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実践編Ⅷ 技術・家庭科 自信をもって実践的・体験的な学習活動に取り組み、生活を豊かにしようとする生徒の育成

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Academic year: 2021

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57 -Ⅶ 技術・家庭科 栗原 信義 佐野 美幸 自信をもって実践的・体験的な学習活動に取り組み、生活を豊かにしようとする生徒の育成 1 研究の概要 (1) 生徒の実態 技術・家庭科では、生徒の現状を次のようにとらえている。 (2) 目指す生徒像 技術・家庭科では、生徒の実態をふまえ目指す生徒像を次のように設定した。 ① 身の回りの技術・知恵と自分とのかかわりに気付くことができる生徒 ② 学び合いを生かして実践的・体験的な学習活動に取り組む生徒 ③ 社会の変化に対応し、学びの役立て方を工夫できる生徒 ①の「身の回りの技術・知恵」とは、生活の中にある様々な製品に用いられている伝統的な技術や最 先端の技術と、豊かな生活を送るために必要な知識・技能を意味するものである。そして、「自分との かかわり」とは、自分自身を生産者・消費者としてとらえ、学習内容と自分の生活を関連づけることで ある。 ②の「学び合い」とは、仲間と共有した学習目標を達成するために、ペアまたは小グループで一緒に 学ぶことである。学び合いを通して、自分の作品の工夫点を説明したり、相手の考えを聞いてよい点や 改善点を自分の作品に生かしたりし、実践的・体験的な学習活動を充実させることができる。 ③の「社会の変化に対応」とは、資源や環境に与える影響を考えて、持続可能な社会を構築していこ うとする態度である。ものづくりの能力や少子高齢化社会の中で主体的に生きる消費者としての自覚を 身に付けていく必要性がある。そして、身に付けた学びを生活の中で工夫して生かすことで、自立した 生活を送ることができ、生活がより豊かなものになる。

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58 -(3) 研究の構想 本校生徒の実態と、本校技術・家庭科部が目指す生徒像をふまえて、以下のような構想で研究を進め ていく。 ①題材の導入段階では、学習内容と自分の生活との関連性や必要感を意識するために、提示教材を工夫 していく。また、生徒の経験の見取りを充実させることで体験的な学習活動への不安感を取り除くよう にする。 ②実践的・体験的な学習活動の段階では、身に付けてきた知識や技能を積極的に生かし、学び合いを工 夫することで作品づくりにおいて達成感や充足感をもつことができるようにしていく。 ③まとめの段階では、学びが役立つ場面を設定をすることで、題材を通して身に付けた学びを実生活に 生かすことができるようにしていく。 (4) 今年度重点的に取り組む手だてについて 本校生徒の実態と、本校技術・家庭科が目指す生徒像とをつなぐ手だてを次のように考え、授業実践 を進めていく。 ① 導入提示教材の工夫 ② 学び合いの工夫 ③ 学びが役立つ場面の設定 ①題材の導入段階では、身の回りに目を向けさせて生活の中の技術に気付かせたり、活用例を提示し たりしていくことで、生活と学習内容との関連性、必要性をもたせていく。活用例では、伝統的な技術 や最先端の技術を実物やビデオなどで紹介し、伝統的な技術を手の届かない存在としてではなく、生活 の知恵として捉え、真似をして自分の表現に取り入れることができるようにする。 ②題材の実践的・体験的な学習活動の段階では、学び合いによる協同学習を充実させることで、工夫 する楽しさや完成度の高まりを味わえるようにしていく。学び合いの工夫では、製作品の構想や製作途 中に、目的を絞り込んだり、考えをまとめやすくしたりするようなワークシートを利用して、ペアや小 グループでの話合いを深め、学習活動が充実できるようにする。 ③題材のまとめの段階では、学びが役立つ場面設定を工夫することで、学びを生かしての実践の可能 性や有用感をもたせていく。学びが役立つ場面設定では、生活に生かせるような具体的な場面を想定し、 題材で身に付けてきた知識や技能をもとに、生活に用いられている技術について、客観的に判断・評価 して、主体的に選択し活用していくことができるようにする。

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59 -2 実践例 「学び合いの工夫」を設定した授業の流れは、第3学年の題材「幼児にとってよりよい大人になろう」 を例にすると、以下のようになる。実践的・体験的な学習活動である幼稚園実習に向けて、学び合いを 生かして、幼児との接し方についての知識と技能を身に付けることを目標とした。学び合いの工夫とし て、親子役割ゲームを取り入れたり、ワークシートに自分の考えをまとめたりして、幼稚園実習に向け ての話合いを充実できるようにした。 3 省察と展望 (1) 実践例について ワークシートや生徒の観察から、学び合いについてまとめると以下のようになった。

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60 -実践例をふまえて、学び合いを充実させていくために、授業の展開では次の四つの流れを意識するこ とが重要である。 ①生徒一人一人を学びのステージに上げる。 ②技術の習得・知識の習得を確実に図る。 ③話し合いを充実させるための手だてを工夫する。 ④学びを全体で共有し、次の学習課題との関連を図る。 (2) 今後の展望 実践例を通して、学び合いの工夫を図ることで、目指す生徒像に近づけたと考える。今後、学びが役 立つ場面の設定や導入提示教材の工夫など、授業実践を重ねていくことで、本校技術・家庭科の授業の 在り方をより確かなものにしていきたい。 〈参考文献〉 1)安東茂樹 (2008) 『中学校新学習指導要領の展開 技術分野編』 明治図書 2)群馬県教育委員会 (2007) 『授業力アップへの提言2』

参照

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