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小児歯肉炎リスクに対する齲蝕活動性試験の有効性の検証

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Academic year: 2021

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〔学位論文要旨〕

松本歯学 45:113~114,2019

小児歯肉炎リスクに対する

齲蝕活動性試験の有効性の検証

薦田 智

松本歯科大学 大学院歯学独立研究科 健康増進口腔科学講座 (主指導教員: 川原 一郎 教授) 松本歯科大学大学院歯学独立研究科博士(歯学)学位申請論文

A verification of the effectiveness of saliva tests on pediatric gingivitis risk

S

ATOSHI

KOMODA

Department of Oral Health Promotion, Graduate School of Oral Medicine, Matsumoto Dental University

(Chief Academic Advisor : Professor Ichiro Kawahara)

The thesis submitted to the Graduate School of Oral Medicine, Matsumoto Dental University, for the degree Ph.D. (in Dentistry)  筆者は,歯肉炎を有する幼児・児童は齲蝕罹患 率や齲蝕活動性試験のリスクが高いのではないか という臨床上の仮説をもとに,臨床的に汎用化し ている齲蝕活動性試験を用いて歯肉炎の発症リス クを検討することを目的として本研究を実施し た.口腔保健指導・齲蝕治療実施の前後における 齲蝕活動試験結果および細菌数と歯肉炎指数との 関連性を検討した.被検者は,2016年 4 月から 201₇年 3 月までの 1 年間に小川歯科クリニック (松本市)に来院した口腔内に症状を及ぼす重篤 な全身疾患を持たない15歳未満の健常者26名(男 児12名,女児14名)である.年齢幅は 4 歳 ₇ か月 から12歳 3 か月,平均年齢8.4歳であった.初診 時に,視診による齲蝕経験歯数検査および刺激唾 液の採取による流出量測定,唾液緩衝能測定を 行った.口腔内写真撮影とその写真を使用して 歯肉炎検査を行った.プラーク染め出しを行い OʼLeary の Plaque Control Record(PCR)を 計

測した.また,採取した唾液を培養した後にS. mutans 菌 と Lactobacillus 菌 のコロニー数 を 計 測した.PCR の計測後は対象者と保護者に対し てブラッシング指導を行った.初診から 3 ~ 4 か 月後に PCR,歯肉炎,唾液検査(細菌数)につ いて再検査を行った.初診時と再診時を比較し た. 1 )初診時において,健常者群(PMA スコ ア ₇ 未満)および歯肉炎群(同 ₇ 以上)の両群と も13名であった.健常者群と比較して歯肉炎群で は DMF 歯数(P=0.044)および S. mutans 菌数 (P<0.01)が有意に多かった. 2 )初診時およ び再診時における PMA と PCR・各細菌数の関 係では,初診時,再診時ともに,両者の間に明ら かな相関は認められなかった.一方,S. mutans 菌 数 と PMA 間 の 相 関 係 数 は 初 診 時0.63(P< 0.001),再 診 時0.64(P<0.001)であり,いずれ においても正の相関が認められた.PCR と PMA には相関関係が認められないという結果より,

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松本歯学 45⑵ 2019 114 PCR 値が大きくても歯肉の炎症があまり見られ ない被験者が存在することが明らかになった. 3 )PMA 値の改善および悪化で分類した場合に おける初診時と再診時の各項目の値の変化では, PCR 値 は PMA 改 善 群 および PMA 悪 化 群 とも に一定の傾向は見られなかった.S. mutans 菌お よびLactobacillus 菌数は PMA 改善群では減少 する傾向が見られたが,PMA 悪化群では増加す る 傾 向 が 見 られた.初 診 時 と 再 診 時 における PCR 値 の 変 化 分 と PMA 値 の 変 化 分 との 間 に は関係が見られなかった(Pearson の相関係数 -0.01,P=0.946).S. mutans 菌 数 の 変 化 分 と PMA 値の変化分との間には正の相関が認められ た(Pearson の相関係数0.48,P=0.013). 4 )多 重ロジスティック回帰分析による PMA の変化に 影響を及ぼす要因の解析で有意差が認められたの はS. mutans 菌の変化であり,そのオッズ比は 25.6,95%信頼区間は3.25~969であった.また, Lactobacillus 菌の変化のオッズ比は4.92,95% 信頼区間は0.83~63.6であり, 1 をまたいでおり 有意ではない(P=0.135)ものの,歯肉炎の発症 に影響を及ぼす傾向が見られた.初診時および再 診時の両方においてS. mutans 菌と PMA 値に正 の相関が見られた.この結果はこれまでの多くの 報告と同様に横断研究によるものである.さらに, 縦 断 研 究 として,初 診 時 と 再 診 時 におけるS. mutans 菌の変化分と PMA 値の変化分の関係を 調べたところ正の相関が見られた.本研究の結果 から,唾液検査を用いることで若年層の患者にお ける歯肉炎の発症リスクを簡便に判定することが 可能になると考えられる.その結果をもとに発症 リスクの高い患者に対して重点的に口腔衛生指導 を行うことによって歯肉炎の発症を予防すること が可能になると考えられる.

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