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https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 公的資金による研究開発の追跡調査結果に関する考察 Author(s) 矢野, 貴久; 北川, 勉; 幸本, 和明; 吉田, 准一 Citation 年次学術大会講演要旨集, 23: 722-726 Issue Date 2008-10-12 Type Conference Paper Text version publisherURL http://hdl.handle.net/10119/7664
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公的資金による研究開発の追跡調査結果に関する考察
○矢野 貴久,北川 勉,幸本 和明,吉田 准一(NEDO) 1.はじめに 公的資金を原資とする研究開発において、プ ロジェクト終了後にこれまでの経緯や終了後 の成果の活用状況について追跡調査し、研究開 発の運営・管理上の問題点等をその研究開発マ ネジメントの改善に反映していくことは極め て重要である。独立行政法人新エネルギー・産 業技術総合開発機構(以下、「NEDO」と略す。) では、NEDO が実施し平成 13 年度以降に終了 したプロジェクトに対する追跡調査に、平成16 年度から本格的に取り組んでおり、筆者らは、 プロジェクト参加機関に対してアンケート調 査等を行い、プロジェクト成果の広がりの把握 や、マネジメント改善に資する情報の収集に努 めてきた。 表1:追跡調査対象プロジェクト及び機関数 表 2:各段階の内容 活動の主体 活動の内容 アウトプットイメージ ①研究段階 研究開発部門 基礎的/要素的な研究(現象の新規性や性能の進歩性等について把握) 社内レポート、特許、論文等 ②技術開発段階 研究開発部門 製品化/上市を視野に入れた研究。 (無償サンプル作成やユーザーへの マーケティング調査により、技術やコ ストの優位性、量産化技術の課題等 についての把握) 製品化/上市の判断材 料となる研究結果等 ③製品化段階 事業部門 製品化、量産化技術の確立。(製品 化への社内承認、試作機の製造、所 管省庁/監督団体による販売承認/検 査、製品を市場に投入するための設 備投資の実施等) 有償サンプル、量産試 作の実施、製造ライン設 置、原価計算等 ④上市段階 事業部門(販売部 門) 市場での取引 製品ラインアップ化(カタ ログ掲載)、継続的な売 上発生等 追跡調査では、プロジェクトに参加した企業、 大学、独立行政法人、公益法人等を対象として、 プロジェクト終了後から隔年度毎に、5 年目ま での状況について調査を行っているが、平成16 年度以降これまで5 年経過していなかったため 5 年目のデータはなかった。今般、平成 19 年度 の調査で初めて、平成 13 年度終了プロジェク トに関する5 年目の状況を、また、平成 20 年 度の調査で平成 14 年度終了プロジェクトに関 する 5 年目の状況を調査したので、本稿では、 平成13,14 年度に終了したプロジェクトを対 象として、プロジェクト終了時点に調査対象機 関が自ら設定した予定と、それに対する5 年目 の状況に関する調査結果、考察、及び今後の課 題について報告する。 2.研究の方法 (1)調査対象 NEDO が実施した中・長期ハイリ スクの研究開発プロジェクト(委託 事業・助成事業含む)のうち、平成 13 年度及び平成 14 年度に終了した プロジェクトに NEDO からの資金 を得て参加した委託先、再委託先等 の企業を調査対象機関とした。表 1 の通り、調査対象数は、平成 13 年 度に終了した 27 プロジェクトにつ いて、事前準備調査として 131 件、 簡易追跡調査として3 年目に係る調査を 80 件、 5 年目に係る調査を 71 件、平成 14 年度に終了 した 29 プロジェクトについては、事前準備調 査として207 件、簡易追跡調査として 3 年目に 係る調査を140 件、5 年目に係る調査を 122 件 に対して行った。 (2)調査手法 調査はアンケート調査票により実施した。事 前準備調査では、調査対象機関に対し、プロジ ェクト成果を活用して自社において継続的な 研究等の取組を行っているか否かを尋ねた。ま た、継続的な取組を行っている場合には、その 研究等は、最終的に、研究段階、技術開発段階、 製品化段階、上市段階のうちどの段階を目指す かを尋ねると共に、最終目標段階に至るまでの 各段階の到達予定年度についても尋ねた。各段 階の内容は表 2 の通り。平成 13 年度終了プロ ジェクトについては、平成 16 年度に調査票を 送付し平成 14 年度時点の目標設定の状況を尋 ねた。平成 14 年度終了プロジェクトについて は、平成16 年度に調査票を送付し平成 15 年度 事前準備調査 終了時 終了後3年目 終了後5年目 対象数 27 131 80 71 回収数 - 131 79 71 対象数 29 207 140 122 回収数 - 207 140 98 合計 56 338 220 193 平成13年度 平成14年度 プロジェ クト数 プロジェクト 終了年度 簡易追跡調査 企業数時点の目標設定の状況を尋ねた。 220 118 96 41 56 27 27 23 57 47 66 0 350 継続事業の有無 目標段階 (n=220) 5年目の段階 (n=220) 企 業 中止 研究 技術開発 上市 製品化 研究 技術開発 上市 製品化 継続 非継続 実用化率 回答企業の 15% 実用化目標率 回答企業の 41% 平 成 1 3 ・ 1 4 年 度 終 了 プロ ジェク ト 回答数=338 簡易追跡調査では、事前準備調査で継続中で あることが判明した企業を対象として、プロジ ェクト終了後3 年目の状況について 4 年目に尋 ねた。3 年目の簡易追跡調査で継続中であるこ とが判明した企業を対象として、プロジェクト 終了後5 年目の状況について 6 年目に尋ねた。 平成13 年度終了プロジェクトについては、3 年目の状況を平成17 年度に、5 年目の状況を平 成19 年度に尋ねた。平成 14 年度終了プロジェ クトについては、3 年目の状況を平成 18 年度に、 5 年目の状況を平成 20 年度に尋ねた。平成 20 年度の回収数は、本稿作成時点の暫定の数字で ある。本稿では、未回収企業については、前回 回答と同じ段階と見なして集計した。 図1 平成 13,14 年度終了プロジェクト参加企業の目標及び 5 年目の 段階内訳 ②終了後 5 年間の段階の推移 図 2 は企業の段階の推移を示す。図中の矢印と 数字は段階間の移動数を示す。上市、製品化段 階数は 3 年目と 5 年目でほとんど変化がない。これ は、現状段階が技術開発段階等から上市・製品化 段階へ上がる企業がある一方で、各段階から中止 に至る企業があるためである。 次に、事前準備調査で得られた上市に到達す るまでに要する予定期間及び簡易追跡調査で得 られた実際に要した期間について、調査対象機関 毎の企業規模(研究開発費、売上高研究開発費 比率)及び、プロジェクト実施期間中に当該企業が 実施した研究の性格(基礎・基盤研究、応用研究) の観点から企業を分類し、結果を考察した。なお、 企業規模については、『会社四季報』(東洋経済 新報社)や有価証券報告書等から主として平成 18 年度のデータを抽出した。また、研究の性格の定 義は表 3 の通りとした。 1 27 66 27 58 47 56 87 57 41 23 23 96 24 27 0 100 200 目標 (n=220) PJ終了後 3年目の段階 (n=220) PJ終了後 5年目の段階 (n=220) 未回答 中止 研究 技術開発 製品化 上市 4 表 3:研究の性格 基礎・基盤研究 基礎研究の成果(技術シーズ)を踏まえ、更に研究を発 展させることにより研究成果が実用化・事業化に移される 可能性を持つ創造的な基礎研究(産業技術シーズの発掘 に資する新たな知識を得るための理論的または実験的研 究)。知的基盤・標準整備等のための研究開発、工学的共 通基盤技術、技術の体系化を含む。開発する技術の活用 先としては大きな方向性のみで、具体的なアプリケーショ ン(応用先の製品や用途)が明確化されていないか、明確 であっても基礎的な研究段階に留まっているもの。 基礎研究によって発見された知識を利用して、特定の目 標を定めて実用化の可能性を確かめる研究、及び既に実 用化されている方法に関して、新たな応用方法を探索する 研究。 アプリケーション(応用先の製品や用途)の具体化や、プ ロジェクト期間中に技術シーズの産業技術としての見極め のための検証や試作品の作成が行われているもの。 応用研究 3.結果及び考察 (1)全体の結果 ①目標段階及び 5 年目の段階 図1は平成 13,14 年度終了プロジェクトに参加 した調査対象企業(n=338)の目標段階と 5 年目の 段階を示す。220 件(65%)が継続し、118 件(35%)は プロジェクト終了後に継続的な活動を実施してい ない。最終目標段階を上市・製品化段階としてい る企業は、回答があった企業 338 件のうち 137 件 (41%)であるのに対して、5 年目時点では回答のあ った企業のうち 50 件(15%)が上市・製品化段階に 到達している。 5 4 6 1 7 10 1 1 5 6 2 図 2 平成 13,14 年度終了プロジェクトに参加した企業の段階の推移 さらに、段階が下がった企業に理由を尋ねた所、 例として、上市段階から中止したものは、「推測し た市場と比較して実際の市場があまりにも小さく、 事業化することが非常に困難であることが判明」等 であった。研究・技術開発段階から中止したものは、 「製造技術の開発が困難な上、事業化への大規模 な投資が必要」、「市場が立ち上がっておらず、ビ ジネスモデルが構築できない」等であった。また、 技術開発段階から研究段階に移ったものは「開発 計画の見直し」等によるものであった。 ③上市段階に到達する平均予定期間及び 5 年以内 の到達実績 目標段階を上市とした企業にプロジェクト終了 時点から上市に至るまでに要する予定期間を尋 ねたところ、平均 5.1 年(n=96)であった。さらに、
度でも上市に到達した企業は 33 件(57%)であり、 25 件(43%)は予定よりも遅れている。 図 5 は、上市を目標とする企業のうち、企業単位 の売上高研究開発費比率の規模別の上市へ到達 するまでの予定期間を示す。売上高研究開発費 比率による、上市に到達するまでの予定期間は、0 ~2.1%の企業と、4.2%以上の企業で平均を上回る が規模の大小による傾向は見られない。 予定より遅れている企業に理由を尋ねたところ、 「生産技術開発で想定外の困難に直面」、「他企 業との共同研究の体制整備の遅れ」、「関連特許 を有する社との折衝の長期化」、「物流体制構築 等の調整の長期化」、「実規模の実証の目途が立 たない」等であった。 0 2 4 6 8 10 合計 (n=96) 不明 (n=30) 0.0%以上 (n=20) 2.1%以上 (n=25) 4.2%以上 (n=21) 上市までの予定期間の対比 売 上 高 研 究 開 発 費 比 率 予 定 期 間 ( 年 ) 6.1年 4.4年 4.6年 5.1年 5.9年 ● ● ● ● ● (2)企業規模別の分析結果 ①研究開発費 図 3 は上市を目標とする企業のうち、企業単位 の研究開発費の規模別の上市へ到達するまでの 予定期間を示す。細線は標準偏差[±1σ]を示 す。研究開発費が多い企業は、上市に到達するま での予定期間が長い。 0 2 4 6 8 10 合計 (n=96) 不明 (n=30) 0億円以上 (n=22) 160億円以上 (n=22) 469億円以上 (n=22) 上市までの予定期間の対比 5.9年 5.9年 4.6年 5.1年 ● ● ● ● ● 研 究 開 発 費 予定期間(年) 4.5年 図 5 企業規模(売上高研究開発費比率)による上市までの予定期間 の対比 図 6 は、終了後 5 年以内に一度でも上市段階に 到達した企業において実際に要した期間を売上 高研究開発費比率別に示す。比率の大きな企業 は、上市段階に到達するまでの期間が短い。 図 3 企業規模(研究開発費)による上市までの予定期間の対比 図 4 は終了後 5 年以内に一度でも上市段階に 到達した企業において実際に要した期間を示す。 研究開発費の規模が大きい企業は、上市段階に 到達するまでの期間が短い。 0 1 2 3 4 合計 (n=36) 不明 (n=14) 0億円以上 (n=8) 160億円以上 (n=9) 469億円以上 (n=5) 上市までに要した期間の対比 1.6年 1.9年 1.9年 1.9年 研 究 開 発 費 上市に至る所要期間(年) 2.4年 ● ● ● ● ● 0 1 2 3 4 合計 (n=36) 不明 (n=14) 0.0%以上 (n=7) 2.1%以上 (n=9) 4.2%以上 (n=6) 上市までに要した期間の対比 1.3年 1.9年 1.9年 1.9年 売 上 高 研 究 開 発 費 比 率 上 市 に 至 る所 要 期 間 ( 年 ) 2.7年 ● ● ● ● ● 図 6 企業規模(売上高研究開発費比率)による上市までに要した期 間の対比 図 3 と図 5 において、研究開発費が多いまたは 売上高研究開発費比率の高い企業は、上市段階 に到達するまでの予定期間として平均 5.9 年また は平均 6.1 年を要し、合計の平均 5.1 年よりも長 い。一方、図 4 と図 6 において、研究開発費が多い または売上高研究開発費比率の高い企業は、平 均 1.6 年または平均 1.3 年を要し、合計の平均 1. 9 年よりも短い。また、規模が小さいほど、平均所要 期間が長い。これにより、企業規模の大きな企業 は、小さい企業に比較して、長期的に研究に取り 図 4 企業規模(研究開発費)による上市までに要した期間の対比
145 67 77 35 28 5 23 19 34 28 41 0 215 継続事業の有無 目標段階 (n=145) 5年目の段階 (n=145) 企 業 中止 研究 技術開発 上市 製品化 研究 技術開発 上市 製品化 非継続 継続 回答数=212 実用化率 回答企業の 20% 実用化目標率 回答企業の 53% 平 成 1 3 ・ 1 4 年 度 終 了 プロ ジェク ト : 応 用 研 究 組む企業と、短期間で上市段階に到達する研究 に取り組む企業とに 2 極化していることが示唆され る。なお、図 6 で 4.2%以上の高い比率に多い業種 は精密機器及び電気機器、低い比率に多い業種 は鉱業及び機械である。この業種による違いと、上 市までの所要期間の相関を分析するためには、さ らなるデータ数の蓄積が必要である。 (3)研究の性格別分析の結果 ①目標段階及び 5 年目の段階 調査対象企業がプロジェクト期間中に実施した 研究を「基礎・基盤研究」と「応用研究」に分類し、 目標及び現状段階を比較した。 図 8 平成 13,14 年度終了事業参加企業の目標及び 5 年目の段階内 訳(応用研究) 図 7 は、プロジェクト期間中に基礎・基盤研究を 実施した企業における目標及び 5 年目の段階の 内訳を示す。回答した企業 126 件のうち 75 件(60%) は成果を活用した継続的な取組を実施し、51 件 (40%)は継続的な取組を実施しなかった。回答のあ った企業のうち、プロジェクト終了直後には 25 件 (20%)の企業が上市・製品化段階を目標としたのに 対し、5 年目時点には 8 件(6%)が上市・製品化に到 達した。 ②上市段階に到達する平均予定期間及び 5 年以内 の到達実績 プロジェクト終了時点で上市段階を目標として 設定した企業に対して予定期間を尋ねたところ、 基礎・基盤研究を実施した企業の上市段階までの 予定期間は平均 7.4 年、応用研究を実施した企業 の上市段階までの予定期間は平均 4.6 年だった。 また、応用研究で終了後 5 年以内に一度でも上市 段階に到達した企業は、上市を目標段階とした企 業 77 件のうち 32 件(42%)であった。 75 51 19 6 28 22 4 4 23 19 25 0 130 継続事業の有無 目標段階 (n=75) 5年目の段階 (n=75) 企 業 中止 研究 技術開発 上市 製品化 研究 技術開発 上市 製品化 継続 非継続 回答数=126 実用化率 回答企業の 6% 実用化目標率 回答企業の 20% 平 成 1 3 ・ 1 4 年 度 終 了 プロ ジェク ト : 基 礎 ・ 基 盤 研 究 ③売上高研究開発費比率 図 9 は、売上高研究開発費比率の規模別に見 た、上市段階までの予定期間の研究性格別の対 比を示す。基礎・基盤研究については、上市に到 達するまでの予定期間は、売上高研究開発費比 率が 0~2.1%の企業群と、4.2%以上の企業群で平 均 7.4 年を上回るものの規模の大小による傾向は 見られない。応用研究も同様に規模の大小による 傾向は見られない。 図 7 平成 13,14 年度終了事業参加企業の目標及び 5 年目の段階内 訳(基礎・基盤研究) 上市までの予定期間の推移 応用研究 応用研究 応用研究 応用研究 応用研究 基礎・基盤研究 基礎・基盤研究 基礎・基盤研究 基礎・基盤研究 基礎・基盤研究 合計 合計 合計 合計 合計 0 2 4 6 8 10 (n=77) (n=19) (n=96) (n=24) (n=6) (n=30) (n=15) (n=5) (n=20) (n=22) (n=3) (n=25) (n=16) (n=5) (n=21) 応用研究 基礎・基盤研究 合計 9.2年 6.1年 4.7年 5.1年 4.2%以上 4.6年 5.9年 4.4年 5.8年 4.9年 9.0年 2.1%以上 0.0%以上 不明 合計 4.3年 4.6年 5.1年 7.4年 4.4年 図 8 は、プロジェクト期間中に応用研究を実施し た企業における目標及び現状段階の内訳を示す。 回答した企業 212 件のうち 145 件(68%)は成果を活 用した継続的な取組を実施し、67 件(32%)は継続 的な取組を実施しなかった。回答のあった企業の うち、プロジェクト終了直後には 112 件(53%)の企業 が上市・製品化段階を目標としたのに対し、5 年目 時点では 42 件(20%)が上市・製品化に到達してい た。 基礎・基盤研究と応用研究を比較すると、応用 研究を実施した企業の方が、継続的な取組を実施 した企業の割合、上市・製品化を目標とする企業 の割合、実際に上市・製品化に到達している企業 の割合のいずれもが大きい。 図 9 企業規模(売上高研究開発費比率)による上市段階までの予定 期間の研究性格別の対比
図 10 は、終了後 5 年以内に上市段階に到達す ることを予定していた企業のうち、5 年以内に一度 でも上市段階に到達した企業の割合を、売上高研 究開発費比率別、研究性格別に対比を示す。5 年 以内に上市段階に到達する予定であった企業 58 件について検討すると、基礎・基盤研究において、 実際に到達したのは 8 件のうち 3 件(38%)で平均 1.0 年、到達しなかったのは 5 件(62%)、同様に応用 研究で予定 50 件に対し、実際に到達したのは 30 件(60%)で平均 1.9 年、到達しなかったのは 20 件 (40%)であった。スケジュールの遅れとともに、基 礎・基盤研究の長期化の可能性が示唆される。 5年以内に上市予定企業の上市到達割合 60% 38% 57% 65% 50% 62% 55% 50% 54% 53% 47% 71% 71% 40% 43% 35% 50% 38% 45% 50% 46% 47% 100% 53% 29% 29% 62% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 応用研究 (n=50) 基礎・基盤研究 (n=8) 合計 (n=58) 応用研究 (n=17) 基礎・基盤研究 (n=4) 合計 (n=21) 応用研究 (n=11) 基礎・基盤研究 (n=2) 合計 (n=13) 応用研究 (n=15) 基礎・基盤研究 (n=2) 合計 (n=17) 応用研究 (n=7) 基礎・基盤研究 (n=0) 合計 (n=7) 4.2%以上 2.1%以上 0.0%以上 合計 不明 1.0年 1.0年 1.9年 1.9年 1.0年 2.8年 1.6年 1.8年 1.8年 1.9年 0.5年 2.0年 2.7年 5年以内に上市に到達 合計 基礎・基盤研究 応用研究 5年以内に上市に未到達 図 10 企業規模(売上高研究開発費比率)による 5 年以内の上市段 階到達割合の研究性格別の対比 4.今後の課題 研究の性格等に応じて、企業の事業化への戦 略や道筋も異なっている可能性があり、上市まで に要した期間を研究性格別に分析するためには、 5 年経過時点のデータを更に蓄積して分析する必 要がある。 また、継続・非継続の意志決定や上市までに要 する期間は、NEDOが支援した金額や支援形態 (委託事業・助成事業)に相関している可能性があ るため、これらを考慮した検証が必要である。 5.まとめ NEDOプロジェクトの成果が上市するまでに平 均 5 年以上(5.1 年)の予定期間が設定されており、 実際に 5 年以上の時間を要することが分かった。こ れは、追跡調査の対象としているプロジェクトが中・ 長期的かつハイリスクな研究開発であることを裏付 で、5 年以内に上市する予定であった企業のうち 5 年目に上市に到達している企業は 57%しかないこ とから、予定より遅れていることが分かった。 終了後 5 年以内に上市段階に到達した企業は、 研究開発費の規模に関わらなかった。公的資金に よる研究開発では、企業規模にかかわらず、高い 技術力と、真に実用化の能力がある機関を採択す ることが重要であり、プロジェクト終了後のビジネス モデルや、プロジェクト終了後も研究を継続できる 体制が構築されているかの確認が重要であろう。 なお、今回の報告では、目標段階への到達状 況を中心に報告したが、NEDOプロジェクトの成 果は、個別製品やサービスとして具現化するのみ ならず、学界への貢献、産業技術力の向上、基 準・標準・知的基盤整備への貢献などの効果があ ることが、追跡調査で別途把握されており、今後、 成果の広がりを更に把握するためにはこれらの観 点も充分踏まえて調査することが重要である。 【参考文献】 平成 19 年度追跡調査・評価報告書(平成 13~18 年度終了プロジェクト) 平成 20 年 3 月 独立行 政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構