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対話が生み出す豊かなかかわり

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Academic year: 2021

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(1)生徒指導研究 第16号. 【巻頭言】. 対話が生み出す豊かなかかわり. 生徒指導講座主任渡邉. 満.  昨年一学期末に、学校現場との共同研究の中で、県内の小中学校の児童生徒(5,480名) と担任の先生(170名)に道徳授業についてアンケート調査を行った。児童生徒には「道徳 の時間は好きですか」、先生には「道徳の時間を楽しいあるいはためになると感じている児 童生徒はクラスにどの程度いると思いますか」と聞いてみた。その結果は意外なものだった。  「嫌い」か、「どちらかと言えば嫌い」と答えた児童生徒が32%に対して、約58%の児童. 生徒が「好き」か、「どちらかと言えば好き」と答えていた。約6割の子どもたちが道徳の 授業を好きだと答えていたのである。.  もちろん30%を超える子どもたちの否定的な反応や、小学生(66.3%)と比べ、中学生 (51.3%)が「好き」と答える比率が15%ほど少ないことは軽視できない。しかし、それ. 以上に意外なのは、多くの先生方(77.6%)が、子どもたちは「道徳の授業を『楽しくな い』と考えている」と答えていたことである。先生方の多くは楽しくないだろうと思いな がら授業を行っていることになるからである。.  これは意外を超えて、驚きでもあるが、同時に希望が見えてくるようにも思える。子ども たちはそれほど嫌いだとは思っていないのだから、先生方がちょっとした見直しを行えば、 子どもたちは十分それに応えることができるように思えるからだ。  道徳の時間の基本的な学習活動が「話し合い」活動であることは誰も異論はなかろうが、. それが子どもたちにとって難しいと感じさせる一つの要因になっているのは、多くの子ど もたち(小学生45%、中学生64.9%)が「話し合い」が嫌いと答えていることに表れている。.  その一方で、多くの子どもたち(小学生70%、中学生53.4%)が「道徳の時間に先生や 友達の話を聞くこと」は好きだと答えている。問題は自分の考えていることを自信を持って 話せないことにあるようだ。.  「話し合い」は、道徳の授業では、多くの場合、先生の発問に対して各々の生徒が自分の. 意見を表明することと見なされているようだが、それでよいのだろうか。似た言葉に「コ ミュニケーション」がある。元々の語意は「共にすること」である。同じ感情や考え方を 共有することである。すると「話し合い」も単に問いに対する複数の答の集合なのではなく、 ある事柄をめぐる対話なのであり、その対話の過程で一つの考え方が認められ、共有されて. いくことと捉えられる。そう考えれば道徳授業の一人ひとりの意見にも単なる答ではない 意味が出てくるように思える。.  道徳をめぐる先生と生徒たちの豊かな対話は、やがて豊かなかかわりを生み出すことだ ろう。共にするものが生まれるのだから。 一1一.

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