムー ドのCの生起総数そのものが少ない (4 例) ため, この 生起 総 数 が増加 した状 態のもと では どのような結果がえられるかはここ ではわからない. ポジティ ブなムー ドのCと混合 ム ー ドの C と の 間 に は, め だ っ た違 い は 認 め ら れ な い.. 4. 交渉の持続時間 次に,交渉の持続時間の側面から交渉規模について考えてみる,交渉の持続時間は次の方法によっ て算出した. SB を含む交渉の場合は最初の SB から最後の SB までの時間とした (この場合の SB. a )も含めた) には SB( .SB を含まない交渉, すなわち物中心のコンタクトの場合は, 共通の事物に対 し子 どもたちが同時に行動を向けている時間とした. なお, 時間は VTR テー プを操作しストッ プ. ウォッ チにて計測した. 従っ て, テー プの状態とストッ プウォッチの手動操作による誤差がその値 に 含 ま れ て い る こ と に な る.. 表4に, 各種交渉の持続時間の中央値およ び範囲を示す. 0は生起総数そのものが少ないため検 討対象からはずし, 残りの4種の交渉について比較検討する. 観察回を無視した全体 でみると, Cが他の3種の交渉と比べ最も持続時間が長く, 残りの○-C,. L-C, 一方的作用 のそれぞれの間には, 差 がみられない. また, 第1回観察と第2回観察のいず れにおいてもCが最大の持続時間を示す. 各交渉において, 観察回による違いは認められない (中 央値でみると若干の違いが見受けられる○-C, 一方的作用 についてUテストをおこなっ たが, い. ずれも有意差はなかっ た) .. 次に, 個人 (ペア) 毎における交渉の総持 続時間 (10分間に生起したすべての種類の交渉の持続 59秒 時間の総計)についてみると(表4の⑥を参照) , 全体 では最短のペアは19秒, 最長のペアは3 40秒もの開きがあり, ペアによる差 が著 しい. 第1観察から第2観察にかけての持続時間の増 と3. 減をみると, 7組の ペアのうち, 5組に持続時間の増加 がみられた (30~313秒の範囲) . 残り2組 98秒の減少を示した. なお, 各ペアの両観察国にみられる持続時間のこれらの はそれぞれ37秒と1 402.

(10) . 乳幼児期初期における子ども同士の交渉( 3 ). ① 観 察 回. 第1 回 第 2 回 全. 体. 0. 表4 各交渉の持続時間 ③ ② ④ 0 -C. 〔3〕. c. L-C. 6.O. 22,O. 4‘5. 〔 57. 0 〕. lo・0. 25.5. 7,3. 25 0 〔 〕 ,. 7.5. 22.O. 6.8. (3). ⑤. ⑥. 15.O. 111,0. 8.8. 220.O. 一 方 的 交渉の総 用 持続時間 作. 3 90) (2~9) (2~95 5 (3~4 ) (3~1 ) ( 1 9~3 9 ). 9 (25~8 9) (3~15 ) (7~2 5) (5~1 0 ) (2~15 )( 1 0 7~3 2 2 ) 9.5. 188.O. 9~3 5 9 (3 ~89) (3~43) (3~205) (2~19) (2~95) (1 ). )をそれぞれ表わす。 なお①~⑥までは一交渉当りの中 o数字は Mdn( r ange 央値, ⑥は各対象児に生起した全交渉の持続時間の総計についての対象児 間における中央値を表わす。 ooの生起数は僅少である (表2の脚注参照). 21 8となり, 両観察回の間には統計的に有意な差 増減についてTテストにて検定したところ,P=0. は認められなかっ た (両側検定による) .. 子ども中心のコンタクトの持続時間のムー ド別内訳を中央値 (範囲) にて示すと, Pムー ドでは 0~205秒) で 4 25. 5秒 (3~1 8秒) .0秒 (1 , 混合ムー ドでは27 , Nムー ドでは9.0秒 (7~21秒) あ っ た.. 5. 交渉の内容 物中心のコンタクト(全3例. 生じたペアおよ び観察回はそれぞれ異なる) で使用された事物は, 全例とも ブロッ ク収納箱 であっ た, おこなわれた活動は, ブロッ ク箱に ブロッ クを入れる活動と ブ. ロッ ク箱からブロックを出す活動 であっ た.. 註1 ) o以 外 の 交 渉 内 容( に つ い て は, 交 渉 の ム ー ドの 点 か らま ず述 べ て いく こ と に す る. ム ー ド別 に. みたいくつかの結果はこれまでふれてきたのであるが,ここで各交渉のムー ド別分布をみてみよう. 結果は表5 に示すとおり である. 交渉全体によっ てみると, その3分の2近くは ポジティ ブなムー ドの交渉であり, 純粋にネガティ ブなムー ドの交渉は6分の1以下とわずか である. 0-Cをムー ド別にその具体的内容をみる. ネガティ ブなムー ドの0-Cは, すべて, 一方 の子. ・する行動などによっ て開始されている物をめ ぐ どもが他方の子 どもの手の中にある遊具をとるうと る争いであっ た, ポジティ ブなムー ドの○-Cとは, メン バ」 の一方 が物への関心が優位 である行 動を示すのに対して, 他方は相手に対する関心が付随していることが明らかな行動を示す○-C で ある. 今回みられたのは, 相手が作っ ている ブロッ ク作品に対して対象児が自分の手にする ブロ ッ クをのせようとした. それに対し相手側から話しかけがあっ たが, 対象児は相手に無反応 でそのま ま行為を続行するという内容 であっ た.. インタラクションを含まない交渉 であるL-Cと一方的作用 では, ネガティ ブなムー ドの交渉は 大変わずか である. L-Cはすべてポジティ ブなムー ドのもので, そのうち模倣 が過半数を占めて. 6%) いた(出現総数9例中5例:55, . その他のL-Cは, 提示・勧誘・質問・呼 びかけであっ た. 一方的 作用においても, L-Cほ ど高率ではないが, 模倣が最も多くの割合を占める, 模倣は ポジ. ティ ブ なム ー ドの 一 方的 作 用の中 では3分の1を占め(16例中5例) ,これに模倣がその一部にみ られた混合ムー ドの一方的作用 1例を加えると, 一方的作用全体の31%を占める, ポジティ ブな 403.

(11) . 江. 表5. 口. 純. 代. 表6. 各交渉における ムー ド. ポジティ ブな ムー ドの子 ども中心 の コ ンタクトの内容. 緊. 0 -C. P. 8,3. 66.7. 100・0. 87,5. N. 75.O. 7,8. 0. 6.3. 混 合. 16.7. 25.5. 0. 18,2. 要 求 一. 100・0. 100・0. 6.3 loo.0 100・l. 計. (12). 数字は%, (. C. (5 1). L- C. (9). 生 起 数. %. 相. 互. 模. 倣. 9. 65.9. 物. の. 譲. 渡. 26.5. 6. 15.9. 物. の. 提. 示. 17.6. 5. 同 意. 4. 14.7 11,8. 一方的 交 渉 作 用 全 体. (16 ). ) 内の数字は生起総数。. 100,0. (88 ). 内. 容. 複. 合. 3. 演. 示. 2. 協. 8.8 5,9. 調. 2. 会. 5.9. 話. 2. 接. 近. l. 5,9 5.9. 34. ioo,O. 計. 数字は全観察を通じてみられた出現総数. ムー ドの一方的作用 でホ莫倣の次に多いものを多い順に3 つ示すと 演示・提示・ 質問や呼びかけ以 , 外の話しかけ であっ た. 次 に 子 ども 中 心 の コ ン タ ク ト の 内 容 に つ い て 述 べ る C の 3 分 の 2 は P ム ー ドの コ ン タ ク ト で純 .. 粋にNムー ドのコンタクトはほんのわずか である なお 両観 察回における各ムー ドの比率はほと , . ん ど同 じ であ っ た (第 1 回… P :69% N : 9 % 混 合 :22% 第 2 回 … P :64% N : 7 % 混 , , , , ,. 合:29%) . ポジティ ブなムー ドのCの内容を表6に示す. 内容は多岐にわたっ ているが, 相互模倣, 物の譲渡, 物の提示, 要求一同意が中 でも多くみられる 以上の4 つで全体の約7割を占める 複 . . 合の内容は, 物の指示・追従, 譲渡・演示, 役割補完ゲーム・説明-応対であっ た 会話は註1に . 示すカテ ゴリー決定基準( b )に必然的に所属するの であるが, その内容は質問-応答 説明-応対で , あっ た. ネガティ ブなムー ドのCは禁止, 攻撃 抗議であっ た 混合ムー ドのCは 大別すると① , . , P-N(Pムー ドの働きかけに対し相手がNムー ドで応える) ②P→N (全体のムー ドが経過に伴 , いPからNに変化) , ③, ①, ②以外のより複雑な混合形, の3種類に分かれる (①は4例, ②は5 例, ③は4例みられた) . ①は接近・身体接触・譲渡のそれ ぞれの働きかけに対し, いずれも拒否の 応対がなされる. ②は役割補完ゲー ムあるいは相互模倣 にメン バー双方が従事 していた後 攻撃・ , 抗議などに変化, ③は, P-N→N (要求-拒否“ 攻撃) P→P-N→P (演示→要求-拒否→相 , 互模倣, 接近→ 接近-拒否→接近) , P-N→P (身体接触-拒否→ 混合ゲーム) という内容であっ た.. 6. 初頭働き かけと発声 E 2に おいて発声を伴う (他行動と並 存して生起あるい 初頭働き かけの SBは は単独生起) ことと1. への発展性との関係について検討しよう. ここ で発声とは, 言語になっ ているもの および言語に , なっ ていないか聞きとり不能のため意味不明の発声 の両方を含める なお 泣きやむずかり 悲鳴 , . , は除く. 初頭働きかけ (以下 FA とも称す) 全体の中 で発声を伴っ ている働きかけの割合は619% . であっ た. FA における発声随伴 率とインタラクショ ンへの発展性との関係を示 したのが表7 であ る. 1に発展した FA はその70%近く が発声を伴っ ているのに対して 1に発展しなかっ た FA は , 55%が発声を伴っ ているにすぎない この差は5%水準 で有意であっ た (だ =4985 d 25 . . , 〆;1,,0 404.

(12) . 乳幼児期初期における子ども同士の交渉( 3 ). <P,05) ,. また,発声を伴うFAのうち意味不明の発声を発 声の一部, あるいは全てにわたっ て含む FA は全 体の1 9. 9% であっ た. すなわち, FA に伴う発声. のほとん どは明 確 な言語によっ て構成さ れてい た, この言語のみによっ て構成されている発声を 随伴している FA に お け るイ ン タラ ク シ ョ ン へ の 発展性をみると, 発声随伴の FA におけるのと類 似した傾向が認められる. すなわち, 1に発展し た FA は発展しなかっ た FA よりも言語を伴う割 合が大きい. こ の 差は 5%水準 で有 意 であっ た. (. FA)と発声・言語の随伴 表7 初頭働きかけ( F A. a. b( ) c. 発 随. 総生起数. 声 伴. 発声随伴率(%) 69,3 54,4(50,0). 114. 13 0 (26 ). 言 随. 総 生 起数. 語 伴. 郡。二停車{%) 64.7 4 9 6 (50 o) , ,. 99. 1 5 1 ) (26. 計 244 61,9 214 56,4. FA( ) :インタラクショ ンに発展した FA a FA( b ) :インタラクションに発展しなかった FA FA( ) :相手から 「みる」 行為の単独生起を c ひきおこした FA. =4,924 , メメニ 1,.025< P <.05) .. 7. ゲーム 子ども同士にかわされたコンタクトの中で 「ゲーム」 と呼びうる部分について分析する ゲーム . は, 正の感情的色彩を帯 びた一連の相互作用の中 で遊 びの要素 (フィ クショ ン性) を含む相互作用 1 3 }(1978) に 従 い ゲー ム 決 定 に 際 し次 の 基 準 を用 い た : l dman l( の こ と であ る. こ こ では, Go ,eta ,. ①メン バー の相互的参加 があること. ②行為の順番が交代していること ③連続して2往復以上 の l i ④想像性・虚構性(non= t t e r a 2のゲー y)が存在すること.その結果,全部 で1 ムがみい出された. また, 4つの基準のうち, ③の基準において交換 が1往復以上あるが2往復に は至らない往復数 (従っ て1往復か1往復半) である点だけがゲームと異なるが他3基準は満足さ れているコンタクト部分を本研究 では 「準ゲーム」 と呼ぶことにした. 準ゲームは3 つみられた . ゲームに参加 したメン バー相互間の役割関係によっ てゲームを次の4つに分類した. ( 舟模倣ゲーム:一方の子どもが交代におこなっ た行為内容が相手の子どもが先行しておこなっ た 行為内容と同一か, あるいは非常に類似しているゲーム. 行為交換があること. ( B )役割補完ゲーム:一方の子どもが交代におこなっ た行為が先行しておこなっ た他方の子どもの. 行為に対し補完的な役割をもつ ゲーム. 例をあげると,「ブロッ クを口にく わえる」 行為( a )と相手側. b )との関係がこれにあたる. この場合, ( a b の 「その ブロ ッ クをひっ ぱる」 行為( )と( )との結合は絶対 的ではなく,( )に対しさま ざまな行為が補完的役割を果たしうる. a ( C )役割逆転ゲーム:相補的役割関係にある2つの行為がメン バー間 で交代 (逆転) してなされる ゲーム, 相補的役割関係とは,「渡す」 行為と 「受けとる」 行為との関係のように, 一方の行為 (「渡 す」)は特定内容の行為(「受けとる」)が連続してなされることによっ て完結する関係 のことである.. 一方の行為が他方の行為を補い完結させる意味においては補完的であるが, 補完的役割を果たす行. B 為が決まっ ており, 両行為は固定的 で代替性をもたない点が( )における役割補完とは異なる, ( D )混 合 ゲー ム : ④ ~( C )の 複 合 形.. l l ldman eta l(1 なお, 以 上 の 分 類 カ テ ゴリ ー は Mue er & Lucas(1975) と Go 97 8 ) の研究を参考 と した.. 各種ゲー ムの生起数を表8に示す. 混合ゲームがかなりみられる. 単一 の内容から成るゲームの 中 では模倣ゲームが多く, 役割逆転ゲームはみられなかっ た. 混合ゲームの内訳は, 弱輩塞十役割補 完型( 1 2 ) ) , 役割補完十模倣型( , 役割補完十不完全役割逆転 (一方のメン バーにのみ役割交代がみら 1 1 ) )であっ た (下線部は相対的比率において優位であることを示す. れる) 型( , 役割逆転十模倣型(. 405.

(13) . 江. 口. 純. 代. ゲームの数 括孤内の数字は生起数) . また準ゲームはすべて模倣をその内容としていた. 純粋な模倣 は著しく 多いとは いえないが, 混合ゲーム, 準 ゲームの中 でも模倣 が多くみられることを考えると, 模倣は大きな比重を占めているといえる. 次に, 各役割関係としておこなわれた行為の具体的内. 表8 ゲームの種類. 容 を 述 べ る, 模 倣 と し て おこ な わ れ た 行 為 は, ブ ロ ッ ク を ブ ロ ッ ク 箱 に 投 げ 入 れ る, ブ ロ ッ ク を 投 げ る, ゴ レ ン. ゲー ム の 種 類 模 倣. ゲ ー ム. ジ ャ ー な ど の ポー ズ を と っ て箱 台 (ブ ロ ッ ク 箱 を 逆 さ に. 役 割 補 完 ゲー ム. して 台 と して 使 用) か ら飛 び降 り る. 「ア ム」 と いう (食. 役 割 逆 転 ゲー ム. イ」 と いう, ボー ルに 腰 を お ろ して か ら, 体 を 前 方 に す. 計. べ る 行 為 を 表 現 す る こ と ば の こ と) , 片 手 を 振 り 上 げ 「ポ. 混 合 ゲ ー ム. 生起数 (%) 生起数( 1 5 (4 7) . 2 (16 7) .. 0. (0). 5 (4 1 7) , 1 0 12(l o 1) 0 o .. べ ら す, ボー ル を 投 げ る, ブ ロ ッ ク を 口 に つ け て か らは. な す, 等々, 実 に さ ま ざま で あ っ た. 全 体 と し て は, ブ ロ ッ ク, ボー ル, 人形 な どの何 ら か の 物 を. 用いておこなわれた行為が多かっ た. 役割補完における行為 は, ブロ ッ クを相手の口の前にさし出 す --「アム」といっ て食べる真似をする. ポールを頭上に投げる -- 笑う, 人形をさし出す --. その人形に自分が持っ ている人形を押 しつける, 拡げた絵本を左右に振っ てみせ 「ナンダロ」 とい う -- 笑う, 洗面器を頭にかぶる -- その洗面器をたたく などであっ た. 役割逆転が完全な形 で おこなわれたのは 一例 のみ で, そこでの行為は, 洗面器を押 しやる -- 受けとる であっ た. 不完全 なタイ プは ブロ ッ クを投げる -- 拾う, であっ た. 最後にゲームとコンタクトとの関係について述べる. まず, ゲームはその定義 の1 生格からいっ て 必然的に子 ども中心のコンタクトでポジティ ブか混合ムー ドのコンタクトに含まれることになる. Cの中で学寺に規模が大きいコンタクトを大コンタ クトとすると大コンタクトは全部 で1 9個 (Cの. 37 .3%) みられた. 大コンタクトとは, ①含まれる1数が4以上. ②1ののべユニ ット数が10以上. ③平均ユニッ ト数が4以上. の3条件のうち2条件を満たすコンタクトのことである. この大コン タクトのうちゲームが存在しているコンタクトは9個 (47.4%) であっ た. この他, 準ゲームのう ち2例は大コンタクト内 で生じていた. 更に, 大コンタクトの中 でも, より規模の大きいコンタク トを特大コンタクトとすると(先の3条件すべ てを満たすコンタクト) , 特大コンタクトは全部 で7. 個 み ら れ た. こ のう ち, ゲー ム が 存 在 して い る のは 5個 で あ り, 残 り 2 個 に お い て も 準 ゲー ム が 存. 在していた, そして, 特大コンタクト内に存在しているゲームは特大コンタクトの多く の部分を構 成 し て い た. 各々 の コ ン タ ク ト に お け る SB 総数の中 でゲーム に関係 した SB 数 の占める割 合に よっ て各コンタクトの構成の程度を区分すると, 特大コンタクトの全部がゲームから構成されてい るものが2例, 大部分がゲームから構成されているものが2例, ゲームが構成部分の÷部しか占め ていないものが1例 であっ た. 以上から, 規模の大きなコンタクトとゲームの生起は関係が深いこ と が わ か る.. (註1) 交渉内容のカテゴリー決定の基準は次のとおりである. ( a )言語行動と非言語行動の両方から構成されている場 合は, 非言語行動に重点をおき決定する. { b X a )の基準 で決定できない場合は, 言語行動の内容によって決定す )複数のカテゴリーから成る場合は,P る ( c I数(以上L-Cと一方的作用について) ,または,1ののべユニット数 (0-CとCについて) でより多くの比率を占める内容によって代表させる ( dX c )の基準で比率の大小を決めに くい場合は, L-Cと一方的作用については, 働きかけが より直接的で強力と思われる内容によって代表させ, , Cについては 「複合」 とする. 406.

(14) . 乳幼児期初期における子ども同士の交渉( 3 ). (註2) 既に方法のところで述べたように, 本研究ではSB の個々の区分については, 報告 (その1) でおこなっ た定義 にならい, 意味的なまとまりと時間的なまとまりの2つを基準にした. ところで , 時間的まとまりに関しては, 何秒以上の間隔があった時には区切るというように, 秒数による時間間隔までを定めてはいない. 従って, 1人 の子どもから一連の社会的行動が連続して生起している場合, その一連の社会的行動の個々の部分がある程度長 い間隔 --たとえば5秒以上 -- で生起している時には区分がつきやすいが, 短時間のうちに連続生起してい る時には, それを別々のものとして2つのSB と数えるか, あるいは1つのSB とするかが問題になってくる,こ B )のもっ うした場合には, 意味上 (機能上) のまとまりによって区分した, たとえば, 一方の子ども仰が 「相手( ているブロックをつかみ, ひっ ぱる」(SB①) →Bが 「手をはなす」(SB②) →Bが「とられたブロックをつか み, ひっ ぱる」(SB③)→Aは「ひっ ぱりかえす」(SB ④)……(以下略) という相互連続の例を考えてみると, B )から生起しているSB ②とSB ③は, 短い時間間隔にあっても, 社会的行動としての機能が異なるため, 同一人( そ れ ぞれを独 立 した SB とみ な した, 従 っ てSB ②ま でで1 つのイ ン タラ ク シ ョ ン が終了 したこ とに な る,. この方法によると, ある場合においては, インタラクションにメンバー間の社会的行動の交代性が十分に反映さ れていないという事態が生じてくる.そこで ,メンバーの順番の交代性からみた相互連続性に重点をおいた形で, SB をより大きなまとまりによってとらえ直した場合における最初の働きかけのSB を「初頭働きかけ」 とした, なお, 上述の例に初頭働きかけの分析方法をあてはめると,SB②とSB ③は1つの社会的行動となり, 従って, SB ②とSB ③の間でインタラクションは切れずに連続していくことになる,. 考. 察. 子ども間に 生 じる交渉において○と○-Cの占める割 合は わずか であっ た. 両者を合わせても 15%ほどにすぎない, インタラクショ ンに発展しなかっ た交渉 (L-Cと一方的作用) において物 に対する関 心が相手に対する関心より先行した結果として生じた交渉はほとんどなかっ た.「相手の. 物への接触」 が一方的作用に1例みられただけであっ た, そして, 偶然的な原因によっ て開始され た交渉も大変わずかであっ た. Nムー ドの子ども中 心のコンタクトにおいて, 意図なくして相手の 領域に関与したことに 端を発 して相手から最 初の SB がひき起こされてい るコンタクトがNムー. ドの子ども中心のコンタクト全3例中2例にみられたのみ であっ た, これらのことは, 本研究で対 象とされた幼児たちは, 物に対する関 心や偶然的な原因をきっ かけとして でなく, 相手に対してま. ず関心を向けた形 で社会的行動を開始する場合が圧倒的に多いことを示している. また, インタラクショ ンを含む交渉において, 物への関心の優位性によっ て開始された交渉 であ る○-Cと, 相手に対する関心の優位性によっ て開始された交 渉 である Cとを比較すると, SB 総 数, PI数との相対的比率, および交渉の持続時間の点 で, 0-CよりもCの方が交渉としての規模 が大 き い こ と が 示 さ れ た.. 同年齢の子ども間に 生じる交渉において, 事物に対する関 心などをきっ かけとして 生じる偶然的 ないしは結果的な交渉よりも, 相手に直接関心を向けた, あるいは相手に対する関心と事物に対す る関心とを統 一させた目的的・統一的交渉が優 位になる段階への転 換は,す でに1歳代後期になされ. ており, 2歳初期の年齢時期は, この方向でより一層の発展を遂げていく時期とみなせる. 本研究 結果もこのことを裏付けているととらえることができる, 次に, ネガティ ブなムー ドのみで構成されている交渉 が全交渉中に占める割合は低かっ た, 子ど も中心のコンタクトにおいても, 純粋にネガティ ブなムー ドのコンタクトはわずかであり, しかも ・更に, 混合ムー ドの子ども中 その多くは, 前述のように偶然的な原因によるコンタクトであっ た. 心のコンタクトはす べて, 最初は ポジティ ブなムー ドから出発していた. これらは, 目的的・統一 407.

(15) . 江. 口. 純. 代. 的交渉 では非友好的な感情 でもっ て開始される交渉は少なく, 多くの場合, 子どもたちは親和的な 感情 でもっ て相手に対し働きかけを開始することを物語っ ている. そして, ネガティ ブなムー ドの 目的的交渉の生起総数そのものが少なかっ たため, 断定的な表現はしにくいの であるが, ネガティ ブなムー ドでもっ て開始された目的的働きかけはインタラクショ ンに発展 しやすい傾向があるかも. しれないということが考えられる. しかし, それにもかかわらず, 目的的交渉がインタラクション に発展した交渉形態に なっ た場合において, インタラクショ ンが持続され規模の大きな交渉として 展開されるのは, ポジティ ブなムー ドの交渉 であるように思われる (この点についても○-C以外. のNムー ドの交渉の生起数が少ないため, 断定は できないの であるが) . すなわち, 目的的・統一的 交渉の発展を主に荷っ ているのは,ポジティ ブなムー ドの交渉における成長 であるように思われる. 更にいうならば,大コンタクトとゲームとの関係に関する結果が示すように,この ポジティ ブなムー ドの目的的・統一的交渉 で重要な位置を占めているのがゲーム, 遊 びである. そこ で次に, ゲーム. における 「役割」 について考えてみよう,. まず, 役割遊 びとの関連 である. 本研究でみられたゲームにおける行為のほとんどは, いわゆる役割遊 びにおける行為のように,. 子どもが意識した形 で大人の役割を引きうけた行為 ではなかっ た. たとえば, ブロ ックを相手の口 にさし出す行為がみられたが, この時の子 どもは 「おかあさん」 などの役割をとっ ているとみなせ る証拠 -- これは言語表現によっ て確かめられる -- は存在しなかっ た. 本研究でみられた行為. の多くは, 大人との共同活動の中 で大人が示した行為を子 どもが習得した結果としての行為 (たと えば「食べる」「寝る」) か, あるいは, す でに習得した行為を基礎として転移した行為 (例: 「ボー ルに腰かける」) である. これらの行為は 「本物 でない」 が故にすでに一般化されている. このよう に, こ の 時 期 に み ら れ る ゲー ム, 遊 び は, エ リ コ ニ ン が 述 べ て い るよ う な, 「そ の 活動 の 中 で, 大 人. の人たちの役割 (機能) を引き受け, 特別に作られた条件 (筆者註:直後の文章から説明すると,. 『大人たちの活動の実際の対象の代理をする多様な遊 びの対象 - 事物 - の利用 が可能 である条. 1 }(訳 書 p 182) し 件』 のこと) の中 で, 一般的な形 で, 大人たちの活動やかれらの関係を再現 1 , . ている役割遊 びではなく, 一般化さ れた行為を再現することに重点がある遊 びが主要な部分を占め. て い る と 思 わ れ る. な お, 男 児 同 土 の ペ ア の 一 組 に, 一 方 が 「モ モ レ ン ジ ャ ー」 と い い, 他 方 が 「ゴ. レンジャ ー」 といっ て交互にそれぞれがポーズを作り,台にした ブロ ッ ク箱から飛 び降りるという ゲームがみられた. メン バー双方の演ずる動作が完全に同一ではないとはいえ非常に類似していたこ. とから,このゲームを模倣 ゲームとして分類したが,このゲームの場合においては,行為をおこなう 「大 人」 の役割を子どもが引き受けていると考えてよい. だが, このような例は1例 しかみられなかっ た.. 次に, 社会的行動の与え手と受け手との関係からとらえた時の役割関係, あるいはかわされる行 為の相互関連性の観点からとらえた時の役割について考えてみよう, 本研究 では, ゲームを構成す る行為としては模倣 が多くみられた. 模倣の交換において, そこに参加するメン バー間に役割関係 l i 975 ) によると, 模倣に があるとみなすのは 一般には困難 であろう. たとえば, Mue r& Luca e s(1. imp l ingencyinte t 1の 1 つ であ る 単 一 の 随 伴 性 交 換 (s rchange) の主 econ よる SB の 交 換 は, 段 階1 h t t リズムのもつ第二次循 な内容を構成しているが, この段階1 1の交換に必要な知的操作はa c/wac. 環反応を同輩に対し, 同化させること であるという. こ れに対して, メン バーの行為が役割補完の 関係にある場合, 両行為同士の結びつきに必然性はないとはいえ, それぞれの行為者は, 自分の行. 為が相手の行為によっ て補われることを期待しており, 補う関係にあることを認識している. ここ には初歩的な形式 であるにせよ, やはり一種の役割関係が存在している. ただ, 役割逆転 ゲームに 408.

(16) . 3 ) 乳幼児期初期における子ども同士の交渉(. おけるような相補的役割関係にある行為 ではなく, また役割交代 もない点でそこに含まれている役 割関係は低次であるといえよう. ゲームにおいて模倣の占める度合が大きいという本研究結果は, i l ng)能力 が低次のレベ ルにあることを示している. なお, 模 r o et ak ここ での幼児たちの役割採用(. 倣ゲーム で多くみられたのは, 同一行為を相互に模倣し合う反復模倣型であっ たが, 1例にのみ, 一方が次々に行為を変えていき, 模倣する他方の子どももそれに合わせて次々に模倣 していくとい. とも呼べるようなタイ プが認められた. そしてこの場合, 真似る側は相手が偶然にし う発展模倣型・ た 「せき」 までをも模倣するという徹底ぶり であっ た. 発展模倣型は単に模倣される行為の転換が 早いだけのことなのか, それとも, 役割採用能力の発達の行程 で反復模倣よりも幾分かは進歩して い る こ と を 示 し て い る の か, に つ い て の 検 討 は 今 後 の 課題 と し た い.. 事物に対する関心と相手に対する関心との統一がなされていることを示す例証は, 相手の領分に ある物を自らが欲していることを相手に伝達する言語表現の出現であろう. 子どもが相手に してい る物に対して 主に視覚的注意を向け, その物に直接手をふれて自分の側に引き寄せることによっ て. 自分の要求内容を結果的に相手に伝えるの ではなくて, 「カシテ」 とか 「チョ ウダイ」 などのことば によっ て要求内容を伝達する時, 子どもは相手の所有している事物に対する関心と相手に対する関. 心とを一つにまとめあ げた行為をしているわけ である, この時, 2 つの関心を統一させる別の行為 形態としてその物の方,あるいは相手の方に手をのばすまたは指さす行為,更にはプラスして「アー」. 等のようなことば以外の発声行為も考えられる. しかし, これらの行為においては, 要求内容が正 確に伝達される可能性は言語表現よりも小さく効率が悪い行為といえる. 言語表現が共存あるいは単独 で存在することによっ て働きかけに対する 応答は得られやすく な. る. 本研究ではインタラクションに 発展した初頭働きかけはインタラクショ ンに発展しなかっ た初 頭働きかけよりも発声あるいは言語を随伴している率 が有意に高かっ た, 相互交渉の過程における 言語の関与性は, 目的的・統 一的交渉のメルクマールであると同時に, 目的的・統一的交渉を保障. する要の一つといえよう. 相互交渉の過程における言語的相 互作用に関するその他の分析は, でき れば稿を改めておこないたい. 最後に, 交渉把握のために本研究で使用 した行動カテ ゴリーにつ いて述べる. 今回は「平行遊 び」. ( )- 「みる」 行為のみの生起一は, 測度を構成する一つ a のカテ ゴリーを使用しなかっ た. また, SB の側面として何個所かで用いてきたものの, 全体としては ざほ ど積極的な位置 づけはしてこなかっ. た. 確かに, これらの測度は, 相手に対する直接的な働きかけ, あるいは反応の強度という点から みると, 相対的に弱いレベ ルにあるとみなせる. しかし, ある文脈の下 では, 心理的結合状態の無 視しえない重要な側面を表現している場合もありうる. 「みる」 , あるいは, 同一遊具 , 「平行遊 び」 による同一 活動の遂行でなくとも単に 「近隣の位置にある」 こと等の測 度の利用については, 今後 再検討してみたいと考える,. 要. 約. 1. 本研究の目的は, 保育園内における同年齢児による自由遊 び場面で, 2歳初期児がおこなう 相互交渉の特徴を明らかにすること である. 2. 2歳初期の保育園児7名を相互に2名 ないしは3名 一組とした自由遊 び場面を観察した. 3. 主な結果は次のおとり である. インタラクショ ンと前インタラクショ ンとを比較すると, 前者が生起する割合は後者 が生起する 409.

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