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本学における「初等音楽」のカリキュラム改善に関する試み(2)

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(1)163. 本学における「初等音楽」のカリキュラム改善に関する試み(2) 藤井一男*・保坂博光*・竹内俊一*・長尾義人* 草野次郎*・木下千代*・新山真弓**・小泉恭子* (平成7年9月20日受理). はじめに 本研究は,昨年度(1994年度)から3ヶ年計画により スタートしたものである。当初,以下のような年次計画 をわれわれは予定していた。 1994年度 1.本学における教育課程と「初等音楽」の位置付 けについて 2. 「初等音楽」に関する他大学の状況と本学との 比較検討 3.本学学部生の音楽実技能力について 4.教員採用試験における実技検査(音楽)の実態 について 1995年度 1.小・中学校教員(本学卒業生)を対象に,本学 における音楽関連授業の内容についてのアンケー ト調査の実施 2.アンケートの分析と考察 3. 「初等音楽」用の具体的なテキストの作成 1996年度 1.テキストの実践と結果 2.検証およびテキストの改訂 地区. 国公立患要 関係. ・a 名. 北 海道 北海 道教育大学 研究紀要. , い* < i n. (以 下 、 大 学 教 育 学 乱 岩 貫 は 略 、 東北. * 十 す わ 書 辛 JL. 1 . 「初 等 音 楽 」 に 関 す る 先 行 研 究 の 収 集 と そ の デ ー ター ベ ー ス 化 2 . 先 行 研 究 に つ い て , 各 専 門 領 域 か ら の 検 討 と提 言. 工「初等音楽」に関する先行研究の収集とそのデータ ベース化 1データーベース化の範囲について 本学において「初等音楽」は,小学校教員免許状取得 のための必修科目の1つである。 「初等音楽」は,他大 学においては, 「小学校専門音楽」 「音楽科教育法」 「小 学音楽」などの名称で呼ばれているところもある。 それぞれの大学により,学生定員や教官スタッフ,施 設などの状況により,独自のカリキュラムが組織・構成 されているようである。昨年度は,各大学のカリキュラ. 私立. 愛知教 育大学. 札挽大谷短 期大学. -. 研 究紀要. 空 l 女 子 短 期 大学. 教 育実践研究 指事セ ンタ- 紀要. ]宮 放 大 鼓 育 研 修 セ ン タ ー. 十十. 7. 郡山女子大 学. 浸] 大学 浪 ォ ォ ォ i; H 書 t. L+ † 京都女子大学. 市 立 永t LL 妃 患 教 育 七 ン タl 研 究 報 告. 同志社女子大学. 山 形 大学. 京拓市立 芸術大学. 点且文化女子短大. 梓A 大学. 大阪教育 大学. 大庭 音 楽 大 学. 'K f l t. 教育 実戦研究記 葉. r t*. ナ 群 れ ◆ M <t f *T. 福 大教育実戦 研究指事セ ンター. サ " * .千. 茨城大学 ' s ォ *. n サ >. (tR サ 叶 卑 叶. 事前富大学. U 字 私 書 塩 期 大学. 研究 記貫. ひとりひ とりを育てる. 群大町小. . ∼- 去 れ e. a t ナ. n * ォ r 阜 丁+十 ナ. 文教大学. 埼玉大学. 向・T U S. 千兼大学. B S -n ナ 甘 tI 十 阜. 東京芸術大 学 r.e t 昔 十 羊 恥 ■ 辛 l? H " t ヾ Ⅰ. 東 京 学 芸 大 学 附 ■ 学 校研 究 会. お茶 の 水 女 子 大 学. 中国. 山東 県 教 育 研 究 セ ン タ 一. 山 や 十 す BH 'V 書書. H i梨 県 教 育 研 究 lt I ン タ ー. 広 A 大学教 育学拓. 日本大学 q 阜 蝣 詛7. 蝣 A ! ' .辛. m w. 香 川大学. 洗 足学I 大学. サ n. 上壇 教育大学. J. 書山 大草. l. <:. † 1. サ ォ < ;チ. T U t C -f せ 事 、 Ⅰ. l. 四W t i 、す e サ ; n サ. > r. 高松 渡 期 大 学 聖 カ タ リ ナ女 子 短 期 大 学 ・I t. 油 H r.サ  ̄ *. u n t. t サ. 聖態学園 岐阜教育大学. i q ■t ナ. 活水女子 大学 大 分 県 立 芸a i 文 化 姓 大. 宮 崎大学. 頼 本 甘 楽a m. H UM. .辛. 大学. 宮崎女子短期 大学. *; ナ. 鹿 児島大学 Jr. 辛 I 輯 n. < ナ. 九州女子短期 大学. 大 分大学. IB *. *兵庫教育大学第4部(芸術系教育講座) **兵庫萄育大学(実技教育研究指導センター). 広A 文化女子短期大学. 1. 長■ 斉大 学 t=愛 女 手 短 期 大 学. 福 井県教 育研究所. .. +. 佐 Jr 大 学. 挿井 大学. 岐 阜 大学. 工 .) ザ ペ ト音 楽 大 学. 鳴 門教育 大学. 金沢 大学 符 井 県教 育 研 究 所 研 究 監 要. 広 A 県立女手大学 I. お 初大学. 九州 t 超 県 ↓ f? # f. '. 早. 浦 山市立女手煙朔大学. LlJ 口 芸 術 短 期 大 学. 徳島大学. 東蒋 音粂大学. 昭和音 楽大学 * ;蝣 蝣r . ォ t : † - サ * サ. '*. o * .辛. 中国原期大学 岡 LLr 大 学 相 中. 11 1." )十. 新 潟 大学 ォ*. 什サ・*. 研究 紀要. 広 島大学学 校教育学部. フ エ .) ス 女 学 院 大 学. -. 武書川女子大学. サ r . ' .辛. 国 立音楽大学. I- B T B 1 ; ナ. 信州 大学. サ n iij T .t + -w. ト兵 庫 県 立 教 育 研 究 所. 岡山大学 !. 東 京音楽大学 ォH ォ t 女Ⅰ. 神戸女学院大学. 「兵 卑 県 立 教 育 研 究 所. +巾 ( t i ll十 阜 H 十t. 玉川大学. Ill l 十. li ft 七 書 十 十 細 事 十 才. 奈良教育 大学. 武 j k 野音楽大学. -. tI 浜 国 立 大 学. 相愛大学. *f ォ! T. 兵車教育. 辞烏大学. 蝣 t' サ R. 十サ」ォ蝣 *: ナ. 兵書教育 大学. 缶★坤 卑叶脊. ォ .*. 三 重 県 揺 合教 育 セ ン タl I. 京拓教育 大学. 研 究所耗. 北 陸. 三 重 大 学 付 再 開 セ ン ター. 三重県諒 告教育セ ンタl 研究紀 要 近鼓. サ * すす. 名古座芸術大学 ド-. 三宜 大学 宮城学院女子 大学. 宮城教 育大学. 右 ,M. 愛 知 県 Tr空 前 大 学. . ヰ叫 蝣 蝣 蝣x n a t ナ. 岩手 大学. 関車. 結果,本年度は以下のような内容について取り組むこと となった。. (以 下 、 大 学 .学 鈷 名 峰 ). 弘 TW 大 学. K M. しかしながら,去る1月の兵庫県南部地震の影響によ り,アンケート調査を予定通り遂行することが不可能と なった。結果的に,われわれは計画変更を余義なくされ たのである。共同研究者による今年度当初の研究協議の. サ r サ吋q t 一. !一 】. J.

(2) ICE. ムについて,調査研究した。今回は,研究というレベル. いては, 「音楽学会」 「日本音楽教育学会」 「全日本 音楽教育研究会」 「教大協二部会」を対象とした。 ・教育雑誌については, F音楽教育研究J (音楽之友社) 『教育音楽小学版」 (音楽之友社) F教育音楽中高版』. において, 「初等音楽」の授業内容について,どういう 先行研究があるかということについて調査研究すること とした。調査の対象は,国公私立大学研究紀要(ただし,. (音楽之友社) 『音楽鑑賞教育J (音楽鐙裳研究会) 『授業づくりネットワーク』(学事出版)などである。. 小学校教員養成系大学学部) ・研究集録,音楽関係学会 誌,著書,音楽教育関係雑誌である。上記のものについ て,過去10年間の期間に限定して調査した。研究紀要に. 2データ-ベース化. ついては,本学付属図書館所蔵のものについて調査した. 研究紀要以外の出版物については,以下のとおりである。. 「初等音楽」に関する研究物(出版物)のデータ-ベー ス化にあたって,次のことに留意した。収集対象を,小 学校教育養成課程における「初等音楽」の授業内容に関. ・著書については, 『書籍総目録』 (95年版)を使用し た。. わるものであること。それも,参考となるような情報と いうことではなく,直接,授業内容そのものについて叙. ・学会誌(および,それに準ずる団体の出版物)につ. 述したものに限ることとした。. (表1参照)0. データ -ベース一覧 1谷慶郎 10梁島章子,山崎和子,鹿谷奈智子,坂井康子 音楽錠賞法試案その21 -般教育「音楽」の場合一 初等教員養成のピアノ指導についての研究 研究所報秋田大学教育学部教育研究所 京都教育大学紀要人文・社会京都教育大学 第29号64 -68頁1992年 75巻59 -84頁1989年 2中村透 教員養成大学における新しい音楽理論学習 季刊音楽教育研究音楽之友社 第29巻1号115-123頁1986年 3佐藤幹教育系大学音楽科におけるソルフェージュの役割 季刊音楽教育研究音楽之友社 第30巻4号183-191頁1987年 4佐藤幹教員養成大学音楽科におけるソルフェージュの内容 季刊音楽教育研究音楽之友社 第31巻1号142-152頁1988年 5平田公子,降矢美禰子 教員養成大学の小学校課程の授業における日本の伝統音楽の 取り扱いについて-アンケート調査の結果から季刊音楽教育研究音楽之友社 第32巻1号144-157頁1989年 6降矢美靖子,平田公子 教員着成大学小学校課程の学生の音楽の「基礎学力」および「能 力」と音楽教育の課題 季刊音楽教育研究音楽之友社 第31巻1号166-176頁1988年 7降矢美靖子,平田公子 日本の伝統的音楽へのアプローチー教員養成大学の小学校課 程の実践から一 季刊音楽教育研究音楽之友社 第33巻1号181-192頁1990年 8五味克久 保育者(教育者)に望まれる「ピアノカ」その1-ピアノ演 奏時の心身諸機能の関連について一 神戸大学教育学部紀要神戸大学教育学部 第74巻199-206頁1985年 9五味克久 保育者(教育者)に望まれる「ピアノカ」その311呆育場面 での保育者の子ども注視率神戸大学教育学部紀要 神戸大学教育学部 78巻 145-156頁1987年. 11梁島章子,山崎和子,坂井康子,松井明恵 初等教員養成のピアノ指導についての研究(2)一基礎と応 用一. 京都教育大学紀要人文・社会京都教育大学 83巻31-52頁1993年 12山本茂夫 教員養成大学初等教員養成課程における教科専門科目「音楽」 の指導に関する一考察一器楽領域を中心に∼ 上越教育大学研究紀要 第8巻第2分冊217-227頁1989年 13白石道,編 実用ピアノアルバム-幼稚固,保育園,現場教師のための龍吟社 全48頁1982年. 14稲森喜久雄,鈴木理文 先生のためのやさしいソルフェージュ1-小学校低学年向き -くミュージックサンデー教本28) 中央アート出版社 仝112頁1981年 15稲森喜久雄,鈴木理文 先生のためのやさしいピアノ伴奏法2 中央アート出版社 16. 音楽科における教科と授業構成 34巻1. 愛知教育大学研究報告 -17頁1985年. 17枚中久義,土屋公平 教員養成課程における伴奏付けの指導法 金沢大学教育学部紀要 44巻. 29 -47頁1 994年. 18大月玄,他7名 教員養成大学音楽専攻学生の音楽学習歴と書き取り能力との 相関関係 三重大学研究紀要 45巻 31 -44頁1994年.

(3) 165. 本学における「初等音楽」のカリキュラム改善に関する試み(2). 19八木正一 音楽科における教材と授業構成に関する一考察 愛知教育大学研究報告,芸術.保健・体育・家政・技術科学編 34巻1 -18頁1985年. 21森きみえ 音楽教育に関する一考察∼初等教員養成を中心に一 愛媛大学教育学部紀要第1部教育科学 3鋭115-124頁1991年. 20岩崎洋一,後藤薫 教員養成大学における音楽科教育の授業内容に関する一考察 -ピアノ簡易伴奏習得過程を中心に∼ 福岡教育大学紀要第5分冊芸術・保健体育・家政科編. 22稲田浩 小学校音楽科教育歌唱共通教材の指導法研究 群馬大学教育学部紀要芸術・技術・体育・生活科学編 4α 253 -284頁1 989年. 135-148頁1989年. 38. データ-ベース化により,次のような諸点が浮き彫り にされた。 ①数がきわめて少ない。. 前節において提示した,データ-ベース化の範囲に比 べ,情報量はきわめて少なかった。われわれは,データの収集作業にあたり,次のような書式で統一することに した。以下は,その調査用紙である。. 音楽教官有志による共同研究. M.'rill正. 「本学における初等音楽のカリキュラム改善に関する試み」 -先行研究デークーベース作成用資料-. 記入年月日. 記入者名. 〔この用紙に記載する情報は、必ず、 1件につき1枚使用すること、ただし、掲載誌に 情報が無い、ということも記録すること〕. 1、論文・著書名(無い場合は、無し、と記入) 「. 2、大学紀要名、発行所(機関)名 A(. 「. 3、発行年(西暦) 年、第巻、第分冊、 (Vol. 、 Ser.. 1、著者名 「. 5、ページ数 p・. ∼p・. 6、内容を代表する基本ターム(5個まで).

(4) 166. 何百枚という調査用紙が集められた。しかし,それら のほとんどは, 「無し」と記載されているのである。 「無 し」という情報も,もちろん重要である。大学の研究者. 受講するのは「初等音楽I」のみである。 「初等音楽I」 は,幼児教育専修の学生のみ必修科目となっている。つ まり, 「初等音楽I」は小学校教員1種免許状のための,. が,いかに自らの授業内容について,それを研究対象と して捉えていないか,ということの裏付けとなったかの ようである。. 「初等音楽Ⅱ」は,幼稚園教員1種免許状を取得するた めの必修科目なのである。したがって,両科目の講義内 容の継続性は,現実的な意味において,希薄であるとい. (参単著が,そのほとんどであるo 昨年度の他大学のカリキュラムの状況をみても,かな りの大学において,複数教官により「初等音楽」は運営 されている。それにもかかわらず,共同研究が少ないと いうのは予想外の結果であった。大学音楽教室における. MaR. 教官の共同研究体制の成立の難しさを垣間見る思いであ る。 ③器楽,なかでも鍵盤指導(学習)に関するものが多 い。. 入学後にピアノを始める学生が多く存在する小学校教 員養成課程にとって,このことは当然の結果といえよう。 就職後の授業において,あるいはそれ以前の,採用試験 においてピアノは必須事項である。 ④ピアノ以外の嶺城に関するものが希薄である。 ピアノを「初等音楽」の授業内容の中心に位置付ける ことには,異論のないところである。ピアノ以外の声楽・ ソルフェージュに関する研究物は,若干存在するようで ある。しかし,その他の領域のものは,極めて少ないと いえる。たとえば,ピアノ以外の楽器の領域,あるいは 音楽学,なかでも昨今流行の民族音楽の分野についての 研究が存在しても不思議ではないはずである。もちろん, 日本音楽についてはいうまでもないことである。 Ⅱ先行研究について,各専門領域からの検討と提言 本節において,先行研究(その他の補足資料)をもと に,次の専門頚城からの検討と提言を試みるものである。 1声楽領域からの検討と提言 2ソルフェージュ領域からの検討と提言 3器楽(管楽器)領域からの検討と提言 4器楽(鍵盤)領域からの検討と提言 1声楽領域からの検討と提言 本節では,声楽の立場から「初等音楽」に関する他大 学の状況と本学との比較検討を行い,将来の本学の初等 音楽における声楽の関わり方について考察を行うもので mm 1)本学の初等音楽の授業内容と問題点 (1)初等音楽の概要 本学の授業科目としての初等音楽には, 「初等音楽I」 と「初等音楽I」がある。必修科目として学部生全員が. (2)授業の目標と形態について 「初等音楽I」の授業の目標は, 「鍵盤楽器を中心と しながら,音楽に関する基礎知識はもとより,音楽の実 技能力全般について学習し,初等教員に必要な基礎的音 楽教養を身につけること。」とある。(注1)授業の形態に ついては,昨年度の紀要において紹介ずみなので割愛す る。(注2). 「初等音楽Ⅲ」の授業の目標は, 〔「初等音楽I」を継 承して,初等音楽に関わる知識理解と技能能力を一層深 め,簡易伴奏の編曲・演奏ができ,弾き歌いの方法を体 得すること。〕とある。(注3)授業の内容は,幼稚園1種 免許状の取得のために必修科目として履修している幼児 教育専修の2年生を中心に,選択必修として履修してい る他系の学生(本年度は約70人の学生)を, 4人の教官 が輪番により, 2コマ(75分×2)の授業を3回ずつ, 計12回の1学期閏,歌唱,鍵盤実技,鑑賞,楽典等の授 業を行っている。 (3)問題点について 前述のように,声楽の指導は「初等音楽Ⅱ」の授業の 中で, 2コマ(75分×2)の授業がわずか3回あるのみ である。この時間数の中で,調性に関する音楽理論的学 習・移動ドの読譜指導・歌唱指導(幼稚園の免許状を取 得するための必修科目ということもあり,とくに身体表 現を伴った歌唱指導)を行っている。この授業時間の少 なさも問題であるが,大問題なのは,この選択必修科目 で, 70名前後の学生が受講する「初等音楽Ⅱ」にしか声 楽指導がなく,第1学年の学生全員が受講する「初等音 楽I」においては,声楽が全く関与していないという事 実である。 授業の目標では, 「鍵盤楽器を中心としながら,音楽 に関する基礎知識はもとより,音楽の実技能力全般につ いて学習し,初等教員に必要な基礎的音楽教養を身につ けること。」とある。 1人に換算すれば, 5分程度のレッ スンがわずか20回の授業では,バイエル終了程度の技術 を身につけさせることだけでも大変なことである。とて も実技能力全般について学習することなど時間的に及ば ないことであろう。しかしながら,歌唱は小学校の音楽 の授業においてその根幹をなすものであり,各都道府県 の教員採用試験における実技試験の内容をみても,大半 の都道府県で弾き歌い,または歌唱試験が実施されてお り,いかに歌唱が重視されているかが分かる。(注4)した.

(5) 167. 本学における「初等音楽」のカリキュラム改善に関する試み(2). 表2. がって, 「初等音楽I」の授業においてピアノとともに 声楽(歌唱)指導も行われるようなカリキュラムの編成 を早急におこなうべきであると考える。 この限られた時間しかない実技指導をサポートするシ. 分頴愛.'I靭間年次大学名授業の概要 .11前・後期3福岡教育発声.ソルフェージュ.歌曲の指導.弾き軟いを の通年大学最終目標とする. (ピアノは2年次の1年間. ). ステムとして,本学においては,実技センターの直接的・ 間接的(自動ピアノ演奏システムによる自学自習)指導 と,年に4回のグレードテストがある。過去のグレード. l香川大学ソルフェージュ(楽典)と伴奏に合わせた歌唱指 導. (ピアノは2年次の1年間. ) 入声fflOH藍. I'll叫r)辛 期. テスト〔ピアノとソルフェージュ(歌唱)〕の結果を見 てみると,もともと少なかったソルフェージュ(歌唱). 田62353ヨEHロVkmlM昭L1 -BZffilHKaSiJE呂 る.ソルフェージュ(帽名唱)と. tI音.. の受験生が平成元年から激減し,昨年ではほとんど0 % になっている。(注5)これは, ① 「初等音楽I」に声楽が. 2滋賀大学声菜とビ7ノのグループに分け.半期ずつ受讃す る.発声法.コ-ルユープンケン<3-5度). JE2屈Iaio日田EE3甘EaimJ. ないことで,学生に声楽の必要認識度が薄い。 ②平成元 年からピアノのグレード試験と「初等音楽I」の単位が. 2岐阜大学fPl人指導. (荊学閥はピアノ).枚学期は弾き歌 いが出来ることを目は.. 連動された。 (実技センターのグレードテストでグレー. I W*B立前m.歌唱. -V*-カルアンサン1ルtT)叫ft. 大学. ドC以上を取得しないと, 「初等音楽I」の単位が与え られない。)というこの2点に起因していると考えられ. 2岩手大学声禁とピアノのグループに分け.半籾ずつ受講す る. a体授業で.発声.移出ド唱法.歌唱教材を 指導.合唱が出来ることが目標. (ピアノは個人 レッスン.軸単な伴奏.絹曲が目臥l. iMu flU.'J aKEl. る。つまり, 「初等音楽I」の単位と連動されたピアノ に関するグレード試験は,ますます学生の必要認識度が. )蘭山大学事前にビ7ノのは験調査を行い.クラス分けをす る.一学生の個々の能力に応じて小学校の教材を中 心としたr弾き歌い」を行う.併せて視唱棟習. EES劉Kim月amm匝部UIZLVt 3東京学芸 *・. いくつかのクラスに受iJ生を分け.歌唱.ビア ^^BTrF^^H鞄ama要如httl*i埼na零は 各社官の独立にまかせられる.. 2茨城大一宇 ^BTWSE I th糾人ノr I Iflf大草. いくつかのクラスに受:A生を掘り分け,歌唱・ ピアノ.ソルフェージュ・青菜理論等を学ぶ. mfiMimjEim凹W面HE3吊に浩vam部H9. 「上郡aii 大学. 洗渦・歌唱・合唱・弾き歌い. (ォ>・.;.楽典.リ コ-ダ一・台費・指揮・ピアノ発表会を行う.撹 業時間外に行う実技センターによるピアノとソル 5ES鞄mal百巴頃割田maam. 音楽I」へのカリキュラム化と共に,ソルフェージュ(敬. こ-. HJ乾鞭甘 入学. グループレッスンにより.声糞・嘗糞・糞典を学 GP. 唱)のグレードテストとの単位の連動の必要性を強く感 じるのである。. 日余間mil 大学. ピアノのグレ-ドにより.弾き軟いに移行. (ソ ルフエーエージユは大グループ.ピ7ノは学習程 EKE賀田HiajB凶D^EH. <SH 玩 胡. I 1鳩戸教育 大等. 発声温ソルフェージュ.声楽曲. (他に楽譜の 基確. til作.音楽史.ピアノ溝美技・形式.合唱 日間翫W ETTIEiがM^s3;aMI石製H3ii3宅ダニ によるピアノとソルフェージュの指導と認定があ る.). 91. w&m. 声菜はない.バイエル教則本を使い.洗軌こつな. 高まる。一方,カリキュラムにもなく,単位とも関係の ないソルフェージュ(歌唱)は,必要認識度がますます 低まり,このような結果になったと考えられるのである。. H- W卜絶Ill 'ttESM昭 "II. 実技センターでは,教員採用の1次試験に受かった学 生を集め,ピアノ実技指導と共にこの特に欠けている声. 前胡のみ. 楽とソルフェージュの指導を行っている。しかし,短期 間の指導で身に付くわけはなく,声楽(歌唱)の「初等. それでは,他の大学において「初等音楽I」にあたる 科目が,どのようなカリキュラムで行われているのであ ろうか。特に声楽(歌唱)について調べ,本学の「初等. 音楽」における声楽の関わり方の参考としたい。 E 2)他大学の状況 全国の教員養成系の国立大学・教育学部の教務課に科 目名・履修年次・期間・授業時間・単位・受講数・教官 数・テキスト・授業内容についてアンケートを取り, 20 の大学から回答を得た。その結果,本学と同じように, ピアノを中心とした指導をしているのは2校であり,他 の18校は,ピアノとともに声楽(歌唱)の指導を行って いることが分かった。下記の表(表2参照)は,各大学 の声楽の授業の概要をまとめたものである。初等音楽の 授業科目としての開講ではなく,声楽の受講期間により, 声楽のみ独立して授業が開講されている大学を, Ai A2(前・後期の内の半期);独立せず,ピアノ,ソルフェー ジュ等ともに,総合的に学習するよう開講されている大 学を, Bi通年), B2 (前こ後期の内の半期), c (前期), D (2学期), E (なし)に分類した(A2, B2. (釧路投)がる暑莞理論を学習し.鍵盤禁等の基礎的技能を EKES岨wxtftim甜in: 2和歌山大声菜はない.鍵盤楽器(ピアノ)清奏の基礎およ 玩凪WfE人垣サ. S?)ォ」. 9サcr>m<D・ 乱悶MWIMl土前q.. も開講の期間としては,通年である。) 3)本学の初等音楽における声楽の関わり方について 初等音楽における声楽の必要性は,他大学の状況をみ てもあきらかである。ピアノは,音楽授業の指導ベース として確かに必要なものである。しかし,小学校におけ る音楽教育は歌唱活動が中心となると考える。つまり, その歌唱活動を支えるものとしてピアノが必要なのであ る。結論をいうなら,初等音楽の基本的な最終目標は, 「音楽の基礎的技能(バイエルを弾くことよりも,小学 校の歌唱教材が伴奏できること,できれば弾き歌いでき ること)を習得しながら基礎的な音楽理論を学ぶことに.

(6) 168. ある。」と考える。 (基本的と言ったのは,リコーダー・ 合唱・合奏・指揮・作曲・編曲等,時間があれば学ばな ければならない音楽的基礎技能・理論が他に多くあるか らである。) 前述のように,本学ではバイエルを元にした大学ピア ノ教本等をテキストとして,実技センターとも協力しあ い,バイエル終了程度の技術が身につくように指導が行 われている。しかし,バイエル終了程度の技術では,小 学校の歌唱教材とはいえ実際に伴奏出来るのは数曲であ ろう。まして弾き歌いとなると,さらにむずかしくなる であろう。余裕を持ってしっかり歌うためには,当然の ことながら伴奏に余裕がなければならない。伴奏に余裕 を持たせる為には平易な伴奏が必要である。それには, コードネームによる伴奏が最適であると考える。 最後に,声楽の指導内容について。まず発声に関して, ピアノにかき消されるような声では困る。よく共鳴し, よく通る声を得るために,一定期間継続システム化した ①発声指導が必要である。次に,正しい音程で歌えるよ. て学習する学生が多数をしめている。小・中(又は高等) 学校の音楽の授業で,音楽全般の基礎学習は終えている はずであるが,例えば,未だに楽符が読めない・拍子が とれない等の学生が少なくない。そのような受講者に, 楽典指導もおりまぜながら, 1人当たり5分余りで,約 20回の指導によって,ようやく,バイエル修了程度のレ ベルに引き上げていくのである。 このように, 1年次では,ピアノを弾くことに慣れる だけで精一杯なのである。無論,声楽に関する指導は, 行われていないのが,現状である。 2)初等音楽Ⅱの授業実態 初等音楽Iの授業時間配分は, 4人の教官で, 2限続 きの10週であるが,ここでは,筆者が担当する3週6限 の授業内容を示し, "弾き歌い"における学生の能力に ついて考える。. うに, ②墜坦の訓練を行い,さらに,移動ドによる③埋 里の訓練を行う。そして,歌詞の内容を理解し,音楽的 にどの様に表現されているか,音楽全体の構成と曲想を. 初等音楽IIは, 2年次の必修科目ではないが,一応ピ アノ.を弾くことができる,ということを前提に,約70名 を1クラスとして, "弾き歌い"演習の足掛かりになれ ばという目的から授業を進めている。 具体的には,ある旋律を与え,それに学生自身に伴奏. 感じ表現する④昼型へと移行し,最終的な目標である⑤ 弾き歌い-と導きたい。テキストは,小学校の歌唱教材 を(歌と伴奏の両面から,特に技術面における難易度に より)グレード化したものを使用すればよいと考える。 授業の形態は, 200人前後の受講者と教官数,そして授 業内容を考え合わせると,受講者を2分割したグループ. 譜と歌詞を付けさせ,出来上がった作品を弾き歌いする という内容である。 (課題自体は, Cdur.4/4, 4/ト節 の極簡単なものであることを付け加えておく。) 授業の進行は,次の通りである。 第1週:和音進行・伴奏付けの方法についての講義。 第2過:学生が創作してきた作品に対するアドバイス. レッスンがよいと考える。履修期間等については,他の 音楽科目との関連もあり,今後の検討事項としたい。. と実際に弾き歌い演習の実技指導をユ人ずつ 行う。 第3過:その結果を試験。 和声の成り立ちなど初めて耳にする学生にとって,何. 2ソルフェージュ領域からの検討と提言 教員養成系大学に席をおく大学生にとって,将来,敬 育現場に立った時に,どのような音楽教育が最も有効な 方法であろうか。 ピアノ実技は,音楽全般を学んでいく上において,又 教師が音楽の授業を行う場合にも,そして,差し当たっ ての教員採用試験の対策としても,かならず習得してお かねばならない能力である。そのため,どの大学におい ても授業として実施している。しかし"弾き歌い"を授 業として確立している大学は,今回の先行研究において も明らかなように,まだまだ少ないようであるO "弾き歌い"とは,ピアノ伴奏をしながら,旋律を歌 う作業である。初等音楽I, Iの授業実態を踏まえなが ら,どのような形で導入していくことが適切かを考察し てみる。. 1)初等音楽Iの授業実態 初等音楽Iの実技授業においては,ピアノ実技を初め. とか弾くことの可能な簡易伴奏を,短時間で習得する熱 心な姿勢は,目を見張るものがある。それどころか,そ れを弾けない学生が,ほとんどいないという状況は,弾 き歌い演習導入を希望している立場の側にとっては,誠 に頼もしいものといえよう。 3)山口大学教育学部音楽講座における"弾き歌い" 指導の導入を見て 今回の先行研究を進める中,筆者が最も目をひいたの は,池上ら(1993. 3)の「初等科専門"音楽"の教育 内容の改善に向けて」である。(注6)その中の,平成4年 初等 音楽 I ガ イダ ンス ピ アノ実技 歌 唱実 技 試 験 予 備. (前 期 ) 1 7 5 1 1. 週 過 週 週 過. 初等 音楽 Ⅱ (後期 ) 理論 . 創 作 錦城 3週 指揮 と器楽 合奏 2過 鑑賞 領 域 8週 試 験 1週 予 備 1週 litTl.

(7) 本学における「初等音楽」のカリキュラム改善に関する試み(2). 度の年間授業計画を考察してみる。 上図のカリキュラムの対象は2年次で,前・後期制の ため,前期15回を実技に充てている。ピアノ実技が7回 しか行われていないが,充分であるかどうかは疑問であ る。しかし,歌唱実技が全員に行き渡ることは望ましい ことであろう。また,ピアノ学習経験者に対しては,逮 択で,弾き歌い演習を実施していることは,画期的なこ とであると思える。(注8) また,授業時間の多少は別として,他の領域において ち,全員が受講できることは,初等教員養成課程として は,適切なカリキュラムであると思われる。 以上のことから,本学においての指導体制を考えてみ ると,ピアノ実技以外の頚城におけるカリキュラムを検 討していく必要は,多いにあると思われる。特に,弾き 歌い演習に関しては,歌唱指導も確立して行いながら, 総合的な指導体制を考えて行くべきであろう。現在,そ の苦肉の策として, 3年次の教材研究において,小学校 共通歌唱教材(4年)の弾き歌いとリコーダーの実 技指導を行っているものである。しかし,カリキュラム の都合上,授業時間数と担当教官の不足により,受講者 全員が実技指導を受けられないのが現状である。 4)本学におけるカリキュラムの見直しについて 前述のようなことを踏まえながら,本学における初等 音楽I ・ Iの改善策を考えてみる。 (1)初等音楽IとIを一貫指導体制にする。 (2)初等音楽Iに関しては,バイエル修了程度の能力 の学生に対して,歌唱指導を進めていく。その際, 学生同志で伴奏を行う。 (3)初等音楽[では,学生1人1人のレベルに即して 本格的に弾き歌い演習を行う。歌唱指導を受講し ていない学生は,並行して行う。 (4) (3)の試験として,実技センターが実施しているグ レードテスト(ソルフェージュ)とタイアップさ せる。 3器楽(管楽器)領域からの検討と提言 全国約4割の小学校に,管楽器が導入されているとい う。教科としての音楽授業や必修クラブ,教科外の部活 動・音楽集会,さらには入学式や運動会をはじめとする. 169. 礎的な知識は不可欠のものであるといえるのである。 しかしながら,全国の教員養成系大学の一般学生向け 教育課程を見てみると,まったくと言っていいほど管楽 器に関する授業内容は開講されていないのである。もち ろん,本学においても,その状況は同様である。 「初等 音楽I」は, 75分の授業時間の年間2学期間である。つ まり, 75分×20回の授業時数で,はたして管楽器指導に 関する授業内容を組み入れることが可能であろうか? はっきり言って,かなり厳しい状況にあるといえる。し かしながら,本学の「初等音楽」のカリキュラム構成か ら考慮して,逆に本学ならではのセッティングの可能性 も存在しているのである。 (「初等音楽Ⅱ」も同じ時間数 である)そこで,器楽額域(管楽器)からのささやかな どジョンを,ここに提示してみることとする。 まず,実技センターによる鍵盤楽器のグレードC取得 者を対象として, 3回程度の管楽器指導に関する授業内 容を提案するものである。 第1回器楽活動の意義と目的 ・小学校における器楽活動の現状 ・小学校における器楽活動の意義と目的 ・管楽器活動の楽しさと魅力 第2回管楽器の奏法 ・管楽器のさまざまな種類 ・管楽器の発音の原理 ・管楽器奏法の基本 第3回管楽器の基礎指導法 ・現状と問題点 ・教材とテキスト ・管楽器の基礎指導法の具体例 前述のとおり,本学の「初等音楽I」において,鍵盤 楽器のグレードC取得者を対象に講義がなされている。 この講義は, 2学期間を通して行われているものである。 その間の3回程度,こうした小学校における管楽器活動 (指導)についての講義および実習の時間を設けること は不可能なことではなく,むしろ必要不可欠と考えるも のである。これからわれわれが取り組もうとしている, カリキュラムの改編とテキスト作りの作業において,育 効な位置を占めるであろうことは確信の持てるところで ある。. さまざまな学校行事などにおいて,管楽器は活用されて いるのである。. 4器楽(鍵盤)額域からの検討と提言 本学の「初等音楽I」では,主にピアノ実技を指導し. 兵庫県下を肺撤して見ても,東の阪神地区から,東播・ 西播,さらには全但・淡路地区に至るまで,くまなく管 楽器は導入され活動が展開されている状況である。 兵庫県下の出身学生が圧倒的な多数を占めている本学. ている。テキストの「大学ピアノ教本」から,数十曲を ピックアップして順にひかせ, 2学期のおわりには,バ イエル後半の曲を演奏できるレベルに到達することを, 目標としている。たしかに,最初はドの位置もわからな かったような学生が, 2学期でバイエル88番あたりをひ くようになるのであるから,授業の能率のよさ,学生の. の入学状況を考えるとき,将来,県下の小学校に就職を 希望するであろう学生にとって,管楽器指導に関する基.

(8) 170. 努力には評価すべきものがある。しかしこの「バイエル がひけた」という経験が,将来,学校で音楽の授業を担 う若者にとって,どれほどの力になるのであろうか。た しかに2学期間のピアノのレッスンにより,音楽の美し さを感じたり,やればできるのだという自信をもつ者も いるであろう。しかしたいていは単位のため,義務感か ら練習しているにすぎないのではないであろうか。初等 音楽の授業とは,専門的なピアノ練習の初歩の段階を単 になぞるだけでは,意味がない。短い期間の中で,学生 のもっている音楽的な資質をできるかぎりひきだし,自 発的に音楽に参加させ,そして音楽することの喜びを味 わわせるものでなければならない。音楽をほんとうに愛 する教師でなければ,子供たちに音楽のすばらしさを伝 えられるはずがないからである。私は2年あまり初等音 楽を担当し,真撃な学生たちと毎週楽しくレッスンをし ながらも,彼らにもっとたくさんの音楽的な経験をさせ られないものだろうかと考えてきた。教員養成系大学の 小学校課程「音楽」の授業内容については,各大学で10 数年前から,様々な試みがなされ,教材もつくられてき ている。しかし現状は,まだ大半の大学で旧態依然とバ イエルをテキストにして,ピアノのレッスンがおこなわ れるのみである。そこで本学でもこの機会に,旧来の教 則本を使ったレッスン形式の授業をあらため,小学校教 員に求められる音楽的資質とは,という視点に立って, 大幅なカリキュラム改革をするべきと考える。改革にあ たり,ピアノの立場からとくに提言したいことは,以下 の4つである。 ①ピアノ実技は, 「教材曲に伴奏付けをする力を養う」 ことを最も重視すべきである。そのために既存のバイエ ルを利用して,和音と伴奏形を学ばせることよりも,学 生に自分の好きな学校教材曲を選ばせて,片手でメロ ディーをひくことからはじめ,それに伴奏を付ける,移 調してひくなど,できるだけ実際に即した形ですすめる ほうが効果的である。メロディーと伴奏を連弾すること ち,楽しい方法である。もちろんその中で,奏法の基礎 (姿勢,指の形,タッチなど)や,音色に対する感覚も 指導するが,専門的にならず,悪いところを矯正するこ とにとどめる。 ②声楽実技が「初等音楽I」のみにしかない,という のは改善に急を要する大問題である。 「うたう」という. (彰教員採用試験に,現在はバイエルやブルクミュラー が課せられているので,それらを学ぶことは避けてとお れない。しかし先に述べたピアノ実技で,かなりのレベ ルの読譜力,楽曲構造の理解力,運指の技術などを養う ことができれば,今使っている「大学ピアノ教本」 (バ イエル)は,ある程度,学生の自習にまかせることがで きる。本学には,実技教育研究センターというすばらし い機関がある。学生がいつでも自学自習できるピアノプ レイヤーシステムを整えている。現在,センターが課す グレードテストと「初等音楽I」の単位が連動している せいか,グレードテストのために授業がある,という感 をぬぐえない。そうではなくて,授業外または履修後に ち,学生が進んで実技力を高めるため,センターを活用 するようになれば理想的である。 ④カリキュラムは,声楽,ピアノ以外,多岐におよぶ と思われるが,いずれも専門的な技術・知識をおしつけ る内容ではなく,学生が自発的に授業に参加し,それを 楽しいと感じ,そこからより深く音楽を知りたいという 欲求をもつような内容でなくてはならない。 以上の4項目をふまえながら,では実際にカリキュラ ムにもりこむ内容はどんなものか,以下にあげてみる。 ・基本的な楽典を理解する。 ・歌をうたうことができる。 (アンサンブルをとりい れる。) ・ピアノで伴奏付けができる。( * ) ・楽譜が自由に読め,書ける。 (聴音,採譜の訓練) ・リコーダー,ギターなどが演奏できる。 ・簡単な指揮ができる。 ・簡単な創作ができる。 ・さまざまな時代,民族の音楽にふれ,興味をもち, 音楽とはなにかを考える。 これらの項目のどこに重点を置くか,時間配分は,クラ スの形態は, 「初等音楽I」との関連は,などは今後の 検討課題である。とにかく以上の項目は,教師として必 要最低限身につけておかねばならないことである。学生 たちが短い期間のなかで,能率よく総合的な音楽力をつ け,また自主的な活動により創造的な音楽力を育めるよ うな,本学独自のカリキュラム及び教材をあみだすこと こそ,われわれ初等音楽に関わる者たちの急務であると 考える。. ことは,音楽の根源的な形であって,ピアノをひく前に 始めてもよいことである。ぜひ1年目にとりいれるべき. m ans. である。内容については専門外なので詳述できないが,. 地震の影響により,研究の方向を変更せざるをえな かった本研究も,何とか形にすることができた。昨年度 は, 4名の共同研究者によりスタートした本研究であっ た。今年度は, 4名の強力なスタッフを加えることがで. これも学校の授業において,児童生徒たちから声を引き. ●. 出すことのできるテクニックを身につけるものであって ほしい。また,ピアノ実技と授業をひとつにして,歌い 手と伴奏者,合唱と指導者などの形を経験させることも できる。. きた。昨年度の紀要の「おわりに」の中に,次のような 叙述がある。 「今回は,われわれ4名による共同作業と.

(9) 本学における「初等音楽」のカリキュラム改善に関する試み(2). いうことになってしまった。 (中略)今後,この共同研 究を進めるにあたって, r初等音楽Jに関わる多くの教 官が,参画されんことを望むものである。」(注9)今回, 「初等音楽」に関わる教授を除くすべての教官が参画し たことになる。このことは,われわれにとって,なによ り意義深いことである。博士課程構想が,いよいよ実現 の兆しを見せ始めたこの時期を考えるとき,そのことは, とりわけ特筆に値することであるといえる。 本小論を作成するにあたり,それぞれの立場で全員が 協力してあたったことは,当然のことである。その作業 分担は,以下のとおりである。「はじめに」と「おわりに」 を竹内が担当した。 「データ-ベース化」のための情報 収集は,以下のように分担した(下の表を参照)0 「データ-ベース化」のための情報の整理と作成には, 草野と小泉が担当した。 「I先行研究について,各専門 領域からの検討と提言」の「1.声楽頚城からの検討と. 171. 山が, 「3.器楽(管楽器)錦城から」は藤井が, 「4. 器楽(鍵盤)額域から」は木下が,それぞれ担当した。 注 (注1 ) r兵庫教育大学学校教育学部授業計画』平成7年度版, p.68. (注2) 「本学における初等音楽のカリキュラム改善に関す る試み(1)」 『兵庫教育大学研究紀要』第15巻第 2分冊, 1995年p.137・138 (注3)前掲資料(注1) p.69 (注4)前掲資料(注2) p.147 (注5 ) 「実技教育研究指導センター活動報告(1)音楽分野」 r実 技教育研究』第2号- 9号, 1988年-1995年 (注6)池上敏也著「初等科専門"音楽"の教育内容の改善 に向けて」 F山口大学教育学部付属教育実践研究指導 センター研究紀要』第4号, 1993年3月 (注7)前掲書(注6) p.79 (注8)前掲書(往6) p.81 (注9)前掲書(注2) p.148. 提言」は保坂が, 「2.ソルフェージュ領域から」は新. 作. 研究紀要 (国公私立大). 著書 (書籍総 目録 による). 学会 (それに準ず る団体). 雑誌. 業. 内 容 北海道 . 東北 関東 甲信越 東海 .北陸 近故 中国 . 四国 九州 あ .か さ.た な .は ま.や ら.わ 音楽学会 日本音楽教育学会 全 日本音楽教育研究会 教大協二部会資料 音楽教育研究 (音楽之友社) 教育音楽小学版 ( 〟 ) 教育音楽中高版 * 音楽鑑賞教育 (音楽鑑賞研究会) 授業づ くりネットワーク (学事出版). 著書 については, 入手可能な ものすべて0 その他は, 過去10 カ年分 を調査す る0. 担 竹 長 草 保 木 新 藤 草 保 新 木 藤 長 竹 木 草 木 新 保 藤 竹. 当 者 内 尾 野 坂 下 山 井 野 坂 山 下 井 尾 内 下 野 下 山 坂 井 内.

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