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学校における教育相談について : 教育現場の認識を中心に

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(1)Title. 学校における教育相談について : 教育現場の認識を中心に. Author(s). 奥村, 晶子; 津村, 直子; 田中, 豪一. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 36(1): 213-227. Issue Date. 1985-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4997. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 学校における教育相談について - 教育現場の認識を中心に -. 奥 村 晶 子o津 村 直 子・田 中 豪 一. 序 学校における教育相談の現状 は, 昭和3 0年代後半から, 我が国の教育現場 に導入された歴史的長. さに比して, 未だ定着 していないと言わな けれ ばなるまい, 筆者の経験でも, 昭和50年度より毎年 参加している北海道立教育研究所での, 現任教師の教育相談研修会は, 中学教師40名, 高校教師4 0 名, 年2回実施されるだ けで, 全道の教職員に基礎的素養の修得を期待したとすると, 今後, どれ だ けかかるのか気の遠くなる思いを禁じ得ない, 又, 昭和58年度から実践開始された文部省学校教 育相談推進事業 に参加 し, 現実に教育相談業務を担当 した経験でも, 学校ぐるみの教育相談的取組 みの延長に, この推進事業が利用 されたケースは些少であって, 大部分 は, 学校に於し・て何ら現実 的な対策も為されずに居て放置されていた長期 に及ぶ登校拒否児等 が, 相談日当日呼び出されて- 回の面接を受 けるだ けというよ うなことも多く, 外側からの観察の限りでは, 学校の教育相談は, 重要性が叫ばれている程 には定着しておらず, 現状では, まだ片隅のこととの感じを持 っ た, 札幌市内の地区別に実施されて いる生徒指導連絡会議も, 生徒指導とその上に立っ た教育相談を 志向する方向とは程遠く, 続発する非行対策 に追わ れ, その連絡会の様相を呈 しているのが, 現実. である, 勿論, 非行対策も生徒指導上, 重要 な事項に相違ないが, 生徒指導即非行対策 という現実 からは, 児童・生徒の心の問題 に対応する施策 は生まれては来ない. ここでは, 学校現場に於 ける. 教育相談の現実の-側面 に触れるために, 現場の声の集約を報告したい.. 1. 生徒指導と教育相談 子 どもの精神衛生的側面を考 える時, その基本に生徒指導の推進にあること は明白である, 文部 省版の生徒指導の手引 きによると, 生徒指導の意義 は,「青少年非行等の対策といっ た言わば消極的. な面にだ けあるのではなく, 積極的にすべての生徒 のそれぞれの人格のより良き発達を目指すとと もに, 学校生活が, 生徒の一人一人 にとっても, また学級や学年, 更に学校全体といっ た様な集団 にとっ ても, 有意義にかつ興味深く, 充実したもの になるようにすることを目指すところにある」 のであっ て, これは, 学校教育の目指す所と軌を一 にしていると見ることができよう, そして, 生 徒指導は, 次の五項目を調 っている,. ( 1 ) 生徒指導 は, 個別的かつ発達的な教育を基礎とするものである. ( ) 生徒指導は, 一人一人の生徒の人格の価値を尊重し, 個性の伸長を図りながら, 同時に社会的 2 213.

(3) . 奥村晶子・津村直子・田中豪一. な資質や行動を高めようとするものである. ( 3 ) 生徒指導は, 生徒の現在の生活に即しながら, 具体的, 実際的な活動として進められるべきで あ る.. ( 4 ) 生徒指導は, すべての生徒を対象とするものである, ( 5 ) 生徒指導 は, 統合的な活動である. これを要するに, 生徒指導が学校現場で正 しく実施されれ ば, 教育の基本 はおさえられていくと も言 えよう. そうした生徒指導が実施されるとき, 更に教育の場で次の五項目が期待されることに なる,. ( 1 ) 現代の学校教育や社会生活において, 人間関係の改善と望ま しい人間関係の促進とが強く望ま れ て い る.. ( 2 ) 生徒の学校生活への適応や自己実現に関する問題が増大 し, その解決についての援助や指導が 必要とされて来ている. ( 3 ) 望ま しい習慣形成に, 学校教育も積極的な努力をすることが求め られている.. ( ) 道徳教育の基盤を培うために生徒指導の充実強化が必要とされる, 4 ( 5 ) 青少年の健全育成や保護育成の活動に関して, 学校も果たすべき役割をもっ てし・る, 以上, あるべき生徒指導の理念 は, 児童生徒の健全な成長を期 して行なわれる統合的, 抱括的教 育活動と言わね ば ならない, そして, その上に立って, 個々の児童・生徒への注目と関わり が教育 相談と言 えよう. こうした理念の通りに, 生徒指導, 教育相談が, 実行されるとすれ ば, 今日の児 童・生徒の問題 は, 解決される筈であるが, 現実 は, 理念とは遠い.. 2. 教育相談の現状 昭和58年第10回北海道情緒障害教育研究会に発表された時田等のデータ は, 北海道 に於ける教. 育相談の現実を我々 に示してくれる。 (表1 ) , 表3 , 表2 表1. 学校教育相談実施 の状沢. 実 施 形 態 各担任にまかせてし・る 係はないが担任の相談活動 生徒指導担当が教育相談を兼任 学年にまかせている 学年ごとの相談体制 専任の教育相談担当者を任命. 小学校. 中. 11 (45.5). 18 (19.1 ). 29 (11.9). 22 (23.4 ). 79 (32.4). 1 4(5 ) ,8 3( 1 2 .) 2 (0,8). 表3 児童, 生徒理解の資料や方法 実 施 形 態 共通の資料, 方法を用いてし・る 学年や学級にまかせている 214. , (校,%). 小 学,校 78 (32.0 ) 137 (56.1). 学. 30 (31.9). 8( 8 ) 5 .. 10 (10.6 ). ) 8( 8 5 ,. (校,%) 中. 学. 53 (56.4 ) 32 ( 34.0 ). 表2. 教育相談 の主 なる内容. 相 談 内 容 学. 習. 進 生. 小学校 中. (校) 学. 20. 31. 路. 0. 26. 活. 14. 20. 反社会的 行動. 9. 2. 交. 係. 8. 6. 家庭で の生活. 5. I. 悩. み, 不 安 環 境 の 適 応. 4. 6. 3. 3. 健. 3. 2. I. 3. 児 童 会, 生 徒 会. I. I. 友. 関. 康, 保 健 ク ラ ブ, 部 活 動.

(4) . 学校における教育相談について. 昭和56年,57年, 上川支庁, 渡島支庁, 桧山支. 庁 管 内, 旭 川 市 内 の 公 立 小 ・ 中学 校 338 校 に お け る 教 育 相 談 の実 施 状 況 調 査 の 一 部 で あ る が, 教 育. 相 談 と い う も の は, 現 実 に は, 担 任 に任 せ っ ば な し, 担 任 の考 える相 談 活動 即 教 育 相 談 で, 次し・で 生 徒 指 導 担 当 者 が 続 い て い る,教 育 相 談 の 内 容 も,. 表4 非社会的行動児に対する指導体制, 組. (校,%). 織. 織. 小学校. 組 ん で い る 組 んで い ない 中 検 討. ) 4 2 0 1 9( . 6( 9 1 56( 63 .) ) 1 7 0 7( .. 組. 中. 学. ) 38( 40 .4 2( 42( 44 ) 7 , ) 4( 4 ,3. 学習指導, 進路指導, 生活指導等に集中している が, これは, 学校行事としての指導 が相談と置換 えられていることを示しているものと考 える, 非社会的行動児 (ここでは, 登校拒否, 場面選択繊黙等が主なるもので, 教育相談の対 象になり. 易い子供 を意味する が) に対しての指導体制を組 んでいるか否かが, 表4である が, この数字を多 いとみるか少ないとみるか, 又, 如何なる内容のものとみるか, 評価の別れる所であろうが, 体制. は組織化 されていないとみる ことはよいだろう, そこで, 数字に現わされた現場の実態をふま えた上で, 教育相談 についての教育現場の認識を知. ることも必要と考 える,. 3. 教育相談の認識について 教育相談 が, 教育現場に於いて充分に機能 しえていない現在, 種々 の児童・生徒の問題が多発し ている中で, 現場は, 如何なる認識をもって取組んでいるかが問題 になる. 115名) 45校) の校長 ( 0校) 7 そこで, この目的のために, 札幌市内の中学校 ( , 生 , 高等学校 ( 1 15名) に郵送により, 自由記載を主としたアンケー トを依 1 15名) 徒指導担当教師 ( , 養護教諭 ( 68,7%) 60.9%) 頼した, 回収率は, 校長67名(58,3%) , , 養護教諭79名( , 生徒指導担当教師70名( 纏めた 自由記述は, 同類のものを , ( 1 ) 教育相談の実状につ いて ) 1 ) 教育相談の位置づ け (表5 学校運営の中で, 教育相談 は, 如何なる位置 づ けを与 えられている か. 圧倒的多数 にみられるの. が, 校務分掌として生徒指導部 にある ことが判る が, 唯, 明文化して生徒指導部の中に教育相談係 を設 けているもの8校, 教育相談委員会として分. 掌とは別格 に位置 づ けている も の1校 が み られ る. 少数ではある が, 教育相談の重要性を認識し, 実行に移している所 が出現していることは, 喜 ば し い こ とだ ろ う,. ) 2 ) 教育相談担当者 について (表6 現在, 札幌市内の中学, 高校で専任の相談担当 者を配置 している所 は, 私立の1校のみで, 生徒 指導担当者 と担任とが, 現実には, 相談にあたっ. 教育相談の位置づ け 教育相談が生徒指導部に含まれる形 教育相談がその他の係に含まれる形 教育相談が部, 係で設けられている形 担任にまかせている 専任カウンセラー. 教育相談担当者 生徒指導担当者が兼任. 担任にまかせている 担任中心, 相談係が援助. 学年毎に体制作りを推進 全教師の協力体制により 係はなく担任の相談活動を推進. 52 4 9 2 1. 46 19 19 15. 賜 m. 215.

(5) . . 奥村晶子・津村直子・田中豪-. ているとされる, 即ち, 生徒指導担当者としたもので, 約半数, 担任中心と したものが約半数で , 各学年毎の体制あるい は教師間の協力体制作りがそれに続くが, 大略の趨勢として 時田等の報告 , と軌を一 にしていると考 えられ, 非行対策中心の生徒指導と, 学担の生活指導が 現場の教育相談 , であることの反映と考 えられる. 生徒指導担当が, 非行の対応に追われて いる時 担任教師の日常 , の教育相談的取組みが, 現実には, 学校教育相談の実状と言 えるのであって, 教師の教育相談的資 質の如何が, 学校教育相談の質を決めて いると言っても過言ではあるまい, 3 ) 教育相談の行なわれる場所 (表7 ) , 表8. 表7 教育相談室の設置. 置 さ れ て る い 霊 園 露 憂欝欄薯榊 設 設 置 され て い ない. あるが, 学校全体の教育相談活動 のために, 活用. 表8. さ れ て い る か 否 か疑 問 は残 る.. 実 際 に, 相 談 活 動 が 実 施 さ れ て い る 場 所 は多 岐 にわ た る, 最 も 利 用 さ れ て い る も の は, 相 談 室 で. ある‐ まず は効果的利用と言うべきかも知 れない が, 現実 に は, 非 行 児 の 叱 責 の場 所 と して 使 用 き れ, 一 般 生 徒 は近 づ か な い と の声 も 聞 く. 自 発相. 談 の少 な さ の原 因 と 嘆 く 熱 心 な教 師 も いる こ と に も 留 意 は して お き た い, 次 い で, 職員 室, 準 備 室 ,. 相 職. 裏. 談 員. 備. (%). 璽 10. 教育相談実 施場所. (%). 室 室. 83 63. 葦. 5 5. 保. 健. 室. 48 38. 校. 長. 室. 30. 書 図 室 特 定 せ ず. 8 12. 教室, 保健室等と並ぶ, 職員室での相談が多い の は, 教師の時間的制約 などによるものと考 えられるが, 他教師等の出入り の多い中で 落付し・た相 , 談 はできない, 又, 秘密の保持が困難である等, 相談教師の慎重な配慮 を要 しようが 現場はどう , 考 えてし・るのだろうか問題を残す. 「相談をうける生徒によ り場所等もかわりうる」 「状況により殆 どの教室を利用」 「広い意味で は , , 校舎, 校地内いずれでも行なわれている」 , 「主として相談室, その他問題 により各室を使う」 のよ うに, 相談活動 は, 臨機応変, 日常的な些細な会話 から, 重大な問題 の処理のための面接まで広汎. のものに及び, 目的 に応じて使いわけねばならないのは当然だ ろう, 一対一 の時間を要する面接等には, 相談室が利用 され, その他 校内で出合 っ た所が場所 になる , こともあろう. しかし, 「ケースバ イケースの条件 が多くあり, 場所 の固定は困難である, 同時に固 定化すること に問題 が生 じる場合がある」 という意見等 は, 呼び出し面接の子 が問題 児とされる実 状の反映と考 えられるだ けに, どう考 えたらよいのか, ) 専任の相談員の必要性 について 4 学校教育相談が, より効果的に専門的に実施されるためには, 教育相談を専任と して担当する者 が, 学校 に配置されることが将来的には望まれよう. これは 米国等では s lpsychologist の , , choo. 制度が一般化 しており, そうした方向が日本でも展開することを期待しているが 日本の現実は , , l ini i l c tの専門制度すら不明確 な状況であり, 学校教育相談員が制度化されるのは何 calp sycho og s. 時だろうか, ところで, 担任教師中心 の活動を教育相談と呼ぶか, 生徒指導担当教 師中心の活動を教育相談と 呼ぶか, 場面 に応じて両方が使いわ けられているのが実状である中で それで充分機能して いると ,. 216.

(6) . 学校における教育相談について. 考 えているか, あるいは, 子 どもの問題が多様化 し多 発 化 して いる 現 在, 専 門相 談 員 を求 め る い る. の だ ろ う か を 問 題 に した い, 校 長 及 び 生 徒指 導 担 当 教 師 の 総 計 で み る と, 専. 5. 9% 任 の相 談員 の必 要 が あ る と答 えたも の7 えたもの2 0 13 04名) 必要なしと答 ( 7名中1 ,4% , ′ 13 6%( 7名中5名)で 13 ( 7名中28名) , 無解答3. が ) 圧倒的多数のもの あっ た(表9 , , 現状では, 多様化する生徒の問題の解決は不能との無力感の 中で, 専任の相談員 に解決を期待 していることが 0の如 判る, 専任相談員を必要とする理由は, 表1 が が その内容につい 可能である く整理すること , て少 しくみてみよう.. 表9 専任相談担任者の必要性 必 要 が あ る 必 要 が な い 無 解 答. 表1 0. (%) 5 7 .9 20 ,4 3 .6. 専任相談員が必要な理由 (%). 専門的知識, 技術 時 間 的 余 裕 生徒の問題の多様化 生徒の心情的理由から. 26 17 14. 全校的推進役として. 10. 10. そ. の. 他. 48. 無. 回. 答. 15. ① 相談 には専門的な知識や技術を必要とするため, 「専門機関に依頼しても関わってもらえないが,専門的知識をも って指導しなけれ ばならない生徒 が深く専門的資格, 知 がいる」 , 「生徒指導は, 子どもの身体, 心, 成績など多岐にわたるため経験 ば 識のある人 が望ま しい」 , 「カウンセリングの技術的なものを持たなけれ , 現場では対応できない 状況になっ てきている」 .. 現状のように兼務では時間 的に充分な相談活動を行うこ とができないため, 「教科担任, 校務兼任の現状では, 相談活動にも制約をうける」 ,「日常 生活指導に追われることが. ②. 多く, 特定の生徒を継続 して記録をとってみて行くことが, なかなか面倒なため」 , 「常時相談室に 詰めていて, 生徒の相談 に応ずる時間的なゆ とりが必要である」 , ③生徒のかかえる問題 が多様化 してきており現状で は対応しきれない ため, 「多様 な, 一種 の病理的傾向をもつ生徒の対応を余儀 なくされている現状から, 専任カウンセラー. 専門的な の配置を望む」 , 「社会の病理現象が複雑 になり生徒のもつ問題も様々 になっているから, 研修を身につけた人 が必要」 , 「登校拒否や非行 など, 問題傾向のある生徒が増加し, かつその行動 が多様化 している昨今, 養護教諭に限らず一般教員 の中に, 多数の相談担当者を養成し, 様々 な状 況に対応できる指導体制をつくる必要がある」 .. 被相談生徒の心情的側面からみて. 「教科, 担任, 校務分掌などをもっていると, それだ けで生徒 は警戒 してしまうので, 生徒に何 ら 圧力を加 えられない, 又, 生 徒 の 秘 密を守れ るような立場の相談担当者が必要」 , 「一般教員 は, ド が多く カウンセリングマイン 生徒を評価 する機能をもつし, 日常, 指示的管理的に接する場面 , を心掛 けていても行動 が裏腹ということもある」 , 「学級担任や相談係には, 心を開かない生徒 が多. ④. くいる現在, 造詣の深い専任相談員 がいると, ずいぶん効果 が上 ると思う」 .. ⑤ 全校的な視野での教育相談活動の推進役として. 「学級担任役割とちがい, 全校的コンサルタントの役割がないと機能しない」 ,「専任の相談員 がし・ 217.

(7) . 奥村晶子・津村直子・田中豪一. ることによ って, 全校的立場で相談活 動の基本(方向, 活動)が見出せるので」 「全校に目をくばっ , て, それぞれの処置を指示するために専任 の担当者が必要である」 「担任を中心とする相談活動の , 全般的な企画推進, 援助のため」 , 「全教師のカウンセリングマイン ドの向上と研修の中心者 となっ て ほ しし・ 」 .. 以上, 総括すると, 生徒の問題や悩 み が多様化 し複雑化して いる現在 教育相談的取組 みに当っ , ては, より高度, 専門的な知識, 経験, 技術等を必要とす るとの観を持ち かつ専任であれば 生 , , 徒と利害関係 なしに, 時間的余裕をもっ て相談にあたりうるだろうし 全校的企画や推進役も期待 , で き る と, 期 待 して の こ と で あ る. こ の こ と は 現 実 の 中 で は 教 育相 談 は実 施 して いる と しつ つ , ,. も, 実際には, 同様の問題点を抱えて苦悩 しているということも意味してし・るとみることが可能 で ある, しかし, 反対 に, 専任の相談員を配置 し教育相談を専門化することに懸念するものも 2 , 0%いる ことに注目する 必要があろう.. 「各担任が, その役割を果たすと共 に, 相談技術を身につ けておくべきである」 「あくまでも 学 , , 級を基盤とした学級担任中心でな けれ ばならない. 学担と生徒の間に意志疎通 のできない学級経営. は考 えられない」 , 「教育相談と は, 専任の担当者 のみで行うよりは, 担任 の先生を中心にして, 生 活指導, 進路指導, 学習指導, 保健指導の各担当者が協力 し合 っ て行なわれる体制がよいと思 う」 , 「学級担任, 学年主任, 生活指導部 養護教諭 教頭 校長 などが 一人 の生徒に対して一丸となっ , , , , て取組むことも必要」 , 「教育相談を生か した指導が, 全ての教師によ って相談的な態度や手法を生 かすこと によっ て, 積極的な機能を発揮しなければならない」 等 担任 の教育相談的配慮を重要視 , する意見も多 い. 担任教師中心の子どもとの関わりなくして 学校全体の共通理解なくして は 子 , , ども の対応 は不可能との自覚か らの言葉とみる. 又 「専任担当者 にまかせっ ぱなしになる傾向が生 , ずる」 などの意見もあり, 学校における組織作り の問題 に関わっ て来るところである . 将来に期待される専門家 は, 学校組織全体の中で, 教育相談について専門的に現場教師に答 える コ ン サ ル タ ン トで あ り, ス バ ー バ イ ザ ー で あ り そ して よ り 困 難 な症 例 へ の 専 門 的 ア プ ロ ー チ の , ,. 実施者 であることが期待されるのではないだろうか.. ) 問題行動等に対する対策, 配慮について 5 生徒の問題が多様化 している現在, 学校 は その対応 に種々尽力 している所である が, 非社会的 , そ 、を把握したく 自由記載 により意見を求め 集約 問題と反社会的問題 についての取り組 み方の認識 , , を試 みてみた, ① 登校拒否, 心身症など非社会的 な問題児に 対する指導, 配慮. 登校拒否が日常化 し, 心身症的訴 えをもっ て保. 健室を訪れる頻回訪問児も多発し, その他, 非社 会的な問題 行動児が, 教室に普遍化 して来ている. 現在, 現場 は, 如何 なる対応を模索 しているのか が, 問われなければなるまい (表1 1 ) . 特 に多 く挙 げ られてし・るのは, 家庭 との連 携. (52%) , 関係機関との連携 (51%) で, 半数 に及 218. 表11 登校拒否, 心 身症 などに対 する とり くみ (%) 家庭 と の連 携 関係機関との連携 全校的協力体制 ク ラ スメ ー トによ る援助. 原因の追求, 対策の協議 担任の本人への指導 早期発見, 防止対策 そ. の. 他. 無. 回. 答. 総 鑓 32 14 11 10 9 30 7.

(8) . 学校における教育相談について. 「本人や両親との面接から, 生育歴, 家庭環境, 登校拒否の要因について考察し, その子どもに最 ュ ニケー も良いと考 えられる手だてを決めている」 ,「家庭との緊密な連絡と,担任教師と本人のコミ・ ションの中から, その原因を探り出す努力 をしている」 等, 家庭との連携の中で対応しようとの意. 図をみることができる. 具体的には, 実行されていることとして, 担任や教育相談担当教師の家庭 訪問や電話連絡などがあげられて いる. 指導を進めて行く過程で, 教師は家庭との連携, 話 し合い を常 に持ち, 協力 しつつ, 援助 して行こうとの意図をもっていることがうかがえよう,. 外部関係機関との連携も, 多くの場合意図されている, 学校 が連携する機関として挙げられたの は, 北海道教育研究所, 札幌市教育研究所相談室, 北海道立精神衛生センタ ー, 児童相談所, 区民 センター相談員 などである が,「心身症の高度なものは, 専門医の指示にしたがっ た学校の協力とい. う形をとりたい」 など, 医療機関との連携に留意しているものもある, 「教育研究所教育相談室等, 教育相談機関との連絡をとり, 指導の方法等 について協議した上で, 個々の対応を考 えることが必 要」 というように, 学校側と専門機関との連携を密に し, 一体化した指導方法 が目指されている, 学校側独自の援助としては, 全校的協力体制の確立が期待されているし, 試みられている.「担任 を中心に学年およ び担当係の連携をとって指導にあたる」 , 「担任の先生が中心となり, その生徒の 状況を把握し, 教頭と相談の上教頭 が面接を行う」 , 「担任, 副担任が中心となり, 関係学年, 生徒. 指導, 養護教諭など, あらゆる分野で協力体制を取る」 , 「教育相談係, 養護教諭との連携」 等, 担 任を中心にして全教師間の連携の中で援助 して行こうとの意図を知ることができる. 協力体制づくりや共通理解を強化するための具体的方法 が, 現場で模索されている ことも判る,. 例えば, 「学年会議 (毎週) , 事例研究会 (学年別年2回) を通じての適切な情報交換の充実, 校内 「 外研修会の充実」 , 相談室 は毎週一 回, 定期的に事例研究, 報告会を行っており, 各学年, 保健室 などより新しい情報を得たり, 指導中の生徒の変化を認識 したり, 指導仮説を定めたりしている, 今までのところ, 早期 にてあてをしているので, 相当の効果をあげている」 というように, 事例研 究, 職員会議, 研修会の活用等 が, 必須のこととしてあげられている, 又,1校のみであっ たが, 校 内に教育相談委員会を組織 し, 体制を作 っ て対応にあたっている学校 があることも注目される.「就 学指導委員会を開いて対策をはかる, (学校長, 教頭, 担任, 教育相談係, 養護教諭等 によ って)」 ,. 「教育相談委員会(養護教諭も構成メ ンバ ー)と担任との連絡により対応, 養護教諭の果たす役割も くりあ 大きい」 , 「担任が, 教科担当者, 学年主任, 養護教諭と協議し, 父母とともに指導体制をつ たチー げて行く」 , 「担任, 当該学科, 学年の責任者, 養護教諭, 内容によっ ては, 生徒指導が入 っ が推進され 模索の中での組織作り 等 専門医を交 えて問題解決に努めている 家庭 」 ムを中心に, , , ている実態を窺うことができる, ②. 校内暴力, 非行等, 反社会的問題児に対する. 指導配慮,. 反社会的問題に対 しては, 第一 に, 全 職員 の共 2 ) 通理解が必須の とこと考 えられている(表1 . 「全教職員の共通理 解と協力体制を作ることが, とり組みの基本であり, 日頃から教職員間の意志 の疎通をはかるように努めている」 , 「常 に校内研 修会をもち, 全職員, 共通理解の上, 指導」 , 「学. 年内の協力体制, 日常的に行なわれる全校的な情. 表1 2 校内暴力, 非行などに対するとりく み. (%). 全職員の共通理解 家 庭 と の連 携 事前予防体制の確立 関係機関との連携 PTA, 地域との連携 そ. の. 他. 無. 回. 答. 鑓 23 焔 15 9 66 7. 219.

(9) . 奥村晶子・津村直子・田中豪一. 報交換を密にし,全職員の共通理解によ り対応」 ,のように,問題発生時に, 早期 に対応できるよう全 職員の共通理解と協力体制を, 日常の活動の中で実践することを基本条件としている姿勢 がわかる, 更 に, 家庭との連携と並んで, 関係機関との協力, 連携が求められているが 此処であげられた ,. 機関は, 教護協会, 札幌市教育委員会, 児童相談所, 家庭裁判所, 警察署防犯係, 補導員, 区少年 相談室などである,. 又, 非行 は, 地域社会の状況 に影響される所が大きいためか, 地域 ぐるみの防止体制づくり が進 め られている.「中学校区単位で組織を作 っ て防止にとりくんでいる」 「校下における非行防止連絡 , 協議会の設置(PTA, 関係小学校, 青少年育成委員, 保護 司, 警察, 民生委員 町内会長)」 「地 , , 域 ぐるみの非行をなくする運 動も, PTAを中心にして回数を重ね 地区別懇談会等を開き 早期 , , 発見とその指導に努めて いる」 , 「○○中学校区非行化防止対策推進委員会を中心にした地域 ぐるみ の運動」 などの主張がみられる, 教師による個別的 及び予防的対応の努力も主張されている,「昼休みや放課後の校内巡視や校外巡. 視を強化」 , 「非行の芽を小さいうち に摘みとるために, 下宿訪問, 列車巡視, 警察署訪問, 校内外 巡視を適宜 の 行なっている」 , 「非行の未然防止のため, 日常における基本的な生活習慣を確立させ る指導に重点をおいて いる, 頭髪, 服装, 遅刻防止の指導など」 , 更に, 「防止の面では, 日常の教 育, 家庭との連絡などに力を入れたい」 ,「声 かけ運動を通 して, 心のパ イ プをつなぎあう努力」 ,「生 徒 と の コミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 密 に図 る」 , 「常 に, 教 師 と ひと り ひ と り の 生 徒 と のラ ポ ー トを大 切 に. している」 など, 常 に, 生徒理解を心が ける努力もあげられている, ③. 非社会的問題 児と反社会的問題児との取り組 みの認識の差異について 両者の取組 みには, 問題の性格上微妙な差異が認め られていることが判る. 反社会的問題 については, 全職員の共通理解と協力体制 の確立が重要なこととして認識されてい る が, 非社会的問題 については, その認識が充分とは言 えない. 更に, 事前の予防体制の確立や , 早期対応の重要性を挙げたものも, 反社会的問題では多いのに, 非社会的問題 では些少である. 校内暴力や非行など, 反社会的問題は, 社会的影響や現場 の混乱も大きいので その指導方法や , 体制作りの研究も実施され, 積極的取り組みを行なおうとの姿勢もみられるが 非社会的問題 は , ,. 社会的に問題 にされることも少なく, めだたない子ども達なので, 学校における対策も通りいっぺ んのものになりがちな傾向 で, 姑息的 になり がちなのであろうか. しかし 精神衛生的にみた時 , , 非社会的問題も反社会 的問題も共 に, 子 どもにおける不適応の現われであり 両者 は ある意味で , , 表現型の差異であっ て流動的なものであり, 同時に, あるいは 相接続して表現されることも稀な , らず存在するとすれば, 反社会的, 非社会的を超 え, 不適応児のすべてを包含する考 え方が 基本 , 的 なおさえとして明確にされることが期待されるべきであろう. 以上, 札幌市内の中, 高校の校長, 生徒指導担当教師 の認識 は, 学校現場に於いて 子どもの状 , 況に応じ, 教育相談的配慮をもってのぞもうとしている,. 日頃, 教育相談 について考 えることについての記述解答でも, 基本的問題として 担任中心の全 , 校的取り組 み, 全教師のカウンセリングマイン ド, ひとりひとりの子 ども の尊重等があげられて居 り, 実際の活動については, ともかくとして の問題を残 しつつも, 苦悩の中から 教育相談を重要 , なことと認識 し, 定着の必要 に迫られていることが判る,. 220.

(10) . 学校における教育相談について. 4. 養護教諭と教育相談 ) 全体的概略 1 養護教諭 が, 子どもに関わるのは, 身体的問題を訴 えて来訪する場合 が, 圧倒的に多いが, 子ど もの心の問題 が, 種々の症状や問題行動として出現し, 心身症傾向をもっ た保健室頻回訪問児等が, 日常化している現在, 養護教諭 が, 教育相談に就いてどのような取り組みをしているかが問題にき れね ばならないと考 え, 養護教諭へのアンケー ト調査も平行して実施した. 、して 7 8%の養護教諭 が, 保健室来訪児に教育相談的意識をもっ て接 している が,16%のものは,、 いない、 ) 、と答 えて いる (表13 ,これは, 配慮がないと言うよりも, むしろ, 規則的に長期間の面接. はしていないと正直 に答えたものと考 えてよいだろう,教育相談の時間は, 随時としたもの66%で, 3%のものが, 随時定時としたのは, ケースによっ て時間をとっ これは受容的態度の現われだろう,1. と考 えられる(表1 4 ) てア プローチしているもの● . 養護教諭 の特性から, 本拠である保健室内の活動. ) が主となっているが, 9%のものは, 相談室も利用 している (表15 . 養護教諭の立場 から, 全校の教育相談 に対して如何なる姿勢でのぞんでいるかをみると, 子 ども 5%と担任中心の活動への参加を心 5%,担任と情報交換 しながら7 の情報 について担任 に知らせる7. が けていることが判る(表1 6 ) . 養護教諭の立場から, 知識の提供を心がけているものも, 3人に1 人は居るということが判る. 生徒指導担当教師が, 連携の中で養護教諭に期待してし・ることとして, 子 どもの様子, 情報を知 1%, 協力 して指導してほしい57,1%, 知識提供37,1%であり, 生徒指導担当教師 らせてほしい77, ) 7 の期待と養護教諭の意図は, 一致していることが判る (表1 , が 自分達の活動 に, 学校全体の中でどの 教育相談も含めて について理解を得るため 養護教諭 , ,. 8 ) ように努力しているかについての設問では, 種々の場面で考慮していることが判る(表1 , 養護教 (%). 表1 3. 保健室来訪児に対する 教育相談的取り組み て. し. し て. る. 78. い な い. 16. し・. (%). 表14 教育相談の時間 随 定 定. 時, 随. 時 時. 66. 時. 0. 表16. (%). 教育相談への関わり方 子どもの情報を担任に知らせる 担任と情報交換しながら 養護教諭の立場からの知識の提供. 75. 教育相談組織の一員として 独自で行ってし・る. 11. そ. の. 他. 75 32 11 8. 13. (校). 表17. 養護教諭に相談する場合何を望むか(生徒指導). (%). 表15 教育相談の場所 室 保 健 保健室をしきって 室 談 相. 70. 他. 4. そ. の. 8 9. 子どもの様子, 情報を知らせてほしい 協力して指導してほしい 心身症に対する専門的知識を教えてほしい. 54. 登校拒否に対する専門的知識を教えてほしい 専門機関を紹介してほしい 保護者との連絡や話し合いの相談にのってほ. 10. しい. そ. の. 他. 40 16 7 7 3 221.

(11) . 奥村晶子・津村直子・田中豪一. 論 は, 校務分掌では保健体育部 に属 している形が圧倒的に多い から, その中での発言 が最も多 く ( 62%)なるのは当然だが, 生徒指導部との連携 は表面化 していない. 教師相互の個人的接触 の形が, 連携の基本 になるのだろうか.. ) 心身症傾向児への援助 について 2 保健室の性格上, 養護教諭が最も接触の機会が多く, 援助の如何 が問われる面と考 えられるが, 約半数のものが, 受容的, 共感的に, 換言するとカウンセリング的にア プローチしようと心がけて いる (表1 9 ) . 「評価や判断を避 け, ありのまま受容するよう努力 して生徒の話をきく」 「いつでも保健室を利用 , できるように, 来訪 し易い雰囲気を作るようにする」 , 「全面的に受入れ, 多忙でも, できるだ け時. 間をとるようにしている」等の, 配慮をし, 更に, 「保健室に来る生徒には, 幅広い話題を提供する よ う に す る」 こ と で, 子 ども の 心 を開 く よ う に試. その解決方法を考 えさせる」 , 「自己理解し自立す. る方向にも って行 けるように援助する」 ことは, なかなか困難なことで はあるが, 子どもの日常生. 活の自己管理 への注目を意図 したものだろう,. 担任との連携, 家庭や専門機関との連携も重要 なこととして挙げられるが,「養護教諭は担任の補. 助的役割をとる」 , 「担任, 学校医との連絡を密に する」 , 「担任と連絡をとって対応, 担任は家庭お よび専門機関と相談 して指導」 等の発言にみられ. ・ (%). 表18. み, 「本 人 の 気 づ い て い な い原 因 に 目 を 向 けさ せ,. 保健室で気付いた問題や活動につ や活動にっし・ 、て校内で発 言する場. 保 体 部 会 職 員 会 議 プリン 1 ト類の発行 煮. 46. 保健日誌を提出. 29. 学年会, 朝の打合わせ 学 そ の 他 そ. 10. 表1 9. 27. (%). 、 心身症傾向 の子どもへの関わり. そ 晶 蟹 誓墓窪 曹 室 嘉露 警 至 げ 轟 千 蔓 後報 麦 宝 一人で解 決 しようと しないよう日頃心 が けて い. 62 56. 保健室来訪時に受容的態度で話をする. 47. 担任との連絡を密にする 担任, 家庭, 専門機関との連携の中での援助 担. 22. る」 のは, 養護教諭がケースをかかえ込む危険 へ 心 , ず の状態を自分で把握できる “ 指導’ 援 の警告であろう. しかし, 逮携が, 具体的にどの 農 原因の把握に努める ように行なわれているかについてまでの言及は, 機会あるごとに声かけをしている 機 ア ン ケ ー トの 範 囲 内 で は把 握 で き な か っ た が, 日. そ. 登校拒否, 繊黙等の非社会的問題行動児 にかか わっ ている養護教諭 は35%, かかわっていないも. 表2 0. 室にくるとは限らな w, 「担任や関係機関の方で. 蟹 関わ. の. 他. 16 11 8 6 20. 常活動としての連絡と考 えられる,. のが56%である(表20 ) . 「こうした子ども は保健. 対処しているため,養護教諭まではおりてこない」 のが現実で, 保健室での援助も, 強力 なものにな “ たいようであるが(表2 0 ) , 「登校時には, き まっ て顔をみせるので, 授業に行 けない場合, 時 間をとっ て話をきいたりして いる」 場合もあり, 少数ながら地道の活動も試みられていることが判. る, しかし,「担任とは, いろいろ情報を交換して 222. (%). 登校拒否, 繊黙の子どのへの関わり 関わ っている っ て い なし・. 駈 56. 担任 との連 携. 19. 家庭 との連 携. 18. 憂 保健室来訪時に援助 関係機関との連携 関 学校全体で協力しながら 学 継続的に関わ 継 っている , そ 他 の そ. 15 8 6 4 4.

(12) . 学校における教育相談について. いる が, 家 庭 訪 問 はできない状 況である」 , 「子 どもた げに接触していても殆ど効果はなく, むし. ろ両親への働きかけが難かしい」 等, 親との関わ りのもてないことに隔靴掻岸の感をもっており,. 逆 に 「家庭と連絡をとっているが, 担任との関係 が今 一 つ で, 悩 んで い る」 も の も あ る,. 総じて, 非社会的問題行動児に対しては,「関心 はある が取り組みは難かしく, 時間もな “, 「全. 職員の共通理解 が是非必要」 , 「養護教諭が単独で. 表2 1. (%). 教育相談を行っていく上での問題点 職員間の共通理解の乏しさ 職 担任との連携の困難さ 担 保護者との関係 保… の疎遠さ. 24. 心因のからんだ問題のむづかしさ 心 職務内容のあいまいさ 職 専門機関との連携 ド の困難さ. 22. そ. 26. 享. の. 他. 22 27 24 13. 接することは, 何の解決にもならない」 等, 消極的姿勢にあるものが多いと言 えよう. 3 ) 教育相談実践上の問題点. ) 養護教諭が,その立場で教育相談を実践して行く時, どのような点に困難を感じている か(表21 , 職員間の共通理解の乏 しいことをあげたもの が24%, 担任との連携のむずかしさをあげたものが 2 2%いる, 表11 , 12にみる如く, 全職員の共通理解や全校的協力体制 は, 教育相談の必須の要件と して認識されている訳だが, その点が, 最も困難を感ずる 点として挙げられていることは, 今日の 学校現場の混乱を示しているも のとみる ことができよう, それだ けに, 職員の意志統一と体制の確 立の中での職員相互の関係の確立とが僕たれると言わね ばなるまい. 次いで, 心因のからんだ問題の判断や更に, それを専門機関に紹介することの判断についての, 2%, 更 に, 養護教諭として, 教育相談的配慮の必要な子 養護教諭の自信のなさを吐露 したものが2 ども に, ど の よ う に ど こま で, 関 わ っ た らよ い の か に混 乱 して い る も の が 24% に 及 ん で い る, 現実. に, 子 どもの問題の対応に迫られながら, 養護教諭 は, 自己の力量の範囲を越 えたものと感じ, 自 己の職務 の範囲の判 断の再確認 を迫 られている とみ る ことができる, 保護者 との関係 の疎遠 さ. 3%も, 現実の対応の中で, 養護教諭が苦悶 している所であろう. 27%, 専門機関との連携の困難さ1 以上, 養護教諭の立場 からも, 教育相談的取り組み は模索実践されて居る中で, 組織の中での- 員として, 担任中心の活動を志向し, 共通理解を求めていることが判 る,. 5, 教育相談組織について 全校的共通理解と協力体制の中で, 担任中心の教育相談が模索されているということは, 換言す ると, 今日, まだ教育相談についての体制 が, 確立 して居 らず混乱の中にあることが一般的である ということを意味 しよう。. ) そこで, 札幌市内の2~3の学校における組織図を挙げてみよう(図1 . 教育相談係が設置されて いるもの4校, 委員会方式のものが1校 についての検討である, 教育相談係が設置されている学校. は, 全体的趨勢の中でみると, 教育相談が推進されている学校とみて支障なかろう, 何故なら, 今 日の状況では, 生徒指導即相談の形態のものが圧倒的に多いので, 生徒指導部の中に相談係がおか れる形 は, 一歩前進とみられる. 実際, 非行等の問題をおこした子 ども に対 して, 処罰管理指導に. あたり, ある意味で子どもと対決する要のある生徒指導担当者が, 一転教育相談的 に接 し, カウン セリング関係を形成しようとしても, 当の子どもが, 当該教師の二面性に対応することは不可能に 近く, 父性原理の濃厚な生徒指導担当者と母性原理で作動する教育相談担当者のチーム プ レー が, 223.

(13) . 奥村晶子・津村直子・田中豪一 A. 中学. B 中学. . 教務部. ≠豪傑 驚喜 . 係 係 部. 保健体育部 文化部. zセ ンタ ー. i.係. 任委員会指導係. C 中学. 務部. 化部 建体育部. E 高校. 徒会 境管理 .部. 徒会編集. 部 書, 視聴覚部 修部. 部 教育相談委員会 (生徒指導部2名, 進路指導部1名, 保健安全指導部1名, 教務部1名). 図1 校務分掌図 教師の負担も軽減するだろうし, 子 ども の混乱を招くことも少 なくてすむことは当然である そう . した認識で, 生徒指導部 の中に教育相談係を設 け, 子どもへのより繊密な援助を志向しようとして. いると理解されるが, 現実には, 教育相談係が非行対策 に追われている場面も みられ 必ずしも望 , ま しい状況で動いているわ けではない, 多発する問題 の対応に追われる現場の苦悩を垣間見る思い がする.. 教育相談係 の職務内容は, 種々であるが, C中学, D中学の職務分掌に調われているものが参考 になろう(表22 ) , 教育相談係 は, 個別の教育相談的援助 の実践者であると同時 に, 全校的取り組み のための中枢機能を果たすことが期 待されてし・ることがわかる.. しかし, こうした組織で一 つ問題 なのは, 養護教諭が保健体育部等 に所属し 縦割りの組織の中 , では, 養護教諭の専門性からの発言 は, えて して制限されて しまいがちであり 精神的不健康児 へ , の個別援助も, 養護教諭単独 に行なわれることが多く, 担任教師等との連携も非常に個人的レベル に制限されてしまっ てし・ることである. 実際, 健康相談的活動 の範囲内で 問題の子どもに援助を , おしま ない養護教諭 は多く, 管理職 はじめ一般教師に信頼 はおかれていても 養護教諭自身は孤立 , の中 に動いていることも多い事実 に注目する必要があろう. その意味で, 今後の方向性を示唆するも のの一 つ として, E高校の教育相談委 員会のあり方が注 224.

(14) . 学校における教育相談について. ) 目される(図1 . 日常保健室に来訪する子 どもの. 多くに, 身体的問題よりも心の問題を訴えるもの が多く, 養護教諭が単独で対応するには, 時間的 無理が生じたり, 担任と連携することに限界を感. じたこと, 更に, こうした子ども達への学校 とし ての取り組み を積極 的 に推進 しよ うと した中 か ら, 委員会方式に発展して行っているが, 管理職 はじめ一般教師の共通理解を得て委員会をスター トさせるまでに, 経験豊かな養護教諭と教育相談 に造詣の深い生徒指導担当教師の協力をもってし ても, 5年の歳月 を要 したという. 担任が, ある いは全教師が, 教育相談的取り組みをと言う調い 文句はとも角, 現実に全校くるみに作動させるま で行くのは, 相当の困難があること がわかる, 委. 員会は, 生徒指導担当教師と養護教諭の他に, 各 学年から1名ずつ参加 し5名の構成, 非社会的,. 反社会的, あるいは心身症傾向児の区別なく, 心 の問題のすべて は, 委員会で対策や方針が検討さ れ, 学年会, 担任に戻される, 委員会 は, 一般教 師 のコ ン サ ルタ ン ト と して 活動 し, 困 難 な場 面 で. は, 実際に具体的援助も受持ち, 又, 親や外部諸 機関の窓口でもある. 同時に, 全校研修の推進役. でもある,その中での養護教諭の役割は大きい(表 23 ) . こうした方向は, 今後における方向を示す一 つ のモ デ ル と して考 えて よ い だ ろ う,. 表22 00中学相談係の目標 相談活動の充実, 定着をはかる 相談室の管理につとめる 生徒理解のための諸調査, 資料の収集, 整理につ とめ る. 客観的に生徒を理解していくためマルチ検査を実 施する 家庭訪問の推進計画をはかる 00中学相談係業務内容 教育相談計画の立案と推進 相談室の管理と効率的運営 相談資料の提供 調査, 検査の実施と統計資料化 各種資料の収集保管及び活用 学級写真撮影計画立案と実施 定期相談継続実施 (対父母への対応) 非行化防止対策のための校内外生活係との連携 関係報告文書の収集, 保管 生徒指導研修会の立案 表23 教育相談委員会における養護教諭の役割 相談の必要性をもつ子ども発見 相談の必要をもつ子どもへの直接の対応 他の教員への依頼, ネッ ト・ワーク作り 一般教師への啓発 父母への啓蒙活動. むす び に か え て. 外部諸機関への窓口. 教育相談を推進して行くために, 現場 に於いては, 問題意識 と目標 について認識を深め, 日夜努 力してし・る. 学校が, 子どもの全人格の成長の場であり, そのための教育であれ ば当然のことであ ろう. その場合, 教育相談の実践者 は, 生きたなま身の教師自身であることは, 強調 してしすぎる ことはあるまい. 換言すれば, ひとりひとりの教師の教育相談的資質の問題である. ここで教育相 談的資質とは, 真の意味の教師的教師たることと同質の意味をもっていることに留意したい. 人間 としての子どもひとりひとりに, 上下関係 に己れを置いたり知識で防衛 したりせず人格で接し得る. 教師にして, 初めて教師たり得るし, 又, 教育相談の実践者たりうるのである. その上 に立っ て, 精神衛生や心理学の知識もカウンセリングの技術も生かされて来よう, 教育現場で, 地道 に相談活 . 動に従事している教師達 が, 異口同音に口にしていることは, 人間的資質の滴養であり子 ども に学. ぶ姿勢である. この教師としての原点に立ち得れば, 教師間の連携も組織作りも円滑に行 くもので ある.. 教育相談が, 教育現場で推進されるための要件 は, 一言 にして言 えば, 教師の資質の向上と, 開 225.

(15) . 奥村晶子・津村直子・田中豪一. かれた人間関係 なのである.. 最後 に, 教育相談実践 のために必須の項目として, 常日頃強調 したい5項目を並べて 結語 に代 ,. えよう,. ( 1 ) 外部専門機関との協力体制 の確立:子 ども の問題 は, 学校の対応だ けでよいものと 専門機関 , と関係をもちなが ら対応 していかなければならないも のとがある,教師のみ が抱 え込んで混乱せず , 問題の質をみきわめ時機 にかなっ た連携を心が けたい. そのためには, 地域における各種専門機関 の特性と限界をよく認識し, 常日頃から相互理解をふかめておかな けれ ばなるまい. 学校自体が , 子 ども援助 のためのネッ トワークを持ち得 るまでになれればよい. 又, 依託した時 に, 学校が全く. 手を引いてしまう場合 のあることにも疑問を持 つ, 学校自体は, 協力体制の中で 何を如何になす , か常に配慮する必要がある. 子 ども の生活の場 は, 学校 なのだから一, ( 2 ) 教師の協力体制の確立:前述したとこことで多言を要しま い. 協力体制とは 組織ができたり , 校務分掌ができて為されるものではなく, 日常の教師ひとり ひとりの人間的触れ合いの中で形成さ れていくものなのである. 教師の相互信頼と専門性に期待したい,. ( 3 ) 親へのアプローチも平行して:子ども は, 家族関係の中で成長 して行っ ているものであるが , 子 ども に問題が生じた時, 親は, 自責感 の中に混乱しているのが一般である, 子どもの心の健全な 発達を期待するならば, 親への相談的アプローチ は不可欠である. 教師が 多くの子ども に接して , いる子 どもの専門家としての立場から, 我が子のみに視野狭窄 しがちな親に援助 して行 けれ ば 子 , どもへの援助 は, より円滑に進むだ ろう, この場合, 単なる情報交換 に止ま っては 親の混乱は増 , 幅する危険がある. 家庭において, 親 は子ども に どう接するのがよいか実行可能 な方法を 親に理 , 解できる言葉 で伝達する必要がある. 尚, 現代の親は ごく普通の健全 な親子関係の形成に失敗し , ている場合も多いので, 子 ども に問題の出ていない普通の場合でも 予防的措置として学校で 親 , , の認識を高めるための教育 的配慮がなされていることを期待したい, ( 4 ) 子どもとの関係 は1:1の人間関係で:教育相談 は カウンセリングの技法 である 子どもの人 , .. 格を尊重し信頼 して, 傾聴 し受容 し共感的理解を持 つことが基本 である. 細かい技法よりも 子ど , もと真 に出会 えるかが必須のことである.. ( 5 ) 子ども は, 今発達途上にあることを知る:子どもは, 今 どんな不健康な状態にあっ たとして , も, その成長の中 で健康な方向に発達する豊 かな可能性を秘めた生活体である, 成長の中で 子ど , も自身が, 自己変容 し解決して行くだ ろう. 成長のペースは子 ども自身 にあり 大人が操作するも , のではない. 子 ども の人生の中で, 今, 我々 の行 っている出会いが 成長の糧になっていることを , 信じ, あせらず成長を待つ姿勢が必要である. 大人が操作的 にペースをとっ たり ア プローチの効 , 果をあせることは, 子どもへの冒涜である. 今, ここで出会っ ている子 ども への真の意味の信頼が , 基底 になくてはならない,. 教育相談について, 札幌市内の中学, 高校の先生方にご協力 いただいた調査結果の一部を報告 し , 所感を記 した, 学校での取り組 み が, 地道 に推進されて行くことを祈念する次第である , 226.

(16) . 学校における教育相談について. 稿を終るにあたり, 御協力いただきました札幌市内の中学校, 高校の校長先生, 生徒指導担当の 先生, 養護の先生方 に感謝申し上げます, 又, 卒論に, 「養護教諭と教育相談」のテーマで取りく み御協力下さっ た佐々木幸枝, 松本教子, 手島睦, 高橋真澄の諸嬢に感謝申します.. 参考文献 6年) 生徒指導の手引き:文部省 (昭和5 0回北海道情緒 時田 隆, 多賀谷 智, 村本克己:登校拒否・減黙に関する調査研究-学校の実態を中心に-- 第1 8年) 障害教育研究会資料 (昭和5 9年) 北海道の教育相談:北海道立教育研究所 (昭和5 指導 ライフ・サイエンスセンター 的適応障害と保健 小倉 学:子どもの社会 2年 ) ( 1 9 8 東山書店 教諭の職務 杉浦守邦:養護 杉浦守邦:養護教諭の実際活動 東山書房 (昭和53年) 津村 同講師 田中 同助手 いずれも札幌分校) (奥村 本学教授. 227.

(17)

参照

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