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養護教諭のパーソナリティと心理的ケアに関する意識-エゴグラム(TEGⅡ)を用いた調査より-

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Academic year: 2021

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(1)養護教諭のパーソナリティと心理的ケアに関する意識     一エコグラム(T EG lI)を用いた調査より一.                   学校教育学専攻 臨床心理学コース.                       M06135E  羽田 美知子 はじめに.   ③保健室でおこなう校内スタッフとの連携、.  学校教育法は養護教諭の職務内容を、r養護教.    や心理的ケアを必要とする場面や状況. 諭は児童生徒の養護をつかさどる」と規定してい.   ④現在おこなっている対応方法について. る(28条第7項)。養護教諭は学校現場で、生徒.   ⑤養護教諭の行なう「心理的配慮」. に対する「心理的ケア」を担うことを求められて.   ⑥身体的主訴から心理的問題の気づき. いるわけだが、その際にはまず、対象生徒の訴え.   ⑦「性の問題(妊娠、性行為等)への気づき」. に対する共感的理解から始まることが多い。そこ.   ⑧「薬物乱用問題への気づき」. での判断は、養護教諭のパーソナリティ特性と何. 4)結果と考察. らかの関連があるのではないかと考えられる。.  養護教諭が生徒への「心理的ケア」をおこなう.  そこで本研究では、養護教諭の属性、勤務環境,. 際に協力を求める校内スタッフとの連携では連. 勤務態様、それにパーソナリティー等が心理的ケ. 携が上手くいかない理由としてr多1亡」と答えて. アの実践にどのような影響を与えているのかを. いる者が多かった。その中でも特に学級担任との. 質問紙を通じて実証的に把握し、以って養護教諭. 連携では、連携できていると答えた者は3割5分. が学校におけるて養護教諭が学校における心理. あり、「学級担任としての力量不足」がその理由. 的ケアのよりより有効な担い手となることに資. としてあげられていた。また管理職との連携の自. することを目指した。. 由記述でr管理職次第で変わる」等の意見があり、. 〈予備言周査〉. 管理職のリーダーシップに期待を求める意見が. 1)目的. あった。授業を受け持っている養護教諭から「専.  本調査に向けての質問項目を作成するために. 門的な立場から授業をすることで生徒は興味を. 日常的にケアを求めて保健室を訪ねて来る生徒. 持って授業を受けることができる」と言う意見が. への対応の在り方や他職種との連携の実態等に. 自由記述からあり、また養護教論が授業をしてい. ついて養護教諭の意見を収集することとした。. る際、保健室は誰が見るのかという不安があった。. 2)対象. 身体的訴えから心理的問題があると気がついた.  A県内の高等学校に勤務し学校保健会の会員. 時の主訴として1位腹痛、2位頭痛、3位吐き気. である養護教諭を対象とした。. 嘔吐の順であった。. 3)方法.  また、「生理がこない」「膀胱炎の疑い」「性器.  質問紙法を採用し、調査用紙を対象者40人に. の痛み」といった身体的主訴から「性の問題(妊. 郵送し、35人(87.5%)から回答を得た。. 娠、性行為等)」が気づかれ、「会話が成り立たな. 4)質問紙の構成. い」「顔色や肌つやが悪い」等の訴えから「薬物.   ①学校規模と養護教諭の勤務態応について. 乱用問題」が気づかれていた。.   ②養護教諭が行う授業について. 一114一.

(2) 〈本調査〉. 始まっていると思われる。. 1)目的.  T E G皿では、N P優位型が最も多く回答者の.  本調査では、予備調査の結果を踏まえ、養護教. 20.3%を占めた。N P(Nurturing Parent). 諭自身のパーソナリィ特性が他職種の方々と連. のタイプの特徴は養育的な親の態度を示してお. 携を図るために「対人関係の在り方」や「生徒へ. り、いわば母親的親であるとされており、今回の. の対応の在り方」はどのような関係があるのかを. 調査対象の大きな特徴であると考えられた。また、. 考察することを目的とする。. 心理的ケアヘの積極性は高いN P得点の他、高い. 2)対象. F C得点、低いAC得点と関連していた。.  A県・B県の高等学校に勤務し学校保健会の会. まとめ. 員である養護教諭を対象とした。.  今回の調査結果から、養護教諭の意識と執務内. 3)方法. 容は、さまざまな外的条件一学校規模や校種とい.  予備調査と同様に質問紙法を採用した。対象者、. った勤務校の属性や個々の養護教諭をとりまく. 720人に対し質問紙とTEG皿を同封して郵送し、. 勤務環境等々一と養護教諭のパーソナリティ特. 回答用紙を郵送で回収することとした。322人. 性等から他職種との連携の在り方において種々. (44.3%)から回答を得た。. の影響を受けていることが判明した。このことか. 4)結果と考察. ら個々の養護教諭にとって、それぞれの勤務環境.  他職種との連携やトラブル等は予備調査と類. や勤務条件は異なろうとも各自がエコグラムを. 概した質問項目を本調査でも行った。その結果、. 通して、自己の特性や陥りやすい傾向について自. 生徒の在籍者総数小規模の学校に勤務する養護. 覚を深め、自己修正を図ることにより自律的な姿. 教諭や経験豊富な養護教諭は「トラブルを起こし. 勢で職務を遂行していくことに繋げていけるも. たことがある相手」として「管理職「部顧問」「ス. のと考えられる。これらを総合して考察すると養. クールカウンセラー」と答えており、意見の対立. 護教諭は心理的ケアを求める子どもに対し、学校. はこどもを守る意味でもしばしぱおこってくる. という社会集団の中で受け入れていくことはあ. ことであり立場の違うものからの意見を養護教. る意味、心理療法でいう転移・逆転移ということ. 諭自身の成長に繋げていくことが必要であると. も念頭におきながら心理的ケアを行う必要があ. 思われる。. る。以上考察してきたが、今回の調査結果は総体.  小規模校に勤務する養護教諭は大規模校に勤. 的にN Pの高い養護教諭が多かった。N Pの高い. 務する養護教諭よりも応急処置等の研修を受け. 者は一般的に人に対して親切で思いやりを持っ. る機会が多く、知識や技法も良く活用できおり、. た者が多いと言われている。このことから調査に. 比較的養護教諭が執務をしやすい環境として整. 協力的な養護教諭が多かったことが想定される. っていることが考えられる。養護教諭の行うケア. 為、N Pの高い養護教諭は心理的ケアの力量が高. は体の訴えを通しその奥にある心理を理解する」. いと結論づけるのは早計であると考えられる。. 等の意見が自由記述からあり、養護教諭が「心理 的ケア」の必要性を判断する場合は、対象生徒の. 主任指導教員:岩井 圭司. 訴えを聴いて行く過程における共感的理解から. 指導教員  :岩井 圭司. 一115一.

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