情報 システムにおける外部セキュ リテ ィ制御
External security control in the lnformation System
1
. は
じ め に
高度情報化社会の進展に伴い、情報伝達を担 う 通信の役割が、多種多様な情報を対象 とす る方向 - と、急速に移行 しつつある。 こ うした情報化社 会を構築す る際に、必須の技術 として希求 され る 情報セキ ュリテ ィ技術を、外部セキ ュリテ ィ制御 (externalsecurity control)と内部 セキ ュリテ ィ 制御(internalsecurity control)とに分け、本稿 ではまず外部セキ ュリテ ィ制御について述べ る。 計算機 セキ ュリテ ィ、システムセキ ュリテ ィ、 データセキ ュリテ ィ、あるいは情報 セキ ュリテ ィ 1) とい った用語の定義は必ず しも明確ではな く、ほ ゞ同義に用 い られているようであるが、本稿で用 い るセキ ュリテ ィとは 「容認できない リス クか ら 解放 された状感'(the absence 。f unacceptable risk) と定義 してお く。2
.
外 部 セ キ ュ リテ ィ制 御 計算機 システムの利用分野お よび形態 、また用 途については、多様なシステムが存在す る中にあ って、 もとよ り情報セキ ュリテ ィ対策は、すべて の システムに均質的に要求 され るものではないが、 外部セキ ュリテ ィ技術の主な手段 としては、基本 的には物理的 (技術面 ・設備面) セキ ュリテ ィ、 運用管理面におけ るセキ 1リテ ィそ して リスク評 価 として分析す ることが可能である。 2 ・1 物理的セキュリテ ィと 運用管理面でのセキ ュ リテ ィ 物理的 (技術面 ・設備面)対策 とは、計算践 シ谷
口
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Michioki Taniguchi
ステム (端末装置、外部記憶装置を含む) 、計算 機室-の被害を防 ぐことを 目的 とした ものであ り、 それ は計算機 システムのセキ ュリテ ィの向上を、 システム自身において、-- ドウェア的、 ソフ ト ウェア的に解決 しようとす るものであ り、障害の 態様の観点か ら ・システムダウンお よび誤動作に関す る技術 ・デ ータの漏洩、破壊、改 ざんお よび システム の不正使用を防止す るための技術 と整理す ることができる。 また、運用管理面におけ る対策 とは、計算機 シ ステ ムの運用に係わ る人、お よび部外者 の行動を 規制す る手続的な対策であ り、それは以下の4点 に整理 できる三 ・組織体制の整備 ・教育訓練 お よび人事管理 ・運用管理規定の制定 ・システム監査の導入 これ らの対策の基準 としては、我が国において は、1977年4月に制定 された 「電子計算機 システ ム安全対策基準」 (通産省)があるが、同基準は その後1984年8月、情報化環境の変化に即 して、 全面的に改訂 されてい る (図1)。 同基準の対策 内容 は、 自然災害、システム構成要素の 障害、不 法行為等に よって生ず るシステムの ダウソ等を未 然に防止 し、また発生 した場合の影響の最小化お よび回復の迅速化を図 るための、いわば守 るべ き ものを全て網羅 した ものである。基準は対策内容 ごとに、基本基準 (C)、標準基準 (B)、強化 基準 (A)の三段階に分類 してあ り、最 高度の安 全性 、信頼性が必要 とされ るシステムに おいて、 実施す ることが望 ましい対策をA、一般 に システ 51-ムを運用す る上 での最 低限の安全性 、信頼性を確 保す るために不可決 と考 えられ る対策 をC、 これ らの中間的な対策をBとしてい る。 これ らの適用 にあた っては、対策の実施に よ り期待 され る安全 性 、信頼性等の 向上 の 程度 、必要 とされ る資金の 額 、 システムの停止 に よる社会的、経済的な影響 等 を勘案 して判断す る ことにな る。 1 設備基準 1. 建 物 (1)立地及び環 童 (2)建物の位置 、周囲、利用形態 (3)構 造 (4) 開 口 部 (5)内 装 等 2.電子計算室及 びデータ等保管室 (1)位置及び配 置等 (2) 開 口 部 (3)構造 、内装 等 (4) 設 備 (5)什器 、備 品等 3.電源室及び空 気調和機械室 (1)位置及び配 置 (2) 開 口 部 (3)構 造 (4)設 備 4.電源設備 5. 空気調和設 備 6.監視制御
Ⅰ
技術設備 】. 信頼性 向上 機 能 2.データ保護 ・不正使用防止機能Ⅱ
運用規準 1. 管理体制 2.人退管理 1 入館 、入室資 格の付与 2 人退館管理 3 人退室管理 3.電子計算機 システムの運用管理 1 標 準 化 2 運転及び確 認 3 管 理 4. データ及び プ ログラム (ドキ ュメ./ ト を含む) の保管管理 5. 電源設備、空気調和設備 、防災設備及 び防犯設備の管理 6.監 視 7. 外部委託 8.教育訓練等 9. システ ム監査 図1 「電子 計算機 システム安全 体策基準 (改 訂版)」の概要 同基準は、付言す るな らば (1) 設備基準 は、 152項 目か らな り、電子計算 機室 、データ等保管室 を火災、地震等の 自然 災害、不法侵入者に よる破壊行 為等の あらゆ る危険か ら、物理的に保護す るための対策。(
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技術基準 は、13項 目か らな り、電子計算機 システムの安全性 、信頼性等の 向上 を システ ム自身において、- - ドゥ ェ7的、 ソフ トウ ェア的に解 決す るための対策。 (3)運用基準 は、63項 目か らな り、電子 計算唐 システムの運用管理面 を充実 させてい くこと に よ り、 システムの安全性 、信頼性等の向上 を図 るための対策。 か らそれぞれ構成 され てい る。2・2
リスク管理 リス ク管理 とは、一般 的には (1)リス クの鑑定 測定、 コン トロールを通 じて、最 小の費用 で リノス クの不利益な影響を最小化す るこ と。 (2)できる だけ少 ない費用 で、組織 に与え られ る偶然的損失 の不利益 を最 小化す るため、組織 の資産 な らびに 活動を、計画、組織 、指揮 、統制す るプロセスを と り、組織 (企業) を脅かす リス クに対応す る理 論 といえ る。 この点に関 してGeorge.L Head は、 リス ク管理 を次の よ うに定義 してい る。 「組織 をおそ う偶発的な損失の経 営上 、財務上 の不利益な影響を最小化す るため、組織の資産 ・ 諸活動 を、計画化、組織化、指揮 ・統制化す るの 4) が、 リス ク管理 であ る」本稿で論 じる リス ク管理 は、 この ような広 い体系 の中のサ ブ ・モジ ュール をなす ものであ り、 自然災害、 システムお よび設 備障害、不法行為か らの リス ク管理 を対象 として い る。また 、一般 に リス ク管理の プ ロセ スは、図2の ス テ ップを とって展開 され る。 5) 図2 リス ク管理 プ ロセス 2 ・2 ・1 リス ク分析 この 目的 は、(1) 考 え られ る損失やその頻度 を分析 し、可能 な限 り少 ない費用 で損失 の発生 を防 ぐ、 または、(2)損失発 生の場 合の被 害や回 復費用 を最 小にす ることで あ る。 ここで リス クを r、脅 威の発 生割合 または確 率 を p、脅 威の作動 に基づ いて発生す る損失 を eとす ると、 r- pxeが成立す る。 脅 威 は予測可能 な方法 で損失 を引 き起 こす傾 向があ る。発生の頻度 と損失額 との間には、統 計的 な相関が存在す る。極 めて頻 繁に起 こる リ クは、小 さな損失 を、 また稀 に起 こる ものは破 局 的 な損失 を引 き起 こす傾 向が あ る。 また 、セキ ュリテ ィと効率 との間に は、 トレ ー ドオ フが存在す る。 同様に コン トロールの費 用 と リス ク減 少で表 わ され た便益 との 間に も、 トレー ドオ フが存在す る。 コン トロールのため の支 出が増加す るに従 い、損失の減少 か脅威発 生 の確率の縮 小かの いず れかに よ り増 分便益 は 減 少す る。最適点 は コン トPTルの費 用 と保護 レベルが交差す るところ まで、 コソ トロールに 資金 を消費す ることであ る。 したが って リス ク 分析 には 、損失発生 の頻度 と損失が発 生 した場 -
53-合の予想損失額 を推定す るための作業が必要 とな る。 また、損失発生の要因 としては、次の事柄が 考え られ る
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(1
) 有形資産の物理的な破損または盗難 一 破 損 または盗難にあった資産の再設備に要す る 費用 と、データ処理の遅延に よ りユーザが う け る損失。 (2)データまたはプログラム ・ファイルの紛失 または破損。 (3) 情報の盗難 一 金銭的損失や信用損、失行 者 としての優越的地位の喪失。 (4)資産の間接的盗難 - データ処理 システム の適用業務の対象 とな ってし、る他の資産、た とえは現金 、在庫品あるいは、種 々のサービ スな どが計算攻を通 じて盗 まれ る場合の損失。 (5)計算機処理の遅滞または妨害。 つぎに、 リス ク分析の実施手順 を図式化す ると 図3の よ うに表現できる。 図3 リス ク分析の実施手順 2 ・2 ・2 リス ク管理の数量化 損失の可能性 とその影響度 を、可能なか ぎ り 正確に数量化す ることが、 リス ク管理の成否 を 左右す る。 この ことは、望 ましくない出来事が 発生す る可納性を、我 々が どの程度認織 できる か とい う問題 でもある。損失の形態は通常、破 壊 (破損) 、暴露 と正 しくない変更の三つに分 類で き震
これ らのイベ ン トが生 じる頻度(P) と、 1回生 じた場合の予想損失金額(Ⅴ)を推定 できれば、あ る一定の持続す る期間内 (た とえ ば1年間)に生 じる (年間)予想損失(L)は、 L-PXVで計算できる。 しか し、 この方式で はⅤあるいはPの推定値に極めて敏感に反応す るとい う欠点がある。そ こで、R.
CourtneyB' は、 「これ までに現実化 した脅威の各 々を基礎 に して、それ らに起因す る損失の発生頻度 と、 1回あた りの損失額か ら予測す る方式 を提唱 し た。それは、 1年間に発生す る脅威の年間予想 損失額をEとして E-10(p+
V-3ン 3を与 え、 P、Vは下記の引数に変換 して求め る方式 であ る。 Ⅴ P 発生頻度 0 $0 0 実質的にゼ ロ 1 告lo 1 300年に 1回 2 $100 2 30年に 1回 3 $1,000 3 3年に 1回 4 告lo,000 4 100日に 1回 5 $100,000 5 10日に 1回 6 $1,000,000 6 1日に 1回 7 辛lo,000,000 7 1日に10回 図4-1 損失の発生頻度 と予想損失額の代替案 ここで脅威 とは、差 し迫 った望 ま しくない出 来事の徴候の意。損失が生 じるのは、欠陥 と脅 威が帯集合の関係にな る場合である。 リス ク分 析においては、欠陥 と脅威のいずれに問題があ るのかを明確化できれば、 より効果的なセキ ュ リテ ィ手段を選択できよ う。 また、次の表を与えて、図4- 1か ら必要な ⅤとP
の値を選び、図4-2
でそれ らに該当す るⅤ行 とP列の交差す る位置を求めれば、公式 を用 いての計算に比べてE
の値は簡単に求 まる。、
r
、〔
1 2 3 4 5 6 7 8 1. $300 3K 30K 300K 2 $300 3K 30K 300K 3M _3 $300 3K 30K 300K 3M 30M 4 $300 3K 30K 300K 3M 30M 300M 5 $300 3K 30K 300K 3M 30M 300M 6 $ 3K 30K 300K 3M .30M 300M 7 $ 30K 300K 3M 30M 300M 8 $300K 3M 30M 300M 図4-2 E
の値の決定表 (年間)予想損失額を推定す るこの方法は、 予想損失額を軽減 させ るために、 どの程度の資 源をセキ ュリテ ィ対策に投資すべ きか とい う決 定に際 し、強力な助け とな る。 しか し、 こ うし た計算 プ ロセスを完了す るためには、相当の情 報 を必要 とし、妥 当な資産損失額 と各資産に生 ず る事件の予想発生頻度 をそろえなければなら9
)
ない.数年問にわたる頻度の高い損害を網羅 し た損失額 データは、年間予想損失額を求め る際 の、最適のデータベース となろ うO こ うしたデ ータが利用できない場合は、当然 この方法は価 値の低 い ものにな って しま う。 さて、 日本情報処理開発協会 (以下JIPDEC と略記す る)がオンライ ンユーザ ーのみを対象 に して実施 した 「コソピ ュークセキ ュリテ ィに 関す る リスク分析調査」 (昭和60年7月アンケ ー ト方式に よ り実施。 アンケー ト発送数2,149 事業体、回収数1.383事業体O回収率64.4%) に よると、 リスク分析を実施 している事業体は、 21.8帝と少数である。 リス ク分析が この ように 普及 しえない最大の原因は、 「確立 された分析 方法がない」 ことに起因す る。 また、 リスクの 発生 に伴 う損失額を予測 している事業体に至 っ ては、 5-1虜と極端に少な く、システム規模が 100億円以上の事業体 (64事業体)でも8.1歩 であ り、殆んどの事業体が、この種の分析に取 り組 んでいないことを示 してい る。損失額を予 測 してい る事業体の算定基準に よれば、最大の 事故を想定 した予測損失額 は、 コンピ ュータ犯 罪 が21,250万 円、火災が270,568万円、地霞が 309,375万円、エラーが 1.026万円 とな ってい る。 これは、 コンピ ュータ犯罪を1とした場合 、 エ ラーは約20分の 1、火災は約13倍、地震は約 15倍 とな る。情報 システムの価値 と評価 (金額 換 算)`している事業体は、全体で18.4多であ る が 、システム期校が100億円以上のユーザーで み ると35.6車と3件に 1件の割合で評価 を行 っ て い る。ただ、情報お よびプ ロプラムの価値 と 評価 (金額換算) している事業体は20.7啓で、 システムを評価 してい るユーザーよ りも多い。 2 ・3 リスク管理実施の評価 計算機 システムのセキ ュリテ ィ確保の手段 と して、システム監査がある。 リス ク管理実施の 評価は、この システム監査がその役割 を担 うも の である。 システム監査 とい う用語が我が国で 使われ始めたのは、昭和49年 JIPDECが情報化 社 会の秩序づ くりの一環 として提唱 して以来で あ るが、システム監査の重要性が認識 され るよ・ うにな ったのは、昭和56年以降の ことである。 ここで、システム監査の定義を紹介す ると、 「システム監査 とは、監査対象か ら独立 した客 観 的な立場 で、 コンピ ュータを中心 とす る情報 処 理 システムを総合的に点検 ・評価 し、関係者 に助言 ・勧告す ることをいい、その有 効利用の-55-促進 と幣害の除去 とを同時に追求 して、システ ムの健全化をはか るものである」 。(JIPDEC システム監査委員会) となってお り、内部監査 としての位置づけである (図 5)。 また、昭和 60年1月には通産省か ら、システム監査のガイ ドライ ンとして 「システム監査基準」 (図6) が公表 された。 これを うけて昭和61年10月か ら、 情報処理技術者試験の中に従来か らの認定試験 に加 えて、 「システム監査技術者試験」 も実施 す ることにな った。 この ことは、今後の情報化 進展を推進す るに当 って、システムの開発か ら 参加で きるだけの知識を有す るシステム監査人10) が不可欠であ るとの認識に よるものであ る。 監査区分
監
に
査
よ
主
る
分
体
内
類
容
こ
分
よ
類
る
業
監査
務 会計監査 根 拠 外部監査 公 認 会計 士○
証取法第監査特例法第193条の2条2 監 査 役○ ○
商法第272814粂粂 図5 監査の分類 (文献5に よる)I
一般基準 1. 日 的 2.対 象 3. システム監査人 4.監査時期 5. 監査計画 6.監査手順Ⅱ
実施計画 1. 企画業務 (丑 計 画 ② 調査 ・分析 ③ 開発検討 ④ 要員管理 2.開発業務 (丑 開発手順 ② 要員管理 ③ システム設計 (卦 プログラム設計 ⑤ プ ログラ ミング ⑥ システム ・テス ト 3.運用業務 . ① オペ レーシ ョン ② 入力データの作成及び入力 ③ データ及びプログラムの管理 ④ ファシ リテ ィ管理 ⑤ 出力情報の管理及び活用 (釘 要員管理 (診 外部委託Ⅲ
報告基準 1. 監査結果 2.報告内容 3.提 出 4. フ ォローア ップ 図6
「システム監査基準」の概要 システム監査は、 「システムの効率性、信頼 性、正確性、セキ 1リテ ィ、幣害 の除去を 目的 に して、計算機部門を含む業務全 体を監視 し、 その結果について、助言 ・勧告等 を含む報告書 を提 出 し、健全な経営活動 を支援す る役割を果 す」 ことが 目的であ り、そして有効に して、適切 な る内部統制(
I
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rol) を確立す る ことにあるO ここで、 「内部統制」の定義であ るが それ は次 の アメ リカ公認会 計士協会 (以 下 AICPAと略記)の見解が一般 的である。す なわ ち 「企 業 が その資 産 の 安 全 を 図 り、そ の会計データの正確性 と信頼性 を照査 し、業務能率を増進 し、指示 された管理上の政第-の合 致をお し進めてい くために、企業 内で採用 して いるすべ ての方法 と手段、お よび組織計画か ら 構成 され る」。 このAICPAの定義は、内部統 制の 目的 に重点を置 くものであ るか ら、EDPS
(Electronic Data Processing System)には 影響 され ない。 しか し、 「この 目的を達成す る のに必要 な組織 と手続は、EDPSに より影響を 受け ることにな る。 また、内部統制の機能 とし ては、誤謬 と不正が適切に迅速に発見 され るこ とを保証 し、それに よって、財務記録の信頼性 と安全性が保証 され ることであ るユ1'。 また、内 部統制の分兵法 としては、組織上か らみた 「全 般統制」 と、部門 ごとの内部統制 、 目的か らみ た場合の 「会計的統制」 と 「経営的統制」に分 類 され る。EDPSに関す る内部統制については、 すべての アプ リケーシ ョンシステムに対 して共 通に適用 され る 「全般統制」keneral control) と、個 々の アプ リケーシ ョン固有の 「適用業務 統制」(application control)とである。全般統 制の構成 内容を細分化す ると次の通 りであ る。 1. 組織お よび運営計画統制 2. システム開発 とその文書化、検閲、吟味 、 承認の統制 3.-- ドウェアお よびシステム ・ソフ トウ ェアの統制 4. ア クセス統制 5. データお よび手続 きの統制 一方、適用業務統制は 「データの記録、処理 お よび報告が適性に行なわれているとい うこと
1
2
)
に合理的な確証を与えることであ る」
といえ よ う。 これ はまた、計算政処理の プ ロセスに沿 っ た入力統制、処理統制、出力統制のI 3統制に分 類 され ることがあ る。前述の 「システム監査基 準」に よれば、内部監査に よる計算枚セキ ュリ テ ィ監査は、断片的 ・個別的であることが多い が、究極的には各適用業務 システムが作成 ・記 憶 してい る情報 と提供 しているサ ービス、並び に情報資産の保護 ・確保が監査の対象 とな るの ほ明白である。運用中のアブ 1)ケ-シ ョソシス テムの システム監査に至 る手順は次の ようであ り、 これは 日本公認会計士協会(JICPA)で定義 す る 「全般統制」に該当す る。 1. データ処理資源管理 2. データ処理資源取得 3. システム ・ソフ トウェア 4.全般的セキ ュリテ ィ (物理的 ・技術的セ キ ュリテ ィ) 5.全般統制 6・ SDLC (system developmentlirecycle) 法 2・4 補完措置 としての保険 セキ ュリテ ィ対策を最大限講 じた として も、 計算機 システムにおけ る不 測の リスクに備え、 情報化保険の活用を図 ることもセキ ュリテ ィ対 13) 策の補完措置 として有効である。 また、 リスク 管理面の観点か ら計算機 システムの障害等に関 連 して予測 され る損失や影響を分析 して、その 再生、置換 コス ト、回復のための経済的負担の 担保手段 として、情報化保険を石垣的に位置づ け ることも可能である。情報化保険の概要を述 べ ると、情報機器、情報 メデ ィア (磁気 テープ、 デ ィス ク等) ・臨時費用 ・利益 (営業の中断に よ り被 った喪失利益を支払 う--情報処理業者 のみが対象)の損害を総合的に担保す る 「コン ピ ュータ総合保険」、お よび情報処害業者が負 担す る賠佑責任の危険 を担保す る 「情報処理業 者賠倶責任保険」か ら構成 されている。 しか し なが ら現在、情報化保険の利用率は一般に低 く (加入状況は前者が10%程度、後者が10弱 弓)、 保険の内容についての十分な理解 も得 られてい ない状況にあ る。 このため利用者の要望 を踏 ま え、保険の担保範囲の見直 し、条件の改訂等に よる制度の充実、利用の拡大に向けて十分な検 討が望 まれ る。 2・5 お あ り に 計算椀システムを利用す る組織 (企 業)に と って、 リスク分析の対象は、す でに2 ・1の項 で示 した物理的セキ ュリテ ィと、運用管理面 で のセキ ュリテ ィにおいて明 らかである。即ち、 計算横室、空調設備 ・環境制御装置、電源等の 物理的資産、非常に高価で しか も非常 に傷害を 受けやすい ソフ トウェア資産、複雑な電子機器 に影響を及ぼすあ りとあらゆ る種坑の物理的脅 -57-戒に さらされてい る- - ドウェア資産 、計算機 の利用 に関わ る収益 の喪失、賠依責任 、 さらに 人的資産 がその対象 と して該当す る。 その場合、 リス ク分 析に関 しての最大の問題 点は、情報の経済的価値 であ る。情報は計算横 システムの最終製品 であ り、最 も価値が高 く、 また最 も傷害 を受けやすい。計算校 内に蓄積 さ れた情報は、組織体 の運営全体に決定的 な影響 力を保持す る。基本的 な記録、成果等の損失が あれは組織体に壊滅 的 な打撃 を与 え るであろ う。 また、情報の不正使用 に よって、組織体は損害 を蒙 るであろ う。 計算機 に蓄積 され た情報が さらされてい る脅 威には、一般的な もの か ら計算機 システム特有 な ものに至 るまで、多種多様 な形態 で存在す る。 それ は、 「情報処理 に関係す る情報の畷庇 、変 形 、偽造、消去、盗用 等の側面 と、情報の流れ に関係 した情報の不完全、中断、不置、遅滞等 の側面が あ り」
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'、各 々に客観的に情報 自体の価 値 を評価す ることが困難であ る。 さらに 、情報 への ア クセスの進展 ・拡大に伴い、従来 、専門 家に よってのみ操作 されていた情報通信 システ ムが、非専門家に も操 作 され るよ うにな った こ と、加 えてネ ッ トワー クの拡大に よ り、 トラン ザ クシ ョンの発生か ら帰結までが複雑 とな り、 通過す るノー ドの数 、種頬 も多数 とな る。 また 、 通信の 自由化 に よ り新 規の通信事業者の市場へ の参加 もあ って、ネ ッ トワーク自体の接続 も複 雑化 している。従 って 、情報に関わ る事故の発 生箇所の確認に も、困難性が存在す ることを肯 定せ ざるを得 ない。 以上 、情報セキ 1リテ ィ技術に関 して、本稿 では外部 セキ ュリテ Jl技術に限定 して検討 した。 - - ドウ ェアにおけ る技術革新 、情報 ・通信技 術の発達 とその結果 と してのネ ッ トワークの高 度化に よって、情報化 は今後 さらに広 範に、か つ深 く浸透 してい くもの と思われ る。その よ う な状況の中で "高信 頼化技術"の導入は、社会 的な要請 とな って きて いる。 この よ うに、高信 頼化技術の重要性 は、認識 されて きてい るもの の、その 内容が きわ め て多岐にわた ってお り、 しか も、十分に確立 されていない面 も多 く、計 算機 システムの様 々な脆弱性が指摘 され てい る の も事実 であ る。今後 、内部 セキ ュリテ ィ技術 の理論上 お よび実用上の研究は もとよ り、外 部 セキ ュリテ ィ技術に関 しては、 リス ク分析の意 義 を確認 し、 リス ク分析の重用性 を評価 ・確立 す る必要が あ る。 1) 上園忠弘 :コンピュータ ・セキュリティ、近代 科学社 (1981) 情報セキュリティとは、 リスク発生原田として 考えられる①自然災害 (地震、火災、風水害、落 雷等 )、② システムおよび設備障害 (-- ドウェ ア障害、ソフトウェア障害、回線故障、付帯設備 (電力、空調等 )の障害、停電、断水、異常乾そ う等 )、③不法行為 (データの漏洩、犯罪、破旗、 改ざん、不正アクセス等 )から情報システムを防 護すること。 ①∼③は、 リスクの種額であ り、 また静的 リスクである。 2)ロナル ド・カラム :情報システムの計画 ・設計 実務、日経マグロウヒル社 (1986) リスクとは、業務に損雪をおよぼすなんらかの 機会であ り、計算機セキュリティでの リスクは、 ①資源の損失 (社会的信用など無形資産の損失を 含む )、(診業務の遅れ、(診法律違反の 3種に分類 できる。 3)田口孝弘 :セキュリティ概論、日本情簸処理開 発協会情報処理研修センター(1983)4)GeorgeL.Head,"Updating theABCs ofRisk Management
,
" P。50.(1986) 5)宇佐美博 :システム監査概要、ⅠIT (1983)6)NationalBureau orStandards,US De -partment ofCommerce ・.Federallnfor -mation Processing Standards (PIPS)31, GuidelinesforAutomaticDataProcesslng PhysicalSecurity and Risk Management. 7)土居範久 ・小山謙二 :コンピュータ.セキュリ
ティ、共立出版
8)a.Courtney・."Securityriskassessment in electronic data Processlng Systems," in Proceedings NCC (Arlington, Va : AFIPS press),ed.pp.97-104
9)ドソ ・パーカー :コンピュータ ・セキュリティ、 日本情報処理開発協会監訳、企画センター
10)米国では、内部監査 として位置づけ られた