警察官の不合理とは言えない法律の錯誤は、修正4条に照らして車両の停止を正当化する個別具体的な嫌疑があったかと言えるのか―HEIEN v. NORTH CAROLINA, 574 U.S. -, 135 S. Ct. 530 (2014)
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(2) 横浜法学第 26 巻第 2 号(2017 年 12 月). た。Darisse がやってきた仲間の警官の助力を得て捜索をしたところ、ダッフ ルバッグの横のコンパートメントで、サンドイッチ・バッグにコカインが入っ ているのを発見したため、両名を逮捕した 5)。州は Heien をコカイン密売未遂 で起訴した。 これに対して、Heien は、停車命令と捜索が合衆国憲法修正 4 条違反である 主張した。ノース・カロライナ州地裁は、Darisse 巡査部長が不完全なブレー キ灯を見て合理的嫌疑を得たとして、Heien が捜索の承諾をした以降の捜索は 有効であると結論付け、証拠排除申立てを斥けた。Heien の控訴を受け、州控 訴裁判所はこれを差し戻した 6)。最初の停車命令は正当ではない、何故なら ば 1 つの作動するブレーキ灯を有した状態で車を運転するのは同法違反ではな い、というのがその理由である。条項は、車は「車両の後部に停車灯を備えつ けなければならない。停車灯は、運転(足)ブレーキの使用で動かす、通常の 日光で後部に少なくとも 100 フィートの距離から赤又は琥珀色の灯を示さなけ ればならない。停車灯は、1 つ以上の他の尾灯とユニットとなっていてもよい」 とある 7)。控訴裁は、単数形で「停車灯(a stop lamp, the stop lamp)」と書いてあ る法文に注目したのである。従って、停車命令は「客観的に不合理であ」り、 修正 4 条に違反するとした 8)。 州は上訴し、州最高裁は判断を差し戻した 9)。Darisse 巡査部長は合理的に、 車両規則が、両方のブレーキ灯が点灯可能であることを義務付けたと読むこと が可能だった、と結論付けた。近くの条項は「尾灯(lamps)を最初から備えつ ける」機能的に義務付けている 10)。Darisse の誤解は合理的であり、停車命令 は正当である。 「警官は、法律の錯誤を含む間違いを犯すかもしれないが、な おそういう状況でも合理的に行為するものである ・・・・。警官がこういう状況 で合理的に行動するとき、彼は修正 4 条に違反しない 11」。 」州最高裁は他の議 論について議論するために州控訴裁に差し戻し 12)、州控訴裁は州地裁の判断 を認容し 13)、州最高裁もこれを認容した 14)後、連邦最高裁は事件記録移送命 令を出した 15)。 222.
(3) 警察官の不合理とは言えない法律の錯誤は、修正 4 条に照らして車両の停止を正当化する個別具体的な嫌疑があったかと言えるのか. [判 旨] 8 対 1 で上告棄却。 <ロバーツ法廷意見> スカリア、ケネディ、トーマス、ギンズバーグ、ブライヤー、アリトー、ケ イガンが同調。 一 修正 4 条は、 「不合理な捜索及び逮捕・押収に対し、その身体、住居、 書類及び所有物の安全を保障される人民の権利は、これを侵害してはならない。 令状は全て、宣誓又は確約によって支持される相当な理由に基づいていない限 り、また捜索する場所及び逮捕押収すべき人又は物が明示されていない限り、 これを発してはならない」と規定する。法律違反の疑いを端緒とする停車命令 は車両の乗員の「押収」であり、本条に従わねばならない 16)。この種の押収 を正当化するには、警官が「合理的疑い」を有する必要がある 17)。本件の争 点は、合理的疑いが法律の錯誤であったときに捜索できるかどうかということ である。我々は、できる、と判断する。 「修正 4 条の最終的な試金石は、 『合理性』である。 」18)また、合理的である ことは完璧であることではない、そして、そして、修正 4 条は、公務員に対し て、 「コミュニティの保護の範囲で法律を執行する相当な裁量」を与える若干 の錯誤を許容している 19)。我々は、事実の錯誤に基づく捜索と押収が合理的 であり得ると認めてきた。例えば、居住者の同意があれば、令状はなくとも家 宅捜索は合理的であるし、警官が、合理的には居住者であるように見えたが、 実際にはそうではなかった者の同意を得てそうしたときも、合法的である 20)。 同じ理由で、容疑者を逮捕する相当な理由を持っている警官が、容疑者の要素 に適合している個人を誤って逮捕したときでも、それに付随的な押収も捜索も 違法ではないだろう 21)。制限は、 「錯誤は、合理人のそれでなければならない」 ということである 22)。また、合理人は法律の錯誤をする。結論は同じである。 反対意見は、相当な理由と合理的疑いについて議論してきた我々のケース が、法律の錯誤について「辛うじて垣間見えたもの(scarcely a peep)」だと反論 223.
(4) 横浜法学第 26 巻第 2 号(2017 年 12 月). する。だが、2 世紀間の判決群は法律の錯誤及び事実の錯誤を扱っており、こ の結論を支えている。建国から間もない連邦議会によって制定された関税法規 では、違法押収を前提に、税関吏に対して損害賠償訴訟を起こすことを保証す る証明書を裁判所が交付できることになっていた 23)。アメリカの荷受人が税 関徴収員に対して正確な額面を申告していても、英国の荷主が商品を安くした 伝票の用意をすることは関税法に違反するという理由で、税関吏は商品を押収 した。1809 年の判決で、マーシャル最高裁長官は、荷主の意図がどうであれ、 荷受人が実際に政府から騙し取ろうとしなかったのだから、関税法違反ではな かったと判示した。しかし、 「法律の構造は、いくらかの問題が起こり易かっ た」として、相当な理由ある証明書の発行を認めた 24)。そして、合理的な法 律の錯誤が、事実の錯誤のように、相当な理由の証明を正当化することは、19 世紀の判決で繰り返された 25)。かつ、マーシャル最高裁長官は、相当な理由 の概念を説明していた。 「それは、嫌疑を正当化する事情の下でなされた押収 の意味を含む。 」26)その後 2 世紀間、最高裁の決定は揺るがなかった。 反対の結論を下すことは、かなり最近の先例と一致させることが難しい。後 に憲法違反と宣言されることになる刑罰法規の下になされた逮捕の有効性につ いて取り上げた判例 27)がある。犯罪行為の疑いがある個人も止めて質問する ことを警官に許可していたデトロイト市条例は、個人が「自分自身の身元を確 認することや、身元の証拠を示すことを拒否する」ことを犯罪化していた 28)。 市警官は、DeFillippo が自分自身の身元を示せなかったため、彼を逮捕した。 そこで薬物を発見し、DeFillippo は規制薬物の所持で起訴された。連邦最高裁 は、この身元確認条例は曖昧・漠然で違憲であるが、警官が DeFillippo を逮捕 した時点では、 「この条例が違憲かどうかについての指導的先例がなく、たく さんの相当な理由が、逮捕の憲法上の必要条件を満たすようにあった」と判示 したのである 29)。法令が正当だったという警官の仮定は合理的であり、 そして、 DeFillippo を逮捕するために警官らに「たくさんの相当な理由」を与えた。薬 物を発見した捜索の方は合法だったのである。本件において、証拠排除の原則 224.
(5) 警察官の不合理とは言えない法律の錯誤は、修正 4 条に照らして車両の停止を正当化する個別具体的な嫌疑があったかと言えるのか. の先例である DeFillippo 判決を書き換えるのには苦労する。幾つもの判例が、 書き換えてこなかった 30)。 現場の警官は、大急ぎで事実の評価をしなければならない、そして、誤りの 発生する余地がある。ここでの法規は、1 つ又は 2 つの作動するブレーキ灯を 要求する。公園で「車両」を禁止している法令は、セグウェイ(電動立ち乗り二 輪車)にも適用される。警官は、最初にそれが風を切って走っているときに、. 法適用の素早い判断をしなければならない。Heien と弁護人の示唆に反して、 我々の結論は警官が法を学ぶのを妨げるものではない。また、我々は、事件に 関わっている特定の警官の主観的な理解を調べるものではない 31)。真の調和 点は、個人が法律の誤解した理解に基づくときに刑事責任を一般に逃れること ができないように、政府は法令の誤った理解に基づいて刑事責任を強要するこ とはできないということである。法律の錯誤が刑事責任の強制か回避を正当化 することができないので、彼らが停車命令を正当化できないことにはならない。 Heien はブレーキ灯についての交通違反切符に関しては上訴しておらず、主張 された事実又は法律の錯誤がないコカイン密売の有罪判決部分についてのみ上 訴しているのである。 二 我々が、警官の法律の錯誤が合理的だったと結論付けることは難しいこ とでは殆どない。本件で争われているノース・カロライナ州の法規は、1 つの 動くブレーキ灯のみの必要を示唆して「停車灯」とあるが、その「停車灯は、 1 つもしくはそれ以上の他の尾灯でユニットに結合されてもよい」とも規定し ている。 「他(other)」という語を使っていることは、 「停車灯」が「尾灯」の 一種であるように、英語の日常的な読み手には示唆する。そして、同条のもう 一つの項は、車両が「全く、もともと使用可能なように、尾灯又はその等価物 を備えつける」ことを義務付ける。そして、おそらく、車両が複数の「停車灯 」を備えているならば、全てが機能しなければならないことを示し (stop lamps) ている。Darisse 巡査部長の立場で、Heien の不完全な右のブレーキ灯につい て州法違反と思うことは、客観的に合理的だった。法律の錯誤が合理的だった 225.
(6) 横浜法学第 26 巻第 2 号(2017 年 12 月). ので、停車命令を正当化する合理的嫌疑があった。ノース・カロライナ州最高 裁の判断は認容される。 <ケイガン同意意見> ギンズバーグが同調。 私は完全に法廷意見に同意する。それは、法律の錯誤が、修正 4 条の下で車 両を止めるための必要な合理的嫌疑を支持できる理由を説明する点である。ま ず、警官の「主観的な理解」は無関係であり、法廷意見が述べているように、 「我々は、 」それを全く「調査しない」 。それは、警官が法律の無知や不勉強を 理由に、政府が警官の誤解した法解釈を擁護することができないことを意味 する。そして、反対意見に反して、 「警察内での誤ったメモ又は訓練計画」に 警官が依存したことは、判断にとって重要でないことを意味する 32)。第 2 に、 法廷意見が今日容認した審査は、法廷が限定された免責特権を認める場面より 厳格なものである。我々の示す現代の限定された免責特権原則は、 「明らかに 不適格者であったり又は故意に法律に違反したりした人々以外の全て」を保護 する 33)。警官の判断を覆すのに難しい解釈を要求するほど法規が本当に曖昧 であるならば、警官は合理的錯誤をしたと言えるのである。ただ、それは、法 規が「本当に難しく」或いは「法令の解釈が非常に難しい問題」であるときで なければならない。 そして、実に、ノース・カロライナ州と司法長官は、本件が「非常に珍しい」 ことに同意した。法規は、 あらゆる車に単数形の「停車灯(a stop lamp)」を持っ ていることを要求する。しかし、法規は、停車灯(又は、より現代の用語ではブレー 「1 つ以上の他の尾 キ灯)は、停車灯自体が尾灯であることを示唆しながらも、 灯とユニットに結合されるかもしれない」と続く。そして、法規は、あらゆる 車が「全て、尾灯(rear lamps)をもともと ・・・・ 使用可能な状態で備えつける」 ことを更に命じる。Darisse 巡査部長の判断は非常に推奨できるものであった。 よって私は、彼の停車命令が修正 4 条を侵さなかったとする法廷意見に同意す 226.
(7) 警察官の不合理とは言えない法律の錯誤は、修正 4 条に照らして車両の停止を正当化する個別具体的な嫌疑があったかと言えるのか. る。 <ソトマヨール反対意見> 法廷意見は、 「修正 4 条の最終的な試金石は『合理性』である」という点を 修正している 34)。私は、捜索又は押収が合理的であるかどうかに拘らず、警 官が法の現状に基づいた事実判断を評価することを要求すると考える。従って、 私は、州最高裁の判断を破棄すべきだと考え、法廷意見に反対する。 一 Heien が法令を破っていたと警官がはっきりと言える合理的嫌疑がある 場合だけ、押収は憲法適合的なのである。1996 年判決 35)で、我々は、この種 の決定を「法律と事実の混合問題」と判示した。 「争点は、事実が重要な法令 上の」又は憲法上の「基準を満たすかどうかである、或いは、確立した事実に 適用される法的ルールが違反しているか否かに拘らず、別の方法でそれを説明 すること」である 36)。我々が言ったように、重要なことは、客観的に観たと きの合理的な警官と法の支配によって見られた事実であり、それは法的ルール についての警官の観念ではないし、警官の法令についての合理的誤解ではなく、 法なのである。結果、警官が相当な理由の決定をする際に有している裁量につ いて語るとき、我々は彼らの事実の評価に注目していた 37)。 「彼が知っている 事実を除いて」我々は、印象的な警官の精神状態について調査を相当な理由の 考慮に入れないとしたのである 38)。我々が警官の事実の評価に与える余地は、 現場で動いている警官が素早い決定をしなければならないという我々の認識だ けに根ざしているものではなく 39)、警官には、 「訓練されていない人とは無縁 の、推論をして結論を下す」専門知識があるということである 40)。 「法律が明 確で認識できるという概念」は我々の法制度の基盤に定着している 41)。そして、 法令を解釈する最高の立場にあるのは裁判所であって、警官ではない。 二 この伝統から外れることは、その保護が既に擦り減ってきた市民的自由 に関する修正 4 条の保護をさらに侵食することを意味する。本件で争われたよ うな往来停車は、 「腹立たしく」 、 「ぎょっとさせられる」もので、 「おそらく屈 227.
(8) 横浜法学第 26 巻第 2 号(2017 年 12 月). 辱的」ですらあり得る 42)。我々は、警官が弁解して行動するとき、少なくとも、 その弁解が実際の法律違反であることは当然のことと判断してきた 43)。押収 を正当化する法律の錯誤を認めることは、法令の誤った説明を妨げるか遅らせ る影響を有している。そのようなアプローチ中では、裁判所は、法令の文言 を解釈する必要がなく、代わりに単に警官の解釈が合理的だったかどうか決定 することができることになる。同様に、第 8 巡回区の裁判官は、解釈的な問題 を決定する必要がないと述べた 44)。だが、合理性審査の下、法の執行が法律 の錯誤の考慮を排除する規則によって過度に妨げられるという、いかなる説得 的な議論も私は見たことがない。結局、警官の法律の錯誤を合理性審査から除 外することで、そのアプローチを採用した圧倒的多数の巡回区で法の執行の問 題が生じたという話は聞かない。さらに、そのような警官らは、免責特権に基 づいて様々な訴訟で多分に防御ができる 45)。大部分の州とは異なり、ノース・ カロライナ州が、州法において善意の例外(good-faith exception)46)を規定して いないというのは本当 47)だが、まさにそう認識ができるいかなる救済的な問 題でも解決できると認識している 48)。要するに、合理的な法律の錯誤が修正 4 条の下で押収を正当化することができ、正反対の示唆を我々に要求する判例は ないのである。 三 法廷意見は、重大な法的誤りと事実に関する誤りを犯している。法廷意 見は、建国当初の税関法規と判例を最初に検討している。しかし、それは、修 正 4 条の範囲について判示したものではない。薄っすらと取り上げる意味があ るのは、Brinegar 判決 49)ぐらいである。しかし、 この判決が言いたいのは、 「警 官の知識の範囲内の事実と状況及び、そのかなり信頼できる情報が、それ自身、 罪が犯されたか、犯されてようとしている確信における合理的な注意を保証す るに十分であるところでは、相当な理由が存在する」ということである 50)。錯誤 は合理人のそれでなければならない。DeFillippo 判決 51)も、州控訴裁判所に よって後に違憲であると判示された条例に違反した行為であったとしても、そ のとき警官に相当な理由があれば逮捕は正当化できると判示したものである。 228.
(9) 警察官の不合理とは言えない法律の錯誤は、修正 4 条に照らして車両の停止を正当化する個別具体的な嫌疑があったかと言えるのか. 警官が、適用法令が違憲かどうか逐一判断することになれば、世の中は悪くな るであろう。しかし、本件で警察は、実際には存在しない犯罪を犯したとの疑 いで、Heien を止めたのである。法律が解釈問題に影響され易いときにはいつ でも、罪のない市民が、何故、逮捕される負担を背負わされねばならないのか という疑問が残る。法廷意見は、修正 4 条が、警官に対し、その行為は同条に 違反するであろう法規に頼る余地を与えないという、我々のこれまでの前提を 害することとなる 52)。合理的な法律の錯誤は狭く解釈されるべきだと思うが、 法廷意見は、全くそうしていない。警官の法律の錯誤は、それがどんなに合理 的であろうとも、修正 4 条の下で押収を正当化するために必要な個々の疑惑を 裏付けることができないと判断されるべきである。私は謹んで異議を唱える。. [研 究] はじめに 誤解に基づいて捜査され軽微な犯罪で起訴されるのは不当だが、厳格に合法 な端緒がなければ、偶然発見された重大犯罪が手続違反で無罪になるのも違和 感がある。では、 その均衡点はどこにあるのか。刑事手続において、 これを「比 例原則」だけで片付けるのは大雑把過ぎよう 53)。無論、 「合理性(reasonableness)」 だけでもない。また、被疑者の同意は、適正手続を錦の御旗とする刑事手続に おいては、違法捜査や違法収集証拠の例外的採用を認める理由になるまい。 本件は、事実の錯誤ではなく法律の錯誤が捜査の端緒となっている事案で、 米連邦最高裁が、適用される法文が複雑で、警官の錯誤があり得る程度であれ ば、その後の捜索・押収を無効としなかったものである。これは、連邦控訴裁 判所の従来の判断とは異なるものである 54)。その合憲性が法解釈によっては その判断が分かれるとき、どう考えたらよいのか。そして、本件では、一旦停 車命令が貫徹した後、被告人が捜索を頑なに拒否すれば嫌疑が生まれようが、 そもそも停車命令が違憲違法であれば、捜索や押収の合理性が揺らぐであろう 229.
(10) 横浜法学第 26 巻第 2 号(2017 年 12 月). から、争点はやはり端緒たる停車命令である。 この種の問題は将来、日本でも生じるところであり、検討を要する。本稿で は、本判決の論点を整理すると共に、日本法への示唆を行いたい。 1 警察官の「法律の錯誤」 一般論としては、法の無知を理由に免責されることはない。車のブレーキ灯 は 1 つ点灯すればよいというのであれば、本件の Darisse 巡査部長は、法の無 知を理由に犯罪なき捜査開始をした 55)ことになる。法に複数の解釈が成り立 つとき、行為者が私人ではなく公務員であり、ましてや停止命令と捜索、逮捕 の「専門家」である警官であれば適切な解釈を選択して行為すべきであり、そ こに瑕疵があれば、その後の捜索・押収は不適法なものであって、そこから得 た証拠は違法収集証拠になるのではないか。警官は、被告人に有効な交通違反 切符すら出せない筈である 56)。誤った前提に基づいて個人の自由を抑圧する ことは憲法原則に反する 57)、というのが一方の観方である。 他方、警官の職務執行は緊急性や身の危険と背中合わせである。交通事犯で も即断が求められる 58)。予想外の事例に直面したときに複雑な法文の的確な 解釈を常に要求されるのは酷である。判例を詳細に記憶し、矛盾なく適用する ことも難しい。この際、最終的には裁判所が違憲・違法と判断することになっ たとしても、警官が行為する立場に立ち、その時点でその誤りがやむを得ない と思えるならばその判断は尊重し、それに続く職務執行については、それ自体 が適法であれば、そこで得た証拠の証拠能力は認めるという考えもあろう。 本件で問題となった条文は確かにややこしく、正確な法執行は難しい。警官 の合理的な法律の錯誤をどう評価するか、下級審も割れていた 59)。日本では、 車の尾灯が全部点灯するように整備されているのは普通であろうが、アメリカ ならではの事件のようにも感じる。警官が、尾灯の不整備があることは整備工 場に行けない事情があると判断したのであれば、それからの停車命令は、捜査 の端緒としては考えられなくはない。8 人の裁判官が違法収集証拠と判断しな 230.
(11) 警察官の不合理とは言えない法律の錯誤は、修正 4 条に照らして車両の停止を正当化する個別具体的な嫌疑があったかと言えるのか. かったのは、ブレーキ灯は全て点灯しなければならないとする判断が、州法の 解釈として比較的常識に適合していた 60)ことや、法律家ではない警官の不明 かば. 確な法文の解釈を庇ったこともあろうが、事件事実として、運転者がナーバス に見えたなどの現場の勘を信用したこともあろうか 61)。ノース・カロライナ 州が善意の例外を認めていないため、警官による法律の錯誤を修正 4 条違反と するとそのまま証拠排除を導いてしまう不都合を、裁判官が感じたこともあろ う 62)。Heien がブレーキ灯の違反切符については係争していないことも、不点 灯があることは違法であるとの認識が一般的であったことを推測させる。コカ インの密売が発覚したので、警官の第一感に憲法違反があったと慌てて抗弁し た印象が拭えなかった。また、実は車の尾灯は全部点灯していたのに警官が一 部不点灯と誤認したというような、事実の錯誤の場合とどれだけ違うのか。本 判決は、まさにその両錯誤の違いを抹消したのである 63)。そう見えたのもや むを得ない事案は十分あり得よう。ただ、例えば、無作為の交通検問より、交 通法規違反者を停める方法の方が無免許運転者を摘発するのに有効であるとの 指摘もあり 64)、犯罪一般でもそうかも知れず、適正手続の観点ではなく検挙 の効率の観点からも、嫌疑なき停止命令や職務質問に疑問符が打たれるように なっていることも、本件の端緒の適法性が争われた理由なのかもしれない。そ う考えると、本判決は「相当な理由」に関する先例をよく引用していたことか らして、同様な逮捕や捜索一般まで射程を有するとの予測 65)もあるが、本件 の判断は本件だからこそであり、別の状況で、別の警官の判断が擁護されるか 否かは解らないようにも思える。 2 刑罰法規の不明確性と修正 4 条のパラドクス及びその守備範囲縮小の弊害 こじれ. それでも、本件の事案が拗れた最大の要因が、稚拙な法文作成技術にあるこ とは間違いない。結果として、法文が複雑怪奇であればあるほど、修正 4 条の 保障程度が低くなるという禍根を残した 66)と言えよう。最高裁の裁判官は誰 も、このことが複雑で五里霧中な刑罰法規を政府に構築させている、とは言わ 231.
(12) 横浜法学第 26 巻第 2 号(2017 年 12 月). なかったが、それにより多くのことが違法となり、政府がその規制のため市民 への接触の強化を正当化してしまっている 67)。しかも、 法令や法律学に関して、 警官が不勉強であれば、かえって錯誤に基づく判断が許容されるという矛盾も 抱えている。刑事手続の例外を伝染的に広げて行く原因は、法廷意見の重大な 設計ミスではないか 68)。この点、ケイガン同意意見は、全くの不適合者の判 断や、故意に解釈を誤った振りをした者は除くと釘を刺し、警官の法律の無知 や不勉強に基づく法解釈や、 「警察内での誤ったメモ又は訓練計画」への警官 の依存を擁護しないと述べ、その影響力を最小に留めようとした 69)が、その 影響は限定的かもしれない 70)。それが稀だという理解が疑わしいからである 71)。 警官は、複数の解釈があれば、最も捜索・押収を許容する解釈を行う恐れがあ ろう 72)。警官は、警察学校で教えられた法解釈をきちんとしているのだろう か 73)。また、一旦、警官の解釈を合理的と認めながら、最終的に裁判所がそ の判断を覆すならば、裁判官の法解釈力の限界や法文の不合理さを示すことに ならないか、疑念が残る 74)。 なお、本判決は、寧ろ州刑法の問題 75)だとして、曖昧な文言の最終的解釈 は州裁判所に委ね 76)、州法の解釈に踏み込まなかった。これには、連邦憲法 違反ならば踏み込まねばならないとする批判 77)もある。 また、そもそも明確性を欠く刑罰法規は違憲の疑いを帯びる筈であるが、本 判決では、これが特に考慮されたようでもない。被告人はおよそブレーキ灯を 全く点灯させていなかったわけではなく、当該構成要件のコアに当たる行為を していたわけではない。確かに、 このこと自体は連邦最高裁では争点ではなかっ たが、本件ではこのことが実体ではなく手続の不明確さとして浮かび上がって いるところ、疑わしきは被告人の利益にとなったわけでもない。 加えて、事案故の判断であるとすれば、法廷意見は合憲性判断基準を明らか にすることを怠ったことになる 78)。漠然とした、比例原則や「合理性」が前 面に出ていることがそれを自白する 79)。本件の場合、有罪が維持されたのは、 容疑がコカイン密売未遂という重い犯罪だからという点ではなかったか。ごく 232.
(13) 警察官の不合理とは言えない法律の錯誤は、修正 4 条に照らして車両の停止を正当化する個別具体的な嫌疑があったかと言えるのか. 軽微な犯罪であっても有罪だとなれば、錯誤の恐れは取敢えず黙殺して職務執 行を行えばよいという認識を警官に与えてしまったとの疑いが残る。しかし、 厳密に言えば、得た証拠は、公務員の誤った法解釈を端緒とする毒樹の果 実 80)であろう。伝統的には、 警官は一般人より法令の正しい解釈を知っており、 その錯誤に対しては責任があると見做された筈である 81)。反対意見が懸念す る通り、この種の価値判断を現場警官に求めることは、合理的な「善意」で あれば違法収集証拠排除の原則の例外が過度に拡大し 82)、令状主義を離れ 83)、 修正 4 条をあってなきが如き濫用を認めてしまい 84)、文言が曖昧である限り もはや警官がこれに違反する可能性もなくなり 85)、年間 2000 万件にも及ぶ警 官の停車命令がある 86)中で、麻薬との戦いを理由に警察に広汎な権限を与え 87)、 警官が捜索を合理的と思う限り合理的とされ 88)、些細な理由から警官が運転 者に接触を開始し徹底調査が始められる 89)という、恣意的な判断を助長させ ないかとの疑念も残ろう。本判決は、2011 年の、善意の例外を巡る先例 90)と 抵触するとの指摘もなされており 91)、善意の例外は程度と適用において拡大 された 92)。それは、アメリカ的文脈においては、少数人種・民族に著しい影 響を及ぼす恐れがあるのである 93)。この問題に唯一気づいたのが、Heien と同 じヒスパニックのソトマヨール裁判官だったことは、意味深長である 94)。 3 日本法への示唆 本件のような問題は日本で生じるか。一般に日本語の名詞には単数形・複数 形の区別はない。法文が「複数の」や「すべての」とあれば勿論であるが、そ うでなくとも、一部が点灯していればよいと反対解釈できるということにはな らないであろう。車検(自動車検査登録制度)も厳しく、 「道路運送車両の保安基準」 37 条 1 項では「自動車(最高速度 20 キロメートル毎時未満の軽自動車及び小型特殊自 動車を除く。 )の後面の両側には、尾灯を備えなければならない」と規定されて. おり、ブレーキ灯の一方が点灯していないことは轢き逃げ車両等に疑われ易く、 本件被告人の抗弁は通じそうもない。 233.
(14) 横浜法学第 26 巻第 2 号(2017 年 12 月). 法律の錯誤が、その先の刑事手続の評価に影響することはあり得ようか。刑 事訴訟法 213 条 が 現行犯逮捕 に つ い て「何人 で も」 「出来 る」と 定 め、同法 217 条が「30 万円以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪の現行犯については、 犯人の住居もしくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡するおそれがある 場合に限り、第 213 条から前条までの規定を適用する」と定めている 95)。こ のため、事実の錯誤は勿論、本条の解釈を誤り(法律の錯誤により)、該当しない 犯罪の行為者を逮捕した者や、 「逃亡するおそれ」の意味を勘違いして逮捕し た者などは、私人こそ、逮捕監禁罪などに問われる危険がある 96)。但し、こ の場合、緊急性による違法性阻却という判断などでの不起訴処分もあり得、実 際には逮捕を躊躇させる運用は避けられているのか、この点が正面から問題と なった事例はまだ見たことがない 97)。この種の法律の錯誤について、刑法学 説は、厳格故意説、責任説、制限故意説、実質的故意論に分かれ、違法性の意 識の可能性を故意・過失に共通の別個独立の責任要素とする責任説のうち、違 法阻却事由の錯誤を事実の錯誤と解する制限責任説が通説であり、西田典之も これを妥当としている 98)。 なお、日本でも刑事法の法律の錯誤一般が争点となった判決はある。 「メチー ルアルコール」は禁止されている状況で「メタノール」を用い、両者が同じ ものであるとは知らなかったと被告人が主張した終戦直後の事案で、最高裁 は、 「それは単なる法律の不知に過ぎないのであつて、犯罪構成に必要な事実 の認識に何等欠くるところがないから、犯意があつたものと認むるに妨げない」 として有罪の判決を下した 99)。最高裁は、被告人には、法令の無知どころか、 事実認識の無知も許さないという姿勢であり、犯罪の成立に違法性の認識を必 要としていないとの疑いも生じよう。違法性の意識は必要とし、それを欠いた 過失があれば故意責任ありとする考え方に立つべきではなかろうか。判例の刑 事実体法の法律の錯誤の判断はこの段階であって、議論はこれからの感が強い。 ましてや、刑事手続法の法律の錯誤について踏み込んだ解釈はない。本件で 問題となったような、警察官による一般的な逮捕について、承諾を得ないまま 234.
(15) 警察官の不合理とは言えない法律の錯誤は、修正 4 条に照らして車両の停止を正当化する個別具体的な嫌疑があったかと言えるのか. 被告人の上衣ポケット内を捜索して差し押さえた覚せい剤粉末の証拠能力が問 われた事件で、最高裁は、職務質問の要件が存在し、かつ、所持品検査の必要 性と緊急性が認められ、本件証拠物の押収手続の違法は必ずしも重大であると は言えないとして、下級審判決を覆し、その証拠能力を肯定した 100)。これに 対し、刑事訴訟法学説は、違法収集証拠排除の原則を掲げ、令状主義に反する 場合、被疑者等の人権を侵す方法がとられた場合、刑法上処罰に値するような 違法行為が行われた場合、刑訴法上の強行法規違反の場合などでは、証拠に証 拠能力を認めるべきでないと主張している 101)。 「瑕疵の程度が著しく、また被 告人・証人等の利益を保護する必要が大きいときに限って、その訴訟行為を無 効とすべきであろう」102)。判例の状況では、解釈が複数考えられる法文の一 方を選択したが、後に裁判所がこれを違法とした事案があっても違法収集証拠 となるようなことは遠い先の話である。また、法律の錯誤が警察官等の故意や 重過失によって生じたわけでもない事案であれば、違法捜査を助長させないた めの法理である違法収集証拠排除の原則が妥当するのかも、よく考えてみる余 地はあろう。だが、刑罰法規が違憲的に曖昧・漠然であり、合理的な被告人に 構成要件に該当する認識がないとき、当該刑事手続に瑕疵はなく、その後の捜 索・押収も正当なのか。刑罰法規の明確性の原則は、法文そのものを文面違憲 とするものではないが、周辺への適用を忌避させる 103)。憲法 31 条が刑事手続 法・実体法の区別なくその適正を要求するのが圧倒的通説となっている現状に 鑑み、この種の法文の不明確さは手続の不適正との評価を呼ぶことも思慮して よいのではあるまいか。また、憲法 34・35 条が繰り返し「正当な理由」を要 求してことの重みを考える価値はあろう。 本件で問題となった捜査の端緒としての自動車検問については、日本では、 道交法違反の予防・検挙を目的とする交通検問、不特定の犯罪の予防・検挙 を目的とする警戒検問、特定犯罪の捜査のための緊急配備検問などに分類さ れる 104)。そして、自動車検問には「必要性」 、職務質問には「何らかの嫌疑」 、 逮捕には「相当な理由」 、有罪には「合理的な疑いをこえる」ものが必要であ 235.
(16) 横浜法学第 26 巻第 2 号(2017 年 12 月). るとされる 105)。このように、自動車検問には「必要性」があればよいとされ、 その基準は初めから漠然としたものであって、基本的に警察官による法律の錯 誤は生じそうもない。そもそも、日本では任意の事情聴取などから事件となる ことが多く、本件のような事案では、捜査の端緒に瑕疵があっても、同意自体 がそれに続く捜索の根拠となってしまう。まさに、任意同行にすら応じないと は疑わしいという、当初から捜査機関優位の構造の中での判断であり、本件を 日本で刑事手続の適正の観点から問題にすべき根は深いと言わざるを得ない。 観る角度を変え、本件のような警察官の職務執行を行政行為として捉えた場 合、これを行政行為の瑕疵と考えることもできよう 106)。あまりにも瑕疵が大 きいときは、公定力が取り消されるというのが行政法学の通説的理解である 107)。 ただ、重大明白な瑕疵があるときのみ無効なのであって、外観的形式を具有 する限り当然に無効となるわけではないとするのが最高裁の立場であった 108)。 しかしながら、譲渡所得が生じた所得税賦課処分とこれに基づく差押処分に対 し、上告人らが、本件各不動産を所有したことはない等と主張して、処分の無 効確認と差押処分の取消し等を求めた事案の判決 109)では、課税処分における 内容上の過誤が課税要件の根幹に関わり、徴税行政の安定とその円滑な運営の 要請を斟酌してもなお、不服申立期間の徒過による不可争的効果の発生を理由 として被課税者に右処分による不利益を甘受させることが著しく不当であるよ うな例外的な事情の下では、当該処分は当然無効だとしたのであった。これは、 後日の事情変化で非難に値しなくなったときは治癒するとする、いわゆる明白 性補充要件説に、最高裁も立つに至った表れだと思われる。こういった事案で は国家賠償の対象かも問題となろう 110)。刑事処分であることを鑑みると、そ の合憲性は厳しく認定されるべきであり、仮に法令に従った警察官には過失が ないとしても、本来適用されるべきでない者に適用されるほど曖昧・漠然もし くは過度に広汎な刑罰法規を立法した、歴代の国会議員や地方議会議員の過失 を認定することも考えるべきであろう。. 236.
(17) 警察官の不合理とは言えない法律の錯誤は、修正 4 条に照らして車両の停止を正当化する個別具体的な嫌疑があったかと言えるのか. おわりに 本稿は、法律の錯誤を端緒とする捜索・押収とその証拠能力に関するアメリ カの判例を紹介したものである。日本の刑事手続の適正化を図る実践的意図か らも、また、国家賠償法解釈への展望の意味からも、紹介は有意義に思える。 警察官の職務執行がある程度機械的でなければ難しいことは、日本の行政全般 ストリートレベル・ビューロクラシー. がいわゆる通達行政であって、個々の 末 端 公 務 員. 111). が法学研究科修士. 課程などで研修を積み、法規の解釈の訓練を日夜行っているわけではないとい う、行政指導や「忖度」の横行する、法治国家性が不完全な社会でここまでき たことに、遠因があろう。否、日本に限らず、行政国家においては、個々の公 務員が独自の法解釈を振り回すことは公平な法執行の妨げだとも言え、一旦は 杓子定規な解釈によって法執行を行い、実体もしくは手続に問題があれば、事 後、独立行政委員会や行政不服審査、裁判所で救済を行うのを基本とせざるを 得ないのかもしれない。だとすれば、このような社会で、個々の公務員が複雑 な法令の解釈、ましてや憲法判断を行うことを期待するのには無理がある。第 2 次メイプルソープ事件判決 112)の結果、税関職員がヌード写真集等の芸術性 を判断せざるを得なくなっていることなどをどう考えるのか。難問のままであ る。特に刑事手続の場合、現場警察官の判断に迷いを生じさせず、但し、冷静 な法解釈によって被疑者を救済すべきときには速やかに適正手続を重視した判 断を行うことが、警察署内部、検察、裁判所それぞれに求められるのではある まいか。具体的結論は遠く、争点が立ったばかりというところか。. (Endnotes) 1)本件評釈には、成瀬剛「米判批」アメリカ法[2016]160 頁などがある。 2)郡都・人口 1,586 人。郡の北はバージニア州で北緯 36°30’ 線のすぐ南に当たる。 3)2 人 は ヒ ス パ ニック 系 で あ る ら し い。See, Vivian M. Rivera, How Heien v. North Carolina Further Erodes The Fourth Amendment, 49 Loy. L. A. L. Rev. 297(2016) . 237.
(18) 横浜法学第 26 巻第 2 号(2017 年 12 月). 4)Darisse は Vasquez の免許証と車検証を確認した。目的地については、Heien はケンタッ キー、Vasquez はウエスト・バージニアだと回答した。State v. Heien, 366 N. C. 271, 272, 737 S.E.2d 351, 352(N.C. 2012) . 5)State v. Heien, supra note 4, at 272-273, 352-353; App. 5-6, 25, 37. 6)214 N. C. App. 515, 714 S. E. 2d 827(2011) . 7)N. C. Gen. Stat. Ann. §20-129(g) (2007) : a car must be “equipped with a stop lamp on the rear of the vehicle. The stop lamp shall display a red or amber light visible from a distance of not less than 100 feet to the rear in normal sunlight, and shall be actuated upon application of the service(foot)brake. The stop lamp may be incorporated into a unit with one or more other rear lamps.”(強調筆者) 8)214 N. C. App., at 518-522, 714 S. E. 2d, at 829-831(2011) . 9)366 N. C. 271, 737 S. E. 2d 351(2012) . 10)Id., at 282-283, 737 S. E. 2d, at 358-359(quoting N. C. Gen. Stat. Ann. §20-129 (d) ) . 11)Id., at 279, 737 S. E. 2d, at 356. 12)Id., at 283, 737 S. E. 2d, at 359. 13)226 N. C. App. 280, 741 S. E. 2d 1(2013) . 14)367 N. C. 163, 749 S. E. 2d 278(2013) . 15)572 U.S. ___, 134 S. Ct. 1872(2014) . 16)Brendlin v. California, 551 U.S. 249-259(2007) . 17)Prado Navarette v. California, 572 U.S. ___, ___, 134 S. Ct. 1683(2014) . 18)Riley v. California, 573 U.S. ___, ___, 134 S. Ct. 2473, 2482(2014) .本件評釈 に は、池亀尚 之「米判批」ア メ リ カ 法[2015-2]144 頁、森本直子「米判批」比較法学 49 巻 2 号 336 頁(2015)などがある。 19)Brinegar v. United States, 338 U.S. 160, 176(1949) . 20)Illinois v. Rodriguez, 497 U.S. 177, 183-186(1990) .本件評釈 に は、東條喜代子「米判批」 産大法学 28 巻 3=4 号 370 頁(1995)などがある。 21)Hill v. California, 401 U.S. 797, 802-805(1971) . 22)Brinegar v. United States, supra note 19, at 176. 23)§89, 1 Stat. 695-696 24)United States v. Riddle, 5 Cranch 311, 313(1809) . 25)See, e.g., The Friendship, 9 F. Cas. 825, 826(No. 5,125) (CC Mass. 1812) (Story, J.) ; United 238.
(19) 警察官の不合理とは言えない法律の錯誤は、修正 4 条に照らして車両の停止を正当化する個別具体的な嫌疑があったかと言えるのか. States v. The Reindeer, 27 F. Cas. 758, 768(No. 16,145) (CC RI 1848) ; United States v. The Recorder, 27 F. Cas. 723(No. 16,130) (CC SDNY 1849) . 26)Locke v. United States, 7 Cranch 339, 348(1813) . 27)Michigan v. DeFillippo, 443 U. S. 31(1979) . 本件評釈 に は、洲見光男「米判批」鈴木義 男編『アメリカ刑事判例研究第 1 巻』12 頁(成文堂、1982)などがある。 28)Id., at 33. 29)Id., at 37-38. 30)See, United States v. Leon, 468 U. S. 897(1984) ; Illinois v. Gates, 462 U. S. 213(1983) .後 者の評釈には、信太秀一「米判批」判例タイムズ 549 号 83 頁(1985)などがある。 31)Whren v. United States, 517 U. S. 806, 813(1996) .本件評釈 に は、洲見光男「米判批」 ア メ リ カ 法[1997-2]217 頁、成田秀樹「米判批」比較法雑誌 32 巻 2 号 166 頁(1998) などがある。 32)supra note 9, at 284, 737 S. E. 2d, at 360(Hudson, J., dissenting) . 33)Ashcroft v. al-Kidd, 563 U. S. 731, 741(2011) (slip op., at 12) (quoting Malley v. Briggs, 475 U. S. 335, 341(1986) ) . 34)Riley v. California, supra note 18(slip op., at 5) . 35)Ornelas v. United States, 517 U. S. 690, 696(1996) . 36)Id., at 696-697(quoting Pullman-Standard v. Swint, 456 U. S 273, 289, n. 19(1982) ) . 37)See, e.g., Terry v. Ohio, 392 U. S. 1, 22(1968) . 本件評釈 に は、松尾浩也「米判批」ア メ リカ法[1969-2]246 頁、阪村幸男「米判批」伊藤正己ほか編『英米判例百選Ⅰ』170 頁 (1978)などがある。 38)Devenpeck v. Alford, 543 U. S. 146, 153(2004) . 39)Illinois v. Rodriguez, supra note 20, at 186. 40)United States v. Cortez, 449 U. S. 411, 418(1981) . 41)Cheek v. United States, 498 U. S. 192, 199(1991) . 42)Terry, 392 U. S., at 25; See, Delaware v. Prouse, 440 U. S. 648, 657(1979) . 後者の評釈には、 渥美東洋「米判批」判例タイムズ 383 号 24 頁(1979)などがある。 43)Whren v. United States, supra note 31, at 810. 44)See, e.g., United States v. Rodriguez-Lopez, 444 F. 3d 1020, 1022-1023(CA8 2006) . 45)See, Ashcroft v. al-Kidd, supra note 33, 741(2011) (slip op., at 12) . 46)違法収集証拠排除の原則の例外であり、令状が客観的に無効であっても、警官が、それ 239.
(20) 横浜法学第 26 巻第 2 号(2017 年 12 月). が適正に発行されていると信じてそれを執行したことに合理的な理由があった場合、押 収物に証拠能力を認める事由である。詳細は、鈴木義男「証拠排除法則の新局面─善意 の例外」判例タイムズ 546 号 27 頁(1985) 、守田智保子「アメリカにおける善意の例外 について」明治大学社会科学研究所紀要 49 巻 2 号 417 頁(2011) 、小早川義則「米判批」 名城ロースクール・レビュー 19 号 49 頁(2011)など参照。これによって、違法収集証 拠排除の原則の適用範囲は更に狭まった。信太前掲註 30)評釈 85 頁。 47)See, State v. Carter, 322 N. C. 709, 721-724, 370 S. E. 2d 553, 560-562(1988) . 48)See, id., at 724, 370 S. E. 2d, at 562; N. C. Gen. Stat. Ann. Section15A §974(2013) (statutory good-faith exception) . 49)Brinegar v. United States, supra note 19. 50)Id., at 175-176(quoting Carroll v. United States, 267 U. S. 132, 162(1925) ) . 51)Michigan v. DeFillippo, supra note 27. 52)See, Illinois v. Krull, 480 U. S. 340, 359, n. 12(1987) .本件評釈 に は、松岡武彦「米判批」 同志社法学 40 巻 3 号 44 頁(1988)などがある。 53)なお、田宮裕『刑事訴訟法』 〔新版〕70 頁(有斐閣、1996)は、日本法の解釈問題として、 「おそらく、犯罪の害悪の重大性、おとり捜査方法の格別の必要性、手段の相当性など を前提にしたうえで、犯意誘発型の場合に、犯意を誘発するような方法の不公正を理由 として公訴棄却による制裁を考えるべきであろう」と指摘している。 54)成瀬前掲註 1)評釈 164 頁。 55)Harvey Gee,“U Can’t Touch This”Fog Line: the Improper Use of a Fog Line Violation as a Pretext for Initiating an Unlawful Fourth Amendment Search and Seizure, 36 N. Ill. U. L. Rev. 1, 11 (2015) . 56)Lorenzo G. Morales, North Carolina and Police Mistakes of Law: The Supreme Court Adds Another Ingredient to Its “Freedom-Destroying Cocktail”, 52 Cal. W. L. Rev. 79, 92(2015) . 57)Rivera, supra note 3, at 309. 58)Katherine Sanford, Helen v. North Carolina: Mistaken Conclusions on Mistakes of Law, 93 Denv. L. Rev. 523, 542(2016) . 59)e.g., United States v. Martin, 411 F.3d 998, 1001(8th Cir. 2005) (search or seizure may be lawful if mistake of law reasonable) , with United States v. Chanthasouxat, 342 F.3d 1271, 1279(11th Cir. 2003) (traffic stop based on mistake of law never lawful) . See, Leading Case, 129 Harv. L. Rev. 251, n. 2(2015) . 60)成瀬前掲註 1)評釈 165 頁。 240.
(21) 警察官の不合理とは言えない法律の錯誤は、修正 4 条に照らして車両の停止を正当化する個別具体的な嫌疑があったかと言えるのか. 61)実際、不審事由がなく、運転免許と車種・登録のチェックだけの目的で警官が裁量的に 停車命令を出した事案もある。e.g., Delaware v. Prouse, supra note 42. 62)成瀬前掲註 1)評釈 165 頁。 63)Sanford, supra note 58, at 541, 539. 64)渥美前掲註 42)評釈 28 頁。 65)成瀬前掲註 1)評釈 165 頁。 66)Leading Case, supra note 59, at 256. 67)Lauryn P. Gouldin, Redefining Reasonable Seizures, 93 Denv. L. Rev. 53, 101(2015) . 68)Aziz Z. Huq, Judicial Independence and The Rationing of Constitutional Remedies, 65 Duke L. J. 1, 33(2016) . 69)Rivera, supra note 3, at 312. 70)Leading Case, supra note 59, at 258, n. 93. 71)Id., at 260. 72)Id., at 256. 73)Sanford, supra note 58, at 541. 74)Leading Case, supra note 59, at 260. 75)Kit Kinportsf, The Supreme Court’s Quiet Expansion of Qualified Immunity, 100 Minn. L. Rev. 62, 74(2016) . 76)Gee, supra note 55, at 4. 77)Madison Cobur, The Supreme Court’s Mistake on Law Enforcement Mistake of Law: Why States Should not Adopt Heien v. North Carolina, 6 Wake Forest J. L. & Pol’y 503, 541(2016) . 78)Morales, supra note 56, at 106. 79)Cobur, supra note 77, at 503. 80)詳細は、小早川義則『毒樹の果実論』 (成文堂、2010)参照。このほか、柳川重規「不任 意自白に由来する自白及び証拠物─毒樹の果実法理の展開」現代刑事法 3 巻 2 号 51 頁 (2001) 、石田洋平「毒樹 の 果実論」名城法学論集 30 号 43 頁(2002) 、宇藤崇「 『毒樹 の 果実』論について」現代刑事法 5 巻 11 号 43 頁(2003) 、高田昭正「先行手続の違法と証 拠排除─『毒樹の果実』論と 『違法の承継』論」立命館法學 345 = 346 号上巻 398 頁(2012) なども参照。 81)Sarah Ricciardi, Do You Know Why I Stopped You?: The Future Of Traffic Stops In A Post-Helen World, 47 Conn. L. Rev. 1075, 1087(2015) . 241.
(22) 横浜法学第 26 巻第 2 号(2017 年 12 月). 82)Leading Case, supra note 59, at 256. また、小早川前掲註 46)評釈 63 頁も同旨。 83)Chris Jones, Caught in the Crosshairs: Developing a Fourth Amendment Framework for Financial Warfare, 68 Stan. L. Rev. 683, 699-700(2016) . 84)Leading Case, supra note 59, at 260. 85)Sanford, supra note 58, at 545. 86)2011 年度。See, Rivera, supra note 3, at 312. 87)Id., at 545-48; Mallory Meads, The War Against Ourselves: Heien v. North Carolina, the War on Drugs, and Police Militarization, 70 U. Miami L. Rev. 615, 645(2016) . 88)Sanford, supra note 58, at 550. 89)Gee, supra note 55, at 31. 90)e.g., Davis v. United States, 564 U.S. 229, 237-41(2011) .本件評釈には、 洲見光男「米判批」 同志社法学 63 巻 5 号 2419 頁(2011) 、柳川重規「米判批」比較法雑誌 46 巻 1 号 413 頁 (2012)などがある。 91)Cobur, supra note 77, at. 508. 92)Sanford, supra note 58, at 550. 93)Ricciardi, supra note 81, at 1102. 94)Rivera, supra note 3, at 313. 95)三井誠『刑事手続法(1) 』14 頁〔新版〕 (有斐閣、1997)は刑訴法 217 条について、 「き わめて軽微な事件についても一定の場合に現行犯逮捕を許容している」と評価している。 96)また、本件のような状況で捜索に抵抗したときに公務執行妨害罪で有罪となり得るか、 という論点も生じるかもしれない。 97)私人逮捕が問題となるのは、実は犯人でない者を逮捕してしまった事実の錯誤の場合か、 逮捕時の実力行使が過ぎて死亡させたなど、過剰防衛的に「警察比例の原則」を侵した 場合であろうか。実際に、コンビニエンス・ストアや書店の店員が万引き犯や強盗に対 処した結果、相手が死亡したようなケースはしばしばある。 98)西田典之『刑法総論』〔第 2 版〕240-243 頁(弘文堂、2010)参照。これに対し、團藤 重光『刑法綱要総論』 〔第 3 版〕317 頁(創文社、1990)は制限故意説に立ち、違法性の 錯誤に相当な理由があり、それが回避不可能であった場合には故意を阻却する立場であ る。 99)最判昭和 23 年 7 月 14 日刑集 2 巻 8 号 889 頁。本件評釈には、福田平「判批」田中二郎 編『行政判例百選』 〔新版〕277 頁(1970)などがある。 242.
(23) 警察官の不合理とは言えない法律の錯誤は、修正 4 条に照らして車両の停止を正当化する個別具体的な嫌疑があったかと言えるのか. 100)大阪天王寺覚せい剤事件=最判昭和 53 年 9 月 7 日刑集 32 巻 6 号 1672 頁。本件評釈に は、三井誠「判批(上、下) 」ジュリスト 679 号 45 頁、680 号 107 頁(1978) 、同「判批」 芦部信喜=高橋和之編『憲法判例百選Ⅰ』 〔第 2 版〕218 頁(1988) 、小早川義則「判 批」ジュリ ス ト 679 号 51 頁(1978) 、同「判批」名城法学 29 巻 1=2 号 177 頁(1980) 、 岡次郎「判批」ジュリ ス ト 679 号 56 頁(1978)、同「判批」法曹時報 34 巻 1 号 273 頁(1982)、同「判批」最高裁判所調査官室編『最高裁判所判例解説刑事篇昭和 53 年度』 386 頁(法曹会、1982) 、河上和雄「判批」法律 の ひ ろ ば 31 巻 12 号 54 頁(1978) 、渥 美東洋「判批」ジュリスト臨時増刊 693 号『昭和 53 年度重要判例解説』200 頁(1979) 、 光藤景皎「判批」法学セミナー 290 号 148 頁(1979) 、萩原昌三郎「判批」判例タイム ズ 374 号 59 頁(1979) 、書上由紀夫「判批」警察学論集 32 巻 1 号 41 頁(1979) 、光藤 景皎「判批」判例評論 251 号 39 頁(1980) 、森井暲「判批」別冊判例タイムズ 7 号『刑 事訴訟法 の 理論 と 実務』326 頁(1980) 、神宮壽雄「判批」研修 381 号 127 頁(1980) 、 清水勇男「判批」研修 407 号 111 頁(1982) 、田宮裕「判批」警察研究 55 巻 1 号 65 頁 (1984) 、安冨潔「判批」別冊判例 タ イ ム ズ 9 号『警察関係基本判例解説 100』130 頁(1985)、鈴木茂嗣「判批」平野龍一 ほ か 編『刑事訴訟法判例百選』 〔第 5 版〕142 頁(1986) 、 岡田薫「判批」別冊判例タイムズ 10 号『警察実務判例解説─捜索 ・ 差押え篇』 156 頁(1988) 、 刑事判例研究会「判批」捜査研究 441 号 75 頁(1988) 、 警備判例研究会「判 批」月刊治安 フォーラ ム 1 巻 10 号 119 頁(1995)、判例研究会「判批」警察時報 51 巻 8 号 86 頁(1996)、小黒和明「判批」研修 589 号 67 頁(1997)、松本一郎「判批」 松尾浩也=井上正仁編『刑事訴訟法判例百選』 〔第 7 版〕138 頁(1998) 、 加藤克佳「判批」 田口守一=寺崎嘉博編『判例演習刑事訴訟法』258 頁(成文堂、2004) 、 堀江慎司「判批」 井上正仁編『刑事訴訟法判例百選』 〔第 8 版〕136 頁(2005) 、杉田宗久「判批」別冊判 例 タ イ ム ズ 26 号『警察基本判例 ・ 実務 200』375 頁(2010) 、椎橋隆幸「判批」井上正 仁ほか編『刑事訴訟法判例百選』 〔第 9 版〕196 頁(2011) 、小木曽綾「判批」法学教室 364 号 6 頁(2011)、曽和俊文「判批」宇賀克也 ほ か 編『行政判例百選Ⅰ』〔第 6 版〕 226 頁(2012) 、加藤康榮「判批」月刊警察 30 巻 2 号 45 頁(2012)な ど が あ る。こ の ほか、渥美東洋「所持品検査の基準と違法収集証拠『排除法則』の適用の基準につい て─最高裁判所の 2 つの判決を契機に(上、中、下) 」判例タイムズ 373 号 14 頁、374 号 16 頁、375 号 236 頁(1979) 、石井一正「違法収集証拠排除 の 基準─最判昭和 53.9.7 以降の判例を中心として」判例タイムズ 577 号 8 頁(1986) 、岡部泰昌「違法収集証拠 の排除法則の根拠に関する考察─将来における違法な捜査の抑制は正当な根拠および 適用基準なのか(上、下) 」判例評論 338 号 13 頁、339 号 25 頁(1987) 、守田智保子「違 法収集証拠排除法則の根拠─最高裁判例と下級審裁判例からの考察」明大院法学研究 論集 32 号 209 頁(2009)などもある。 101)田宮前掲註 53)書 402 頁など。 243.
(24) 横浜法学第 26 巻第 2 号(2017 年 12 月). 102)松尾浩也『刑事訴訟法下』 〔新版補正第 2 版〕344 頁(弘文堂、1999) 。 103)君塚正臣「明確性の原則」戸松秀典=野坂泰司編『憲法訴訟の現状分析』324 頁、340 頁(有斐閣、2012) 。この点、表現規制の場合の明確性の憲法的要求は、文面違憲もし くは法令違憲を招く点で異なると思われる。 104)三井前掲註 95)書 103 頁など参照。 105)田宮前掲註 53)書 61 頁など。 106)なお、行政法の教科書においても、錯誤の例は、行政機関ではなく私人によるものとなっ ている。例えば、宇賀克也『行政法概説Ⅰ』 〔第 3 版〕74 頁及び 90 頁(有斐閣、2009) 参照。 107)塩野宏『行政法Ⅰ』 〔第 6 版〕178 頁(有斐閣、2015)など。 108)最判昭和 31 年 7 月 18 日民集 10 巻 7 号 890 頁。国籍法 7 条 2 項 5 号に違反する帰化の 許可処分であっても、その違法が重大かつ明白でなければ処分は無効ではないとして、 破棄差戻しとした。本件評釈には、 溜池良夫「判批」民商法雑誌 35 巻 2 号 97 頁(1957) 、 田中真次「判批」最高裁判所調査官室編『最高裁判所判例解説民事篇昭和 31 年度』123 頁(法曹会、1957) 、田中真次「判批」雄川一郎編『行政判例百選Ⅰ』190 頁(1979) 、 内野芳富「判批」戸籍 101 号 9 頁(1957) 、江川英文「判批」法学協会雑誌 74 巻 4 号 171 頁(1957) 、今村成和「判批」北大法学会論集 8 巻 1=2 号 92 頁(1957) 、山田幸男 「判批」我妻栄編『続判例百選』 〔第 2 版〕38 頁(1965) 、 横山実「判批」池原季雄編『渉 外判例百選』 〔増補版〕190 頁(1976) 、山本敬三「判批」池原季雄ほか編『渉外判例百 選』 〔第 2 版〕232 頁(1986) 、芝池義一「判批」塩野宏=小早川光郎編『行政判例百選 Ⅰ』 〔第 3 版〕164 頁(1993) 、皆川治廣「判批」塩野宏ほか編『行政判例百選Ⅰ』 〔第 4 版〕180 頁(1999) 、奥田安弘「判批」判例タイムズ臨時増刊 1100 号『家事関係裁判例 と実務 245 題』297 頁(2002)などがある。 109)最判昭和 48 年 4 月 26 日民集 27 巻 3 号 629 頁。本件評釈 に は、横山茂晴「判批」ジュ リスト 543 号 150 頁(1973) 、中川一郎「判批(1、2・完) 」シュトイエル 136 号 5 頁、 137 号 1 頁(1973) 、堺沢良「判批」税経通信 28 巻 8 号 197 頁(1973) 、石川善則「判批」 法律のひろば 27 巻 6 号 62 頁(1974) 、尾上実「判批」乙部哲郎「判批」民商法雑誌 69 巻 5 号 119 頁(1974) 、関本秀治「判批」法と民主主義 88 号 31 頁(1974) 、松澤智「判 批」税務弘報 22 巻 5 号 125 頁(1974) 、法学教室二期 7 号 210 頁(1975) 、小早川光郎 「判批」判例評論 194 号 25 頁(1975) 、同「判批」雄川一郎編『行政判例百選Ⅰ』197 頁(1979) 、S・H・E「判批」時 の 法令 887 号 52 頁(1975) 、岸田貞夫「判批」税経通信 33 巻 14 号 234 頁(1978) 、可部恒雄「判批」法曹時報 28 巻 11 号 134 頁(1976) 、同「判 批」最高裁判所調査官室編『最高裁判所判例解説民事篇昭和 48 年度』532 頁(法曹会、 1977)、松島諄吉「判批」金子宏編『租税判例百選』〔第 2 版〕58 頁(1983)、塩 244.
(25) 警察官の不合理とは言えない法律の錯誤は、修正 4 条に照らして車両の停止を正当化する個別具体的な嫌疑があったかと言えるのか. 野宏「判批」金子宏 ほ か 編『租税判例百選』 〔第 3 版〕156 頁(1992) 、廣岡正道「判 批」租税判例セミナー編『判例からみた租税法の諸問題』59 頁(日本税務研究センター、 1994) 、中川丈久「判批」水野忠恒 ほ か 編『租税判例百選』 〔第 4 版〕200 頁(2005) 、 福家俊朗「判批」小早川光郎ほか編『行政判例百選Ⅰ』 〔第 5 版〕164 頁(2006) 、伊川 正樹「判批」水野忠恒ほか編『租税判例百選』 〔第 5 版〕194 頁(2011) 、岩本浩史「判 批」宇賀克也ほか編『行政判例百選Ⅰ』 〔第 6 版〕174 頁(2012) 、阿部雪子「判批」中 里実ほか編『租税判例百選』 〔第 6 版〕207 頁(2016)などがある。 110)接見妨害に対して国家賠償請求があった事案で、捜査機関は、弁護人から被疑者との 接見の申出があったときは原則として何時でも接見の機会を与えるべきであり、被疑 者が防禦のため弁護人と打ち合せることのできるような措置をとるべきだとはしなが ら、本件の事情の下では、警察官が捜査主任官の指定のないことを理由に接見を拒ん でも、国家賠償法 1 条 1 項にいう違法な行為には該当しないとした判決がある。杉山 事件=最判昭和 53 年 7 月 10 日民集 32 巻 8 号 820 頁。本件評釈には、石川才顕「判批」 法学セミナー 283 号 40 頁(1978) 、 馬場義宣「判批」法律のひろば 31 巻 10 号 18 頁(1978) 、 飯田英男「判批」研修 363 号 63 頁(1978) 、 時岡泰「判批」ジュリスト 682 号 90 頁(1979) 、 同「判批」法曹時報 32 巻 2 号 119 頁(1980) 、同「判批」最高裁判所調査官室編『最高 裁判所判例解説民事篇昭和 53 年度』267 頁(法曹会、 1982) 、久岡康成「判批」ジュリ ス ト 臨時増刊 693 号『昭和 53 年度重要判例解説』197 頁(1979) 、井戸田侃「判批」民 商法雑誌 81 巻 1 号 97 頁(1979)、同「判批」平野龍一ほか編『刑事訴訟法判例百選』 〔第 5 版〕40 頁(1986) 、光藤景皎「判批」法学セミナー 292 号 147 頁(1979) 、岡部泰 昌「判批」判例評論 243 号 44 頁(1979) 、村重慶一「判批」判例タイムズ 390 号『昭和 53 年度民事主要判例解説』172 頁(1979) 、はやし・しうぞう「判批」時の法令 1033 号 54 頁(1979) 、 渡部正和「判批」捜査研究 28 巻 3 号 10 頁(1979) 、 刑事判例研究会「判批」 警察研究 50 巻 9 号 98 頁(1979) 、 判例研究会「判批」警察時報 34 巻 3 号 107 頁(1979) 、 椎橋隆幸「判批」別冊判例 タ イ ム ズ 7 号『刑事訴訟法 の 理論 と 実務』255 頁(1980) 、 同「判批」芦部信喜=高橋和之編『憲法判例百選Ⅰ』 〔第 2 版〕230 頁(1988) 、蔡秋雄 「判批」法学協会雑誌 97 巻 8 号 152 頁(1980) 、笹川隆太郎「判批」法学 47 巻 4 号 152 頁(1983) 、中西武夫「判批」別冊判例タイムズ 9 号『警察関係基本判例解説 100』187 頁(1985) 、永野義一「判批」研修 442 号 107 頁(1985) 、右崎正博「判批」小林孝輔 編『判例教室憲法』 〔新版〕359 頁(法学書院、1989) 、大野重國「判批」別冊判例タイ ムズ 26 号『警察基本判例 ・ 実務 200』537 頁(2010)などがある。 111)真渕勝『行政学』502-511 頁(有斐閣、2009)参照。ここでは「第一線公務員」と訳さ れている。 112)最判平成 20 年 2 月 19 日民集 62 巻 2 号 445 頁。本件評釈 に は、西土彰一郎「判批」速 報判例解説 3 号 19 頁(2008) 、豊田兼彦「判批」法学 セ ミ ナー 641 号 123 頁(2008) 、 245.
(26) 横浜法学第 26 巻第 2 号(2017 年 12 月). 榎透「判批」同 643 号 118 頁(2008) 、森英明「判批」ジュリスト 1374 号 88 頁(2009) 、 同「判批」ジュリ ス ト 増刊『最高裁時 の 判例 6 平成 18 ~ 20 年』20 頁(2010) 、同 「判批」法曹時報 62 巻 9 号 189 頁(2010) 、同「判批」最高裁判所調査官室編『最高 裁判所判例解説民事篇平成 20 年度』94 頁(法曹会、2011) 、市川正人「判批」ジュ リ ス ト 臨時増刊 1376 号『平成 20 年度重要判例解説』18 頁(2009) 、木村草太「判 批」法学教室 342 号別冊附録『判例 セ レ ク ト ‘08』7 頁(2009) 、南部篤「判批」判例 評論 599 号 13 頁(2009) 、内田義厚「判批」別冊判例 タ イ ム ズ 25 号『平成 20 年度主 要民事判例解説』270 頁(2009) 、伊藤繁「判批」行政判例研究会編『行政関係判例解 説平成 20 年』178 頁(ぎょう せ い、2010) 、井口文男「判批」岡山大学法学会雑誌 60 巻 1 号 161 頁(2010)、田 代 正 彦「判 批」法 政 法 学 27 号 49 頁(2010)が あ る。 このほか、君塚正臣「性表現規制のゆるやかな変化として─最高裁第 2 次メイプル ソープ 写真集事件判決 の 影響」新聞研究 681 号 50 頁(2008) 、小関康平「性表現裁判 例にみる猥褻概念・猥褻性判断方法の変遷─チャタレイ夫人の恋人、悪徳の栄え、四 畳半襖の下張、そして、メイプルソープの再読を通じて」早大院 Law & Practice10 号 225 頁(2016)などもある。. [付記] 本研究 は 2016 年 10 月 15 日 に 学習院大学東 2 号館 8 階会議室 で 行 わ れ た 合衆国 最高裁判所判例研究会(紙谷雅子会長)での報告を纏め、遅れ馳せながら、2017 年 7 月 12 日に脱稿したものである。研究会当日は、津村政孝先生ほか、多くの会員から貴重な コメントを頂いた。深く御礼申し上げたい。なお、本稿は、平成 25 年度‒29 年度日本学 術振興会科学研究費基盤研究(C)一般「司法権・憲法訴訟論 の 総合構築」 (課題番号 25380029)による研究成果の一部である。. 246.
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