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STUDY ON LAYERED DOUBLE HYDROXIDE BASED HYBRID WITH TRANSITION METAL FOR ENHANCEMENT OF PHOTOCATALYTIC ACTIVITY 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 PUTRI RIZKA LESTARI 博士の専攻分野の名称 博士(工学) 学 位 記 番 号 医工農博甲第39号 学 位 授 与 年 月 日 令和2年9月28日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 機能材料システム工学専攻

学 位 論 文 題 目 Study on Layered Double Hydroxide Base Hybrid with Transition Metal for Enhancement of Photocatalytic Activity (層状複水酸化物を基質とする遷移金属を含む複合体とその光触 媒活性に関する研究) 論 文 審 査 委 員 主査 教 授 熊 田 伸 弘 教 授 武 井 貴 弘 教 授 田 中 功 准教授 高 嶋 敏 宏 教 授 綿 打 敏 司 准教授 宮 嶋 尚 哉

学位論文内容の要旨

本学位論文は、層状複水酸化物を基質とし、遷移金属を複合化してその光触媒活性を制 御する研究である。層状複水酸化物とは、二価と三価の金属陽イオンを含む層状の水酸化 物の総称であり、一般的には二価にMg、Ca、Zn など、三価には Al、Fe などが使用でき ると言われている。このような層状複水酸化物では、水酸化物であるために OH 基が一価 であることにより、三価のイオンが二価のイオンと置換することで正電荷が余剰する。そ のために、余剰電荷を補償するために層間に陰イオンが挿入されている。このような構造 を利用して、陰イオン交換材料としての応用が期待されているほか、自由な化学組成を利 用して光触媒や化学反応の触媒、あるいはキャパシタ電極など、種々の用途への応用が期 待されている。 本論文は、種々の化学組成を有する層状複水酸化物を作製することによる層状複水酸化 物の選定、ZnAl 系層状複水酸化物への銀ナノ粒子の複合化と光触媒活性の評価、ZnTi 系層 状複水酸化物への銀ナノ粒子の複合化と光触媒活性の評価、および、ZnTi 系層状複水酸化 物と窒化炭素および銀ナノ粒子複合体の作製と光触媒活性の評価の三つの内容によって構

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成されている。金属ナノ粒子の複合化では、表面プラズモン共鳴により、光触媒の伝導帯 への電荷移動が可能であると考えられる。つまり、通常であれば光触媒として機能しない 材料であっても、金属ナノ粒子を複合化することで光触媒として駆動する可能性を検討し ている。 まず、種々の化学組成を有する層状複水酸化物の作製では、二価の金属イオンにZn、Ni を、三価の金属イオンにAl、Ti、および Cr を用いて作製を行った。その結果、NiTi では 層状複水酸化物を合成するのは困難であったが、それ以外の化学組成では、層状複水酸化 物の合成が可能であった。また、基本的には三価イオンがCr の場合は結晶性が低く、また 二価イオンがNi の場合はやはり結晶性が低く、かつ層間距離が小さいという傾向があるこ とを見出した。また層間の陰イオンは、三価イオンがCr の場合は硝酸イオン、それ以外で は炭酸イオンであることを明らかにした。硝酸と炭酸はそれぞれ強酸と弱酸であり、解離 定数が当然異なるために、沈殿するpH によって優勢であるイオン種が異なるために、層間 に取り込まれる陰イオンにも当然変化があることが考えられる。さらに、これらのUV-VIS スペクトルを調査した結果、三価にCr および/もしくは二価に Ni を用いた場合は可視光 領域にd-d 遷移による吸収が確認された。一方で余分な d-d 遷移がない ZnAl、ZnTi の層状 複水酸化物のバンドギャップはそれぞれ 5.5、3.1eV であった。これらの結果から、ZnAL およびZnTi 層状複水酸化物を用いて金属複合化をおこなった。 まずは表面プラズモン共鳴による電荷移動を遮らない ZnAl 系層状複水酸化物への銀ナ ノ粒子の複合化について、予備実験では銀シアネート陰イオンを層間に導入する検討を行 った。この検討によって、一部の陰イオンは導入されることが分かったが、大部分は導入 されなかった。そこで、陰イオン性界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウムを用いて、 これを層間にインターカレーションすることで一度層間を拡大しておき、超音波処理によ って剥離させたのちに銀シアネートを導入することを試みた。その結果、350nm の紫外領 域に表面プラズモン共鳴と思われる散乱が観察された。またXPS スペクトルおよび XANES スペクトルから金属銀の存在が確認され、EXAFS 解析によって 1.9nm 程度の極めて小さ い銀ナノ粒子が存在していることが明らかとなった。この材料についてフェノールの分解 による光触媒活性を検討した結果、340nm 以上の光を照射した場合で ZnAl 層状複水酸化 物に銀ナノ粒子を複合化した試料について高い光触媒活性を示した。また、フェノール濃 度は完全にゼロにならず、途中からプラトーになっていく傾向があった。これは、表面プ ラズモン共鳴により銀が酸化されたことを意味し、つまり銀の電子が層状複水酸化物へ移 動したことの傍証となっている。しかしながら、ZnAl 層状複水酸化物の価電子帯がおそら く非常に深いため、光による励起が行われず、酸化銀へ電子が注入されていないことも意

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味している。そこで次に、バンドギャップが狭いZnTi 層状複水酸化物を用いて同様の複合 体を作製した。 ZnTi 層状複水酸化物について、ドデシル硫酸イオンのインターカレーションおよび銀の 複合化処理を行った。しかしながら、ドデシル硫酸イオンのインターカレーションを行う ことができなかった。これはおそらく、Ti が四価であるために水酸化物層と陰イオンとの クーロン力が強すぎることが原因であると考えられる。そこで次に、C3N4 と銀を複合化し、 それにZnTi 層状複水酸化物とを複合化することを検討した。C3N4 は、2.8nm 程度のバン ドギャップを有し、特に伝導帯が高いのが特徴である。そのため、C3N4 と銀の複合体自身 も光触媒活性が期待され、さらにそれにZnTi 層状複水酸化物を複合化することで、強い酸 化作用を有する新しい光触媒が創製可能になると考えられる。C3N4 と銀ナノ粒子の複合化 は光還元法により行い、銀ナノ粒子はXRD パターンにとらえられないほど小さな粒子から なっていることが分かった。また、これをZnTi 層状複水酸化物とを複合化処理をした結果、 XPS や電子顕微鏡の結果から、複合化に成功したことが分かった。また、銀ナノ粒子の表 面プラズモン共鳴波長はおよそ500nm 程度で幅広い表面プラズモン共鳴による散乱が観察 された。この波長から、銀ナノ粒子は先のZnAl 層状複水酸化物よりは大きいと考えられる が、以前としてナノ粒子であることが考えられる。また、この複合体はC3N4 を含むため、 このバンドギャップが支配的になり、複合体のバンドギャップはおよそ2.8nm 程度と若干 狭窄された。また、EDX によって元素マッピング分析を行ったところ、極めて均一に銀が 分散していることが分かった。また複合体中の銀の含有量は 10%程度とかなり多いことが 分かった。このような試料について、光触媒活性を調査したところ、反応時間に対してプ ラトーがなく直線的なフェノール減少が確認された。 本論文では、層状複水酸化物と銀ナノ粒子とを組み合わせて複合化すること、またこれ らの光触媒活性を評価することで、新たな知見を得ることができた。これらの結果は、種々 の複合化光触媒についても有意義な基礎データになるものと思われる。

論文審査結果の要旨

本論文は、「Study on Layered Double Hydroxide Base Hybrid with Transition Metal for Enhancement of Photocatalytic Activity(層状複水酸化物を基質とする遷移金属を含む 複合体とその光触媒活性に関する研究)」と題してまとめられている。

第 1 章では、本研究の背景となるフェノールの有害性や光触媒の基礎について述べられ ている。また、層状複水酸化物(LDH)や表面プラズモン共鳴についても紹介されており、こ

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の光触媒における効果についてまとめている。 第2 章では、種々の化学組成を有する LDH の作製では、二価の金属イオンに Zn、Ni を、 三価の金属イオンに Al、Ti、および Cr を用いて作製を行った結果がまとめられており、 NiTi 以外では LDH の合成が可能であったことが示されている。また、ZnAl、ZnTi LDH のバンドギャップや層間の陰イオンの種類についても言及しており、陰イオン交換剤とし て利用する場合にも有用なデータであると考えられる。 第3 章では、ZnAl LDH に陰イオン性界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウムを作用 させ、さらに銀シアネートを導入したのちに還元して銀ナノ粒子との複合化を試みている。 ドデシル硫酸ナトリウムを介して作製した複合体試料は、放射光 XRD により解析された。 また、この試料では 350nm の紫外領域という短波長に表面プラズモン共鳴を示しており、 極めて微小Ag ナノ粒子の存在を暗示している。また XPS・XAFS 解析によって 1.9nm 程 度の極めて小さい銀ナノ粒子が存在していることを明らかにしており、XAFS 解析を習得し たことは高く評価できる。さらにこの材料について光触媒活性を検討した結果、紫外線を 含む340nm 以上の光を照射した場合で ZnAl LDH に銀ナノ粒子を複合化した試料が高い光 触媒活性を示している。これは表面プラズモン共鳴の波長が約350nm と短すぎるためであ る。また一方で、表面プラズモン共鳴による電荷移動によって銀が酸化されたためフェノ ール分解が完全ではないことを示しており、バンドギャップの改善が必要であると結論付 けている。 第4 章では、ZnAl よりもバンドギャップが狭い ZnTi LDH について、前章と同様にドデ シル硫酸イオンのインターカレーションと銀の複合化処理を行っている。しかしながら、 ドデシル硫酸イオンのインターカレーションを行うことができなかったとのことであり、 この結果については少々検討不足とは感じるものの、考察内容は的を射ている。 第 5 章では、C3N4と銀を複合化し、それにZnTi 層状複水酸化物とを複合化することを 検討している。これは、ZnTi LDH と銀ナノ粒子とは複合化が困難であったため、さらに異 なる光触媒と複合化して活性化の増強を狙ったものであると推測される。C3N4を、ZnTi LDH と銀との複合化に関与させる発想は、ヘテロ界面の形成という観点でも非常に興味深 い。この複合体と二章で合成したZnTi 層状複水酸化物とを複合化処理をした結果、XPS や 電子顕微鏡の結果から、複合化に成功したことが示された。さらに、この複合体のUV-VIS スペクトルから500nm 程度の幅広い散乱が銀ナノ粒子の表面プラズモン共鳴波長であると 結論している。銀ナノ粒子の確認には電子顕微鏡のEDX で元素マッピング分析をおこなっ ており及第点である。さらに、これらの試料について光触媒活性が直線的な反応を示して おり、これは銀の表面プラズモン共鳴による電荷移動と銀の還元が同時に起こっているこ

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とを示しており、目的通り半導体からの励起電子が銀へ移動していることを示している。 このようにPutri Rizka Lestari 氏は、層状複水酸化物と銀ナノ粒子との複合体を作製し、 実験的および理論的な面からその挙動を検討しており、この成果は複数の国際的論文誌に 公表されている。さらに第 32 回日本セラミックス協会関東支部研究発表会奨励賞、第 32 回 イ オ ン 交 換 学 会 優 秀 ポ ス タ ー 賞 、 第 55 回 セ ラ ミ ッ ク ス 基 礎 科 学 討 論 会 Good Presentation Award を受賞し、その価値を認められている。このようなことから、本論文 は山梨大学大学院機能材料システム工学専攻機能創造分野の博士論文としてふさわしく、 またPutri Rizka Lestari 氏はの最終試験は合格する基準を十分満たしていると考えられる。

参照

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