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「中学校国語科教育法 I」の実践報告 その1

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(1)Title. 「中学校国語科教育法 I」の実践報告 その1. Author(s). 内藤, 一志; 片岡, 邦夫. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 62(1): 91-106. Issue Date. 2011-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/2409. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第62巻 第1号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.62,No.1. 平成23年8月 August,2011. 「中学校国語科教育法I」の実践報告 その1 内藤 一志・片岡 邦夫*. 北海道教育大学函館枚 *函館市立亀田中学叔. AReporton“MethodsofTeachingJapaneseatJuniorHighSchooII’’(partl) NAITOKazushiandKATAOKAKunio* HakodateCampus,HokkaidoUniversityofEducation *KamedaJuniorHighSchool,Hakodate. 概 要 「中学校国語科教育法I」(全15時間)の内,主に第3∼8時間目の授業内容の詳細を報告する。この時 間は中学校2年生向けの教科書所収教材である山川方夫「夏の葬列」を用いて,発間作りを目的として講義 と演習を行っている。講師による発間作りのための具体的な事例提示,その碇示を受けての受講者による発 間作り,さらに受講者の作成した発間に講師が工夫を加えることで,より良質な発間となっていく。その経 過を主に報告する。. 1.はじめに. 北海道教育大学函館校では中学校国語科の教員免許希望者に対する必修科目「中学校国語科教育法I」が 開設されている。本科目は15回の授業の内,内藤が2回,片岡が6回,黒田諭(附属函館中学校教諭)が6 回の順で担当している。この構成はこの科目が開設された2008年度以降変わっていない。 なお,函館校における中学校国語科の1種免許に対応した教育法科目は他に「中学校国語科教育法Ⅲ」,「中. 学校国語科教育法Ⅲ」と併せて3科目6単位が必修となっている。函館校では,「I」を入門科目として位 置づけ,読むことの領域を扱って授業づくりの基礎的な内容を,「Ⅲ」では古典教材に特化した教材研究,「Ⅲ」. では聞くこと・話すこと,書くことの領域の指導法について扱っている。 さて「I」は学習指導案作成を到達目標として,その過程における教材研究および指導内容の構築を主た る内容としている。担当者ごとの内容は,内藤が授業を作るための基本的な知識事項の講義とその後の授業 内容に向けての予備的な演習。片岡が文学教材を用いて教材研究法の講義と,発間作りに特化した演習。黒 田が説明文教材を用いての指導計画立案の講義と,年間指導計画や評価なども視野に入れた指導案作りの演 習となっている。. 91.

(3) 内藤 一志・片岡 邦夫. 本報告では綴稿の「その2」と併せて,以下のような構成で,「I」の授業内容の報告を予定している。 「その1」(本稿). 1.はじめに(内藤担当の授業概要も含む) 2.片岡担当の授業内容 3.片岡授業の意義 「その2」(予定続稿). 4.黒田担当の授業内容 5.黒田授業の意義 6.本授業の意義と課題. 本稿の目的は当該授業である「中学校国語科教育法I」の授業のうち,特に片岡担当分の報告である。既 に国語科教育法の実践報告は多くなされているが,本授業と同様の趣旨,すなわち発間作りに特化した報告 は管見では見いだしがたい。また,ノ稿者(内藤)の経験からいえば,授業作りの初学者にとって,素材とな. る文章からどのようにして学習課題を案出するかといった段階,すなわち発間作りが最初の難所である。片 岡担当の部分はその難所への取り組みである。. ここで内藤担当の2回分の授業概要を記す。 1回目・授業作りの仕組み. 学習指導要領と教科書の関係性の説明。授業とは,学習指導要領の具体化である教科書から,学習指導要 領の「内容」を実現させる学習活動を導き,それを組織化する営みであることを,教育出版『伝え合う言葉 中学国語1』(平成17年検定済)所収「動物の睡眠と暮らし」を用いて例示する。 2回目・授業作りの資料 いわゆる教師用書を含めた参考資料の説明。教師用書の主な内容や特殊な頒布形態など。教育出版『伝え. 合う言葉中学国語2』(平成17年検定済)所収の古典教材「敦盛の最期」の教師用書の記述内容を事例とし て教師用書の有用性と限界を説明し,教材研究レベルで必要となる資料群について説明する。. 2.片岡の講義内容 片岡は現在71歳,定年後も継続して学校の教壇にあることや,函館では,ほぼ6年に1皮の割合で開催さ れる全道国語教育研究大会において,3度公開授業の授業者となっていることが,彼の力量を十分に物語る。 片岡は,叙述の細部にこだわり,それに基づいて学習課題を導く。彼の手法の例示は,狙い読み取りにとど まりがちな受講者にとって,ひとつの模範を示すことになると考える。 以降,本章の記述は片岡による2009年度の授業報告尿稿に基づく。片岡は学生の毎時間のレポートに対し 個別にコメントを記述し返却するという方法で,受講者とのコミュニケーションを図っている。授業内容の 報告という趣旨からいえば,その応答関係をも示す必要があろうが,その全て記載することはスペースの関 係上難しく,受講者の意識変容がうかがえる部分を中心に片岡の了承を得て内藤が抄出を行った。. 授業では教育出版第2学年国語教科書『伝え合う言葉中学国語2』(平成17年度検定済)中の,山川方夫 著「夏の葬列」を扱っている。受講生は16名。男女ほぼ同数である。. 計6回の授業を時系列順に節を立てて記す。各節は実施日,授業概要,主たる内容の記録という構成であ る。片岡の記録には抄出以外の手を入れていないので,2−1から2−5にわたって文体が異なる。. 92.

(4) 「中学枚国語科教育法I」の実践報告 その1. 2−1.第1講(2009.11.2) 講義概要:全6回の講義に関するオリエンテーション,中学生指導時におけるオリエンテーション,「夏の 葬列」の範読聴取と感想レポート 課題作文 以下,主たる講義内容を項目化して記す。第2講以降の記録も同様。 (1)オリエンテーション. 今後の各講義内容の予定説明。 (2)自己紹介. 詳細は省略。 (3)「オリエンテーション」の内容概略. 僕が中学生の国語教科担当を1年間引き受けて生徒を相手にするときには,その1時間目に必ずオリエン テーションとして1年間の心構えや諸注意諸連絡をする。対象の学年が何年生であっても。内容は3点。 ① ノートについて. 小学生高学年用ノートを使いなさい。縦書き,1頁に17行。君たちが今使おうとしているそのノートは? 大学ノート。大学ノートというのはどうして大学ノートというの? 大学生は1コマ90分の先生の講義内容 をとにかく一心に聴写する必要があったから出来る限り細い行のノートに小さな文字で1時間の講義でノー トを何ページも使わなければならなかった。その大学生たちのために使われることが多かったから「大学ノー ト」という名前が使われたのだ。/ト中学校の授業では基礎的な事柄を丁寧に分かるまで教えながら進めるか ら,1時間の授業で多くてもこの黒板に大きな字でいっぱい書くくらいで終わる。だから君たち中学生,中 学生ノートというものが売られていないのならば,一足飛びに大学ノートを使わずに小学ノートを使いなさ い。けれど低中学年用じゃなくて升目のない高学年向け国語ノートを買ってきなさい。利点がいくつかある。. ・薄いこと。ページ数が少ないから1年間のうちに2冊以上は使う。新しいノートに替わるときに再び心 機一転という心持ちになる。 ・やすいこと。1冊200円未満で買える。 ・紙の質がいい。多少のざらつきがあるから鉛筆の乗りが良い。先生が評価するときの赤鉛筆にもとても. 使いやすい。などなど。ただし教室の黒板は横幅が長くて縦が短いので,縦長のノートを半分に区切っ て上段から下段へと使って行きなさい。(この指導を最初にしておくと,生徒はその効用性に魅せられ, 進級して教科担任が替わってもおおむね卒業学年時までこのノートを使用する。) ② 筆記用具について. 濃いめの鉛筆を使いなさい。/ト学生の6年間はおおむね鉛筆を使用して子どもたちは授業の板書事項を ノートに写してきたのに,中学校に入るや必然的にと言っていいほどノック式ペンシル(便宜的に「シャー プ」と呼ぶ)を使うようになる。シャープを使ってはいけないよと先生がみんなに言う時に考えられるシャー プの欠点は? という教師の問いかけに対して生徒は答える。 ・「シャープは線が細い。」ノー。芯の太いシャープだってある。 ・「カチカチうるさくてみんなが迷惑する。」ノー。鉛筆だってコロコロ転がすとかくるくる回すとかう るさくすることだって出来る。. ・「芯が折れやすい。」ノー。鉛筆も折れる。 生徒はいろいろとシャープの欠点を考えて発表するがどれも決定的な鉛筆擁護にはならない。そこでこの. 世にシャープペンシルが存在するに至った早川電気のエピソードを紹介する。(この話は結構流布している はずだけれども,大学生もほとんど知らない。). 続いて,さて,シャープペンシルの欠点は? という問いかけには,以下の答えがでる。. 93.

(5) 内藤 一志・片岡 邦夫. ・「便利であること。」 これは反論の余地のない決定的なシャープの利点だ。そこで生徒を説得する。「勉強する」ためにはやや. 不便な鉛筆を使う方がいいこと,勉強というのはある程度のめんどくささや負荷がある方が頭脳にはいいの だ。本当ならば筆記用具の理想は毛筆,小筆だ。けれどもそれではあまりにも効率がよくないので勧めない。 せめて鉛の筆で勉強していこう。大学入試にもシートをマークするために濃いめの鉛筆が要求されるのだよ。. (片岡注:この説明は説得力はあるのだけれども単に国語教科だけでは生徒の学習生活習慣はすぐに「便利 なシャープ」に移っていってしまう。しかし,授業ごとに根気よく言い続けることが大切だし,小学ノート に濃い鉛筆で書き続ける生徒の学習意欲や態度は他に比べて抜群に良い。) (卦 教科書について. 教科書をうんと汚しなさい。今みんなが持っている教科書はそこに記されている君の名前が違うだけで,. おんなじだ。B5版からA4版になって教科書のページには余白がいっぱいあるし,紙の質も随分いい。学 習しているページに書き込みをしたりメモをしたりマーカーで重要な箇所には色線をつけたり,ともかく他 の人には見せたくなくなるような,あるいは見せて自慢したくなるような価値のある自分だけの参考書とし て教科書を造り変えていきなさい。年度当初の授業オリエンテーションとしては具体的にはまだまだあるわ. けだけれど,とりあえずそれをする最も強い願いは,6年間指導を受けてきた子どもたちの頭に出来上がり かけている国語学習というものに対する固定観念や既成概念をちょっと壊して,これから始まる中学校の国 語学習に対して新鮮な心持ちで取り組んでほしいということである。そしてそれらへの取り組みが日々の授. 業の中で確認,点検,評価ができること,さらに生徒にとって取り組みやすい具体的な活動内容であること が大切だと思っている。 (4)「夏の葬列」の範読と聴取の後の読後感想文課題. 指導者側としての読後感,学生自身の自己紹介をレポート用紙に書かせて碇出させた。以下に読後感の4 例を示す。. ・「彼」という主人公に焦点をあて,作者の独特な表現で「彼」の心情を描いている。また,場面展開も その物語に読者を吸い込ませる要素だと思った。なので,その心情と場面展開を中心に教えていきたい。. 「ヒロ子さんがかわいそう」だとか「戦争」については中学生の感想として多そうだが,あまり触れた くない。二つの死を背負う「彼」の生き方について触れていきたい。 ・ヒロ子さんを突き飛ばした僕の行動や,その後で自分が無罪だと思った時の態度について,良い悪いと いった視点では教えるべきではないと思う。僕の心情の浮き沈みや色彩が魅力的なのでそこを生かした. 教え方が良い。道徳的な話,というよりは小説の構造が「上手い」というか良く出来ている作品だと思う。 ・伏線の存在を分かっていたとしても,その部分が文章の中で何の意味をもっているのか,本当にその解 釈で間違っていないのか,他に解釈は存在しないのか,調べさせてみたい。. ・内容は覚えていたが,中学校の授業については覚えていなかった。この題材をどのように授業にもって いくのかと言うことに関してはまだ浮かんでこない。ただ,現在・過去・未来や「彼」の心の変化がと ても面白く印象的な作品であると思うので,それを伝える(気付かせる)ことのできる授業をつくって いきたいと思う。 学生たちの読後の印象としてはこちら側が予期していた範囲である。中学校時代にかなり読み込んだ能力. があり,更に今回は授業者としてこれをどう受け止めるかという指示であるので,感想も作品を客観的に見 るようになってくる。彼らのこうした感想をとりまとめれば,おおむね授業計画の構想は成り立つ基にはな る。ただし,実際の授業展開を考えるとなると当然のことながらまだ具体性に欠けるし,主人公の心情とい うものに囚われ過ぎるという面もある。. 94.

(6) 「中学枚国語科教育法I」の実践報告 その1. そしてこちら側としては,今後の模擬授業の前に,今まで学生たちが築き上げてきた国語授業に対する固 定的な観念を打破したいものだと考える。 (5)範読聴取の後の課題小作文,「教科書42頁12行目の『悲鳴を,』に続く一文を完成させなさい。」. 作品の叙述の読み取りを大切にするという指導者としての意識を具体的に確かなものにしたいという私の 願いから,この一文を取りあげて教材としていく。 当該の個所に至るまでの記述の中から「ヒロさんは,怒ったような怖い顔を(中略)『……向うへ行け!』」 までを範読する。学生はそれを聞いている。黒板に,◎「悲鳴を,. 。」と板書し,教科書の続きを想. 起させながら,この「悲鳴を,」で始まる文を完成させ,提出させる。以下に4例を示す ・悲鳴をあげながらヒロ子さんはマリのように空に浮いた。. ・悲鳴をあげた。おれはその悲鳴を耳をふさぎ聞こうとはしなかった。 ・悲鳴をあげるように彼は叫んだ。 ・悲鳴をあげて彼女はたおれた。 正解は「悲鳴を,彼は聞かなかった。」である。自分の中学生時代に既習の教材であった大学生も多く,. またさすがに大学生であるし,まして全文一読直後の学習活動だから,多数の学生は正解を書く。しかし, 過去の学生の中には少数だが,また教室の中学生の多数は上掲の例のような作文を書く。ここにこの部分の 叙述に対する作者の意図∼もくろみ,があるということを,また,一読しているつもりでいながら実際には 確実な読みとりは意外になされていないものだということを,後の授業または講義の中で取り上げ学習させ ていきたい。. 学生たちが書き上げたレポートは教材に挟んで碇出させる。次回までに評価し,添削朱書きして次時の講 義開始時に返却する。このスタイルは講義中継続して行った。. 2−2.第2講(2009.11.9) 講義概要:「夏の葬列」第Ⅰ章(教科書38頁冒頭∼39頁7行),第Ⅲ章(教科書39頁9行∼42頁15行)の示 範授業に参加し,見て(中学生徒の立場にもなって),それに対して感想をもつ。 (1)「夏の葬列」第Ⅰ,Ⅲ章の示範授業. 主な指導事項を記す。矢印以下の記述は当該発間についての補記である。なお,教材への着眼点について は本稿末尾の文章構成図を参照のこと。板書事項は省略する。 ① 現在(葬列の発見) ・「あれは」「あれ以来」の指示語のもつ意味について。 ・こそあど言葉の体系について。 ・話し手と聞き手との間で指示語の使用が有効となる条件について。 ・「あれ」のもつこの場面での不安定性や魅力について。 ・「夏の真昼」,「やや起伏のある畑地」 →「遠くに,かすかに海の音がしていた。」が後にどう生きてくるか,その伏線としての役割。. ・「真昼の重い光を浴び,青々とした葉を波打たせた広い芋畑の向こう」 ・「芋畑」とは何芋畑?. ・「あの時のなかにいる錯覚に」の「あの」のもつ働きについて. ② 過去(十数年前 昭和20年8月14日) ・「濃緑の葉を重ねた一面の広い芋畑の向こうに」 ・「ヒロ子さん」と「彼」とのつながりについて。. 95.

(7) 内藤 一志・片岡 邦夫. ・「よく晴れた昼近く」「海で遊んできた帰り道」と「おまんじゅう」との関係。 ・そして芋畑のなかに躍り込んだ彼の行動への連鎖について。. ・「大きな石が飛び出したような」について,その表現技法「直喩」について。 ・「石はこちらを向き」について,その表現技法「隠喩」について。 ・「急速な爆音」と「何かを引きはがすような激しい連続音」について。 ・カタカナ表記の「カンサイキ」について。. この一連の場面は黒板への図示などで補足説明をする必要がある。 ・爆撃はこの一連の場面で何回あったのか,について。 →3回。「ヒロ子さん」と「彼」とに関わる惨劇は第3撃で起こったことを確認。この設問を巡る年 徒の思考活動は極めて具体的であるので有効であり,さらに正しい読み取りの成果を板書し,ノー トに視写させたい。. ・不意にとった,「彼」が「ヒロ子さん」を突き飛ばした行動について。 ・「悲鳴を,彼は聞かなかった。」の叙述について,この一文は何文節からできているか。. →大学生にとっては久しぶりの文法用語だから戸惑いをみせる。中学生であれば,あれ文節って何だっ たっけ,という設問である。3文節。. ・それぞれの文節の成分名は何か。それぞれにとってある程度難問であるが。 ・主語,修飾語,述語の順にして,普通に「彼は悲鳴を聞かなかった。」とすればよい短文なのに,どう して作者は「悲鳴を」という修飾語からこの文を始めて,しかもその後に読点「,」を付けたのだろうか。. →この設問は中学生にとっては難問であるし,大学生にしても解説することをためらうなかなかの難 問のようだ。単に「悲鳴を強調するため」など,と前後の脈絡のない内容を答えたり,ついにそれ 以上深く考えることを放棄しがちである。そこで最終的なヒントとして学生自らが予測した「悲鳴 を,」の後に続くと思われる小作文の例示をして,例えば前掲の,「悲鳴を上げて,ヒロ子さんは宙 にゴムまりのようにはずんだ。」の中にその答えが出ているではないか,と促す。 →読者は,「彼は全身の力でヒロ子さんを突き飛ばした。『……向こうへ行け!』悲鳴を」と読み進め. ていけば,その悲鳴というのは当然「ヒロ子さん」があげたはずの悲鳴だと予測する。作者は読者 のその当然の予測を裏切って第3の爆撃が彼らを襲う,という急展開に読者を引っ張っていく。そ のための「悲鳴を,」である。だから念を押して言うと,突き飛ばされた彼女が当然あげたはずの 悲鳴,それを彼は聞いたかというと,実はそれと同時に第3撃が襲って,彼は彼女の悲鳴を聞いて いないのだった,ということである。作品全体のなかでほんの一行の部分であるが,本作品の叙述 の巧みさについて読み取るという意味では非常に扱いやすく興味深く,しかも何げなく通り過ぎて しまい勝ちなところなので,必ず学習活動として取り上げたい。 ・「その時」とは,どの時?. ・「ゴムまりのように弾んで」表現技法の直喩。この直喩の意味と効果は? (2)まとめ. 次回は学生に第Ⅲ章(教科書42頁17行∼43頁7行)の教材研究とその部分の指導略案を作成させる。第Ⅲ 章は本文10行から成り,学生にとっても取り組みやすく,時間的にも比較的短く展開できそうであるから。 その予告をしたあと,本講の示範授業の感想を書かせ提出させる。 (3)示範授業に対する学生の感想 以下,5例を示す。. ・文章を読むとき,私は叙述より心情について注目して読むので,叙述を詳細に読むことでこんなにも筆. 96.

(8) 「中学枚国語科教育法I」の実践報告 その1. 者の隠された意図が分かるのだと驚いた。先生の授業を見て,ぼんやりしていた情景がはっきりとした ように思う。私は小学校2年生の実習で教材研究をどうやってよいか分からず苦労したが,今日の授業 を受けて,改めてその大切さと授業に及ぼす影響の大きさを実感した。 ・叙述を一つ一つ正確に丁寧に読み取ることは,読解を深めるのにすごく効果的だと思った。先生の言う とおり,「心情を読み取る」ということはなかなか出来ないと思う。文章をただ読むのではなく,「悲鳴. を,」のように作者の意図や読者の期待,文章上における効果を考えると,全く違った側面から捉える ことができると思った。 ・文章の中の何気ない一文が後の物語の展開につながっていたり,読者の予測を裏切っていたりしたので, 今日の授業はとても分かりやすく理解が深まった。自分だったら見落としているだろう文にも何かしら の効果があるのだということを学んだ。「悲鳴を,」という文の説明を聞いていてすごくすっきりした。. 授業は何となくの理解では絶対に出来ないものだと思った。 ・段落ごとにシチュエーションをまとめたり,細部の表現(叙述)の意図に注目したりといった読み方は 久しくしていなかったので,再確認出来たことが多かった。最後の方で先生が言った「心情はよく分か らない」というのに同感。中学高校の頃の授業では登場人物の心情ばかりを問われていた気がするのだ が,そこはあまり重要ではなかったのではないかと考えている。どちらかといえば,叙述(作者の意図 や演出等)をそのままに味わう力の方こそが大切だと思う。 ・先生の発間の一つ一つがとても面白く,今まで捉えたことのない視点からこの作品を見ることができた。 「なぜ,カンサイキとカタカナで書いてあるのか」,「なぜ,悲鳴を,が先にくるのか」など,作品の表. 面だけでなく,少し深いところまで触れることが出来たように思う。情景をイラストにするなど,作品 に引き込む工夫も勉強になった。. 2−3.第3講(2009.11.16),第4講(2009.11.26) 講義概要:「夏の葬列」第Ⅲ章の教材分析,指導略案の作成 (1)教材分析,指導案略案作成に関する説明. この講義以前の段階で,第Ⅲ章のみ削除した私自身の作成した全文章の文章構成のB4版1枚(本稿末尾 の構成図からⅢ章を削除したもの)を提示してあり,教材分析の方向はある程度把握していると考えられる。. 文章の記述の一字一旬をおいながら,表現のリズム,叙述と叙述との結び付き,文の成分の成り立ち,表 現技法の使用,指示語,文末表現などなどを分析的に捉えさせて,A4版1枚に記述させることとした。 「葬列は,芋畑の間を縫って進んでいた。」で始まる10行の文章を,書きながらじっと見つめていくこと。. そうすると通読していた段階では発見できないような言葉の裏側や行間に潜んでいるもの,そういうものが 見つかってくる。中学生は最初の教師の範読を聞いていたり,章ごとに音読をしたにしても通読の段階を越 えないものだ。指導者としてはそこに気を配りながら記述していくようにという指示を与・えた。また自分に. しかできないような発見をしてほしい」と,分析に向かう意欲を与えた。指導略案の作成にあたっては,実 際の模擬授業が90分の中で16人に実施して貰うので学習活動の全部を展開するのは無理だから,ポイントを 絞ってここだけは指導展開をしてみたいという焦点化を図ってほしいと指示した。 (2)学生が作成した指導案略案 以下,略案のポイントを列挙する。なお,教材分析については省略する。 ・「あの日」「あの夏」「あのただ一つの夏の季節」を関連してとらえる。 ・「彼」が「夏」にとらわれている理由を考えさせる。 ・Ⅲの読み手は誰なのか考えさせる。. 97.

(9) 内藤 一志・片岡 邦夫. ・「ふと,」とあるが,これはどのような意味・効果があるかを考え,発表する。 ・「ふと,自分には夏以外の季節がなかったような気がしていた。」について,本文とは違った文を作り, 例題として出して考え方を明らかにする。生徒の意見の後には必ずその子が考えたであろう発見や気づ. き,考えの良い部分を称賛する。 ・なぜ夏だけなのか。子どもたちをグループに分けて話し合い,後に発表させる。. ・どうして「わざわざ」なのか。また同じような意味内容の文を続けて文章に入れるのはどのような効果 があるのだろうか,考えさせて発表させる。 ・「∼あの日の光景に似ていた。」似ていた光景とは具体的に何のことか考えさせる。 ・千人公を取り巻き続けている夏の季節とはいつのことか,「めまいに似たもの」という表現はなにを意 味しているのか,を考えさせる。 ・「めまい」という表現は一体どういう意味を表しているか,「めまい」は暑さのせいだけなのか考えさ せる。. ・「めまいに似たもの」とは何か考えよう。「めまい」とはどんな感覚なのだろう。 ・「葬列は,芋畑の間を縫って進んでいた。」の場面を想像して絵に描いてみる。. ・記述されていることから,彼にとって夏とはどのような夏であったか考え,発表するように促す。彼に とってあのただ一つの夏とはどのようなものであるか考えるように促す。 ・43頁1∼3行目の「,」の多用に注目し,どのような印象を受けるか考えて発表する。 ・「夏」という言葉が4回も使われているが,それぞれの夏とは何なのか。無限定から限定への過程を読 み取らせたい。. ・「彼は彼女のその後を開かずにこの町を去った。」とあるが,その理由やその時の彼の心情を想像して みよう。 ・生徒にとっての「夏」と彼にとっての「夏」のイメージの違いから,ここでの「夏」の読みを深めさせる。 ・叙述から「彼」の「あの日」に対する思いを読み取る。. さて学生の提出した指導略案をみると,一生懸命に文章の叙述を読んでいった大学生らしい読み取りの結 果はある。しかし,生徒へ向けての発間なり課題なりは良しとしても,実際の展開の場面でそれを受けた現 場の生徒にしてみると,そんなの教科書に書いてあるし書いてあるのを発言してもなあ。読んだから分かっ ている。または,心情と言ったってなあ,あんまりあたりまえでは発言するまでもないしなあ,または,し ろんな答え方が予測できて幅が広いなあ,というようなレベルまたは迫り方が多い。 実際に模擬授業をさせてみると,その授業を受ける側が中学生の立場になって思考し,発言するとしても やはり抽象的(というよりは一般的)にすぎる答えを要求するような発間であったり,逆に既に善かれてあ る字面を読み上げればいいという安易なものが多い。 そうなると,「光景を絵に描いてみよう」というような,これまた生徒にとっては既成の観念に囚われた,. 自分自身のイメージを生かすような描画は極めて難しく,そういう活動の方が逆におもしろくなってくる。 せっかく立派に分析された教材があるのだから,その分析の過程そのものを学習活動として位置付けてい けば良いのだという視点で,次時は私自身の第Ⅲ章の示範授業を行い,その後学生に感想意見を求めた。. 2−4.第5講(2009.11.30) 講義概要:学生の指導略案に基づく「夏の葬列」第Ⅲ革の示範授業と考察 (1)示範授業の概要. 教師の説明や発間,学生の応答という形で進めた。以下,展開に即して,教師の発言を主に記す。板書は. 98.

(10) 「中学枚国語科教育法I」の実践報告 その1. 省略する。. ・時間的には「現在」。ただし現在から回想しているという感覚だね。 ・「葬列は,……」の一文は各章の冒頭文と同じくこの場面の背景として重要な意味をもつから全文視写。 ・板書しながら,この「葬列」は誰の葬列?とたずねる。 ・「それ」つてなんだろう。「葬列」とこたえる学生多数。そ−お? 違うんじゃないか。しばし熟考の後, 「葬列は,……進んでいた。」という全景という反応が出てくる。そうだね。中学生でも単純に「葬列」. と決めつけて疑わないことが多いから指導者としては良く読んでおくこと。 ・「これ」つて何を指す? そう,二つの光景が似ていたこと,だね。「似ていたことがただの偶然?」 というふうに進んでいくんだね。 ・「真夏の太陽が,……彼は,ふと……気がしていた。」の文は長い一文だけれど,主となっている主語, 述語を探してみよう。幾通りかの主述はあるけれども一つずつ。学生もなかなか迷っている。. ・主語は1文節で。述語は,うーん3文節だなあ。主語はっていうとやはり「彼は」だよねえ。では「彼」 の述語は? そうそう「気がしていた」だ。そのとおり「彼は気がしていた。」だ。あとの文節は修飾 語だ。 ・「夏以外の季節がなかった」つていう表現技法は何と言ったっけ。「夏以外」で夏を打ち消すと春,秋, 冬だ。その春秋冬が「無かった」つていう言い方で「夏」を浮き彫りにするんだねえ。四文字熟語だよ。 そうか忘れたか。「二重否定」と言ったね。「夏の季節だけがあった」というよりも意味深だね。. ・それを受けて「ような気がしていた。」と結ぶ。 ・では,「あのただ一つの……気がしていた。」の主語,述語は? これは「彼」だけれど省略ですね。さっ き書いたばかりだから重複しちゃう感じがするでしょ。述語は同じく「気がしていた。」だ。さて修飾 の部分。. ・「あのただ一つの夏の季節だけが」として先程の「夏」の浮き彫りを更にどうしているか。そう,限定 とか特定という感じの表現で焦点化してい. くんですね。しかも単に「なかった」とか「あった」とかで. はなくて,「自分を取り巻き続けている」と表現。これは何法? そうそう擬人化表現だ。季節が自分 を取り巻く∼と言うんだからね。そんなふうに「あの夏」に対する彼の切迫した思いを畳みかけていく。 文末は? 初めと同じ「ような気がしていた」です。 ・その二つの文を結んでいるのは? そう接続詞「それも」です。 ・「彼は,ふと,……ような気がしていた。それも……ような気がしていた。」と同じ文末リズムで調子 を整えながら,しかも気分が徐々に緊迫している雰囲気を巧みに出している,そう思うでしょ。 ・「ふと」「わざわざ」「殺人を犯した」についてちょっと考え合う。 ・残りの3行を扱う。「彼は彼女のその後を開かずにこの町を去った。」については,前にも触れたように. 中学生たちは「ちょっとこの男性は冷たいんじゃないか……. 」などと言う短絡的な感想をもつのもいる. から,付言しておく。「彼」は小学校3年生だし,誰か大人が連れに迎えにくる,駅から鉄道に乗って 東京へ戻る,などという事情もあるんだよと。一概に非情な気持ちの持ち主だなどとは言えないと。 ・最後に読んで貰おうと思ったけれど,時間が無くなってきたので省略。さて大学生の君たちが今の授業 をどのように受け止めたかを書いて。終わります。 (2)示範授業および前時の模擬授業についての学生の感想. 担当文革のまとめの段階に入り,受講者が教材研究と授業についてどのような問題関心を抱くようになっ たのか,重要なコメントだと考え,受講者全員の感想を示す。. ① 指示語の指す内容について聞かれた際,当たっているかどうか不安になることがあった。ほとんどが. 99.

(11) 内藤 一志・片岡 邦夫. 表現を取り上げながら進めていくべき教材なのかと思った。 ② 自分が模擬授業でやった部分とは違う,主・述の関係から授業が進んでいった。「二重否定」という 言葉もすっかり忘れていたため,刺激を受けた。授業の進め方も余裕があり,生徒達への気配りのでき るものですばらしかった。真似をすれば果たして余裕があるように見えるものだろうか。. ③ 同じような部分を選び,指導しようとしていても,一人として同じになることはなく,様々な考え方 や指導するポイントを学ぶことができた。示範授業は皆が発表したことをほとんど網羅している気がし て,指導のやり方一つでここまで変わることができるのかと感じ入った。自分も心情をおっていく授業 は好きではないので参考にしていきたい。 ④ 一つの教材,なおかつ,一つの段落の文章だけでこれだけ違う授業がある,できるということがわかっ た。特に先生の授業では,自分では思いもつか. ないような内容だった。今まで自分は物語の授業と言え. ば,登場人物の心情を考えさせることが中心だと考えていたので,文章構成を中心とするのも「あり」. だなと感じた。授業研究はすればするほど面白い。 ⑤ 自分が思っている以上に国語の授業をすることは難しいことだと実感した。もっと生徒が分からなそ うなところに目を付けられるようになりたい。先生の授業を受けていると,やっぱり昔のことがたまに 思い出されるが今更ながら新しく学ぶ(当時教わらなかったこと)ことがあってとても楽しい。. ⑥ みんなの発表を見て,ほんの数行の段落でも人によって様々な授業が作られるのだなと感じた。だか ら本文を細かく丁寧に追い,その中でどんなことを生徒に伝えたいのかを明確にすることが重要だと改 めて実感することができた。私は小学校の教育実習で,本文に善かれていることを細かく拾い過ぎると. 指導された。今日の授業を受けて,自分は字面だけをおいかけていたのかなと思った。文章の構造を捉 えるということは表面的なことではないことを理解できた。 ⑦ 授業を面白く分かりやすくしようとすると,悪く言えば小細工に走りがちになる。板書と語りでいか に生徒の知的好奇心を刺激するかという視点が,自分を含め,皆に欠けていたように思う。最後の先生 の授業はシンプルなスタイルながら,「まだ,こんな見方,方法があったか。」と目が覚める思いだった。. ⑧ それぞれの教授法が示されていて良かったと思う。とりあげるところは同じでも,方法や展開のさせ 方に違いがあり,全く同じというようなことはなかった。多くの人が取り上げた部分はそれだけ作品を 読む上で大切な箇所であった。個人的には一つのキーワードから内容を展開し,膨らませていく方法が 上手いと思い,参考にしたいと思う。先生の「文章の構造を読み取らせる」ことに重点を置く,という. のは良い考えだと思う。「心情を想像しよう」というのは授業で扱うのは難しく,下手をすると一方的 な押し付けになる気がする。. ⑨ いろんな人の授業案を聞いて,やはり印象に残ることは,今までのよくありがちな授業とは違うもの であると感じた。また,展開がスムーズで最初にした発間が最後の発間につながっている授業も自分の 中で落ちやすいと思った。自分の授業はあまり面白くなかったと思うので,良いと思った授業の要素を 盗んで,もっと良い授業をしていけるように努力していきたい。先生の授業は,正直,自分があまり注 目していなかった表現技法や指示語についての発間をする展開だったので,注目しているところの違い に驚いた。そして,このように記述に注目して問い詰めていくだけで物語の内容についての理解が深ま るのだと分かった。 ⑲ 同じ教材の同じ部分を扱っても人によって着眼する点は大きく異なるということを改めて感じた。そ. れぞれに自分のスタイルがあり,伝えたいことがあることが分かって良かった。どれが正解というのは ないと思うが,いちばんに考えなければならないことは,やはり生徒にとってどういう授業が良いのか という事だと思う。いくら伝えたい事を教師側がもっていても,それが生徒に伝わらなければ意味がな. 100.

(12) 「中学枚国語科教育法I」の実践報告 その1. いし,あやふやなままだと気持ちの悪い授業になってしまう。その点,先生の授業の流れはとてもシン プルで,生徒にとっても分かりやすく,しかも要所要所で掘り下げて,しっかり考えさせる授業であっ たので流石だなと思い,とても勉強になった。 ⑪ 以前に「夏の葬列」をどのように授業したいかという先生の問いに私が「主人公のこころの変化に重. 点を置きたい」と答えたところ,先生はそれを避けたいとおっしゃった。そうであるにも関わらず,私 は今日の模擬授業で生徒がどのように読みとって欲しいかという授業をやってしまったことを反省して いる。例えば,指示語の内容を適切に教えることによって子どもたちが間違った解釈をしないように導 くことが大切なことなのだということが分かった。教師はサポートの役であることが重要であると分 かった。. ⑫ 頭の中で文章について理解できていても,それをどのように生徒に伝えるかということがとても難し いと感じた。発間でいかに内容にたどり着いていけるかを,これからもっと考えていけたら良いなと思っ た。私には答えのない問題を出す,ということが頭の中になく,他の人の授業を聞いて,そういう方法 もあるのだなと思ったけれど,まとめるのが難しそうだなと感じた。先生の授業は発間が難しかったけ れど,的確で,自分で教材研究をしたものよりも内容を深めることができた。 ⑬ 文法とか二重否定とか擬人法といった技法を教える点がやはり先生ならではだと思った。今日の先生 の授業で「それ」「これ」という指示語がⅢ章では多く使われていることに気が付いた。自分の発表内. 容は,目標としては読みを深めたかったのだが,実際の効果としては意味があまり無かったと思う。読 みを深めるということは簡単ではない。. ⑭ どの人もそれぞれ文章中から焦点となり得る部分に注目し,発表できていたと思う。自分は気が付か なかったところにも目を付けていて,そういう見方もあるなと勉強になった。先生の授業は僕らと違い,. 文章を細やかに見ていて,表現の方法にも注意を向けていた。国語の文章はいろいろと注意すべき点が ある。. ⑮ 自分とは異なった授業の展開を聞く機会があり,目を付ける所の違いを感じ取り,意見も持てるよう になった。先生の第Ⅲ章では,内容が濃く,頭の中でぐちゃぐちゃになってしまう時間の経過,今はい つの頃のことを言っているのかなど,ぐちゃぐちゃになったまま次へと進まない展開が,より分かりや すく,しっくりきた。また,どこまでも深く追究し,考えることができるということも実感した。自分 の頭の中で「夏の葬列」のイメージが作りやすくなり,楽しかった。 ⑯ 自分としては文章の構造で教えるのは難しいかな,と思ったⅢ章だが,先生の指導ではそれにたっぷ り時間を使っていた。自分も教材研究をしたのだから,もう少しそれを活用できれば良かったと思う。. ⑰ 私は授業の構想を考えるときに,「夏が多様化されていること」や「彼女のその後を開かずにこの町 を去った」こと,「殺人を犯した」といった点についてはあまり深く考えていなかったので,他の人の 発表を聞いていると,「へえ∼,そこに焦点を当てるのか。」と新たに発見したり,自分が取り落として. いた場面に気づくことができた。人によって発表の仕方も様々で,本物の中学生を相手にしたらどんな 授業になるのか楽しみだ。「読むこと」に重きを置いた教材は,やはり心情を追いかけたりすることに 囚われがちである。しかし,先生のように,文章を丁寧に読み込んで,正しく解釈できる技術を身にっ けさせることの方が大切だなと思った。また,「話す・聞くこと」「書くこと」の要素もう少し取り入れ て,違う視点から教材を捉えたらおもしろいのかな,とも思った。「/ト3の彼」の存在を忘れてしまうと,. 「殺人」や「わざわざ」をすごく気にしてしまうので,注意しなければならないと思った。 (3)学生の提出物に対しての私の文章評価 前掲(2)の学生の番号順に片岡の返却したコメントを示す。同意のものは省略。従って後半になれば省略部. 101.

(13) 内藤 一志・片岡 邦夫. 分が多い。⑬⑭の重複はその反映である。 ① 「表現」というのは,普通は作文とか声とか自分を表現する活動を言うので要注意。主人公の心情と かを,直接,どう思う?などと取り上げないで,何がどう善かれているかを読み深めていくようにしよ う。実際に指導者となって構えれば,また知恵が生まれてくるもの。安心を!不安と安心と! ② ハハハと笑みがこぼれた,思わず。真似も大事だけれど自分の指導法のパターンというのを築くと良 い。マニュアルとは異なるパター. ン化とか,マニュアル化とかではなく。叙述されていることを忠実に. 客観的に掘り下げていこうとすると,そこから登場人物の心情が自ずから見えてくるのです。 ③ むしろ指導者によって千差万別の授業になることに恐怖がある。生徒が選べるのは一人の教師だけだ からね。だから若い先年はマニュアルを求める。マニュアルに陥ると授業は死ぬ。自分のパターンを持 ちながらパターン化しない工夫を。. ④ 面白くもあり,恐ろしくもあり。他の教科と違って「作品」はすでにそこにあり。それは大体一読す れば感動してしまう。その後をどうするか,指導者によって異なってくると思うと恐ろしい。心情の追 求なんて恐ろしいことなかなか出来ないぞ。 ⑤ ほんとうに。まだまだ言いたいことが山ほどある。君たちが聞きたいことはないかも知れないけれど ネ。本を読んだら大体粗筋はつかんでしまう。生徒だって。そのあとの料理の仕方で栄養になったり, ただの排子世物になったりしてしまうから国語の教師は難しいのですね。. ⑥ 良かったね,ありがとう。字面を追いかけてOKという授業だと生徒はそんなの書いてあるよ,と国 語嫌いになってしまうでしょう。字面の追っかけだけで終わらせられない深いものが「字面」の中に潜 んでいます。それを引っ張り出すこと,それが教師の役目ですね。. ⑦ 生徒への迫り方をユニークに,そして具体的に具体的に,しかも難度高く,しかも「何でもあり」と 言うような迫り方ではなく,一つの目標に達して子どもに達成感を与える。∼そんな読解授業を求めて いきたい。中学生にとっても大学生にとっても同じレベルの難易度というのはある。 ⑧ 心情の想像というのは確かに押し付けるか,それとも,何でもありになってしまうか,どちらかだね。 それよりも何らかの「心情」を登場人物が持っているとして,その心情をくみ取るための叙述の正確な 把握が欠かせない。でないと国語教師によって国語授業から受ける結果や印象が千差万別になってしま う。. ⑨ よろしい。登場人物の心情に迫ることを目標にするけれど,主題そのものは各自の生徒に任せるもの として,そこに迫る表現や記述に迫るのは当然のことと思わない? そう思って! ⑲ シンプルイズベストね。でも本当のシンプルは結構複雑な試行,思考の結果の産物なんですよ。「こ れが正解」という授業の「進め方」については確立したいのだけど,それは「教材研究」の徹底からし か生まれないんだよね。. ⑪ 心の変化は文章の記述によって書き表されているのでね。それを正しく正しく逐い,隠れているもの を引っ張り出したり,何気ないものを意味あるものにして示したり,そういうプロセスのなかで必然的 に登場人物の心情に迫っているんだよね。そういう授業を展開したい。 ⑫ 一見,というか一読,「読めばわかるじゃん」と思われる作品を,書く側の立場に立つと,その表面 の中に隠しているものや,鳴りを潜めているものが結構あって,中高時代の国語の授業でその作品を解 剖してあげる体験も必要だろう。そのためには指導者がまず読んでまた読んで読み込まなければ,問い も答えも見つからないのですね。. ⑬⑭ 表現技法を教えるのが目的ではなくて,作者がその技術で書き表したものを再構築することでのみ, 主題とか人物の心情とかに迫れるのですよ。指示語の指示対象をちゃんと把握することもその一つ。国. 102.

(14) 「中学枚国語科教育法I」の実践報告 その1. 語授業の正解はただ一つ。指導者が「よむこと,よむこと,よむこと」。 ⑮ 「楽しかった」と言ってくれたのが何より嬉しい。あなたの頭の中が「ぐちゃぐちゃ」になっている. と,生徒の頭のほうも混乱するから,要注意。特に国語の授業ってのは同じ文章をくりかえし何度も読 むので混乱が始まるのね。国語は難しい。 ⑯ 教材分析を生かしたかったと言う。そう,そのための教材分析だったのに。分析されて見えてきた文 章の記述や構造の中に登場人物の心情がある。 ⑰ 一つ一つの指摘が尤もで的を射ています。授業の展開に多様性があるので生徒にとって国語の先生は. 恐ろしい。どんな先生が自分の担当になるのか,重大問題になりそう。記述されていることの正しい把 握こそ,心情に肉薄していくことだろうね。あくまでも作者が「書き,つくりあげている」仲界なのだ から。. 2−5.第6講(2009.12.2) 授業概要:第Ⅳ(教科書43頁9行∼44頁14行)・第Ⅴ章(教科書44頁16行∼末尾)の示範授業と講義の総括 (1)示範授業. 内容は本稿末尾添付の教材分析に基づく。詳細は省略する。 (2)講義の総括の話. 受講者へのメッセージを記した文書を講義後のレポート返却時に同封した。文書内容は省略する。 (3)受講者の本講義に対する最終コメント. 学生に何が伝わったのかに留意し,抄出する。 ・本当に面白かった。授業を受けるたびに中学校の時の授業の風景が頭に浮かびました。こんな質問され たなあとか懐かしい場面がたくさんありました。大学に通っていながら現役で活躍しておられる教師の. 方の授業を受けられるのは非常にすばらしいことだと思います。 ・国語を指導することについて色々と考えながら授業に臨んでいました。とにもかくにも授業研究,教材 研究が大事だなと思います。先生の授業を参考にして自分のスタイルを確立していきたいと思います。. ・今日までの6時間を受けて感じたことは,国語の指導は決まった答えがない分,他の教科より難しいけ れど,その代わりに沢山の読み方,答えができておもしろいということです。前回の感想に善かれてい ましたが,自分の指導の軸がしっかりしていないと授業がぶれてしまい,マニュアルになってしまうと 思います。そうならないためにも考えを確立し,授業では固定的な観念を壊していきたいと思いました。. ・国語の授業は教師側のアプローチによって如何様にもできる部分があり,そこが好きなところでもある が,同時に怖いところでもある。先生の授業の仕方も一例であるが,物語の読み取りの中で文法にも触 れていて「国語」の授業だなと感じた。実際に教師になったら,子どもたちのために様々なアプローチ ができるように,目的をもって授業に臨みたいと思った。 ・私が先生の授業を見て一番印象に残っている点は,やはり国語は心情を読み取ることが全てではないと いう点です。今日配布されたワークブックプリントもそうですが,テストやセンター試験なども必ずと 言っていいほど心情の読み取りがあって,かつ,私はその手の問題で正解したという記憶がありません。. 文章をよんで抱く感想は人によって違うし,どの登場人物の立場から読むかによっても変わると思いま す。心情を考えることよりももっと必要なことがある,と先生の授業を通して感じました。. ・作品を読むことだけでなく,その作品に出てくる情景,人物などを想像し,深く読んでいくことが,こ んなにも発見する場を与えてくれ,そして「そうだったのか」といった,わかる楽しさ,伝わってくる 楽しさを教えてもらいました。この6時間の間で感じた感覚を,子どもたちにも味わってもらえるよう,. 103.

(15) 内藤 一志・片岡 邦夫. 教材研究に力を入れ,自分が出会った作品をより好きになり,伝えていけるようになりたいなと思いま した。短い時間でしたが,自分にとって良い時間でした。. ・先生の授業を受けて一番参考になったのは教材研究のしかたです。今までは文章のどの部分に注目すれ ば良いのかわからず,ついつい感情を考えることに逃げていた気がしますが,これからは文の一つ一つ を丁寧に読み,自分の理解を深めていくことをしていきたいと思います。先生の授業を受けて,先生の 話す内容や話し方から心の広さを感じました。マネしようと思ってできることではないけれど,私も児 童・生徒が安心することができる存在になれるよう頑張ろうと思います。 ・6時間にわたって「夏の葬列」の授業を生徒として受けて感じたことは,文章を読むことが国語の授業 だということである。中学校の国語の授業はほとんど記憶になく,高校では受験対策のようなことしか しなかったので,文章を読むことがとても楽しく感じられた。実際の中学生にも,私が今回感じたこと. と同じことを感じさせられるような授業をしたいと思います。文章を正確に読んでいけば,作品の良さ が分かることも,この授業を通して分かった。今まで国語は一番苦手な教科だったが,国語の楽しさを 発見できる良い機会だった。また,国語教師として必要なことも発見できた。 ・文章をその流れに沿って読み取っていくという授業スタイルは本当に分かりやすかった。その中に. ちょっと深く考えさせるような発間を入れることによって,自然と生徒も物語を深く読み込むことがで きるようになっている所が,またすごいと思いました。無駄がなく,とってもシンプルにまとまってい るけれど,それは教える側の人がきちんと物語を読み込んでいるからこそ出来るのだということを,今 日の授業を受けて改めて感じました。. ・他の学生や先生の授業を受けながら,昔,国語の授業でやった内容を思い出していた。あの頃は「なん でそんな質問をするんだろう?」と思ったこともあったが,今回のように教える側の目線に立ちながら 質問の目的や意図を考えながら授業を受けると,あの頃にされた質問にも色々な意味があったのだと思 えた。また教科の授業だけに限らず,相手に質問したり活動を指示するのは,目的や意図があってのこ. とだが,その内容を相手に理解してもらうのは大変な労力が要ると思った。そして国語では,どこまで テクストに書いているかという見極めがとても難しい。当たり前かもしれないが,教師は読む力や冷静 さ,そしてバランス感覚が必要だと考えさせられた。 ・先生の授業を通して,国語の授業には主語と述語とか擬人法や比倫などの表現方法といった数学のよう に決まった法則のような面と,それらから自分はどんなことを感じ取るか,という両面があることを感 じ取りました。国語の授業づくりの難しさと一緒に面白さも感じることが出来ました。/トさく思って流 してしまうような読みではなく,その作品から多くのことを拾い上げて,生徒にぶつけられるような技 術を身につけていきたいと思いました。. 3.片岡授業の意義 片岡の授業の意義を2点から検討したい。一つは片岡の教材解釈の仕方が学生にどのような影響を与えて いるか。これは,国語科教育法という授業の目標と直結する。もう一つは「夏の葬列」についての片岡の教 材解釈の特徴である。. 3−1.学生への影響 片岡は受講者の課題が「具体性の欠如」と「主人公の心情へのこだわり」だとする(2−1の(4)参照)。その. 対応として2−2で行った示範授業では,指示語,文節などの文法的視点,比喩といった,叙述の細部を拾い. 104.

(16) 「中学枚国語科教育法I」の実践報告 その1. ながら,その意味することを質して,文章理解の構築を行っている。2−2の(3)に示す受講者のコメントの中 にある「詳細に読む」,「何気ない一文」,「細部の表現」,「捉えたことのない視点」は共通して,受講者が見 落としがちな細部叙述へのこだわりを指摘している。 片岡は,さらに2−3の(1)で詳細な文章分析の要求をし,それに基づいて(2)の指導案略案作りの指示へと進 めている。受講者の作成した指導案略で,「あの」,「ふと」,「わざわさ」といった叙述へのこだわりが見え るのは,細部分析を要求した(1)が影響を与えていると推測する。もちろん,教科書の10行程度の分量が受講. 者の細部へのこだわりを可能にするという,片岡の策略もあるのだろう。 2−4の(1)では,上述の受講者の指導案をアレンジして,片岡は示範授業を行う。例えば先述の「あの」,「ふ と」,「わざわざ」の叙述の内容確認をした上で,それらが登場人物である「彼」の心情反映として関連付く ことへと展開している。2−5の(2)の⑧,⑨などは,片岡のアレンジが文章構成に即しながら,発間を「構造化」. したものであることを,受講者が気づいたコメントである。 2−5の(3)の受講者コメントでは,片岡の課題とした「具体性の欠如」,「心情へのこだわり」が課題として. 再確認されている。受講者の「心情へのこだわり」は,実はそれさへやれば国語の授業らしくなるという, 彼らの経験知から来ていると推測する。それが心情の露わな叙述にだけ目を向け,一方で細部への眼差しを 鈍化させている要因ともなっていよう。 片岡は具体的な事例を提示し続けることで,受講者の課題を意識化させている。1う▲岡の示範授業という「実. 際のかたち」の提示が,受講者にとってリアリティをもって「授業」を考える契機となっていると想像する。 そんな「リアリティ」を形成する一助として,2−1の(3)に示す,教師の文房具類への配慮もある。「現実とし. ての教師の行為を示す」その点こそが片岡が担当する意義だと言える。. 3−2.教材解釈の特徴について. 「夏の葬列」については,既に解釈を試みた論文が複数存在する。授業内に示された片岡の解釈はそれら を向こうに回して,新説があるわけではない。ただし,多くの先行論文の中で叙述の細部に言及することに おいて群を抜く小林義明(1993 pp.52−56)と比較をすると,片岡の授業は「めまい」の中から蘇る夏の 記憶に対する彼の切迫していく心情を,「気がしていた」の繰り返しへの着眼は同様であるが,片岡の場合 二重否定,限定,擬人化という表現の融合として理解しようとしていて,その詳細さは特筆すべきものがあ る。 清野隆(2002)が. 『夏の葬列』が赦密な構成と多様な表現技巧により描かれた作品であり,そのことが学習者である生 徒を魅了し,ことばの確かさを学ばせ,小説を読むことの楽しさを生み出していくことになる。(p.102). としながら,「主題追求の授業となっている」(p.103)といった禿離状況を指摘しているが,その中にあっ て,片岡の示す展開は,清野(2002)のいう「夏の葬列」の教材特性を生かそうとするものと言えよう。. 文 献 小林義明(1993),教材研究の定説化13 「夏の葬列」の読み方指導,明治図書 清野隆(2002),『夏の葬列』の作品理解と教材の位置づけの歩み,語学文学,26号,北海道教育大学語学文学会. (内藤 一志 北海道教育大学函館校教授) (片岡 邦夫 函館市立亀田中学校). 105.

(17) 内藤 一志・片岡 邦夫. 「Im喀∈∋郡誅扁貢」 十く欄叶肇聖篭雲底已 裾訣雇宗曇′手111要Q匡磯いぃ瑠ヾトニ吏○. L吠ノ斥三=東胡ふ出道霊埜QせQ兎Q皿Q栗城出挙トニ吏。ぎ Lりヰ言 曇′ヰ∠里e軍葛∈蚕e製吋.∩量。. 垂. 喋世Q与仙や旨Q誌− 〃Q命」恕日義愛吟○. 梱Q粟盛るつ長日押壊出藍ふぃ士′兎≠ニ艮眉泳り咤. 溢程Q車咄= ト一木ー」Qnニゼ罫吋こけ−{ト⊥ヰnQ照ふ○ .J. 蟹〉憶魂勅£吏増資D. 咄∴琳︵Ⅴ君∵駄. 鳴名士′糾e匪巽製∩ゼ○鯉空欄 場長報一側トニゆ…○ 懸想卦別冊郎ぺ憎りゆ叫ニ′中£瀬雫ややと吠吠′今ぐ〉ふ刃′ 1Ⅲ哺Q凧嘲○ そ祁更旨Q櫨凋ヰ悪トレヒ吟側ト′. 秦. ■■■ セR. .... 軸Q明朝Q恕尽せ蟄豆時刃′東壁足袋ニ′ 陪邑甘今一石し与巳!彗≦∈∋′lQト○蜃:碧. 卜 醸. 割田、/上土′ る与れ長上上堤∈∋欄m量′. E]. 樺 ・1・・‡.バ. J トノニゝ.i三○▲−一一一. ■. ※ 鱒悪寒載Q中Q洒ゆ宣長トリりQ旨ゆ・附い吏○ 兎∈≧別口巳′ 議経冊三重寺鮎jきrヽヰ∠く∋句り○. や渠・♪るゼミ叫Qト中′bl吋哨ニlせQ夏日噴射豆Q棺ゆ咽Q 粁ト∈日割わ劃′・ロコ〉湖轄顆 J トノ. l“中ヰ】国王>名士巨. 里下〉歓声冥. 督く範′寒空¥悼」吏坤〔リ′ 榔酎唾帰∋佃軋ニ・車軸摘托′珊正一申」∪′Jヰ∠沖K ヰさ,至当七=・i王事・与三上ま二ゝキ1寸一望至Q・匡り小出. l露′髄撃Q・ミサUキラ株露○. l叶凧=== =十嘱顆〉更い吏山口小袖ヾQ0l 一 偏石蟹′く藁JP聖凝る∩ペe里○ ゼ叫根l登載り糾;. =鑑′十森掛Q嘔Ⅱこ毛細ヒ震・ヾレ′. 皿虫量忙b鳩Q瞥Q廿日ニゆ恕ポリ刃・♪・豆・ふ£吏○ 唯莱刃□地層浩≠′. 垣蚕量嶺ロトノニこ、′0;. ロ史Q叫Q伸輔一紳こ載l打鴫¢壬紺三脚榊′軸洲K量′Ⅳ1 柊鞭吏′・嶋崎咋、壌量睾さゆ」J■・.D・}己ゼ○ 亀脚宜愛吟′個ゆ当瑚巾′同座叶ヾbゆ′吋M汁弓吋 群養′寒雲枢会ぜ坤b㌣蜃も馳ふ点呼叶∩母娘量」吏○. 一 箪石臼世蟄e♯世簑更ニe!!潜る更e℃● tJ. ◎ 「りQ−<′増量舶る卜吏ト」. _) ◎ 「小・トゼ㌧牽竺や庵笹い・∩薫製トゼ旬O」. 増』詮∈∋ 琳′ゝ古Il佃j芝ヰヱl庖Ql≦iユキけ▼軍 Q直り小出……l露Q与うペンキ章一く轟. 軽 ゆ 区 駄. ■ l 、 .. ■l _::≡ ・_ 唖こ句紳悪〉′細則くる聖東リ′ r −− 一 二‘ ・・■ ・ . .烹 − 、 _ 川■ 、. _ ■=. l雨1曇 鳩忘el嘲雪雪ぎ絹妄e剛李鵬 PJ董卓る∩ゼe里○ ヰ甲=t竺写Hく. 樽. ▲・・・一−ぺ七・ニせ鞭ゆ巳はヨユ鳩車吏Q量→pJ£やニ○ 制Ⅱこ鼠H∈∋一−る・ぐ、ヰゴI「◎伸一呼出ぎト. 鮮. 己 「鳩Q槌短仙ヾ′……lく側ふQ載Q小量りQ草㌣琴. ′ニ ‘二 ,.. ■. ,. − ・ ._ _. ゆ中りペ古持帰べ柑」. 僻事褒匝Q. 一 皿搭′朋怒鳴側べ臭け七′沖絨悪軸Q〃Q. 三三七夕ヰさI㈲・一三\J ヰヱトト∈∋柿巨. (糊 皿 Q 盤・匡〉. 鞘獣京王王′ ≦き∈∋十キQl:⇒くヽ1上1ぐ」J 紳j=ト≦崇■兎トノニヰヱ○ 小輩ゼゆ悪・…・・○ 割ゆ当朝一吏側聞′額悪・・…・○. m三甲¢. =当沖小目哉払′ 中Q酌更側」兎レこゆ尤≦会誌。…. せON定瞥. 寺さ三 村雲′1〔ヽと∠七夕ぐ・♀上乗ゴ談〃曇¢ ⊂雲芸≡: 芸ごこ1る_∈〉烏ぐtJニヰヱ○1_.t■ ‘■・≡_、■ 11rヽ∈∋牒 量. り合一lne蹴竺′俳′備£eせ・巳撃敵側£や裏毛曇#ニe℃○. K僻吏′潜空尉ぐ吏坤∩捷阻P音 ̄ヾ渠○. 馳せ一宇ノ′ 専さ王ざヰ廿叫R∈トF㍗ト _1」⊂lトト仙ニモふ桓聴Kイ付碍蔓㌢皇 J・阜三○. Iや. P㊦′・と卓」己JJ二こ・rヽ嘲・店≡里吋■nO 胡暮曇 ;. 寝せ霜十. 凋 両 匡:::::::;……芸芋芸竺二=三:ニ≡≡: 脚 試 線 頭′仙Q楳0日槌ニ′蜜£吏則′ゼ盛′珊欝卓晴鑑良計柳. ◎凍∈∋個Ⅲ量叶と∠{・pA、Jぐ トノ、一t・や0 −…−−J 樽. 球 >・. 106. 1小川酢堰賄′㊥刃匡づ脚】粥∩烏e富匡㊥‥・○ 増悪トー{−ヒQトQ増せ・熟ニトニ吏○ ・Iミ ミ. _ ・・;‡■ 事Q唄勾ふゆb勾〉楼蘭粟戚旬日」車て虻.

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参照

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