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小学校社会科における資料活用能力を育成する実践的研究 : トゥールミン図を用いて

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Academic year: 2021

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(1)小学校社会科における資料活用能力を育成する実践的研究        一トゥールミン図を用いて一                          教育実践高度化専攻                          小学校教員養成特別コース.                          P100551 春日佑理 1.研究報告害の構成 序 章 本研究の目的と方法. 第I章 先行研究の検討. ることである。. (2) 研究の内容と方法  ここでいう資料活用能力とは,「既存の資料を. 収集,選択,読み取り,分析,批判したり,自. 第II章 単元教材分析と授業構想. らの資料を作成,管理し,そのために必要な情. 第皿章 授業実践の結果と考察. 報機器を活用する能力」である2〕。資料を読み. 第1V章 改善指導案. 取ったり,分析したりという一連の作業過程を. 終 章 成果と課題. 経ることで,対象となる資料について考えるこ とが発生する。したがって,資料活用能力を育. 2.研究の概要 (1) 問題の所在と研究の目的  小学校社会科では,「社会生活についての理解 を図り,’. 艪ェ国の国土と歴史に対する理解と愛. 成することで,単なる知識獲得に留まらないと 考えられる。資料活用能力育成のための手法と して,トゥールミン図を用いる。トゥールミン 図とは,イギリスの分析哲学者スティーブン・ トゥールミンの考えた論証モデルを図式化した. 情を育て,国際社会に生きる平和で民主的な国. ものである。. 家・社会の形成者として必要な公民的資質を養. エトゥールミン図工. う。」という目的のもと,社会の内容について知. D(data). る内容教科である。しかし,社会は国際関係や.  事実. 歴史,文化・産業などが複雑に関係しながら成. †. C(c1aim,conc1usion).  主張. 立されていることから,諸要因の関係性が見い だせずに社会科を学習することが社会科を暗記. W(warrant). 科目として捉えてしまう原因にもなりかねない。.  理由づけ. 社会を理解することは情報化や国際化により急.  このモデルを使えば,自分の主張がどのよう. 激な変化に見舞われ多様化しているため,暗記. な事実(資料)と論拠(社会的な見方・考え方). だけでは事足りない。社会的事象を単なる知識. から導き出されているのかが図示することがで. としてもつのではなく,得た知識を活用し,広. きる。よって,トゥールミン図を小学校社会科. い視野から捉え,自分の考えをもつ必要がある。. の授業で使用することで,資料活用能力が育成. そのために,社会科において思考力の育成は必. されるという理論仮説を立てた。. 須であるとされ,学習指導要領でも思考カの育. 【方法】. 成の重要性が指摘されている。. ① 資料活用能力に関する先行研究を調査し,.  林1〕は思考力を育成するための手立ての一つ.   既存の研究の効果や課題を明らかにする。. として,資料活用能力に焦点をあてた授業づく.   トゥールミンについては,社会科での効果. りが有効であると言及している。そこで,資料.   について実践上の仮説を立てる。. 活用能力を育成するためにトゥールミン図の手. ②トゥールミン図を用いて資料活用能力に焦. 法を用いる。本研究の目的は,小学校社会科の.   点をあてた授業の開発を行う。. 授業にトゥールミン図を用いることによって資 料活用における選択や分析,批判する力を育成. ③授業実践から事前事後アンケート・テスト   の分析ならびに児童の作成物をもとに社会. するのにどの程度有効であるのかを明らかにす.   科におけるトゥールミン図の効果を明らか.

(2)  にする。.  これは,まとめ新聞やプレゼンテーション資. 【対象】. 料の作成など表現に重点をおいた活動を取り入. 加西市立H小学校第4学年25名. れたからだと考えられる。また,自分の主張を. 杜会科 単元名「ごみのしょりと利用」. 相手に伝えるための加工をワークシートに施す ことができていた。. 3 研究の結果と考察  事前事後に実施したアンケートは,r資料から.  しかし,トゥールミン図を作成するにあたっ ては,r書き方の指導の手順」,rそれに伴う資料. 事実を読み取る力」,「資料を収集し選択する力」,. 収集の方法」には改善が必要である。また,本. r資料を加工し作成する力」の3観点から構成 されている3)。児童の事前事後アンケートにお. 研究では,児童が一人で資料収集を行う場面を. ける結果と考察を述べていく。. 育成されるかまでは明らかにすることができな. 1. 「資料を収集し選択する力」では,事後に. かった。以上のことをふまえ,研究報告書の第.   数値の減少が見られたため,課題が残る。. 1V章では授業時間に可能な範囲で改善策を示し. 『資料を収集し選択する力」において効果がみ. 設定せずに授業を展開したため,批判するカが. た。. られなかったのは,資料の読み取りや加工・作 ったからではないかと考えられる。また,児童. 4.今後の課題  今までの授業実践の結果と考察をふまえた上. が資料を収集する活動や多様なデータに触れる. で今後の課題として,3点挙げる。. 機会などを設けていなかったのも原因として推. 1.資料収集に重点をあてた改善策をもとに,. 測できる。.   資料活用能力の批判する力が育成されるの. 2. 「資料を加工し作成する力」では,事後の.   かどうかを明らかにする.   結果から,自分の言葉でまとめることがで. 2、他単元でもトゥールミン図を導入する事は.   きるようになり,効果がみられた。.   可能かどうか. 3.全児童がトゥールミン図を肯定的に捉えて. 3.一単元終結ではなく,横断的に資料活用能.   いた。また,副次的ではあるが,社会科に.   カを育成できるようなカリキュラムづくり.   対して好きという印象は事前よりも事後の.   および他教科との関連もふまえて,資料活.   方が高まっている。.   用能力の育成に励みたい。. 成することに重点をおいた授業展開をしてしま.  次に,児童の作成物による結果と考察である。. 児童の作成物アンケートと同様に,r資料から事 実を読み取る力」,r資料を収集し選択する力」,. 『資料を加工し作成する力」の3観点から評価 を行った。. 1. r資料から事実を読み取る力」の課題は見   受けられなかった。. 2.資料を選択することはできても,収集する   ことに課題がみられた。. 工引用文献]. 1)林雅樹r考える力や表現する力を育てる小学  校社会科の授業づくり一資料の効果的な活用  法を基盤として一」『神奈川県立総合教育セン  ター長期研究員研究報告』,2009,pp.13−18.. 2〕森分孝治,片上宗二編『社会科重要用語300  の基礎知識』,明治図書,2000,p.1I5.. シート作成の際に,自分の主張に見合った資料. 3〕小田本美津子「資料活用能力を育てる小学校  社会科の学習指導の工夫一体験的活動を取り  入れにくい単元におけるコンピュータの活用. を見つけ出したり探したりすることが困難だっ.  を通して一」,『教員研究シリーズ』(46),1999,. たからだと推測される。.  pp.17’24。.  この原因としては,トゥールミン図のワーク. 3.全児童がプレゼンテーションするために加   工を施して,ワークシート作成に取り組む   ことができた。. 修学指導教員 別惣 淳二. 指導教員別惣淳二.

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