アメリカ合衆国の州レベルにおける懲罰的損害賠償をめぐる近年の改革
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(2) 北海道教育大学紀要(人文科学・社会科学編)第60巻 第1号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(HumanitiesandSocialSciences)Vol.60,No.1. 平成21年8月 August,2009. アメリカ合衆国の州レベルにおける懲罰的損害賠償をめぐる近年の改革 籾 岡 宏 成. 北海道教育大学旭川枚法律学研究室. RecentPunitiveDamagesReformsattheStateLevelinAmerica MOMIOKA Hironari. DepartmentofLaw,AsahikawaCampus,HokkaidoUniversityofEducation. ABSTRACT AlthoughtheFederalSupremeCourtofAmericahasbeenactivewithregardtopunitivedamages issuesoverthelasttwodecades,thishasnotbeenthesolesourceofrecentdevelopments;quiteafew. StateSlegislatureshavealsosignificantlyinfluencedthepunitivedamageslaw.ThisArticleexamines Variousstatereformefforts,includingstatutorycaps,StateSharing,trialbifurcation,heightenedstan− dardsofproof,andjudicialassessmentofpunitivedamages.. Ⅰ.はじめに 前満では,アメリカ合衆国での不法行為改革の 文脈において,その是非をめぐって激しい論戦が 繰り広げられている懲罰的損害賠償制度につい. を主張する者もないではないが2,この制度が有 する抑止機能に一定の評価を与えながらもその暴 走を抑制するために民事陪審の役割を見直そうと. する流れが大勢を占めていると言える。 一方において,合衆国最高裁はここ20年にわた. て,最近は議論の中心が民事陪審との関連にシフ. り懲罰的損害賠償の合憲性(主として合衆国憲法. トしている状況について紹介し検討を行った1。. のデュー・プロセス条項に違反するか否か)とい. 先鋭的な改革論者の中には,懲罰的損害賠償その. う観点から一連の判断を示してきが。そして,. ものを諸悪の根元であるとしてその全面的な廃絶. 現時点での終着駅であるフィリップ・モリス対. 1 拙稿「アメリカ合衆国における民事陪審と懲罰的損害賠償 前・後編」北海道教育大学紀要(人文科学・社会科学編)57. 巻1,2号65,111頁(2006,2007年)。 2 Seee.gl,W.KipViscusi,W7u77tereiiNbDq斥71Seq′hnlitiveDam‘聯ぶ,87GEO.L.J.381(1998). 3 Browning−FerrisInd.,Inc.v.KelcoDisposal,Inc.,492U.S.257(1989);PacificMutualLifeInsuranceCo.v.Haslip,499 U.S.1(1991);TXOProductionCorp.Ⅴ.AlliancesResourcesCorp.,5O9U.S.443(1993);HondaMotorCo.Ⅴ.Oberg,512U.S.. 415(1994);BMWofNorthAmerica,Inc.v.Gore,517U.S.559(1996);CooperIndustries,Inc.v.LeathermanTooIGroup Inc.,532U.S.424(2001):StateFarmMut.AutomobileIns.Co.Ⅴ.Campbell,538U.S.408(2003).. 29.
(3) 籾 岡 宏 成. ウィリアムズ判決(2008年)において,「陪審が. のである6。本箱は,連邦最高裁の判例法理とは. 被告を処罰すべく,非当事者を襲ったとされる損. 別の,こうした州の取り組みを紹介することに. 害を直接の計算に入れて懲罰賠償を認定・算定す. よって,懲罰的損害賠償制度の抱える問題をアメ. ることは許されない」という重要な判断を示すに. リカがどのように克服しようとしているのかを明. 至った4。政治的な問題についての保守化が著し. らかにしたい。. いと指摘される合衆国最高裁が5,企業活動のあ. 各州が進めている改革の具体的内容は多岐にわ. り方に大きな影響を与えるであろうこの論点につ. たるが,本稿では,代表的なものとして,①損害. いても,果たしてこうした動きを今後更に加速さ. 賠償の上限設定,②損害賠償の州政府への支払い,. せるかは不透明ではあるが,陪審への説示内容に. ③事実審理の分離,④証明の程度の引き上げ,⑤. まで最高裁が踏み込んだ意義は小さくないものと. 裁判官による損害賠償の算定を取り上げることに. 思われる。. する。その中で,アメリカにおける法文化の多様. しかしながら,懲罰的損害賠償に関する法理を. 性が浮き彫りになれば幸いである。. 連邦最高裁が独占して提供しているわけではな い。すなわち,それぞれの法域(=州)において も懲罰的損害賠償について独自の法制度が展開し. ていることにも注目すべきである(この制度はそ. Ⅱ.損害賠償金額の上限設定 1996年時点で,16の州が懲罰的損害賠償額の上. もそもそれぞれの州において発展してきたという. 限を規制する法律を既に制定しているかまたは議. 沿革を有する)。早くは1970年代から,全米の不. 会で審議中である7。. 法行為改革の潮流の中で多くの州が何らかの形で. 異なり,ヴァージニア州のように懲罰的損害賠償. 懲罰的損害賠償を抑制する試みを行ってきている. 額を一律350,000ドル以下にするというように上. その規制の方法は州により. 4 PhilipMorrisUSAv.Williams,549U.S.346,127S.Ct.1057,1065(2007).この判決を論じた文献としては,会沢亘「懲罰 的賠償の終焉!?(1)(2)(3)」北法59巻1,3,4号522,570,426頁(2008年),木村仁「懲罰的損害賠償と第三者の損害」 関学59巻2号1頁(2008年),溜箭将之「懲罰的賠償とデュー・プロセス」ジュリ1361号169頁(2008年),阿部圭介ほか「合 衆国最高裁判所2006−2007年開廷期重要判例概観」アメリカ法〔2007−2〕227−29頁〔芹澤発言〕,拙稿「最近の判例」アメリ カ法〔2007−2〕311頁などがある。. 5 法曹学者のロナルド・ドゥオーキンが最近の合衆国最高裁の保守化を論じている。SeeRoNALDDwoRKIN,THESup− REMECouRTPHALANX:THECouRT,SNEWRIGHT−WINGBLOC(2008).なお,最高裁の裁判官の投票パターンの分析(特 にリベラル派とされるプライアとギンズバーグに注目している)から懲罰的損害賠償に関する法理を論じた興味深い文献と. して,JenniKhuuKatzer,A7bleq′Tu)OLiberals:D¢artureatSt4)remeCourtRevieu)q′PunitiveDamL聯S,29WHIT− TIERL.REV.625(2008)がある。 6 アメT)カの各州での懲罰的損害賠償制度に関する試みについての比較的最近の論文としては以下のものがある。Jennifer K.Robbennolt,DeierminingPunitiveDamages:E〝ゆirica11hsightsand吻IicationsjbrRqfbrm,50BuFFALOL.REV.103. (2002):DevelqpmentintheLaw−TheCivilJu7T,110HARV.L.REV.1408,1526−36(1997)(この論文については,石田裕 敏「民事陪審の過去と現在」アメT)カ法[1998]83頁以下に紹介されている);JamesR.McKown,Pu71itiveDam‘聯S:Siate TrendsandDevel坤menis,14REV.LITIG.419,436−61(1995);ThomasKoeingandMichaelRustad,TheQuietRevolu 凪・!心J/l・(J∴1JJどナナ小ブタイ〃J/メ/JJ小リイ/JJl・ナナノ小(ハ、//イメ/(J/l・r/げ/凡ソiげナナJ/イ♪J川J/J!・l・♪(川J〃鎖・∫ブタJ♪川(ナノノ(、/上山鋸/〟∫.10Jし■S−ト. ,SYS.J.21,27−38(1993);MichaelRustad,1hDqfi,nSeqfPunitiveDamagesinProducisLiabili抄:TestingTortAnecdoies uJithE〝ゆiricalData,78IowAL.REV.1,6−9(1992).また,陪審による賠償額算定の観点から近年の懲罰的損害賠償の改革. 案を検証した論文としては,CassR.Sunstein,DanielKahnemanandDavidSchkade,AssessingPunitiveDamageshLJ NbiesonCog71itionandT匂IuationinLau),107YALEL.J.2071,2112−30(1998)がある(この論文の紹介としては,拙稿「懲 罰的損害賠償額の算定と陪審の心理」アメT)カ法[2001−1]161頁を参照。なお,筆者の1人であるDanielKahneman氏は, 2002年度ノーベル経済学賞を受賞した人物である。)。本稿は,これらの論文に負うところが大きい。. 7 SeeBMWofNorthAmerica,Inc.Ⅴ.Gore,517U.S.559app.at615−16(1996)(Ginsburg,J.,dissenting).. 30.
(4) アメリカ合衆国の州レベルにおける懲罰的損害賠償をめぐる近年の改革. 限を明示する州もあれば8,フロリダ州のように 懲罰的損害賠償額を填補的損害賠償額の3倍以下. 額を算定する陪審の裁量を制限することになり, 「強力な武器」16としての懲罰的損害賠償の切れ. にするというように填補的損害賠償との比率で規. 味を鈍らせるのではないかという懸念を生む。明. 制する州もある9。さらには,ノース・ダコダ州. 確な数値による制限が存在すれば,特に大規模な. のように上限額と比率の両方を設定しそのいずれ. 企業活動を行なう潜在的被告が将来の損害を費用. かの高い方を上限とする州10,コネチカッ川、lの. に参入することが可能になり,懲罰的損害賠償の. ように事件の種類によって上限額または比率を設. 抑止効果が減殺されるからである17。このことは,. 定する州11,カンザス州のように被告の年収額を. 懲罰的損害賠償と填補的損害賠償の比率による規. 上限とする州など12,様々なバリエーションがあ. 制であっても同様であるが,このアプローチを採. る。. 用した場合,填補的損害賠償が偶発的に少額のと. 賠償額の上限を制定法によって設定するやり方. きは,例えばその額の3倍の懲罰的損害賠償を被. は,陪審員,事実審の裁判官,上訴審の裁判官に. 告に課しても「懲罰」の意味が薄れることは十分. 対して明確な指針を示すという長所がある13。こ. に想像できる。賠償額の制限であれ,比率による. うした規制を厳格に適用することにより陪審及び. 制限であれ,懲罰的損害賠償額の過大化の防止に. 裁判官の裁量を適切に管理できれば,実質的には. 対する運営上最も容易な解決方法の一つではある. 賠償額が高騰する可能性を減少させ,法的には支. が,懲罰的損害賠償という制度が元来有していた. 払う賠償額の上限についての被告に対する告知. 制裁の融通性という重要な側面を犠牲にしている. (最高裁判例でも論点となっていた14)が確保さ. のも事実であり,運用にあたってはそうした側面. れることになる。この結果として,裁判所及び当 事者が懲罰的損害賠償額を算定するにあたって費. にも配慮すべきであろう。 そして,訴訟法上の重要な論点は,陪審に対す. やされる労力が減少するため,司法運営上及び訴. る説示の中で賠償額の上限又は比率を示すことが. 訟上のコストも減少するという主張もなされてい. 許されるか否かという点である。説示の段階で上. る15。さらには,懲罰的損害賠償をめぐる不確定. 限額等を陪審が知った場合と,陪審が上限額を知. な要素が除去されることにより,賠償額の高額化. らないまま評決で出した賠償額に対する規定額へ. についての潜在的な被告の不安も解消され,製品. の修正措置を裁判官が行った場合では,仮に賠償. の技術革新,研究,マーケテイング等に対する懲. 額が一致したとしても,手続上それぞれの懲罰的. 罰的損害賠償の萎縮効果も減縮されることが期待. 損害賠償額が持つ意味が全く異なるのは言うまで. される。. もない。すなわち,損害賠償額を算定するという. 制定法による上限設定は,かような快刀乱麻の. 陪審の本質的な裁量の広さにおいて両者に著しい. 効果を発揮する反面,被告の行為に相応しい賠償. 相違が生じることを認識する必要があろう。例え. 8 VA.CoDEANN.§8.01−38.1(Michie1992). 9 FLA.STAT.ch.768.73(1)(a)(1995). 10 N.D.CENT.CoDE§32−03.2−11(4)(1996).. 11CoNN.GEN.STAT.§§52−240b,564−564a,565−569(1997). 12 KAN.STAT.ANN.§60−3701(e)(WestSupp.1996). 13 Seee.gl,Crookstonv.FireIns.Exch.,817P.2d789,809(Utah1991). 14 SeeTXOProductionCorp.Ⅴ.AllianceResourcesCorp.,509U.S.443,465−66(1993);BMWofNorthAmerica,Inc.Ⅴ. Gore,517U.S.559,574n.22(1996). 15 Seee.g,Sunstein,St4}ranOte6,at2127.. 16 PacificMuturalLifeInsuranceCo.v.Haslip,499U.S.1,42(1991)(0’Connor,J.,dissenting). 17 Seee.g,St4)7mnOte13,at809.. 31.
(5) 籾 岡 宏 成. ば,雇用差別訴訟において填補的損害賠償と懲罰. 夕州)25もある。支払方法は,被告からの懲罰的. 的損害賠償の合計額の上限が30万ドルである旨を. 損害賠償額から訴訟費用と弁護士報酬とを控除し. 陪審に告知してはならないという連邦法上の規定. た金額から一定比率を支払うのが最も一般的であ. がある18。こうした規定は,上記と同一の認識に. るが,懲罰的損害賠償額をいかなる比率で原告,. 立った上のものであるが,今後の州及び連邦レベ. 原告側の弁護士,州政府に分配するかの決定を事. ルでの懲罰的損害賠償に対する規制において論点. 実審裁判所に委ねている州(イリノイ州)もあ. として浮上してくるものと思われる。なお,この. る26。. 点について否定的な論者(陪審に制定法上の賠償. 懲罰的損害賠償額の一部の州政府への支払の最. 額の上限を知らせるべきではないという立場)が. 大の長所は,従来から批判の絶えなかった原告の. 多いのも事実である19。. 不当利得性が改善されるという点である。懲罰的 損害賠償は,実損害の補償という意味を持たない ために,原告に対して射幸心を煽るものであり,. Ⅱ.損害賠償の州政府への支払. 健全な法感情を損なうという攻撃にさらされてき. 懲罰的損害賠償の諸問題に対して州が取り組ん. た27。賠償額の一部でも政府に支払われれば,不. でいる方策として次に紹介するのは,勝訴判決に. 当利得性の批判にも対応するばかりではなく,処. よって原告が手にした懲罰的損害賠償額の一部. 罰と抑止という懲罰的損害賠償の目的にも適うこ. を,州政府又はその代理機関に支払わせるよう義. とになる。さらには,支払われた金銭が,当該被. 務付けるやり方であり20,多くの州で制定法によ. 告の行為によって被害を受けてきた又は受ける可. り実施されている21。州への支払いの比率は,35%. 能性のある人々の救済に直接賄われ,懲罰的損害. (フロリダ州)22から75%(ジョージア州)23まで. と幅があり,支払先についても,不法行為被害者 補償基金(ミズーリ州)24もあれば州財務局(ユ. 賠償制度の社会に対する貢献を期待できる28。 だが,この類の改革は,以下の2つの重要な問 題を碇起することになる。第1には,民事訴訟に. 18 42U.S.C.§1981a(b)(1)(Supp.V1993). 19 Seee.g.,MichaelS.Kang,Don’tTellJuriesAboutSiatutoり′DamLqeCL砂S:The几飽riisqfNondisclosure,66U.CHI.L. REV.469,470(1999).SeeaLsoRobertS.Peck,Tnolatingthelhviolaie:C砂SOnDamL雛SandtheRightto TrialbyJu7T,31 DAYTONL.REV.307(2006).後者の論文の筆者は,懲罰的損害賠償を含めた損害賠償の額を決めるのは陪審の伝統的な権能 であるから,オハイオ州における賠償額の上限規制そのものが民事陪審を保障したオハイオ州憲法に違反すると主張する。 〟.at344.. 20 例えば,2002年のオハイオ州最高裁の判例では,保険会社が被告となった事案において,30,000,000ドルの懲罰的損害賠. 償のうち20,000,000ドルを同州の癌研究基金に支払うことが命じられている。SeeDardingerv.AnthemBlueCross& BlueShield,980hioSt.3d77,20020hio7113,781N.E.2d121,20020hioLEXIS3081.拙稿「最近の判例」アメT)カ法 〔2003−2〕442頁参照。. 21SeeBMWofNorthAmericav.Gore,517U.S.559app.at616−18(1996)(Ginsburg,J.,dissenting).これによれば,1996年 時点で,7州がすでに制定法で懲罰的損害賠償の州機関への支払いを義務付けており,6州が同様の内容の法案を州議会に. 碇出している。 22 FLA.STAT.ch.768.73(2)(1995). 23 GA.CoDEANN.§51−12−5.1(e)(2)(Supp.1996).. 24 MO.REV.STAT.§537.675(1994). 25 UTAHCoDEANN.§78−18−1(3)(1992). 26 735ILL.CoMP.STAT.ANN.5/2−1207(West1993). 27 Seee.gl,BankersLife&Cas.Co.Ⅴ.Crenshaw,486U.S.71,87(1988)(0’Connor,J.,COnCurringinpartandconcurringin thejudgment).ここでは,懲罰的損害賠償の「棚ぼた」の側面が議論されている。. 28 SeeMackTrucks,Inc.Ⅴ.Conkle,436S.E.2d635,639(Ga.1993).. 32.
(6) アメリカ合衆国の州レベルにおける懲罰的損害賠償をめぐる近年の改革. おける懲罰的損害賠償額を政府が徴収するとなる と,合衆国憲法第8修正の過重な罰金の禁止条項 に抵触する可能性が生じるという点である。最高. Ⅳ.事実審理の分離 事実審理の分離(trialbifurcation)とは,事. 裁の判例では,この判断が留保されたものの29,. 実審を複数の段階に分けた上で,それぞれの段階. 遠くない将来において合衆国最高裁も言及せざる. で陪審に評決を行なわせる手続のことであり,連. を得ないと思われる30。. 邦民事訴訟規則(FederalRulesofCivilProce−. 第2には,懲罰的損害賠償の州政府への支払を. dure)にも規定されている34。そして1996年の時. 義務付けることによって,州の事実審裁判所にお. 点で11の州において懲罰的損害賠償が関係する事. ける事実認定者(陪審員又は裁判官)がその権限. 実審の分離が認められているが35,制定法による. を濫用する危険が生じるという問題である。一定. 州もあれば判例法による州もある。州によって事. の悪質な行為(環境破壊行為,慈善募金詐欺行為. 実審理の分離は様々なバリエーションが見られ,. 等)を原因として,州自体が原告として私人たる. 填補的損害賠償と懲罰的損害賠償とに分けるタイ. 当事者に懲罰的損害賠償を請求することが州法で. プ36,懲罰的損害賠償責任の成否の決定と額の算. 認められている場合には31,特にこの危険が増大. 定とを分けるタイプ37,さらには,懲罰的損害賠. する。なぜならば,とりわけ被告が州外の大企業. 償が関係する事件において事実審理の分離が必要. である場合には,州税を支払っている居住者たる. 的とされるタイプ38,当事者のいずれかの申し出. 裁判官または陪審員は,徴収される懲罰的損害賠. によって事実審理の分離が行なわれる任意的タイ. 償が州の財源に組み込まれるとなると,当該賠償. プ39などがある。. 金額に多かれ少なかれ利害関係を有することにな. この改正案が採用されている第1の背景として. り,より高額の懲罰的損害賠償を算定する誘惑に. は,懲罰的損害賠償の認定のために碇示された証. 駆られることは十分に想像できるからである32。. 拠が,填補的損害賠償の認定のためのそれと異. 州外の被告に対する過大な懲罰的損害賠償額の評. なっていたり,陪審に混乱や偏見をもたらす可能. 決の妥当性が問題になった最高裁判例において. 性があるという点があげられる。特に問題となる. も,そうした危険が指摘されている33。州政府に. のは被告の資産に関する証拠であり,これらの証. 徴収された懲罰的損害賠償が過重な罰金の禁止条. 拠は懲罰的損害賠償に関しては関連性があり許容. 項の適用範囲に入ると主張する論者にとって,こ. されることが多いが,填補的損害賠償とは関連性. れが強力な論拠の1つになるものと思われる。. が薄く,陪審が下す判断に偏見が入りやすい40。. 29 Browning−FerrisIndus.,Inc.Ⅴ.KelcoDisposalInc.,492U.S.257,276n.21(1989). 30 Seeid.at298−99(0’Connor,J.,COnCurringinpartanddissentinginpart). 31SeeGA.CoDEANN.§12−8−96.1(1996);225ILL.CoMP.STAT.460/9(West1993). 32 SeeMcKown,St4)7mnOte6,at440−41. 33 Seee.gl,TXOProductionCorp.Ⅴ.AllianceResourcesCorp.,509U.S.443,464(1993). 34 FED.R.CIV.P.42(b).なお,事実審理の分離に関する論文としては,StephanLandsmanetal.,Pr坤OSedRqfbrm∫−−−−−−−−−βg CarqhLlmatmu WishFbr:Theh17Ⅵdoxical旦伊cisqfB拘rcatingClaimsjbrPunitiveDam(聯S,1998WIS.L.REV.297. がある。 35 SeeBMWofNorthAmericav.Gore,517U.S.559app.at618−19(1996)(Ginsburg,J.,dissenting). 36 N.J.STAT.ANN.§2A:15−5.13(WestSupp.1996);CAL.CIV.CoDE§3295(d)(West.Supp.1996). 37 G.A.CoDEANN.§51−12−5.1(d)(Supp.1996).. 38 NEV.REV.STAT.ANN.§42.OO5(3)(1996). 39 N.D.CENT.CoDE§32−03.2−11(2)(1996). 40 SeeRustad,Stゆ7ⅥnOte6,at9n.27. 33.
(7) 籾 岡 宏 成. 事実審理の分離によって,填補的損害賠償の認定. る。だが,それでも事実審理の分離の利点を減ず. の段階では被告の資産に関する情報は陪審から遠. ることにはならない。なぜならば,制定法により. ざけられ,これらの弊害をある程度は予防できる。. 懲罰的損害賠償額の上限が填補的損害賠償額の数. 事実,填補的損害賠償が認定されるまでは被告の. 倍に定められている州においては,陪審による填. 資産についての証拠の碇出が禁じられている州が. 補的損害賠償額の決定をいかにコントロールでき. 多い(ジョージア州,メリーランド州,モンタナ. るかが懲罰的損害賠償額の多寡の鍵を握るからで. 州,ノース・ダコタ州,ユタ州)。. ある。そうした制定法が存在しない州においても,. 事実審理の分離のいま一つの優れた面は,陪審. 填補的損害賠償額と懲罰的損害賠償額との間には. が複数にわたる複雑な争点について判断を下さな. 極端な禿離は認められないことから44,事実審理. ければならない事件において,陪審の混乱を回避. の分離による填補的損害賠償額の決定の過程で,. するのに役立つということである41。陪審員の混. 被告の資産に関する証拠が陪審に対しての碇示を. 乱は,異なる証拠や異なる証明の程度が複数の争. 禁じられることは大きな意味を持つと言えよう。. 点に適用される場合においてその度合いを増. す42。次で述べるような,証明の程度が,填補的 損害賠償責任では「証拠の優越」,懲罰的損害賠 償責任では「明白かつ確信を抱くに足る証明」で. Ⅴ.証明の程度の引き上げ 近年,アメリカの半数以上の州が懲罰的損害賠. ある多くの州の民事訴訟においては,このことが. 償責任を認定する証明の程度を引き上げてい. 特に顕著であると言えよう。懲罰的損害賠償責任. る45。これらの州の大半は,通常の民事訴訟で適. の成否の認定を填補的損害賠償責任のそれと分離. 用される「証拠の優越(preponderanceofevi−. することにより,偏見を招く証拠並びに陪審の混. dence)」よりも程度の高い,「明白かつ確信を抱. 乱から生じる種々の問題が改善され,かつ,填補. くに足る証明(clearandconvincingproof)」を. 的損害賠償責任の認定の段階における陪審の判断. 義務付けているが,制定法による州もあれば46,. に正確性を期すことができる43。. 判例法による州もある47。コロラド州に至っては,. このように事実審理の分離には優れた点が多. さらに引き上げられて,刑事訴訟に適用される合. い。だが,問題がないわけではなく,穏やかな治. 理的な疑いを越えた証明(proofbeyonda. 療法であるがゆえの弱点も併せ持っている。すな. reasonabledoubt)が懲罰的損害賠償責任の証明. わち,事実審理の分離が行なわれても,懲罰的損. の程度になっている48。. 害賠償責任の成否を陪審が決定する段階になれ. 1991年の最高裁判決においても,「多くの州が. ば,資産力のある被告に対する偏見が生じる危険. 行なっているように,『明白かつ確信を抱くに足. 性について何の解決もなされていないことにな. る証明』の基準,又は,刑事訴訟の文脈で用いら. 41SeeDorseyD.Ellis,Jr.,PunitiveDamL聯ヲS,DueProcess,andtheJu7T,40ALA.L.REV.975,999−1001(1989). 42 5セgオd.atlOOl−02. 43 5ggオd.atlOO2−03.. 44 Seee.gl,BMWofNorthAmericav.Gore,517U.S.559,582−83(1996). 45 Seee.g.,Rustad,Sゆranote6,at7n.24.この資料によれば,1992年時点において27州が懲罰的損害賠償に関して証明の 程度の引き上げを義務付けている。 46 ALASKA.STAT.§09.17.020(MichieSupp.1996);IND.CoDE§34−4−34−2(1993). 47 Masakiv.GeneralMotorsCorp.,78OP.2d566,575(Haw.1989);Tuttlev.Raymond,494A.2d1353,1362−63(Me.1985).こ れらの判例の簡単な紹介としては,McKown,S24)mnOte6,at456−58が参考になる。 48 CoLO.REV.STAT.ANN.§13−25−127(2)(West1988).. 34.
(8) アメリカ合衆国の州レベルにおける懲罰的損害賠償をめぐる近年の改革. れるような『合理的な疑いを越えた証明』の基準. 害賠償というよりは刑事上の金銭による制裁とい. さえ州が義務付けることを是認する主張が多. う色彩が強い。しかし,他方において,懲罰的損. い」49ことが指摘されている。しかしながら,合. 害賠償訴訟の原告は国家ではなく私人であるのは. 衆国憲法のデュー・プロセス条項から論理必然的. 事実であり,刑事事件ほどに被告に対する偏見が. に懲罰的損害賠償認定の証明の程度が引き上げら. 強いとは考えにくい。そうなると,国家に課すの. れる必要もなく,証拠の優越で憲法上十分である. と同じレベルの証明の程度を私人にも要求するの. と論じられている50。. は困難である。懲罰的損害賠償請求事件において,. 最高裁のこうした判断にもかかわらず,多くの. 「合理的な疑いを越えた証明」が求められるのが. 州が証明程度の引き上げを支持する最大の理由. 全州の中でコロラド1州にとどまっているのは,. は,懲罰的損害賠償請求訴訟が,実損害の填補を. このことによると思われる。. 目的とする民事的救済と被告人の処罰を目的とす. ただ,いずれにしても,被告の懲罰的損害賠償. る刑事的制裁との「中間領域」に位置することに. 責任の成否が判断される段階に至っては,「証拠. ある。換言すれば,懲罰的損害賠償が「準刑事的」. の優越」から「明白かつ確信を抱くに足る証明」. であるがゆえに51,証明の程度も民事と刑事の中. に証明の程度が引き上げられるのが全体の潮流と. 間の「明白かつ確信を抱くに足る証明」が適切だ. 言える。この点に関して懸念されるのは,証明の. というわけである。しかし,これだけでは,懲罰. 程度の違いから,同一の不法行為でありながら州. 的損害賠償責任の証明が何故に「合理的な疑いを. によって別の結果が生じたり,事実審理の分離が. 越えた証明」まで必要とされないかを十分に説明. 行なわれない州の訴訟におい. していない。そうすると,別の理由付けが必要と. 責任の認定と懲罰的損害賠償のそれに適用される. なる。. 証明の程度が異なることから陪審の混乱が生じる. て,填補的損害賠償. まず,刑事手続において「合理的な疑いを越え. 可能性があるという点である。しかしながら,そ. た証明」が必要とされるのは,有罪の被告人を釈. うした危険が十分にありながら「明白かつ確信を. 放することから社会が被る不利益よりも,無罪の. 抱くに足る証明」という基準が多くの州で採り入. 被告人を有罪にすることから社会が被る不利益の. れられている事実は,懲罰的損害賠償が有する処. 方がはるかに大きいとされるからである52。また,. 罰機能を州が十分に認識している一方で,当該処. 検察(国家)の側に証明の程度の引き上げを課す. 罰を被告に加えるという州の権限に対する一定の. ことによって達成される目的の一つは,事実認定. 歯止めが存在することを示している。今後もこの. 者が被告人に対して通常抱く潜在的な偏見を克服. 傾向は継続するものと思われる。. することであることも指摘されている53。さらに は,刑事訴訟が国家(州)対私人の争いであり,. 両者の間に存在する訴訟遂行能力の差を埋める必 要性からも証明の程度の引き上げを説明すること. Ⅵ.裁判官による損害賠償額の算定 1997年時点で2つの州(コネチカット カンザ. も出来よう。そして,懲罰的損害賠償の目的は被. ス州)で,懲罰的損害賠償額の算定を完全に陪審. 告の懲罰と同様の行為の抑止であり,民事上の損. の千から奪い裁判官に委ねることを規定した制定. 49 PacificMuturalLifeInsuranceCo.Ⅴ.Haslip,499U.S.1,23n.11(1991). 50 〟.. 51Seee.gl,Smithv.Wade,461U.S.30,59(1983)(Rehnquist,J.,dissenting). 52 Seee.g,InreWinship,397U.S.358,372(197O)(Harlan,J.,COnCurring). 53 Underwood,The ThumbontheScalesqfJustice:BurdensqfPe7TuaSioninCriminalCases,86YALEL.J.1229,1306−07 (1977).. 35.
(9) 籾 岡 宏 成. 法により,損害賠償の高額化を食い止める試みが. 第1には,概して陪審は豊富な資金力を有する. なされている54。ただし,いずれの州においても,. 大企業たる被告に対して偏見を抱いており懲罰的. 陪審は填補的損害賠償額並びに懲罰的損害賠償が. 損害賠償を高額にする傾向が強い一方で,裁判官. 与えられるべきか否かを決定する権限を有してお. は政治的な圧力に影響される場合が多く賠償額を. り,懲罰的損害賠償額の算定のみが裁判官に移る. 相当程度抑制するという見方である59。しかしな. 形になる。. がら,静稿でも指摘したように,陪審員が政府や. これらの州でのこうした制定法は,コモン・. 大企業に偏見を持っており懲罰的損害賠償を高め. ロー上伝統的に認められてきた懲罰的損害賠償額. に算定するという点については,これを実証的に. の決定という陪審の権限をなくすだけに,判例上. 否定する論痛もある60。また,仮に陪審による懲. もこの点が争われている。まず,カンザス州最高. 罰的損害賠償額算定の方が高額であるとしても,. 裁の判例では,懲罰的損害賠償の請求権はコモ. この相違は,懲罰と抑止という効果に相応する金. ン・ロー上裁判官の裁量に服する権利であっ. 額についての裁判官との倫理的・政策的な違いに. て55,それゆえ,陪審による正式事実審理を保障. 過ぎないと捉えることも可能である61。. するカンザス州憲法の規定は,陪審が懲罰的損害. 第2には,法的な思考が十分に行えない素人陪. 賠償額の算定することまでを法的に義務付けてい. 審と,職業として裁判に接している裁判官とでは,. るわけではないとの判断がなされている56。これ. 事実認定能力の差が歴然であるという点である。. に対して,かつて懲罰的損害賠償額の算定を裁判. 一生に一度あるかないかの機会として陪審席に座. 官に委ねる制定法を有していたオハイオ州では,. る個々の陪審員とは異なり,目前の事件を他の同. かような規定は陪審に従来認められてきた権限を. 種の事件と比較できる上,同時に当該事実認定の. 侵害するため,州憲法に違反すると同州最高裁で. 根拠を判決文という形で同僚の裁判官のみならず. 判示されが7。これを受けて同州では,懲罰的損. 法曹界全体に対しても責任を負っている職業裁判. 害賠償を与えるか否か及びその額は事実認定者. 官は,当然に高額な賠償金を決定することには自. (陪審審理に付される場合は陪審員)が決定する. 制的になる62。このことが,事件ごとに賠償額の. との規定を設けるに至っている58。. ばらつきが生じるのを防止するというのである。. 懲罰的損害賠償の算定を裁判官に一任する立場. だが,この主張には裁判官の能力を過大評価して. の論拠としては,裁判官と陪審員との差異に由来. いる面があるように思われる。更には,裁判官と. する以下の点をあげることが出来よう。. は違って陪審員は,職業的・政治的圧力を受けに. 54 SeeCoNN.GEN.STAT.§52−240b(1997);KAN.CIV.PROC.CoDEANN.§60−3701(a)(WestSupp.1996). 55 Smithv.Printup,866P.2d985,997(Kan.1993). 56 〟.at998.. 57 Zoppov.HomesteadIns.Co.,644N.E.2d397,401(Ohio1994).SeealsoLisaM.Sharkey,Ju卸orJu7T:mOSho AssessPunitiveDam(聯ヲS.?,64U.CIN.L.REV.1089,1110−14(1996). 58 0HIOREV.CoDEANN.§2315.21(D)(1)(1997).ほどなくして,この規定を骨抜きにする包括的な法律が制定されたもの. の,再度この法律を違憲とするオハイオ州最高裁判決が下された。SeeStateexrel.OATLv.Sheward,715N.E.2dlO62 (Ohio1999).なお,この判例の紹介としては,拙稿「最近の判例」アメリカ法[2001−1]228頁以下がある。. 59 Seee.gl,Sharkey,Sゆ7ⅥnOte57,atl132. 60 SeeMichaelRustad,hlDく斥71SeqfPu71itiveDamagesi71ProductsLiability:Testi71gTortA71eCdotesu,ithEmpirical Daia,78IowAL.REV.1,50−51(1992). 61SeeAlanH.Scheiner,JudicialAssessmentqfPunitiveDamLqeS,theSeventhAmendment,andthePoliticsqfJuり′ PouJer,91CoLUM.L.REV.142,167(1991). 62 SeeEllis,Stゆ7ⅥnOte41,at998.. 36.
(10) アメリカ合衆国の州レベルにおける懲罰的損害賠償をめぐる近年の改革. くいという事実は,むしろ陪審の方が懲罰的損害. た同一の行為についての重畳的・懲罰的損害賠償. 賠償の算定を行なうのに相応しいという主張を裏. の禁止66,考慮要素の限定67などがあるが,紙幅. 付けるとも言える63。. の関係上取り扱うことができなかった。. このように,賠償額の算定する主体を陪審から. ところで,これらの試みがどの程度機能してい. 裁判官へ変えるのは理想的な解決方法とは言え. て具体的にいかなる成果が得られたのかについて. ず,荒治療であるとの批判を免れ得ない。懲罰的. は,現在のところ十分なデータが得られていない。. 損害賠償の手続から極めて民主的な過程を奪って. 一方で,フィリップ・モリス判決により,懲罰的. しまうことに対する抵抗感を多くの州の司法が示. 損害賠償についての陪審に対する説示内容の精微. しているのもこのためであろう。前述のオハイオ. 化という作業が州に委ねられた現在,こうした各. 州最高裁の判決は64,それを如実に語っている。. 州の試みが今後どの程度反映されるかが注目され. そしてこうした戸惑い・抵抗には,果たして陪審. るところである。いずれについても,こうした法. は常軌を逸した賠償額を算定しているのか,仮に. 制度の多様性・重層性こそがアメリカ法の大きな. そうだとしてその原因は何かという根本的な問題. 特徴でもあると言える。. が明らかになっていないまま,安易に陪審の裁量 権を制限することへの不満が含まれている。こう. (旭川校准教授). したことを踏まえると,上述の事実審理の分離,. 証明の程度の引き上げといった代替的な解決の方 が,司法への民主的参加という陪審制皮の優れた 面を維持した上での懲罰的損害賠償制度の改善が 期待できるものと思われる。. Ⅶ.おわりに 以上,現在アメリカにおいて進行中の懲罰的損 害賠償に対する州レベルの様々な取り組みを概観 した。この中で,賠償額そのものを抑制する動き (上限設定)や,既存の制度の下で陪審が公正で 適切な評決が下せるような工夫(事実審理の分離, 証明の程度の引き上げ)が多くの州で見られた。 本稿で紹介したもの以外にも,懲罰的損害賠償を 請求する際の一応の証拠(primafacieevidence) の提出の義務付け65,別訴で損害賠償を命じられ. 63 Seee.gl,Sheiner,St4mlnOte61,at169. 64 5ゆ用nOte57. 65 Seehttp://www.atra.org/show/7343(1astaccessedMar.26,2009).これはアメT)カ不法行為改革協会のホームページで. あり,ここで懲罰的損害賠償をめぐる各州の取り組みが概観できる。この中の“PunitiveClaimNotAllowedinOriginal Complaint’’の欄を参照。. 66 Seee.g,McKown,S24)mnOte6,at459−61. 67 Seeid.at443−46.だが,1996年の最高裁判決(BMWofNorthAmerica,Inc.Ⅴ.Gore,517U.S.559)で懲罰的損害賠償額 が過大か否かを判断する3つの考慮要素が示されてからは,その意義は相対的に小さくなった。. 37.
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